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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086173
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】屋根構造体
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/343 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
E04B1/343 U
E04B1/343 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201165
(22)【出願日】2022-12-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 令和4年10月18日 販売した場所 株式会社共立 福岡県北九州市小倉南区新道寺985ー3 販売日 令和4年10月19日 販売した場所 有限会社錦織商会 長崎県長崎市新戸町1丁目31ー13 販売日 令和4年10月21日 販売した場所 有限会社伊勢サッシ 徳島県阿南市宝田町今市中新開11ー1 販売日 令和4年10月20日 販売した場所 株式会社エクシス 熊本県熊本市東区小山3ー6ー16 販売日 令和4年10月20日 販売した場所 株式会社ワイズ 滋賀県栗東市高野202 販売日 令和4年10月31日 販売した場所 株式会社関門アルミ 山口県下関市綾羅木本町7ー9ー4 販売日 令和4年11月3日 販売した場所 積水ハウス株式会社 茨城県古河市北利根8ー4 販売日 令和4年11月3日 販売した場所 株式会社こっこー 島根県松江市東出雲町錦浜583ー11 販売日 令和4年11月22日 販売した場所 Gテリア株式会社 大阪府吹田市豊津町12ー34 販売日 令和4年11月25日 販売した場所 株式会社雨坪商店 広島県尾道市高須町580ー5 販売日 令和4年11月28日 販売した場所 ライフスタイル 島根県雲南市三刀屋町下熊谷1735ー1 販売日 令和4年12月5日 販売した場所 株式会社根建 神奈川県横浜市南区浦舟町5ー77
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陣田 博史
(72)【発明者】
【氏名】霜上 和宏
(57)【要約】
【課題】屋根材が荷重を受けた場合でも円滑な排水を行うことができる屋根構造体を提供する。
【解決手段】屋根構造体は、並んで配置される複数の屋根材と、前記屋根材の並び方向に並んで配置され、前記屋根材の側縁部を支持する複数の垂木と、小口端面が前記垂木の側面に突き当てられた状態で隣り合う垂木間に設けられ、前記屋根材の端部を支持する溝状の支持部を有する屋根支持材と、を備える屋根構造体であって、前記屋根支持材は、前記支持部の底板を前記小口端面側から切り欠いた切欠部を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並んで配置される複数の屋根材と、
前記屋根材の並び方向に並んで配置され、前記屋根材の側縁部を支持する複数の垂木と、
小口端面が前記垂木の側面に突き当てられた状態で隣り合う垂木間に設けられ、前記屋根材の端部を支持する溝状の支持部を有する屋根支持材と、
を備える屋根構造体であって、
前記屋根支持材は、前記支持部の底板を前記小口端面側から切り欠いた切欠部を有する
ことを特徴とする屋根構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の屋根構造体であって、
前記垂木の長手方向を前後方向と称した場合に、前記屋根支持材の小口端面は、前記垂木の端面を前後に跨ぐ位置で該垂木の側面に突き当てられ、
前記切欠部は、前記垂木の端面よりも前側に設けられている
ことを特徴とする屋根構造体。
【請求項3】
請求項2に記載の屋根構造体であって、
前記切欠部は、前記支持部の底板のうち、前記垂木の端面に近接する一部分を凹状に切り欠いた構成である
ことを特徴とする屋根構造体。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の屋根構造体であって、
