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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086159
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】微細気泡発生器
(51)【国際特許分類】
   B01F 25/10 20220101AFI20240620BHJP
   B01F 23/232 20220101ALI20240620BHJP
   B01F 23/2373 20220101ALI20240620BHJP
   B01F 23/2375 20220101ALI20240620BHJP
   B01F 35/53 20220101ALI20240620BHJP
   B01F 23/2326 20220101ALI20240620BHJP
   B01F 23/231 20220101ALI20240620BHJP
   B01F 25/312 20220101ALI20240620BHJP
   B01F 25/452 20220101ALI20240620BHJP
【FI】
B01F25/10
B01F23/232
B01F23/2373
B01F23/2375
B01F35/53
B01F23/2326
B01F23/231
B01F25/312
B01F25/452
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201146
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯地 実
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4G035AB16
4G035AC22
4G035AC26
4G035AC44
4G037EA01
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で効率良く微細気泡を発生させること。
【解決手段】微細気泡発生器は、x軸方向に延びる上流管および下流管の間に位置し、x軸に交差するy軸方向に円弧状に膨出するケーシングと、ケーシングの内側面との間に、上流側から下流側に向かう水の高速流路となる隙間(11)をあけて配置され、x軸およびy軸に交差するz軸方向に延びるコマ部材(3)とを備える。コマ部材は、x軸およびy軸で区画される複数の領域(301~304)のうち、下流側に位置する領域(303,304)の外周部に、隙間を通過した水を引き込んで旋回流を発生させる切欠き部(31,32)を有している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
x軸方向に延びる上流管および下流管の間に位置し、前記x軸に交差するy軸方向に円弧状に膨出するケーシングと、
前記ケーシングの内側面との間に、上流側から下流側に向かう水の高速流路となる隙間をあけて配置され、前記x軸および前記y軸に交差するz軸方向に延びるコマ部材とを備え、
前記コマ部材は、前記x軸および前記y軸で区画される複数の領域のうち、下流側に位置する領域の外周部に、前記隙間を通過した水を引き込んで旋回流を発生させる切欠き部を有している、微細気泡発生器。
【請求項2】
前記コマ部材は円柱形状であり、
前記切欠き部は、前記x軸および前記y軸で区画される4つの扇形領域のうち、下流側に位置する2つの扇形領域の外周部に形成されている、請求項1に記載の微細気泡発生器。
【請求項3】
前記切欠き部の内壁面は、円弧状の凹面をもつ曲面形状である、請求項1に記載の微細気泡発生器。
【請求項4】
前記内壁面は、曲率半径の異なる2つの円弧面と、前記2つの円弧面を滑らかに接続する接続面とを含む、請求項3に記載の微細気泡発生器。
【請求項5】
前記内壁面は、前記隙間から流出した水流を受け入れて前記凹面に導く下流側端縁と、前記凹面に沿って流れる旋回流を前記下流管に向かって導く上流側端縁とを含み、
前記上流側端縁を含む円弧面の曲率半径は、前記下流側端縁を含む円弧面の曲率半径よりも小さい、請求項4に記載の微細気泡発生器。
【請求項6】
前記コマ部材の直径が、前記上流管の内径よりも大きい、請求項1に記載の微細気泡発生器。
【請求項7】
前記コマ部材は、前記ケーシングに対して着脱可能に設けられている、請求項1に記載の微細気泡発生器。
【請求項8】
前記コマ部材の平面形状は、略楕円形状であり、
前記コマ部材は、前記内側面との間に前記隙間を生じさせる作動状態と前記隙間を塞ぐ止水状態とに回転可能に設けられている、請求項2に記載の微細気泡発生器。
【請求項9】
前記コマ部材は、前記z軸を中心とする中心孔と、前記中心孔から前記隙間に向かって半径方向に延びる少なくとも1つの横孔とを含み、
