(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086155
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】静電容量型センサ、静電容量型センサの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01L 1/14 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
G01L1/14 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201140
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】508282568
【氏名又は名称】ザ ユニバーシティ オブ ブリティッシュ コロンビア
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】石▲崎▼ 隆介
(72)【発明者】
【氏名】濱津 文哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョーン ディー ダブリュー マッデン
(72)【発明者】
【氏名】キーラン モートン
(72)【発明者】
【氏名】オースティン ウェアー
(72)【発明者】
【氏名】ミルザ サキーブ サーウォー
(57)【要約】
【課題】センサ特性を向上し剥離耐性を向上する。
【解決手段】複数の層からなる静電容量型センサであって、第1電極を含む第1層と、第1層に対向するように配置される第2電極を含む第2層と、を備え、少なくとも第1層または第2層のいずれか一方は、誘電体かつ弾性変形可能なエラストマからなるエラストマ層であり、第1層または第2層と同じ材料である硬化前状態のエラストマを塗布して硬化した接着層によりエラストマ層が接着されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の層からなる静電容量型センサであって、
第1電極を含む第1層と、
当該第1層に対向するように配置される第2電極を含む第2層と、
を備え、
少なくとも前記第1層または前記第2層のいずれか一方は、誘電体かつ弾性変形可能なエラストマからなるエラストマ層であり、
前記第1層または前記第2層と同じ材料である硬化前状態のエラストマを塗布して硬化した接着層により前記エラストマ層が接着されている、
ことを特徴とする静電容量型センサ。
【請求項2】
前記第1層および前記第2層の間には、前記第1層と前記第2層とが対向する積層方向に延在するとともに、前記積層方向に交差する方向に互いに離間して配置された複数のピラーを有し、
前記ピラーは、前記第1層または前記第2層と同じエラストマからなる材料である前記接着層により接着されている、
ことを特徴とする請求項1記載の静電容量型センサ。
【請求項3】
前記ピラーは、前記第1層または前記第2層の少なくともいずれか一方と一体に形成される、
ことを特徴とする請求項2記載の静電容量型センサ。
【請求項4】
複数の層からなり、
第1電極を含む第1層と、
当該第1層に対向するように配置される第2電極を含む第2層と、
を備える静電容量型センサの製造方法であって、
少なくとも前記第1層または前記第2層のいずれか一方として、誘電体かつ弾性変形可能なエラストマからなるエラストマ層を形成する準備工程と、
前記第1層または前記第2層と同じ材料である硬化前状態のエラストマを塗布した後に硬化して前記エラストマ層を接着する接着層を形成する接着工程と、
を有する、
ことを特徴とする静電容量型センサの製造方法。
【請求項5】
前記第1層および前記第2層の間には、前記第1層と前記第2層とが対向する積層方向に延在するとともに、前記積層方向に交差する方向に互いに離間して複数配置された前記第1層または前記第2層と同じ材料であるピラーを有し、
前記接着工程では、前記接着層により前記ピラーが接着される、
ことを特徴とする請求項4記載の静電容量型センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は静電容量型センサ、静電容量型センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
触覚センサなどとして、柔軟な静電容量型センサが用いられる。このような静電容量型センサとしては、互いに離間して対向する電極間の位置が変わることで、所定のセンシングを可能としている。
【0003】
ここで、センサにおける検出特性としては、積層された電極間の距離など相対位置の変化量に、大きな影響を与えられる。そこで、電極を所定の相対位置関係で維持するとともに、かつ、センシング量に対応して、速やかな変位可能に支持する構造が必要である。このような電極支持の構造として、たとえば、柔軟なエラストマ等からなる層を積み重ねる構成が知られている。このような構成からなるセンサの製造時には、積み重ねられたそれぞれの柔軟な層が互いに接着される。
【0004】
特許文献1~4には、エラストマ等の柔軟な弾性材料における接着に関する技術が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-154443号公報
【特許文献2】特開平02-233242号公報
