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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086125
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/23 20240101AFI20240620BHJP
   B60K 35/00 20240101ALI20240620BHJP
【FI】
B60K35/00 A
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201087
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】519373914
【氏名又は名称】株式会社J-QuAD DYNAMICS
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋口 佐和
(72)【発明者】
【氏名】荒木 遼太郎
【テーマコード(参考)】
3D344
【Fターム(参考)】
3D344AA19
3D344AB01
3D344AC25
3D344AD01
(57)【要約】
【課題】自動走行制御の実行中に自車両の加減速が適正に行われているか否かについて自車両の運転者に疑念を抱かせることを防止することができる表示制御装置を提供する。
【解決手段】表示制御装置10は、自車両100の走行速度が目標速度範囲内の速度に維持されるように自車両を自動で加減速させる走行速度制御の実行中、自車両の表示装置30により目標速度範囲を画像表示し、或いは、自車両と自車両の周辺の車両であって自車両の走行方向と同じ方向に走行している車両である周辺車両200との間の距離である車間距離が目標距離範囲内の距離に維持されるように自車両を自動で加減速させる車間距離制御の実行中、表示装置により目標距離範囲を画像表示する。
【選択図】 図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の走行速度が目標速度範囲内の速度に維持されるように前記自車両を自動で加減速させる走行速度制御の実行中、前記自車両の表示装置により前記目標速度範囲を画像表示し、或いは、前記自車両と該自車両の周辺の車両であって該自車両の走行方向と同じ方向に走行している車両である周辺車両との間の距離である車間距離が目標距離範囲内の距離に維持されるように前記自車両を自動で加減速させる車間距離制御の実行中、前記表示装置により前記目標距離範囲を画像表示するように構成された表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記目標距離範囲は、前記自車両が前記車間距離を走行するのに要する時間の目標値に前記自車両の走行速度を乗じた値である目標距離よりも第1の値だけ大きい値を上限値とし、前記目標距離よりも第2の値だけ小さい値を下限値とする範囲である、
表示制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記走行速度制御の実行中、前記自車両の走行速度が前記目標速度範囲内の速度に維持されるように前記自車両が自動で加減速されたときの前記自車両の移動範囲を前記目標速度範囲として前記表示装置により画像表示するように構成されている、
表示制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記走行速度制御の実行中、前記表示装置により前記目標速度範囲の上限速度及び下限速度を画像表示することにより前記目標速度範囲を画像表示するように構成されている、
表示制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の表示制御装置において、
前記走行速度制御により前記自車両が加速されているときには、前記下限速度よりも前記上限速度が強調されるように前記上限速度及び前記下限速度を前記表示装置により画像表示するように構成されている、
表示制御装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の表示制御装置において、
前記走行速度制御により前記自車両が減速されているときには、前記上限速度よりも前記下限速度が強調されるように前記上限速度及び前記下限速度を前記表示装置により画像表示するように構成されている、
表示制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記走行速度制御は、前記自車両を加速する場合、前記自車両の駆動装置のエネルギー効率が所定効率以上に維持されるように前記駆動装置を作動させて前記自車両を加速し、前記自車両を減速する場合、前記自車両が惰行走行するように前記駆動装置の作動を制御して前記自車両を減速する制御である、
表示制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記車間距離制御の実行中、前記表示装置により前記目標距離範囲の上限距離及び下限距離を画像表示することにより前記目標距離範囲を画像表示するように構成されている、
表示制御装置。
【請求項9】
請求項8に記載の表示制御装置において、
前記車間距離制御により前記自車両が加速されているときには、前記上限距離よりも前記下限距離が強調されるように前記上限距離及び前記下限距離を前記表示装置により画像表示するように構成されている、
表示制御装置。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の表示制御装置において、
前記車間距離制御により前記自車両が減速されているときには、前記下限距離よりも前記上限距離が強調されるように前記上限距離及び前記下限距離を前記表示装置により画像表示するように構成されている、
表示制御装置。
【請求項11】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記車間距離制御は、前記自車両を加速する場合、前記自車両の駆動装置のエネルギー効率が所定効率以上に維持されるように前記駆動装置を作動させて前記自車両を加速し、前記自車両を減速する場合、前記自車両が惰行走行するように前記駆動装置の作動を制御して前記自車両を減速する制御である、
表示制御装置。
【請求項12】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記走行速度制御の実行中、前記表示装置により画像表示されている前記目標速度範囲上に前記自車両の現在の走行速度を前記表示装置により画像表示し、
前記車間距離制御の実行中、前記表示装置により画像表示されている前記目標距離範囲上に前記周辺車両を表す画像を前記表示装置により画像表示する、
ように構成されている、
表示制御装置。
【請求項13】
請求項12に記載の表示制御装置において、
前記車間距離制御の実行中、前記表示装置により画像表示されている前記目標距離範囲上における前記周辺車両を表す画像の位置が当該周辺車両の前記自車両に対する実際の位置に対応するように、前記周辺車両を表す画像を前記表示装置により画像表示するように構成されている、
表示制御装置。
【請求項14】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記表示装置は、前記自車両のフロントガラスに画像を表示する装置であり、
前記周辺車両が前記自車両の前方を走行する先行車である場合、前記車間距離制御の実行中、前記表示装置により画像表示される前記目標距離範囲と前記先行車との位置関係が実際の前記目標距離範囲と前記先行車との位置関係に対応するように前記目標距離範囲を前記表示装置により前記フロントガラスに画像表示するように構成されている、
表示制御装置。
【請求項15】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記走行速度制御により前記自車両が加速されているときには、前記下限速度よりも前記上限速度が強調されるように前記上限速度及び前記下限速度を前記表示装置により画像表示し、
前記走行速度制御により前記自車両が減速されているときには、前記上限速度よりも前記下限速度が強調されるように前記上限速度及び前記下限速度を前記表示装置により画像表示し、
前記車間距離制御により前記自車両が加速されているときには、前記上限距離よりも前記下限距離が強調されるように前記上限距離及び前記下限距離を前記表示装置により画像表示し、
前記車間距離制御により前記自車両が減速されているときには、前記下限距離よりも前記上限距離が強調されるように前記上限距離及び前記下限距離を前記表示装置により画像表示し、
前記走行速度制御の実行中、前記自車両が加速されているか減速されているかを判別することができないときには、前記上限速度の強調及び前記下限速度の強調を行わず、
前記車間距離制御の実行中、前記自車両が加速されているか減速されているかを判別することができないときには、前記上限距離の強調及び前記下限距離の強調を行わない、
ように構成されている、
表示制御装置。
【請求項16】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記目標速度範囲及び前記目標距離範囲は、前記自車両の操作者により変更可能である、
表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自車両の加減速を自動で制御することにより自車両を自動で走行させる自動運転を行う運転支援制御が知られている。例えば、自車両の走行速度が目標速度に維持されるように自車両を自動で加減速させる走行速度制御を実行したり、自車両と先行車との間の距離が目標距離に維持されるように自車両を自動で加減速させる車間距離制御を実行したりする運転支援装置が知られている。又、走行速度制御の実行中、目標速度をディスプレイに画像表示したり、車間距離制御の実行中、目標距離を画像表示したりする表示制御装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-196082号公報
【発明の概要】
【0004】
走行速度制御の実行中、様々な理由から、一定の制御幅をもって自車両の走行速度が制御されたり、車間距離制御の実行中、様々な理由から、一定の制御幅をもって自車両と先行車との間の距離が制御されたりすることがある。このように走行速度制御や車間距離制御が行われている場合、自車両の走行速度が目標速度には維持されず、比較的大きく上下し、又、自車両と先行車との間の距離が目標距離には維持されず、比較的大きく増減する。このため、走行速度制御や車間距離制御といった自動走行制御が一定の制御幅をもって行われているときに、目標速度だけがディスプレイに画像表示されていたり、目標距離だけがディスプレイに画像表示されていたりすると、自動走行制御による自車両の加減速が適正に行われているか否かについて、自車両の運転者に疑念を抱かせてしまう可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、自動走行制御の実行中に自車両の加減速が適正に行われているか否かについて自車両の運転者に疑念を抱かせることを防止することができる表示制御装置を提供することにある。
【0006】
本発明に係る表示制御装置は、自車両の走行速度が目標速度範囲内の速度に維持されるように前記自車両を自動で加減速させる走行速度制御の実行中、前記自車両の表示装置により前記目標速度範囲を画像表示し、或いは、前記自車両と該自車両の周辺の車両であって該自車両の走行方向と同じ方向に走行している車両である周辺車両との間の距離である車間距離が目標距離範囲内の距離に維持されるように前記自車両を自動で加減速させる車間距離制御の実行中、前記表示装置により前記目標距離範囲を画像表示するように構成されている。
【0007】
本発明によれば、走行速度制御の実行中、目標速度範囲が表示装置により画像表示される。従って、走行速度制御の実行中、自車両の走行速度が一定の幅のある範囲で制御されていることを自車両の運転者が理解し易い。このため、走行速度制御の実行中に自車両の加減速が適正に行われているか否かについて自車両の運転者に疑念を抱かせることを防止することができる。同様に、本発明によれば、車間距離制御の実行中、目標距離範囲が表示装置により画像表示される。従って、車間距離制御の実行中、車間距離が一定の幅のある範囲で制御されていることを自車両の運転者が理解し易い。このため、車間距離制御の実行中に自車両の加減速が適正に行われているか否かについて自車両の運転者に疑念を抱かせることを防止することができる。
