(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086066
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】支援装置、支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/36 20060101AFI20240620BHJP
G06F 8/30 20180101ALI20240620BHJP
【FI】
G06F11/36 196
G06F8/30
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200953
(22)【出願日】2022-12-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】工藤 千寛
【テーマコード(参考)】
5B042
5B376
【Fターム(参考)】
5B042HH19
5B376BC61
(57)【要約】
【課題】テストを実施する様々な対象について、有益なバグ曲線を提示することが可能な支援装置等を提供する。
【解決手段】支援装置100は、複数のテスト事例が記録されるデータベース200を利用する。各テスト事例は、各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、事例対象に対して実施されたテストの実施済数と検出されたバグの検出数との経過を表す事例履歴と、を対応付けて含む。取得部101は、テストを実施中である実施中対象について、実施中対象に関する実施中対象情報と、実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と検出されたバグの検出数との経過を表す実施中履歴と、を取得する。抽出部103は、実施中対象情報に類似する事例対象情報を含むテスト事例をデータベース200から抽出する。描画部102は、実施中履歴に基づくバグ曲線と、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線と、を画面に描画する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のテスト事例が記録されるデータベースを利用する支援装置であって、
前記複数のテスト事例の各テスト事例は、
前記各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、
前記各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、
を対応付けて含み、
テストを実施中である実施中対象について、
前記実施中対象に関する実施中対象情報と、
前記実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、
を対応付けて取得する取得部と、
前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画する描画部と、
前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例を前記データベースから抽出する抽出部と、
を備え、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに前記画面に描画する
ことを特徴とする支援装置。
【請求項2】
前記テストの実施済数は、前記テストの開始からの経過日数によって表す
ことを特徴とする請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記抽出部は、
前記データベースに記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報のうち、2つの事例対象情報と、当該2つの事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線の類似度と、を学習データとして学習することにより生成されたモデルに、
前記データベースに記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報と、前記取得された実施中対象情報とを入力することにより、当該事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線と、前記取得された実施中対象情報に対応付けられた実施中履歴に基づくバグ曲線との第1類似度を求め、
前記第1類似度が第1閾値以上のバグ曲線に係る事例履歴に対応付けられた事例対象情報を、前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報とみなす
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線のうち、前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線との第2類似度が第2閾値以上の前記事例履歴に基づくバグ曲線を、前記画面に描画する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の支援装置。
【請求項5】
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線を、前記抽出されたテスト事例の数だけ前記画面に描画する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の支援装置。
【請求項6】
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線を、
前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴から定められる上界を上界線でつなぎ、
前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴から定められる下界を下界線でつなぎ、
前記上界線と前記下界線の間を塗り潰すように描画する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の支援装置。
【請求項7】
前記描画部は、
前記上界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数うち、最も大きいバグの検出数と定め、
前記下界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数うち、最も小さいバグの検出数と定める
ことを特徴とする請求項6に記載の支援装置。
【請求項8】
前記描画部は、
前記上界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数の平均に、当該バグの検出数の標準偏差に所定値を乗じた値を加算した値と定め、
前記下界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数の平均から、当該バグの検出数の標準偏差に前記所定値を乗じた値を減算した値と定める
ことを特徴とする請求項6に記載の支援装置。
【請求項9】
前記描画部は、
前記上界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数のうち、第3四分位数と定め、
前記下界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数のうち、第1四分位数と定める
ことを特徴とする請求項6に記載の支援装置。
【請求項10】
前記描画部は、
ユーザからバグの検出数の指定を受け付け、
前記上界線において、前記指定されたバグの検出数が検出されたテストの実施済数を、始点とし、
前記下界線において、前記指定されたバグの検出数が検出されたテストの実施済数を、終点として、
前記指定されたバグの検出数が検出されると想定されるテストの実施済数の範囲を描画する
ことを特徴とする請求項6項に記載の支援装置。
【請求項11】
複数のテスト事例が記録されるデータベースを利用する支援装置が実行する支援方法であって、
前記複数のテスト事例の各テスト事例は、
前記各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、
