(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086079
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】積層体及び積層体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 5/16 20060101AFI20240620BHJP
B32B 27/06 20060101ALI20240620BHJP
G02B 5/26 20060101ALI20240620BHJP
G02B 5/28 20060101ALI20240620BHJP
B01J 13/00 20060101ALN20240620BHJP
【FI】
B32B5/16
B32B27/06
G02B5/26
G02B5/28
B01J13/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200986
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(72)【発明者】
【氏名】間宮 倫孝
(72)【発明者】
【氏名】菅澤 真澄
(72)【発明者】
【氏名】濱本 禎樹
【テーマコード(参考)】
2H148
4F100
4G065
【Fターム(参考)】
2H148FA04
2H148FA07
2H148FA15
2H148FA24
2H148GA03
2H148GA09
2H148GA32
2H148GA60
4F100AK12B
4F100AK12C
4F100AK12D
4F100AK25B
4F100AK25C
4F100AK25D
4F100AK41A
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
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4F100JL10B
4F100JN28B
4G065AA02
4G065AB01Y
4G065AB12Y
4G065AB13Y
4G065BA01
4G065BB06
4G065DA09
4G065EA05
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、発色性及び密着性を両立するコロイド結晶を備える積層体を提供することにある。
【解決手段】基材と、光の干渉により発色するコロイド結晶層と、樹脂層と、が順に配置されてなり、下記(1)~(4)の条件を満たす、積層体。
(1)コロイド結晶層にクラックが形成されている
(2)コロイド結晶層におけるクラックの面積率が0.1~30%である
(3)コロイド結晶層を構成する粒子間に空隙を有する
(4)クラック内部においてコロイド結晶層と樹脂層とが接触している
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、光の干渉により発色するコロイド結晶層と、樹脂層と、が順に配置されてなり、下記(1)~(4)の条件を満たす、積層体。
(1)コロイド結晶層にクラックが形成されている
(2)コロイド結晶層におけるクラックの面積率が0.1~30%である
(3)コロイド結晶層を構成する粒子間に空隙を有する
(4)クラック内部においてコロイド結晶層と樹脂層とが接触している
【請求項2】
基材とコロイド結晶層との間にプライマー層を備える、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
コロイド結晶層を構成する粒子が、コアシェル型樹脂微粒子である、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
下記工程1~3を含み、工程1の途中、又は工程1と工程2との間に、工程3を含む、請求項3記載の積層体の製造方法。
(工程1)基材上に、コロイド結晶層を形成する工程
(工程2)工程1で形成されたコロイド結晶層上に、樹脂層を形成する工程
(工程3)70℃以上で加熱する工程
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コロイド結晶層を備える積層体、及び該積層体の製造方法に関する。詳細には、発色性、密着性に優れるコロイド結晶層を備える積層体、及び該積層体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトニック結晶は、屈折率が異なる物質を光の波長と同程度の間隔で並べたナノ周期構造体である。フォトニック結晶内では、屈折率が周期的に変化し、ブラッグ反射として知られる特定波長の光の反射や、フォトニックバンドギャップを利用した光閉じ込め、高い分波作用等、様々な興味深い光学特性を発現するため、現在、活発に研究が行われている。フォトニック結晶の一種であるコロイド結晶は、サブミクロンオーダーの樹脂微粒子やシリカ粒子が規則的に配列した構造を有し、粒子懸濁液を基材等へ塗布した後、乾燥することで形成することができる。
コロイド結晶は粒子が規則的に最密充填した構造を有し、粒子と粒子間隙の屈折率差によりブラッグ反射が生じることで構造色を発現する。粒子と粒子間隙との屈折率差が大きいほど強いブラッグ反射を示すため、逆オパール型のコロイド結晶を除いて、粒子間隙が空気である場合に最も発色の良いコロイド結晶が得られる。しかしながら、このような発色性に優れたコロイド結晶は、粒子間、または、粒子と基材間に空隙が存在することで耐摩擦性、及び基材密着性が劣る。更に、粒子間隙が埋まると屈折率差が小さくなるため容易にコロイド結晶の発色が失われるという課題があった。
【0003】
特許文献1、及び特許文献2には、コア部及びシェル部からなるコアシェル型微粒子を含むコロイド結晶用組成物が開示されている。コア部のガラス転移点が高く、シェル部のガラス転移点が低いために、加熱によってシェル部が流動してコア部がシェル部中に規則配列したコロイド結晶が得られる。また、シェル部が加熱により容易に流動することで、シェル部が基材に密着し、粒子間で高分子鎖の絡み合いが生じるため、耐摩擦性、及び基材密着性に優れるコロイド結晶が得られる。
【0004】
特許文献3には、クラックを有するコロイド結晶積層体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-047231号公報
【特許文献2】特開2009-249527号公報
【特許文献3】特開2006-208453号公報
【0006】
しかしながら、特許文献1、及び特許文献2のコロイド結晶は、シェル部がコア部の粒子間隙を埋め尽くす設計であるために、粒子と粒子間隙との屈折率差が小さくなり、形成されるコロイド結晶の発色性が優れないという問題がある。
【0007】
また、特許文献3のコロイド結晶は実質的には基材上に粒子が配列しているのみであり、密着性に優れないという問題がある。