【0008】
尚、本発明に係る表示制御装置において、前記目標距離範囲は、例えば、前記自車両が前記車間距離を走行するのに要する時間の目標値に前記自車両の走行速度を乗じた値である目標距離よりも第1の値だけ大きい値を上限値とし、前記目標距離よりも第2の値だけ小さい値を下限値とする範囲である。
【0009】
本発明によれば、自車両の走行速度に応じた目標距離範囲が設定される。このため、車間距離制御により車間距離をより適切な距離に制御することができる。
【0010】
又、本発明に係る表示制御装置は、前記走行速度制御の実行中、前記自車両の走行速度が前記目標速度範囲内の速度に維持されるように前記自車両が自動で加減速されたときの前記自車両の移動範囲を前記目標速度範囲として前記表示装置により画像表示するように構成されててもよい。
【0011】
本発明によれば、目標速度範囲が自車両の移動範囲の形で表される。このため、自車両の運転者が目標速度範囲を認識し易くなる。
【0012】
又、本発明に係る表示制御装置は、前記走行速度制御の実行中、前記表示装置により前記目標速度範囲の上限速度及び下限速度を画像表示することにより前記目標速度範囲を画像表示するように構成されてもよい。
【0013】
本発明によれば、目標速度範囲がその上限速度及び下限速度により表される。このため、自車両の運転者が目標速度範囲を認識し易くなる。
【0014】
又、本発明に係る表示制御装置は、前記走行速度制御により前記自車両が加速されているときには、前記下限速度よりも前記上限速度が強調されるように前記上限速度及び前記下限速度を前記表示装置により画像表示するように構成されてもよい。
【0015】
本発明によれば、走行速度制御により自車両が加速されているときには、上限速度が強調して画像表示される。従って、自車両の走行速度が上限速度に向かって上昇し続けていても、上限速度が強調されているので、今、自車両の走行速度が上限速度に向かって上昇するように自車両の加減速が意図的に制御されていることを運転者が理解し易い。このため、走行速度制御の実行中に自車両の加減速が適正に行われているか否かについて自車両の運転者に疑念を抱かせることを、より確実に、防止することができる。
【0016】
又、本発明に係る表示制御装置は、前記走行速度制御により前記自車両が減速されているときには、前記上限速度よりも前記下限速度が強調されるように前記上限速度及び前記下限速度を前記表示装置により画像表示するように構成されてもよい。
【0017】
本発明によれば、走行速度制御により自車両が減速されているときには、下限速度が強調して画像表示される。従って、自車両の走行速度が下限速度に向かって低下し続けていても、下限速度が強調されているので、今、自車両の走行速度が下限速度に向かって低下するように自車両の加減速が意図的に制御されていることを運転者が理解し易い。このため、走行速度制御の実行中に自車両の加減速が適正に行われているか否かについて自車両の運転者に疑念を抱かせることを、より確実に、防止することができる。
【0018】
又、本発明に係る表示制御装置において、前記走行速度制御は、例えば、前記自車両を加速する場合、前記自車両の駆動装置のエネルギー効率が所定効率以上に維持されるように前記駆動装置を作動させて前記自車両を加速し、前記自車両を減速する場合、前記自車両が惰行走行するように前記駆動装置の作動を制御して前記自車両を減速する制御である。
【0019】
本発明によれば、走行速度制御を高いエネルギー効率で行うことができる。
【0020】
又、本発明に係る表示制御装置は、前記車間距離制御の実行中、前記表示装置により前記目標距離範囲の上限距離及び下限距離を画像表示することにより前記目標距離範囲を画像表示するように構成されてもよい。
【0021】
本発明によれば、目標距離範囲がその上限距離及び下限距離により表される。このため、自車両の運転者が目標距離範囲を認識し易くなる。
【0022】
又、本発明に係る表示制御装置は、前記車間距離制御により前記自車両が加速されているときには、前記上限距離よりも前記下限距離が強調されるように前記上限距離及び前記下限距離を前記表示装置により画像表示するように構成されてもよい。
【0023】
本発明によれば、車間距離制御により自車両が加速されているときには、下限距離が強調して画像表示される。従って、車間距離が下限距離に向かって減少し続けていても、下限距離が強調されているので、今、車間距離が下限距離に向かって減少するように自車両の加減速が意図的に制御されていることを運転者が理解し易い。このため、車間距離制御の実行中に自車両の加減速が適正に行われているか否かについて自車両の運転者に疑念を抱かせることを、より確実に、防止することができる。
【0024】
又、本発明に係る表示制御装置は、前記車間距離制御により前記自車両が減速されているときには、前記下限距離よりも前記上限距離が強調されるように前記上限距離及び前記下限距離を前記表示装置により画像表示するように構成されてもよい。
【0025】
本発明によれば、車間距離制御により自車両が減速されているときには、上限距離が強調して画像表示される。従って、車間距離が上限距離に向かって増加し続けていても、上限距離が強調されているので、今、車間距離が上限距離に向かって増加するように自車両の加減速が意図的に制御されていることを運転者が理解し易い。このため、車間距離制御の実行中に自車両の加減速が適正に行われているか否かについて自車両の運転者に疑念を抱かせることを、より確実に、防止することができる。
【0026】
又、本発明に係る表示制御装置において、前記車間距離制御は、例えば、前記自車両を加速する場合、前記自車両の駆動装置のエネルギー効率が所定効率以上に維持されるように前記駆動装置を作動させて前記自車両を加速し、前記自車両を減速する場合、前記自車両が惰行走行するように前記駆動装置の作動を制御して前記自車両を減速する制御である。
【0027】
本発明によれば、車間距離制御を高いエネルギー効率で行うことができる。
【0028】
又、本発明に係る表示制御装置は、前記走行速度制御の実行中、前記表示装置により画像表示されている前記目標速度範囲上に前記自車両の現在の走行速度を前記表示装置により画像表示し、前記車間距離制御の実行中、前記表示装置により画像表示されている前記目標距離範囲上に前記周辺車両を表す画像を前記表示装置により画像表示する、ように構成されてもよい。
【0029】
本発明によれば、走行速度制御の実行中、目標速度範囲上に自車両の現在の走行速度が画像表示される。このため、自車両の現在の走行速度と目標速度範囲との関係を自車両の運転者が理解し易くなる。
【0030】
又、本発明に係る表示制御装置は、前記車間距離制御の実行中、前記表示装置により画像表示されている前記目標距離範囲上における前記周辺車両を表す画像の位置が当該周辺車両の前記自車両に対する実際の位置に対応するように、前記周辺車両を表す画像を前記表示装置により画像表示するように構成されてもよい。
【0031】
本発明によれば、車間距離制御の実行中、周辺車両を表す画像の位置が当該周辺車両の自車両に対する実際の位置に対応するように周辺車両を表す画像が目標距離範囲上に画像表示される。このため、周辺車両と目標距離範囲との関係を自車両の運転者が理解し易くなる。
【0032】
又、本発明に係る表示制御装置において、前記表示装置は、例えば、前記自車両のフロントガラスに画像を表示する装置である。この場合において、本発明に係る表示制御装置は、前記周辺車両が前記自車両の前方を走行する先行車である場合、前記車間距離制御の実行中、前記表示装置により画像表示される前記目標距離範囲と前記先行車との位置関係が実際の前記目標距離範囲と前記先行車との位置関係に対応するように前記目標距離範囲を前記表示装置により前記フロントガラスに画像表示するように構成されてもよい。
【0033】
本発明によれば、車間距離制御の実行中、目標距離範囲と先行車との位置関係が実際の目標距離範囲と先行車との位置関係に対応するように目標距離範囲が画像表示される。このため、先行車と目標距離範囲との関係を自車両の運転者が理解し易くなる。
【0034】
本発明に係る表示制御装置は、前記走行速度制御により前記自車両が加速されているときには、前記下限速度よりも前記上限速度が強調されるように前記上限速度及び前記下限速度を前記表示装置により画像表示し、前記走行速度制御により前記自車両が減速されているときには、前記上限速度よりも前記下限速度が強調されるように前記上限速度及び前記下限速度を前記表示装置により画像表示し、前記車間距離制御により前記自車両が加速されているときには、前記上限距離よりも前記下限距離が強調されるように前記上限距離及び前記下限距離を前記表示装置により画像表示し、前記車間距離制御により前記自車両が減速されているときには、前記下限距離よりも前記上限距離が強調されるように前記上限距離及び前記下限距離を前記表示装置により画像表示する、ように構成されてもよい。この場合において、本発明に係る表示制御装置は、前記走行速度制御の実行中、前記自車両が加速されているか減速されているかを判別することができないときには、前記上限速度の強調及び前記下限速度の強調を行わず、前記車間距離制御の実行中、前記自車両が加速されているか減速されているかを判別することができないときには、前記上限距離の強調及び前記下限距離の強調を行わない、ように構成されてもよい。
【0035】
本発明によれば、走行速度制御の実行中、自車両が加速されているか減速されているかを判別することができないときには、上限速度の強調及び下限速度の強調が行われない。このため、自車両の加減速の状態について、自車両の運転者に誤った情報を提供してしまうことを防止することができる。又、車間距離制御の実行中、自車両が加速されているか減速されているかを判別することができないときには、上限距離の強調及び下限距離の強調が行われない。このため、自車両の加減速の状態について、自車両の運転者に誤った情報を提供してしまうことを防止することができる。
【0036】
又、本発明に係る表示制御装置において、前記目標速度範囲及び前記目標距離範囲は、前記自車両の操作者により変更可能であってもよい。
【0037】
本発明によれば、自車両の操作者は、目標速度範囲及び目標距離範囲を任意に設定することができる。
【0038】
本発明の構成要素は、図面を参照しつつ後述する本発明の実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は、本発明の実施形態に係る表示制御装置を含む制御装置を示した図である。
図2図2の(A)は、走行速度制御が実行されている場面を示した図であり、図2の(B)は、車間距離制御が実行されている場面を示した図である。
図3図3は、機関出力動力と内燃機関のエネルギー効率との関係、及び、モータ出力動力とモータのエネルギー効率との関係を示した図である。
図4図4の(A)は、後続車が存在するときに走行速度制御が実行されている場面を示した図であり、図4の(B)は、後続車が存在するときに車間距離制御が実行されている場面を示した図である。
図5図5の(A)は、第1走行速度制御が実行されているときのヘッドアップディスプレイを示した図であり、図5の(B)は、第1走行速度制御が実行されているときのメーターディスプレイを示した図であり、図5の(C)は、図5の(B)に示したメーターディスプレイの一部を拡大して示した図である。
図6図6の(A)は、第1車間距離制御が実行されているときのヘッドアップディスプレイを示した図であり、図6の(B)は、第1車間距離制御が実行されているときのメーターディスプレイを示した図であり、図6の(C)は、図6の(B)に示したメーターディスプレイの一部を拡大して示した図である。
図7図7の(A)は、第2走行速度制御が実行されている場合において、惰行減速制御により自車両が減速されているときのヘッドアップディスプレイを示した図であり、図7の(B)は、第2走行速度制御が実行されている場合において、惰行減速制御により自車両が減速されて自車両の走行速度が下限速度まで低下したときのヘッドアップディスプレイを示した図であり、図7の(C)は、第2走行速度制御が実行されている場合において、最適加速制御により自車両が加速されているときのヘッドアップディスプレイを示した図であり、図7の(D)は、第2走行速度制御が実行されている場合において、最適加速制御により自車両が加速されて自車両の走行速度が上限速度まで上昇したときのヘッドアップディスプレイを示した図である。