さらに、前記屋根支持材に装着され、前記屋根材の下面を支持する水密材を備え、
前記屋根支持材は、前記底板から上方に突出し、前記水密材が装着されるポケット部を有し、
前記切欠部は、前記ポケット部に沿った位置に設けられている
ことを特徴とする屋根構造体。
【請求項5】
請求項1に記載の屋根構造体であって、
さらに、前記垂木の並び方向に沿って延在し、前記垂木の端部及び前記屋根支持材を支持する枠部材を備え、
前記枠部材は、前記垂木の端部を締結するためのねじが配置される凹状部を有し、
前記凹状部には、排水孔が形成されている
ことを特徴とする屋根構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外に設置される屋根構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、カーポートやテラス屋根等として用いられる屋根構造体において、屋根材の端部を屋根支持材(パネル保持部材)に設けた溝状の支持部で支持した構成が開示されている。屋根構造体において、屋根材は、水勾配を設けて設置されるため、溝状の支持部には屋根材を流れ落ちた雨水等が入り込む。そこで、特許文献1の構成では、支持部の底板の下端に排水孔を設け、流入した雨水等を排出可能に構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-240241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような屋根構造体は、積雪の多い地域に設置される場合もある。このような地域の屋根構造体は、例えば50cm以上もの積雪を受けた場合、屋根材が雪の重みで反り変形し、その端部を支持する屋根支持材が上方に傾く場合がある。この場合、屋根支持材は、支持部の下端に設けた排水孔が持ち上がって十分に機能しなくなるばかりか、雪解け水や降水が支持部から屋根の内側へと逆流する可能性がある。支持部からの逆流を生じると、例えば屋根材を支持する垂木と屋根支持材との隙間に雨水等が浸入し、汚れや雨漏り等の要因となる。
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、屋根材が荷重を受けた場合でも円滑な排水を行うことができる屋根構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る屋根構造体は、並んで配置される複数の屋根材と、前記屋根材の並び方向に並んで配置され、前記屋根材の側縁部を支持する複数の垂木と、小口端面が前記垂木の側面に突き当てられた状態で隣り合う垂木間に設けられ、前記屋根材の端部を支持する溝状の支持部を有する屋根支持材と、を備える屋根構造体であって、前記屋根支持材は、前記支持部の底板を前記小口端面側から切り欠いた切欠部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の上記態様によれば、屋根材が荷重を受けた場合でも円滑な排水を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る屋外構造体の模式的な姿図である。
図2図1に示す屋根構造体の側面断面図である。
図3図1に示す屋根構造体の屋根支持材及びその周辺部を拡大した平面図である。
図4図2中のIV-IV線に沿う要部拡大断面図である。
図5】屋根支持材と垂木の突当部及びその周辺部を拡大した平面図である。
図6図5中のVI-VI線に沿う断面図である。
図7】積雪荷重で屋根支持材が持ち上げられた状態での屋根支持材及びその周辺部の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る屋根構造体についての好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の屋根構造体10は、例えばカーポートやテラス屋根等として屋外に設置される。屋根構造体10は、屋根12と、屋根12の四角部を支持する4本の支柱14とを備える。
【0011】
屋根12は、枠状に連結され、支柱14で支持される4本の桁16,17,18,19を備える。各支柱14は、上端が桁16~19と連結され、下端が地面に立設されることで屋根12を支持する。
【0012】
