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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086144
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】逆止弁及び冷凍サイクルシステム
(51)【国際特許分類】
   F16K 15/02 20060101AFI20240620BHJP
   F25B 41/20 20210101ALI20240620BHJP
【FI】
F16K15/02
F25B41/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201119
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】古賀 英明
【テーマコード(参考)】
3H058
【Fターム(参考)】
3H058AA02
3H058BB03
3H058BB14
3H058BB22
3H058CA02
3H058CA06
3H058CB02
3H058CC07
3H058EE17
(57)【要約】
【課題】本発明は、シール性能を向上させるとともにCv値の低下を抑制し、かつ大型化を防ぐ逆止弁及び冷凍サイクルシステムを得ることを目的とする。
【解決手段】逆止弁1は、軸方向に延びる筒状の外管部と、外管部の内部に一体または別体の弁座部1311を配置するように設けられた弁座本体13と、弁体15と、を備えている。弁座本体13は、弁口1311bと、弁口1311bに連続して軸方向の一方側X1に延び外管部の一部を構成可能な筒部132と、筒部132に連続して一方側X1に開口する入口開口部132aとを有している。弁口1311bの内径R2が入口開口部132aの内径R1よりも小さく形成され、筒部132の内周面132bは、入口開口部132aから弁口1311bに亘って所定の傾斜角度θのテーパを有して形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる外管部と、前記外管部と一体または別体の弁座部を前記外管部の内部に配置するように設けられた弁座本体と、前記弁座部と互いに平坦な当接面同士で当接可能な弁体と、を備えた逆止弁であって、
前記弁座本体は、前記弁座部に開口する弁口と、前記弁口に連続して前記軸方向の一方側に延び前記外管部の一部を構成可能な筒部と、前記筒部に連続して前記一方側に開口する入口開口部と、を有し、
前記弁口の内径が前記入口開口部の内径よりも小さく形成され、
前記筒部の内周面は、前記入口開口部から前記弁口に亘って所定の傾斜角度のテーパを有して形成されていることを特徴とする逆止弁。
【請求項2】
前記外管部は、前記入口開口部に連通する一次管を備え、
前記入口開口部の内径は、前記一次管の内径と同径に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の逆止弁。
【請求項3】
前記外管部は、前記入口開口部に連通する一次管を備え、
前記筒部の前記軸方向の長さは、前記弁口の前記軸方向の長さよりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の逆止弁。
【請求項4】
前記筒部の内周面の傾斜角度は、45°以下であることを特徴とする請求項3に記載の逆止弁。
【請求項5】
前記筒部の内周面の傾斜角度は、10°~45°であることを特徴とする請求項4に記載の逆止弁。
【請求項6】
前記筒部の前記軸方向の長さは、前記弁口の内径の1/2よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の逆止弁。
【請求項7】
前記入口開口部と前記一次管の端縁との間には、隙間が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の逆止弁。
【請求項8】
前記入口開口部は、前記軸方向に所定長さ延びるストレート部を有していることを特徴とする請求項4に記載の逆止弁。
【請求項9】
請求項4に記載の逆止弁を備えた冷凍サイクルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆止弁及び冷凍サイクルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
逆止弁として、内部に弁室を有する外管と、外管の内部に設けられて弁口を有する弁座部材と、弁室内に移動自在に設けられて弁口を開閉する弁体と、を備え、外管に連続する一次管からの流体を弁口を通して二次管に流通させるとともに、二次管からの流体に対しては弁体が弁口を閉鎖することで流体の逆流を阻止するものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1に記載の逆止弁は、一次管(入口継手)の端部に弁座部材が固定され、弁座部材の外周を囲んで外管が固定されており、一次管の内径と弁座部材の弁口の内径とが同径とされ、弁座および弁体が平坦な当接面を有し互いの当接面同士が当接することで弁口が閉鎖されるようになっている。特許文献2に記載の逆止弁は、一次管(小径部、入口ポート)の内径よりも弁座部材の弁口の内径が小さく形成され、弁体の弁部にテーパ面が形成され、弁口はテーパ面のないエッジ状に形成され、そのエッジ状の部分にテーパ面が当接することで弁口が閉鎖されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-19265号公報
