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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086029
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】座席装置
(51)【国際特許分類】
   B61D 33/00 20060101AFI20240620BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20240620BHJP
   B61D 37/00 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B61D33/00 Z
B60N3/00 A
B61D37/00 A
B61D33/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200882
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】名和 博志
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088AA03
(57)【要約】
【課題】座席背面が壁に沿うロング状態にあるときは、テーブルの使用を物理的に制限することができる座席装置を提供する。
【解決手段】座席1の状態を変換可能な座席装置10において、座席1の側方にしまう収納状態と、着座者の前方へ引き出し展開する使用状態と、に操作可能なテーブル70を備え、座席1がロング状態にあるとき、テーブル70を収納状態に拘束して引き出す操作を制限した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席の状態を変換可能な座席装置において、
座席の側方にしまう収納状態と、着座者の前方へ引き出し展開する使用状態と、に操作可能なテーブルを備え、
座席が特定の状態にあるとき、前記テーブルを収納状態に拘束して引き出す操作を制限したことを特徴とする座席装置。
【請求項2】
前記テーブルを収納状態に拘束可能なテーブルロック機構と、
座席の固定側に設けられた係合部と、
座席の可動側に設けられ、座席が前記特定の状態になると、前記係合部に係合して変位する被係合部と、を備え、
前記被係合部と前記テーブルロック機構とは、互いに伝動手段を介して連結され、
前記伝動手段を介して、前記被係合部の変位が前記テーブルロック機構に伝達されると、該テーブルロック機構は、前記テーブルを収納状態に拘束することを特徴とする請求項1に記載の座席装置。
【請求項3】
座席の側方に前記テーブルを収納可能な袖部が設けられ、
前記袖部の上端側は、前記テーブルをしまう内部を覆う肘掛として開閉可能であり、
前記テーブルロック機構は、前記肘掛が袖部の内部を覆う閉位置にあるとき、該肘掛に対して係脱可能なロック部を備え、
前記ロック部は、前記伝動手段を介して、前記被係合部の変位が伝達されると前記肘掛に係合し、該肘掛を閉位置に拘束することを特徴とする請求項2に記載の座席装置。
【請求項4】
座席の背凭れを傾倒可能なリクライニング機構を備え、
前記テーブルを収納状態に拘束する動作に連動して、前記リクライニング機構による背凭れを傾倒させる操作を不能としたことを特徴とする請求項3に記載の座席装置。
【請求項5】
前記リクライニング機構により背凭れを傾倒させる操作を行うリクライニング操作部と、
前記リクライニング操作部を操作不能に拘束可能なリクライニングロック機構と、
前記リクライニング操作部と前記リクライニング機構とを互いに連結して、前記リクライニング操作部に対する操作力を前記リクライニング機構に伝達する第2伝動手段と、を備え、
前記リクライニングロック機構は、前記伝動手段の途中に設けられた規制部と、前記第2伝動手段の途中に設けられた被規制部と、を備え、
座席が前記特定の状態にあり、前記伝動手段が前記被係合部の変位を前記ロック部に伝達しているとき、前記規制部が前記被規制部に係合して前記第2伝動手段の動きを規制し、前記リクライニング操作部を操作不能に拘束することを特徴とする請求項4に記載の座席装置。
【請求項6】
前記伝動手段は、前記被係合部側に連結された入力側ケーブルと、前記ロック部側に連結された出力側ケーブルと、を備え、
前記入力側ケーブルと前記出力側ケーブルとは、前記規制部を介して連結され、
前記第2伝動手段は、前記リクライニング操作部側に連結された第2入力側ケーブルと、前記リクライニング機構側に連結された第2出力側ケーブルと、を備え、
前記第2入力側ケーブルと前記第2出力側ケーブルとは、前記被規制部を介して連結され、
前記規制部と前記被規制部とは、同一のハウジング内に収められ、前記リクライニングロック機構はユニットとして構成されたことを特徴とする請求項5に記載の座席装置。
【請求項7】
座席を回転軸周りに回転させる回転機構と、
座席を固定側より前記回転機構ごと進退させるスライド機構と、を備え、
前記回転機構および前記スライド機構の連動によって座席の状態は、
座席背面が壁に略平行に沿うロング状態と、
前記ロング状態と略直交する向きで壁から離れたクロス状態と、に変換可能であり、
座席の前記特定の状態は、前記ロング状態に相当することを特徴とする請求項6に記載の座席装置。
【請求項8】
座席の固定側として、床面上に固定された脚台と、
座席の可動側として、前記脚台に前記スライド機構を介して進退可能に取り付けられ、前記回転機構を介して座席の台枠が回転可能に支持された移動台と、を備え、
前記係合部は、前記脚台に設けられ、
前記被係合部は、前記移動台に設けられたことを特徴とする請求項7に記載の座席装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席の状態を変換可能な座席装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば鉄道車両に搭載される座席には、両側方向に長く2人用等と複数人が掛けられる腰掛タイプがあり、通常は客室内で両側の壁際に沿って設置されている。この腰掛タイプには、座席背面が壁に平行に沿うロング状態と、座席背面が壁と直交するクロス状態とに、座席中心の回転軸周りに回転させて向きを変換できる回転座席が知られている。
【0003】
このような回転座席では、座席を壁に沿ったロング状態からクロス状態へ回転させるとき、座席の軌跡(回転半径)が壁と干渉しないように、座席の回転機構に加えてスライド機構を備え、さらに各機構を連動させる伝達機構も備えた座席装置が既に提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
すなわち、前記座席装置では、客室内で両側の座席間の通路幅をなるべく広げて快適な空間を確保するために、ロング状態のときは座席の回転軸を壁際に位置させる一方、クロス状態のときは座席が壁と干渉しないように、座席の回転軸を通路側にスライドさせていた。このような座席装置も含めて一般に回転座席では、通勤時間帯等の混雑時には、座席をロング状態に変換して運用していた。
【0005】
また、鉄道車両の座席には、着座者の便宜を図るためにテーブルを備えたものがある。ここでテーブルは、通常は肘掛下の袖部に収納されており、肘掛を開閉することでテーブルを引き出して展開するように構成されている(例えば特許文献2参照)。このようなテーブルを前記回転座席に搭載することが検討されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3431772号公報
