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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086181
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】設置位置確認治具
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/18 20060101AFI20240620BHJP
   H02S 20/30 20140101ALI20240620BHJP
【FI】
E04G21/18 A
H02S20/30 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201183
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000223403
【氏名又は名称】住ベシート防水株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100173428
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 慶
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174DA33
2E174DA40
2E174DA41
(57)【要約】
【課題】躯体が備える平面に対して、配置体を配置するために用いられる固定具を固定したときに、固定具の平面への設置位置が、この固定具の固定に先立って、平面に墨出しされた直線同士の交点に対応して、優れた位置精度で位置決めされているかを知ることができる設置位置確認治具を提供すること。
【解決手段】設置位置確認治具200は、固定具の設置位置の確認に用いられる。設置位置を、平面に対して、予め、墨出しされた第1墨出しラインと第2墨出しラインとの交点に対して、設置位置と交点とが重なることを目的として位置決めされた点としたとき、設置位置確認治具200は、平板210と、確認作業の際に設置位置に重なるように配置される基準点220と、基準点220を通過し、第1墨出しラインと平行をなす第1帯部230と、基準点220を通過し、第2墨出しラインと平行をなす第2帯部240とを有する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面に対して固定された固定具の設置位置の確認に用いられる設置位置確認治具であって、
前記設置位置は、前記平面に対して、予め、墨出しされた第1墨出しラインと第2墨出しラインとの交点に対して、前記平面の直交方向において、前記設置位置と前記交点とが重なることを目的として位置決めされた点であり、
前記設置位置を、前記平面の反対側から目視したとき、前記交点は、前記固定具の固定により消失もしくは前記固定具の設置により視認することができず、前記交点を除く前記第1墨出しラインおよび前記第2墨出しラインの一部が視認されており、
当該設置位置確認治具は、前記固定具が固定された前記平面に対して配置することで、前記交点に対する前記設置位置を確認するための確認作業に用いられ、
全体形状が平板状をなす平板と、
前記確認作業の際に前記設置位置に重なるように配置される基準点と、
前記基準点を通過し、前記確認作業の際に前記第1墨出しラインと平行をなすように前記平板に帯状をなして描画された第1帯部と、
前記基準点を通過し、前記確認作業の際に前記第2墨出しラインと平行をなすように前記平板に帯状をなして描画された第2帯部と、を有することを特徴とする設置位置確認治具。
【請求項2】
前記平板は、その平均厚さが1.0mm以上10.0mm以下である請求項1に記載の設置位置確認治具。
【請求項3】
前記固定具は、前記平面から立設して、前記設置位置に対応して設けられた円柱状をなす柱状体を有し、
前記平板は、該平板を貫通する貫通孔を備え、前記貫通孔は、その中心が前記基準点に重なるように前記平板に設けられており、
当該設置位置確認治具は、前記確認作業の際に、前記柱状体に前記貫通孔に挿通して用いられる請求項1に記載の設置位置確認治具。
【請求項4】
前記固定具は、さらに、前記柱状体に挿通され、平面視形状が円環状をなす環状体を有し、
前記貫通孔の直径は、前記環状体の外周面の直径に一致する請求項3に記載の設置位置確認治具。
【請求項5】
前記第1墨出しラインと前記第2墨出しラインとは、前記平面に対して、前記交点において直交するように、予め墨出しされている請求項1に記載の設置位置確認治具。
【請求項6】
前記確認作業において、視認される前記第1墨出しラインと前記交点とを通過する第1仮想ラインが、前記第1帯部の領域内を通過し、かつ、視認される前記第2墨出しラインと前記交点とを通過する第2仮想ラインが、前記第2帯部の領域内を通過したとき、前記固定具を前記平面に対して固定した前記設置位置が合格であると判定する請求項1に記載の設置位置確認治具。
【請求項7】