以下、屋根構造体10及びその構成要素について、桁16側から屋根構造体10を見た方向を正面とし、正面から見て屋根構造体10の手前側を前、奥側を後、上方を上、下方を下、左方を左、右方を右、と呼んで説明する。また各図においては、左右方向を矢印Xで示し、上下方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
【0013】
先ず、屋根12の概略構成を説明する。
【0014】
図1図4に示すように、屋根12は、前枠20と、後枠21と、妻垂木22,23と、複数の垂木24,25と、複数の屋根材26とを備える。屋根12は、互いに平行する2本の枠20,21の間に水勾配を形成する高低差が形成され、これにより各屋根材26が前下がりの傾斜姿勢で配置されている。
【0015】
前枠20は、桁16の後側面に連結された枠部材であり、例えばアルミニウム合金等の押出形材である。前枠20は、桁16の略全長に亘って左右方向に延在している。前枠20は、垂木24,25の前端部24a,25aを支持する。
【0016】
図2に示すように、前枠20には、樋部28と、凹状部30とが形成されている。樋部28は、上向きに開口した溝部であり、屋根材26の上面を流れ落ちた雨水等を受け止め、所定の排水管を通して排出する。凹状部30は、垂木24,25と、後述する屋根支持材32とを連結する部分である。
【0017】
後枠21は、桁17の前側面に連結された枠部材であり、例えばアルミニウム合金等の押出形材である。後枠21は、桁17の略全長に亘って左右方向に延在している。後枠21は、垂木24,25の後端部を支持し、さらに屋根材26の後端部も支持する。
【0018】
妻垂木22,23は、それぞれ桁18,19の側面に連結された枠部材であり、例えばアルミニウム合金等の押出形材である。妻垂木22,23は、枠20,21間の水勾配に沿って前下がりの傾斜姿勢で設置され、前後方向に延在している。
【0019】
垂木24,25は、妻垂木22,23間で複数本が左右に並んで配置され、妻垂木22,23と平行した前下がりの傾斜姿勢で前後方向に延在している。垂木24は、屋根材26の並び方向である左右方向に沿って並び、屋根材26の側縁部を支持する。図4に示すように、垂木24は、長手方向に沿う左右両端部の上面に水密材33aが装着される。垂木24の上面側には、垂木カバー34がねじ止めされる。垂木24は、水密材33aと、垂木カバー34に装着された水密材33bとで屋根材26を上下から挟み込んで支持する。垂木25は、妻垂木22,23と隣接する部分に配置され、垂木24と妻垂木22,23との間を補完する補助垂木である。垂木25は、上面に装着された水密材36によって屋根材26の下面を支持する。垂木25は、省略されてもよい。なお、妻垂木22,23は、垂木24と同様な構成、つまり垂木カバー34と水密材33a,33bとを用いて屋根材26の側縁部を支持する(図4参照)。
【0020】
屋根材26は、前後方向に長尺な長方形状の薄板であり、例えばポリカーボネート板や熱線遮断ポリカーボネート板で構成されている。屋根材26は、前端部が屋根支持材32で支持され、後端部が後枠21で支持され、左右側縁部が垂木24又は妻垂木22,23で支持されている。左右両端側の屋根材26は、それぞれ垂木25でも支持されている。屋根材26の設置数は適宜変更可能である。
【0021】
次に、屋根支持材32及びその周辺部の構成を説明する。
【0022】
図2及び図7に示すように、屋根支持材32は、屋根材26の前端部を押えて支持するための部材であり、例えばアルミニウム合金等の押出形材である。屋根支持材32は、支持部38と、連結部39と、ポケット部40とを有する。
【0023】
支持部38は、屋根材26を押さえて支持する部分であり、後部上面が開口した横向きの溝状に形成されている。支持部38は、天板38aと、前壁38bと、底板38cとで断面略コ字状に形成されている。連結部39は、屋根支持材32の後方に突出した略L字状の板片である。連結部39は、前枠20の凹状部30に挿入され、ねじ41を用いて前枠20に連結される(図2及び図3参照)。ポケット部40は、上向きに開口した溝部である。ポケット部40は、支持部38と連結部39との間で上方に向かって起立した前後一対の立壁40a,40bを有し、立壁40a,40b間に溝状のポケットが形成されている。ポケット部40には、水密材42が上向きに装着される。