上記のように、従来のコロイド結晶を備える積層体は、発色性及び密着性の両立が困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、発色性及び密着性を両立するコロイド結晶を備える積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明は、基材と、光の干渉により発色するコロイド結晶層と、樹脂層と、が順に配置されてなり、下記(1)~(4)の条件を満たす、積層体に関する。
(1)コロイド結晶層にクラックが形成されている
(2)コロイド結晶層におけるクラックの面積率が0.1~30%である
(3)コロイド結晶層を構成する粒子間に空隙を有する
(4)クラック内部においてコロイド結晶層と樹脂層とが接触している
【0010】
また本発明は、基材とコロイド結晶層との間にプライマー層を備える、上記の積層体に関する。
【0011】
また本発明は、コロイド結晶層を構成する粒子が、コアシェル型樹脂微粒子である、上記の積層体に関する。
【0012】
また本発明は、下記工程1~3を含み、工程1の途中又は工程1の後に工程3を含む、上記の積層体の製造方法に関する。
(工程1)基材上に、コロイド結晶層を形成する工程
(工程2)工程1で形成されたコロイド結晶層上に、樹脂層を形成する工程
(工程3)70℃以上の加熱工程
【発明の効果】
【0013】
本発明により、発色性及び密着性を両立するコロイド結晶層を備える積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本発明に係るクラックを撮影したSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<積層体>
本発明の積層体は、基材と、光の干渉により発色するコロイド結晶層と、樹脂層と、が順に配置されてなる積層体であって、下記(1)から(4)の条件をすべて満たすことを特徴とする。
(1)コロイド結晶層にクラックが形成されている
(2)コロイド結晶層におけるクラックの面積率が0.1~30%である
(3)コロイド結晶層を構成する粒子間に空隙を有する
(4)クラック内部においてコロイド結晶層と樹脂層とが接触している
【0016】
本発明の積層体は、コロイド結晶層にクラックが形成されていることで、樹脂層が部分的に積層体の膜面に対して垂直方向に形成されるため、優れた密着性を発現する。また、クラックの面積率が所定の割合であることにより、積層体の密着性及び発色性がともに良好となる。また、コロイド結晶を構成する粒子間の空隙が維持されることにより、積層体の発色性に優れる。また、クラック内部においてコロイド結晶層と樹脂層とが接触していることにより、コロイド結晶層と樹脂層との密着性が向上し、積層体の密着性が良化する。
以下、本発明を構成する要件について詳細に説明する。
【0017】
<コロイド結晶層>
コロイド結晶層は、
図1及び
図2に示す通り、微粒子が規則配列して密充填構造をとり、粒子間には空隙が存在している。また、結晶ドメイン間にはクラックが存在している。本発明の積層体は、密充填した粒子とその粒子間隙に存在する空気の屈折率差によりブラッグ反射が生じて鮮やかな構造色を示す。コロイド結晶層は、基材上に後述する微粒子(A)と水とを含有するコロイド結晶用組成物を塗布して形成することができる。
【0018】
<クラック>
コロイド結晶層は、クラックを有している。本発明においてクラックとは、コロイド結晶層中に存在する微小な間隙であり、コロイド結晶層の厚み方向に貫通していないものも、貫通しているものも含む。クラックの幅は、500nm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。ここで、クラックの幅は、コロイド結晶層が樹脂層と接触する面において、水平方向に測定されるものとする。
また、クラックの深さは、コロイド結晶層の膜厚の25%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。ここで、クラックの深さは、積層体の面に垂直する断面において、断面に対して水平方向に測定されたものとする。
【0019】
クラックの面積率は、0.1~30%であることが重要である。当該面積率は、1~20%であることが好ましい。クラックの面積率が0.1%以上であることにより、クラック内部における樹脂層とコロイド結晶層との接触が増加し、積層体の密着性が良好となる。また、クラックの面積率が30%以下であることにより、発色性に優れる積層体となる。
【0020】
ここで、クラックの面積率とは、任意の200μm×300μmの領域に含まれるクラックの総面積の割合を百分率で表したものをいう。本発明では、光学顕微鏡で積層体の表面を観察し、200μm×300μmの領域に含まれるクラックの総面積の割合を、三谷商事株式会社製画像解析ソフトWinROOFにより百分率で表した。
なお、コロイド結晶は溶剤の乾燥とともに形成され、そのクラックの幅は乾燥条件や溶剤種、コロイド結晶を形成する粒子の粒子径等で制御することができる。
【0021】
<空隙>
コロイド結晶層は、コロイド結晶層を構成する粒子間に空隙を有することが重要である。ここで空隙とは、空気を有する粒子間隙である。粒子間隙に空気が存在することで、粒子と粒子間隙の屈折率差が大きくなり積層体の発色性が良好となる。
なお、本発明において、粒子間における空隙とクラックは大きさが異なる。コロイド結晶層において、窒素吸着法により最頻細孔径10~200nmの空隙が検出される場合、コロイド結晶層の粒子間隙が空気であると判断できる。最頻細孔径は、Barrett- Joyner-Halenda法(BJH法)に基づいて解析して得られる、吸着側の窒素吸着等温線におけるピークトップを最頻細孔径として用いることができる。BJH法においては、Harkins-Jura型の式を用いて基準t曲線を算出し、体積頻度分布に基づいて解析する。本発明では、マイクロトラック・ベル株式会社製の、装置名BELSORP-maxIIを使用して測定した。
【0022】
<微粒子(A)>
コロイド結晶層を構成する微粒子(A)としては、エチレン性不飽和単量体の重合体からなる樹脂微粒子や、シリカや二酸化チタンなどの無機微粒子等が挙げられるが、コロイド結晶層中の隣接する粒子間や、コロイド結晶層と隣接する樹脂層や基材と架橋形成可能な反応性基が容易に導入できるため、樹脂微粒子が好ましく、より好ましくはアクリル樹脂又はスチレンアクリル樹脂からなる樹脂微粒子である。
また、樹脂微粒子は、コア及びシェルが水に不溶なポリマーであり、互いに相溶しないコア(内層)とシェル(外層)の構造を含むコアシェル型構造であることが好ましい。コアは球状形状の維持として機能し、シェルは流動性を有して結着部位として機能する。コアシェル型樹脂微粒子を含む組成物(以下、コロイド結晶層用組成物ともいう)を基材に塗布し、コアシェル型樹脂微粒子が移流集積して規則的に配列しコロイド結晶層を形成することで、隣接したコアシェル型樹脂微粒子のシェル同士、コアシェル型樹脂微粒子のシェルと基材層とが、容易に結着し、積層体は、優れた密着性を発揮する。