【特許文献3】特表2021-508747号公報
【特許文献4】特開2016-026552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしこれらの特許文献1~4には、静電容量型センサの製造におけるエラストマなどの柔軟層の接着に用いて好ましい技術が記載されていない。
特に、必要なセンサ特性を維持するためには、エラストマ等の柔軟層と接着剤とにおいて、応力に対する変形特性が一致していることが必要であるが、特許文献1~4に記載される技術では不十分であった。同時に、応力に対する変形特性が均一であることが必要であるが、特許文献1~4に記載される接着技術では不十分であった。
さらに、柔軟な静電容量型センサでは、変形することが前提であり、エラストマ等の柔軟層と接着剤とが剥離しないことが必要であるが、特許文献1~4に記載される技術では応力が集中しやすく剥がれやすいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、接着剤により積層されたセンサ部分における柔軟性が異なることがなく,変形度合いが均一で、センサの柔軟特性が一定で、感度が低下することがなく、また、応力集中の発生を抑制可能で、剥離発生を抑制することができる静電容量型センサを提供可能とするという目的を達成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、
複数の層からなる静電容量型センサ(10)であって、
第1電極(13)を含む第1層(11)と、
当該第1層(11)に対向するように配置される第2電極(14)を含む第2層(12)と、
を備え、
少なくとも前記第1層(11)または前記第2層(12)のいずれか一方は、誘電体かつ弾性変形可能なエラストマからなるエラストマ層であり、
前記第1層(11)または前記第2層(12)と同じ材料である硬化前状態のエラストマを塗布して硬化した接着層(18a)により前記エラストマ層が接着されている、
ことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1記載の静電容量型センサ(10)において、
前記第1層(11)および前記第2層(12)の間には、前記第1層(11)と前記第2層(12)とが対向する積層方向に延在するとともに、前記積層方向に交差する方向に互いに離間して配置された複数のピラー(15)を有し、
前記ピラー(15)は、前記第1層(11)または前記第2層(12)と同じエラストマからなる材料である前記接着層(18a)により接着されている、
ことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項2記載の静電容量型センサ(10)において、
前記ピラー(15)は、前記第1層(11)または前記第2層(12)の少なくともいずれか一方と一体に形成される、
ことを特徴とする。
上記課題の解決手段として、請求項4に記載した発明は、
複数の層からなり、
第1電極(13)を含む第1層(11)と、
当該第1層(11)に対向するように配置される第2電極(14)を含む第2層(12)と、
を備える静電容量型センサ(10)の製造方法であって、
少なくとも前記第1層(11)または前記第2層(12)のいずれか一方として、誘電体かつ弾性変形可能なエラストマからなるエラストマ層を形成する準備工程(S00)と、
前記第1層(11)または前記第2層(12)と同じ材料である硬化前状態のエラストマを塗布した後に硬化して前記エラストマ層を接着する接着層(18a)を形成する接着工程(S11,S12)と、
を有する、
ことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項4記載の静電容量型センサ(10)の製造方法において、
前記第1層(11)および前記第2層(12)の間には、前記第1層(11)と前記第2層(12)とが対向する積層方向に延在するとともに、前記積層方向に交差する方向に互いに離間して複数配置された前記第1層(11)または前記第2層(12)と同じ材料であるピラー(15)を有し、
前記接着工程(S11,S12)では、前記接着層(18a)により前記ピラー(15)が接着される、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載した発明によれば、積層されるエラストマ層を同じ材料からなる接着剤によって接着することで、この接着箇所における柔軟さを変化させずに均等な柔軟さを有する。すなわち、接着剤による接着箇所において、応力に対応した変形程度を均一にして、接着に起因する電極間の相対位置の変動に対する不均一な状態を抑制できる。これにより、電極間の相対変位による静電容量変化を所定の状態にして、センサ特性悪化を抑制することが可能となる。
ここで、同一材料であるエラストマ層と接着剤との接着面では、分子レベルで結合している必要はなく、エラストマ層の接着面に形成されている微小な凹凸に硬化前の接着剤が浸み込むとともに、この状態で接着剤が硬化されることによって充分な接着性、剥離耐性を有することができる。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、それぞれ電極を有する第1層および第2層の間に形成されたピラーを接着剤で接着することで、同じ外力が作用した場合でも電極間の位置変位を大きくするピラーにおいて、応力に対応した変形程度を接着剤と同じにして、接着剤の柔軟性がピラーの柔軟性と異なることに起因するセンサとしての検出精度の悪化を防止することができる。したがって、センサとしての検出精度を向上させることができる。