【特許文献2】特開2013-44418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載の逆止弁のように、弁座と弁体とがエッジ状の部分とテーパ面で当接する構造(この構造をテーパ/エッジシール構造と定義する)では、弁体が傾いて着座した場合、片側に隙間ができて弁漏れし易いため、シール性能を高めることが難しい。また、特許文献2に記載の逆止弁のように一次管の内径よりも弁口の内径を小さくすると、一次管の内面と弁座部材との間に段差が形成されることで圧力損失が増え、容量係数の一つであるCv値が低くなり、流体の流量が低下してしまうという問題がある。これに対し、特許文献1に記載の逆止弁のように平坦な当接面同士で当接する構造(この構造をフラットシール構造と定義する)では、高いシール性能を期待することができる。また、特許文献1に記載の逆止弁のように一次管の内径と弁座部材の弁口の内径とが同径とされていれば、一次管の内面と弁座部材との間に段差が生じないことから、圧力損失もなく、Cv値を高くすることができる。しかしながら、この構造の場合、弁口の内径を一次管の内径と同径にするために弁座部材が大径化し、その外周を外管が囲むことから逆止弁が大型化するという問題がある。
【0005】
本発明は、シール性能を向上させるとともにCv値の低下を抑制し、かつ大型化を防ぐ逆止弁及び冷凍サイクルシステムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の逆止弁は、軸方向に延びる外管部と、前記外管部と一体または別体の弁座部を前記外管部の内部に配置するように設けられた弁座本体と、前記弁座部と互いに平坦な当接面同士で当接可能な弁体と、を備えた逆止弁であって、前記弁座本体は、前記弁座部に開口する弁口と、前記弁口に連続して前記軸方向の一方側に延び前記外管部の一部を構成可能な筒部と、前記筒部に連続して前記一方側に開口する入口開口部と、を有し、前記弁口の内径が前記入口開口部の内径よりも小さく形成され、前記筒部の内周面は、前記入口開口部から前記弁口に亘って所定の傾斜角度のテーパを有して形成されていることを特徴とする。
【0007】
このような本発明によれば、弁体と弁座部とは、平坦な当接面同士で当接することから、上述したテーパ/エッジシール構造を備える従来の構造と比較して、弁体が着座時に傾き難く、逆止弁のシール性能を向上させることができる。また、入口開口部と、弁口とは、筒部におけるテーパを有して形成された内周面によって繋がれることとなり、入口開口部と弁口との間に段差が生じない。このため、入口開口部と弁口との間を流れる流体の流れをスムーズにすることができる。したがって、一次管の内面と弁座部材との間に段差が形成される従来の構造と比較して、Cv値を向上させることができる。また、筒部の内周において、入口開口部の内径よりも弁口の内径が小さくなるので、その差を利用して弁口の周りに平坦な弁座部を設けることができ、弁座本体の外径寸法が大きくなることを抑えることができる。したがって、シール性能を向上させるとともにCv値の低下を抑制し、かつ大型化を防ぐ逆止弁を得ることができる。
【0008】
また、この際、前記外管部は、前記入口開口部に連通する一次管を備え、前記入口開口部の内径は、前記一次管の内径と同径に設定されていることが好ましい。このような構成によれば、一次管と入口開口部との間に、段差が生じなくなることで、一次管と入口開口部との間を流れる流体の流れをスムーズにすることができ、Cv値を向上させることができる。
【0009】
また、前記外管部は、前記入口開口部に連通する一次管を備え、前記筒部の前記軸方向の長さは、前記弁口の前記軸方向の長さよりも大きいことが好ましい。
【0010】
また、前記筒部の内周面の傾斜角度は、45°以下であることが好ましい。
【0011】
また、前記筒部の内周面の傾斜角度は、10°~45°であることがさらに好適である。
【0012】
また、前記筒部の前記軸方向の長さは、前記弁口の内径の1/2よりも大きいことが好ましい。
【0013】
また、前記入口開口部と前記一次管の端縁との間には、隙間が設けられていてもよい。このような構成によれば、入口開口部と一次管の端縁との間に隙間が生じているような場合でも、シール性能を向上させるとともにCv値の低下を抑制し、かつ大型化を防ぐ逆止弁を得ることができる。
【0014】
また、前記入口開口部は、前記軸方向に所定長さ延びるストレート部を有していてもよい。
【0015】
また、本発明の冷凍サイクルシステムは、上述したいずれかに記載の逆止弁を備えていることを特徴とする。このような構成によれば、シール性能を向上させるとともにCv値の低下を抑制し、かつ逆止弁の大型化を防ぐ逆止弁を用いて、冷凍サイクルシステムを構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シール性能を向上させるとともにCv値の低下を抑制し、かつ大型化を防ぐ逆止弁及び冷凍サイクルシステムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係る逆止弁の全体断面図。