前記各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、
を対応付けて含み、
前記支援装置が、
テストを実施中である実施中対象について、
前記実施中対象に関する実施中対象情報と、
前記実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、
を対応付けて取得し、
前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画し、
前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例を前記データベースから抽出し、
前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに前記画面に描画する
ことを特徴とする支援方法。
【請求項12】
コンピュータを、複数のテスト事例が記録されるデータベースを利用する支援装置として機能させるプログラムであって、
前記複数のテスト事例の各テスト事例は、
前記各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、
前記各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、
を対応付けて含み、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
テストを実施中である実施中対象について、
前記実施中対象に関する実施中対象情報と、
前記実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、
を対応付けて取得する取得部、
前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画する描画部、
前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例を前記データベースから抽出する抽出部、
として機能させ、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに前記画面に描画する
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援装置、支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
開発中のアプリケーションやシステムについてテストの進捗確認や、バグ検出の収束判定のために、バグ曲線を求める技術が知られている。例えば、特許文献1には、テストを実施した過去の履歴に基づいて、機能性、効率性等のテスト観点毎にバグ曲線を求める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、テスト観点毎にバグ曲線を求めるが、テストを実施する対象によっては、必要なテスト観点が異なる場合がある。例えば、テストを実施する対象がアプリケーションの場合は、アプリケーションが提供するサービスの内容及び規模が異なるので、アプリケーション毎に、テスト観点や、テストの規模等のテスト内容を設定する必要がある。よって、開発中の様々な種類の対象について、テストの進捗確認やバグの検出数の収束見通しを立てやすい有益なバグ曲線を提示するためには、対象自体及びテスト内容の違いを考慮する必要がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、テストを実施する様々な対象について、有益なバグ曲線を提示することが可能な支援装置、支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る支援装置は、
複数のテスト事例が記録されるデータベースを利用する支援装置であって、
前記複数のテスト事例の各テスト事例は、
前記各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、
前記各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、
を対応付けて含み、
テストを実施中である実施中対象について、
前記実施中対象に関する実施中対象情報と、
前記実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、
を対応付けて取得する取得部と、
前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画する描画部と、
前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例を前記データベースから抽出する抽出部と、
を備え、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに前記画面に描画する。
【0007】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記テストの実施済数は、前記テストの開始からの経過日数によって表す
ことを特徴とする。
【0008】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記抽出部は、
前記データベースに記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報のうち、2つの事例対象情報と、当該2つの事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線の類似度と、を学習データとして学習することにより生成されたモデルに、
前記データベースに記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報と、前記取得された実施中対象情報とを入力することにより、当該事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線と、前記取得された実施中対象情報に対応付けられた実施中履歴に基づくバグ曲線との第1類似度を求め、
前記第1類似度が第1閾値以上のバグ曲線に係る事例履歴に対応付けられた事例対象情報を、前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報とみなす
ことを特徴とする。
【0009】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線のうち、前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線との第2類似度が第2閾値以上の前記事例履歴に基づくバグ曲線を、前記画面に描画する
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線を、前記抽出されたテスト事例の数だけ前記画面に描画する
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線を、
前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴から定められる上界を上界線でつなぎ、
前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴から定められる下界を下界線でつなぎ、
前記上界線と前記下界線の間を塗り潰すように描画する
ことを特徴とする。
【0012】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記描画部は、
前記上界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数うち、最も大きいバグの検出数と定め、
前記下界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数うち、最も小さいバグの検出数と定める
ことを特徴とする。
【0013】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記描画部は、
前記上界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数の平均に、当該バグの検出数の標準偏差に所定値を乗じた値を加算した値と定め、