図8図8は、第2走行速度制御が実行されているときのメーターディスプレイを示した図である。
図9図9の(A)は、第2走行速度制御が実行されている場合において、惰行減速制御により自車両が減速されているときのメーターディスプレイの一部を示した図であり、図9の(B)は、第2走行速度制御が実行されている場合において、惰行減速制御により自車両が減速されて自車両の走行速度が下限速度まで低下したときのメーターディスプレイの一部を示した図であり、図9の(C)は、第2走行速度制御が実行されている場合において、最適加速制御により自車両が加速されているときのメーターディスプレイの一部を示した図であり、図9の(D)は、第2走行速度制御が実行されている場合において、最適加速制御により自車両が加速されて自車両の走行速度が上限速度まで上昇したときのメーターディスプレイの一部を示した図である。
図10図10の(A)は、第2車間距離制御が実行されている場合において、惰行減速制御により自車両が減速されているときのヘッドアップディスプレイを示した図であり、図10の(B)は、第2車間距離制御が実行されている場合において、惰行減速制御により自車両が減速されて先行車間距離が上限距離まで増加したときのヘッドアップディスプレイを示した図であり、図10の(C)は、第2車間距離制御が実行されている場合において、最適加速制御により自車両が加速されているときのヘッドアップディスプレイを示した図であり、図10の(D)は、第2車間距離制御が実行されている場合において、最適加速制御により自車両が加速されて先行車間距離が下限距離まで減少したときのヘッドアップディスプレイを示した図である。
図11図11は、第2車間距離制御が実行されているときにヘッドアップディスプレイにより画像表示される目標距離範囲を示した図である。
図12図12は、第2車間距離制御が実行されているときのメーターディスプレイを示した図である。
図13図13の(A)は、第2車間距離制御が実行されている場合において、惰行減速制御により自車両が減速されているときのメーターディスプレイの一部を示した図であり、図13の(B)は、第2車間距離制御が実行されている場合において、惰行減速制御により自車両が減速されて先行車間距離が上限距離まで増加したときのメーターディスプレイの一部を示した図であり、図13の(C)は、第2車間距離制御が実行されている場合において、最適加速制御により自車両が加速されているときのメーターディスプレイの一部を示した図であり、図13の(D)は、第2車間距離制御が実行されている場合において、最適加速制御により自車両が加速されて先行車間距離が下限距離まで減少したときのメーターディスプレイの一部を示した図である。
図14図14は、第2車間距離制御が実行されているときにメーターディスプレイに画像表示される目標距離範囲を示した図である。
図15図15は、本発明の実施形態の第1変形例に係る制御装置を示した図である。
図16図16は、本発明の実施形態の第2変形例に係る制御装置を示した図である。
図17図17は、本発明の実施形態に係る制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
図18図18は、本発明の実施形態に係る制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る表示制御装置について説明する。以下、自車両100の操作者が自車両100に乗車して当該自車両100の運転を行う者(即ち、自車両100の運転者)である場合を例にして、制御装置10について説明する。従って、本例において、制御装置10は、図1に示したように、自車両100に搭載されている。
【0041】
しかしながら、自車両100の操作者は、自車両100に乗車せずに当該自車両100の運転を遠隔で行う者(即ち、自車両100の遠隔操作者)であってもよい。自車両100の操作者が遠隔操作者である場合、制御装置10は、自車両100と、自車両100の運転を遠隔で行うために自車両100の外に設置された遠隔操作設備とにそれぞれ搭載され、以下で説明する制御装置10の機能は、自車両100に搭載された制御装置10と、遠隔操作設備に搭載された制御装置10とでそれぞれ分担して行われることになる。
【0042】
制御装置10は、本発明の実施形態に係る表示制御装置として機能するとともに、自車両100の走行等を制御する車両走行制御装置としても機能する。制御装置10は、ECU90を備えている。
【0043】
ECU90は、エレクトロニックコントロールユニット(電子制御装置)である。ECU90は、マイクロコンピュータを主要部として備える。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。CPUは、ROMに格納されたインストラクション又はプログラム又はルーチンを実行することにより、各種機能を実現するようになっている。本例において、制御装置10は、1つのECUを備えたものであるが、後述するように、複数のECUを備え、後述する各種処理をそれらECUにそれぞれ分担して実行させるように構成されてもよい。
【0044】
ECU90には、駆動装置20、制動装置30、アクセルペダル操作量センサ42、ブレーキペダル操作量センサ44、車速検出装置45、自動走行制御要求操作器51、第2自動走行制御要求操作器52、周辺情報検出装置60及び表示装置70が電気的に接続されている。
【0045】
<自動走行制御>
制御装置10は、自車両100の走行を自動で制御する自動走行制御を実行する。本例において、制御装置10は、自車両100の走行を自動で制御する自動走行制御として、自車両100の加減速を自動で制御する自動走行制御を実行する。
【0046】
本例において、自動走行制御は、第1自動走行制御と第2自動走行制御とを含んでいる。第1自動走行制御は、第1走行速度制御(定速自動走行制御)と第1車間距離制御(追従自動走行制御)とを含んでおり、第2自動走行制御は、第2走行速度制御(エコノミー走行速度制御)と第2車間距離制御(エコノミー追従自動走行制御)とを含んでいる。
【0047】
尚、制御装置10は、駆動装置20及び/又は制動装置30の作動を制御することにより、自車両100の加減速を制御することができる。駆動装置20は、内燃機関21及びモータ22を含んでいる。又、制動装置30は、油圧ブレーキ装置31を含んでいる。
【0048】
<第1走行速度制御>
第1走行速度制御は、自車両100の走行速度(自車速V)が目標速度Vtgtに維持されるように自車両100の加減速を自動で制御する制御である。第1走行速度制御は、自動走行制御要求条件が成立しており且つ第2自動走行制御要求条件が成立していないときに図2の(A)に示したように先行車が存在しない場合に実行される。
【0049】
先行車は、自車両100の前方で自車走行車線を走行する車両であって、自車両100から所定距離内に存在する車両である。自車走行車線は、自車両100が走行している車線である。
【0050】
本例において、制御装置10は、周辺情報検出装置60により取得される情報(周辺検出情報IS)に基づいて先行車が存在するか否かを判定する。周辺情報検出装置60は、自車両100の周辺の情報を検出する装置であり、例えば、カメラセンサ及びレーダセンサ等を備えている。
【0051】
又、制御装置10は、車速検出装置45により自車速Vを取得する。車速検出装置45は、自車速Vに関する情報を取得する装置であり、例えば、自車両100の各車輪に設置された車輪速センサ等を備えている。
【0052】
又、自動走行制御要求条件は、自動走行制御の実行が要求されているとの条件である。自車両100の運転者は、走行支援ボタン等の自動走行制御要求操作器51を操作することにより、自動走行制御の実行を制御装置10に要求することができる。制御装置10は、自動走行制御を実行していないときに自動走行制御要求操作器51が操作された場合、自動走行制御の実行が要求されたと判定し、その後、自動走行制御要求操作器51が操作されない限り、自動走行制御の実行が要求されていると判定する。一方、制御装置10は、自動走行制御を実行しているときに自動走行制御要求操作器51が操作された場合、自動走行制御の実行が要求されていないと判定する。
【0053】
又、第2自動走行制御要求条件は、第2自動走行制御の実行が要求されたとの条件である。自車両100の運転者は、エコノミー走行ボタン等の第2自動走行制御要求操作器52(エコノミー自動走行制御要求操作器)を操作することにより、第2自動走行制御の実行を制御装置10に要求することができる。制御装置10は、第2自動走行制御を実行していないときに第2自動走行制御要求操作器52が操作された場合、第2自動走行制御の実行が要求されたと判定し、その後、第2自動走行制御要求操作器52が操作されない限り、第2自動走行制御の実行が要求されていると判定する。一方、制御装置10は、第2自動走行制御を実行しているときに第2自動走行制御要求操作器52が操作された場合、第2自動走行制御の実行が要求されていないと判定する。
【0054】
制御装置10は、第1走行速度制御の実行中は、自車速Vが目標速度Vtgtよりも小さくなると、自車両100を加速し、自車速Vが目標速度Vtgtよりも大きくなると、自車両100を減速する。
【0055】
尚、制御装置10は、自車両100の運転者により目標とする自車両100の走行速度として設定された速度を目標速度Vtgtとして設定する。自車両100の運転者は、走行速度設定ボタン等の走行速度設定操作器53を操作することにより目標とする自車両100の走行速度(目標速度Vtgt)を任意に設定することができる。或いは、制御装置10は、自動走行制御要求操作器51が操作されて自動走行制御要求条件が成立した時点の自車速Vを目標速度Vtgtとして設定する。
【0056】
<第1車間距離制御>
第1車間距離制御は、先行車間距離DFが目標距離Dtgtに維持されるように自車両100の加減速を自動で制御する制御である。第1車間距離制御は、自動走行制御要求条件が成立しており且つ第2自動走行制御要求条件が成立していないときに図2の(B)に示したように先行車200が存在する場合に実行される。
【0057】
先行車間距離DFは、図2の(B)に示したように、自車両100と先行車200との間の距離である。本例において、制御装置10は、周辺情報検出装置60により取得される情報(周辺検出情報IS)に基づいて先行車間距離DFを取得する。
【0058】
制御装置10は、第1車間距離制御の実行中は、先行車間距離DFが目標距離Dtgtよりも大きくなると、自車両100を加速し、先行車間距離DFが目標距離Dtgtよりも小さくなると、自車両100を減速する。
【0059】
尚、制御装置10は、運転者により設定された先行車間距離DFをそのまま目標距離Dtgtとして設定してもよいが、本例においては、自車両100の運転者により設定された先行車間距離DFに基づいて目標距離Dtgtを設定する。
【0060】
より具体的には、制御装置10は、運転者により設定された先行車間距離DFに基づいて算出した車間時間Tを目標車間時間Ttgtとして設定する。車間時間Tは、自車両100が先行車間距離DFを走行するのに要する時間であり、具体的には、先行車間距離DFを自車速Vで除した値である(T=DF/V)。従って、目標車間時間Ttgtは、自車両100が先行車間距離DFを走行するのに要する時間の目標値であり、本例においては、自車両100の運転者により設定された先行車間距離DF(目標先行車間距離DFtgt)を自車速Vで除した値である(Ttgt=DFtgt/V)。尚、車間時間Tは、先行車間距離DFが大きいほど大きくなる。
【0061】
制御装置10は、設定した目標車間時間Ttgtにその時点の自車両100を乗じて得た値を目標距離Dtgtとして設定する。
【0062】
尚、運転者は、車間距離設定ボタン等の車間距離設定操作器54を操作することにより先行車間距離DF(目標先行車間距離DFtgt)を任意に設定することができる。本例において、運転者は、長めの先行車間距離、中程度の先行車間距離及び短めの先行車間距離の中から任意に1つを先行車間距離DFとして設定することができる。