前記中心孔に、添加剤としての気体または液体を供給する添加剤供給手段をさらに備える、請求項1に記載の微細気泡発生器。
【請求項10】
前記切欠き部の中心部に前記z軸方向に沿って気体を供給し、水の旋回速度を向上させる速度向上手段をさらに備える、請求項1に記載の微細気泡発生器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中に微細気泡を発生させる微細気泡発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、微細気泡を利用して、水質浄化や微生物の殺菌を図る技術が増えつつある。微細気泡の発生方法としては様々な方式が存在するが、その一つに、管路の急激な収縮と拡大により気相を粉砕するキャビテーション方式がある。
【0003】
特開2021-20153号公報(特許文献1)では、筒状筐体の入口側に位置し、内径が徐々に狭まる入口部と、入口部に接続するオリフィス(小径部分)と、筒状筐体の出口側に位置してオリフィスに接続し、内径が徐々に広がる拡径部とを備えた微細気泡発生器において、オリフィスの出口の周壁に凹部を形成した構成が開示されている。
【0004】
特開2008-246441号公報(特許文献2)では、管路内の液体を高速流となす傾斜面を有した第1の加速部材と、負圧を発生させる空隙部を半径方向に有する小径なくびれ部を介して、第1の加速部材の後段に第2の加速部材を連設した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-20153号公報(特許第6978793号)
【特許文献2】特開2008-246441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および2に示されるように、キャビテーション方式の微細気泡発生器としては、管路自体の内径を調整したものや、管路内に径の異なる複数の部材を液体の流れ方向に沿って連設したものが一般的である。しかし、これらの微細気泡発生器は構成が複雑であり、製造が容易ではないことから、簡易な構成で効率良く微細気泡を発生できる技術が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡易な構成で効率良く微細気泡を発生させることのできる微細気泡発生器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面に従う微細気泡発生器は、x軸方向に延びる上流管および下流管の間に位置し、x軸に交差するy軸方向に円弧状に膨出するケーシングと、ケーシングの内側面との間に、上流側から下流側に向かう水の高速流路となる隙間をあけて配置され、x軸およびy軸に交差するz軸方向に延びるコマ部材とを備える。コマ部材は、x軸およびy軸で区画される複数の領域のうち、下流側に位置する領域の外周部に、隙間を通過した水を引き込んで旋回流を発生させる切欠き部を有している。
【0009】
好ましくは、コマ部材は円柱形状であり、切欠き部は、x軸およびy軸で区画される4つの扇形領域のうち、下流側に位置する2つの扇形領域の外周部に形成されている。
【0010】
好ましくは、切欠き部の内壁面は、円弧状の凹面をもつ曲面形状である。
【0011】
また、内壁面は、曲率半径の異なる2つの円弧面と、2つの円弧面を滑らかに接続する接続面とを含むことが望ましい。
【0012】
内壁面は、隙間から流出した水流を受け入れて凹面に導く下流側端縁と、凹面に沿って流れる旋回流を下流管に向かって導く上流側端縁とを含む。上流側端縁を含む円弧面の曲率半径が、下流側端縁を含む円弧面の曲率半径よりも小さいことが、さらに望ましい。
【0013】
好ましくは、コマ部材の直径が、上流管の内径よりも大きい。
【0014】
好ましくは、コマ部材は、ケーシングに対して着脱可能に設けられている。
【0015】
コマ部材の平面形状は、略楕円形状であってもよい。この場合、コマ部材は、内側面との間に隙間を生じさせる作動状態と隙間を塞ぐ止水状態とに回転可能に設けられていることが望ましい。
【0016】
好ましくは、コマ部材は、z軸を中心とする中心孔と、中心孔から隙間に向かって半径方向に延びる少なくとも1つの横孔とを含み、微細気泡発生器は、中心孔に、添加剤としての気体または液体を供給する添加剤供給手段をさらに備える。
【0017】
微細気泡発生器は、切欠き部の中心部にz軸方向に沿って気体を供給し、水の旋回速度を向上させる速度向上手段をさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、簡易な構成で効率良く微細気泡を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係る微細気泡発生器の外観を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る微細気泡発生器の外観を示す側面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る微細気泡発生器の断面図である。