前記下界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数の平均から、当該バグの検出数の標準偏差に前記所定値を乗じた値を減算した値と定める
ことを特徴とする。
【0014】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記描画部は、
前記上界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数のうち、第3四分位数と定め、
前記下界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数のうち、第1四分位数と定める
ことを特徴とする。
【0015】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記描画部は、
ユーザからバグの検出数の指定を受け付け、
前記上界線において、前記指定されたバグの検出数が検出されたテストの実施済数を、始点とし、
前記下界線において、前記指定されたバグの検出数が検出されたテストの実施済数を、終点として、
前記指定されたバグの検出数が検出されると想定されるテストの実施済数の範囲を描画する
ことを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の観点に係る支援方法は、
複数のテスト事例が記録されるデータベースを利用する支援装置が実行する支援方法であって、
前記複数のテスト事例の各テスト事例は、
前記各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、
前記各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、
を対応付けて含み、
前記支援装置が、
テストを実施中である実施中対象について、
前記実施中対象に関する実施中対象情報と、
前記実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、
を対応付けて取得し、
前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画し、
前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例を前記データベースから抽出し、
前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに前記画面に描画する
ことを特徴とする。
【0017】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、複数のテスト事例が記録されるデータベースを利用する支援装置として機能させるプログラムであって、
前記複数のテスト事例の各テスト事例は、
前記各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、
前記各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、
を対応付けて含み、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
テストを実施中である実施中対象について、
前記実施中対象に関する実施中対象情報と、
前記実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、
を対応付けて取得する取得部、
前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画する描画部、
前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例を前記データベースから抽出する抽出部、
として機能させ、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに前記画面に描画する
ことを特徴とする。
【0018】
上記プログラムは、非一時的な(non-transitory)記録媒体に記録されてもよい。非一時的な記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、テストを実施する様々な対象について、有益なバグ曲線を提示することが可能な支援装置、支援方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態に係る支援装置の機能構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係るデータベースに記録されるテスト事例に含まれる事例対象情報の例を示す図である。
【
図3】実施形態に係るデータベースに記録されるテスト事例に含まれる事例履歴の例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る支援装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】実施形態に係る実施中履歴及び事例履歴に基づくバグ曲線の例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る実施中履歴及び事例履歴に基づくバグ曲線の例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る実施中履歴及び事例履歴に基づくバグ曲線の例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る実施中履歴及び事例履歴に基づくバグ曲線の例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る支援処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(1.全体構成)
本発明の実施形態に係る支援装置100は、テストを実施中の対象についてバグ曲線を提示する装置である。バグ曲線とは、実施されたテストの実施済数を横軸、実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数の累計数を縦軸とする曲線である。例えば、支援装置100のユーザは、開発中のアプリケーションのスケジュール管理をする者であり、支援装置100は、スケジュール管理をする者に、スケジュールの進捗を検討するための情報を提供する装置である。支援装置100は、進捗を検討するための情報として、開発中のアプリケーションについてバグ曲線を提示する。
【0022】
支援装置100は、データベース200に格納されたテスト事例を利用して、バグ曲線を提示する。テスト事例とは、対象について過去にテストが実施され、テストが終了している事例である。支援装置100は、
図1に示すように、データベース200と、無線又は有線により通信可能に接続される。
【0023】
データベース200には、複数のテスト事例が記録される。
【0024】
各テスト事例は、(i)各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、(ii)各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、を対応付けて含む。事例対象とは、テストが実施された対象であって、テストが終了している対象であり、例えば、開発されたプロダクトである。また、テストの実施済数は、終了したテストの数である。ここで、1日に実施されるテストの数が一定とみなせる場合には、経過日数によって終了したテストの数を把握することができる。したがって、テストの実施済数は、実施されたテストの数、又は、テスト開始からの経過日数、或いは、その両方によって表すことができる。
【0025】
図2に事例対象情報の例を示す。事例対象情報には、テスト事例を識別するためのテスト事例IDと、テストが実施されたプロダクトが属するプロジェクトのプロジェクト名と、当該プロジェクトの種類と、テストが実施されたプロダクトのプロダクト名と、プロダクトの種類と、プロダクトを構成する構成要素の規模と、プロダクトの開発に要すると見積もられた作業量を示す開発人月と、プロダクトの開発に割り当てられた予算と、テストを行ったテスターを識別するためのテスターIDと、プロダクトを使用すると想定されるカスタマの種別を示すカスタマ種別と、が対応付けて含まれる。プロジェクトとは、例えば、プロダクトを利用するサービスを示すものであり、プロジェクト名とは、サービス名である。また、プロジェクトの種類とは、例えば、サービスの種類である。プロダクトとは、例えば、アプリケーションであり、プロダクト名とは、アプリケーション名である。また、プロダクトの種類とは、例えば、アプリケーションが提供する機能の種類である。