【特許文献2】特開2008-74396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の回転座席にテーブルをそのまま搭載すると、座席がクロス状態の時はテーブルを展開しても特に問題はないが、座席がロング状態の時にテーブルを展開すると、混雑時における乗客の乗り降りの障害となる虞があった。そのため、回転座席にテーブルを搭載するには、座席のロング状態における何らかの対策が希求されていた。
【0008】
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、回転座席にテーブルを搭載するにあたって、テーブルの使用が問題となる特定の状態(ロング状態)にあるときだけ、テーブルの使用を確実かつ容易に制限することができる座席装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明の一態様は、
座席の状態を変換可能な座席装置において、
座席の側方にしまう収納状態と、着座者の前方へ引き出し展開する使用状態と、に操作可能なテーブルを備え、
座席が特定の状態にあるとき、前記テーブルを収納状態に拘束して引き出す操作を制限したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る座席装置によれば、座席の状態を変換可能であっても、テーブルを搭載してその使用を可能とするが、テーブルの使用が問題となる特定の状態のときだけ、テーブルの使用を制限する一方、特定の状態以外のときでは、テーブルを使用可能に切り替えて着座者の便宜を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る座席装置の内部構造の一部を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る座席装置のクロス状態において肘掛を開いた状態を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る座席装置のクロス状態においてテーブルを展開した状態を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る座席装置のロング状態において袖部の内部を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る座席装置のロング状態において座席背面側の内部構造を示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る座席装置の袖部の内部構造を示す側面図である。
図7】本発明の実施形態に係る座席装置の袖部に収納された状態のテーブルを示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係る座席装置のテーブルを袖部から引き出し展開する一連の操作を示す説明図である。
図9】本発明の実施形態に係る座席装置のクロス状態における(a)肘掛を裏側から見た斜視図、(b)テーブルロック機構の拡大斜視図、(c)テーブルロック機構の拡大側面図である。
図10】本発明の実施形態に係る座席装置のロング状態における(a)肘掛を裏側から見た斜視図、(b)テーブルロック機構の拡大斜視図、(c)テーブルロック機構の拡大側面図である。
図11】本発明の実施形態に係る座席装置のクロス状態におけるリクライニングロック機構を座席背面側から見た斜視図である。
図12】本発明の実施形態に係る座席装置のクロス状態におけるリクライニングロック機構を座席背面側から見た正面図である。
図13図12のA-A線断面図である。
図14】本発明の実施形態に係る座席装置のロング状態におけるリクライニングロック機構を座席背面側から見た斜視図である。
図15】本発明の実施形態に係る座席装置のロング状態におけるリクライニングロック機構を座席背面側から見た正面図である。
図16図15のB-B線断面図である。
図17】本発明の実施形態に係る座席装置の脚台、移動台、および台枠を示す斜視図である。
図18】本発明の実施形態に係る座席装置の回転ロック機構を示す斜視図である。
図19】本発明の実施形態に係る座席装置の回転ロック機構を下側から見た状態を示す斜視図である。
図20】本発明の実施形態に係る座席装置のクロス状態を示す正面図である。
図21】本発明の実施形態に係る座席装置のロング状態を示す側面図である。
図22】本発明の実施形態に係る座席装置のクロス状態における回転操作部を示す(a)側面図、(b)斜視図である。
図23】本発明の実施形態に係る座席装置のロング状態における回転操作部を示す(a)側面図、(b)斜視図である。
図24】本発明の実施形態に係る座席装置において座席をロング状態、一クロス状態、逆クロス状態に変換する過程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施形態を説明する。
図1から図24は、本発明の一実施形態を示している。
本実施形態に係る座席装置10は、座席1の状態を変換可能なものである。ここで座席1の状態とは、座席1の回転による向きだけでなく、座席1の前後位置の変化等も含む概念である。また、座席1の種類は、特に限定されるものではないが、以下、鉄道車両の客室内に搭載する2人掛けの腰掛に適用した場合を例に説明する。なお、各図において、同一部分についての多少の形状の違いは単に設計変更にすぎない(例えば図1図2における背凭れ3の形状の違い等)。
【0013】
<座席装置10の概要>
図1に示すように、座席装置10は、床面上に固定される脚台11と、脚台11に前後方向へ進退可能に支持された移動台20と、移動台20上で略水平面に正逆方向へ回転可能に支持された座席1の台枠30と、を備えている。ここで脚台11は、「座席1の固定側」に相当し、移動台20および台枠30は、「座席1の可動側」に相当する。なお、座席装置10は、鉄道車両の客室内で壁(窓)際の床面上に配置され、図17図24中の「W」は、鉄道車両の進行方向と平行な壁の一部を示している。
【0014】
図1図17に示すように、座席1の台枠30は、回転機構40を介して、移動台20上に回転可能に支持されている。また、移動台20は、スライド機構14(図17参照)を介して、脚台11上に回転機構40ごと進退可能に支持されている。さらに、座席装置10は、回転機構40による座席1の回転に、スライド機構14による座席1の進退を連動させるために、図示省略したが連動機構を備えている。
【0015】
<座席1>
図1に示すように、座席1は、例えば2人掛け用の腰掛として、左右一対の座部2,2と背凭れ3,3を両側方向に並設してなる。各背凭れ3は、それぞれ下端側が座部2の後端側に、後述するリクライニング機構50を介して傾倒可能に支持されている。座席1の両側方は、それぞれ一対の袖部4,4で囲われている。各袖部4の上端側は、略水平に前後に延びる肘掛5として構成されている。また、袖部4には、着座者が物を置いたりして使用するインアームテーブルと称されるテーブル70が設けられている。
【0016】
<座席1の状態>
図24に示すように、座席1の状態は、座席背面が壁Wに略平行に沿うロング状態(図24(a)参照)と、座席背面が壁Wに略直交するクロス状態(図24(c),(d)参照)と、に変換可能である。クロス状態には、座席1が車両の進行方向を向く一クロス状態(図24(c)参照)と、座席1が車両の進行方向と逆向きとなる逆クロス状態(図24(d)参照)と、がある。以下、一クロス状態と逆クロス状態を総称するときは、単にクロス状態と表記する。ここで座席背面とは、背凭れ3の背面側と同義である。座席1は、一般に通勤時間帯等の混雑時にロング状態で運用される。
【0017】