コロイド結晶層を構成する樹脂微粒子がエチレン性不飽和単量体の重合体からなる場合、エチレン性不飽和単量体を乳化重合することにより、目的の樹脂を得ることができる。
【0023】
<エチレン性不飽和単量体>
上記エチレン性不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、ビニルナフタレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族系エチレン性不飽和体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、tーブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、又は、これらのアルキル若しくはアルケニルモノエステル、コハク酸β-(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のカルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体;2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸アンモニウム、ビニルスルホン酸等のスルホ基含有エチレン性不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-プロポキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ペントキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N-ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N-ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N-メトキシメチル-N-(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、アリルアルコール等の水酸基含有エチレン性不飽和単量体;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシエチレン基含有エチレン性不飽和単量体;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等のアミノ基含有エチレン性不飽和単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体;ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシ(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のケトン基含有エチレン性不飽和単量体;アリル(メタ)アクリレート、1-メチルアリル(メタ)アクリレート、2-メチルアリル(メタ)アクリレート、1-ブテニル(メタ)アクリレート、2-ブテニル(メタ)アクリレート、3-ブテニル(メタ)アクリレート、1,3-メチル-3-ブテニル(メタ)アクリレート、2-クロルアリル(メタ)アクリレート、3-クロルアリル(メタ)アクリレート、o-アリルフェニル(メタ)アクリレート、2-(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルラクチル(メタ)アクリレート、シトロネリル(メタ)アクリレート、ゲラニル(メタ)アクリレート、ロジニル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルイタコン酸、ビニル(メタ)アクリレート、クロトン酸ビニル、オレイン酸ビニル,リノレン酸ビニル、2-(2’-ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等の2個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和単量体;γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体;N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アルキルエーテル化N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有エチレン性不飽和単量体;が挙げられる。
これらの単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0024】
<平均粒子径>
微粒子(A)の平均粒子径は、好ましくは100~500nmの範囲である。なお、本発明における平均粒子径は、動的光散乱法により測定することができ、得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを平均粒子径とする。
また、微粒子(A)の平均粒子径の変動係数(Cv値)は、30%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下である。変動係数が30%以下であることにより、粒子配列の規則性が良化し、積層体の発色性がより良好になる。変動係数は、粒子径の均斉度を表す数値であり、下記式により算出することができる。
式: 変動係数Cv値(%)=粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
[式において、標準偏差と平均粒子径の単位は同一である]
【0025】
<反応性基>
微粒子(A)は後述する樹脂層やプライマー層と架橋を形成する反応性基を有することが好ましい。微粒子(A)が反応性基を有することにより、コロイド結晶層と樹脂層の間、又はコロイド結晶層とプライマー層との間で架橋が可能となり、積層体の密着性が一層向上する。
微粒子(A)に導入可能な反応性基としては、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基、ケトン基、ヒドラジド基等が挙げられ、より好ましくはケトン基である。特に、反応性基がケトン基であり、架橋剤がヒドラジド架橋剤である場合、ケトン・ヒドラジド架橋を形成することができる。ケトン・ヒドラジド架橋は、コロイド結晶の諸物性に悪影響を及ぼさず、水の揮発により低温且つ短時間で架橋を形成できる点から好適に用いられ、加熱によりダメージを受けやすいフィルム基材を用いる場合に有効である。また、ケトン基は親水性が高いため、ケトン基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合組成に用いると、ケトン基は樹脂微粒子の外側、すなわち水媒体との界面付近に導入され、ヒドラジド架橋剤と効率的に架橋を形成できると考えられる。
【0026】