また、電極の対向面に沿った方向でピラーの形成寸法を所定の状態に設定することで、センサとして検出する外力の方向を適宜設定する構成とした際に、所定のセンサ特性を規定するピラーにおいて、接着剤の柔軟性がピラーの柔軟性と異なることに起因するセンサ特性としての検出精度の悪化を防止することができる。これにより、所定のセンサ特性である検出精度を向上可能なセンサを提供することが可能となる。
【0011】
請求項3に記載した発明によれば、センサの検出特性に直結する電極間の相対変位を規定するピラーを接着剤で接着することで、同じ外力が作用した場合でも電極間の位置変位を大きくすることができるピラーにおいて、接着剤の柔軟性がピラーの柔軟性と異なることに起因するセンサとしての検出精度の悪化を防止することができる。したがって、センサとしての検出精度を向上させることができる。
また、電極の対向面に沿った方向でピラーの形成寸法を所定の状態に設定することで、センサとして検出する外力の方向を適宜設定する構成とした際に、所定のセンサ特性を規定するピラーにおいて、接着剤の柔軟性がピラーの柔軟性と異なることに起因するセンサ特性としての検出精度の悪化を防止することができる。これにより、所定のセンサ特性である検出精度を向上可能なセンサを提供することが可能となる。
【0012】
請求項4に記載した発明によれば、積層されるエラストマ層を同じ材料からなる接着剤によって接着することで、この接着箇所における柔軟さを変化させずに均等な柔軟さを有する。すなわち、接着剤による接着箇所において、応力に対応した変形程度を均一にして、接着に起因する電極間の相対位置の変動に対する不均一な状態を抑制できる。これにより、電極間の相対変位による静電容量変化を所定の状態にして、センサ特性悪化を抑制可能な静電容量型センサを提供することができる。
請求項5に記載した発明によれば、それぞれ電極を有する第1層および第2層の間にピラーをして接着剤で接着することで、同じ外力が作用した場合でも電極間の位置変位を大きくすることができるピラーにおいて、接着剤の柔軟性がピラーの柔軟性と異なることに起因するセンサとしての検出精度の悪化を防止することができる。したがって、センサとしての検出精度を向上させることができる。
また、電極の対向面に沿った方向でピラーの形成寸法を所定の状態に設定することで、センサとして検出する外力の方向を適宜設定する構成とした際に、所定のセンサ特性を規定するピラーにおいて、接着剤の柔軟性がピラーの柔軟性と異なることに起因するセンサ特性としての検出精度の悪化を防止することができる。これにより、所定のセンサ特性である検出精度を向上可能なセンサを提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、接着面で柔軟さが変わらず均一な変形特性を有することで、センサ特性の不均一化を防止可能で、接着箇所で強固に結合し剥離発生を防止でき、さらに、同じセンサ特性で追加積層できることで多機能化が可能となり、高感度とワイドダイナミックレンジを両立するような複雑なピラー構造を実現可能な静電容量型センサを提供可能とすることができるという効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る静電容量型センサ、静電容量型センサの製造方法の第1実施形態を示す模式断面図である。
【
図2】本発明に係る静電容量型センサの製造方法の第1実施形態における工程を示すフローチャート図である。
【
図3】本発明に係る静電容量型センサの製造方法の第1実施形態における工程を示す断面図である。
【
図4】本発明に係る静電容量型センサの製造方法の第1実施形態における工程を示す断面図である。
【
図5】本発明に係る静電容量型センサの製造方法の第1実施形態の動作を説明する断面図である。
【
図6】本発明に係る静電容量型センサ、静電容量型センサの製造方法の第2実施形態を示す断面図である。
【
図7】本発明に係る静電容量型センサの製造方法の第2実施形態における工程を示す斜視図である。
【
図8】本発明に係る静電容量型センサの製造方法の第2実施形態における工程を示す斜視図である。
【
図9】本発明に係る静電容量型センサの第2実施形態の動作を説明する断面図である。
【
図10】本発明に係る静電容量型センサの第2実施形態の動作を説明する断面図である。
【
図11】本発明に係る静電容量型センサの第2実施形態の動作を説明するための垂直荷重と変形量との関係を示す図である。
【
図12】本発明に係る静電容量型センサ、静電容量型センサの製造方法の第2実施形態におけるピラーの他の例を示す断面図である。
【
図13】本発明に係る静電容量型センサ、静電容量型センサの製造方法の第2実施形態におけるピラーの他の例を示す断面図である。
【
図14】本発明に係る静電容量型センサ、静電容量型センサの製造方法の第2実施形態におけるピラーの他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る静電容量型センサ、静電容量型センサの製造方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における静電容量型センサを示す断面図であり、図において、符号10は、静電容量型センサである。