図2図1における弁座本体の拡大断面図。
図3】第1実施形態に係る逆止弁のCv値シミュレーショングラフを示す図。
図4】第1実施形態の変形例に係る逆止弁の全体断面図。
図5】第2実施形態に係る逆止弁の全体断面図。
図6】第3実施形態に係る逆止弁の全体断面図。
図7】第3実施形態の変形例に係る逆止弁の全体断面図。
図8図1~7のいずれかに示されている逆止弁を備えた、冷凍サイクルシステム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第1実施形態に係る逆止弁1を図1~3に基づいて説明する。本実施形態に係る逆止弁1は、冷凍サイクルシステムにおける冷媒の流路の途中に設置されて使用される弁装置であり、外管本体11と、弁本体12と、弁体15と、を備えている。また、弁本体12は、弁座本体13と、弁ホルダ14とで構成されている。
【0019】
なお、以降の説明では、外管本体11における軸線Xに沿う方向を軸方向とし、軸方向の一方側を一方側X1とし、軸方向の他方側を他方側X2とする。また、一方側X1から他方側X2に向かう方向を冷媒の流れ方向における正流方向とし、正流方向の反対側に向かう方向を逆流方向とする。これはあくまでも説明の便宜のためであり、必ずしも逆止弁1の実際の使用状態における方向と一致するとは限らず、逆止弁1の実際の使用状態における各方向を限定するものではない。
【0020】
外管本体11は、軸方向に延びる筒状の部材であり、ステンレス鋼等の金属材料を用いて切削加工等により形成されている。外管本体11の内部には、弁本体12の他方側X2部分が収容されている。外管本体11の他方側X2の開口端部には、不図示の配管に接続される銅製の出口管16(二次管)の一方側X1の端部が一方側X1に向かって挿入され、その状態でろう付け等により接続されている。
【0021】
弁本体12は、上述のとおり弁座本体13と、弁ホルダ14と、を備えている。弁座本体13は、外管本体11の一方側X1に設けられる略筒状の部分であり、ステンレス鋼等の金属材料を用いて切削加工等により形成されている。
【0022】
弁座本体13は、縮径部131と、筒部132と、接続部133と、を備えている。縮径部131は、外管本体11の一方側X1の端部に接続される部分であり、その外径が、弁座本体13の他の部分の外径よりも小さくなっている。縮径部131の外周面は、外管本体11の内周面に嵌合しており、この状態(すなわち、外管本体11内に配置された状態)で、弁座本体13が外管本体11に対してレーザー溶接等により固定されている。縮径部131の内面には、一方側X1に凹む段差状の弁座部1311が形成されている。すなわち、弁座部1311は、外管本体11内に一部が配置されている。弁座部1311の他方側X2を向く面は、弁体15が着座する平坦な当接面1311a(シート面)を構成している。弁座部1311の中央には、軸方向に開口する弁口1311bが形成されている。なお、当接面1311aの径方向位置は、後述する入口開口部132aの内径R1と弁口1311bの内径R2との差を利用するように軸線X側(径方向の中心軸側)に設定され、これによって、弁座本体13が後述する入口管17よりも径方向に大型化し難くなっている。
【0023】
筒部132は、弁口1311bに連続して一方側X1に延びる筒状の部分であり、その一方側X1の端部には、一方側X1に開口する入口開口部132aが形成されている。すなわち、入口開口部132aは、筒部132に連続して一方側X1に開口している。図2に示すように、入口開口部132aの内径R1は、弁口1311bの内径R2よりも大きく、かつ後述する入口管17(一次管)の内径R3と同径に設定されている。このため、筒部132の内径は、入口開口部132aから弁口1311bに向かって縮径しており、これによって筒部132の内周面132bは、入口開口部132aから弁口1311bに亘って所定の傾斜角度θのテーパを有して形成されている。
【0024】
内周面132bのテーパの所定の傾斜角度θとは、図2に示す断面視において、上側の内周面132bと、下側の内周面132bと、を当接するまで仮想的に延長した場合に、その上側の内周面132bと下側の内周面132bとに挟まれてできる角の角度のことをいう。
【0025】
なお、筒部132を設けない場合には、内周面132bのテーパがなくなることから、上述した入口開口部132aの内径R1と弁口1311bの内径R2との差により、入口開口部132aと弁口1311bとの間に段差が生じ、傾斜角度θは、実質的に180°となる。この場合、入口管17側から流れる流体が、段差によって部分的に堰き止められることから、流体を多く流すことが難しい。このため、筒部132の内周面132bのテーパの所定の傾斜角度θは、例えば、後述する効果を得るために、45°以下に設定することが好ましい。なお、第一実施形態では、図1、2に示す傾斜角度θは、20°の状態となっている。
【0026】