微粒子(A)が反応性基を有する場合、反応性基の含有量は、単一粒子の場合樹脂微粒子の質量を基準として、好ましくは0.1~3.0mmоl/gの範囲であり、より好ましくは0.5~3.0mmоl/gである。また、コアシェル型粒子の場合、シェルの質量を基準として、好ましくは0.1~3.0mmоl/gの範囲であり、より好ましくは0.5~3.0mmоl/gである。0.1mmоl/g以上であることにより、粒子間、又は、粒子と基材間の接触面積が少ない積層体においても、架橋形成により優れた密着性が発現する。また、3.0mmоl/g以下であることにより、コロイド結晶層と樹脂層の親和性が良化して積層体の密着性が優れる。
【0027】
コロイド結晶層には、黒色色材が含まれてもよい。黒色色材は、積層体内の散乱光を吸収して発色をより明瞭にする働きを担う。黒色色材としては、黒色で着色した微粒子やカーボンブラック、グラファイト等を用いることができる。可視領域の反射スペクトル形状に与える影響が少なく、耐候性等の耐久性に優れるという観点から、好ましくはカーボンブラックである。
【0028】
<樹脂層>
樹脂層は、コロイド結晶層の密着性向上を目的として、コロイド結晶層上に設けられるものであり、コロイド結晶層のクラック内部においてコロイド結晶層と接触していることが重要である。クラック内部においてコロイド結晶層と樹脂層とが接触していることで、樹脂層が部分的に積層体の膜面に対して垂直方向に塗膜を形成することとなり、積層体が優れた密着性を発現する。また、コロイド結晶層のクラック内部において、後述するプライマー層と樹脂層が接触していると積層体の密着性が一層向上するため好ましい。
樹脂層は、例えば、水と樹脂微粒子(B)を含有する樹脂組成物を、コロイド結晶層上に塗布、必要に応じて乾燥することで造膜し、形成することができる。また、ドライラミネート可能な樹脂組成物を基材に塗布、乾燥後に、コロイド結晶層を備えた積層体に圧着して貼り合わせることによって形成することもできる。
【0029】
<樹脂微粒子(B)>
樹脂微粒子(B)は、樹脂層を形成するための樹脂組成物中において、水分散体の形態で存在することが好ましい。樹脂微粒子(B)はエチレン性不飽和単量体の重合体であることが好ましく、より好ましくはアクリル樹脂又はスチレンアクリル樹脂である。
【0030】
<エチレン性不飽和単量体>
樹脂微粒子(B)に使用できるエチレン性不飽和単量体としては、微粒子(A)で例示したエチレン性不飽和単量体の記載を援用することができる。
【0031】
<反応性基>
樹脂微粒子(B)はコロイド結晶層や後述するプライマー層と架橋を形成する反応性基を有することが好ましい。樹脂微粒子(B)が反応性基を有することにより、コロイド結晶層と樹脂層の間、又は樹脂層とプライマー層の間で架橋形成が可能となり、積層体の密着性が一層向上する。
樹脂微粒子(B)に導入可能な反応性基としては、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基、ケトン基、ヒドラジド基等が挙げられ、より好ましくはケトン基である。特に、反応性基がケトン基であり、架橋剤がヒドラジド架橋剤である場合、ケトン・ヒドラジド架橋を形成することができる。ケトン・ヒドラジド架橋は、コロイド結晶の諸物性に悪影響を及ぼさず、水の揮発により低温且つ短時間で架橋を形成できる点から好適に用いられ、加熱によりダメージを受けやすいフィルム基材を用いる場合に有効である。また、ケトン基は親水性が高いため、ケトン基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合組成に用いると、ケトン基は樹脂微粒子の外側、すなわち水媒体との界面付近に導入され、ヒドラジド架橋剤と効率的に架橋を形成できると考えられる。
【0032】
樹脂微粒子(B)が反応性基を有する場合、反応性基の含有量は、樹脂微粒子の質量を基準として、好ましくは0.1~3.0mmоl/gの範囲であり、より好ましくは0.5~3.0mmоl/gである。0.1mmоl/g以上であることにより、粒子間、又は、粒子及び基材間の接触面積が少ない積層体においても、架橋形成により優れた密着性が発現する。また、3.0mmоl/g以下であることにより、コロイド結晶層と樹脂層との親和性が良化して積層体の密着性が良化する。
【0033】
<平均粒子径>
樹脂微粒子(B)の平均粒子径は、好ましくは80~1000nmの範囲である。平均粒子径が80nm以上であると、樹脂層の成分がコロイド結晶層の粒子間隙に浸食せず、コロイド結晶層のクラック内部にのみ浸食するため、積層体の発色と密着性がともに良好となる。また、平均粒子径が1000nm以下であると、樹脂層がクラック内部に浸食するため積層体の密着性が良好となる。
【0034】
<ガラス転移点>
樹脂微粒子(B)のガラス転移点(Tg)は、好ましくは-25~45℃の範囲であり、より好ましくは-10℃~30℃の範囲である。Tgが-25℃以上であると、樹脂層の樹脂成分が過剰に流動してコロイド結晶層の粒子間隙へ侵入することを防ぐことができ、積層体の発色が優れたものとなる。一方、Tgが45℃以下であると、樹脂微粒子(B)の造膜性が十分に確保されるため樹脂層用組成物の乾燥後に積層体の発色性が良好であり、また、樹脂層のコロイド結晶層への結着性が良化するため積層体の密着性が良化する。
上記のガラス転移点は、DSC(示差走査熱量計)を用いて求めることができる。
【0035】
<基材層>
基材は特に制限されず、用途に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニルシート、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム等の熱可塑性樹脂基材;アルミニウム箔等の金属基材;ガラス基材、コート紙等の紙基材;布基材が挙げられる。
基材は、塗布面が平滑であってもよく、凹凸のついたものであってもよい。また基材は、透明、半透明、不透明のいずれであってもよく、コロイド結晶層の発色をより明瞭にするため、あらかじめ黒色等に着色された基材を用いてもよい。また、これら基材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上の層から構成される積層体であってもよい。
基材の厚みは、特に制限されず、通常5~500μmの範囲で適宜選択できる。
【0036】
<プライマー層>
基材上でのコロイド結晶層の定着性をより高めるため、基材上にプライマー層を有していることが好ましい。プライマー層は、コロイド結晶層の形成前に、基材上にプライマー層用樹脂組成物を塗布することで形成できる。上記プライマー層用樹脂組成物は樹脂成分を含み、該プライマー層を形成する樹脂は、特に制限されず、例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びこれらの樹脂を複合化させてなる複合樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