【0016】
本実施形態に係る静電容量型センサ10は、
図1に示すように、第1電極13を含む第1電極支持層(第1層)11と、第1電極支持層11に対向するように配置される第2電極14を含む第2電極支持層(第2層)12と、接着剤からなる接着層18aと、を備える。第1電極支持層11および/または第2電極支持層12は、誘電体かつ弾性変形可能なエラストマからなるエラストマ層である。接着層18aは、エラストマ層と同じ材料である硬化前状態のエラストマを接着剤として塗布した後に硬化したものである。
【0017】
第1電極支持層11、第2電極支持層12、接着層18aは、塗布後に硬化可能なエラストマとされる。たとえば、熱硬化性樹脂などを選択することが好ましい。
第1電極支持層11、第2電極支持層12、接着層18aは、たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)のゲル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、あるいは、これらの複合材料等から成る柔軟な誘電体により弾性変形可能に構成される。なお、エラストマは、後述する硬化処理に対して、可逆性を有さないものを選択することが好ましい。
【0018】
第1電極13および第2電極14は、いずれも伸縮性を有する導体により構成される。第1電極13および第2電極14は、炭素、カーボンナノファイバ、グラファイトなどの導体を混入したシリコン系などの樹脂、銀、銅などの金属導電性フィラーなどを含有するシリコン系などの樹脂、チオフェン系導電性高分子、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等の導電性樹脂、あるいは、これらの複合材料から形成されることができる。
【0019】
第1電極13は、第1電極支持層11に形成される。第1電極13は、第1電極支持層11の厚さ方向に含有されていてもよい。第1電極13は、第1電極支持層11のいずれかの表面に露出して形成されてもよい。第1電極13は、第1電極支持層11を形成する際に、所定の形状として形成されていればよい。第1電極13は、第1電極支持層11と同じ材料に炭素粉末、カーボンナノファイバ、金属粉末等の導電材料を混入して形成されていてもよい。
【0020】
第1電極13は、センサ特性に応じて第1電極支持層11の厚さ方向、あるいは第1電極支持層11の面内方向における形成形状、形成位置、形成数をあらかじめ設定することができる。
第2電極14は、第1電極13と同様に、第2電極支持層12を形成する際に、所定の形状として形成されていればよい。
【0021】
第1電極支持層11、第2電極支持層12は、接着層18aによって接着可能に積層されていれば、その形状などは特に限定されない。特に、第1電極支持層11と第2電極支持層12との間に、厚さ方向に他の層が積層されること、厚さ方向で第1電極支持層11に対して第2電極支持層12とは反対側となる位置に他の層が積層されること、厚さ方向で第2電極支持層12に対して第1電極支持層11とは反対側となる位置に他の層が積層されること、など他の構成が可能である。
【0022】
次に、本実施形態における静電容量型センサの製造方法について説明する。
【0023】
図2は、本実施形態における静電容量型センサの製造方法を示すフローチャートであり、
図3は、本実施形態における静電容量型センサの製造方法を示す断面工程図であり、
図4は、本実施形態における静電容量型センサの製造方法を示す断面工程図である。
静電容量型センサの製造方法は、
図2に示すように、準備工程S00と、塗布工程S11と、硬化工程S12とを有する。塗布工程S11と硬化工程S12とは、接着工程を構成する。
【0024】
準備工程S00においては、
図3に示すように、第1電極支持層11および第2電極支持層12を準備する。第1電極支持層11および第2電極支持層12は、いずれも略板状に形成することができる。第1電極支持層11および第2電極支持層12は、所定の型により成型することなどができる。また、成型時に第1電極支持層11と第1電極13とを同時に形成することもできる。同様に、第2電極支持層12と第2電極14とを同時に形成してもよい。
また、第1電極支持層11および第2電極支持層12は、おなじ材質とすることもできるし、異なる材質とすることもできる。
【0025】
塗布工程S11においては、
図4に示すように、第1電極支持層11および/または第2電極支持層12の接着面に、接着剤18bを塗布する。接着剤18bを塗布する面は、少なくとも、接着剤18bと同じエラストマとすることができる。なお、塗布時の接着剤18bは、硬化されていない。
なお、
図4においては、第1電極支持層11に接着剤18bを塗布しているが、第2電極支持層12に接着剤18bを塗布してもよい。
【0026】
硬化工程S12においては、塗布された接着剤18bに所定の処理をおこなって硬化することで、接着層18aを形成する。硬化処理としては、加熱処理、紫外線照射処理等、エラストマの材質に応じて選択することができる。なお、硬化処理は、エラストマに対して可逆性を有さない、すなわち、接着剤18bへの硬化処理で、第1電極支持層11および第2電極支持層12が可塑性を呈さない程度の処理を選択することが好ましい。
