IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社デンソーの特許一覧

<>
  • 特開-表示制御装置 図1
  • 特開-表示制御装置 図2
  • 特開-表示制御装置 図3
  • 特開-表示制御装置 図4
  • 特開-表示制御装置 図5
  • 特開-表示制御装置 図6
  • 特開-表示制御装置 図7
  • 特開-表示制御装置 図8
  • 特開-表示制御装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086127
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/23 20240101AFI20240620BHJP
   B60K 35/00 20240101ALI20240620BHJP
【FI】
B60K35/00 A
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201092
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋口 佐和
(72)【発明者】
【氏名】鎌谷 英輝
【テーマコード(参考)】
3D344
【Fターム(参考)】
3D344AA19
3D344AB01
3D344AC25
3D344AD01
(57)【要約】
【課題】走行速度制御又は車間距離制御の実行中、自車両の走行速度又は車間距離が正常に制御されていないとの誤解を自車両の操作者に抱かせることを防止することができる表示制御装置を提供する。
【解決手段】表示制御装置10は、走行速度制御の実行中、自車両100又は自車両を表す画像が所定速度範囲を表す画像内の位置に存在するように所定速度範囲を表す画像を表示装置70により表示し、車間距離制御の実行中、自車両又は自車両を表す画像が所定距離範囲を表す画像内の位置に存在するように所定距離範囲を表す画像を表示する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の走行速度が上昇して所定速度範囲の上限値に達したときに前記自車両を惰性走行させる惰行制御を実行し、前記自車両の走行速度が低下して前記所定速度範囲の下限値に達したときに前記自車両を加速させる加速制御を実行する走行速度制御の実行中、前記自車両の表示装置により前記所定速度範囲を表す画像を表示し、或いは、前記自車両と該自車両の周辺の車両であって該自車両の走行方向と同じ方向に走行している車両である周辺車両との間の距離である車間距離が減少して所定距離範囲の下限値に達したときに前記惰行制御を実行し、前記車間距離が増大して前記所定距離範囲の上限値に達したときに前記加速制御を実行する車間距離制御の実行中、前記表示装置により前記所定距離範囲を表す画像を表示するように構成された制御装置を備えた表示制御装置において、
前記制御装置は、
前記走行速度制御の実行中、前記自車両又は前記自車両を表す画像が前記所定速度範囲を表す画像内の位置に存在するように前記所定速度範囲を表す画像を前記表示装置により表示し、
前記車間距離制御の実行中、前記自車両又は前記自車両を表す画像が前記所定距離範囲を表す画像内の位置に存在するように前記所定距離範囲を表す画像を表示する、
ように構成されている、
表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記制御装置は、
前記所定速度範囲の幅が変更された場合、当該変更された幅に応じて前記所定速度範囲を表す画像の長さを変更し、
前記所定距離範囲の幅が変更された場合、当該変更された幅に応じて前記所定距離範囲を表す画像の長さを変更する、
ように構成されている、
表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自車両の走行速度が所定の速度に維持されるように自車両を自律的に加減速する走行速度制御、又は、自車両と先行車との間の距離(車間距離)が所定の距離に維持されるように自車両を自律的に加減速する車間距離制御を実行する車両制御装置が知られている。又、走行速度制御又は車間距離制御による自車両の走行速度又は車間距離の制御状態を自車両の運転者に知らせるための表示を行う表示制御装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3755248号公報
【発明の概要】
【0004】
自車両の走行速度が一定の範囲内の速度に維持されるように自車両を自律的に加減速する走行速度制御、又は、車間距離が一定の範囲内の距離に維持されるように自車両を自律的に加減速する車間距離制御を実行する車両制御装置も知られている。こうした走行速度制御又は車間距離制御の実行中は、自車両の走行速度又は車間距離が一定の範囲内で比較的大きく上下動し、その結果、自車両の走行速度又は車間距離制御が正常に制御されていないとの誤解を自車両の運転者等の操作者に抱かせてしまう可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、走行速度制御又は車間距離制御の実行中、自車両の走行速度又は車間距離が正常に制御されていないとの誤解を自車両の操作者に抱かせてしまうことを防止することができる表示制御装置を提供することにある。
【0006】
本発明に係る表示制御装置は、自車両の走行速度が上昇して所定速度範囲の上限値に達したときに前記自車両を惰性走行させる惰行制御を実行し、前記自車両の走行速度が低下して前記所定速度範囲の下限値に達したときに前記自車両を加速させる加速制御を実行する走行速度制御の実行中、前記自車両の表示装置により前記所定速度範囲を表す画像を表示し、或いは、前記自車両と該自車両の周辺の車両であって該自車両の走行方向と同じ方向に走行している車両である周辺車両との間の距離である車間距離が減少して所定距離範囲の下限値に達したときに前記惰行制御を実行し、前記車間距離が減少して前記所定距離範囲の上限値に達したときに前記加速制御を実行する車間距離制御の実行中、前記表示装置により前記所定距離範囲を表す画像を表示するように構成された制御装置を備えている。そして、前記制御装置は、前記走行速度制御の実行中、前記自車両又は前記自車両を表す画像が前記所定速度範囲を表す画像内の位置に存在するように前記所定速度範囲を表す画像を前記表示装置により表示し、前記車間距離制御の実行中、前記自車両又は前記自車両を表す画像が前記所定距離範囲を表す画像内の位置に存在するように前記所定距離範囲を表す画像を表示するように構成されている。