【0024】
このような屋根支持材32は、支持部38に対して後ろから前に向かって挿入された屋根材26の前端部を支持部38の天板38aで下向きに押さえつけ、同時に水密材42で上向きに支持する。これにより屋根支持材32は、屋根材26の前端部を多少下向きに弾性変形させた押さえつけ、ばたつきなく支持することができる。
【0025】
屋根支持材32は、隣り合う妻垂木22と垂木24との間、隣り合う垂木24と垂木24との間、及び隣り合う垂木24と妻垂木23との間にそれぞれ設けられる(図3参照)。屋根支持材32は、その小口端面32aが垂木24の側面24b及び妻垂木22,23の側面22b,23bにそれぞれ突き当てられて設置される(図3図6参照)。
【0026】
本実施形態の場合、屋根支持材32の小口端面32aは、垂木24の前端部24aの端面24a1を前後に跨ぐ位置で側面24bに突き当てられる(図5参照)。つまり垂木24の長手方向に沿う前後方向を基準として、小口端面32aは、垂木24の端面24a1よりも前方に突出した位置にも配置される。同様に、屋根支持材32の小口端面32aは、妻垂木23の前端部の端面23aも前後に跨ぐ位置で側面23bに突き当てられ(図3参照)、妻垂木22に対しても同様な配置とされる。
【0027】
すなわち、垂木24は、端面24a1が屋根支持材32の小口端面32aよりも後方にオフセットした位置に配置され、この位置で前端部24aが前枠20の凹状部の底部に対してねじ44で連結される(図2及び図7参照)。妻垂木22,23及び垂木25も垂木24と同様な構成で前枠20にねじ44で連結される。
【0028】
図2及び図7に示すように、このような屋根支持材32は、支持部38が横向きの溝状に形成されているため、屋根材26を前方に流れた雨水等が支持部38内に溜まることが想定される。図7中に破線で示す矢印W,W1,W2は、雨水の流れを模式的に示している。
【0029】
ここで、屋根構造体10が積雪の多い地域に設置された場合を想定する。先ず、屋根材26の上面への積雪がないか又は少ない場合は、屋根材26はほとんど反り変形等を生じない。この際、屋根支持材32の支持部38は、前下がりの袋状に形成されているため、屋根材26を流れた雨水等の水Wを溜めておくことができる。
【0030】
一方、屋根材26の上面への積雪が多く、例えば50cm以上となった場合、屋根材26は、積雪荷重によって前後方向での中央部が下に沈み込むように弓なりに変形する。そうすると、屋根材26は、前端部が上方に持ち上がり、屋根支持材32を図7に示すように上向きに持ち上げるため、雪解け水や降水が支持部38から後方に逆流する(図7中の水W1,W2参照)。
【0031】
図5及び図6に示すように、屋根支持材32の小口端面32aは、垂木24の側面24bに突き当てられてはいるが、この突き当てはいわゆるメタルタッチであって隙間Gの発生を完全になくすことは難しい。なお、隙間Gは、屋根支持材32の小口端面32aと妻垂木22,23の側面22b,23bとの間にも同様に生じ得る。このため、支持部38から逆流した水は、隙間Gに浸入して垂木24側に流入し、垂木24や妻垂木22,23等の汚れや屋根12の雨漏りの要因となる。
【0032】
そこで、本実施形態の屋根構造体10は、支持部38に切欠部46を備える。
【0033】
図3図5及び図7に示すように、切欠部46は、支持部38の底板38cを小口端面32a側から切り欠いたものである。切欠部46は、垂木24の端面24a1や妻垂木23の端面23aよりも前側の位置、つまり隙間Gよりも前側の位置に設けられる。より具体的には、切欠部46は、垂木24の端面24a1や妻垂木23の端面23aの直前の位置で底板38cの一部分を凹状に切り欠いた構成とするとよい。
【0034】
これにより当該屋根構造体10は、図7に示すように、積雪荷重で屋根支持材32が上方に持ち上がった場合であっても、支持部38から逆流した水W1を隙間Gの手前で前枠20の樋部28へと円滑に排水することができる。その結果、逆流した水W1が、隙間Gに浸入することを抑制でき、上記した汚れや雨漏り等の問題を抑制することができる。
【0035】