前記平板は、少なくとも前記第1帯部および前記第2帯部が描画されている領域において透明または半透明である請求項1に記載の設置位置確認治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、躯体の床部のような平面に配置体を固定する際に、配置体を固定するために用いられる固定具を設置する設置位置の確認に用いられる設置位置確認治具に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の高耐久化が求められるに伴って、多くの建築物の屋上やベランダ等の躯体(構造体)において、防水シート(樹脂シート)を敷設施工したシート防水構造が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このシート防水構造では、床部を防水シートで覆う構成をなしているが、防水シートの床部(躯体)への固定は、例えば、以下のようにして実施される。すなわち、まず、複数の円盤状をなす固定ディスク(鋼板)を、所定の間隔で床部に配置させた状態で、床部に固定ビス等を用いて固定する。さらに、これら固定ディスクにおいて、固定ディスクの上面と防水シートとの下面とを接合することで、床部上に配置された固定ディスクを介して床部と防水シートとが接合されることにより実施される。
【0004】
このようなシート防水構造が施された躯体に対して、ソーラーパネルユニットのような配置体を設置することが、近年、提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
この場合、防水シートが敷設された床部(平面)に対して固定用金具(アンカー)が備える柱状体を打ち込むことで床部に固定用金具(固定具)を固定し、その後、この固定用金具に、ソーラーパネルユニット(配置体)が備える脚部を固定することで、シート防水構造が施された躯体に対してソーラーパネルユニットの設置がなされることがある。
【0006】
この場合、複数のソーラーパネルユニットが床部の縦方向および横方向に沿って、マトリクス状に、床部に設置される。したがって、複数のソーラーパネルユニットを、位置ズレすることなくマトリクス状に、床部に設置させるには、ソーラーパネルユニットの固定に用いられる固定用金具を、優れた位置精度でマトリクス状をなして位置決めする必要が生じる。
【0007】
ここで、固定用金具を床部に固定する設置位置(固定位置)は、ソーラーパネルユニットと同様に、床部に対して、マトリクス状をなして位置することになるが、この設置位置の位置決め(特定)は、具体的には、互いに直交する複数の直線(墨出し線)を、これらの交点が設置位置に対応するように、床部上に敷設された防水シートに対して、墨出しすることで行われる。そして、互いに直交する直線の交点に対応して、固定用金具を固定することで、床部の設置位置に固定用金具が固定される。
【0008】
この直線の交点に対応した固定用金具の固定が優れた位置精度で実施されていると、直線の交点と固定用金具の設置位置とが、床部の直交方向において一致もしくはほぼ一致することから、これら交点と設置位置との一致もしくは不一致を確認することで、固定用金具の設置位置の位置精度を確認することができる。
【0009】
ところが、床部に対する固定用金具の固定の後には、互いに直交する直線の交点が、固定用金具の固定により消失もしくは視認することができないことに起因して、固定用金具が固定されている設置位置が、直線の交点に対して、優れた位置精度で位置決めされて固定されているか否かを知ることができないと言う問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2013-53517号公報
【特許文献2】特開2011-43018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、建築物の屋上のような躯体が備える床部等の平面に対して、配置体を配置するために用いられる固定具を固定したときに、この固定具の平面に対する設置位置が、固定具の平面に対する固定に先立って、予め平面に墨出しされた直線同士の交点に対応して、優れた位置精度で位置決めされているか否かを知ることができる設置位置確認治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的は、下記(1)~(7)に記載の本発明により達成される。
(1) 平面に対して固定された固定具の設置位置の確認に用いられる設置位置確認治具であって、
前記設置位置は、前記平面に対して、予め、墨出しされた第1墨出しラインと第2墨出しラインとの交点に対して、前記平面の直交方向において、前記設置位置と前記交点とが重なることを目的として位置決めされた点であり、
前記設置位置を、前記平面の反対側から目視したとき、前記交点は、前記固定具の固定により消失もしくは前記固定具の設置により視認することができず、前記交点を除く前記第1墨出しラインおよび前記第2墨出しラインの一部が視認されており、
当該設置位置確認治具は、前記固定具が固定された前記平面に対して配置することで、前記交点に対する前記設置位置を確認するための確認作業に用いられ、
全体形状が平板状をなす平板と、
前記確認作業の際に前記設置位置に重なるように配置される基準点と、
前記基準点を通過し、前記確認作業の際に前記第1墨出しラインと平行をなすように前記平板に帯状をなして描画された第1帯部と、
前記基準点を通過し、前記確認作業の際に前記第2墨出しラインと平行をなすように前記平板に帯状をなして描画された第2帯部と、を有することを特徴とする設置位置確認治具。
【0013】
(2) 前記平板は、その平均厚さが1.0mm以上10.0mm以下である上記(1)に記載の設置位置確認治具。
【0014】
(3) 前記固定具は、前記平面から立設して、前記設置位置に対応して設けられた円柱状をなす柱状体を有し、
前記平板は、該平板を貫通する貫通孔を備え、前記貫通孔は、その中心が前記基準点に重なるように前記平板に設けられており、