【0007】
走行速度制御の実行中は、自車両の走行速度が所定速度範囲内で比較的大きく上下動し、又、車間距離制御の実行中は、車間距離が所定距離範囲内で比較的大きく上下動する。このように自車両の走行速度又は車間距離が上下動すると、自車両の走行速度又は車間距離が正常に制御されていないとの誤解を自車両の操作者に抱かせてしまう可能性がある。
【0008】
本発明によれば、走行速度制御の実行中、当該走行速度制御の制御目標である所定速度範囲は、自車両又は自車両を表す画像が所定速度範囲を表す画像内の位置に存在するように表示され、又、車間距離制御の実行中、当該車間距離制御の制御目標である所定距離範囲は、自車両又は自車両を表す画像が所定距離範囲を表す画像内の位置に存在するように表示される。このため、自車両の操作者は、自車両の走行速度又は車間距離が一定の幅のある範囲で制御されていることを理解しやすい。従って、自車両の走行速度又は車間距離が正常に制御されていないとの誤解を自車両の操作者に抱かせてしまうことを防止することができる。
【0009】
尚、本発明に係る表示制御装置において、前記制御装置は、前記所定速度範囲の幅が変更された場合、当該変更された幅に応じて前記所定速度範囲を表す画像の長さを変更し、前記所定距離範囲の幅が変更された場合、当該変更された幅に応じて前記所定距離範囲を表す画像の長さを変更するように構成されてもよい。
【0010】
所定速度範囲を表す画像を表示する場合、その画像の幅が所定速度範囲の幅に対応していると、自車両の操作者は、所定速度範囲の幅を理解しやすく、同様に、所定距離範囲を表す画像を表示する場合、その画像の幅が所定距離範囲の幅に対応していると、自車両の操作者は、所定距離範囲の幅を理解しやすい。
【0011】
本発明によれば、所定速度範囲の幅が変更された場合、その変更された幅に応じて所定速度範囲を表す画像の幅が変更され、又、所定距離範囲の幅が変更された場合、その変更された幅に応じて所定距離範囲を表す画像の幅が変更される。このため、自車両の操作者に所定速度範囲又は所定距離範囲の幅を理解させやすくなる。
【0012】
本発明の構成要素は、図面を参照しつつ後述する本発明の実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施形態に係る表示制御装置を含む車両制御装置を示した図である。
図2図2の(A)は、先行車が存在する場面を示した図であり、図2の(B)は、先行車が存在しない場面を示した図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る車両制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
図4図4の(A)は、第1車間距離制御の実行中にヘッドアップディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図4の(B)は、第1車間距離表示制御の実行中にメーターディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図4の(C)は、図4の(B)に示した画像の一部を拡大して示した図である。
図5図5の(A)は、第1走行速度制御の実行中にヘッドアップディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図5の(B)は、第1走行速度表示制御の実行中にメーターディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図5の(C)は、図5の(B)に示した画像の一部を拡大して示した図である。
図6図6の(A)は、第2車間距離制御における惰行制御の実行中にメーターディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図6の(B)は、第2車間距離制御における惰行制御の実行中に車間距離が上限距離に達したときにメーターディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図6の(C)は、第2車間距離制御における最適加速制御の実行中にメーターディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図6の(D)は、第2車間距離制御における最適加速制御の実行中に車間距離が下限距離に達したときにメーターディスプレイにより表示される画像を示した図である。
図7図7の(A)は、第2車間距離制御における惰行制御の実行中にヘッドアップディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図7の(B)は、第2車間距離制御における惰行制御の実行中に車間距離が上限距離に達したときにヘッドアップディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図7の(C)は、第2車間距離制御における最適加速制御の実行中にヘッドアップディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図7の(D)は、第2車間距離制御における最適加速制御の実行中に車間距離が下限距離に達したときにヘッドアップディスプレイにより表示される画像を示した図である。