【0063】
又、制御装置10は、自動走行制御要求操作器51が操作されて自動走行制御要求条件が成立した時点の先行車間距離DFに対応する車間時間Tを目標車間時間Ttgtとして設定するように構成されてもよい。
【0064】
<第2走行速度制御>
第2走行速度制御は、自車速Vが目標速度範囲RVtgt内に維持されるように自車両100の加減速を自動で制御する制御である。第2走行速度制御は、自動走行制御要求条件が成立しており且つ第2自動走行制御要求条件が成立しているときに図2の(A)に示したように先行車が存在しない場合に実行される。
【0065】
目標速度範囲RVtgtは、目標速度Vtgtを含むように設定される範囲であり、本例においては、目標速度Vtgtから所定の値(上限速度設定値ΔVupper)だけ大きい速度を上限値(上限速度Vupper)とし、目標速度Vtgtから所定の値(下限速度設定値ΔVlower)だけ小さい速度を下限値(下限速度Vlower)として設定される範囲である。上限速度設定値ΔVupperと下限速度設定値ΔVlowerとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0066】
尚、運転者は、走行速度設定操作器53を操作することにより、目標速度範囲RVtgtを任意に設定することができる。
【0067】
制御装置10は、第2走行速度制御の実行中は、自車速Vが下限速度Vlowerよりも小さくなると、自車両100を加速し、自車速Vが上限速度Vupperよりも大きくなると、自車両100を減速する。
【0068】
制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、自車両100を加速させる場合、最適加速制御により自車両100を加速し、自車両100を減速させる場合、惰行減速制御により自車両100を減速する。
【0069】
最適加速制御は、駆動装置20のエネルギー効率が所定効率以上に維持されるように内燃機関21及びモータ22の作動を制御して自車両100を加速する制御であり、本例においては、駆動装置20のエネルギー効率が最大効率(又は少なくとも最大効率に極めて近い効率)となるように内燃機関21及びモータ22の作動を制御して自車両100を加速する制御である。例えば、機関出力動力Pengと内燃機関21のエネルギー効率Eengとの関係が図3に線Lengで示した関係にあり、且つ、モータ出力動力Pmotorとモータ22のエネルギー効率Emotorとの関係が図3に線Lmotorで示した関係にある場合、制御装置10は、内燃機関21のエネルギー効率Eengが最大効率となる動作点(最適動作点)で内燃機関21を作動させる。尚、動作点は、内燃機関21の回転速度(又は回転数)と内燃機関21の負荷とにより定まる点である。又、機関出力動力Pengは、内燃機関21が出力する動力であり、モータ出力動力Pmotorは、モータ22が出力する動力である。
【0070】
内燃機関21が最適動作点で作動されているときには、そのエネルギー効率Eengは、最も高い値(最大効率)であり、機関出力動力Pengは、図3に示した例において、その最大効率に対応する値(最適機関出力動力P1)である。尚、図3において、符号P2は、モータ22のエネルギー効率Emotorが最も高いときのモータ出力動力の値である。
【0071】
惰行減速制御は、自車両100がいわゆる惰行走行するように駆動装置20の作動、即ち、内燃機関21及びモータ22の作動を制御する制御である。惰行減速制御によれば、自車両100は、主に、空気抵抗と路面抵抗とにより減速される。従って、惰行減速制御は、自車両100が主に空気抵抗と路面抵抗とにより減速するように駆動装置20の作動、即ち、内燃機関21及びモータ22の作動を制御する制御であるとも言える。
【0072】
尚、図4の(A)に示したように、後続車300が存在する場合、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、自車速Vが下限速度Vlowerよりも大きいときであっても、自車両100と後続車300との間の距離(後続車間距離DR)が所定の距離(所定後続車間距離DRth)以下になったときには、最適加速制御により自車両100を加速するように構成されてもよい。この場合、制御装置10は、最適加速制御を開始した後、後続車間距離DRが所定後続車間距離DRthよりも大きくなっても、自車速Vが上限速度Vupperに達するまでは、最適加速制御を継続する。
【0073】
又、後続車300が存在する場合、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、自車速Vと後続車300の走行速度との差を考慮して自車両100が後続車300に近づき過ぎないように最適加速制御を開始するタイミングを決定するように構成されてもよい。
【0074】
尚、後続車300は、自車両100の後方で自車走行車線を走行する車両であって、自車両100から所定距離内に存在する車両である。
【0075】
<第2車間距離制御>
第2車間距離制御は、先行車間距離DFが目標距離範囲RDtgt内に維持されるように自車両100の加減速を自動で制御する制御である。第2車間距離制御は、自動走行制御要求条件が成立しており且つ第2自動走行制御要求条件が成立しているときに図2の(B)に示したように先行車200が存在する場合に実行される。
【0076】
目標距離範囲RDtgtは、目標距離Dtgtを含むように設定される範囲であり、本例においては、目標距離Dtgtから所定の値(上限距離設定値ΔDupper)だけ大きい距離を上限値(上限距離Dupper)とし、目標距離Dtgtから所定の値(下限距離設定値ΔDlower)だけ小さい距離を下限値(下限距離Dlower)として設定される範囲である。言い方を換えると、目標距離範囲RDtgtは、自車両100が先行車間距離DFを走行するのに要する時間の目標値に自車両100の走行速度を乗じた値である目標距離Dtgtよりも第1の値(上限距離設定値ΔDupper)だけ大きい値を上限値とし、目標距離Dtgtよりも第2の値(下限距離設定値ΔDlower)だけ小さい値を下限値とする範囲である、尚、上限距離設定値ΔDupperと下限距離設定値ΔDlowerとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0077】
尚、運転者は、車間距離設定操作器54を操作することにより、目標距離範囲RDtgtを任意に設定することができる。
【0078】
制御装置10は、第2車間距離制御の実行中は、先行車間距離DFが上限距離Dupperよりも大きくなると、自車両100を加速し、先行車間距離DFが下限距離Dlowerよりも小さくなると、自車両100を減速する。
【0079】
制御装置10は、第2車間距離制御の実行中も、自車両100を加速させる場合、最適加速制御により自車両100を加速し、自車両100を減速させる場合、惰行減速制御により自車両100を減速する。
【0080】
尚、図4の(B)に示したように、後続車300が存在する場合、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、先行車間距離DFが上限距離Dupperよりも小さいときであっても、後続車間距離DRが所定後続車間距離DRth以下になったときには、最適加速制御により自車両100を加速するように構成されてもよい。この場合、制御装置10は、最適加速制御を開始した後、後続車間距離DRが所定後続車間距離DRthよりも大きくなっても、先行車間距離DFが下限距離Dlowerに達するまでは、最適加速制御を継続する。
【0081】
又、後続車300が存在する場合、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、自車速Vと後続車300の走行速度との差を考慮して自車両100が後続車300に近づき過ぎないように最適加速制御を開始するタイミングを決定するように構成されてもよい。
【0082】
尚、自動走行制御要求条件が成立していない場合、制御装置10は、アクセルペダル操作量センサ42により取得したアクセルペダル41の操作量及び自車速Vに基づいて要求駆動力(要求駆動トルク)を算出し、その要求駆動力に相当する駆動力が駆動装置20から自車両100に加えられるように駆動装置20の作動を制御する。又、自動走行制御要求条件が成立していない場合、制御装置10は、ブレーキペダル操作量センサ44により取得したブレーキペダル43の操作量に基づいて要求制動力(要求制動トルク)を算出し、その要求制動力に相当する制動力が制動装置30により自車両100に加えられるように制動装置30の作動を制御する。
【0083】
<制御関連情報の表示>
更に、制御装置10は、自動走行制御の実行中、自動走行制御により制御される対象である自車両100の走行速度及び/又は自車両100と先行車200との間の距離に関する情報(制御関連情報)を表示装置70により表示する。
【0084】
本例において、表示装置70は、ヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72を備えている。ヘッドアップディスプレイ71は、各種画像を自車両100のフロントガラス101に投影することにより、各種情報を自車両100の運転者に提供する機器である(例えば、図5の(A)参照)。又、メーターディスプレイ72は、自車両100の運転席の前方に配置され、各種画像を表示することにより、各種情報を自車両100の運転者に提供する機器である。本例において、メーターディスプレイ72は、その起動中、スピードメーター721及びスピードインジケータ722を画像表示している(例えば、図5の(B)参照)。スピードインジケータ722は、自車両100の現在の走行速度を示すものであり、自車両100の現在の走行速度に対応するスピードメーター721の位置に表示される。
【0085】
<第1走行速度制御の実行中>
制御装置10は、第1走行速度制御の実行中は、図5の(A)に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により目標速度Vtgtを画像表示する。更に、制御装置10は、第1走行速度制御の実行中、図5の(B)及び図5の(C)に示したように、メーターディスプレイ72により目標速度Vtgtを画像表示する。図5の(C)は、図5の(B)に示したメーターディスプレイ72の一部を拡大して示している。
【0086】
尚、図5の(A)乃至図5の(C)は、目標速度Vtgtが時速80キロメートルである例を示している。
【0087】
<第1車間距離制御の実行中>
一方、制御装置10は、第1車間距離制御の実行中は、図6の(A)に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により目標距離ラインLDtgtを画像表示する。目標距離ラインLDtgtは、自車両100から前方に目標距離Dtgtだけ離れた位置を示すライン状の画像である。第1車間距離制御の実行中、先行車間距離DFは、目標距離Dtgtに制御されるので、目標距離ラインLDtgtは、先行車200の後輪付近に画像表示される。
【0088】
更に、制御装置10は、第1車間距離制御の実行中、図6の(B)及び図6の(C)に示したように、メーターディスプレイ72により目標距離ラインLDtgt及び車両アイコンICを画像表示する。目標距離ラインLDtgtは、目標距離Dtgtの位置を示すライン状の画像である。車両アイコンICは、先行車200を表す画像である。第1車間距離制御の実行中、先行車間距離DFは、目標距離Dtgtに制御されるので、目標距離ラインLDtgtは、車両アイコンICの後輪付近に画像表示される。尚、図6の(C)は、図6の(B)に示したメーターディスプレイ72の一部を拡大して示している。
【0089】
<第2自動走行制御の実行中>
ところで、上述したように、第2走行速度制御の実行中、自車速Vは、目標速度範囲RVtgt内に収まるように制御される。従って、自車速Vは、目標速度Vtgtを中心として比較的大きく上下する。このため、自車速Vが自動走行制御により適正に制御されているか否か、即ち、自車両100の加減速が適正に行われているか否かについて、運転者に疑念を抱かせてしまう可能性がある。同様に、第2車間距離制御の実行中、先行車間距離DFは、目標距離範囲RDtgt内に収まるように制御される。従って、先行車間距離DFは、目標距離Dtgtを中心として比較的大きく増減する。このため、先行車間距離DFが自動走行制御により適正に制御されているか否か、即ち、自車両100の加減速が適正に行われているか否かについて、運転者に疑念を抱かせてしまう可能性がある。