当該設置位置確認治具は、前記確認作業の際に、前記柱状体に前記貫通孔に挿通して用いられる上記(1)または(2)に記載の設置位置確認治具。
【0015】
(4) 前記固定具は、さらに、前記柱状体に挿通され、平面視形状が円環状をなす環状体を有し、
前記貫通孔の直径は、前記環状体の外周面の直径に一致する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の設置位置確認治具。
【0016】
(5) 前記第1墨出しラインと前記第2墨出しラインとは、前記平面に対して、前記交点において直交するように、予め墨出しされている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の設置位置確認治具。
【0017】
(6) 前記確認作業において、視認される前記第1墨出しラインと前記交点とを通過する第1仮想ラインが、前記第1帯部の領域内を通過し、かつ、視認される前記第2墨出しラインと前記交点とを通過する第2仮想ラインが、前記第2帯部の領域内を通過したとき、前記固定具を前記平面に対して固定した前記設置位置が合格であると判定する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の設置位置確認治具。
【0018】
(7) 前記平板は、少なくとも前記第1帯部および前記第2帯部が描画されている領域において透明または半透明である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の設置位置確認治具。
【発明の効果】
【0019】
本発明の設置位置確認治具によれば、建築物の屋上のような躯体が備える床部等の平面に対して配置体を配置するために、この配置体を平面に固定する固定具を、平面に予め墨出しされた直線同士の交点に対応して固定した際に、固定具の平面に対する固定により、この直線の交点が消失もしくは視認することができなくなっていたとしても、固定具が平面に固定されている設置位置が、直線の交点に対して、優れた位置精度で位置決めされているか否かを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】シート防水構造が施された躯体に対して、ソーラーパネルユニットが固定された状態を部分的に取り出した部分斜視図である。
図2図1に示すシート防水構造が施された躯体に固定されたソーラーパネルユニットのA-A線縦断面図である。
図3図1に示すシート防水構造が施された躯体に固定されたソーラーパネルユニットの図2に示すB部における縦断面図である。
図4図2に示すB部において、シート防水構造が施された躯体に、ソーラーパネルユニットを固定するために用いられる配置体固定構造の分解図である。
図5図4に示す配置体固定構造が備える固定用金具が固定された設置位置と、墨出しされた墨出し線の交点との位置関係を示す平面図である。
図6図5に示す墨出し線の交点に対応して、固定用金具を固定する固定方法を示す平面図である。
図7図5に示す墨出し線の交点に対応して、固定用金具を固定する固定方法を示す平面図である。
図8図5に示す墨出し線の交点に対応して、固定用金具を固定する固定方法を示す平面図である。
図9図5に示す墨出し線の交点に対応して、固定用金具を固定する固定方法を示す平面図である。
図10図5に示す墨出し線の交点に対応して、固定用金具を固定する固定方法を示す平面図である。
図11】本発明の設置位置確認治具の第1実施形態を示す平面図である。
図12図11に示す設置位置確認治具を用いて固定具が固定された設置位置を確認する確認方法を示す平面図である。
図13図11に示す設置位置確認治具を用いて固定具が固定された設置位置を確認する確認方法を示す平面図である。
図14図11に示す設置位置確認治具を用いて固定具が固定された設置位置を確認する確認方法を示す平面図である。
図15】本発明の設置位置確認治具の第2実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の設置位置確認治具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0022】
まず、本発明の設置位置確認治具を説明するのに先立って、シート防水構造が施された躯体に対して、配置体固定構造を介して躯体に固定されているソーラーパネルユニット(太陽光発電ユニット)について説明する。すなわち、配置体固定構造を介して、シート防水構造が施された躯体に固定された配置体として、ソーラーパネルユニットが適用されている場合について説明する。
【0023】
そして、このソーラーパネルユニット(配置体)および配置体固定構造の説明の後に、配置体固定構造が備える固定用金具(固定具)の躯体(床部)に対する設置位置の確認に用いられる、本発明の設置位置確認治具について説明する。
【0024】
<ソーラーパネルユニット>
図1は、シート防水構造が施された躯体に対して、ソーラーパネルユニットが固定された状態を部分的に取り出した部分斜視図、図2は、図1に示すシート防水構造が施された躯体に固定されたソーラーパネルユニットのA-A線縦断面図、図3は、図1に示すシート防水構造が施された躯体に固定されたソーラーパネルユニットの図2に示すB部における縦断面図、図4は、図2に示すB部において、シート防水構造が施された躯体に、ソーラーパネルユニットを固定するために用いられる配置体固定構造の分解図である。なお、以下の説明では、図1図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1では、説明の便宜上、シート防水構造が施された躯体の全体を示すことなく、躯体が備える床部と壁部とを部分的に図示している。さらに、図2図4中では、理解を容易にするため、ソーラーパネルユニット、シート防水構造および配置体固定構造において、各部の厚さ方向を誇張して模式的に図示している。