図8図8の(A)は、第2走行速度制御における惰行制御の実行中にメーターディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図8の(B)は、第2走行速度制御における惰行制御の実行中に自車速が下限速度に達したときにメーターディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図8の(C)は、第2走行速度制御における最適加速制御の実行中にメーターディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図8の(D)は、第2走行速度制御における最適加速制御の実行中に自車速が上限速度に達したときにメーターディスプレイにより表示される画像を示した図である。
図9図9の(A)は、第2走行速度制御における惰行制御の実行中にヘッドアップディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図9の(B)は、第2走行速度制御における惰行制御の実行中に自車速が下限速度に達したときにヘッドアップディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図9の(C)は、第2走行速度制御における最適加速制御の実行中にヘッドアップディスプレイにより表示される画像を示した図であり、図9の(D)は、第2走行速度制御における最適加速制御の実行中に自車速が上限速度に達したときにヘッドアップディスプレイにより表示される画像を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る表示制御装置について説明する。図1に、車両制御装置10が示されている。車両制御装置10は、自車両100に搭載される。以下、自車両100の操作者が自車両100に乗車して当該自車両100の運転を行う者(即ち、自車両100の運転者)である場合を例にして、車両制御装置10について説明する。
【0015】
しかしながら、自車両100の操作者は、自車両100に乗車せずに当該自車両100の運転を遠隔で行う者(即ち、自車両100の遠隔操作者)であってもよい。自車両100の操作者が遠隔操作者である場合、車両制御装置10は、自車両100と、自車両100の運転を遠隔で行うために自車両100の外に設置された遠隔操作設備とにそれぞれ搭載され、以下で説明する車両制御装置10の機能は、自車両100に搭載された車両制御装置10と、遠隔操作設備に搭載された車両制御装置10とでそれぞれ分担して行われることになる。
【0016】
車両制御装置10は、制御装置としてのECU(電子制御装置)90を備えている。ECU90は、マイクロコンピュータを主要部として備える。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。CPUは、ROMに格納されたインストラクション又はプログラム又はルーチンを実行することにより、各種機能を実現するようになっている。本例において、車両制御装置10は、1つのECUを備えたものであるが、後述するように、複数のECUを備え、後述する各種処理をそれらECUにそれぞれ分担して実行させるように構成されてもよい。
【0017】
車両制御装置10は、自動運転制御として自律加減速制御を実行する。自律加減速制御は、駆動装置20及び制動装置30の作動を自律的に制御して自車両100を加減速することにより、自車両100を走行させる制御であり、本例において、車間距離制御及び走行速度制御である。又、本例において、駆動装置20は、内燃機関21及びモータ22を備えており、制動装置30は、油圧ブレーキ装置31を備えている。
【0018】
車間距離制御は、図2の(A)に示したように、自車両100の前に先行車200が存在するときに実行される制御であって、目標距離Dtgtに基づいて自車両100を自律的に加減速する制御である。先行車200は、自車両100の前を走行している他車両であって、自車両100から所定の距離以内を走行している他車両である。車両制御装置10は、後述する周辺検出情報ISに基づいて先行車200を検出する。又、目標距離Dtgtは、車間距離制御による制御目標として運転者により設定される車間距離Dである。車間距離Dは、自車両100と先行車200との間の距離である。車両制御装置10は、後述する周辺検出情報ISに基づいて車間距離Dを取得する。
【0019】
一方、走行速度制御は、図2の(B)に示したように、自車両100の前に先行車200が存在しないときに実行される制御であって、設定速度Vset(目標速度)に基づいて自車両100を自律的に加減速する制御である。設定速度Vsetは、走行速度制御による制御目標として運転者により設定される自車両100の走行速度(自車速V)である。車両制御装置10は、車速検出装置40により自車速Vを取得する。
【0020】
次に、車両制御装置10の作動について、より具体的に説明する。車両制御装置10は、図3に示したルーチンを所定演算周期で実行することにより、自律加減速制御を実行するとともに、自律加減速制御による自車速V又は車間距離Dの制御状況についての情報を表示装置70により表示する表示制御を実行する。
【0021】
本例において、表示装置70は、ヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72を備えている。ヘッドアップディスプレイ71は、各種画像を自車両100のフロントガラス101に投影することにより、各種情報を自車両100の運転者に提供する機器である(図4の(A)参照)。又、メーターディスプレイ72は、自車両100の運転席の前方に配置され、各種画像を表示することにより、各種情報を自車両100の運転者に提供する機器である(図4の(B)参照)。本例において、メーターディスプレイ72は、その起動中、スピードメーター721及びスピードインジケータ722を表示している。スピードインジケータ722は、自車両100の現在の走行速度を示すものであり、自車両100の現在の走行速度に対応するスピードメーター721の位置に表示される。
【0022】
車両制御装置10は、所定のタイミングになると、図3に示したルーチンのステップS300から処理を開始し、その処理をステップS305に進め、第1条件C1が成立しているか否かを判定する。第1条件C1は、自律加減速制御の実行が要求されているとの条件である。運転者は、走行支援ボタン等の自律加減速要求操作器51を操作することにより、自律加減速制御の実行を車両制御装置10に要求することができる。