図1から図3は、座席1が一クロス状態にあるときの座席装置10を示している。図4および図5は、座席1がロング状態にあるときの座席装置10を示している。図24に示すように、座席1のロング状態を原位置として回転角度を0度とすると、ロング状態から一方向(図24中で反時計回り)へ90度回転させると一クロス状態となり、ロング状態から逆方向(図24中で時計回り)へ90度回転させると逆クロス状態となる。本実施形態のロング状態が、本発明における座席1の「特定の状態」に相当する。
【0018】
<テーブル70>
図6から図8に示すように、テーブル70は、通常は袖部4に内蔵されており、肘掛5を開閉することで外部に取り出し展開するように構成されている。すなわち、テーブル70は、袖部4の内部に収めて座席1の側方にしまう収納状態(図4参照)と、着座者の前方へ引き出し展開する使用状態(図3参照)と、に操作可能である。袖部4の内部は、テーブル70をしまう収納空間となっており、袖部4の上端側は開口している。袖部4の上端側には、その開口を塞ぐ肘掛5が開閉可能に設けられている。
【0019】
肘掛5は、例えば細幅な板状材の上面にクッション性を備えたカバーを被覆してなる。図6に示すように、肘掛5は、後端側が回転軸5bを介して、袖部4の上端側の後方に設けられた取付部5cに回動可能に連結され、前端側が上下方向に回動する(図2参照)。図8に示すように、詳しく言えばテーブル70は、その主要部をなすテーブルトレイ71と、テーブルトレイ71の支持機構として、ベースヒンジ72、回転ヒンジ73、トレイヒンジ74を備えている。
【0020】
テーブルトレイ71は、全体的には略矩形の板状に形成されている。ベースヒンジ72は、袖部4の内側で上端側の前方寄りに上向きに固定されている。回転ヒンジ73は、ベースヒンジ72の上端側に枢軸を介して前後方向に回動可能に連結されている。トレイヒンジ74は、回転ヒンジ73に対し枢軸を介して左右方向に回動可能に連結され、テーブルトレイ71の裏面側の角隅に固定されている。このような支持機構によって、テーブルトレイ71は、袖部4の内部に収まる収納状態と、着座者の前方へ引き出し展開する使用状態と、に変位可能に支持されている。
【0021】
また、テーブルトレイ71は、図8(d)に示すように一枚物ではなく、着座者から見て左半部71aと右半部71bに分割されており、それぞれ一対の連結ヒンジ71c,71cを介して折曲可能に連結されている。前記トレイヒンジ74は、左半部71aの裏面側の角隅に固定されている。テーブルトレイ71は、収納状態では左半部71aと右半部71bとが重なり合っている。なお、右半部71bの角隅には、収納状態のテーブルトレイ71を引き出す際に指を掛ける突片71dが設けられている。
【0022】
テーブルトレイ71は、使用状態において、左半部71a上に右半部71bを重ねたままで使用が可能であり(図8(c)参照)、また、右半部71bを左半部71aより180度開いて同一平面上に展開しての使用も可能である(図8(d)参照)。ここで回転ヒンジ73およびトレイヒンジ74は、左半部71aを略水平な角度に保持するストッパ構造を備えている。また、各連結ヒンジ71cは、右半部71bを左半部71aに対して180度開いた角度に保持するストッパ構造を備えている。
【0023】
<テーブルロック機構80>
図6に示すように、袖部4には、テーブル70を収納状態に拘束可能なテーブルロック機構80が設けられている。テーブルロック機構80は、座席1がロング状態(特定の状態)にあるとき、肘掛5を閉位置に拘束することにより、テーブル70を袖部4から引き出せないようにして、その使用を物理的に制限するものである。テーブルロック機構80は、袖部4の内側で上部の前端にユニットとして配設されている。
【0024】
図9図10に示すように、テーブルロック機構80は、そのベースとなるハウジング81に組み込まれたロックピン82と、ロックピン82に押し引き可能に連結されたリンク83と、を備えている。ロックピン82は、本発明の「ロック部」に相当し、肘掛5が袖部4の内部を覆う閉位置にあるとき、肘掛5に対して係脱可能に構成されている。ここでロックピン82は、座席1がロング状態にあるとき、肘掛5に係合して閉位置に拘束することにより、テーブル70を引き出す操作を物理的に制限する。
【0025】
ロックピン82は、ハウジング81の上部で前後方向に移動可能に支持されている。ロックピン82の前端は、ハウジング81の上部にあるガイド孔81a(図9(b)参照)を貫通し、ハウジング81の内外に出没する。ここでロックピン82の前端は、バネ部材84によって通常はハウジング81の内部に没入する方向に付勢されているが、リンク83の揺動に伴ってハウジング81の外部に突出するように設定されている。一方、図9(a)に示すように、肘掛5の前端下方には、ロックピン82の前端が係脱する被ロック孔6aを備えた掛止板6が設けられている。
【0026】
リンク83は、一端部83aと他端部83bとが、互いに側面視で略L字形に連なるように形成されている。リンク83は、一端部83aと他端部83bとの連結部位が、ハウジング81に回転軸83cを介して揺動可能に枢支されている。リンク83の一端部83aの先端は、ロックピン82の後端側にある長孔に移動可能に嵌合した枢軸を介して、リンク83の揺動をロックピン82の前後移動に変換可能に連結されている。
【0027】
リンク83の他端部83bの先端には、ブラケット85を介して後述するテーブルロックケーブル110の出力端側が連結されている。テーブルロックケーブル110の入力端側は、後述する回転操作部90側にある被係合部97まで延ばされている。テーブルロックケーブル110は、座席1がロング状態にあるとき、被係合部97によって引かれることで、肘掛5を閉位置に拘束する。
【0028】
すなわち、図9(c)に示す状態で、テーブルロックケーブル110が引かれると、リンク83は、ロックピン82を没入させるバネ部材84の付勢力に抗して、図9(c)中で回転軸83cを中心とする時計回りに揺動する。これにより、図10(c)に示すように、ロックピン82が突出して、肘掛5の被ロック孔6aに嵌入するため、肘掛5は閉位置に拘束される。なお、テーブルロックケーブル110は、テーブルロック機構80と後述の被係合部97と連結する本発明の「伝動手段」に相当する。
【0029】
<リクライニング機構50>
図1に示すように、リクライニング機構50は、背凭れ3を座部2に対して所定の角度範囲で傾倒可能に支持するものである。リクライニング機構50は、各背凭れ3ごとに独立して設けられており(図1では一方のみ図示)、例えば台枠30の両側端に沿って配置されている。ここでリクライニング機構50は、具体的には例えば、ガススプリング等のダンパー51から構成されている。
【0030】
リクライニング機構50をなすダンパー51は、その内部にガスが充填された円筒状のシリンダ本体52と、該シリンダ本体52内に出没可能に挿入されたピストンロッド53と、からなる。ダンパー51は、ピストンロッド53がシリンダ本体52に収まる方向に付勢されているが、ロック機構によってピストンロッド53を任意の量だけ突出した状態に固定することができる。
【0031】
シリンダ本体52の後端は、背凭れ3内部のフレーム下端に押し引き可能に連結されている。一方、シリンダ本体52の前端より出没するピストンロッド53の先端は、台枠30の前端側の適所に連結されている。このようなダンパー51によって、背凭れ3を任意の傾倒角度に保持することができる。すなわち、ダンパー51がロック状態のとき、シリンダ本体52よりピストンロッド53が所定量だけ突出した状態に固定され、背凭れ3を任意の傾倒角度に保持できるように構成されている。
【0032】