図4】本発明の実施の形態におけるコマ部材を示す図である。
図5】本発明の実施の形態におけるコマ部材が有する下流側の扇形領域を拡大して示す平面図である。
図6】本発明の実施の形態におけるケーシングの構成を模式的に示す分解図である。
図7】本発明の実施の形態に係る微細気泡発生器の内部の圧力分布を模式的に示す流跡図である。
図8】本発明の実施の形態に係る微細気泡発生器の内部の水の流れを模式的に示す流跡図である。
図9】比較例1のコマ部材の形状および解析結果を模式的に示す図である。
図10】比較例2のコマ部材の形状および解析結果を模式的に示す図である。
図11】比較例3のコマ部材の形状および解析結果を模式的に示す図である。
図12】本発明の実施の形態に係るコマ部材を対象とした解析結果(給気なし)を模式的に示す図である。
図13】本発明の実施の形態に係るコマ部材を対象とした解析結果(給気あり)を模式的に示す図である。
図14】本発明の実施の形態の変形例1に係る微細気泡発生器の内部構造を示す斜視図である。
図15】本発明の実施の形態の変形例1に係る微細気泡発生器のケーシングを示す平面図である。
図16】本発明の実施の形態の変形例2に係る微細気泡発生器のコマ部材を示す断面図である。
図17】本発明の実施の形態の変形例2に係る微細気泡発生器の外観を示す斜視図である。
図18】本発明の実施の形態の変形例2におけるコマ部材を回転可能とするための構造例を示す図である。
図19】本発明の実施の形態の変形例2に係る微細気泡発生器の平面図である。
図20】本発明の実施の形態の変形例2に係る微細気泡発生器の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0021】
<構成について>
(概略構成)
図1図3を参照して、本実施の形態に係る微細気泡発生器1の概略構成について説明する。図1は、微細気泡発生器1の外観を示す斜視図であり、図2は、図1のII方向から見た側面図である。図3は、微細気泡発生器1の断面図であり、図2のIII-III線に沿って切断した断面を示す。なお、「微細気泡」とは、いわゆるファインバブルであり、粒子径がマイクロスケールまたはナノスケールの気泡を表わす。
【0022】
微細気泡発生器1は、主に、上流管91および下流管92の間に位置するケーシング2と、ケーシング2の内部に設けられたコマ部材3とを備えている。上流管91および下流管92は典型的には円筒形状であり、同軸配置されている。図1等に示すx軸は、上流管91および下流管92の長手方向(軸線方向)に一致しており、x軸の正方向が液体(以下「水」という)の上流側を示している。
【0023】
ケーシング2は、上流管91および下流管92に接続された円筒部21と、円筒部21の軸線O方向一端の開口を塞ぐ蓋部23と、円筒部21の軸線O方向他端の開口を塞ぐ底部22とにより構成されている。
【0024】
円筒部21は、x軸に交差する「y軸方向」に円弧状に膨出するように配置されている。具体的には、円筒部21は、x軸およびy軸に交差する「z軸方向」に延び、かつ、円筒部21の内径d2が、上流管91および下流管92の内径d3よりも大きい。平面視における円筒部21の概略形状は、典型的には真円形状である。なお、「交差」とは、典型的には直交を表わすものの、多少のずれは許容されるものとする。
【0025】
以下の説明では、理解を容易にするために、x軸方向を「流れ方向」、y軸方向を「幅方向」または「左右方向」、z軸方向を「上下方向」または「高さ方向」ともいう。図1等において、z軸の正方向が上方を示しているものとする。y軸の正方向は、下流側から円筒部21を見て右側(幅方向一方側)を示す。
【0026】
図3を参照して、円筒部21は、上流管91および下流管92の流路(開口部)910,920と重なる部分21aがくり抜かれており、ケーシング2の内部空間20と流路910,920とが互いに連通している。円筒部21の残部21bが、上流管91および下流管92の端面とネジ固定や溶着等により接続されている。残部21bによって、円筒部21の内部空間20が区画されている。具体的には、内部空間20は、幅方向両側に位置する残部21bの内側面、すなわち、一対の内側円弧面212により区画されている。
【0027】
内部空間20の上流側には、一対の上流側内側面213に区画された導入路24が設けられ、内部空間20の下流側には、一対の下流側内側面214に区画された放出路25が設けられている。一対の上流側内側面213は、互いに平行であり、上流管91の内径d3分離れている。同様に、一対の下流側内側面214は、互いに平行であり、下流管92の内径d3分離れている。内側円弧面212の流れ方向両端部が、上流側内側面213および下流側内側面214に接続されている。なお、上流管91の内径寸法と下流管92の内径寸法とは、同一である場合に限定されず、互いに異なっていてもよい。