【0027】
硬化工程S12で硬化処理を施すことにより、接着剤18bは、同一材料であるエラストマからなる第1電極支持層11および第2電極支持層12との接着面で、分子レベルで結合している必要はなく、接着前に第1電極支持層11および第2電極支持層12の接着面に形成されている微小な凹凸に硬化前の接着剤18bが浸み込むとともに、この状態で接着剤18bが硬化されて接着層18aが形成されることによって、充分な接着性、剥離耐性を有することができる。
【0028】
接着層18aによって接着された第1電極支持層11および第2電極支持層12により、静電容量型センサ10が完成する。
【0029】
図5は、本実施形態における静電容量型センサの動作を説明する断面図である。
本実施形態に係る静電容量型センサ10は、
図5に示すように、外部荷重Fが印加されていない状態では、平面視して第1電極13と第2電極14との重なる面積はSである。これに対して、
図5で右側に位置する第1電極13は、外部荷重Fが印加されると、第2電極14との重なる面積はS+ΔSとなる。これにより、第1電極13と第2電極14とで形成される静電容量が変化し、この容量変化を検出することで、外部荷重Fを測定することが可能となる。
【0030】
同様に、
図5で左側に位置する第1電極13は、外部荷重Fが印加されると、第2電極14との重なる面積はS-ΔSとなる。このように、第1電極13と第2電極14とで形成される静電容量が変化し、この容量変化を検出することで、外部荷重Fを測定することが可能となる。
【0031】
このとき、第1電極支持層11、第2電極支持層12および接着層18aは、いずれも同一材料のエラストマからなる。このため、第1電極支持層11、第2電極支持層12および接着層18aは、いずれも応力特性が同じである。したがって、局所的に硬さが異なる、あるいは、局所的に柔らかいなどの変形の特異性を有していない。第1電極支持層11、第2電極支持層12および接着層18aは、変形度合いが均一である。つまり、第1電極支持層11、第2電極支持層12および接着層18aは、印加された外部荷重Fに対して、いずれも同じように変形する。これにより、第1電極13と第2電極14との静電容量変化を正確に検出することが可能となる。
【0032】
また、第1電極支持層11と接着層18aとの界面、および、第2電極支持層12と接着層18aとの界面は、いずれも応力特性が同じ状態を維持可能である。このため、第1電極支持層11、第2電極支持層12および接着層18aは、印加された外部荷重Fに対して、いずれも同じように変形する。したがって、接着面での変形特性の不連続性が発生しない。つまり、第1電極支持層11、第2電極支持層12および接着層18aは、印加された外部荷重Fに対して、接着面の有無にかかわらず同じように変形する。これにより、第1電極13と第2電極14との静電容量変化を正確に検出することが可能となる。
【0033】
さらに、第1電極支持層11と接着層18aとの界面、および、第2電極支持層12と接着層18aとの界面は、同材から形成されていることで、均一な特性であるため応力集中が発生せず、剥離耐性を高めることが可能である。また、第1電極支持層11と接着層18aとの界面、および、第2電極支持層12と接着層18aとの界面では、分子構造が同じエラストマどうしで形成されているので結合が強く、互いに剥がれにくい。
【0034】
なお、
図5において、印加される外部荷重Fを図の左右方向に向かうものとしたが、第1電極支持層11、第2電極支持層12の厚さ方向に印加されることもできる。この場合、第1電極13と第2電極14との静電容量変化は、電極間距離dによって検出される。
【0035】
さらに、本実施形態においては、第1電極13と第2電極14とに対応した第1電極支持層11と第2電極支持層12層との境界である接着層18aの両側において、柔軟さが変わらず均一な特性を有することが可能である。また、第1電極支持層11と第2電極支持層12層と接着層18aとの間で分子構造が同じであるため、互いの結合を強めることができ、剥がれにくいという効果を奏することができる。
【0036】
以下、本発明に係る静電容量型センサ、静電容量型センサの製造方法の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態における静電容量型センサを示す断面図であり、本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、ピラーに関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。なお、
図6において、第1電極13と第2電極14とは図示を省略している。
【0037】
本実施形態における静電容量型センサ10は、
図6に示すように、第1電極支持層11、第2電極支持層12との間に、複数の柱状のピラー15が形成されている。
ピラー15は、第1電極支持層11、第2電極支持層12の面内方向に沿って、互いに離間しつつ、複数形成される。ピラー15は、第2電極支持層12と一体として形成されている。ピラー15は、全て同じ高さを有することができる。ピラー15は、第1電極支持層11、第2電極支持層12の面内位置に応じて異なる高さを有することができる。ピラー15は、一方向に傾斜して高さが変化することができる。ピラー15の高さは、センサ特性に応じて設定されることができる。