【0026】
例えば、
図2の1行目のレコードは、テスト事例ID“C1”のテスト事例は、プロジェクト名“プロジェクト1”、プロジェクトの種類“k1”のプロジェクトにおける、プロダクト名“プロダクト1”、プロダクトの種類“l1”のプロダクトについてのテストであり、構成要素の規模“ランク1”、開発人月“20”、予算“3000千万”であり、テスターID“T1”のテスターによりテストが実施され、当該プロダクトは、カスタマの種別“G1”による利用を想定していることを示す。
【0027】
図3に事例履歴の例を示す。事例履歴には、テスト事例を識別するためのテスト事例IDと、テスト開始からの経過日数と、実施されたテストの数と、テストにおいて検出されたバグの検出数と、が対応付けて含まれる。
【0028】
例えば、
図3の1行目のレコードは、テスト事例ID“C1”のテスト事例では、経過日数“1日”迄に、実施されたテストの数“10”のテストが実施され、実施されたテストにおいて、バグの検出数が“0”個であったことを示す。
【0029】
事例対象情報は、テスター又はテストの依頼者によりデータベース200に登録される。また、事例履歴は、テストが実行されると、テストプログラムにより自動で、又は、テスターにより手動でデータベース200に登録される。
【0030】
支援装置100は、テストを実施中の対象についてのバグ曲線と、データベース200に記録されたテスト事例に係る事例対象についてのバグ曲線と、を対比して提示する。
【0031】
(2.支援装置のハードウェア構成)
図4は、支援装置100を実現する支援装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0032】
支援装置100は、
図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM13と、記録媒体14と、出力デバイス15と、通信デバイス16と、操作デバイス17と、を備える。各構成要素は、バス18により接続されている。
【0033】
CPU11は、支援装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。
【0034】
ROM12には、支援装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングのプログラムや各種のデータが記録される。
【0035】
RAM13は、データやプログラムを一時的に記録するためのもので、記録媒体14から読み出したプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0036】
記録媒体14は、ハードディスクやフラッシュメモリ等から構成され、支援装置100で処理するデータを記録する。
【0037】
出力デバイス15は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置や、スピーカ等の音声出力装置を備える。出力デバイス15は、CPU11による制御の下、例えば、CPU11から出力されたデータを出力する。
【0038】
通信デバイス16は、支援装置100をインターネット等のコンピュータ通信網に接続するための通信インターフェースを含み、通信デバイス16を介して他の情報処理装置等とやりとりをする。
【0039】
操作デバイス17は、ボタン、キーボード、タッチパネル、マイク等の入力装置を備える。操作デバイス17は、支援装置100の使用者からの操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に対応する信号をCPU11に出力する。
【0040】
(3.実施形態の支援装置の機能構成)
支援装置100は、
図1に示すように、機能的には、取得部101と、描画部102と、抽出部103と、を備える。本実施形態において、CPU11及び通信デバイス16が協働して、取得部101及び抽出部103として機能し、CPU11及び出力デバイス15が協働して、描画部102として機能する。
【0041】
取得部101は、テストを実施中である実施中対象について、実施中対象に関する実施中対象情報と、実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、を対応付けて取得する。
【0042】
以下では、テストの実施済数は、テストの開始からの経過日数によって表すものとする。
【0043】
実施中対象とは、テストを実施中である対象であって、テストが終了していない対象であり、例えば、開発中のプロダクトである。実施中対象情報には、
図2の事例対象情報と同じ項目が含まれる。実施中対象情報は、例えば、テスターによりテスト開始前にデータベース200に登録される。また、実施中履歴には、
図3の事例履歴と同じ項目が含まれる。実施中履歴は、テストプログラムにより、任意のタイミングでデータベース200に登録される。
【0044】
例えば、取得部101は、プロダクト名“プロダクト10”のプロダクトについてテストが実施中であるとすると、データベース200から、“プロダクト10”に関する実施中対象情報と、“プロダクト10”について実施中履歴とを取得する。
【0045】
描画部102は、取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画する。
【0046】
例えば、取得部101により、経過日数“10日”までの実施中履歴が取得されたとすると、描画部102は、
図5に示すように、“プロダクト10”について実施中のテストのバグ曲線301を、支援装置100の画面に描画する。
【0047】
抽出部103は、取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例をデータベース200から抽出する。
【0048】
具体的には、抽出部103は、データベース200に記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報のうち、2つの事例対象情報と、当該2つの事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線の類似度と、を学習データとして学習することにより生成されたモデルを利用することにより、取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を特定する。以下、このモデルを、学習済モデルという。
【0049】
学習済モデルは、2つの事例対象情報を入力として、当該2つの事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線の類似度を出力するモデルである。学習済モデルは、2つの事例対象情報と、当該2つの事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線の類似度とを学習データとしてニューラルネットワーク等を訓練することにより学習を行って生成される。学習には、機械学習、深層学習などを適用することができ、いわゆる人工知能サービス等を採用することも可能である。
【0050】
抽出部103は、学習済モデルを利用して、取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を特定し、特定された事例対象情報を含むテスト事例を抽出する。なお、学習済モデルは、支援装置100により生成されてもよいし、他の装置により生成されてもよい。
【0051】
2つの事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線の類似度は、以下のように求める。
【0052】
テストの実施済数が“A”のテスト事例C-Aのバグ曲線を、以下の数1で表す。
【0053】
(数1)
y=a(t) (1≦t≦A)
【0054】
また、テストの実施済数が“B”のテスト事例C-Bのバグ曲線を、以下の数2で表す。
【0055】
(数2)
y=b(t) (1≦t≦B)
【0056】
テストの実施済数を揃えるため、数1又は数2で表されるバグ曲線を補正する。
【0057】