【0028】
底部22は、接着剤等により円筒部21に接着されていてもよいし、円筒部21と一体形成されていてもよい。蓋部23は、図6に示されるように、円筒部21に対して着脱自在であることが望ましい。これにより、コマ部材3の交換を容易に行うことができる。このように、コマ部材3は、ケーシング2に対して着脱可能に設けられていることが望ましい。
【0029】
コマ部材3は、円筒部21と同軸に配置された円柱形状の部材である。つまり、コマ部材3の軸線(中心線)は、円筒部21の軸線Oと一致する。平面視におけるコマ部材3の概略形状は、典型的には真円形状である。コマ部材3は、円筒部21の内部空間20に嵌め入れられている。コマ部材3の直径(外径)d1は、円筒部21の内径d2よりも小さく、コマ部材3は、一対の内側円弧面212との間に、隙間11をあけて配置されている。すなわち、導入路24と放出路25との間に、上流側から下流側に向かう水の高速流路となる隙間11が、幅方向両側に設けられている。
【0030】
隙間11は、一対の内側円弧面212とコマ部材3の外周面との間に、一定幅で円弧状に設けられている。隙間11の幅は、たとえば、円筒部21の半径(「d2」/2)の1/7以上1/9以下であり、一例として1/8程度である。この場合、コマ部材3の直径d1は、一例として円筒部21の内径d2の7/8程度である。一対の隙間11は、導入路24から左右に分岐するように設けられ、下流端で放出路25に合流する。
【0031】
コマ部材3の直径d1は、上流管91(および下流管92)の内径d3よりも大きいことが望ましい。これにより、後述するように、導入路24から水が隙間11へ導かれる際に遠心力が働く。
【0032】
(コマ部材の構成)
図4を参照して、コマ部材3の構成例について説明する。図4(A),(B)はそれぞれ、コマ部材3の斜視図および平面図(上面図)である。図4(B)には、組み立て状態(使用状態)におけるケーシング2の内側面(一対の上流側内側面213、一対の内側円弧面212、一対の下流側内側面214)の位置が想像線で示されている。
【0033】
図4(B)を参照して、コマ部材3は、平面視において(軸線O方向に見て)x軸およびy軸で区画される4つの扇形領域301~304により構成される。扇形領域301,302はy軸よりも上流側に位置し、扇形領域303,304はy軸よりも下流側に位置している。コマ部材3は、下流側の扇形領域303,304の外周部に、内径側に窪ませた切欠き部(凹部)31,32を有している。切欠き部31,32は、コマ部材3の上端縁から下端縁まで貫通して上下方向に延びている。切欠き部31,32によって、一対の隙間11および放出路25に連通する負圧空間S1,S2が形成される。
【0034】
切欠き部31,32は、x軸を中心とし左右対称に設けられている。切欠き部31は、隣接する扇形領域302,304にはみ出ることなく、x軸およびy軸の両方から離れて配置されている。切欠き部32も同様に、隣接する扇形領域301,303にはみ出ることなく、x軸およびy軸の両方から離れて配置されている。
【0035】
切欠き部31,32の内壁面33,34は、円弧状の凹面をもつ曲面形状であることが望ましい。本実施の形態では、図4(A)に示すように、内壁面33は、曲率半径の異なる2つの円弧面331,332と、2つの円弧面331,332を滑らかに接続する接続面333とを含む。内壁面34も同様である。切欠き部31,32の内壁面33,34の形状については、図5を参照して説明する。図5は、扇形領域303を拡大して示す平面図であり、扇形領域303をハッチングで示している。
【0036】
切欠き部31の内壁面33は、上流側に位置する円弧面331と、下流側に位置する円弧面332と、これらの円弧面331,332の間に位置する接続面333とを含む。円弧面331は、内壁面33の上流側端縁P1を含む位置に設けられ、円弧面332は、内壁面33の下流側端縁P2を含む位置に設けられている。下流側端縁P2は、隙間11から流出した水流を受け入れて、円弧面331,332を含む凹面に導く位置に設けられている。上流側端縁P1は、内壁面33の凹面に沿って流れる旋回流を下流管92に向かって導く位置に設けられている。
【0037】
本実施の形態では、上流側の円弧面331の曲率半径r1は、下流側の円弧面332の曲率半径r2よりも小さい。曲率半径r1は、たとえば曲率半径r2の0.5以上0.7以下である。円弧面331を規定する仮想円(真円)C1の中心O1、および、円弧面332を規定する仮想円(真円)C2の中心O2は、コマ部材3の外周円(想像線で示す)よりも内側(軸線O側)に位置していることが望ましい。これにより、切欠き部31の内部空間(すなわち負圧空間S1)は、上流側端縁P1と下流側端縁P2との間の出入口Seの幅(開口幅)よりも広がりをもった空間とされる。