【0025】
ソーラーパネルユニット70は、シート防水構造1が施工された、建築物が備える屋上やベランダのような躯体10(構造体)に対して固定される。
【0026】
躯体10は、本実施形態では、図1に示すように、床部11と、この床部11の外縁を取り囲むように沿って立設して設けられた壁部12(立ち上がり部)とを有している。
【0027】
シート防水構造1は、かかる構成をなしている、躯体10、すなわち枠体をなす壁部12と、底部を構成する床部11とを備えた躯体10に対して施工されるものであり、床部11の上側に敷設された断熱層40(断熱材)と、壁部12および断熱層40に敷設された防水シート30と、配置部材(図示せず)と、固定ディスク(図示せず)とを有している。
【0028】
断熱層40(断熱材)は、その全体形状がシート状(層状)をなして、床部11の上側に敷設され、その下面が床部11に当接し、上面が後述する防水シート30に当接している。これにより、断熱層40は、外部からの熱が躯体10の内部に伝達されるのを遮断する機能を発揮する。
【0029】
この断熱層40は、発泡体で構成され、その構成材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のような樹脂材料、金属材料、および、セラミックス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものを主材料として用いることができるが、中でも、熱可塑性樹脂を主材料として構成されるものであることが好ましい。これにより、断熱層40の軽量化を図るとともに、化学的方法もしくは物理的方法を用いることで、発泡体で構成される断熱層40を比較的容易に形成することができる。
【0030】
なお、本明細書中において、「主材料」とは、このものを含有する層(膜)を構成する構成材料のうち、50重量%以上含有する構成材料のことを言うこととする。
【0031】
また、熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体のようなポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
なお、断熱層40は、上記の通り、発泡体の単体で構成される場合の他、前記発泡体の上面が被覆材で被覆された積層体であってもよい。このように、発泡体を被覆材で被覆することで、後述する防水シート30に含まれる可塑剤が発泡体側に移行するのを、確実に防止することができるため、防水シート30の変質・劣化を、より的確に抑制または防止することができる。
【0033】
さらに、断熱層40は、その平均厚さが30mm以上100mm以下程度であるのが好ましく、40mm以上70mm以下程度であるのがより好ましい。これにより、断熱層40に、外部からの熱が躯体10の内部に伝達されるのを遮断する機能を確実に発揮させることができる。
【0034】
配置部材は、床部11上に敷設された断熱層40と壁部12との境界部に配置され、さらに、複数の固定ディスクは、所定(一定)の間隔を開けて断熱層40上に配置されており、この状態で、配置部材および固定ディスクは、断熱層40を介して、床部11に固定ビス等により固定されている。
【0035】
そして、塩化ビニル系樹脂等の樹脂材料を主材料として構成され、好ましくは可塑剤、安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加工助剤、滑剤、充填材、難燃剤および色材等の添加剤を含む防水シート30は、上記のような構成をなしている、配置部材、固定ディスクおよび固定ビスとともに床部11と断熱層40とを覆った状態で、固定部材および固定ディスクに、溶着または接着により固定されており、これにより、躯体10の防水性が確保される。
【0036】
すなわち、日光や雨水には防水シート30が晒されることとなり、躯体10が直接的に日光や雨水に晒されることが防止されるため、躯体10の防水性が確保される。また、固定ディスクの上面と防水シート30との下面とが接合されており、これにより、固定ディスクを介して断熱層40が敷設された床部11と防水シート30とが接合され、その結果、風等に対して防水シート30が引き剥がされることなく躯体10に固定されている。
【0037】
また、防水シート30は、その平均厚さが0.5mm以上5.0mm以下程度であるのが好ましく、1.0mm以上2.5mm以下程度であるのがより好ましい。これにより、防水シート30に、躯体10の防水性を確保する機能を確実に発揮させることができる。
【0038】
ソーラーパネルユニット70は、前述の通り、断熱層40を備えるシート防水構造1が施された躯体10に対して固定される配置体であり、平板状をなす本体部71(ソーラーパネル部)と、本体部71の各隅部近傍から下側に向かって突出する4つの脚部72とを有しており、複数(図1中では6個)のソーラーパネルユニット70が、躯体10の床部11の縦方向および横方向に沿って、マトリクス状をなすように、行列に整列した状態で、シート防水構造1が施された躯体10の床部11に対して配置されている。そして、ソーラーパネルユニット70は、このものが備える脚部72において、配置体固定構造60が備える固定用金具50を介して、シート防水構造1が施された床部11(躯体10)に対して固定されている(図1図2参照)。