また、傾斜角度θを45°以下にする場合、内周面132bの軸方向の長さL1(筒部132の軸方向の長さ)が短いと、入口開口部132aの内径R1と、弁口1311bの内径R2と、の寸法差が小さくなる。そうすると、上述した当接面1311aの幅寸法が小さくなってしまう。このため、内周面132bの軸方向の長さL1は、弁口1311bの軸方向の長さL2よりも大きく設定することが好ましく、具体的には、長さL1は、弁口1311bの内径R2の1/2よりも大きく設定するとより好適である。
【0027】
なお、上述のように入口開口部132aの内径R1を弁口1311bの内径R2よりも大きくする構成上、傾斜角度θを小さくするほど、内周面132bの軸方向の長さを大きく確保する必要が生じるが、その分、筒部132の材料コスト及び加工コストが上昇することから、傾斜角度θは、10°以上に設定することがより好適である。
【0028】
接続部133は、筒部132に連続し、一方側X1に延び、入口管17を接続する筒状部分である。接続部133の内周面133aの内径は、入口開口部132aの内径R1よりも大きく設定されている。これにより、筒部132の内周面132bと接続部133の内周面133aとの間には、他方側X2に凹む段差部133bが形成されている。接続部133には、不図示の配管に接続される入口管17の他方側X2の端部が他方側X2に向かって段差部133bに当接するまで挿入され、その状態でろう付け等により固定されている。
【0029】
入口管17は、出口管16と同様に銅製であり、その内径R3は、上述のとおり、入口開口部132aの内径R1と同径となっている。これにより、入口管17の内周面と、筒部132の内周面132bと、は、段差等を生じさせずに連続し、入口管17は入口開口部132aに連通している。
【0030】
弁ホルダ14は、外管本体11内で弁体15を収容する部分であり、図1に示すように、上述の縮径部131の他方側X2の端面から他方側X2に立ち上がる筒状に形成されている。弁ホルダ14の外径は、外管本体11の内径よりも小さく設定されている。弁ホルダ14には、円筒状の周面を径方向に貫通する連通孔14aが4個所に形成されている。こにより、弁ホルダ14の内部と外管本体11の内部とが連通している。弁ホルダ14の他方側X2の端部内面には、ステンレス鋼等の金属材料で形成された略円環状の弁ストッパ18が取り付けられている。弁ストッパ18は、当接した弁体15が他方側X2に移動することを規制する止め輪であり、弁体15の他方側X2への移動における最端位置を規定している。
【0031】
弁体15は、弁本体12の弁ホルダ14内で軸方向にスライド可能に設けられた樹脂製部材である。弁体15は、略円柱状の弁体本体151に軸方向に延びる4つの溝151aを有し、軸方向に交差する断面の断面形状が略十字形となるように形成されている。溝151aを形成したことで、弁体15の弁ホルダ14に対する移動抵抗が軸線Xまわりに小さくなり、弁体15のスライド移動を円滑に行えるようになっている。
【0032】
弁体15の弁体本体151の中央には、他方側X2の端面中央から一方側X1に向かって貫通しないように肉抜きされた肉抜き部151bが形成されている。この肉抜き部151bは、弁体15の樹脂成形時にヒケや気泡等の発生を抑制するとともに、弁体15の軽量化に寄与している。弁体本体151の一方側X1の端部は、弁体本体151の底板部151cを構成しており、底板部151cの外周端部は、弁座部1311の当接面1311aに当接する当接面151c-1となっている。これにより、弁体15と弁座部1311とが、互いに平坦な当接面1311a、当接面151c-1同士で当接可能となっている。
【0033】
このように構成された逆止弁1は、様々な姿勢で使用される。例えば、図1に示す軸方向が鉛直方向である場合、すなわち縦置き状態で使用される場合には、次のように動作する。まず、弁体15が弁座部1311に着座して図1に示す位置(以下、弁閉位置ともいう)にあるときに、入口管17から出口管16へと正流方向に流体が流れる。そうすると、弁口1311bから流出する流体に押された弁体15が、弁ストッパ18に当接する位置(以下、弁開位置ともいう)まで移動する。そして、流体の正流方向への流れが止まると弁体15が自重で落下して、再び弁座部1311に着座する。
【0034】
また、逆止弁1は、横置き状態や、上下逆向きの縦置き状態で使用される場合には、次のように動作する。まず、弁体15が弁閉位置に位置する状態では、入口管17側よりも出口管16側の圧力が高く設定され、このときの差圧によって弁体15が弁座部1311に押し付けられて着座状態が維持される。この状態において入口管17側から出口管16側へと正流方向に流体が流れると、弁口1311bから流出する流体に押された弁体15が、弁開位置まで移動する。そして、流体の正流方向への流れが止まり、出口管16側の圧力が入口管17側よりも高まると、その差圧によって弁体15が弁座部1311に再び着座する。
【0035】
この逆止弁1は、図8に示すように、冷凍サイクルシステム50における冷媒の流路の途中に設置されて使用される。冷凍サイクルシステム50は、例えば、業務用エアコン等の空気調和機に用いられる。この冷凍サイクルシステム50は、室内側熱交換器51、室外側熱交換器52、膨張弁53、四方弁54、並列に接続された3台の圧縮機55、が配管で接続されたものである。逆止弁1は、各圧縮機55への冷媒の逆流を防ぐために、各圧縮機55における吐出(高圧出力)側と四方弁54との間に、圧縮機55を入口管17側、四方弁54を出口管16側として接続されている。