【0038】
本実施の形態では、円弧面332を規定する仮想円C2は、コマ部材3の外周円から一部がはみ出ている。一方、円弧面331を規定する仮想円C1は、略全体がコマ部材3の外周円の内側に位置している。そのため、上流側端縁P1を頂点とする先鋭部35の方が、下流側端縁P2を頂点とする先鋭部36よりも尖った形状となっている。
【0039】
接続面333は、2つの円弧面331,332に外接する外接仮想円C3の円弧面により規定されている。そのため、2つの円弧面331,332と接続面333とにより構成される内壁面33の全体は、変形した円弧状凹面となっている。平面視における内壁面33の形状は略C字状となっている。外接円C3の半径r3は、コマ部材3の半径(直径d1/2)を1とすると、たとえば0.4~0.6の比率で定められ、一例として0.5程度である。なお、図示される例では、仮想円C3の中心O3が、コマ部材3の外周円上に位置している。
【0040】
図3および図4(B)に示されるように、組み立て状態において、切欠き部31の上流側端縁P1は、円筒部21(残部21b)の内側円弧面212と幅方向に対面する位置に位置している。そのため、幅方向(y軸方向)における上流側端縁P1の位置は、円筒部21の上流側内側面213および下流側内側面214の位置よりも外側方にある。これに対し、切欠き部31の下流側端縁P2は、円筒部21の下流側内側面214と幅方向に対面する位置に位置している。そのため、幅方向(y軸方向)における下流側端縁P2の位置は、円筒部21の上流側内側面213および下流側内側面214の位置よりも内側方にある。つまり、下流側端縁P2は、下流管92の流路920の幅内に位置する。
【0041】
なお、図5(B)に拡大して示すように、上流側の先鋭部35の先端の一部、すなわち上流側端縁P1を含む部分35aが切り落とされ、上流側端縁P1´と円弧面331との間に(たとえば直線状の)切断面334が設けられていてもよい。この場合、上流側端縁P1´は、円弧面331を規定する仮想円C1の外側に位置する。これにより、圧力回復を抑制することができる。一例として、上流側端縁P1´は、下流側の円弧面332を規定する仮想円C2と交差する位置に設けられている。
【0042】
再び図4を参照して、コマ部材3はまた、軸線O(z軸)を中心とする中心孔30と、中心孔30から左右両側の隙間11に向かって半径方向に延びる複数の横孔37とを有している。中心孔30は、コマ部材3を上下方向に貫通して真っすぐ延びている。図1に示す流体供給ノズル5から供給される流体が中心孔30に吸入され、中心孔30から横孔37を通って隙間11に吐出される(吸引される)。流体は、気体および液体のいずれであってもよい。本実施の形態において横孔37は、上下方向に間隔をあけて複数個設けられている。なお、横孔37は少なくとも1つ設けられていればよい。
【0043】
図4(B)に示すように、横孔37は、下流側に若干傾斜して幅方向に延びている。具体的には、紙面右側に位置する横孔37は、扇形領域303の切欠き部31の上流側部分を横断するように半径方向に延びている。紙面左側に位置する横孔37は、扇形領域304の切欠き部32の上流側部分を横断するように半径方向に延びている。一例として、横孔37とy軸とのなす角度θは、5°~15°程度である。なお、横孔37は、y軸上を真っ直ぐ延びていてもよい。
【0044】
(添加剤供給手段)
本実施の形態に係る微細気泡発生器1は、図1に示すように、中心孔30に挿入され、コマ部材3の固定手段を兼ねる流体供給管4をさらに備えている。流体供給管4は、流体供給ノズル5とともに添加剤供給手段を構成する。
【0045】
流体供給管4は、ケーシング2の底部22および蓋部23を貫通して上下方向に突出する。あるいは、底部22および蓋部23の一方のみを貫通してもよい。流体供給管4の上端に、流体供給ノズル5の一端が装着可能である。流体供給ノズル5の他端には、開度を調整可能なバルブ(図示せず)が設けられている。バルブを開状態とすると、流体供給ノズル5から流体供給管4に流体が供給される(吸引される)。バルブを全閉状態とすると、流体供給ノズル5から流体供給管4への流体供給が阻止される。
【0046】
図6に示されるように、流体供給管4は、たとえば、外周面にネジが切られた中空のボルトにより構成されている。流体供給管4の長手方向中央部には、コマ部材3の横孔37に対応する位置に、貫通孔41が設けられている。
【0047】
流体供給ノズル5から気体(空気、酸素ガス等)を供給する場合、バルブを開状態とすることで、気体が流体供給管4に吸引され、流体供給管4の貫通孔41から横孔37を通過して隙間11へと引き込まれる。これにより、切欠き部31,32内の旋回流に気体が連行され、水に供給(添加)される。流体供給ノズル5から液体(添加剤)を供給する場合も同様である。微細気泡発生器1が「気体供給モード」で動作し、吸気方式を兼ねる場合、微細気泡発生器1は、酸素等を溶解した水を放出することができる。