【0039】
本体部71は、例えば多結晶シリコンからなるセルを行列に配列された状態で複数備え、これらセルを強化ガラスで覆ったものであり、本実施形態では、平面視形状が長方形状をなす平板であり、その下面の4つの隅部近傍から突出して脚部72が設けられている。
【0040】
脚部72は、1つの本体部71に対して4つ設けられ、それぞれ、基端が本体部71の隅部近傍に固定され、また、先端が、配置体固定構造60が備える固定用金具50を介してシート防水構造1が施された躯体10の床部11に対して固定されている。このような脚部72は、2つの脚部72が他方の2つの脚部72に対して長さが長く形成され、長さの長い2つの脚部72が一方の長辺に対応した隅部近傍に配置され、長さの短い2つの脚部72が他方の長辺に対応した隅部近傍に配置されている。これにより、ソーラーパネルユニット70の躯体10に対する固定時に、本体部71を床部11に対して傾斜させ得ることから、傾斜された本体部71を南向きに向けた状態で躯体10に固定することで、本体部71に効率よく太陽光を受光させることができる。
【0041】
配置体固定構造60は、シート防水構造1が設けられた躯体10が備える床部11上に、このシート防水構造1を介して、ソーラーパネルユニット70を固定するのに用いられるものであり、固定用金具50と、防水シート片35と、スペーサ45と、金属シート片34とを有している。
【0042】
この配置体固定構造60を介して、床部11にソーラーパネルユニット70を固定することで、躯体10に施されたシート防水構造1による防水性の低下を招くことなく、 断熱層40が敷設された床部11に固定し、かつ、配置体としてのソーラーパネルユニット70の位置ズレが生じるのを的確に抑制または防止して、ソーラーパネルユニット70を床部11に長期に亘って固定することができる。以下、この配置体固定構造60が備える各部について、順次、説明する。
【0043】
固定用金具50(アンカー)は、各脚部72の先端に固定して設けられ、この固定用金具50の断熱層40が敷設された床部11に対する固定により、脚部72が固定用金具50を介して断熱層40が敷設された床部11に固定される。すなわち、ソーラーパネルユニット70が、断熱層40が敷設された床部11(平面)に対して固定される。
【0044】
この固定用金具50は、本実施形態では、図3図4に示すように、固定板61(金属片)と、ボルト62(第2固定ボルト)と、ボルト63(第1固定ボルト)と、ダブルアンカー64(柱状体)と、パッキン36、37と、座板51と、固定具本体52と、ワッシャー53と、ナット54、55と、固定体56と、ワッシャー57と、ナット58とを有している。
【0045】
ダブルアンカー64(柱状体)は、その全体形状が円筒状をなし、その内周面に雌ネジが形成されており、固定用金具50を固定すべき床部11(平面)に形成された穴部111に打ち込まれることで床部11に固定されている。
【0046】
固定板61は、その全体形状が平板状をなす金属片からなり、その中央部に設けられた1つの挿通孔611を備え、また、その縁部側に、挿通孔611を通過する線上に挿通孔611を中央側としてそれぞれ設けられた2つの挿通孔612を備えており、防水シート30上に配置された状態で、挿通孔611には、ボルト63が脚部72側(上側)に突出するように挿通され、さらに、挿通孔612には、ボルト62が床部11側(下側)に突出するようにそれぞれ挿通されている。
【0047】
ボルト62(第2固定ボルト)は、円盤状をなすフランジ部と、フランジ部の中心部から突出して設けられ、その外周面に雄ネジが形成されたボルト本体とを有している。このボルト62が備えるボルト本体を、固定板61が備える挿通孔612に、床部11側(下側)に向かって突出するように挿通した状態で、防水シート30および断熱層40を貫通して、ダブルアンカー64に螺合することで、ボルト62は、床部11に打ち込まれることで固定され、その結果、固定板61は、断熱層40を介して床部11上に敷設された防水シート30に接触した状態で固定される。
【0048】
なお、ボルト62は、挿通孔612に挿通された状態で、床部11に固定され、このとき、固定板61の中央部の下側に対応する位置には、後述するスペーサ45が配置されるが、固定板61の平面視形状がスペーサ45よりも大きく設定され、また、挿通孔612が固定板61の縁部側に設けられている。そのため、スペーサ45を避け、防水シート30および断熱層40を挿通させて、ボルト62を、床部11に固定させることができる。すなわち、固定板61の下側に位置する、スペーサ45および、このスペーサ45を被覆する金属シート片34を避けて、固定板61に挿通されたボルト62をもって、固定板61に挿通されたボルト63を、床部11に固定させることができる。
【0049】
また、ボルト63(第1固定ボルト)は、円盤状をなすフランジ部と、フランジ部の中心部から円柱状に突出して設けられ、その外周面に雄ネジが形成されたボルト本体(柱状体)とを有している。このボルト63が備えるボルト本体を、固定板61が備える挿通孔611に、脚部72側(上側)に突出するように挿通した状態で、固定板61が防水シート30上に固定されることで、ボルト63は、脚部72側に突出した状態で、固定板61を介して防水シート30上に固定される。
【0050】