【0090】
<第2走行速度制御の実行中>
そこで、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中は、以下のように、ヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72により制御関連情報を画像表示する。
【0091】
<惰行減速制御の実行中>
制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、惰行減速制御を実行しているときには、図7の(A)に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により目標速度Vtgtを画像表示するとともに、その目標速度Vtgtの下側に目標速度範囲RVtgtを画像表示する。本例において、制御装置10は、目標速度範囲RVtgtとして、下限速度Vlower、上限速度Vupper及び波線WLを画像表示する。本例においては、下限速度Vlowerが波線WLの左側に画像表示され、上限速度Vupperが波線WLの右側に画像表示される。
【0092】
尚、図7の(A)乃至図7の(D)は、目標速度Vtgtが時速80キロメートルであり、下限速度Vlowerが時速75キロメートルであり、上限速度Vupperが時速85キロメートルである例を示している。
【0093】
又、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、惰行減速制御を実行しているときには、下限速度Vlowerを強調して又は目立つようにして画像表示する。別の言い方をすると、制御装置10は、下限速度Vlowerの認識容易性(下限速度Vlowerの画像の認識容易性)が上限速度Vupperの認識容易性(上限速度Vupperの画像の認識容易性)よりも高くなるように下限速度Vlower及び上限速度Vupperを画像表示する。
【0094】
画像の認識容易性は、画像の内容の人による認識の容易さを表す指標値(認識容易性指標値)である。画像の認識容易性が高いほど、人は、その画像の内容を認識し易い。
【0095】
本例においては、制御装置10は、外形線のみの数字で上限速度Vupperを画像表示するとともに、外形線のみの数字ではなく全体を表した数字で下限速度Vlowerを画像表示することにより、下限速度Vlowerの認識容易性を上限速度Vupperの認識容易性よりも高くしている。このように、制御装置10は、画像のデザインを変えることにより画像の認識容易性を変えている。
【0096】
尚、画像の認識容易性は、画像の輝度や大きさによっても変わる。一般に、画像の認識容易性は、画像の輝度が高いほど高く、画像の大きさが大きいほど高くなる。そこで、制御装置10は、下限速度Vlowerの画像の輝度を上限速度Vupperの画像の輝度よりも高くすることにより、或いは、下限速度Vlowerの画像の大きさを上限速度Vupperの画像の大きさよりも大きくすることにより、下限速度Vlowerの認識容易性を上限速度Vupperの認識容易性よりも高くするように構成されてもよい。
【0097】
又、画像の認識容易性は、色によっても変わる。例えば、赤色の画像の認識容易性は、白色の画像の認識容易性よりも高い。そこで、制御装置10は、下限速度Vlowerを赤色で画像表示するとともに上限速度Vupperを白色で画像表示することにより、下限速度Vlowerの認識容易性を上限速度Vupperの認識容易性よりも高くするように構成されてもよい。
【0098】
又、画像の認識容易性は、その画像の点灯形態によっても変わる。一般に、画像の認識容易性は、その画像を点灯し続けて表示するよりも、その画像を点滅させて表示するほうが高い。そこで、制御装置10は、下限速度Vlowerの画像を点滅させて表示するとともに、上限速度Vupperの画像を点灯し続けて表示することにより、下限速度Vlowerの認識容易性を上限速度Vupperの認識容易性よりも高くするように構成されてもよい。
【0099】
又、画像の認識容易性は、画像の周りを線画で囲う等、画像の周りに線画を配置したり、画像に下線を付したりすることによっても高められる。そこで、制御装置10は、下限速度Vlowerの画像の周りに線画像(線を表す画像)を配置して下限速度Vlowerを画像表示するとともに、上限速度Vupperの画像の周りに線画像を配置せずに上限速度Vupperを画像表示することにより、或いは、下限速度Vlowerの画像の下に線画像を配置して下限速度Vlowerを画像表示するとともに、上限速度Vupperの画像の下に線画像を配置せずに上限速度Vupperを画像表示することにより、下限速度Vlowerの認識容易性を上限速度Vupperの認識容易性よりも高くするように構成されてもよい。
【0100】
又、本例においては、制御装置10は、下限速度Vlowerの認識容易性が通常の認識容易性と同じ認識容易性となり且つ上限速度Vupperの認識容易性が通常の認識容易性よりも低い認識陽性となるように下限速度Vlower及び上限速度Vupperを画像表示することにより、下限速度Vlowerの認識容易性を上限速度Vupperの認識容易性よりも高くしている。
【0101】
しかしながら、制御装置10は、下限速度Vlowerの認識容易性が通常の認識容易性よりも高くなり且つ上限速度Vupperの認識容易性が通常の認識容易性と同じ認識容易性となるように下限速度Vlower及び上限速度Vupperを画像表示することにより、下限速度Vlowerの認識容易性を上限速度Vupperの認識容易性よりも高くしてもよい。
【0102】
或いは、制御装置10は、下限速度Vlowerの認識容易性が通常の認識容易性よりも高くなり且つ上限速度Vupperの認識容易性が通常の認識容易性よりも低い認識容易性となるように下限速度Vlower及び上限速度Vupperを画像表示することにより、下限速度Vlowerの認識容易性を上限速度Vupperの認識容易性よりも高くしてもよい。
【0103】
尚、通常の認識容易性は、第1走行速度制御の実行中にヘッドアップディスプレイ71により画像表示される目標速度Vtgtの認識容易性(目標速度Vtgtの画像の認識容易性)である。
【0104】
更に、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、図8に示したように、メーターディスプレイ72により制御関連情報を運転者に提供する。
【0105】
具体的には、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、惰行減速制御を実行しているときには、図9の(A)に示したように、メーターディスプレイ72によりスピードメーター721の近傍に目標速度範囲バーBRVを画像表示する。更に、制御装置10は、メーターディスプレイ72により目標速度Vtgtを画像表示し、その目標速度Vtgtの下方に目標速度範囲RVtgtを画像表示する。
【0106】
尚、図9の(A)乃至図9の(D)も、目標速度Vtgtが時速80キロメートルであり、下限速度Vlowerが時速75キロメートルであり、上限速度Vupperが時速85キロメートルである例を示している。
【0107】
本例において、目標速度範囲バーBRVは、時速75キロメートルを示すスピードメーター721の位置に対応する位置から、時速85キロメートルを示すスピードメーター721の位置に対応する位置まで、延在するようにして画像表示される。従って、第2走行速度制御の実行中、目標速度範囲バーBRVは、スピードインジケータ722と重なる位置に画像表示されている。従って、第2走行速度制御の実行中、制御装置10は、メーターディスプレイ72(表示装置70)により画像表示されている目標速度範囲バーBRV(目標速度範囲RVtgt)上に自車両100の現在の走行速度(現在の自車速V)をメーターディスプレイ72(表示装置70)により画像表示する。
【0108】
更に、制御装置10は、下限速度Vlower側の目標速度範囲バーBRVの部分を強調して又は目立つようにして目標速度範囲バーBRVを画像表示する。別の言い方をすると、制御装置10は、下限速度Vlower側の目標速度範囲バーBRVの部分の認識容易性が上限速度Vupper側の目標速度範囲バーBRVの部分の認識容易性よりも高くなるように目標速度範囲バーBRVを画像表示する。
【0109】
本例においては、制御装置10は、スピードインジケータ722よりも下限速度Vlower側の目標速度範囲バーBRVの画像部分の輝度を、スピードインジケータ722よりも上限速度Vupper側の目標速度範囲バーBRVの画像部分の輝度よりも高くして目標速度範囲バーBRVを画像表示することにより、下限速度Vlower側の目標速度範囲バーBRVの部分の認識容易性を上限速度Vupper側の目標速度範囲バーBRVの部分の認識容易性よりも高くしている。
【0110】
尚、制御装置10は、ヘッドアップディスプレイ71により画像表示される目標速度範囲RVtgtと同様に、下限速度Vlowerを強調して又は目立つようにして目標速度範囲RVtgtをメーターディスプレイ72により画像表示するように構成されてもよい。
【0111】
<下限速度到達時>
又、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、自車速Vが下限速度Vlowerまで低下したときには、図7の(B)に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により下限速度Vlowerを画像表示するとともに、その下限速度Vlowerの下側に目標速度範囲RVtgtを画像表示する。このとき、目標速度範囲RVtgtは、惰行減速制御の実行中にヘッドアップディスプレイ71により画像表示される目標速度範囲RVtgtと同様に、下限速度Vlowerを強調して又は目立つようにして画像表示される。
【0112】
更に、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、自車速Vが下限速度Vlowerまで低下したときには、図9の(B)に示したように、メーターディスプレイ72により下限速度Vlowerを画像表示し、その下限速度Vlowerの下方に目標速度範囲RVtgtを画像表示し、スピードメーター721の近傍に目標速度範囲バーBRVを画像表示する。尚、このとき、スピードインジケータ722は、目標速度範囲バーBRVの下限速度Vlowerの位置まで移動している。
【0113】
<最適加速制御の実行中>
又、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、最適加速制御を実行しているときには、図7の(C)に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により目標速度Vtgtを画像表示するとともに、その目標速度Vtgtの下側に目標速度範囲RVtgtを画像表示する。
【0114】
又、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、最適加速制御を実行しているときには、上限速度Vupperを強調して又は目立つようにして画像表示する。別の言い方をすると、制御装置10は、上限速度Vupperの認識容易性が下限速度Vlowerの認識容易性よりも高くなるように下限速度Vlower及び上限速度Vupperを画像表示する。
【0115】
本例においては、制御装置10は、外形線のみの数字で下限速度Vlowerを画像表示するとともに、外形線のみの数字ではなく全体を表した数字で上限速度Vupperを画像表示することにより、上限速度Vupperの認識容易性を下限速度Vlowerの認識容易性よりも高くしている。
【0116】
尚、本例においては、制御装置10は、上限速度Vupperの認識容易性が通常の認識容易性と同じ認識容易性となり且つ下限速度Vlowerの認識容易性が通常の認識容易性よりも低い認識陽性となるように上限速度Vupper及び下限速度Vlowerを画像表示することにより、上限速度Vupperの認識容易性を下限速度Vlowerの認識容易性よりも高くしている。