【0048】
図6に示したように流体供給管4をボルトとすることで、次の手順で微細気泡発生器1を組み立てることができる。まず、流体供給管4の下端部をケーシング2の底部22の貫通孔220に通して仮固定し、流体供給管4を中心孔30に通すようにしてコマ部材3(図6において不図示)を円筒部21の内部空間20に挿入する。その状態で、蓋部23の貫通孔230に流体供給管4の上端部を通すようにして、蓋部23を円筒部21の上端に装着する。最後に、ナット42で締め付ける。これにより、コマ部材3は、円筒部21と同軸に位置決めされ、底部22と蓋部23とに上下方向に挟持される。コマ部材3の上端面および下端面は、それぞれ蓋部23の下面および底部22の上面に面接触する。
【0049】
<微細気泡発生方法>
図3および図4を参照しながら、微細気泡発生器1による微細気泡発生方法について説明する。
【0050】
図3および図4(B)に示されるように、上流管91から導入路24に導入された水は、コマ部材3の上流側の円弧面に突き当たると、この円弧面に沿って幅方向(y軸方向)両側に位置する円弧状の隙間11へと分岐し、流速が高速化する。隙間11に流入した水は、遠心力によりさらに速度を上げて下流側へ流れる。隙間11に流入した水が、切欠き部31,32の上流側端縁P1を過ぎると、遠心力を伴ったまま、切欠き部31,32内に引き込まれ、高速の旋回流を発生する。隙間11から切欠き部31,32へと流路が急激に拡大することにより、切欠き部31,32内において負圧が生じ、キャビテーションによる微細気泡が発生する。
【0051】
隙間11から切欠き部31,32内へと水が引き込まれる際、下流側端縁P2を含む先鋭部36の内側面(下流側円弧面332の端部)で水流を受けて、変形した円弧状凹面である内壁面33に沿って水を流動させることにより、遠心力が生じる。したがって、切欠き部31,32の中心部付近を軸とする規則性のある、高速の旋回流が発生する。これにより、旋回流による気相分離を促進することができる。
【0052】
このように、本実施の形態によれば、コマ部材3に切欠き部31,32を設けることにより、キャビテーションと、無動力の旋回流とにより、効率良く微細気泡を発生させることができる。
【0053】
ここで、内壁面33の形状に関し、図5(A)に示したように、上流側の円弧面331の曲率半径が下流側の円弧面332の曲率半径よりも小さいので、切欠き部31,32に引き込まれた水がすぐに放出路25へと放出されることを抑制できる。そのため、本実施の形態によれば、切欠き部31,32内において効率的に高速の旋回流を発生させることができる。その結果、切欠き部31、32においてナノスケールの微細気泡を発生させることができる。
【0054】
図7には、シミュレーションによる微細気泡発生器1内の流路の圧力分布が、水流とともに示されている。図7では、圧力の大小が、流跡矢印の濃淡で示されている。切欠き部31,32の部分で矢印が最も濃くなっており、この部分において飽和水蒸気圧以下の圧力が発生している。図7には、上流管91から「305,492Pa」の圧力で水を導入するケースにおける各部の圧力解析結果が数値で示されている。
【0055】
図8には、微細気泡発生器1内に生じる水流が、流跡線で示されている。図8に示されるように、切欠き部31,32の部分で柱状の旋回流が生じている。
【0056】
(比較例について)
本実施の形態におけるコマ部材3の作用効果を、比較例を用いて説明する。図9図11はそれぞれ比較例1~3に対応しており、各図において、(A)に、コマ部材の形状、(B)に、解析条件を共通として圧力分析を行った際の流跡が示されている。また、図12は、本実施の形態に係るコマ部材3を対象とし、図9図11(B)と同じ解析条件で圧力分析を行った際の流跡が示されている。なお、図9図12においては、流跡矢印の濃淡と圧力の大小とは一致していない。
【0057】
比較例1のコマ部材3Aの切欠きパターンは、図9(A)に示すように、切欠き部31A,32Aが、y軸を跨ぐ位置に設けられたパターンである。つまり、紙面右側の2つの扇形領域302,303に跨がるように切欠き部31Aが設けられ、紙面左側の2つの扇形領域301,304に跨がるように切欠き部32Aが設けられている。また、切欠き部31A,32Aの各内壁面は1つの円弧面により形成されている。
【0058】
比較例2のコマ部材3Bの切欠きパターンは、図10(A)に示すように、切欠き部31B,32Bが、本実施の形態のコマ部材3と同様に扇形領域303,304に設けられているが、切欠き部31B,32Bの内壁面が1つの円弧面で形成されたパターンである。
【0059】