ダンパー51のロック状態を解除すると、シリンダ本体52にピストンロッド53が収まる付勢力によって、背凭れ3は最も起立した初期位置まで復帰する。かかるロック解除状態でダンパー51の復元力に抗して、着座者が背凭れ3を後方へ押すことにより、背凭れ3を任意の傾倒角度に調整することができる。ダンパー51のロック機構は、一般的であるので詳細な説明は省略するが、ピストンロッド53の傍らに、ロック状態を解除する解除部材54が設けられている。
【0033】
解除部材54は、通常はロック状態を維持する状態に付勢されているが、後述するリクライニング操作ケーブル120(図11参照)の出力端側が連結されている。このリクライニング操作ケーブル120が、次述するリクライニング操作部55の操作によって引かれると、解除部材54は、前記付勢力に抗してロック状態を解除する方向に変位するように設定されている。また、本実施形態の座席装置10は、後述するが前記テーブルロック機構80の拘束に連動して、リクライニング操作部55を操作不能に拘束可能なリクライニングロック機構100を備えている。
【0034】
<リクライニング操作部55>
図1に示すように、座席1には、リクライニング機構50による背凭れ3の傾倒角度の拘束を解除するためのリクライニング操作部55が設けられている。リクライニング操作部55は、各背凭れ3毎にあるリクライニング機構50に対応して、左右の袖部4にそれぞれ設けられている。ここでリクライニング操作部55は、例えば袖部の前方寄りの内面側に配置された周知の操作ボタンとして構成されている。
【0035】
リクライニング操作部55には、解除部材54側まで延ばされたリクライニング操作ケーブル120の入力端側が連結されている。ここでリクライニング操作部55が押されると、リクライニング操作ケーブル120が引かれて、その操作力が伝達された解除部材54は変位する、すなわちリクライニング機構50による背凭れ3の拘束が解除されるように構成されている。なお、リクライニング操作ケーブル120は、リクライニング操作部55に対する操作力をリクライニング機構50に伝達する「第2伝動手段」に相当する。
【0036】
<脚台11>
図17に示すように、脚台11は、客室内で壁Wの傍らの床面上に固定されている。脚台11は、壁Wと略直交する方向(前後方向)に長い架台状にフレーム材を組み合わせて構成されている。脚台11の上面側は略水平であり、この上面側は、長辺をなす両側端部12,12と、後側(壁W側)の短辺をなす後端部とで囲まれているが、前端側(通路側)は開放されている。
【0037】
脚台11は、その後端部が壁Wと略平行に近接した状態で床面上に配置されている。すなわち、脚台11は、その長手方向に平行な両側端部12,12が壁Wと略直交し、短手方向に平行な前端側および後端部が壁Wと略平行となるように固定されている。なお、脚台11の上面側には、次述するスライド機構14(図17参照)の他、台枠30の進退範囲や回転方向を規制するストッパ等の関連部品が設けられている。
【0038】
<スライド機構14>
図17に示すように、脚台11の上面側には、スライド機構14を介して移動台20が壁Wと略直交する方向へ進退可能に取り付けられている。スライド機構14は、脚台11の両側端部12,12の内側に設けられた一対のガイドレール14a,14aを備えている。一対のガイドレール14a,14aは、脚台11の上面側の両長辺に沿って互いに平行に対向しており、各ガイドレール14aの内側に、次述する移動台20の両側部21,21(に設けられたガイドレール(図示せず))が摺動可能に嵌合している。
【0039】
<移動台20>
図17に示すように、移動台20は、脚台11の上面側で略水平に配置されており、長方形の枠組状にフレーム材を組み合わせて構成されている。移動台20の長辺をなす両側部21,21は、前述した一対のガイドレール14a,14aの内側に摺動可能に嵌合している。よって、移動台20は、壁Wに対して略直交する方向に前進ないし後退するようにスライド可能となっている。また、移動台20の略中央には、座席1を回転軸周りに回転させる回転機構40が設けられている。
【0040】
<台枠30>
図17に示すように、台枠30は、座席1を取り付けて支持する座席全体のフレームであり、移動台20上に回転機構40を介して支持されている。台枠30は、例えば2つ並びの座部2の底面に合致する形状の金属板により構成されている。すなわち、台枠30は、その左右方向に長い略長方形に形成されている。また、台枠30の下面側には、次述する回転機構40や電動モータ41等が配設されている。
【0041】
<回転機構40>
図17に示すように、回転機構40は、移動台20上に座席1の台枠30を略水平面上で正逆方向へ回転可能に支持するものである。回転機構40は、例えば内外一対のリング状の回転盤が、その間にベアリング等を介在させて、互いに回転可能に組み合わされたユニットとして構成されている。かかる回転機構40では、外側の回転盤が移動台20に固定され、内側の回転盤が台枠30に固定される。
【0042】
座席1の回転中心となる回転軸は、回転機構40の中心線であり、本実施形態では物理的な実態を伴うものではない。図20に示すように、回転機構40は、動力源であるモータ41を備えている。モータ41には減速機が付設されており、その出力軸にある駆動ギヤが、台枠30側に設けられた回転軸を中心とするスプロケット42に回転可能に噛み合わされている。なお、回転機構40は、手動によっても座席を回転可能となっている。
【0043】
<回転ロック機構60>
座席装置10は、台枠30(座席1)をロング状態、一クロス状態、逆クロス状態のそれぞれの回転位置で回転不能に拘束する回転ロック機構60を備えている。回転ロック機構60は、台枠30を脚台11に対して回転不能にロックするため、必然的に移動台20も脚台11に対して進退不能に拘束される。
【0044】
図17に示すように、回転ロック機構60は、脚台11側から台枠30に亘り上下に出没可能なロックピン61と、台枠30に設けられ前記ロックピン61が係脱する係止孔62a,62b,62cとを備えている。各係止孔62a,62b,62cは、略長方形の台枠30のうち、座席背面に沿う一長辺側と、座席両側に沿う両短辺側に、それぞれ合計3つ設けられている。
【0045】
ロックピン61は、ユニット60aに組み込まれており、ユニット60aは、脚台11の上面側の後端寄りに固定されている。ロックピン61は、脚台11の上面側より上方へ出没可能であり、上方へ突出して係止孔62a,62b,62cに嵌入するロック位置と、下方へ没入して係止孔62a,62b,62cから外れるロック解除位置と、に動作する。
【0046】
ロックピン61は、座席1がロング状態、一クロス状態、逆クロス状態に変換されたとき、それぞれの位置で上下に合致する台枠30側の係止孔62a,62b,62cに嵌入することで、座席1を回転不能に拘束する。すなわち、ロング状態のとき、ロックピン61は、台枠30の一長辺側にある係止孔62aに嵌入する。また、一クロス状態のとき、ロックピン61は、台枠30の一短辺側にある係止孔62bに挿入されて係合する。さらに、逆クロス状態のとき、ロックピン61は、台枠30の他短辺側にある係止孔62cに嵌入する。
【0047】
図18図19に示すように、ロックピン61が組み込まれたユニット60aには、ロックピン61を上方へ突出させロック位置に常時付勢するバネ部材(図示せず)と、ロックピン61をバネ部材の付勢力に抗して下方のロック解除位置に没入させるリンク60bとが、それぞれ設けられている。図示省略したがリンク60bには、手動操作用の回転操作ケーブル130と、電動操作用の回転操作ケーブルの出力端側がそれぞれ連結されている。
【0048】