固定具本体52は、平板状をなし、その中心部に厚さ方向に貫通する貫通孔を備える底部と、この底部が備える1辺の縁部から立設する立ち上がり部とを有している。この固定具本体52が備える底部の下側に、固定板61とほぼ同様の形状に形成され、その中心部に貫通孔を備えるパッキン36、37および座板51を配置し、各部材が備える貫通孔にボルト63を挿通し、さらに、ワッシャー53を介在させた状態で、ナット54、55を螺合することにより、固定具本体52は、ボルト63、固定板61、ボルト62およびダブルアンカー64を介して、床部11に固定されている。
【0051】
固定体56は、平板状をなす一対の底部と、各底部が備える1辺の縁部から立設する一対の立ち上がり部と、これら立ち上がり部の先端同士を連結し、その中心部に厚さ方向に貫通する貫通孔を備える頂部とを有している。この固定体56が備える底部を、固定具本体52が備える底部に接触させ、固定体56(頂部)が備える貫通孔にボルト63を挿通し、さらに、ワッシャー57を介在させた状態で、ナット58を螺合することにより、固定体56が固定具本体52に対して固定され、これにより、固定具本体52のボルト63を介した固定板61に対する固定強度がより強固なものとなっている。
【0052】
固定用金具50を、かかる構成を有するものとすることで、断熱層40と防水シート30とが床部11側から、この順で敷設された床部11に対して固定用金具50が強固に固定される。そのため、図3に示すように、固定具本体52の立ち上がり部に形成された貫通孔にボルト74を挿通し、さらに、このボルト74を脚部72が備える貫通孔に挿通した状態で、ナット73を螺合することにより、脚部72は、固定用金具50を介して断熱層40と防水シート30とが敷設された床部11に対して固定される。すなわち、ソーラーパネルユニット70が、固定用金具50を介して、断熱層40と防水シート30とが敷設された床部11に対して固定される。
【0053】
なお、かかる構成をなす固定用金具50において、固定板61、ボルト62、ボルト63およびダブルアンカー64が、床部11に対して固定され、防水シート片35で被覆されて設けられている。そして、パッキン36、37、座板51、固定具本体52、ワッシャー53、ナット54、55、固定体56、ワッシャー57およびナット58が、防水シート30側から脚部72側に突出して設けられたボルト63に対して挿通した状態で固定して設けられることで、結果的に、床部11に対して固定されている。
【0054】
したがって、床部11に対して固定されている、固定板61、ボルト62、ボルト63およびダブルアンカー64の設置位置に応じて、固定用金具50の設置位置が決定される。そこで、本明細書においては、以下、「固定板61、ボルト62、ボルト63およびダブルアンカー64」が床部11に対して固定されているものを、単に「固定具」と言うこともある。
【0055】
防水シート片35は、その平面視形状が固定板61よりも大きい平板状をなし、厚さ方向に貫通する貫通孔を中央部に備えており、この貫通孔に、脚部72側に突出するボルト63のボルト本体を挿通した状態で、防水シート30さらには固定板61に対して固定されており、これにより、固定用金具50の防水シート片35よりも下側に位置する部材、すなわち、固定板61、ボルト62、63およびダブルアンカー64の防水性が確保されている。
【0056】
スペーサ45は、その全体形状が円柱状をなし、断熱層40の厚さ方向に貫通し、固定用金具50に対応して、その下側に設けられた貫通孔41に配設されている。
【0057】
このスペーサ45は、図3に示すように、その高さが断熱層40と防水シート30との合計の厚さとほぼ等しく設定され、断熱層40よりも硬度が高い筒体46と、この筒体46の内部空間に充填された断熱片47とを有する。
【0058】
かかる構成をなすスペーサ45は、固定用金具50に対応して、その下側において、断熱層40に形成された貫通孔41に、防水シート30の厚さ方向に貫通して設けられた孔部301に挿通した状態で、配設されることにより、床部11上に配置される。そのため、固定用金具50が備える固定板61は、スペーサ45を介して、床部11により支持される。このとき、スペーサ45は、断熱層40よりも硬度が高い筒体46を備えることから、固定板61ひいては固定用金具50を優れた強度で支持することができる。そのため、固定用金具50を介して床部11に固定された、配置体としてのソーラーパネルユニット70の自重により、スペーサ45が押し潰されるのを、的確に抑制または防止し得ることから、ソーラーパネルユニット70の床部11からの位置ズレを、長期に亘って発生させることなく、ソーラーパネルユニット70を床部11に固定することができる。
【0059】
なお、スペーサ45の高さは、図3のように、断熱層40と防水シート30との合計の厚さとほぼ等しく設定されるのが好ましいが、断熱層40の厚さとほぼ等しく設定されるものであってもよい。スペーサ45の高さを、断熱層40の厚さとほぼ等しく設定した場合においても、固定用金具50に対応してスペーサ45を、配設することにより得られる前記効果を、ほぼ同様に発揮させることができる。
【0060】
また、本明細書において、スペーサ45の高さが、断熱層40と防水シート30との合計の厚さ、または、断熱層40の厚さとほぼ等しいとは、それぞれ、断熱層40と防水シート30との合計の厚さ、または、断熱層40の厚さに対して、±10.0%以内のズレ量でスペーサ45の高さに誤差が生じていることを許容することとする。
【0061】
筒体46は、緻密体で構成され、断熱層40よりも硬度を高くし得る構成材料からなり、この構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂のような樹脂材料、チタン、アルミニウム、ニッケル、ステンレスのような金属材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0062】