【0038】
ピラー15の端部は、対向する第1電極支持層11と接着される。ピラー15の端部15aは、全てが第1電極支持層11と接着されることができる。ピラー15の端部15aは、第1電極支持層11と接着されていないものがあってもよい。ピラー15の端部15aの接着部分には、第1電極支持層11との間に接着層18aが形成される。ピラー15の接着部分には、端部15aの全体に接着層18aが形成されることができる。ピラー15の接着部分には、端部15aのうち一部に接着層18aが形成されることができる。
【0039】
第1電極支持層11、第2電極支持層12、ピラー15、接着層18aは、いずれも同じ材質とすることもできる。第1電極支持層11、第2電極支持層12、ピラー15、接着層18aは、第1実施形態と同様に、同じエラストマから形成される。
【0040】
次に、本実施形態における静電容量型センサの製造方法について説明する。
【0041】
図7は、本実施形態における静電容量型センサの製造方法の工程を示す斜視図であり、
図8は、本実施形態における静電容量型センサの製造方法の工程を示す斜視図である。
本実施形態における静電容量型センサの製造方法は、
図2に示す第1実施形態と同様に、準備工程S00と、塗布工程S11と、硬化工程S12とを有する。
【0042】
準備工程S00においては、
図7に示すように、第1電極支持層11および第2電極支持層12を準備する。第1電極支持層11は、略板状に形成することができる。第2電極支持層12は、ピラー15と一体として複数の柱が立設された略板状に形成することができる。第1電極支持層11および第2電極支持層12は、所定の型により成型することなどができる。また、成型時に第1電極支持層11と第1電極13とを同時に形成することもできる。同様に、第2電極支持層12と第2電極14とピラー15とを同時に形成してもよい。
また、第1電極支持層11と、第2電極支持層12およびピラー15とは、おなじ材質とすることもできるし、異なる材質とすることもできる。
【0043】
塗布工程S11においては、
図8に示すように、ピラー15の端部15aの接着面に、接着剤18bを塗布する。接着剤18bを塗布する端部15aは、少なくとも、接着剤18bと同じエラストマとすることができる。なお、塗布時の接着剤18bは、硬化されていない。なお、接着箇所となる第1電極支持層11に接着剤18bを塗布することもできる。
なお、
図8においては、ピラー15の端部15aに接着剤18bを塗布しているが、第1電極支持層11の前面に接着剤18bを塗布してもよい。
【0044】
硬化工程S12においては、塗布された接着剤18bに所定の処理をおこなって硬化することで、接着層18aを形成する。
硬化工程S12で硬化処理を施すことにより、接着剤18bは、同一材料であるエラストマからなる第1電極支持層11およびピラー15の端部15aの接着面で、分子レベルで結合している必要はなく、接着前に第1電極支持層11およびピラー15の端部15aの接着面に形成されている微小な凹凸に硬化前の接着剤18bが浸み込むとともに、この状態で接着剤18bが硬化されて接着層18aが形成されることによって、充分な接着性、剥離耐性を有することができる。
【0045】
接着層18aによって接着された第1電極支持層11および第2電極支持層12により、静電容量型センサ10が完成する。
【0046】
図9は、本実施形態における静電容量型センサの動作を説明する断面図である。
本実施形態に係る静電容量型センサ10は、
図9に示すように、外部荷重Fが印加されていない状態では、平面視して第1電極13と第2電極14との重なる面積はSである。これに対して、
図9で右側に位置する第1電極13は、外部荷重Fが印加されると、第2電極14との重なる面積はS+ΔSとなる。同様に、
図5で左側に位置する第1電極13は、外部荷重Fが印加されると、第2電極14との重なる面積はS-ΔSとなる。
これにより、第1電極13と第2電極14とで形成される静電容量が変化し、この容量変化を検出することで、外部荷重Fを測定することが可能となる。
【0047】
このとき、本実施形態に係る静電容量型センサ10は、第1電極支持層11および第2電極支持層12の全面が接着層18aにより接着されている第1実施形態に比べて、面内方向に離間した複数のピラー15の端部15aに位置する接着層18aにより接着されているので、第1電極支持層11と第2電極支持層12との間の面内方向の位置変化を起こしやすい。すなわち、センサ特性としての感度を向上することができる。
【0048】
このとき、第1電極支持層11、第2電極支持層12、ピラー15および接着層18aは、いずれも同一材料のエラストマからなる。このため、第1電極支持層11、第2電極支持層12、ピラー15および接着層18aは、いずれも応力特性が同じである。したがって、局所的に硬さが異なる、あるいは、局所的に柔らかいなどの変形の特異性を有していない。第1電極支持層11、第2電極支持層12、ピラー15および接着層18aは、変形度合いが均一である。つまり、第1電極支持層11、第2電極支持層12および接着層18aは、印加された外部荷重Fに対して、いずれも同じように変形する。これにより、第1電極13と第2電極14との静電容量変化を正確に検出することが可能となる。