ロックピン61は、バネ部材の付勢力によって通常はロック位置に維持されるが、リンク60bが後述する回転操作ケーブル130等によって引かれると、バネ部材の付勢力に抗してロック解除位置に没入するように構成されている。ここで回転操作ケーブル130の入力端側は、脚台11側に設けられた回転操作部90まで延ばされている。後述するが回転操作部90における操作によって、回転操作ケーブル130(図20参照)が引っ張られ、回転ロック機構60の拘束が解除されるように構成されている。
【0049】
一方、電動操作用の回転操作ケーブル(図示省略)を引っ張る動力源は、例えば回転機構40のモータ41が兼用されている。すなわち、モータ41はクラッチを備えており、クラッチの切り替えによって、回転機構40により座席を回転させる動作と、ロックピン61を没入させてロック解除する動作と、に切り替え可能に構成されている。なお、モータ41のクラッチに関する構成は、一般的であるので詳細な説明は省略する。
【0050】
本実施形態に係る回転ロック機構60では、座席1がロング状態にあるときは、回転ロック機構60による拘束を、回転操作部90における手動の回転操作では解除できず、モータ41による電動の回転操作のみで解除することができるように構成されている。ここでの電動の回転操作は、車両の乗務員や駅員によって行われるものであり、手動の回転操作は主に乗客によって行われる。
【0051】
<回転操作部90>
図1に示すように、座席1には、回転操作部90が設けられている。回転操作部90は、回転ロック機構60のロックピン61による拘束を解除する操作を行うものである。図22に示すように、回転操作部90は、1つのハウジング91に足踏ペダル94等の各部品が組み込まれてユニットとして構成されており、例えば移動台20の前端側に垂下した取付部22(図22(b)参照)に固定されている。
【0052】
図22図23に示すように、回転操作部90は、ハウジング91の前面側に固定された支持ブラケット92の下端に、枢軸93を介して揺動可能に支持された足踏ペダル94を備えている。足踏ペダル94は、その基端側が枢支された枢軸93を揺動中心として、先端側が前後方向へ揺動可能である。
【0053】
足踏ペダル94は、先端側がハウジング91の前方へ突出する使用位置(図22参照)と、先端側が上方へ引っ込む収納位置(図23参照)と、に揺動する。足踏ペダル94は、バネ部材95を介して通常は前方へ突出する使用位置に付勢されている。ここで足踏ペダル94が使用位置にあるとき、これを踏み込んで回転ロック機構60による拘束を解除する操作が可能であるが、足踏ペダル94が収納位置にあるときは、回転ロック機構60による拘束を解除する操作は不能となる。
【0054】
足踏ペダル94の基端側には、回転ロック機構60側まで延ばされた回転操作ケーブル130の入力端側がブラケット等を介して連結されている。ここで使用位置にある足踏ペダル94を下方へ踏み込むと、回転操作ケーブル130が引かれて回転ロック機構60のロックピン61(図18参照)が下方へ没入し、回転ロック機構60のロック状態が解除されるように構成されている。
【0055】
また、足踏ペダル94の基端側には、枢軸93から偏心した位置で両側方向へ突出したピン状の被係合部97が固定されている。被係合部97には、前記テーブルロック機構80側から延ばされたテーブルロックケーブル110の入力端側がブラケットを介して連結されている。ここで被係合部97が次述する係合部99に係合すると、テーブルロックケーブル110が引かれてテーブルロック機構80のロックピン82が突出し、テーブル70を収納状態に拘束するように構成されている。
【0056】
<回転操作阻止機構98>
また、回転操作部90には、該回転操作部90による拘束の解除操作を不能とする回転操作阻止機構98が付設されている。回転操作阻止機構98は、座席1がロング状態(特定の状態)にあるとき、足踏ペダル94の操作を不能とするものである。図22図23に示すように、回転操作阻止機構98は、座席1の固定側である脚台11に設けられた係合部99と、座席1の可動側にある前記回転操作部90の被係合部97から成る。
【0057】
係合部99は、脚台11のうち底面上の前端に配置され、前方へ向かって斜め上方へ突出するブラケット状に形成されている。一方、被係合部97は、前述したように足踏ペダル94の基端側で枢軸93から偏心した位置にピン状に設けられている。被係合部97は、座席1がロング状態(特定の状態)のとき、係合部99に係合するように設定されている。被係合部97が係合部99に係合すると、足踏ペダル94をバネ部材95の付勢力に抗して収納位置に揺動させるため、回転操作部90における解除操作を不能とする。同時に、前述したようにテーブル70の使用を制限する。
【0058】
<連動機構>
また、座席装置10は、座席1をロング状態、一クロス状態、逆クロス状態に変換するとき、座席1が壁Wと干渉しないように、座席1の回転と進退を連動させる連動機構(図示せず)を備えている。ここで連動機構は、通常は脚台11と移動台20とに設けられている。
【0059】
連動機構は、座席1を台枠30と共に回転させたとき、該台枠30の回転を直線運動に変換して移動台20に伝達し、移動台20を台枠30と共に、壁Wに対して近接ないし離隔するように直線方向へ進退させる。このような連動機構の種類は、特に限定されるものではないが、具体的には例えば、本出願人が既に提案している特許6549634号公報に記載された発明、あるいは特許6932469号に記載された発明等を利用すると良い。
【0060】
<リクライニングロック機構100>
図5に示すように、座席1には、リクライニング操作部55を操作不能に拘束可能なリクライニングロック機構100が設けられている。リクライニングロック機構100は、各背凭れ3毎にあるリクライニング機構50のリクライニング操作部55に対応して、例えば各座部2の後端側等の空スペースに適宜配置されている。なお、リクライニングロック機構100は、後述するように1つのユニットとして構成されており、その配置は適宜変更することができる。
【0061】
図11から図13に示すように、リクライニングロック機構100は、ベースとなるハウジング101と、テーブルロックケーブル110の途中に設けられた規制部に相当するブラケット114と、リクライニング操作ケーブル120の途中に設けられた被規制部126を含むロックレバー123と、を備えている。ここでブラケット114と被規制部126とは、ハウジング101に組み込まれている。よって、テーブルロックケーブル110とリクライニング操作ケーブル120は、それぞれハウジング101内を通るように配索されている。
【0062】
ハウジング101は、正面視で略長方形のケース状に形成されており、両側面端には、それぞれテーブルロックケーブル110とリクライニング操作ケーブル120とが、上下に平行に並ぶように挿通されている。テーブルロックケーブル110は、ハウジング101の下側で両側方向に延びるように挿通され、リクライニング操作ケーブル120は、ハウジング101の上側で両側方向に延びるように挿通されている。
【0063】
詳しく言えば、テーブルロックケーブル110は、入力端側が回転操作部90側に延びるテーブルロック入力側ケーブル111と、出力端側がテーブルロック機構80側に延びるテーブルロック出力側ケーブル112と、に分かれている。ここでテーブルロック入力側ケーブル111とテーブルロック出力側ケーブル112との対向する端部同士は、互いにハウジング101内で連結軸113および一対のブラケット114,115を介して連結されている。
【0064】