【0023】
車両制御装置10は、ステップS305にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS310に進め、第2条件C2が成立しているか否かを判定する。第2条件C2は、第2自律加減速制御(エコノミー走行制御)の実行が要求されていないとの条件である。運転者は、エコノミー走行ボタン等の第2自律加減速要求操作器52を操作することにより、第2自律加減速制御の実行を車両制御装置10に要求することができる。又、本例において、第2自律加減速制御は、後述する第2車間距離制御及び第2走行速度制御である。
【0024】
車両制御装置10は、ステップS310にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS315に進め、先行車200が存在するか否かを判定する。車両制御装置10は、周辺検出情報ISに基づいて先行車200が存在するか否かを判定する。
【0025】
周辺検出情報ISは、自車両100に搭載された周辺情報検出装置60から提供される情報である。本例において、周辺情報検出装置60は、レーダセンサ61及びカメラセンサ62を備えている。周辺情報検出装置60は、レーダセンサ61により取得される自車両100の周辺の情報(レーダ検出情報)を周辺検出情報ISとして車両制御装置10に提供する。又、周辺情報検出装置60は、カメラセンサ62により取得される自車両100の周辺の画像データ(画像情報)を周辺検出情報ISとして車両制御装置10に提供する。
【0026】
車両制御装置10は、ステップS315にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS320に進め、自律加減速制御として、第1車間距離制御を実行する。第1車間距離制御は、第1自律加減速制御の1つであって、車間距離Dが目標距離Dtgtに維持されるように自車両100の加減速を自律的に制御する制御である。従って、第1車間距離制御は、いわゆる追従走行制御又はアダプティブクルーズコントロールである。
【0027】
次いで、車両制御装置10は、処理をステップS325に進め、第1車間距離表示制御を実行し、その後、処理をステップS395に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0028】
第1車間距離表示制御は、表示制御の1つであって、図4の(A)に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により目標距離ライン画像Dtgt_Gを表示し、図4の(B)及び図4の(C)に示したように、メーターディスプレイ72により目標距離ライン画像Dtgt_G及び先行車アイコンIC200を表示する制御である。尚、図4の(C)は、図4の(B)に示したメーターディスプレイ72の一部を拡大して示している。
【0029】
目標距離ライン画像Dtgt_Gは、目標距離Dtgtを表すライン状の画像である。又、先行車アイコンIC200は、先行車200を表す画像である。第1車間距離表示制御の実行中、車間距離Dは、目標距離Dtgtに制御される。従って、ヘッドアップディスプレイ71により表示される目標距離ライン画像Dtgt_Gは、先行車200の後輪付近に表示され、メーターディスプレイ72により表示される目標距離ライン画像Dtgt_Gは、先行車アイコンIC200の下端付近に表示される。
【0030】
一方、車両制御装置10は、ステップS315にて「No」と判定した場合、処理をステップS330に進め、自律加減速制御として、第1走行速度制御を実行する。第1走行速度制御は、第1自律加減速制御の1つであって、自車速Vが設定速度Vsetに維持されるように自車両100の加減速を自律的に制御する制御である。従って、第1走行速度制御は、いわゆる定速走行制御又はクルーズコントロールである。
【0031】
次いで、車両制御装置10は、処理をステップS335に進め、第1走行速度表示制御を実行し、その後、処理をステップS395に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0032】
第1走行速度表示制御は、表示制御の1つであって、図5の(A)に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により設定速度画像Vset_Gを表示し、図5の(B)及び図5の(C)に示したように、メーターディスプレイ72により設定速度画像Vset_Gを表示する制御である。設定速度画像Vset_Gは、設定速度Vsetを表す画像である。尚、図5の(C)は、図5の(B)に示したメーターディスプレイ72の一部を拡大して示している。又、図5の(A)乃至図5の(C)は、設定速度Vsetが時速80キロメートルである例を示している。
【0033】
又、車両制御装置10は、ステップS310にて「No」と判定した場合、処理をステップS340に進め、先行車200が存在するか否かを判定する。即ち、車両制御装置10は、ステップS310にて第2条件C2が成立しておらず、従って、第2自律加減速制御(エコノミー走行制御)の実行が要求されているとの条件が成立している場合、処理をステップS340に進め、先行車200が存在するか否かを判定する。
【0034】
車両制御装置10は、ステップS340にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS345に進め、自律加減速制御として、第2車間距離制御を実行する。
【0035】
第2車間距離制御は、車間距離Dが減少して所定の範囲(所定距離範囲RD)の下限値(下限距離Dlower)に達したときに自車両100を惰性走行させる惰行制御を開始し、車間距離Dが増大して所定距離範囲RDの上限値(上限距離Dupper)に達したときに自車両100を加速する加速制御(最適加速制御)を開始することにより、車間距離Dが所定距離範囲RD内の距離に維持されるように自車両100の加減速を自律的に制御する制御である。本例において、所定距離範囲RDは、目標距離Dtgtを含む範囲に設定される。