プライマー層は、基材やコロイド結晶層への結着性、プライマー層の耐性等の観点から、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、又はウレタン樹脂を含むことが好ましい。また、プライマー層は、本発明の効果を損なわない範囲で、添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、界面活性剤、又は黒色色材が挙げられる。
プライマー層の厚みは、好ましくは0.5~30μmである。
【0037】
<反応性基>
プライマー層を形成する樹脂はコロイド結晶層や樹脂層と架橋を形成する反応性基を有することが好ましい。プライマー層を形成する樹脂が反応性基を有することにより、プライマー層とコロイド結晶層、又はプライマー層と樹脂層との間で架橋形成が可能となり、積層体の密着性が一層向上する。
プライマー層を形成する樹脂に導入可能な反応性基としては、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基、ケトン基、ヒドラジド基等が挙げられ、より好ましくはケトン基である。特に、反応性基がケトン基であり、架橋剤がヒドラジド架橋剤である場合、ケトン・ヒドラジド架橋を形成することができる。ケトン・ヒドラジド架橋は、コロイド結晶の諸物性に悪影響を及ぼさず、水の揮発により低温且つ短時間で架橋を形成できる点から好適に用いられ、加熱によりダメージを受けやすいフィルム基材を用いる場合に有効である。また、ケトン基は親水性が高いため、ケトン基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合組成に用いると、ケトン基は樹脂微粒子の外側、すなわち水媒体との界面付近に導入され、ヒドラジド架橋剤と効率的に架橋を形成できると考えられる。
【0038】
プライマー層が反応性基を有する場合、反応性基の含有量は、プライマー層の質量を基準として、好ましくは0.1~3.0mmоl/gの範囲であり、より好ましくは0.5~3.0mmоl/gである。0.1mmоl/g以上であることにより、粒子間、又は、粒子と基材間の接触面積が少ない積層体においても、架橋形成により優れた密着性が発現する。また、3.0mmоl/g以下であることにより、プライマー層とコロイド結晶層の親和性が向上し積層体の密着性が良化する。
【0039】
<積層体の製造方法>
本発明の積層体の製造方法は、以下の工程1及び2を有するものであることが好ましい。
工程1)基材上にコロイド結晶用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥し、コロイド結晶層を形成する工程。
工程2)工程1で形成されたコロイド結晶層上に、樹脂層用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥し、樹脂層を形成する工程。
【0040】
コロイド結晶層を構成する粒子がコアシェル型樹脂微粒子である場合は、工程1の途中又は工程1の後、かつ工程2の前に以下の工程3を行うことが好ましい。
工程3)コロイド結晶の発色が損なわれない範囲で、70℃以上の加熱処理を行う。
工程3を経ることによりコアシェル型樹脂微粒子のシェルが流動して塗膜の表面状態が変化し、樹脂層の形成時にクラック内部においてコロイド結晶層と樹脂層が接触しやすくなるため積層体の密着性が良好となる。工程3における加熱温度は、80℃以上であることがより好ましく、200℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。
【0041】
なお、コロイド結晶層は、クラックを有しており、クラックの面積率が0.1~30%であることが重要である。コロイド結晶層のクラックは、工程1の乾燥条件やコロイド結晶用組成物の溶剤種、微粒子(A)の粒子径等で制御することが可能である。
例えば、乾燥温度を下げることでコロイド結晶層のクラックの面積率が低減し、乾燥温度を上げることでクラックの面積率が向上する。また、微粒子(A)の粒子径が小さいほどクラックの面積率が低減し、粒子径が大きいほどクラックの面積率が向上する。
【実施例0042】
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に断りの無い限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
【0043】
<平均粒子径、Cv値>
平均粒子径は、微粒子分散体を500倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はナノトラックUPA(株)マイクロトラックベル社製)により測定を行い、得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを平均粒子径とした。また、下記式により、粒子径の均斉度を表す変動係数Cv値を算出した。
式: Cv値(%)=粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
[式において、標準偏差と平均粒子径の単位は同一である]
【0044】
<ガラス転移点>
ガラス転移点は、DSC(示差走査熱量計TAインスツルメント社製)により測定した。具体的には、樹脂微粒子分散体を乾固したサンプル約2mgをアルミニウムパン上で秤量し、該アルミニウムパンをDSC測定ホルダーにセットし、5℃/分の昇温条件にて得られるDSC曲線の吸熱側へのベースラインシフト(変曲点)チャートの吸熱ピークを読み取り、ガラス転移点を得た。
【0045】
<微粒子(A)の製造>
[製造例1]コアシェル型樹脂微粒子の製造
スチレン99.0部、アクリル酸1.0部、アクアロンAR-10(第一工業製薬株式会社製、アニオン性の反応性界面活性剤(ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩類))の25%水溶液4.0部(固形分1.0部)、イオン交換水39.0部を混合、撹拌して一段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液を調整した。撹拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水95.0部と、一段目の乳化液のうちの1.5%を加えた。反応容器の内温を70℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として過硫酸カリウムの2.5%水溶液6.0部(固形分0.15部)を添加して重合を開始した。内温を80℃に上げて温度を維持しながら、乳化液の残りと過硫酸カリウムの2.5%水溶液4.2部(固形分0.11部)を2時間かけて滴下しながら反応させ、コア粒子を合成した。