【0036】
冷房運転時には、実線矢印D51で示されているように、冷媒が圧縮機55で圧縮された後、逆止弁1と四方弁54を経て室外側熱交換器52に至る。そして、この室外側熱交換器52で熱を放出した後、膨張弁53を経て室内側熱交換器51に流れ、室内側熱交換器51で熱を吸収した冷媒が、四方弁54を介して圧縮機55に戻る。暖房運転時には、点線矢印D52で示されているように、冷媒が圧縮機55で圧縮された後、逆止弁1と四方弁54を経て室内側熱交換器51に流れ、室内側熱交換器51で熱を放出した冷媒が、膨張弁53を経て室外側熱交換器52に至る。そして、この室外側熱交換器52で熱を吸収した後、四方弁54を介して圧縮機55に戻る。冷凍サイクルシステム50は、これらのサイクルを繰り返して室内の冷房または暖房を行う。
【0037】
ここで、例えば、冷却負荷が大きい条件では、3台の圧縮機55を同時に運転するため、3台の各逆止弁1は全開状態となる。また、冷却負荷が小さい条件では、1台の圧縮機55の運転だけで足りるので、他の2台の圧縮機55は運転しない。このときには、2台の逆止弁1の出口管16側圧力が入口管17側圧力より高くなることで出口管16側からの逆流が生じ、2台の逆止弁1が閉じた状態となる。
【0038】
次に、本実施形態における入口開口部132aと弁口1311bとの間の内周面132bの所定の傾斜角度θ(テーパ角度)と、容量係数の一つであるCv値の関係について図3を用いて説明する。Cv値とは、指定された条件下で調整弁の容量を表すために用いる基本的係数の一つであり、値が大きいほど、逆止弁1は、流体を多く流すことができる。
【0039】
本実施形態では、図1に示す逆止弁1の全長L3を120mmに設定し、入口管17の内径R3を12mmに設定し、弁口1311bの内径R2を10mmに設定し、弁口1311bの軸方向の長さL2を2mmに設定した上で、傾斜角度θを180°~10°の範囲で変化させ、流体解析ソフトを用いてCv値の算出を行った。但し、計算条件等の数値は、一例であり、逆止弁のサイズにより、相似的に各数値を変えても同様の効果がある。なお、入口管17の内径と弁口1311bとの間に段差を作らないようにするため、傾斜角度θの変化に伴い、内周面132bの軸方向の長さL1は変化させる。また、例外として、傾斜角度θが180°の場合は、内周面132bが設けられず入口開口部132aと弁口1311bとの間に段差が生じる。
【0040】
図3において、横軸は、弁座入口テーパ角度、すなわち本実施形態の傾斜角度θを表し、縦軸は、傾斜角度θが180°のときのCv値を100%とした場合のCv値の割合を示している。この解析によれば、傾斜角度θが150°~45°の範囲でCv値が一次関数的に向上するという結果が得られた。具体的には、傾斜角度θが180°の場合のCv値を基準とした場合、傾斜角度θが45°以下でCv値は、最大15.6ポイント向上した。
【0041】
なお、従来の逆止弁の構造において、傾斜角度θが180°すなわち、入口開口部132aと弁口1311bとの間に段差が生じる場合に、この段差の角部を例えば傾斜角度θが90°程度になるように面取りしてCv値を向上させることが考えられる。しかしながら、傾斜角度θが90°の場合のCv値を基準とした場合でも、傾斜角度θが45°以下でCv値は、最大6.3ポイント向上した。
【0042】
一方、45°~10°の範囲では、Cv値は微増した。ここで、上述のとおり傾斜角度θが小さいほど内周面132bの軸方向の長さL1を長くする必要が生じるが、内周面132bの軸方向の長さL1が長いほど筒部132の材料コスト及び加工コストが増加することから、内周面132bの軸方向の長さL1が短い方が加工コスト的に有利となる。このため、傾斜角度θは、10°以下にはせず、10°~45°の範囲で設定することが望ましい。
【0043】
このような本発明によれば、弁体15と弁座部1311とは、平坦な当接面151c-1、当接面1311a同士で当接することから、弁体15が傾き難く、上述したテーパ/エッジシール構造を備える従来の構造と比較して、逆止弁1のシール性能を向上させることができる。また、入口開口部132aと、弁口1311bとは、筒部132におけるテーパを有して形成された内周面132bによって繋がれることとなり、入口開口部132aと弁口1311bとの間に段差が生じない。このため、入口開口部132aと弁口1311bとの間を流れる流体の流れをスムーズにすることができる。したがって、一次管の内面と弁座本体13との間に段差が形成される従来の構造と比較して、Cv値を向上させることができる。また、筒部132の内周において、入口開口部132aの内径R1よりも弁口1311bの内径R2が小さくなるので、その差を利用して弁口1311bの周りに平坦な当接面1311aを設けることができ、弁座本体13の外径寸法が大きくなることを抑えることができる。したがって、シール性能を向上させるとともにCv値の低下を抑制し、かつ大型化を防ぐ逆止弁を得ることができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、入口管17(一次管)の内径R3と入口開口部132aの内径R1とが同径に設定されていることから、入口管17と入口開口部132aとの間に、段差が生じなくなることで、入口管17と入口開口部132aとの間を流れる流体の流れをスムーズにすることができ、Cv値を向上させることができる。