【0036】
又、最適加速制御は、最も高いエネルギー効率で駆動装置20から動力が出力されるように駆動装置20の作動を制御する制御、特に、内燃機関21を最適動作点(又は最適動作点近傍の動作点)で作動させる制御である。又、惰行制御は、自車両100が惰性走行するように駆動装置20の作動を制御する制御である。
【0037】
次いで、車両制御装置10は、処理をステップS350に進め、第2車間距離表示制御を実行し、その後、処理をステップS395に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0038】
第2車間距離表示制御は、表示制御の1つであって、図6に示したように、メーターディスプレイ72により、所定距離範囲画像RD_G、上限距離ライン画像Dupper_G、下限距離ライン画像Dlower_G、自車両アイコンIC100及び先行車アイコンIC200を表示し、図7に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により、所定距離範囲画像RD_G、上限距離ライン画像Dupper_G及び下限距離ライン画像Dlower_Gを表示する制御である。
【0039】
所定距離範囲画像RD_Gは、所定距離範囲RDを表す画像であり、メーターディスプレイ72においては、自車両アイコンIC100が当該所定距離範囲画像RD_G内の位置に存在するように表示され、ヘッドアップディスプレイ71においては、自車両100が当該所定距離範囲画像RD_G内の位置に存在するように表示される。
【0040】
所定距離範囲画像RD_Gの上側外形線RDupperは、下限距離Dlowerを表しており、所定距離範囲画像RD_Gの下側外形線RDlowerは、上限距離Dupperを表している。又、所定距離範囲画像RD_Gの上下方向の長さ(上側外形線RDupperから下側外形線RDlowerまでの長さ)は、所定距離範囲RDの幅に対応した長さに設定される。従って、所定距離範囲RDの幅が変更された場合、その変更された幅に応じて所定距離範囲画像RD_Gの上下方向の長さが変更される。即ち、所定距離範囲画像RD_Gの上下方向の長さが変更後の所定距離範囲RDの幅に対応するように、所定距離範囲画像RD_Gの上下方向の長さが変更される。
【0041】
又、ヘッドアップディスプレイ71により表示される所定距離範囲画像RD_Gの上側外形線RDupperは、先行車200から後方に下限距離Dlowerだけ離れた位置を示すように表示され、当該所定距離範囲画像RD_Gの下側外形線RDlowerは、先行車200から後方に上限距離Dupperだけ離れた位置を示すように表示される。
【0042】
尚、所定距離範囲RDの幅に対応した長さの所定距離範囲画像RD_Gをヘッドアップディスプレイ71により表示しようとすると、図7の(A)に示したように、所定距離範囲画像RD_Gの下側の部分を表示することができないことがある。この場合、所定距離範囲画像RD_Gの下側外形線RDlowerは、ヘッドアップディスプレイ71により表示されているが、上限距離Dupperを表していない。
【0043】
又、上限距離ライン画像Dupper_Gは、上限距離Dupperを表す画像であって、所定距離範囲画像RD_Gの下側外形線RDlower上に表示される。又、下限距離ライン画像Dlower_Gは、下限距離Dlowerを表す画像であって、所定距離範囲画像RD_Gの上側外形線RDupper上に表示される。但し、図7の(A)に示したように、所定距離範囲画像RD_Gの下側の部分をヘッドアップディスプレイ71により表示することができない場合、当該所定距離範囲画像RD_Gの下側外形線RDlowerは、上限距離Dupperを表していないので、本例においては、上限距離ライン画像Dupper_Gは、当該所定距離範囲画像RD_Gの下側外形線RDlower上に表示されるが、実線の画像ではなく、鎖線の画像で表示される。
【0044】
尚、上限距離ライン画像Dupper_Gは、所定距離範囲画像RD_Gの下側外形線RDlowerよりも太い実線の画像で表示され、下限距離ライン画像Dlower_Gは、所定距離範囲画像RD_Gの上側外形線RDupperよりも太い実線の画像で表示される。
【0045】
又、自車両アイコンIC100は、自車両100を表す画像であり、所定距離範囲画像RD_Gに重なるように表示される。従って、メーターディスプレイ72において、所定距離範囲画像RD_Gは、自車両アイコンIC100が所定距離範囲画像RD_G内の位置に存在するように表示される。又、先行車アイコンIC200は、先行車200を表す画像であり、メーターディスプレイ72において、自車両アイコンIC100の上側に表示される。
【0046】
車両制御装置10は、第2車間距離制御における惰行制御の実行中は、第2車間距離表示制御により、図6の(A)に示したように、所定距離範囲画像RD_G、上限距離ライン画像Dupper_G、自車両アイコンIC100及び先行車アイコンIC200をメーターディスプレイ72により表示する。そして、車両制御装置10は、車間距離Dが上限距離Dupperに達した段階では、図6の(B)に示したように、所定距離範囲画像RD_G、上限距離ライン画像Dupper_G、自車両アイコンIC100及び先行車アイコンIC200をメーターディスプレイ72により表示する。
【0047】
第2車間距離制御における惰行制御の実行中、自車両アイコンIC100の位置は、メーターディスプレイ72において固定されたままであるが、所定距離範囲画像RD_Gは、車間距離Dが増大するにつれて、その下側外形線RDlowerが自車両アイコンIC100に近づくように、メーターディスプレイ72において上方に移動され、それに伴って、上限距離ライン画像Dupper_Gも、所定距離範囲画像RD_Gの下側外形線RDlower上に表示された状態を保ちながら、自車両アイコンIC100に近づくように、メーターディスプレイ72において上方に移動される。そして、車間距離Dが上限距離Dupperに達した段階では、図6の(B)に示したように、所定距離範囲画像RD_Gの下側外形線RDlower及び上限距離ライン画像Dupper_Gは、自車両アイコンIC100の下端付近に表示される。