断熱片47は、好ましくは発泡体で構成される。これにより、断熱片47に断熱層40と同一の機能を発揮させることができる。そのため、スペーサ45が配置された位置において、外部からの熱が躯体10の内部に伝達されるのを、的確に抑制または防止することができる。
【0063】
この断熱片47の構成材料としては、断熱層40で挙げたのと、同一の構成材料を用いることができる。
【0064】
金属シート片34は、その平面視形状が四角形状をなし、固定用金具50に対応する位置で、防水シート30を被覆するものである。
【0065】
防水シート30は、断熱層40が備える貫通孔41にスペーサ45を配置するために設けられ、その平面視において重なる位置で、貫通孔41(スペーサ45)に対応して形成された、厚さ方向に貫通する孔部301が設けられている。金属シート片34は、この防水シート30に形成された孔部301を被覆するものであり、金属シート片34の平面視形状がスペーサ45すなわち孔部301よりも大きく設定されており、これにより、金属シート片34は、固定用金具50に対応する位置で、防水シート30の平面視において、孔部301およびスペーサ45を包含して防水シート30を被覆することができる。
【0066】
このように、貫通孔41に対応したスペーサ45の配置のために、防水シート30に孔部301が形成されていたとしても、この孔部301を包含して防水シート30に対して金属シート片34が被覆されている。そして、この金属シート片34を包含して、防水シート片35は、防水シート30を被覆している。したがって、金属シート片34と防水シート片35とにより、孔部301を介して、雨水等の水が躯体10側に浸入するのを的確に抑制または防止し得る。したがって、躯体10に施されたシート防水構造1による防水性の低下を招くのを的確に抑制または防止することができる。また、躯体10が備える床部11に対する、シート防水構造1および配置体固定構造60の施工は、床部11に対してシート防水構造1を形成した後に、配置体固定構造60を設けることにより実施される。そのため、孔部301を包含した防水シート30に対する金属シート片34の被覆の後に、金属シート片34を包含した防水シート30に対する防水シート片35の被覆がなされることとなる。したがって、シート防水構造1および配置体固定構造60の施工時において、例えば、防水シート30に対する金属シート片34の被覆の後に、防水シート30に対して防水シート片35が被覆される迄の間に、シート防水構造1が風雨に曝されたとしても、孔部301を介して、床部11に雨水が浸入するのを、金属シート片34により的確に抑制または防止することができる。さらに、防水シート片35と断熱片47とが不本意に接触することに起因して、防水シート片35に含まれる可塑剤が断熱片47側に移行するのを、確実に防止することができるため、防水シート片35の変質・劣化を、より的確に抑制または防止することができる。そして、貫通孔41に対応してスペーサ45を配置した状態で、固定用金具50ひいては配置体固定構造60を、床部11に固定し得ることから、この配置体固定構造60を介して、床部11に固定されたソーラーパネルユニット70を、優れた強度で固定することができる。
【0067】
金属シート片34は、金属材料を主材料として構成され、この金属材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、銅、チタンおよびタングステン等が挙げられ、これらの金属を単独または合金として用いることができる。これらの中でも、アルミニウムであることが好ましい。すなわち、金属シート片34は、アルミシート片であることが好ましい。これにより、優れた密着性をもって、孔部301およびスペーサ45を包含して防水シート30を被覆することができる。
【0068】
<固定用金具の固定方法>
前述の通り、ソーラーパネルユニット70は、複数(図1中では6個)のソーラーパネルユニット70が、躯体10の床部11の縦方向および横方向に沿って、マトリクス状をなすように、行列に整列した状態で、シート防水構造1が施された躯体10の床部11に対して配置されている。そして、ソーラーパネルユニット70は、このものが備える脚部72において、配置体固定構造60が備える固定用金具50を介して、シート防水構造1が施された床部11(躯体10)に対して固定されている。
【0069】
そのため、複数のソーラーパネルユニット70を、床部11の縦方向および横方向に沿って、マトリクス状をなすように、床部11に位置精度よく配置させるには、床部11(平面)に対して、ソーラーパネルユニット70の固定に用いられる、配置体固定構造60が備える固定用金具50を、床部11の縦方向および横方向に沿ったマトリクス状に、優れた位置精度で固定することが求められる。すなわち、固定用金具50を、このものが固定された設置位置501において、優れた位置精度で位置決めすることが求められる。
【0070】
このような要求に対して、固定用金具50は、シート防水構造1が施された躯体10の床部11の設置位置501に、以下に示すようにして、固定される。
【0071】