【0045】
また、筒部132の内周面132bの傾斜角度θを、45°以下としたことで、傾斜角度θが180°のときのCv値100%を基準とした場合、最大15.6ポイント、傾斜角度θが90°のときのCv値100%を基準とした場合、最大6.3ポイント、Cv値を向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、シール性能を向上させるとともにCv値の低下を抑制し、かつ大型化を防ぐ逆止弁1を用いて、冷凍サイクルシステム50を構成することができる。
【0047】
尚、以上に説明した第1実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これに限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によっても尚本発明の逆止弁及び冷凍サイクルシステムの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0048】
例えば、上述の第1実施形態では、業務用エアコン等の空気調和機に用いられる逆止弁1を例示したが、逆止弁1は、業務用エアコンに限らず、家庭用エアコンに用いてもよいし、空気調和機に限らず、各種の冷凍機、冷蔵庫等にも適用可能である。また、以上の様々な冷凍サイクルシステムにおいて、図8に示すように、圧縮機の吐出側への取付けに限定するものではなく、様々な冷凍サイクルシステム中の様々な場所での逆流防止用として適用が可能である。また、各冷凍サイクルシステムの冷媒としては、多種多様な冷媒(例えば、各種フロン系冷媒や、炭化水素系冷媒やCO2やアンモニア等といった自然冷媒等)がある。これらのどの冷媒に対応した冷凍サイクルシステムにも本発明の逆止弁を適用することができる。
【0049】
次に、本発明の第1実施形態の変形例について説明する。図4は、第1実施形態の変形例に係る逆止弁1´の全体断面図である。逆止弁1´では、上述の出口管16に相当する出口管16´の形状が、第1実施形態と異なっている。出口管16´は、外管本体11の他方側X2に接続される接続管部161と、接続管部161に連続して他方側X2に延び縮径された縮径管部162と、縮径管部162に連続して他方側X2に延び拡径された拡径部163と、を備えている。すなわち、出口管16´は、縮管加工と、拡管加工がなされている。このような構成においても、上述の第1実施形態と同様の、作用、効果を得ることができる。
【0050】
次に、本発明の第2実施形態に係る逆止弁2について説明する。図5は、第2実施形態に係る逆止弁2の全体断面図である。逆止弁2は、上述の弁座本体13に相当する弁座本体23を備えている。弁座本体23は、入口管17の他方側X2の端部が当接する段差部133bと、入口開口部132aと、の間に他方側X2に凹む第二段差部231が形成されている。これにより、弁座本体23に接続された入口管17の他方側X2の端縁と、入口開口部132aとの間に、軸方向の隙間232が形成されている。この隙間232は、入口管17を弁座本体23にろう付けする際のろう溜まり部として機能する。
【0051】
この、ろう溜まり部としての隙間232へのろうの溜まり方は一定ではなく、隙間232が全て埋まる場合もあるが、ほとんど埋まらない場合もある。また、隙間232の大きさによっても埋まり方は変わる。
【0052】
なお、一般的には、こうしたろうで埋まらない場合のある隙間232を設けると、隙間232に流体が留まり、圧損が大きくなることで、流体が流れにくくなることが考えられる。しかしながら、第2実施形態において、筒部132の内周面132bの傾斜角度θを20°にして、ろうが全くない場合の隙間の状態にて上述のCv値の算出を行ったところ、第1実施形態(すなわち、隙間232を有さない構造)の傾斜角度θが180°の場合のCv値100%を基準とした場合、113.7%という結果となり、最大で13.7ポイントCv値を向上させることができた。これは、図3に示す傾斜角度θが20°の場合(すなわち、第1実施形態の構造における傾斜角度θが20°の場合)のCv値である115.6%よりは僅かに小さなCv値ではあるものの、傾斜角度θが180°の場合よりも遥かに大きな値であり、第2実施形態においても、Cv値の向上が見られた。
【0053】
この様に隙間232が生じていてもCv値の向上が見られる理由としては、入口管17の内径と入口開口部132aの内径が同じため、隙間232があっても流体の直進方向に障壁となる段差部等がないからである。このため、流体は入口管17から、入口管17の内周に沿って他方側X2方向にまっすぐ流れ、入口開口部132aの内周面に沿ってスムーズに流れていく。
【0054】
このような本発明によれば、例えば、入口開口部132aと、入口管17の縁部と、の間に隙間232が生じているような場合でも、シール性能を向上させるとともにCv値の低下を抑制し、かつ大型化を防ぐ逆止弁2を得ることができる。