【0117】
しかしながら、制御装置10は、上限速度Vupperの認識容易性が通常の認識容易性よりも高くなり且つ下限速度Vlowerの認識容易性が通常の認識容易性と同じ認識容易性となるように上限速度Vupper及び下限速度Vlowerを画像表示することにより、上限速度Vupperの認識容易性を下限速度Vlowerの認識容易性よりも高くしてもよい。
【0118】
或いは、制御装置10は、上限速度Vupperの認識容易性が通常の認識容易性よりも高くなり且つ下限速度Vlowerの認識容易性が通常の認識容易性よりも低い認識容易性となるように上限速度Vupper及び下限速度Vlowerを画像表示することにより、上限速度Vupperの認識容易性を下限速度Vlowerの認識容易性よりも高くしてもよい。
【0119】
更に、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、最適加速制御を実行しているときには、図9の(C)に示したように、メーターディスプレイ72により目標速度Vtgtを画像表示し、その目標速度Vtgtの下方に目標速度範囲RVtgtを画像表示し、スピードメーター721の近傍に目標速度範囲バーBRVを画像表示する。
【0120】
このとき、制御装置10は、上限速度Vupper側の目標速度範囲バーBRVの部分を強調して又は目立つようにして目標速度範囲バーBRVを表示する。別の言い方をすると、制御装置10は、上限速度Vupper側の目標速度範囲バーBRVの部分の認識容易性が下限速度Vlower側の目標速度範囲バーBRVの部分の認識容易性よりも高くなるように目標速度範囲バーBRVを画像表示する。
【0121】
本例においては、制御装置10は、スピードインジケータ722よりも上限速度Vupper側の目標速度範囲バーBRVの画像部分の輝度を、スピードインジケータ722よりも下限速度Vlower側の目標速度範囲バーBRVの画像部分の輝度よりも高くして目標速度範囲バーBRVを画像表示することにより、上限速度Vupper側の目標速度範囲バーBRVの部分の認識容易性を下限速度Vlower側の目標速度範囲バーBRVの部分の認識容易性よりも高くしている。
【0122】
尚、制御装置10は、ヘッドアップディスプレイ71により画像表示される目標速度範囲RVtgtと同様に、上限速度Vupperを強調して又は目立つようにして目標速度範囲RVtgtをメーターディスプレイ72により画像表示するように構成されてもよい。
【0123】
<上限速度到達時>
又、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、自車速Vが上限速度Vupperまで上昇したときには、図7の(D)に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により上限速度Vupperを画像表示するとともに、その上限速度Vupperの下側に目標速度範囲RVtgtを画像表示する。このとき、目標速度範囲RVtgtは、最適加速制御の実行中にヘッドアップディスプレイ71により画像表示される目標速度範囲RVtgtと同様に、上限速度Vupperを強調して又は目立つようにして画像表示される。
【0124】
更に、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、自車速Vが上限速度Vupperまで上昇したときには、図9の(D)に示したように、メーターディスプレイ72により上限速度Vupperを画像表示し、その上限速度Vupperの下方に目標速度範囲RVtgtを画像表示し、スピードメーター721の近傍に目標速度範囲バーBRVを画像表示する。尚、このとき、スピードインジケータ722は、目標速度範囲バーBRVの上限速度Vupperの位置まで移動している。
【0125】
<第2車間距離制御の実行中>
又、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中は、以下のように、ヘッドアップディスプレイ71により制御関連情報を表示するとともに、メーターディスプレイ72により制御関連情報を表示する。
【0126】
<惰行減速制御の実行中>
制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、惰行減速制御を実行しているときには、図10の(A)に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により目標距離範囲RDtgt及び上限距離強調ラインLDupper_Eを画像表示する。
【0127】
尚、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、ヘッドアップディスプレイ71(表示装置70)により画像表示される目標距離範囲RDtgtと先行車200との位置関係が実際の目標距離範囲RDtgtと先行車200との位置関係に対応するように目標距離範囲RDtgtをヘッドアップディスプレイ71(表示装置70)によりフロントガラス101に画像表示する。従って、目標距離範囲RDtgtは、先行車200に重なるようにして画像表示される。
【0128】
図11に示したように、目標距離範囲RDtgtは、台形の画像で表示される。目標距離範囲RDtgtの画像において、上側の外形線(上限距離ラインLDupper)は、自車両100から前方に上限距離Dupperだけ離れた位置を示すように画像表示され、下側の外形線(下限距離ラインLDlower)は、自車両100から前方に下限距離Dlowerだけ離れた位置を示すように画像表示される。
【0129】
又、上限距離強調ラインLDupper_Eは、自車両100から前方に上限距離Dupperだけ離れた位置を示している。従って、上限距離強調ラインLDupper_Eは、目標距離範囲RDtgtの上限距離ラインLDupper上に画像表示される。本例において、上限距離強調ラインLDupper_Eの画像は、上限距離ラインLDupperの画像よりも太い画像である。
【0130】
従って、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、惰行減速制御を実行しているときには、上限距離ラインLDupperを強調して又は目立つようにして画像表示する。別の言い方をすると、制御装置10は、上限距離Dupperの認識容易性(上限距離Dupperを表す画像の認識容易性)が下限距離Dlowerの認識容易性(下限距離Dlowerを表す画像の認識容易性)よりも高くなるように上限距離Dupper及び下限距離Dlowerを画像表示する。
【0131】
このように、本例においては、制御装置10は、下限距離ラインLDlowerの画像よりも太い画像で上限距離ラインLDupperをヘッドアップディスプレイ71により画像表示することにより、上限距離Dupperの認識容易性を下限距離Dlowerの認識容易性よりも高くしている。
【0132】
尚、画像の認識容易性は、画像のデザインによっても変わる。そこで制御装置10は、上限距離ラインLDupperの画像のデザインを下限距離ラインLDlowerの画像のデザインとは異なるものとすることにより、上限距離Dupperの認識容易性を下限距離Dlowerの認識容易性よりも高くするように構成されてもよい。
【0133】
又、画像の認識容易性は、画像の輝度によっても変わる。一般に、画像の認識容易性は、画像の輝度が高いほど高い。そこで、制御装置10は、上限距離ラインLDupperの画像の輝度を下限距離ラインLDlowerの画像の輝度よりも高くすることにより、上限距離Dupperの認識容易性を下限距離Dlowerの認識容易性よりも高くするように構成されてもよい。
【0134】
又、画像の認識容易性は、色によっても変わる。例えば、赤色の画像の認識容易性は、黒色の画像の認識容易性よりも高い。そこで、制御装置10は、上限距離ラインLDupperを赤色で画像表示するとともに下限距離ラインLDlowerを黒色で画像表示することにより、上限距離Dupperの認識容易性を下限距離Dlowerの認識容易性よりも高くするように構成されてもよい。
【0135】
又、画像の認識容易性は、その画像の点灯形態によっても変わる。一般に、画像の認識容易性は、その画像を点灯し続けて表示するよりも、その画像を点滅させて表示するほうが高い。そこで、制御装置10は、上限距離ラインLDupperの画像を点滅させて表示するとともに、下限距離ラインLDlowerの画像を点灯し続けて表示することにより、上限距離Dupperの認識容易性を下限距離Dlowerの認識容易性よりも高くするように構成されてもよい。
【0136】
尚、第2車間距離制御における惰行減速制御の実行中は、図10の(B)に示したように、先行車間距離DFが上限距離Dupperに達して最適加速制御が開始されるまで、制御装置10は、上限距離ラインLDupperを強調して又は目立つようにして画像表示する。
【0137】
更に、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、図12に示したように、メーターディスプレイ72により制御関連情報を運転者に提供する。
【0138】
具体的には、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、惰行減速制御を実行しているときには、図13の(A)に示したように、メーターディスプレイ72により目標距離範囲RDtgt及び上限距離強調ラインLDupper_Eを画像表示する。更に、制御装置10は、メーターディスプレイ72により車両アイコンICを画像表示する。
【0139】
車両アイコンICは、先行車200を表す画像である。又、目標距離範囲RDtgtは、車両アイコンICに重なるようにして画像表示される。従って、第2車間距離制御の実行中、制御装置10は、メーターディスプレイ72(表示装置70)により画像表示されている目標距離範囲RDtgt上に車両アイコンIC(先行車200を表す画像)をメーターディスプレイ72(表示装置70)により画像表示する。
【0140】
図14に示したように、目標距離範囲RDtgtは、台形の画像で表示される。目標距離範囲RDtgtの画像において、上側の外形線(上限距離ラインLDupper)は、上限距離Dupperの位置を表しており、下側の外形線(下限距離ラインLDlower)は、下限距離Dlowerの位置を表している。
【0141】
又、上限距離強調ラインLDupper_Eは、上限距離Dupperの位置を表している。従って、上限距離強調ラインLDupper_Eは、目標距離範囲RDtgtの上限距離ラインLDupper上に画像表示される。本例において、上限距離強調ラインLDupper_Eの画像は、上限距離ラインLDupperの画像よりも太い画像である。
【0142】
従って、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、惰行減速制御を実行しているときには、上限距離ラインLDupperを強調して又は目立つようにして画像表示する。別の言い方をすると、制御装置10は、上限距離Dupperの認識容易性(上限距離Dupperを表す画像の認識容易性)が下限距離Dlowerの認識容易性(下限距離Dlowerを表す画像の認識容易性)よりも高くなるように上限距離Dupper及び下限距離Dlowerを表示する。
【0143】
このように、本例においては、制御装置10は、下限距離ラインLDlowerの画像よりも太い画像で上限距離ラインLDupperをメーターディスプレイ72により画像表示することにより、上限距離Dupperの認識容易性を下限距離Dlowerの認識容易性よりも高くしている。
【0144】
尚、第2車間距離制御における惰行減速制御の実行中は、図10の(D)に示したように、先行車間距離DFが上限距離Dupperに達して最適加速制御が開始されるまで、制御装置10は、上限距離ラインLDupperを強調して又は目立つようにして画像表示する。
【0145】
<最適加速制御の実行中>