ハウジング101の底面側には、連結軸113を両側方向に移動可能に支持するガイド部102が設けられている。連結軸113は、ガイド部102の前後壁に形成された長溝103に嵌合して案内される。図13に示すように、連結軸113の後方寄りには、U字状の金具であるブラケット114を介して、テーブルロック入力側ケーブル111の端部が連結されている。一方、連結軸113の前方寄りには、同じくU字状の金具であるブラケット115を介して、テーブルロック出力側ケーブル112の端部が連結されている。前述したようにブラケット114は、本発明の「規制部」に相当する。
【0065】
テーブルロック入力側ケーブル111は、連結軸113およびブラケット114と一緒に、補助バネ部材116によって、テーブルロック出力側ケーブル112がテーブルロック機構80側に戻る方向に付勢されている。また、テーブルロック出力側ケーブル112は、前述したようにテーブルロック機構80にあるバネ部材84によって、テーブル70の使用を制限しない方向に付勢されている。ここで補助バネ部材116は、バネ部材84の付勢力を補助するものとなる。
【0066】
また、リクライニング操作ケーブル120は、入力側がリクライニング操作部55側に延びるリクライニング操作入力側ケーブル121と、出力側がリクライニング機構50側に延びるリクライニング操作出力側ケーブル122と、に分かれている。ここでリクライニング操作入力側ケーブル121とリクライニング操作出力側ケーブル122との対向する端部同士は、互いにハウジング101内でロックレバー123を介して連結されている。
【0067】
図12に示すように、ロックレバー123は、図示した形状に形成されており、その上部の互いに対向する両側に、リクライニング操作入力側ケーブル121の端部を掛止する止め溝124と、リクライニング操作出力側ケーブル122の端部を掛止する止め溝125とが、設けられている。各止め溝124,125は、それぞれケーブル121,122の端部が掛止ピンが引っ張り方向から抜けない形状ないし角度に形成されている。また、ロックレバー123は、ハウジング101に枢軸127を介して両側移動に揺動可能に枢支されている。
【0068】
ロックレバー123の揺動端となる下部には、テーブルロック入力側ケーブル111が挿通する溝が設けられており、ロックレバー123の下部は、ガイド部102の内側に沿って両側方向に案内される。ここでロックレバー123の下部で前記溝の一端側は、前記規制部であるブラケット114を臨むように出っ張る被規制部126として設けられている。座席1がクロス状態のときは、図12図13に示すように、被規制部126はブラケット114から離脱している。かかる状態では、リクライニング操作部55の操作によって、リクライニング操作ケーブル120全体を、図中で左方向に引っ張ることが可能であり、リクライニング操作を行うことができる。
【0069】
一方、座席1がロング状態のときは、図15図16に示すように、テーブルロックケーブル110全体は、バネ部材84や補助バネ部材116の付勢力に抗して、図中で右方向に引っ張られており、ブラケット114が被規制部126に係合する位置まで移動している。かかる状態では、リクライニング操作部55の操作によって、リクライニング操作ケーブル120全体を、図中で左方向に引っ張ることができず、結果としてリクライニング操作を行うことができない。すなわち、座席1がロング状態にあるとき、ブラケット114が被規制部126に係合することで、リクライニング操作ケーブル120の動きを規制するように構成されている。
【0070】
<座席装置10の作用>
以下、本実施の形態に係る座席装置10の作用について、テーブルロック機構80の動作によるテーブル70の使用制限、リクライニングロック機構100の動作による背凭れ3の傾動制限、それに座席1全体の状態の変換を中心に、それぞれ順に説明する。
【0071】
<<テーブルロック機構80の動作>>
先ず、テーブルロック機構80の動作について説明する。
図20に示すように、座席1がクロス状態にあるとき、移動台20側の被係合部97は、脚台11側の係合部99から離れている。従って、被係合部97は回動(変位)することなく、テーブルロックケーブル110も引っ張られずに開放された状態にある。
【0072】
このとき、テーブルロック機構80では、図9に示すように、ロックピン82が、バネ部材84の付勢力によってハウジング81の内部に没入し、肘掛5の被ロック孔6aから先端が外れている。そのため、肘掛5を任意に開けて、図8に示すように、袖部4からテーブル70を取り出し使用することができる。
【0073】
テーブル70を使用する際は、肘掛5のカバーを開き(図2参照)、袖部4からテーブル70を引き出しつつ前方へ180度回動させる(図8(a),(b)参照)。さらに、テーブル70を側方へ90度傾倒させる(図8(c)参照)。これにより、テーブル70は着座者の前方にて略水平な状態に展開される。また、テーブル面積を大きくしたい場合は、2枚に折り畳まれたものを開いて使用することもできる(図8(d)参照)。
【0074】
一方、図21に示すように、座席1がロング状態に変換されると、脚台11側の係合部99に対して移動台20側の被係合部97が係合する。すると、図23に示すように、被係合部97は押され、バネ部材95の付勢力に抗してテーブルロックケーブル110を引っ張る方向へ回動(変位)する。なお、座席1のロング状態への変換は、例えば通勤時間帯等の混雑時に、後述する動作により行われる。
【0075】
係合部97の回動(変位)により、テーブルロック機構80では、図10に示すように、ロックピン82が、バネ部材84の付勢力に抗してハウジング81の外部に突出し、閉位置にある肘掛5の被ロック孔6aに先端が嵌入する。そのため、肘掛5は閉位置に拘束されて開けることができず、テーブル70を引き出して展開する操作が物理的に制限される。これにより、車両の混雑時に座席1をロング状態にした場合には、展開されたテーブル70が乗客の乗り降りの障害となる虞はない。
【0076】
<<リクライニングロック機構100の動作>>
次に、リクライニングロック機構100の動作について説明する。
本実施形態のリクライニングロック機構100によれば、座席1がロング状態に変換されたときに、前述したテーブルロック機構80の動作に連動して、リクライニング機構50による背凭れ3を傾倒させる操作を制限することができる。
【0077】
座席1がクロス状態にあるとき、テーブルロックケーブル110は、被係合部97から引っ張られずに開放された状態にある。すなわち、リクライニングロック機構100では、図11から図13に示すように、テーブルロックケーブル110が、図中で右方向に引っ張られていない。よって、テーブルロック入力側ケーブル111とテーブルロック出力側ケーブル112とを繋ぐ連結軸113は、前述したバネ部材84や補助バネ部材116の付勢力によって、ハウジング101にあるガイド部102の左端まで移動している。
【0078】
これにより、連結軸113に連結された規制部であるブラケット114は、リクライニング操作入力側ケーブル121とリクライニング操作出力側ケーブル122とを繋ぐロックレバー123の被規制部126から離脱している。この離脱した分だけリクライニング操作ケーブル120は操作可能である。よって、リクライニング操作部55を操作すると、リクライニング操作ケーブル120が引かれて、リクライニング機構50における背凭れ3の拘束が解除され、着座者は背凭れ3を任意の角度に傾倒させることができる。
【0079】
一方、座席1がロング状態に変換されると、前述した被係合部97の回動(変位)に伴って、図14から図16に示すように、テーブルロックケーブル110は、バネ部材84や補助バネ部材116の付勢力に抗して、図中で右方向に引っ張られる。よって、前記連結軸113は、ハウジング101にあるガイド部102の右端まで移動し、ブラケット114は、ロックレバー123の被規制部126に係合する。