特に、本実施形態の切欠部46は、水密材42が装着されるポケット部40の立壁40aに沿う位置に設けられている(図5参照)。すなわち切欠部46は、前後方向で立壁40aの直前に形成されている。このため、切欠部46は、底板38c上を立壁40aに沿って左右方向に流れる水W1も円滑に排水することができ、隙間Gへの浸水を一層確実に抑えることができる。なお、屋根支持材32の底板38cには、切欠部46以外の箇所にも適宜排水孔を追加し、排水性能をさらに向上させた構成としてもよい。
【0036】
図5中に2点鎖線で示すように、屋根構造体10は、底板38cの一部分のみを凹状に形成した切欠部46に代えて、例えば底板38cの端面24a1(23a)よりも前側の部分の全体を切除した切欠部47としてもよい。なお、切欠部47は、排水量の点で切欠部46よりも優れる。但し、切欠部47は、底板38cの小口端面32aの大部分を後加工で切除する必要があるため、製造効率や屋根支持材32の強度的な観点からは一部分のみを凹状に切除した切欠部46が好ましい。
【0037】
本実施形態の屋根構造体10は、さらに、屋根支持材32の連結部39が連結される前枠20の凹状部30の底部に排水孔48を備えてもよい。
【0038】
図5及び図7に示すように、排水孔48は、垂木24(妻垂木22,23)を前枠20に連結するねじ44が通されるねじ孔と並んで設けられ、凹状部の底部を樋部28まで貫通したものである。これにより当該屋根構造体10は、図7に示すように、積雪荷重で屋根支持材32が上方に持ち上がった場合に、支持部38から逆流した水W1の全てを切欠部46から排水できなかった場合であっても、残りの水W2を排水孔48から樋部28へと円滑に排水することができる。
【0039】
本発明の一態様に係る屋根構造体は、並んで配置される複数の屋根材と、前記屋根材の並び方向に並んで配置され、前記屋根材の側縁部を支持する複数の垂木と、小口端面が前記垂木の側面に突き当てられた状態で隣り合う垂木間に設けられ、前記屋根材の端部を支持する溝状の支持部を有する屋根支持材と、を備える屋根構造体であって、前記屋根支持材は、前記支持部の底板を前記小口端面側から切り欠いた切欠部を有する。このような構成によれば、屋根材が積雪荷重で反り変形し、その端部を支持する屋根支持部が傾いて雪解け水や降水が支持部から逆流した場合であっても、これを切欠部から円滑に排水することができる。その結果、逆流した水が、例えば垂木と屋根支持材との隙間から屋根の内側に浸入することを抑制できる。
【0040】
前記垂木の長手方向を前後方向と称した場合に、前記屋根支持材の小口端面は、前記垂木の端面を前後に跨ぐ位置で該垂木の側面に突き当てられ、前記切欠部は、前記垂木の端面よりも前側に設けられた構成としてもよい。そうすると、支持部から逆流した水が、屋根支持材の小口端面と垂木の側面との隙間に浸入することを一層確実に抑えることができる。
【0041】
前記切欠部は、前記支持部の底板のうち、前記垂木の端面に近接する一部分を凹状に切り欠いた構成であってもよい。そうすると、切欠部の加工が容易であると共に、屋根支持材の強度低下も抑えることができる。
【0042】
さらに、前記屋根支持材に装着され、前記屋根材の下面を支持する水密材を備え、
前記屋根支持材は、前記底板から上方に突出し、前記水密材が装着されるポケット部を有し、前記切欠部は、前記ポケット部に沿った位置に設けられた構成としてもよい。そうすると、支持部の底板上をポケット部に沿って流れる雨水等を切欠部からより円滑に排水することができる。
【0043】
さらに、前記垂木の並び方向に沿って延在し、前記垂木の端部及び前記屋根支持材を支持する枠部材を備え、前記枠部材は、前記垂木の端部を締結するためのねじが配置される凹状部を有し、前記凹状部には、排水孔が形成された構成としてもよい。そうすると、支持部から逆流した水が切欠部を越えて溢れた場合であっても、排水孔を通して円滑に排水することができ、屋根支持材での排水性能が一層向上する。
【0044】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
10 屋根構造体、12 屋根、20 前枠、22,23 妻垂木、22b,23b,24b 側面、23a,24a1 端面、24,25 垂木、26 屋根材、28 樋部、30 凹状部、32 屋根支持材、32a 小口端面、38 支持部、38c 底板、40 ポケット部、46,47 切欠部、48 排水孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7