次に、スチレン27.6部、n-ブチルアクリレート13.2部、メタクリル酸2.2部、アクアロンAR-10の25%水溶液1.7部(固形分0.4部)、イオン交換水16.7部を混合、撹拌して、二段目のエチレン性不飽和単量体の乳化液を調整した。一段目の滴下完了から20分後、二段目の乳化液の滴下を開始した。内温を80℃に保ちながら二段目の乳化液と過硫酸カリウムの2.5%水溶液1.6部(固形分0.04部)を2時間かけて滴下しながら反応を進め、コアシェル型樹脂微粒子の水分散体を得た。
反応後、水を添加して固形分を45.0%に調整した。また、25%アンモニア水(NH3(aq))を1.7部添加してコアシェル型樹脂微粒子を中和した。上記アンモニア水の配合量は、シェルに含まれる全カルボキシ基を中和する量(以下、1当量)に相当する。得られた微粒子の平均粒子径は248nm、Cv値は12.9%、コアのTgは100.1℃、シェルのTgは51.8℃であった。
【0046】
[製造例2~7]コアシェル型樹脂微粒子の製造
表1に示す配合組成に変更した以外は、製造例1と同様にして、コアシェル型樹脂微粒子の水分散体を得た。反応容器の水は、エチレン性不飽和単量体の総量に対して67%になるように仕込んだ。エチレン性不飽和単量体の乳化液は、乳化液中のエチレン性不飽和単量体の濃度が69%、界面活性剤の濃度が0.69%になるよう、水を添加して調製した。過硫酸カリウム2.5%水溶液において、反応開始時/一段目の乳化液の滴下時/二段目乳化液の滴下時の配分は、製造例1と同じ比率にした。また、シェルに含まれるカルボキシ基に対して1当量のアンモニア水を添加してコアシェル型樹脂微粒子を中和した。
なお、製造例6及び7では反応容器に仕込む一段目の乳化液量を1.5%から2.0%及び1.0%にそれぞれ変更した。
【0047】
【0048】
[製造例8]単一構造樹脂微粒子の製造
スチレン99.0部、メタクリル酸1.0部、アクアロンAR-10の25%水溶液部4.0部(固形分1.0部)、イオン交換水40.4部を予め混合、撹拌して、エチレン性不飽和単量体の乳化液を調整した。
撹拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水68.9部と乳化液のうちの3%とを加え、内温を80℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として過硫酸カリウムの2.5%水溶液6.0部(固形分0.15部)を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に保ちながら、乳化液の残りと過硫酸カリウムの2.5%水溶液6.0部(固形分0.15部)を3時間かけて滴下し、更に4時間反応させてスチレンアクリル樹脂の水分散体を得た。反応完了後、樹脂微粒子に含まれるカルボキシ基に対して1当量のアンモニア水を添加して中和し、イオン交換水で水分散体の固形分を45.0%に調整した。得られた微粒子の平均粒子径は224nm、Cv値は13.4%、Tgは116.1℃であった。
【0049】
[製造例9]単一構造樹脂微粒子の製造
スチレン85.6部、2-アセトアセトキシエチルメタクリレート12.1部、メタクリル酸2.3部、アクアロンAR-10の25%水溶液4.0部(固形分1.0部)、イオン交換水40.4部を予め混合、撹拌して、エチレン性不飽和単量体の乳化液を調整した。
撹拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水68.9部と乳化液のうちの3%とを加え、内温を80℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として過硫酸カリウムの2.5%水溶液6.0部(固形分0.15部)を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に保ちながら、乳化液の残りと過硫酸カリウムの2.5%水溶液6.0部(固形分0.15部)を3時間かけて滴下し、更に4時間反応させてスチレンアクリル樹脂の水分散体を得た。反応完了後、樹脂微粒子に含まれるカルボキシ基に対して1当量のアンモニア水を添加して中和し、イオン交換水で水分散の固形分を45.0%に調整した。得られた微粒子の平均粒子径は230nm、Cv値は12.1%、Tgは102.1℃であった。
【0050】
[製造例10]シリカ粒子の調製
シリカ粒子として、日本触媒社製シーホスターKE-W20(平均粒子径210nm)を使用した。
【0051】
[製造例11]コアシェル型樹脂微粒子の製造
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水400重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.02重量部を仕込み、攪拌しながら80℃に加温した。次いで、開始剤として過硫酸カリウム0.3重量部を用い、モノマーとしてスチレン35重量部、メチルメタクリレート10重量部、ジビニルベンゼン5重量部の混合液を、コア部を形成する重合性モノマー組成物として100分かけて滴下し、滴下終了後さらに30分間撹拌して、コア粒子を得た。
上記撹拌後、さらに、メチルメタクリレート20重量部、n-ブチルアクリレート15重量部、メタクリル酸6重量部、ヒドロキシエチルアクリレート6重量部、グリシジルメタクリレート3重量部からなる、シェル部を形成する重合性モノマー組成物に、さらに連鎖移動剤であるチオグリコール酸オクチル0.2重量部を加えた混合液を、100分かけて滴下した。滴下後さらに2時間撹拌した後に冷却し、コアシェル型樹脂微粒子の水分散体を得た。
反応完了後、イオン交換水で水分散の固形分を20.0%に調整した。得られた微粒子の平均粒子径は220nm、Cv値は12.6%、コアのTgは100.1℃、シェルのTgは51.8℃であった。
【0052】
<微粒子(B)の製造>
[製造例12]樹脂微粒子の製造
スチレン40.2部、n-ブチルアクリレート57.8部、メタクリル酸2.0部、アクアロンAR-10の25%水溶液部4.0部(固形分1.0部)、イオン交換水40.4部を予め混合、撹拌して、エチレン性不飽和単量体の乳化液を調整した。
撹拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水68.9部と乳化液のうちの3%とを加え、内温を80℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として過硫酸カリウムの2.5%水溶液6.0部(固形分0.15部)を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に保ちながら、乳化液の残りと過硫酸カリウムの2.5%水溶液6.0部(固形分0.15部)を3時間かけて滴下し、更に4時間反応させてスチレンアクリル樹脂の水分散体を得た。反応完了後、樹脂微粒子に含まれるカルボキシ基に対して1当量のアンモニア水を添加して中和し、イオン交換水で水分散の固形分を45.0%に調整した。得られた微粒子の平均粒子径は225nm、Cv値は13.9%、Tgは7.4℃であった。
【0053】
[製造例13~20]樹脂微粒子の製造