比較例3のコマ部材3Cの切欠きパターンは、図11(A)に示すように、切欠き部31C,32Cが、本実施の形態のコマ部材3と同様に扇形領域303,304に設けられているが、切欠き部31C,32Cの内壁面を構成する2つの円弧面の曲率半径の大小を、本実施の形態の切欠き部31,32における2つの円弧面331、332の曲率半径の大小と逆にしたパターンである。
【0060】
解析条件として、水の温度を20℃とし、上流側圧力を「271,325Pa」、飽和水蒸気圧を「2,340Pa」とした。この条件で、各例についてシミュレーションを行うと、比較例1~3および実施例における最低圧力および旋回流圧力は、次の通りの結果となった。実施例は、本実施の形態のコマ部材3を使用した場合の解析例を示す。
・比較例1:最低圧力「55,794Pa」、旋回流圧力「約164,000Pa」
・比較例2:最低圧力「49,236Pa」、旋回流圧力「約50,000Pa」
・比較例3:最低圧力「28,481Pa」、旋回流圧力「約30,000Pa」
・実施例:最低圧力「-19,707Pa」、旋回流圧力「約1,300~22000Pa」
【0061】
上記のように、比較例1~3はいずれも飽和水蒸気圧に達していない。実施例のみが、飽和水蒸気圧に達している。この結果は、各例の流跡図からも想定可能となっている。たとえば図10(B)に示す比較例2の切欠きパターンでは、実施例の切欠きパターンよりも旋回流の厚みが薄い。図11(B)に示す比較例3の切欠きパターンでは、実施例の切欠きパターンよりも旋回流の指向性にバラツキがある。
【0062】
これらの比較結果から、本実施の形態におけるコマ部材3は、ナノスケールの微細気泡を発生させるために有効であることが分かる。なお、微細気泡発生器1の用途等に応じて、コマ部材の切欠きパターンを、比較例1~3のようなパターンとしてもよい。つまり、ケーシング2内に、上述のコマ部材3A,3B,3Cを取り付けてもよい。
【0063】
参考例として、図13に、本実施の形態に係るコマ部材3を対象とし、添加剤供給手段を介して気体を取り込む「気体供給モード」で圧力分析を行った際の流跡を示す。この場合の最低圧力は「-2,083Pa」、旋回流圧力は「約-2,084~17,000Pa」となった。このことから、「気体供給モード」で微細気泡発生器1を作動させることにより、圧力回復を図ることが可能である。その結果、隙間11での壊食を防止することができる。
【0064】
以上説明したように、本実施の形態に係る微細気泡発生器1は、x軸方向に延びる上流管91および下流管92の間に位置し、y軸方向に円弧状に膨出するケーシング2と、ケーシング2の内側面との間に、上流側から下流側に向かう水の高速流路となる隙間11をあけて配置され、z軸方向に延びる円柱形状のコマ部材3とを備えている。また、コマ部材3は、x軸およびy軸で区画される4つの扇形領域301~304のうち、下流側に位置する2つの扇形領域303,304の外周部に、隙間11を通過した水を引き込んで旋回流を発生させる切欠き部31,32を有している。
【0065】
本実施の形態によれば、ケーシング2内に、ケーシング2とは別体のコマ部材3を収容するだけの簡易な構成で、効率良く微細気泡を発生させることができる。また、その結果、コマ部材3の交換が容易になるので、様々な種類のコマ部材をケーシング2に取り付けることができる。また、微細気泡発生器1のメンテナンスを容易に行うこともできる。
【0066】
<変形例1>
本実施の形態では、上述のように、コマ部材3の切欠き部31,32の位置または形状を工夫することにより、切欠き部31,32内(負圧空間S1,S2)において高速の旋回流を発生させるようにしたが、旋回流の中心に気体(空気などのガス)を供給することで、より効率的に旋回流を発生させるようにしてもよい。つまり、キャビテーション方式と旋回液流方式とを組み合わせたハイブリッド方式によって微細気泡を発生させるようにしてもよい。
【0067】
図14は、本実施の形態の変形例1に係る微細気泡発生器1Aを示す斜視図であり、ケーシング2を想像線で示している。微細気泡発生器1Aは、切欠き部31,32の中心部に上下方向の少なくとも一方から気体(ガス)を供給する気体供給管6を有している。気体供給管6は、旋回流の速度を向上させる速度向上手段を構成する。なお、切欠き部31,32の中心部は、切欠き部31,32の略C字状の内壁面33(図4等参照)に沿う旋回流の中心位置またはその近傍の位置である。
【0068】
気体供給管6は、上下方向に沿って延び、対応の切欠き部31,32の中心部に気体を供給する。これにより、切欠き部31,32内における水の旋回速度をさらに向上させることができる。
【0069】
図14では、上下の両方に2本ずつ気体供給管6が設けられている。この場合、図15に示すように、ケーシング2の蓋部23に気体供給管6を挿入するための小孔231が設けられる。ケーシング2の底部22も同様である。