【0048】
一方、車両制御装置10は、第2車間距離制御における最適加速制御の実行中は、第2車間距離表示制御により、図6の(C)に示したように、所定距離範囲画像RD_G、下限距離ライン画像Dlower_G、自車両アイコンIC100及び先行車アイコンIC200をメーターディスプレイ72により表示し、車間距離Dが下限距離Dlowerに達した段階で、図6の(D)に示したように、所定距離範囲画像RD_G、下限距離ライン画像Dlower_G、自車両アイコンIC100及び先行車アイコンIC200をメーターディスプレイ72により表示する。
【0049】
第2車間距離制御における最適加速制御の実行中も、自車両アイコンIC100の位置は、メーターディスプレイ72において固定されたままであるが、所定距離範囲画像RD_Gは、車間距離Dが減少するにつれて、その上側外形線RDupperが自車両アイコンIC100に近づくように、メーターディスプレイ72において下方に移動され、それに伴って、下限距離ライン画像Dlower_Gも、所定距離範囲画像RD_Gの上側外形線RDupper上に表示された状態を保ちながら、自車両アイコンIC100に近づくように、メーターディスプレイ72において下方に移動される。そして、車間距離Dが下限距離Dlowerに達した段階では、図6の(D)に示したように、所定距離範囲画像RD_Gの上側外形線RDupper及び下限距離ライン画像Dlower_Gは、自車両アイコンIC100の上端付近に表示される。
【0050】
更に、車両制御装置10は、第2車間距離制御における惰行制御の実行中は、第2車間距離表示制御により、図7の(A)に示したように、所定距離範囲画像RD_G及び上限距離ライン画像Dupper_Gをヘッドアップディスプレイ71により表示し、車間距離Dが上限距離Dupperに達した段階では、図7の(B)に示したように、所定距離範囲画像RD_G及び上限距離ライン画像Dupper_Gをヘッドアップディスプレイ71により表示する。
【0051】
第2車間距離制御における惰行制御の実行中、車間距離Dが増大するので、自車両100が先行車200から遠ざかる。従って、ヘッドアップディスプレイ71により表示される所定距離範囲画像RD_Gは、車間距離Dが増大するにつれて、その上側外形線RDupperが先行車200から下限距離Dlowerだけ離れた位置を示し続けるように、上方に移動され、それに伴って、図7の(A)に示した例においては、所定距離範囲画像RD_Gの表示面積が徐々に大きくなる。そして、車間距離Dが上限距離Dupperに達した段階では、図7の(B)に示したように、上限距離Dupperを示す所定距離範囲画像RD_Gの下側外形線RDlowerがヘッドアップディスプレイ71に表示されるようになるので、上限距離ライン画像Dupper_Gは、その下側外形線RDlower上に実線の画像で表示される。
【0052】
一方、車両制御装置10は、第2車間距離制御における最適加速制御の実行中は、第2車間距離表示制御により、図7の(C)に示したように、所定距離範囲画像RD_G及び下限距離ライン画像Dlower_Gをヘッドアップディスプレイ71により表示し、車間距離Dが下限距離Dlowerに達した段階では、図7の(D)に示したように、所定距離範囲画像RD_G及び下限距離ライン画像Dlower_Gをヘッドアップディスプレイ71により表示する。
【0053】
第2車間距離制御における最適加速制御の実行中、車間距離Dが減少するので、自車両100が先行車200に近づく。従って、ヘッドアップディスプレイ71により表示される所定距離範囲画像RD_Gは、車間距離Dが減少するにつれて、その上側外形線RDupperが先行車200から下限距離Dlowerだけ離れた位置を示し続けるように、下方に移動され、それに伴って、図7の(C)に示した例においては、所定距離範囲画像RD_Gの表示面積が徐々に小さくなる。又、所定距離範囲画像RD_Gが下方に移動されるのに伴って、下限距離ライン画像Dlower_Gも、所定距離範囲画像RD_Gの上側外形線RDupper上に表示された状態を保ちながら、下方に移動される。そして、車間距離Dが下限距離Dlowerに達した段階では、所定距離範囲画像RD_G及び下限距離ライン画像Dlower_Gは、図7の(D)に示したように表示される。
【0054】
一方、車両制御装置10は、ステップS340にて「No」と判定した場合、処理をステップS355に進め、第2走行速度制御を実行する。
【0055】
第2走行速度制御は、自車速Vが上昇して所定の範囲(所定速度範囲RV)の上限値(上限速度Vupper)に達したときに惰行制御を開始し、自車速Vが低下して所定速度範囲RVの下限値(下限速度Vlower)に達したときに最適加速制御を開始することにより、自車速Vが所定速度範囲RV内の速度に維持されるように自車両100の加減速を自律的に制御する制御である。本例において、所定速度範囲RVは、設定速度Vsetを含む範囲に設定される。
【0056】
次いで、車両制御装置10は、処理をステップS360に進め、第2走行速度表示制御を実行し、その後、処理をステップS395に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0057】
第2走行速度表示制御は、表示制御の1つであって、図8に示したように、メーターディスプレイ72により、所定速度範囲画像RV_G、上限速度ライン画像Vupper_G、下限速度ライン画像Vlower_G及び自車両アイコンIC100を表示し、図9に示したように、ヘッドアップディスプレイ71により、所定速度範囲画像RV_G、上限速度ライン画像Vupper_G及び下限速度ライン画像Vlower_Gを表示する制御である。
【0058】