【0049】
また、第1電極支持層11と接着層18aとの界面、および、ピラー15の端部15aと接着層18aとの界面は、いずれも応力特性が同じ状態を維持可能である。このため、第1電極支持層11、第2電極支持層12、ピラー15および接着層18aは、印加された外部荷重Fに対して、いずれも同じように変形する。したがって、接着面での変形特性の不連続性が発生しない。つまり、第1電極支持層11、第2電極支持層12、ピラー15および接着層18aは、印加された外部荷重Fに対して、接着面の有無にかかわらず同じように変形する。これにより、第1電極13と第2電極14との静電容量変化を正確に検出することが可能となる。
【0050】
さらに、第1電極支持層11と接着層18aとの界面、および、ピラー15と接着層18aとの界面は、同材から形成されていることで、均一な特性であるため応力集中が発生せず、剥離耐性を高めることが可能である。また、第1電極支持層11と接着層18aとの界面、および、ピラー15と接着層18aとの界面では、分子構造が同じエラストマどうしで形成されているので結合が強く、互いに剥がれにくい。
特に、ピラー15の端部15aにおいては、応力が集中して剥がれやすい構造であるが、同じエラストマどうしで接着されているので、結合が強く、互いに剥がれにくい。
【0051】
図10は、本実施形態における静電容量型センサの動作を説明する断面図である。
なお、
図10に示すように、印加される外部荷重Fを図の上下方向に向かうように、第1電極支持層11、第2電極支持層12の厚さ方向に印加されることもできる。この場合、第1電極13と第2電極14との静電容量変化は、電極間距離dによって検出される。
【0052】
このとき、本実施形態に係る静電容量型センサ10は、第1電極支持層11および第2電極支持層12の全面が接着層18aにより接着されている第1実施形態に比べて、面内方向に離間した複数のピラー15の端部15aに位置する接着層18aにより接着されているので、第1電極支持層11と第2電極支持層12との間の厚さ方向の位置変化を起こしやすい。すなわち、センサ特性としての感度を向上することができる。
【0053】
図11は、本実施形態における静電容量型センサの動作を説明するための垂直荷重と変形量との関係を示す図である。
また、第1電極支持層11、第2電極支持層12、ピラー15および接着層18aが、同じエラストマから形成されているので、厚さ方向の圧縮力である外部荷重Fに対して、同じように変形する。
図11に示すように、接着層18aが第1電極支持層11、第2電極支持層12、ピラー15と異なる材質からなった場合、特に、接着層18aが第1電極支持層11、第2電極支持層12、ピラー15に比べて硬い材料で形成された場合、破線で示すように、第1電極支持層11と第2電極支持層12との電極間距離(層間距離)dの圧縮による変形量が小さい。これに対し、第1電極支持層11、第2電極支持層12、ピラー15および接着層18aが、同じエラストマから形成されている場合には、実線で示すように、第1電極支持層11と第2電極支持層12との層間距離dの圧縮による変形量が大きくなる。すなわち、センサ特性としての感度を向上することができる。
【0054】
図12は、本実施形態における静電容量型センサのピラーの他の例を示す断面図であり、
図13は、本実施形態における静電容量型センサのピラーの他の例を示す断面図である。
上記の実施形態では、第1電極支持層11と第2電極支持層12との厚さ方向において、ピラー15を同じ太さとして示したが、
図12,
図13に示すように、高さ方向で異なる太さを有するピラー15とすることも可能である。
【0055】
たとえば、
図12,
図13に示すように、第2電極支持層12から第1電極支持層11に近接するにつれて、細くなるピラー15とすることも可能である。特に、
図12には、第2電極支持層12に近接する部分が等しい太さで、第2電極支持層12と第1電極支持層11との中央付近から第1電極支持層11に向かって傾斜して細くなるピラー15を示す。また、
図13には、第2電極支持層12に近接する部分が等しい太さで、第2電極支持層12と第1電極支持層11との中央付近に段差が形成されて、第1電極支持層11に近接する部分が細いピラー15を示す。
【0056】
また、これらの場合、
図12,
図13に示すように、ピラー15の全高を第2電極支持層12と一体として形成し、接着層18aを第1電極支持層11との境界位置に形成することができる。あるいは、ピラー15の上半分を第1電極支持層11と一体として形成し、ピラー15の下半分を第2電極支持層12と一体として形成し、第2電極支持層12と第1電極支持層11との中央付近となるピラー15の途中に接着層18aを形成することができる。または、ピラー15の全高を第1電極支持層11と一体として形成し、接着層18aを第2電極支持層12との境界位置に形成することができる。
【0057】
以下、本発明に係る静電容量型センサ、静電容量型センサの製造方法の第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図14は、本実施形態における静電容量型センサを示す断面図であり、本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、エラストマからなる層の積層に関する点である。