【0080】
これにより、リクライニング操作ケーブル120は、図中で左側となる操作方向への移動が規制される。すなわち、リクライニング操作部55を操作できなくなり、リクライニング機構50による背凭れ3のリクライニング操作ができない。従って、座席1がロング状態にあるときは、前述したテーブル70の使用制限と同時に、着座者による背凭れ3のリクライニング操作も確実に阻止することができ、背凭れ3が不用意に傾倒して壁Wと干渉する事態を防ぐことができる。
【0081】
<<座席1の状態の変換>>
次に、図24に沿って、座席1の状態の変換について説明する。
図24(a)に示すように、座席1がロング状態にあるとき、回転機構40は壁Wに最も接近した位置にあり、背凭れ3の背面は壁Wに略平行に沿い、座席の回転角度は0度となる。このようなロング状態では、台枠30は、移動台20に対して回転不能に拘束され、移動台20は、脚台11に対してスライド不能に拘束されている。
【0082】
このとき、回転ロック機構50では、図18に示すロックピン61が、台枠30の一長辺側にある係止孔62a(図17参照)に嵌入している。ここでロックピン61は、座席1の固定側である脚台11から突出するため、座席1は回転不能となるだけでなく、同時にスライドも不能に拘束されている。
【0083】
また、座席1がロング状態にあるとき、図23に示すように、回転操作阻止機構98によって、回転操作部90における解除操作は不能となる。すなわち、ロング状態では、脚台11側の係合部99に対して、移動台20側の足踏ペダル94にある被係合部97が係合する。すると、足踏ペダル94は、バネ部材95の付勢力に抗して起立した収納位置に揺動し、当該収納位置に拘束される。
【0084】
これにより、座席1がロング状態にあるとき、足踏ペダル94は、単に操作不能な収納位置に変位するだけでなく、係合部99と被係合部97との係合関係によって、収納位置に強固に保持される。従って、ロング状態では、回転操作部90における解除操作が不能となる。このような簡易な構成により、ロング状態では、着座者による座席1の回転操作を確実に阻止することができる。
【0085】
次に、図24(a)から図24(c)に示すように、座席1をロング状態から一クロス状態(回転角度90度)に変換するには、先ず回転ロック機構60による回転の拘束を解除する必要がある。ここでロックピン61を係止孔62aから外す動作は、前述したように足踏ペダル94の操作では行うことはできず、モータ41の動力を利用した電動操作によって行われる。
【0086】
図24(a)に示すロング状態において、回転ロック機構60による拘束を解除した後、図24(b)に示すように、座席1を正方向(図24中で反時計回り)へモータ41で回転させると、図示省略した連動機構によって、座席1は前進しながら回転する。すなわち、座席1は、壁Wと干渉しないように、正方向へ回転しながら通路側へ前進しつつ回転する。
【0087】
図24(c)に示すように、座席1が一クロス状態(回転角度90度)に到達すると、図17において、回転ロック機構60のロックピン61が、台枠30の一短辺側にある係止孔62bに嵌入する。これにより、座席1は、一クロス状態で回転不能に拘束されることになる。
【0088】
また、座席1がクロス状態にあるときは、回転操作阻止機構98による回転操作部90の操作不能な拘束が解除される。すなわち、図24(c)に示す一クロス状態では、脚台11側の係合部99に対して、移動台20側の足踏ペダル94にある被係合部97は係合せずに離れる。よって、足踏ペダル94は、バネ部材95の付勢力により前方へ突出した使用位置となる。
【0089】
このとき、座席1の着座者は、足踏ペダル94を踏み込むことにより、回転ロック機構60による拘束を解除することができる。すなわち、図22において、足踏ペダル94が踏み込まれて揺動すると、回転操作ケーブル130が引かれてロックピン61(図18参照)が下方へ没入し、回転ロック機構60のロック状態が解除される。これにより、着座者は座席1を手動で回転させることができる。
【0090】
さらに、図24(c)に示す一クロス状態おいて、回転ロック機構60の拘束を解除した後、座席1を逆方向(図24中で時計回り)へ回転させると、図示省略した連動機構によって、座席1は例えば回転しながら後退ないし前進する。続いて、ロング状態と平行な状態で前進した位置に一旦保持された状態で、座席1は進退はせずに逆方向へそのまま回転する。
【0091】
図24(d)に示すように、座席1が逆クロス状態(回転角度-90度)に到達すると、回転ロック機構60のロックピン61が、台枠30の他方の短辺側の係止孔62cに嵌入し、再び台枠30は回転不能に拘束される。このような座席1の一クロス状態から逆クロス状態への変換は、手動操作に限らず、電動操作によっても行うことができる。なお、座席1を、逆クロス状態から一クロス状態、さらに一クロス状態から元のロング状態に戻すには、前述したロング状態から一クロス状態、および一クロス状態から逆クロス状態への変換と、それぞれ逆の動作を行えば良い。
【0092】
<本発明の構成と作用効果>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
【0093】
先ず、本発明は、座席1の状態を変換可能な座席装置10において、
座席1の側方にしまう収納状態と、着座者の前方へ引き出し展開する使用状態と、に操作可能なテーブル70を備え、
座席1が特定の状態にあるとき、前記テーブル70を収納状態に拘束して引き出す操作を制限したことを特徴とする。
【0094】
本座席装置10では、座席1の状態を、壁Wに沿って配置されるロング状態と、壁Wと直交するクロス状態に変換可能であり、通勤時間帯等の混雑時には、乗客が立って乗れるスペースを広げるために通常はロング状態で運用される。このロング状態において、座席1のテーブル70を展開すると、混雑した車内における乗客の乗り降りの障害となる虞があった。
【0095】
そこで、本座席装置10では、座席1がこのような特定の状態(ロング状態)にあるとき、テーブル70を収納状態に拘束して引き出す操作を制限することができる。これにより、座席1の状態を変換可能な座席装置10でも、座席1の側方から引き出すタイプのテーブル70を問題なく搭載することができる。また、座席1が特定の状態(ロング状態)以外の状態(クロス状態)では、テーブル70の使用を制限しないことにより、着座時の利便性を向上させることができる。
【0096】
また、本発明は、前記テーブル70を収納状態に拘束可能なテーブルロック機構80と、
座席1の固定側に設けられた係合部99と、
座席1の可動側に設けられ、座席1が前記特定の状態になると、前記係合部99に係合して変位する被係合部97と、を備え、
前記被係合部97と前記テーブルロック機構80とは、互いに伝動手段110を介して連結され、
前記伝動手段110を介して、前記被係合部97の変位が前記テーブルロック機構80に伝達されると、該テーブルロック機構80は、前記テーブル70を収納状態に拘束することを特徴とする。
【0097】
このような構成によれば、係合部99と被係合部97との機械的な係合関係に起因して、簡易な構成で電動力を用いることなく、テーブルロック機構80によりテーブル70を収納状態に拘束することができる。ここで被係合部97の変位は、伝動手段110を介してテーブルロック機構80に伝達されるため、係合部99および被係合部97と、テーブルロック機構80を、それぞれ離隔した適所でも自由にレイアウトすることが可能となる。
【0098】
また、本発明では、座席1の側方に前記テーブル70を収納可能な袖部4が設けられ、