所定速度範囲画像RV_Gは、所定速度範囲RVを表す画像であり、メーターディスプレイ72においては、自車両アイコンIC100が当該所定速度範囲画像RV_G内の位置に存在するように表示され、ヘッドアップディスプレイ71においては、自車両100が当該所定速度範囲画像RV_G内の位置に存在するように表示される。
【0059】
所定速度範囲画像RV_Gの上側外形線RVupperは、上限速度Vupperを表しており、所定速度範囲画像RV_Gの下側外形線RVlowerは、下限速度Vlowerを表している。又、所定速度範囲画像RV_Gの上下方向の長さ(上側外形線RVupperから下側外形線RVlowerまでの長さ)は、所定速度範囲RVの幅に対応した長さに設定される。従って、所定速度範囲RVの幅が変更された場合、その変更された幅に応じて所定速度範囲画像RV_Gの上下方向の長さが変更される。即ち、所定速度範囲画像RV_Gの上下方向の長さが変更後の所定速度範囲RVの幅に対応するように、所定速度範囲画像RV_Gの上下方向の長さが変更される。
【0060】
尚、所定速度範囲RVの幅に対応した長さの所定速度範囲画像RV_Gをヘッドアップディスプレイ71により表示しようとすると、図9の(A)に示したように、所定速度範囲画像RV_Gの下側の部分をヘッドアップディスプレイ71により表示することができないことがある。この場合、所定速度範囲画像RV_Gの下側外形線RVlowerは、ヘッドアップディスプレイ71により表示されているが、下限速度Vlowerを表していない。
【0061】
又、上限速度ライン画像Vupper_Gは、上限速度Vupperを表す画像であって、所定速度範囲画像RV_Gの上側外形線RVupper上に表示される。又、下限速度ライン画像Vlower_Gは、下限速度Vlowerを表す画像であって、所定速度範囲画像RV_Gの下側外形線RVlower上に表示される。但し、図9の(A)に示したように、所定速度範囲画像RV_Gの下側の部分をヘッドアップディスプレイ71により表示することができない場合、当該所定速度範囲画像RV_Gの下側外形線RVlowerは、下限速度Vlowerを表していないので、本例においては、下限速度ライン画像Vlower_Gは、当該所定速度範囲画像RV_Gの下側外形線RVlower上に表示されるが、実線の画像ではなく、鎖線の画像で表示される。
【0062】
尚、上限速度ライン画像Vupper_Gは、所定速度範囲画像RV_Gの上側外形線RVupperよりも太い実線の画像で表示され、下限速度ライン画像Vlower_Gは、所定速度範囲画像RV_Gの下側外形線RVlowerよりも太い実線の画像で表示される。
【0063】
又、自車両アイコンIC100は、自車両100を表す画像であり、所定速度範囲画像RV_Gに重なるように表示される。従って、メーターディスプレイ72において、所定速度範囲画像RV_Gは、自車両アイコンIC100が所定速度範囲画像RV_G内の位置に存在するように表示される。
【0064】
車両制御装置10は、第2走行速度制御における惰行制御の実行中は、第2走行速度表示制御により、図8の(A)に示したように、所定速度範囲画像RV_G、下限速度ライン画像Vlower_G及び自車両アイコンIC100をメーターディスプレイ72により表示する。そして、車両制御装置10は、自車速Vが下限速度Vlowerに達した段階では、図8の(B)に示したように、所定速度範囲画像RV_G、下限速度ライン画像Vlower_G及び自車両アイコンIC100をメーターディスプレイ72により表示する。
【0065】
第2走行速度制御における惰行制御の実行中、自車両アイコンIC100の位置は、メーターディスプレイ72において固定されたままであるが、所定速度範囲画像RV_Gは、自車速Vが低下するにつれて、その下側外形線RVlowerが自車両アイコンIC100に近づくように、メーターディスプレイ72において上方に移動され、それに伴って、下限速度ライン画像Vlower_Gも、所定速度範囲画像RV_Gの下側外形線RVlower上に表示された状態を保ちながら、自車両アイコンIC100に近づくように、メーターディスプレイ72において上方に移動される。そして、自車速Vが下限速度Vlowerに達した段階では、図8の(B)に示したように、所定速度範囲画像RV_Gの下側外形線RVlower及び下限速度ライン画像Vlower_Gは、自車両アイコンIC100の下端付近に表示される。
【0066】
一方、車両制御装置10は、第2走行速度制御における最適加速制御の実行中は、第2走行速度表示制御により、図8の(C)に示したように、所定速度範囲画像RV_G、上限速度ライン画像Vupper_G及び自車両アイコンIC100をメーターディスプレイ72により表示し、自車速Vが上限速度Vupperに達した段階で、図8の(D)に示したように、所定速度範囲画像RV_G、上限速度ライン画像Vupper_G及び自車両アイコンIC100をメーターディスプレイ72により表示する。
【0067】
第2走行速度制御における最適加速制御の実行中も、自車両アイコンIC100の位置は、メーターディスプレイ72において固定されたままであるが、所定速度範囲画像RV_Gは、自車速Vが上昇するにつれて、その上側外形線RVupperが自車両アイコンIC100に近づくように、メーターディスプレイ72において下方に移動され、それに伴って、上限速度ライン画像Vupper_Gも、所定速度範囲画像RV_Gの上側外形線RVupper上に表示された状態を保ちながら、自車両アイコンIC100に近づくように、メーターディスプレイ72において下方に移動される。そして、自車速Vが上限速度Vupperに達した段階では、図8の(D)に示したように、所定速度範囲画像RV_Gの上側外形線RVupper及び上限速度ライン画像Vupper_Gは、自車両アイコンIC100の上端付近に表示される。
【0068】
更に、車両制御装置10は、第2走行速度制御における惰行制御の実行中は、第2走行速度表示制御により、図9の(A)に示したように、所定速度範囲画像RV_G及び下限速度ライン画像Vlower_Gをヘッドアップディスプレイ71により表示し、自車速Vが下限速度Vlowerに達した段階では、図9の(B)に示したように、所定速度範囲画像RV_G及び下限速度ライン画像Vlower_Gをヘッドアップディスプレイ71により表示する。