一方、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、最適加速制御を実行しているときには、図10の(C)に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により目標距離範囲RDtgt及び下限距離強調ラインLDlower_Eを画像表示する。
【0146】
目標距離範囲RDtgtは、先行車200に重なるようにして画像表示される。又、下限距離強調ラインLDlower_Eは、自車両100から前方に下限距離Dlowerだけ離れた位置を示している。従って、下限距離強調ラインLDlower_Eは、目標距離範囲RDtgtの下限距離ラインLDlower上に画像表示される。本例において、下限距離強調ラインLDlower_Eの画像は、下限距離ラインLDlowerの画像よりも太い画像である。
【0147】
従って、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、最適加速制御を実行しているときには、下限距離ラインLDlowerを強調して又は目立つようにして画像表示する。別の言い方をすると、制御装置10は、下限距離Dlowerの認識容易性(下限距離Dlowerを表す画像の認識容易性)が上限距離Dupperの認識容易性(上限距離Dupperを表す画像の認識容易性)よりも高くなるように下限距離Dlower及び上限距離Dupperを画像表示する。
【0148】
このように、本例においては、制御装置10は、上限距離ラインLDupperの画像よりも太い線で下限距離ラインLDlowerをヘッドアップディスプレイ71により画像表示することにより、下限距離Dlowerの認識容易性を上限距離Dupperの認識容易性よりも高くしている。
【0149】
尚、第2車間距離制御における最適加速制御の実行中は、図10の(D)に示したように、先行車間距離DFが下限距離Dlowerに達して惰行減速制御が開始されるまで、制御装置10は、下限距離ラインLDlowerを強調して又は目立つようにして画像表示する。
【0150】
更に、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、最適加速制御を実行しているときには、図13の(C)に示したように、メーターディスプレイ72により車両アイコンIC、目標距離範囲RDtgt及び下限距離強調ラインLDlower_Eを表示する。
【0151】
ここでも、目標距離範囲RDtgtは、車両アイコンICに重なるようにして画像表示される。又、下限距離強調ラインLDlower_Eは、目標距離範囲RDtgtの上限距離ラインLDupper上に画像表示される。
【0152】
従って、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、最適加速制御を実行しているときには、下限距離ラインLDlowerを強調して又は目立つようにして画像表示する。別の言い方をすると、制御装置10は、下限距離Dlowerの認識容易性(下限距離Dlowerを表す画像の認識容易性)が上限距離Dupperの認識容易性(上限距離Dupperを表す画像の認識容易性)よりも高くなるように下限距離Dlower及び上限距離Dupperを表示する。
【0153】
このように、本例においては、制御装置10は、上限距離ラインLDupperの画像よりも太い画像で下限距離ラインLDlowerをメーターディスプレイ72により画像表示することにより、下限距離Dlowerの認識容易性を上限距離Dupperの認識容易性よりも高くしている。
【0154】
尚、第2車間距離制御における最適加速制御の実行中は、図13の(D)に示したように、先行車間距離DFが下限距離Dlowerに達して惰行減速制御が開始されるまで、制御装置10は、下限距離ラインLDlowerを強調して又は目立つようにして画像表示する。
【0155】
尚、制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、メーターディスプレイ72(表示装置70)により画像表示されている目標距離範囲RDtgt上における車両アイコンIC(先行車200を表す画像)の位置が先行車200の自車両100に対する実際の位置に対応するように、車両アイコンIC(先行車200を表す画像)をメーターディスプレイ72(表示装置70)により画像表示する。
【0156】
<効果>
制御装置10によれば、第2走行速度制御の実行中、目標速度範囲RVtgtがヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72により画像表示される。従って、自車速Vが一定の幅のある範囲で制御されていることを運転者が理解し易い。このため、自動走行制御により自車両100が適正に加減速されているか否かについて、運転者が疑念を抱くことを防止することができる。
【0157】
同様に、制御装置10によれば、第2車間距離制御の実行中、目標距離範囲RDtgtがヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72により画像表示される。従って、先行車間距離DFが一定の幅のある範囲で制御されていることを運転者が理解し易い。このため、自動走行制御により自車両100が適正に加減速されているか否かについて、運転者が疑念を抱くことを防止することができる。
【0158】
更に、制御装置10によれば、第2走行速度制御の実行中、惰行減速制御が実行されているときには、下限速度Vlowerが強調して表示され、最適加速制御が実行されているときには、上限速度Vupperが強調して表示される。従って、自車速Vが目標速度Vtgtを越えて低下し続けていても、下限速度Vlowerが強調されているので、今、自車速Vが下限速度Vlowerに向かって低下するように自車両100の加減速が意図的に制御されていることを運転者が理解し易い。又、自車速Vが目標速度Vtgtを越えて上昇し続けていても、上限速度Vupperが強調されているので、今、自車速Vが上限速度Vupperに向かって上昇するように自車両100の加減速が意図的に制御されていることを運転者が理解し易い。このため、自動走行制御により自車両100が適正に加減速されているか否かについて、運転者が疑念を抱くことをより確実に防止することができる。
【0159】
同様に、制御装置10によれば、第2車間距離制御の実行中、惰行減速制御が実行されているときには、上限距離Dupperが強調して表示され、最適加速制御が実行されているときには、下限距離Dlowerが強調して表示される。従って、先行車間距離DFが目標距離Dtgtを越えて増加し続けていても、上限距離Dupperが強調されているので、今、先行車間距離DFが上限距離Dupperに向かって増加するように自車両100の加減速が意図的に制御されていることを運転者が理解し易い。又、先行車間距離DFが目標距離Dtgtを越えて減少し続けていても、下限距離Dlowerが強調されているので、今、先行車間距離DFが下限距離Dlowerに向かって減少するように自車両100の加減速が意図的に制御されていることを運転者が理解し易い。このため、自動走行制御により自車両100が適正に加減速されているか否かについて、運転者が疑念を抱くことをより確実に防止することができる。
【0160】
尚、制御装置10は、自動走行制御の実行中、ヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72の両方により、制御関連情報の画像表示を行うが、ヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72の何れか一方により、制御関連情報の画像表示を行うように構成されてもよい。
【0161】
又、制御装置10は、第2走行速度制御の実行時、目標速度範囲RVtgtを目標距離範囲RDtgtと同様な形態で表示装置70により画像表示するように構成されてもよい。即ち、制御装置10は、第2走行速度制御の実行時、目標速度範囲RVtgtを図10及び図13に示した表示形態と同様な形態で表示装置70により画像表示するように構成されてもよい。
【0162】
この場合、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、自車速Vが目標速度範囲RVtgt内の速度に維持されるように自車両100を自動で加減速したときの自車両100の移動範囲(自車両移動範囲)を目標速度範囲RVtgtとして表示装置70により画像表示する。この場合、目標距離範囲RDtgtの上限距離ラインLDupperに対応する自車両移動範囲のラインは、上限速度Vupperを表すライン(上限速度ライン)であり、目標距離範囲RDtgtの下限距離ラインLDlowerに対応する自車両移動範囲のラインは、下限速度Vlowerを表すライン(下限速度ライン)である。
【0163】
更に、この場合、制御装置10は、第2走行速度制御における惰行制御の実行中は、ヘッドアップディスプレイ71において、目標速度範囲RVtgtの上限速度ラインが自車両100から離れてゆくように目標速度範囲RVtgtを画像表示し、第2走行速度制御における最適加速制御の実行中は、ヘッドアップディスプレイ71において、目標速度範囲RVtgtの上限速度ラインが自車両100に近づいてくるように目標速度範囲RVtgtを画像表示する。又、このとき、制御装置10は、第2走行速度制御における惰行制御の実行中、ヘッドアップディスプレイ71において、目標速度範囲RVtgtの下限速度ライン上に、下限距離強調ラインLDlower_Eと同様のラインを画像表示し、第2走行速度制御における最適加速制御の実行中、目標速度範囲RVtgtの上限速度ライン上に、上限距離ラインLDupperと同様のラインを画像表示するようにしてもよい。
【0164】
又、この場合、制御装置10は、第2走行速度制御の実行中、メーターディスプレイ72により、車両アイコンICを自車両100を表す画像として表示し、第2走行速度制御における惰行制御の実行中は、メーターディスプレイ72において、目標速度範囲RVtgtの上限速度ラインが車両アイコンICから離れてゆくように目標速度範囲RVtgtを画像表示し、第2走行速度制御における最適加速制御の実行中は、メーターディスプレイ72において、目標速度範囲RVtgtの上限速度ラインが車両アイコンICに近づいてくるように目標速度範囲RVtgtを画像表示する。又、このとき、制御装置10は、第2走行速度制御における惰行制御の実行中、メーターディスプレイ72において、目標速度範囲RVtgtの下限速度ライン上に、下限距離強調ラインLDlower_Eと同様のラインを画像表示し、第2走行速度制御における最適加速制御の実行中、目標速度範囲RVtgtの上限速度ライン上に、上限距離ラインLDupperと同様のラインを画像表示するようにしてもよい。
【0165】
又、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【0166】
<第1変形例>
例えば、本発明の実施形態の第1変形例として、図15に示したように、制御装置10は、ECU90に代えて、2つのECU、即ち、第1ECU91(ACC制御ECU)及び第2ECU92(メーターECU)を備えていてもよい。
【0167】
図15に示した例においては、第1ECU91には、駆動装置20、制動装置30、アクセルペダル操作量センサ42、ブレーキペダル操作量センサ44、車速検出装置45、自動走行制御要求操作器51、第2自動走行制御要求操作器52及び周辺情報検出装置60が電気的に接続されている。一方、第2ECU92には、表示装置70が電気的に接続されている。
【0168】
そして、第1ECU91は、自動走行制御の実行中、現在の自車速V、先行車200が存在するか否か、最適加速制御の実行中であるか惰行減速制御の実行中であるか、上限速度Vupper、下限速度Vlower、上限距離Dupper及び下限距離Dlowerに関する情報を第2ECU92に提供する。
【0169】
第2ECU92は、自動走行制御の実行中、第1ECU91から提供される上記情報に基づいて先に述べたようにして目標速度範囲RVtgt及び目標距離範囲RDtgt等をヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72により画像表示する。
【0170】
<第2変形例>