前記袖部4の上端側は、前記テーブル70をしまう内部を覆う肘掛5として開閉可能であり、
前記テーブルロック機構80は、前記肘掛5が袖部4の内部を覆う閉位置にあるとき、該肘掛5に対して係脱可能なロック部82を備え、
前記ロック部82は、前記伝動手段110を介して、前記被係合部97の変位が伝達されると前記肘掛5に係合し、該肘掛5を閉位置に拘束することを特徴とする。
【0099】
このように、本座席装置10におけるテーブル70は、座席1の側方の袖部4に収納可能なインアームテーブルとすることができる。ここでテーブルロック機構80は、そのロック部82を肘掛5に直接的に係合させて開閉を阻止するため、テーブル70の使用を物理的に確実に制限することができる。
【0100】
また、本発明は、座席1の背凭れ3を傾倒可能なリクライニング機構50を備え、
前記テーブル70を収納状態に拘束する動作に連動して、前記リクライニング機構50による背凭れ3を傾倒させる操作を不能としたことを特徴とする。
【0101】
このような構成により、座席1が特定の状態(ロング状態)にあるときは、テーブル70の使用の制限と同時に背凭れ3の傾倒を確実に規制することができる。従って、座席1が特定の状態(ロング状態)にあるときは、背凭れ3が着座者のリクライニング操作により傾倒して壁Wと干渉することを防ぐことができる。なお、座席1が特定の状態(ロング状態)以外の状態(クロス状態)では、背凭れ3を傾倒させることが可能となり、座り心地を向上させることができる。
【0102】
また、本発明は、前記リクライニング機構50により背凭れ3を傾倒させる操作を行うリクライニング操作部55と、
前記リクライニング操作部55を操作不能に拘束可能なリクライニングロック機構100と、
前記リクライニング操作部55と前記リクライニング機構50とを互いに連結して、前記リクライニング操作部55に対する操作力を前記リクライニング機構50に伝達する第2伝動手段120と、を備え、
前記リクライニングロック機構100は、前記伝動手段110の途中に設けられた規制部114と、前記第2伝動手段120の途中に設けられた被規制部126と、を備え、
座席1が前記特定の状態にあり、前記伝動手段110が前記被係合部97の変位を前記ロック部82に伝達しているとき、前記規制部114が前記被規制部126に係合して前記第2伝動手段120の動きを規制し、前記リクライニング操作部55を操作不能に拘束することを特徴とする。
【0103】
このような構成により、座席1が特定の状態(ロング状態)のときは、リクライニング機構50の操作を行うリクライニング操作部55を、リクライニングロック機構100によって操作不能に拘束する。そのため、着座者によるリクライニングの操作自体ができないことになり、着座者に分かりやすく背凭れ3の傾倒を規制することができる。また、リクライニングロック機構100は、伝動手段110および第2伝動手段120の途中に設けられるため、これらの配索次第で適所に自由にレイアウトすることができる。
【0104】
しかも、規制部114と被規制部126との機械的な係合関係に起因して、簡易な構成で電動力を用いることなく、リクライニング操作部55を操作不能に拘束することができる。ここで規制部114の変位は、前記被係合部97の変位に連動するため、テーブル70の使用の制限に加えて、背凭れ3の傾倒不能な拘束を確実に同期させることができる。さらに、規制部114によって、第2伝動手段120の動きを直接的に拘束するため、リクライニングロック機構100の構成を簡易化することができる。
【0105】
また、本発明では、前記伝動手段110は、前記被係合部97側に連結された入力側ケーブル111と、前記ロック部82側に連結された出力側ケーブル112と、を備え、
前記入力側ケーブル111と前記出力側ケーブル112とは、前記規制部114を介して連結され、
前記第2伝動手段120は、前記リクライニング操作部55側に連結された第2入力側ケーブル121と、前記リクライニング機構50側に連結された第2出力側ケーブル122と、を備え、
前記第2入力側ケーブル121と前記第2出力側ケーブル122とは、前記被規制部126を介して連結され、
前記規制部114と前記被規制部126とは、同一のハウジング101内に収められ、前記リクライニングロック機構100はユニットとして構成されたことを特徴とする。
【0106】
このような構成によれば、リクライニングロック機構100を、伝動手段110および第2伝動手段120の途中に簡単に後付けすることが可能となる。しかも、リクライニングロック機構100は、ユニットとして容易に扱うことができ、その取り付け作業も簡単に行うことができる。
【0107】
また、本発明は、座席1を回転軸周りに回転させる回転機構40と、
座席1を固定側より前記回転機構40ごと進退させるスライド機構14と、を備え、
前記回転機構40および前記スライド機構14の連動によって座席1の状態は、
座席1背面が壁に略平行に沿うロング状態と、
前記ロング状態と略直交する向きで壁から離れたクロス状態と、に変換可能であり、
座席1の前記特定の状態は、前記ロング状態に相当することを特徴とする。
【0108】
これにより、本座席装置10を、前述した実施形態に記載の通り、鉄道車両に搭載される周知の回転座席に、そのまま適用することが可能となる。
【0109】
さらに、本発明は、座席1の固定側として、床面上に固定された脚台11と、
座席1の可動側として、前記脚台に前記スライド機構14を介して進退可能に取り付けられ、前記回転機構40を介して座席1の台枠30が回転可能に支持された移動台20と、を備え、
前記係合部99は、前記脚台11に設けられ、
前記被係合部97は、前記移動台20に設けられたことを特徴とする。
【0110】
このような本座席装置10によれば、座席装置10の必要最低限の構成要素の中で、係合部99と被係合部97とを、最適な構成要素に対応するレイアウトを実現することができる。
【0111】
以上、実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、脚台11、移動台20、台枠30の形状、それにテーブルロック機構80、リクライニングロック機構100等の具体的な構成は、図示したものに限定されることはない。
【0112】
また、動力伝達系であるテーブルロックケーブル110、リクライニング操作ケーブル120の具体的な配索は、図示したものに限定されることはない。また、座席1は2人掛けの例を説明したが、3人掛けや1人掛けの座席1であっても良い。さらに、座席1の状態の変換は、ロング状態、一クロス状態、逆クロス状態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、鉄道車両、航空機、自動車、船舶等の客室内に設置される乗物用の座席の他、劇場用、家庭用、事務用の椅子を対象とした座席装置として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0114】
10…座席装置
11…脚台
14…スライド機構
20…移動台
30…台枠
40…回転機構
50…リクライニング機構
55…リクライニング操作部
60…回転ロック機構
70…テーブル
80…テーブルロック機構
90…回転操作部
94…足踏ペダル
97…被係合部
98…回転操作阻止機構
99…係合部
100…リクライニングロック機構
110…テーブルロックケーブル
114…ブラケット(規制部)
120…リクライニング操作ケーブル
123…ロックレバー
126…被規制部
130…回転操作ケーブル
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