A≦Bの場合は、数1のバグ曲線を、以下の数3のように補正する。
【0058】
(数3)
y=a(A) (A<t≦B)
【0059】
A>Bの場合は、数2のバグ曲線を、以下の数4のように補正する。
【0060】
(数4)
y=b(B) (B<t≦A)
【0061】
そして、類似度を、例えば、以下の数5~数8の種々の計算方法により求める。
【0062】
(数5)
Σi=1
max{A,B}[a(t)-b(t)]2
(数6)
Σi=1
max{A,B}[a(t)-b(t)]2/max{A,B}
(数7)
Σi=1
max{A,B}|a(t)-b(t)|
(数8)
Σi=1
max{A,B}|a(t)-b(t)|/max{A,B}
【0063】
なお、上記類似度の計算において、a(t)、b(t)の変わりに、a(t)/a(A)、b(t)/b(B)を用いてもよい。すなわち、バグの検出数に代えて、収束した時のバグの検出数に対するバグの検出比率を用いてもよい。
【0064】
或いは、上記類似度の計算において、a(t)、b(t)の変わりに、a(t)/A、b(t)/Bを用いてもよい。すなわち、バグの検出数に代えて、テストの実施済数に対するバグの検出比率を用いてもよい。
【0065】
抽出部103は、学習済モデルに、データベース200に記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報と、取得された実施中対象情報とを入力することにより、当該事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線と、取得された実施中対象情報に対応付けられた実施中履歴に基づくバグ曲線との第1類似度を求める。
【0066】
第1類似度とは、事例対象情報と実施中対象情報とから予測される、事例履歴に基づくバグ曲線と、実施中履歴に基づくバグ曲線との類似度を示すものであり、学習済モデルの出力として得られる値である。また、第1閾値とは、支援装置100のユーザにより任意に設定される、第1類似度に対する閾値である。
【0067】
例えば、抽出部103は、データベース200に格納された事例対象情報のそれぞれについて、“プロダクト10”の実施中対象情報との第1類似度を求める。例えば、抽出部103は、“プロダクト10”の実施中対象情報と、データベース200に格納された事例対象情報のうち、テスト事例ID“C1”の事例対象情報とを学習済モデルに入力する。そして、抽出部103は、テストを実施中の“プロダクト10”のバグ曲線と、テスト事例ID“C1”のバグ曲線との第1類似度を取得する。同様に、抽出部103は、テスト事例ID“C2”、“C3”、・・・“Cj(jは4以上の正数)”についても第1類似度を求める。
【0068】
そして、抽出部103は、第1類似度が第1閾値以上のバグ曲線に係る事例履歴に対応付けられた事例対象情報を、取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報とみなす。
【0069】
例えば、抽出部103は、データベース200に格納された事例対象情報のうち、“プロダクト10”の実施中対象情報との第1類似度が、第1閾値以上の事例対象情報を、“プロダクト10”の実施中対象情報と類似する事例対象情報とみなす。例えば、第1類似度が第1閾値以上の事例対象情報がM個得られたとすると、抽出部103は、M個の事例対象情報を“プロダクト10”の実施中対象情報と類似する事例対象情報とみなす。そして、抽出部103は、“プロダクト10”の実施中対象情報と類似するとみなしたM個の事例対象情報を含むM個のテスト事例を抽出する。
【0070】
描画部102は、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに画面に描画する。
【0071】
ここで、描画部102は、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線のうち、取得された実施中履歴に基づくバグ曲線との第2類似度が第2閾値以上の事例履歴に基づくバグ曲線を、画面に描画する。
【0072】
第2類似度とは、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線と、取得された実施中履歴に基づくバグ曲線との類似度を示すものである。また、第2閾値とは、支援装置100のユーザにより任意に設定される、第2類似度に対する閾値である。
【0073】
例えば、描画部102は、抽出されたM個のテスト事例に含まれる事例対象に基づくバグ曲線と、実施中対象の“プロダクト10”のバグ曲線との第2類似度を求める。
【0074】
第2類似度は、以下のように求める。
【0075】
まず、テストの実施済数が“D”のテスト事例C-Dのバグ曲線を、以下の数9で表す。
【0076】
(数9)
y=d(t) (1≦t≦D)
【0077】
また、テスト実施済数が“P”の実施中対象Pのバグ曲線を、以下の数10で表す。
【0078】
(数10)
y=p(t) (1≦t≦P)
【0079】
そして、類似度を、例えば、以下の数11~数14の種々の計算方法により求める。
【0080】
(数11)
Σi=1
min{D,P}[d(t)-p(t)]2
(数12)
Σi=1
min{D,P}[d(t)-p(t)]2/min{D,P}
(数13)
Σi=1
min{D,P}|d(t)-p(t)|
(数14)
Σi=1
min{D,P}|d(t)-p(t)|/min{D,P}
【0081】
例えば、抽出部103は、第2類似度が第2閾値以上の事例履歴に基づくバグ曲線がN個(M≧N)得られたとする。
【0082】
さらに、描画部102は、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線を、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴から定められる上界を上界線でつなぎ、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴から定められる下界を下界線でつなぎ、上界線と下界線の間を塗り潰すように描画する。
【0083】
ここで、上界とは、実施中のテストにおいて検出されると想定されるバグの検出数よりも大きい値を指す。また、下界とは、実施中のテストにおいて検出されると想定されるバグの検出数よりも小さい値を指す。したがって、上界線とは、実施中のテストにおいて取得されると想定されるバグ曲線を上回るバグ曲線である。また、下界線とは、実施中のテストにおいて取得されると想定されるバグ曲線を下回るバグ曲線である。
【0084】
上界線を、以下の数15で表す。
【0085】
(数15)
y=U(t)
【0086】
下界線を、以下の数16で表す。
【0087】
(数16)
y=L(t)
【0088】
例えば、描画部102は、上界を、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグ検出数のうち、最も大きいバグの検出数と定め、下界を、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数うち、最も小さいバグの検出数と定める。
【0089】
例えば、抽出部103により得られたN個のバグ曲線を数17で表記すると、上界は、以下の数18により求められ、下界は、以下の数19により求められる。
【0090】
(数17)
yi=bi(t)(1≦i≦N)
(数18)
U(t) = max{b1(t),b2(t),...,bN(t)}
(数19)
L(t) = min{b1(t),b2(t),...,bN(t)}
【0091】
或いは、描画部102は、上界を、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数の平均に、当該バグの検出数の標準偏差に所定値を乗じた値を加算した値と定め、下界を、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数の平均から、当該バグの検出数の標準偏差に所定値を乗じた値を減算した値と定める。
【0092】
例えば、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数b1(t),b2(t),...,bN(t)の平均を、以下の数20で表す。
【0093】
(数20)
m(t) = Σi=1
Nbi(t)/N