【0055】
ここで、第1実施形態や第2実施形態においては、入口管17と、弁本体12の弁座本体13(第2実施形態では弁座本体23)の接続部133と、筒部132と、外管本体11と、出口管16とは、逆止弁1、1´、2を構成する外側に位置する部分であり、この全体を総称して本発明における「外管部」とする。なお、上述の第1実施形態や第2実施形態において、外管本体11と弁座本体13はレーザー溶接等で固定するものではなく、この2つの部材が一部材で形成された一体の構造でもよく、また、外管本体11と出口管16の間に接続部材等の部材を挟んで逆止弁が構成されていてもよく、この接続部材も含めて外管部とすることができる。
【0056】
なお、第1実施形態や第2実施形態では、弁座本体13の他方側X2の部分と、外管本体11の一方側X1端部でレーザー溶接等により固定されていることから、外管本体11の内部に弁座部1311の全部が配置されているとはいえないため、前記説明では一部が配置されているとしたが、上記の様に筒部132も外管部といえるため(すなわち、筒部132は、外管部の一部を構成可能なため)、外管部としての外管本体11と筒部132の部分の内部に外管部と一体である弁座部1311があるといえる。
【0057】
しかし、この構成はこれに限られず、後述の第3実施形態で示すように、弁座部1311と外管部としての外管本体11とを別体(別部材)になるように構成してもよい。すなわち、弁座本体13は、外管部と一体または別体の弁座部1311を外管部の内部に配置するように設けられてよい。
【0058】
次に、本発明の第3実施形態に係る逆止弁3について説明する。図6は、第3実施形態に係る逆止弁3の全体断面図である。逆止弁3は、外管本体31を備えている。第3実施形態の外管本体31は、第3実施形態における「外管部」であり、上述の外管本体11と、入口管17と、出口管16と、に相当する構成を一体とした銅製の一体成形部材として構成されている。外管本体31は、一方側の入口管部311(一次管)と、入口管部311に連続する本体管部312と、本体管部312に連続する出口管部313と、を備えている。入口管部311は、上述の入口管17に相当する。本体管部312は、内部に弁座本体33と弁ホルダ34を有する弁本体32を収容している。弁ホルダ34には、弁体35が収容されている。出口管部313は、上述の出口管16に相当する。
【0059】
本体管部312の一方側X1の周面の4箇所には、径方向内側に変形して弁座本体33を固定する固定部312aが形成されている。この固定部312aは、プレス装置のポンチによってカシメ変形され、弁座本体33の後述する環状凹部332cに食い込むようになっており、これによって、弁座本体33が本体管部312内部の所定位置に固定されるようになっている。
【0060】
弁座本体33は、本体管部312の一方側X1の内部に軸方向に向かって圧入されている。この弁座本体33は、ステンレス鋼等の金属材料を用いて切削加工等により形成されている。弁座本体33は、他方側X2に弁座部331を有し、一方側X1に筒部332を有している。
【0061】
弁座部331は、一方側X1に凹む段差状に形成され、その他方側X2を向く面は、弁体35が着座する平坦な当接面331aを構成している。弁座部331の中央には、軸方向に開口する弁口331bが形成されている。
【0062】
筒部332は、弁口331bに連続して一方側X1に延びる部分であり、その一方側X1の端部には、一方側X1に開口する入口開口部332aが形成されている。すなわち、入口開口部332aは、筒部332に連続して一方側X1に開口している。入口開口部332aの内径は、弁口331bの内径よりも大きく、かつ入口管部311の内径と同径に設定されている。このため、筒部332の内径は、入口開口部332aから弁口331bに向かって縮径しており、これによって筒部332の内周面332bは、入口開口部332aから弁口331b亘って所定の傾斜角度θのテーパを有して形成されている。所定の傾斜角度θの値は、上述の第1実施形態と同様に設定されている。筒部332の周面には、上述の固定部312aに対応する位置に径方向内側に変形する環状凹部332cが形成されている。
【0063】
逆止弁3は、上述のとおり、弁ホルダ34と弁体35と、を備えている。弁ホルダ34は、上述の弁ホルダ14に相当し、弁体35は、上述の弁体15に相当し、その構造はそれぞれ同じであるので、第3実施形態の逆止弁3の説明では、説明を省略する。
【0064】
このような、入口管部311と出口管部313とが一体となった逆止弁3において、筒部332の内周面332bの傾斜角度θを20°にして、上述のCv値の算出を行ったところ、第1実施形態(すなわち、入口管部311と出口管部313に相当する構成が一体でない構造)の傾斜角度θが180°の場合のCv値100%を基準とした場合、114.2ポイントという結果となり、最大で14.2ポイントCv値を向上させることができた。すなわち、Cv値の向上が見られた。このような構成によれば、入口管部311と出口管部313とが一体となった逆止弁3においても、シール性能を向上させるとともにCv値の低下を抑制し、かつ大型化を防ぐ逆止弁3を得ることができる。
【0065】