【0070】
<変形例2>
本実施の形態では、平面視におけるコマ部材3の概略形状が真円形状である例を示したが、このような例に限定されず、たとえば楕円形状であってもよい。この場合、図16に示すように、楕円形状のコマ部材3Aの長径d4を円筒部21の内径d2(図3)と略同じ長さとし、コマ部材3Aを回転可能にすることで、隙間11を封鎖可能としてもよい。この場合の微細気泡発生器1Aの構成例について、以下に説明する。
【0071】
図17は、本変形例の微細気泡発生器1Aの外観を示す図であり、(A)は上方から見た斜視図、(B)は下方から見た斜視図である。図18は、コマ部材3Aを回転可能とするための構造例を示す図である。図17(B)および図18に示すように、コマ部材3Aと底部22Aとが一体化されて、コマユニット70が形成されている。底部22Aの外表面(下面)に、つまみ71が設けられている。つまみ71を回転させることにより、コマ部材3Aを回転させることができる。
【0072】
コマ部材3Aは、2つの切欠き部31,32が下流側に位置する作動状態(図16(A)の状態)における流れ方向(x軸方向)が長径方向となり、作動状態における幅方向が短径方向となるように形成されている。したがって、図16(A)の作動状態のコマ部材3Aを、つまみ71を操作して90°回転させることにより、図16(B)に示すように、隙間11を塞ぐ止水状態とすることができる。つまり、本変形例によれば、簡単な操作で、流路を開閉することができる。
【0073】
本件例においては、コマ部材3Aがケーシング2内に回転可能に設けられているため、コマ部材3Aの回転を防止するための回転防止手段が設けられていることが望ましい。回転防止手段の例については、図19および図20をさらに参照して説明する。図19は、微細気泡発生器1Aの平面図であり、ケーシング2の蓋部23Aを拡大して示す。図20は、微細気泡発生器1Aの縦断面図であり、図19のXX-XX線に沿って切断した断面を示す。
【0074】
回転防止手段は、たとえば、コマ部材3Aの上面に設けられた凹部72と、蓋部23Aを上下方向に貫通する第1および第2の挿入孔73a,73bと、第1および第2の挿入孔73a,73bに選択的に挿入され、先端部(下端部)が凹部72に受け入れられるピン74とを含む。凹部72は、コマ部材3の長径方向の上流側端部(2つの扇形領域301,302の中間点)に設けられている。第1の挿入孔73aは、作動状態におけるコマ部材3Aの凹部72に対応する位置に設けられている。第2の挿入孔73bは、止水状態におけるコマ部材3Aの凹部72に対応する位置に設けられている。つまり、第2の挿入孔73bは、第1の挿入孔73aの位置を0°とすると、時計方向または反時計方向90°の位置に設けられている。第2の挿入孔73bは、時計方向および反時計方向の両方に個設けられていてもよい。
【0075】
なお、図19には、変形例1で説明した気体供給管6が挿入される2つの貫通孔231が図示されている。
【0076】
<他の変形例>
本実施の形態では、ケーシング2の円筒部21の平面形状が真円形状であることとしたが、たとえば楕円形状であってもよい。
【0077】
また、添加剤供給手段が必要ない形態においては、コマ部材3に中心孔30および横孔37が設けられていなくてもよい。
【0078】
また、コマ部材3は円柱形状であることが望ましいものの、z軸方向に延在する柱状の部材であればよい。たとえばコマ部材の平面形状が多角形形状であってもよい。この場合においても、旋回流を発生させる切欠き部が、y軸よりも下流側に位置する領域の外周部に設けられていればよい。なお、コマ部材が円柱形状ではない場合、たとえばy軸上の線分長さを、コマ部材の「直径(d1)」と読み替えてもよいし、多角形形状の場合、たとえば対角線の最大長さをコマ部材の「直径(d1)」と読み替えてもよい。
【0079】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0080】
1,1A 微細気泡発生器、2 ケーシング、3,3A,3B,3C コマ部材、4 流体供給管、5 流体供給ノズル、6 気体供給管、11 隙間、20 内部空間、21 円筒部、22,22A 底部、23,23A 蓋部、24 導入路、25 放出路、30 中心孔、31,31A,31B,31C,32,32A,32B,32C 切欠き部、33,34 内壁面、37 横孔、91 上流管、92 下流管、301,302,303,304 扇形領域、331,332 円弧面、333 接続面、P1 上流側端縁、P2 下流側端縁、r1,r2 曲率半径。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
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図19
図20