【0094】
また、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数b1(t),b2(t),...,bN(t)の分布の広がりを、以下の数21、又は、数22で表す。数20は、バグの検出数b1(t),b2(t),...,bN(t)の標本分散を示すものであり、数21は、バグの検出数b1(t),b2(t),...,bN(t)の不偏分散を示すものである。
【0095】
(数21)
σ(t)2 = Σi=1
N[bi(t)-m(t)]2/N
(数22)
σ(t)2 = Σi=1
N[bi(t)-m(t)]2/(N-1)
【0096】
そして、上界を、平均m(t)に、標準偏差σ(t)に所定の値α(1≦α≦3)を乗じた値(α・σ(t))を加算した値とする。また、下界を、平均m(t)から、標準偏差σ(t)に所定の値α(1≦α≦3)を乗じた値(α・σ(t))を減算した値とする。
【0097】
例えば、上界及び下界により68%信頼区間(α=1)を示す場合、上界は数23、下界は数24により求められる。
【0098】
(数23)
U(t) = m(t)+σ(t)
(数24)
L(t) = m(t)-σ(t)
【0099】
また、例えば、上界及び下界により95%信頼区間(α=2)を示す場合、上界は数25、下界は数26により求められる。
【0100】
(数25)
U(t) = m(t)+2σ(t)
(数26)
L(t) = m(t)-2σ(t)
【0101】
また、例えば、上界及び下界により98%信頼区間(α=3)を示す場合、上界は数27、下界は数28により求められる。
【0102】
(数27)
U(t) = m(t)+3σ(t)
(数28)
L(t) = m(t)-3σ(t)
【0103】
或いは、描画部102は、上界を、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数のうち、第3四分位数と定め、下界を、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数のうち、第1四分位数と定める。
【0104】
例えば、第3四分位数は、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数b1(t),b2(t),...,bN(t)のうち、小さいほうから3N/4番目の値v(t)である。また、第1四分位数は、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数b1(t),b2(t),...,bN(t)のうち、小さいほうからN/4番目の値w(t)である。
【0105】
すなわち、上界は、以下の数29により求められ、下界は、以下の数30により求められる。
【0106】
(数29)
U(t) = v(t)
(数30)
L(t) = w(t)
【0107】
描画部102は、上記数18及び数19、数23及び数24、数25及び数26、数27及び数28、並びに、数29及び数30のうちいずれか、或いは、複数により上界及び下界を定め、上界及び下界をつないだ上界線及び下界線を、画面に描画する。
【0108】
例えば、上界及び下界を数29及び数30により定めるとすると、描画部102は、
図5に示すように、上界線302及び下界線303を描画し、上界線302と下界線303の間の領域304を塗り潰すように描画する。なお、
図5の上界線302及び下界線303は、ロジスティック曲線、ゴンペルツ曲線delayed s-shape曲線等により近似されているものとする。
【0109】
また、実施中のテストの実施済数が増加すると、第2類似度が第2閾値以上の事例履歴に基づくバグ曲線の個数が絞り込まれ、上界線及び下界線は互いに近づくと考えられる。例えば、取得部101により、経過日数“30日”までの実施中履歴が取得されたとすると、描画部102は、
図6に示すように、上界線306及び下界線307を描画し、上界線306と下界線307の間の領域308を塗り潰すように描画する。
【0110】
また、例えば、上界及び下界を、数18及び数19、並びに、数29及び数30により定めるとすると、描画部102は、
図7に示すように、複数の上界線302、309及び下界線303、310を描画し、上界線302と下界線303の間の領域304を塗り潰すように描画する。
【0111】
ここで、塗り潰す領域は、
図7に限らず、上界線309と下界線310の間の領域を塗り潰すように描画してもよい。塗り潰す領域は、ユーザが適宜設定することができる。
【0112】
また、描画部102は、上界線と下界線の間を塗り潰さなくてもよい。
【0113】
例えば、描画部102は、
図8に示すように、実施中のテストのバグ曲線301と、複数の上界線302、309及び下界線303、310を描画する。
【0114】
また、描画部102は、画面に描画されているバグ曲線のうちいずれかの選択を受け付けると、選択されたバグ曲線に係る事例履歴に対応付けられた事例対象情報を、画面に表示する。
【0115】
例えば、描画部102は、
図8に示すように、ユーザが下界線310にマウスオーバすると、下界線310の事例対象情報が含まれるポップアップウィンドウ311を表示する。これにより、支援装置100のユーザは、類似するテスト事例の詳細を確認したり、他者の説明に事例対象情報を引用したりすることができる。
【0116】
また、描画部102は、上界線及び下界線を描画する場合、指定されたバグの検出数が検出されると想定される実施済数の範囲を描画する。
【0117】
具体的には、描画部102は、ユーザからバグの検出数の指定を受け付ける。そして、描画部102は、上界線において、指定されたバグの検出数が検出されたテストの実施済数を、始点とし、下界線において、指定されたバグの検出数が検出されたテストの実施済数を、終点として、指定されたバグの検出数が検出されると想定されるテストの実施済数の範囲を描画する。
【0118】
例えば、描画部102は、ユーザからバグの検出数Zの指定を受け付けると、上界線302において数31を満たすBzを求め、下界線303において数32を満たすEzを求める。
【0119】
(数31)
U(Bz) = Z
(数32)
L(Ez) = Z
【0120】
そして、描画部102は、
図5に示すように、Bzを始点、Ezを終点として、バグの検出数Zが検出されると想定される経過日数の範囲305を描画する。
【0121】
(4.実施形態の支援装置の動作)
本実施形態の支援装置100の動作について、
図9を用いて説明する。例えば、支援装置100は、ユーザからテストを実施中の対象についてバグ曲線を画面に表示させる指示を受け付けると、
図9に示す支援処理を開始する。
【0122】
取得部101は、テストを実施中である実施中対象について、実施中対象に関する実施中対象情報と、実施中履歴と、を対応付けて取得する(ステップS101)。
【0123】
例えば、取得部101は、プロダクト名“プロダクト10”のプロダクトについてテストが実施中であるとすると、データベース200から、“プロダクト10”に関する実施中対象情報と、“プロダクト10”について実施中履歴とを取得する。
【0124】
描画部102は、取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画する(ステップS102)。
【0125】
例えば、描画部102は、
図5に示すように、テストを実施中の“プロダクト10”についてバグ曲線301を、支援装置100の画面に描画する。
【0126】
抽出部103は、取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例をデータベース200から抽出する(ステップS103)。
【0127】
例えば、学習済モデルに、データベース200に記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報と、“プロダクト10”の実施中対象情報とを入力することにより、当該事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線と、当該実施中対象情報に対応付けられた実施中履歴に基づくバグ曲線との第1類似度を求める。そして、抽出部103は、第1類似度が第1閾値以上のバグ曲線に係る事例履歴に対応付けられた事例対象情報を、“プロダクト10”の実施中対象情報に類似する事例対象情報とみなす。第1類似度が第1閾値以上の事例対象情報がM個得られたとすると、抽出部103は、M個の事例対象情報を含むM個のテスト事例を抽出する。