表2に示す配合組成に変更した以外は、製造例12と同様にして、樹脂微粒子の水分散体を得た。反応容器の水は、エチレン性不飽和単量体の総量に対して67%になるように仕込んだ。エチレン性不飽和単量体の乳化液は、乳化液中のエチレン性不飽和単量体の濃度が69%、界面活性剤の濃度が0.69%になるよう、水を添加して調製した。また、樹脂微粒子に含まれるカルボキシ基に対して1当量のアンモニア水を添加して樹脂微粒子を中和した。
【0054】
[製造例21]樹脂微粒子の製造
スチレン35.7部、n-ブチルアクリレート52.3部、2-アセトアセトキシエチルメタクリレート10.0部、メタクリル酸2.0部、アクアロンAR-10の25%水溶液部4.0部(固形分1.0部)、イオン交換水40.4部を予め混合、撹拌して、エチレン性不飽和単量体の乳化液を調整した。
撹拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水68.9部と乳化液のうちの3%、アクアロンAR-10の25%水溶液2.0部とを加え、内温を80℃に昇温して十分に窒素置換した後、開始剤として過硫酸カリウムの2.5%水溶液6.0部(固形分0.15部)を添加して乳化重合を開始した。内温を80℃に保ちながら、乳化液の残りと過硫酸カリウムの2.5%水溶液6.0部(固形分0.15部)を3時間かけて滴下し、更に4時間反応させてスチレンアクリル樹脂の水分散体を得た。反応完了後、樹脂微粒子に含まれるカルボキシ基に対して1当量のアンモニア水を添加して中和し、イオン交換水で水分散の固形分を45.0%に調整した。得られた微粒子の平均粒子径は105nm、Cv値は14.9%、Tgは8.2℃であった。
【0055】
【0056】
[製造例22]樹脂微粒子の製造
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水185.0部、高分子乳化剤としてJONCRYL67(BASF社製スチレンアクリル樹脂Mw12500、酸価213mgKOH/g)42.9部、25%アンモニア水11.1部を仕込み、攪拌しながら昇温し、高分子乳化剤を溶解させた。更に窒素還流下で温度80℃まで昇温した後、2つの滴下ロートにおいて、一方からは、スチレン21.0部、n-ブチルメタクリレート69.0部、2-アセトアセトキシエチルアクリレート10.0部の混合液を2時間かけて滴下した。もう一方からは、過硫酸アンモニウム20%水溶液3.6部を2時間かけて滴下した。滴下完了後、更に5時間反応させ、樹脂微粒子の水分散体を得た。反応完了後、イオン交換水で水分散体の固形分を40.0%に調整した。得られた樹脂微粒子の平均粒子径は74nm、CV値は23.1%、Tgは-1.3℃であった。
【0057】
[製造例23]樹脂微粒子の製造
攪拌器、温度計、還流器を備えた反応容器に、水40.0部、メタノール50.0部、メチルメタクリレート3.7部、n-ブチルアクリレート5.3部、2-アセトアセトキシエチルメタクリレート1.0部を仕込んだ。更に窒素還流下で温度80℃まで昇温した後、過硫酸アンモニウム5%水溶液4.2部を添加した。更に5時間反応させ、樹脂微粒子の水分散体を得た。反応完了後、イオン交換水で水分散体の固形分を10.0%に調整した。得られた樹脂微粒子の平均粒子径は766nm、CV値は8.2%、Tgは-0.5℃であった。
【0058】
[製造例24]樹脂微粒子の製造
攪拌器、温度計、還流器を備えた反応容器に、水20.0部、メタノール60.0部、メチルメタクリレート3.7部、n-ブチルアクリレート5.3部、2-アセトアセトキシエチルメタクリレート1.0部を仕込んだ。更に窒素還流下で温度80℃まで昇温した後、過硫酸アンモニウム5%水溶液4.2部を添加した。更に5時間反応させ、樹脂微粒子の水分散体を得た。反応完了後、イオン交換水で水分散体の固形分を10.0%に調整した。得られた樹脂微粒子の平均粒子径は1132nm、CV値は9.9%、Tgは-0.5℃であった。
【0059】
<コロイド結晶用組成物の調製>
[製造例25]
製造例1のコアシェル型樹脂微粒子の水分散体100.0部に、界面活性剤としてサーフィノール420(日新化学工業社製、アセチレン系ノニオン性界面活性剤)1.0部、カーボンブラック水分散体CW-1(オリエント化学工業社製)2.3部を添加して攪拌し、コロイド結晶用組成物を調製した。
【0060】
[製造例26~35]
表3に示す配合組成に変更した以外は、製造例25と同様の方法によりコロイド結晶用組成物を調製した。
【0061】
【0062】
<樹脂層用組成物の調製>
[製造例36]
製造例12の樹脂微粒子の水分散体100.0部に、界面活性剤としてエマルゲン1108(花王社製ノニオン性界面活性剤)0.5部、サーフィノール420 1.0部を添加して攪拌し、樹脂層用組成物を調製した。
【0063】
[製造例37~48]
表4に示す配合組成に変更した以外は、製造例36と同様の方法により樹脂層用組成物を調製した。
【0064】
【0065】
<プライマー層用組成物の調製>
前記<樹脂層用組成物の調製>における製造例36~40の組成物を、プライマー層用組成物としても転用した。
【0066】
[製造例49]
第一工業製薬株式会社製スーパーフレックス210(ポリウレタン樹脂) 100.0部に、界面活性剤としてエマルゲン1108 0.5部、サーフィノール420 1.0部を添加して攪拌し、プライマー層用組成物を調製した。
【0067】
[製造例50]
互応化学株式会社製プラスコートZ-221(ポリエステル樹脂) 100.0部に、界面活性剤としてエマルゲン1108 0.5部、サーフィノール420 1.0部を添加して攪拌し、プライマー層用組成物を調製した。
【0068】
<積層体の製造>
[実施例1]
東洋紡エステルフィルムE5100のコロナ処理面に、表5に示すコロイド結晶層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、50℃1分間乾燥し、コロイド結晶層を形成した。更に得られた積層体を80℃で3分間加熱した。次いで、コロイド結晶層上に表5に示す樹脂層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、80℃1分間乾燥し、PET/コロイド結晶層/樹脂層の構成の積層体を得た。
【0069】
[実施例2]
東洋紡エステルフィルムE5100のコロナ処理面に、表5に示すプライマー層用樹脂組成物を、乾燥後の厚みが3.0μmになるようにバーコーターで塗工した後、オーブンで50℃3分間乾燥してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、表5に示すコロイド結晶層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、50℃1分間乾燥し、コロイド結晶層を形成した。更に、得られた積層体を80℃で3分間加熱した。次いで、コロイド結晶層上に表5に示す樹脂層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、80℃1分間乾燥し、PET/プライマー層/コロイド結晶層/樹脂層の構成の積層体を得た。