【0058】
本実施形態における静電容量型センサ20は、
図14に示すように、第1電極支持層21と、第2電極支持層22と、第3電極支持層23と、第4電極支持層24と、を有する。第1電極支持層21は、第1電極25を有する。第2電極支持層22は、第2電極26を有する。第3電極支持層23は、第3電極27を有する。第4電極支持層24は、第4電極28を有する。
【0059】
第1電極支持層21、第2電極支持層22、第3電極支持層23、第4電極支持層24は、第1,2実施形態の第1電極支持層11および第2電極支持層12に対応し、互いに積層されて、それぞれ接着層により接着される。第1電極支持層21、第2電極支持層22、第3電極支持層23、第4電極支持層24および、それぞれの接着層は、第1,2実施形態と同様に、いずれも同じエラストマから形成される。接着層の形成および各電極支持層の接着は、第1,2実施形態と同様である。なお、各接着層は図示を省略している。
【0060】
第1電極支持層21、第2電極支持層22は、近接センサを構成する。第3電極支持層23、第4電極支持層24は、近接センサを構成する。ここで、第2電極26は、GNDシールド層を構成する。第2電極26は、第1電極25、第3電極27および第4電極28を電気的に遮蔽するように、第1電極支持層21、第2電極支持層22、第3電極支持層23、第4電極支持層24の全面に形成されることができる。これにより、第1電極支持層21および第2電極支持層22から構成される上側の近接センサと、第3電極支持層23および第4電極支持層24から構成される近接センサとは、それぞれ静電容量型センサ20の上側での近接検出、下側での近接検出をおこなうことができる。
【0061】
本実施形態における静電容量型センサ20は、それぞれの電極に対応する電極支持層を別々に形成し、同じ材質からなるエラストマからなる接着層によってそれぞれの層を接着することができる。ここで、静電容量型センサ20の厚さ方向に異なる位置に形成される電極ごとに、厚さ方向に分割された構成として、それぞれの電極支持層を形成することが可能である。つまり、要求されるセンサ特性の必要性によって配置される電極位置に応じて、各層を多段に分解し、これらを接着することができる。これにより、静電容量型センサ20の製造を容易にするとともに、センサ感度を向上し、剥離耐性を向上することができる。
このとき、同じ電極支持層内に、平面視して重ならないように異なる厚さ方向位置の電極を配置することもできる。
【0062】
同時に、複雑な多層構造とされた静電容量型センサ20の製造が容易になるため、ことなる特性を有するセンサをさらに複合した構成を提供することが可能となる。
ここで、必要に応じて、各電極支持層の間に第2実施形態のようなピラーを形成して、センサ特性を向上することが容易になる。
【0063】
本実施形態における静電容量型センサ20は、複数の層および複数の層間における接着層が同じエラストマから形成されているので、上述した実施形態と同等の効果を奏することが可能となる。さらに、第1電極25によりセンサ外部との近接データを計測でき、第3電極27および第4電極28により印加される荷重の3軸力を計測できる。
この場合、第2電極26は、上述した近接センサと3軸力センサとを分離するためのグランド電極であり、GNDシールド効果を奏することができる。
【0064】
ここで、近接を静電容量値の変化で取得し、圧力を抵抗値で取得するセンサでは,それぞれのデータ取得回路が必要となる。これに対して、本実施形態においては、1つの静電容量式のセンサである静電容量型センサ20によって、近接・3軸力両方を取得することができる。したがって、本実施形態における静電容量型センサ20は、計測回路の規模も小さくでき、システムの小型化が可能であるという効果を奏することができる。
【0065】
なお、別形態として、第1電極25をなくし、第2電極26を自己容量式の近接センサとして使用することも可能である。この場合、第3電極27および第4電極28によって圧力を取得するタイミングと、第2電極26で近接データを取得するタイミングとを時分割で切り替えることができる。
【0066】
また、上記の各実施形態においては、全ての電極支持層を同じ材質から構成したが、たとえば、第1実施形態において、第1電極支持層11をエラストマ層とし、第2電極支持層12をリジット基板とすることもできる。この場合でも、第1電極支持層11と接着層18aとの接着状態を向上することができる。
また、第2実施形態において、第2電極支持層12およびピラー15をエラストマから形成し、第1電極支持層11をフレキシブル基板とすることもできる。この場合でも、第2電極支持層12と接着層18aとの接着状態を向上することができる。
【0067】
さらに、本発明においては、上述した各実施形態における個々の構成を個別に選択して、それぞれ組み合わせて実施することも可能である。
【符号の説明】
【0068】
10,20…静電容量型センサ
11…第1電極支持層(第1層)
12…第2電極支持層(第2層)
13…第1電極
14…第2電極
15…ピラー
15a…端部
18a…接着層
18b…接着剤
21…第1電極支持層
22…第2電極支持層
23…第3電極支持層
24…第4電極支持層
25…第1電極
26…第2電極
27…第3電極
28…第4電極
d…電極間距離(層間距離)