【0128】
描画部102は、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに画面に描画する(ステップS104)。
【0129】
例えば、描画部102は、抽出されたM個のテスト事例に含まれる事例対象に基づくバグ曲線と、テストを実施中の“プロダクト10”のバグ曲線との第2類似度を求め、第2類似度が第2閾値以上の事例履歴に基づくバグ曲線をN個得る。そして、描画部102は、上界及び下界を数29及び数30により求め、
図5に示すように、上界線302及び下界線303を描画する。
【0130】
本実施形態によれば、実施中対象情報に類似する事例対象情報を含むテスト事例をデータベースから抽出し、実施中履歴に基づくバグ曲線と、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線とを、画面に描画する。これにより、テストを実施中の実施中対象のバグ曲線を、対象自体及びテスト内容の違いが考慮して抽出されたテスト事例のバグ曲線と対比して提示することができる。よって、実施中対象のバグの検出数について収束見通しを立てやすい有益なバグ曲線を提示することができる。
【0131】
また、本実施形態によれば、実施中対象情報に類似する事例対象情報を、学習済モデルを利用することにより特定する。これにより、類似判断の精度を高めることができ、データベースから、実施中対象のバグ曲線と対比するバグ曲線を描画するための適当なテスト事例を抽出することができる。
【0132】
また、本実施形態によれば、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線のうち、実施中対象のバグ曲線と類似するバグ曲線を描画することができる。これにより、実施中対象のバグの検出数についてより収束見通しを立てやすい有益なバグ曲線を提示することができる。
【0133】
また、本実施形態によれば、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線を、当該事例履歴から定められる上界を上界線でつなぎ、事例履歴から定められる下界を下界線でつなぎ、上界線と下界線の間を塗り潰すように描画する。これにより、実施中のテストにおいて取得されると想定されるバグ曲線を上回るバグ曲線及び下回るバグ曲線を提示することができ、さらに、実施中のテストにおいて取得されると想定されるバグ曲線の範囲を示すことができる。
【0134】
また、本実施形態によれば、指定されたバグの検出数が検出されると想定されるテストの実施済数の範囲を描画する。これにより、バグの検出数から実施を要するテストの数又は日数の範囲を予測することができる。
【0135】
(5.変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
【0136】
上記実施形態において、抽出部103は、第1類似度が第1閾値以上のバグ曲線に係る事例履歴に対応付けられた事例対象情報を、取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報とみなすとしたが、これに限らない。例えば、抽出部103は、ユーザが指定した個数だけ第1類似度が高い方から順に事例対象情報を選択し、選択した事例対象情報を、取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報とみなしてもよい。
【0137】
また、上記実施形態において、描画部102は、抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線を、抽出されたテスト事例の数だけ画面に描画してもよい。例えば、抽出部103によりM個のテスト事例が抽出されたとすると、描画部102は、M個のテスト事例に含まれる事例履歴に基づく、M本のバグ曲線を画面に描画する。これにより、抽出されたテスト事例の全てのバグ曲線を確認することができ、実施中のテストにおいて取得されると想定されるバグ曲線の範囲を把握することができる。
【0138】
また、上記実施形態において、支援処理について
図9のフローチャートを示したが、処理の順番はこれに限らない。例えば、ステップS102とステップS103は、順序を入れ替えてもよい。
【0139】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明によれば、テストを実施する様々な対象について、有益なバグ曲線を提示することが可能な支援装置、支援方法及びプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0141】
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記録媒体
15 出力デバイス
16 通信デバイス
17 操作デバイス
18 バス
100 支援装置
101 取得部
102 描画部
103 抽出部
200 データベース
301 バグ曲線
302,306,309 上界線
303,307,310 下界線
304,308 領域
305 範囲
311 ポップアップウィンドウ
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のテスト事例が記録されるデータベースを利用する支援装置であって、
前記複数のテスト事例の各テスト事例は、
前記各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、
前記各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、
を対応付けて含み、
テストを実施中である実施中対象について、
前記実施中対象に関する実施中対象情報と、
前記実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、
を対応付けて取得する取得部と、
前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画する描画部と、
前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例を前記データベースから抽出する抽出部と、
を備え、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに前記画面に描画し、
前記抽出部は、前記データベースに記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線と、前記取得された実施中対象情報に対応付けられた実施中履歴に基づくバグ曲線と、の第1類似度が第1閾値以上のバグ曲線に係る事例履歴に対応付けられた事例対象情報を、前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報とみなす
ことを特徴とする支援装置。
【請求項2】
複数のテスト事例が記録されるデータベースを利用する支援装置であって、
前記複数のテスト事例の各テスト事例は、
前記各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、
前記各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、
を対応付けて含み、
テストを実施中である実施中対象について、
前記実施中対象に関する実施中対象情報と、
前記実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、
を対応付けて取得する取得部と、
前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画する描画部と、
前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例を前記データベースから抽出する抽出部と、
を備え、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに前記画面に描画し、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線のうち、前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線との第2類似度が第2閾値以上の前記事例履歴に基づくバグ曲線を、前記画面に描画する