【0070】
[実施例3~31]
表5に示す組み合わせに変更した以外は、実施例2と同様の方法により積層体を作製した。
【0071】
[比較例1]
東洋紡エステルフィルムE5100のコロナ処理面に、表6に示すプライマー層用樹脂組成物を、乾燥後の厚みが3.0μmになるようにバーコーターで塗工した後、オーブンで50℃3分間乾燥してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、表6に示すコロイド結晶層用組成物を特開2015-27930の段落[0105]に記載の方法でコロイド結晶層を形成した。更に、得られた積層体を80℃で3分間加熱した。次いで、コロイド結晶層上に表6に示す樹脂層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、80℃1分間乾燥し、PET/プライマー層/コロイド結晶層/樹脂層の構成の積層体を得た。
【0072】
[比較例2]
東洋紡エステルフィルムE5100のコロナ処理面に、表6に示すプライマー層用樹脂組成物を、乾燥後の厚みが3.0μmになるようにバーコーターで塗工した後、オーブンで50℃3分間乾燥してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、表6に示すコロイド結晶層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、100℃30秒間乾燥し、コロイド結晶層を形成した。更に、得られた積層体を80℃で3分間加熱した。次いで、コロイド結晶層上に表6に示す樹脂層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、80℃1分間乾燥し、PET/プライマー層/コロイド結晶層/樹脂層の構成の積層体を得た。
【0073】
[比較例3]
東洋紡エステルフィルムE5100のコロナ処理面に、表6に示すプライマー層用樹脂組成物を、乾燥後の厚みが3.0μmになるようにバーコーターで塗工した後、オーブンで50℃3分間乾燥してプライマー層を形成した。次いで、表6に示すコロイド結晶層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、120℃30分間乾燥し、コロイド結晶層を形成した。更に、得られた積層体を80℃で3分間加熱した。次いで、コロイド結晶層上に表6に示す樹脂層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、80℃1分間乾燥し、PET/プライマー層/コロイド結晶層/樹脂層の構成の積層体を得た。
【0074】
[比較例4]
東洋紡エステルフィルムE5100のコロナ処理面に、表6に示すプライマー層用樹脂組成物を、乾燥後の厚みが3.0μmになるようにバーコーターで塗工した後、オーブンで50℃3分間乾燥してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、表6に示すコロイド結晶層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、50℃3分間乾燥し、コロイド結晶層を形成した。次いで、コロイド結晶層上に表6に示す樹脂層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、80℃1分間乾燥し、PET/プライマー層/コロイド結晶層/樹脂層の構成の積層体を得た。
【0075】
[比較例5]
東洋紡エステルフィルムE5100のコロナ処理面に、表6に示すプライマー層用樹脂組成物を、乾燥後の厚みが3.0μmになるようにバーコーターで塗工した後、オーブンで50℃3分間乾燥してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、表6に示すコロイド結晶層用組成物を乾燥後の厚みが10.0μmになるようにバーコーターを選択して塗工し、50℃1分間乾燥し、コロイド結晶層を形成した。更に、得られた積層体を80℃で3分間加熱し、PET/プライマー層/コロイド結晶層の構成の積層体を得た。
【0076】
<積層体の評価>
得られた積層体について、下記の通り評価を行った。結果を表5、6に示す。
【0077】
<クラック面積率>
光学顕微鏡で積層体の表面を観察し、200μm×300μmの領域に含まれるクラックの総面積の割合を三谷商事株式会社製画像解析ソフトWinROOFにより百分率で表した。
【0078】
<クラック内部におけるコロイド結晶層と樹脂層の接触>
積層体の断面をSEMで観察し、クラック内部におけるコロイド結晶層と樹脂層との接触有無を確認した。
【0079】
<空隙の有無>
コロイド結晶層の空隙の有無を以下のようにして判断した。
まず、得られた積層体について断面を切り出した上で、Barrett- Joyner-Halenda法(BJH法)に基づいて解析を行い、吸着側の窒素吸着等温線におけるピークトップを最頻細孔径として求めた。BJH法においてはHarkins-Jura型の式を用いて基準t曲線を算出し、体積頻度分布に基づいて解析を行った。測定にはマイクロトラック・ベル株式会社製の、装置名BELSORP-maxIIを使用した。
窒素吸着法により最頻細孔径10~200nmの空隙が検出される場合、コロイド結晶を形成する粒子間隙が空気であると判断し、空隙があると評価した。
【0080】
[発色性]
積層体について、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製V-770D、積分球ユニットISN-923)を用いて、波長350~850nmの範囲で反射スペクトルを測定した。各波長における反射率は、反射率が既知の標準白板(ラブスフェア社製SRS-99-010)をリファレンスとして用いて測定した相対反射率である。全ての積層体について、コロイド結晶層側から反射スペクトルを測定した。得られた反射スペクトルについて、構造色に由来する反射率の最大値と、構造色によらないベースラインの反射率の差分(△R)を算出した。△Rが大きいほど発色性に優れている。得られた△Rから、以下の基準で評価した。
S:ΔRが20%以上(非常に良好)
A:ΔRが10%以上、20%未満(良好)
B:ΔRが5%以上、10%未満(使用可)
C:ΔRが5%未満、又は構造色に由来する反射率のピークが判別不能(使用不可)
【0081】
[密着性]
積層体に対してJIS K5600に基づくテープ密着試験を実施し塗膜の剥がれを観察した。評価基準は以下の通りである。
S:傷や剥がれた面積が5%未満(非常に良好)
A:傷や剥がれた面積が5%以上、15%未満(良好)
B:傷や剥がれた面積が15%以上、35%未満(使用可)
C:傷や剥がれた面積が35%以上(使用不可)
【0082】
【0083】