或いは、本発明の実施形態の第2変形例として、図16に示したように、制御装置10は、ECU90に代えて、3つのECU、即ち、第1ECU91(ACC制御ECU)、第2ECU92(メーターECU)及び第3ECU93(車両ECU)を備えていてもよい。
【0171】
図16に示した例においては、第1ECU91には、自動走行制御要求操作器51、第2自動走行制御要求操作器52及び周辺情報検出装置60が電気的に接続されている。一方、第2ECU92には、表示装置70が電気的に接続されており、第3ECU93には、駆動装置20、制動装置30、アクセルペダル操作量センサ42、ブレーキペダル操作量センサ44、車速検出装置45が電気的に接続されている。
【0172】
そして、第1ECU91は、自動走行制御の実行中、先行車200が存在するか否か、目標速度Vtgt及び目標距離Dtgtに関する情報を第2ECU92に提供する。又、第3ECU93は、現在の自車速Vに関する情報を第2ECU92に提供する。
【0173】
第2ECU92は、自動走行制御の実行中、第1ECU91から提供される情報(特に、目標速度Vtgt及び目標距離Dtgtに関する情報)に基づいて上限速度Vupper及び下限速度Vlower或いは上限距離Dupper及び下限距離Dlowerを設定する。尚、第2変形例において、制御装置10は、これら上限速度Vupper、下限速度Vlower、上限距離Dupper及び下限距離Dlowerに関する情報を第1ECU91から第2ECU92に提供するように構成されてもよい。
【0174】
更に、第2ECU92は、自動走行制御の実行中、第3ECU93から提供される情報に基づいて最適加速制御の実行中であるか惰行減速制御の実行中であるかを判別する。
【0175】
そして、第2ECU92は、設定した上限速度Vupper等及び最適加速制御の実行中であるか惰行減速制御の実行中であるかの判別結果に基づいて先に述べたようにして目標速度範囲RVtgt及び目標距離範囲RDtgt等をヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72により画像表示する。
【0176】
第2変形例によれば、第1ECU91から第2ECU92に提供する情報量が少なくてすみ、第1ECU91から第2ECU92への通信負荷を低減することができる。
【0177】
尚、第2変形例において、制御装置10は、最適加速制御の実行中であるか惰行減速制御の実行中であるかを判別することができた場合には、上限速度Vupper若しくは下限速度Vlower又は上限距離Dupper若しくは下限距離Dlowerを強調した画像表示を上述したようにして行うが、最適加速制御の実行中であるか惰行減速制御の実行中であるかを判別することができない場合には、上限速度Vupper若しくは下限速度Vlower又は上限距離Dupper若しくは下限距離Dlowerを強調した画像表示を行わない。尚、最適加速制御の実行中であるか惰行減速制御の実行中であるかを判別することができない場合、制御装置10は、ヘッドアップディスプレイ71により上限距離Dupper及び下限距離Dlowerの両方を強調した画像表示を行ってもよい。即ち、制御装置10は、ヘッドアップディスプレイ71により上限距離強調ラインLDupper_E及び下限距離強調ラインLDlower_Eの両方を画像表示してもよい。
【0178】
又、第1車間距離制御は、先行車間距離DFが目標距離Dtgtに維持されるように自車両100の加減速を制御する制御であることから、先行車200を対象とした制御であるが、後続車300を対象とした制御であってもよい。即ち、第1車間距離制御は、後続車間距離DRが目標距離Dtgtに維持されるように自車両100の加減速を自動で制御する制御であってもよい。
【0179】
同様に、第2車間距離制御は、先行車間距離DFが目標距離範囲RDtgt内の距離に維持されるように自車両100の加減速を制御する制御であることから、先行車200を対象とした制御であるが、後続車300を対象とした制御であってもよい。即ち、第2車間距離制御は、後続車間距離DRが目標距離範囲RDtgtに維持されるように自車両100の加減速を自動で制御する制御であってもよい。
【0180】
尚、先行車200は、自車両100の前方を自車両100の走行方向と同じ方向に走行している車両であり、後続車300は、自車両100の後方を自車両100の走行方向と同じ方向に走行している車両である。従って、先行車200及び後続車300は、自車両100の周辺の車両であって、自車両100の走行方向と同じ方向に走行している車両である周辺車両である。
【0181】
従って、第1車間距離制御は、自車両100と周辺車両との間の距離である車間距離が目標距離Dtgtに維持されるように自車両100を自動で加減速させる制御であり、第2車間距離制御は、自車両100と周辺車両との間の距離である車間距離が目標距離範囲RDtgt内の距離に維持されるように自車両100を自動で加減速させる制御である。
【0182】
尚、制御装置10は、第2自動走行制御の実行中、自車両100がカーブ路を走行している、或いは、自車両100の周辺に他車両が多数存在している等の中断事由が生じた場合、第2自動走行制御を一時的に中断し、そうした中断事由が解消されたときに第2自動走行制御を再開するように構成されてもよい。この場合において、制御装置10は、第2自動走行制御を一時的に中断している間は、第1自動走行制御の実行中と同様のヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72による画像表示を行う。
【0183】
又、第1走行速度制御の実行中、所定の事由が生じている間、第2走行速度制御と同様に、一定の制御幅を持たせて自車速Vを制御するように制御装置10が構成されている場合にも、本発明を適用可能である。又、第1車間距離制御の実行中、所定の事由が生じている間、第2車間距離制御と同様に、一定の制御幅を持たせて先行車間距離DFを制御するように制御装置10が構成されている場合にも、本発明を適用可能である。
【0184】
<制御装置の具体的な作動>
次に、制御装置10の具体的な作動について説明する。制御装置10は、図17に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、制御装置10は、図17に示したルーチンのステップS1700から処理を開始し、その処理をステップS1705に進め、自動走行制御要求条件が成立しているか否かを判定する。
【0185】
制御装置10は、ステップS1705にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS1710に進め、第2自動走行制御要求条件が成立しているか否かを判定する。制御装置10は、ステップS1710にて「No」と判定した場合、処理をステップS1715に進め、先行車200が存在するか否かを判定する。制御装置10は、ステップS1715にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS1720に進め、第1車間距離制御を実行する。次いで、制御装置10は、処理をステップS1795に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0186】
一方、制御装置10は、ステップS1715にて「No」と判定した場合、処理をステップS1725に進め、第1走行速度制御を実行する。次いで、制御装置10は、処理をステップS1795に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0187】
又、制御装置10は、ステップS1710にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS1730に進め、先行車200が存在するか否かを判定する。制御装置10は、ステップS1730にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS1735に進め、第2車間距離制御を実行する。次いで、制御装置10は、処理をステップS1795に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0188】
一方、制御装置10は、ステップS1730にて「No」と判定した場合、処理をステップS1740に進め、第2走行速度制御を実行する。次いで、制御装置10は、処理をステップS1795に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0189】
又、制御装置10は、ステップS1705にて「No」と判定した場合、処理をステップS1705に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0190】
更に、制御装置10は、図18に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、制御装置10は、図18に示したルーチンのステップS1800から処理を開始し、その処理をステップS1805に進め、第2自動走行制御の実行中であるか否かを判定する。制御装置10は、ステップS1805にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS1810に進め、第2車間距離制御の実行中であるか否かを判定する。
【0191】
制御装置10は、ステップS1810にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS1815に進め、目標距離範囲RDtgtを取得する。次いで、制御装置10は、処理をステップS1820に進め、先行車200に対する自車両100の現在の位置を取得する。次いで、制御装置10は、処理をステップS1825に進め、自車両100の加減速状態を取得する。即ち、制御装置10は、最適加速制御の実行中であるか、惰行減速制御の実行中であるか、を取得する。次いで、制御装置10は、ステップS1830に進め、取得した「目標距離範囲RDtgt、先行車200に対する自車両100の現在の位置、及び、自車両100の加減速状態」に基づいて先に述べたようにして目標距離範囲RDtgt等の制御関連情報をヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72により画像表示する。次いで、制御装置10は、処理をステップS1895に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0192】
一方、制御装置10は、ステップS1810にて「No」と判定した場合、処理をステップS1835に進め、目標速度範囲RVtgtを取得する。次いで、制御装置10は、処理をステップS1840に進め、現在の自車速Vを取得する。次いで、制御装置10は、処理をステップS1845に進め、自車両100の加減速状態を取得する。即ち、制御装置10は、最適加速制御の実行中であるか、惰行減速制御の実行中であるか、を取得する。次いで、制御装置10は、処理をステップS1850に進め、取得した「目標速度範囲RVtgt、現在の自車速V、及び、自車両100の加減速状態」に基づいて先に述べたようにして目標速度範囲RVtgt等の制御関連情報をヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72により画像表示する。次いで、制御装置10は、処理をステップS1895に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0193】
以上が制御装置10の具体的な作動である。
【符号の説明】
【0194】
10…制御装置(表示制御装置)、20…駆動装置、30…制動装置、70…表示装置、71…ヘッドアップディスプレイ、72…メーターディスプレイ、90…ECU、100…自車両、200…先行車、300…後続車、RVtgt…目標速度範囲、BRI…目標速度範囲バー、Vupper…上限速度、Vlower…下限速度、RDtgt…目標距離範囲、Dupper…上限距離、Dlower…下限距離、LDupper…上限距離ライン、LDlower…下限距離ライン、LDupper_E…上限距離強調ライン、LDlower_E…下限距離強調ライン
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