ことを特徴とする支援装置。
【請求項3】
複数のテスト事例が記録されるデータベースを利用する支援装置であって、
前記複数のテスト事例の各テスト事例は、
前記各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、
前記各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、
を対応付けて含み、
テストを実施中である実施中対象について、
前記実施中対象に関する実施中対象情報と、
前記実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、
を対応付けて取得する取得部と、
前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画する描画部と、
前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例を前記データベースから抽出する抽出部と、
を備え、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに前記画面に描画し、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線を、
前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴から定められる上界を上界線でつなぎ、
前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴から定められる下界を下界線でつなぎ、
前記上界線と前記下界線の間を塗り潰すように描画する
ことを特徴とする支援装置。
【請求項4】
前記テストの実施済数は、前記テストの開始からの経過日数によって表す
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項5】
前記抽出部は、
前記データベースに記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報のうち、2つの事例対象情報と、当該2つの事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線の類似度と、を学習データとして学習することにより生成されたモデルに、
前記データベースに記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報と、前記取得された実施中対象情報と、を入力することにより、前記第1類似度を求める
ことを特徴とする請求項1に記載の支援装置。
【請求項6】
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線を、前記抽出されたテスト事例の数だけ前記画面に描画する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項7】
前記描画部は、
前記上界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数うち、最も大きいバグの検出数と定め、
前記下界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数うち、最も小さいバグの検出数と定める
ことを特徴とする請求項3に記載の支援装置。
【請求項8】
前記描画部は、
前記上界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数の平均に、当該バグの検出数の標準偏差に所定値を乗じた値を加算した値と定め、
前記下界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴におけるバグの検出数の平均から、当該バグの検出数の標準偏差に前記所定値を乗じた値を減算した値と定める
ことを特徴とする請求項3に記載の支援装置。
【請求項9】
前記描画部は、
前記上界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数のうち、第3四分位数と定め、
前記下界を、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴のバグの検出数のうち、第1四分位数と定める
ことを特徴とする請求項3に記載の支援装置。
【請求項10】
前記描画部は、
ユーザからバグの検出数の指定を受け付け、
前記上界線において、前記指定されたバグの検出数が検出されたテストの実施済数を、始点とし、
前記下界線において、前記指定されたバグの検出数が検出されたテストの実施済数を、終点として、
前記指定されたバグの検出数が検出されると想定されるテストの実施済数の範囲を描画する
ことを特徴とする請求項3に記載の支援装置。
【請求項11】
複数のテスト事例が記録されるデータベースを利用する支援装置が実行する支援方法であって、
前記複数のテスト事例の各テスト事例は、
前記各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、
前記各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、
を対応付けて含み、
前記支援装置が、
テストを実施中である実施中対象について、
前記実施中対象に関する実施中対象情報と、
前記実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、
を対応付けて取得し、
前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画し、
前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例を前記データベースから抽出し、
前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに前記画面に描画し、
前記データベースに記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線と、前記取得された実施中対象情報に対応付けられた実施中履歴に基づくバグ曲線と、の第1類似度が第1閾値以上のバグ曲線に係る事例履歴に対応付けられた事例対象情報を、前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報とみなす
ことを特徴とする支援方法。
【請求項12】
コンピュータを、複数のテスト事例が記録されるデータベースを利用する支援装置として機能させるプログラムであって、
前記複数のテスト事例の各テスト事例は、
前記各テスト事例に係る事例対象に関する事例対象情報と、
前記各テスト事例に係る事例対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施されたテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す事例履歴と、
を対応付けて含み、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
テストを実施中である実施中対象について、
前記実施中対象に関する実施中対象情報と、
前記実施中対象に対して実施されたテストの実施済数と、前記実施中のテストにおいて検出されたバグの検出数と、の経過を表す実施中履歴と、
を対応付けて取得する取得部、
前記取得された実施中履歴に基づくバグ曲線を画面に描画する描画部、
前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報を含む1つ以上のテスト事例を前記データベースから抽出する抽出部、
として機能させ、
前記描画部は、前記抽出されたテスト事例に含まれる事例履歴に基づくバグ曲線をさらに前記画面に描画し、
前記抽出部は、前記データベースに記録されたテスト事例に含まれる事例対象情報に対応付けられた事例履歴に基づくバグ曲線と、前記取得された実施中対象情報に対応付けられた実施中履歴に基づくバグ曲線と、の第1類似度が第1閾値以上のバグ曲線に係る事例履歴に対応付けられた事例対象情報を、前記取得された実施中対象情報に類似する事例対象情報とみなす
ことを特徴とするプログラム。