次に、第3実施形態の変形例に係る逆止弁3´について説明する。図7は、第3実施形態の変形例に係る逆止弁3´の全体断面図である。逆止弁3´は、筒部332の内周面332b´の形状が、上述の内周面332bと異なっている。内周面332b´は、入口開口部332aから他方側X2に向かって軸方向に延びるストレート部332b´-1と、ストレート部332b´-1に連続し、弁口331bに向かって縮径しながら延びるテーパ部332b´-2と、を備えている。すなわち、逆止弁3´の入口開口部332aは、軸方向に所定長さ延びるストレート部332b´-1を有している。
【0066】
そして、このような構成においても、シール性能を向上させるとともにCv値の低下を抑制し、かつ大型化を防ぐ逆止弁3´を得ることができる。
【0067】
なお、上述した各実施形態及び変形例において、所定の傾斜角度θは、例えば、20°や30°など、一定の角度として説明したが、この角度は、一定の角度でもよいし、途中で角度が変化してもよいし、連続的に角度を変化させて例えば、筒部132の内周面132bを弧状にしてもよい。
【0068】
なお、内周面132bは、テーパ状や弧状(R状)に限定するものではない。すなわち、入口管17の内周面から入口開口部132a、そして内周面132bから弁口1311bまでの流路に段差等がなく、入口管17の内周面から滑らかに連続して弁口1311bまで繋がっている形状であれば、本発明に含まれる。
【0069】
なお、第2実施形態における隙間232の部分において、入口管17の他方側X2の端面の内周部の角部と、入口開口部132aの内周部の角部と、に多少の面取り、R加工がされていても、本発明と同様の作用、効果が得られ、本発明に含まれる。
【0070】
また、第1実施形態、第3実施形態において、入口管17の他方側X2の端面の内周部の角部と、入口開口部132aの内周部の角部は、ともに同内径であり、隙間なく軸線X方向に当接しているが、両角部に多少の面取り、R加工が施されていても本発明と同様の作用、効果を得ることができ、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
θ 傾斜角度
X1 一方側
R1 入口開口部の内径
R2 弁口の内径
1 逆止弁1
11 外管本体
13 弁座本体
1311 弁座部
1311a 当接面
1311b 弁口
132 筒部
132a 入口開口部
132b 内周面
15 弁体
151c-1 当接面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の逆止弁は、軸方向に延びる外管部と、弁座部を前記外管部の内部に配置するように設けられた弁座本体と、前記弁座部と互いに平坦な当接面同士で当接可能な弁体と、を備えた逆止弁であって、前記弁座本体は、前記弁座部に開口する弁口と、前記弁口に連続して前記軸方向の一方側に延びる筒部と、前記筒部に連続して前記一方側に開口する入口開口部と、を有し、前記弁口の内径が前記入口開口部の内径よりも小さく形成され、前記筒部の内周面は、前記入口開口部から前記弁口に亘って所定の傾斜角度のテーパを有して形成されていることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる外管部と、弁座部を前記外管部の内部に配置するように設けられた弁座本体と、前記弁座部と互いに平坦な当接面同士で当接可能な弁体と、を備えた逆止弁であって、
前記弁座本体は、前記弁座部に開口する弁口と、前記弁口に連続して前記軸方向の一方側に延びる筒部と、前記筒部に連続して前記一方側に開口する入口開口部と、を有し、
前記弁口の内径が前記入口開口部の内径よりも小さく形成され、
前記筒部の内周面は、前記入口開口部から前記弁口に亘って所定の傾斜角度のテーパを有して形成されていることを特徴とする逆止弁。
【請求項2】
前記外管部は、前記入口開口部に連通する一次管を備え、
前記入口開口部の内径は、前記一次管の内径と同径に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の逆止弁。
【請求項3】
前記外管部は、前記入口開口部に連通する一次管を備え、
前記筒部の前記軸方向の長さは、前記弁口の前記軸方向の長さよりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の逆止弁。
【請求項4】
前記筒部の内周面の傾斜角度は、45°以下であることを特徴とする請求項3に記載の逆止弁。
【請求項5】
前記筒部の内周面の傾斜角度は、10°~45°であることを特徴とする請求項4に記載の逆止弁。
【請求項6】
前記筒部の前記軸方向の長さは、前記弁口の内径の1/2よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の逆止弁。
【請求項7】
前記入口開口部と前記一次管の端縁との間には、隙間が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の逆止弁。
【請求項8】
前記入口開口部は、前記軸方向に所定長さ延びるストレート部を有していることを特徴とする請求項4に記載の逆止弁。
【請求項9】
請求項4に記載の逆止弁を備えた冷凍サイクルシステム。