【0069】
第2走行速度制御における惰行制御の実行中、自車速Vが低下する。従って、ヘッドアップディスプレイ71により表示される所定速度範囲画像RV_Gは、自車速Vが低下するにつれて、上方に移動され、それに伴って、図9の(A)に示した例においては、所定速度範囲画像RV_Gの表示面積が徐々に大きくなる。そして、自車速Vが下限速度Vlowerに達した段階では、図9の(B)に示したように、下限速度Vlowerを示す所定速度範囲画像RV_Gの下側外形線RVlowerがヘッドアップディスプレイ71に表示されるようになるので、下限速度ライン画像Vlower_Gは、その下側外形線RVlower上に実線の画像で表示される。
【0070】
一方、車両制御装置10は、第2走行速度制御における最適加速制御の実行中は、第2走行速度表示制御により、図9の(C)に示したように、所定速度範囲画像RV_G及び上限速度ライン画像Vupper_Gをヘッドアップディスプレイ71により表示し、自車速Vが上限速度Vupperに達した段階では、図9の(D)に示したように、所定速度範囲画像RV_G及び上限速度ライン画像Vupper_Gをヘッドアップディスプレイ71により表示する。
【0071】
第2走行速度制御における最適加速制御の実行中、自車速Vが上昇する。従って、ヘッドアップディスプレイ71により表示される所定速度範囲画像RV_Gは、自車速Vが上昇するにつれて、下方に移動され、それに伴って、図9の(C)に示した例においては、所定速度範囲画像RV_Gの表示面積が徐々に小さくなる。又、所定速度範囲画像RV_Gが下方に移動されるのに伴って、上限速度ライン画像Vupper_Gも、所定速度範囲画像RV_Gの上側外形線RVupper上に表示された状態を保ちながら、下方に移動される。そして、自車速Vが上限速度Vupperに達した段階では、所定速度範囲画像RV_G及び上限速度ライン画像Vupper_Gは、図9の(D)に示したように表示される。
【0072】
又、車両制御装置10は、ステップS305にて「No」と判定した場合、処理をステップS395に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。このとき、自律加減速制御が実行されているときには、当該自律加減速制御は、終了される。
【0073】
以上が車両制御装置10の作動である。
【0074】
<効果>
第2走行速度制御の実行中は、自車速Vが所定速度範囲RV内で比較的大きく上下動し、又、第2車間距離制御の実行中は、車間距離Dが所定距離範囲RD内で比較的大きく上下動する。このように自車速V又は車間距離Dが上下動すると、自車速V又は車間距離Dが正常に制御されていないとの誤解を自車両100の操作者に抱かせてしまう可能性がある。
【0075】
車両制御装置10によれば、第2走行速度制御の実行中、当該第2走行速度制御の制御目標である所定速度範囲RVは、自車両100又は自車両アイコンIC100が所定速度範囲画像RV_G内の位置に存在するように表示され、又、第2車間距離制御の実行中、当該第2車間距離制御の制御目標である所定距離範囲RDは、自車両100又は自車両アイコンIC100が所定距離範囲画像RD_G内の位置に存在するように表示される。このため、自車両100の操作者は、自車速V又は車間距離Dが一定の幅のある範囲で制御されていることを理解しやすい。従って、自車速V又は車間距離Dが正常に制御されていないとの誤解を自車両100の操作者に抱かせてしまうことを防止することができる。
【0076】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【0077】
例えば、図2の(B)に示したように、後続車300が存在する場合、車両制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、車間距離Dが上限距離Dupperよりも小さいときであっても、自車両100と後続車300との間の距離(後続車間距離DR)が所定距離以下になったときには、最適加速制御により自車両100を加速するように構成されてもよい。この場合、車両制御装置10は、最適加速制御を開始した後、後続車間距離DRが所定距離よりも大きくなっても、車間距離Dが下限距離Dlowerに達するまでは、最適加速制御を継続する。
【0078】
又、後続車300が存在する場合、車両制御装置10は、第2車間距離制御の実行中、自車速Vと後続車300の走行速度との差を考慮して自車両100が後続車300に近づき過ぎないように最適加速制御を開始するタイミングを決定するように構成されてもよい。
【0079】
又、車両制御装置10は、自律加減速制御の実行中、ヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72の両方により、所定距離範囲画像RD_G又は所定速度範囲画像RV_G等の表示を行うが、ヘッドアップディスプレイ71及びメーターディスプレイ72の何れか一方により、所定距離範囲画像RD_G又は所定速度範囲画像RV_G等の表示を行うように構成されてもよい。
【0080】
又、上述した自律加減速制御は、先行車200を対象として、自車両100の加減速を制御する制御であるが、後続車300を含む自車両100の周辺の他車両であって、自車両100の走行方向と同じ方向に走行している他車両(周辺車両)を対象として、自車両100の加減速を制御する制御であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
10…制御装置(表示制御装置)、20…駆動装置、30…制動装置、60…周辺情報検出装置、70…表示装置、71…ヘッドアップディスプレイ、72…メーターディスプレイ、90…ECU、100…自車両、200…先行車、300…後続車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9