図5は、図4に示す配置体固定構造が備える固定用金具が固定された設置位置と、墨出しされた墨出し線の交点との位置関係を示す平面図、図6図10は、図5に示す墨出し線の交点に対応して、固定用金具を固定する固定方法を示す平面図である。なお、以下の説明では、図5図10中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」と言う。また、図6図10では、説明の便宜上、シート防水構造が施された躯体の全体を示すことなく、固定用金具が固定された設置位置の近傍の床部を部分的に図示している。
【0072】
前述の通り、シート防水構造1が施された躯体10に対するソーラーパネルユニット70の固定では、固定すべきソーラーパネルユニット70を、行列方向(図5中XY方向)に沿って、マトリクス状をなして位置精度よく複数配列するために、ソーラーパネルユニット70を固定する配置体固定構造60が備える固定用金具50を、このものが固定(配置)された設置位置501に、行列方向に優れた位置精度で位置決めすることが求められる。
【0073】
具体的には、図1に示したような行列方向にソーラーパネルユニット70を躯体10に配置する場合、すなわち、図5に示すように、X方向(横方向)に、M個のソーラーパネルユニット70を配置し、Y方向(縦方向)にn個のソーラーパネルユニット70を配置する場合、位置A1~位置Mnに示す位置で、X方向およびY方向に対して行列をなして、M×n個のソーラーパネルユニット70が配列される。
【0074】
また、これらソーラーパネルユニット70を固定する固定用金具50が配置された設置位置501は、各ソーラーパネルユニット70が配置される位置A1~位置Mnに対応した、位置a~位置dで位置決めされる必要がある。
【0075】
そして、ソーラーパネルユニット70が配置される位置A1~位置Mnに対応した、各位置a~位置dは、図5に示すように、床部11に敷設された防水シート30上において、予め墨出しされた、X方向に沿って伸びる墨出し線としての複数のライン901と、Y方向に沿って伸びる墨出し線としての複数のライン902との交点として、防水シート30上に描画されている。
【0076】
このように、各ソーラーパネルユニット70が配置される位置A1~位置Mnに対応した位置a~位置dが、複数のライン901と複数のライン902との交点として、防水シート30に描画されている。そして、固定用金具50は、これら位置a~位置d(交点)に一致するように、設置位置501において固定(設置)されることとなるが、以下では、ライン901とライン902との交点として描画された位置aに対応して、固定用金具50を固定する場合の各工程を一例として説明する。
【0077】
[1A]まず、断熱層40と防水シート30とが、床部11側からこの順で敷設された床部11(平面)には、防水シート30上に、X方向に沿って伸びる墨出し線としてのライン901と、Y方向に沿って伸びる墨出し線としてのライン902とが予め墨出しされている。このようなライン901、902において、これらの交点として、固定用金具50を固定すべき位置aが防水シート30上に描画されている(図6参照)。
【0078】
このライン901、902の交点としての位置aに対応して、すなわち、位置aを目印として、断熱層40および防水シート30をそれぞれ貫通する貫通孔41および孔部301を形成した後に、これら貫通孔41および孔部301に、スペーサ45を挿通した状態で配置する。そして、床部11の平面視において、スペーサ45の外側の位置に、断熱層40および防水シート30を貫通させて、床部11(平面)に形成された穴部111にダブルアンカー64を打ち込む(図7参照)。
【0079】
なお、位置aに対応して貫通孔41および孔部301を形成するとき、貫通孔41および孔部301の中心が、床部11の平面視すなわち床部の直交方向において、位置aに一致するように、貫通孔41および孔部301を、それぞれ、断熱層40および防水シート30に形成する。
【0080】
[2A]次に、貫通孔41および孔部301に対応して配置されたスペーサ45を包含するように、防水シート30を金属シート片34で被覆する(図8参照)。
【0081】
このとき、床部11の平面視において、金属シート片34は、スペーサ45の外側に位置するダブルアンカー64を被覆することなく、スペーサ45を選択的に被覆している。
【0082】
[3A]次に、ボルト62(第2固定ボルト)を、固定板61が備える挿通孔612に、床部11側(下側)に向かって突出するように挿通した状態で、防水シート30および断熱層40を貫通して、ダブルアンカー64に螺合する(図9参照)。
【0083】
これにより、ボルト62は、床部11に打ち込まれることで固定され、その結果、固定板61は、ボルト62およびダブルアンカー64により、断熱層40を介して床部11上に敷設された防水シート30に接触した状態で固定される。
【0084】
このとき、ボルト63(第1固定ボルト)は、固定板61のボルト62による床部11への固定に先立って、固定板61が備える挿通孔611に、脚部72側(上側)に突出するように挿通した状態とされている。そのため、ボルト62により、固定板61が床部11に固定されることで、ボルト63は、脚部72側に突出した状態で、固定板61を介して防水シート30上に固定される。
【0085】
すなわち、固定板61を床部11に対して固定することで、ボルト63を脚部72側に突出させた状態で、固定板61、ボルト62、ボルト63およびダブルアンカー64で構成される固定具が、防水シート30および断熱層40を介して、床部11に固定される。
【0086】
なお、固定板61を床部11に対して固定するとき、脚部72側に突出するボルト63の中心(中心軸)が、床部11の平面視において、貫通孔41および孔部301の中心に一致するように、固定板61を固定する。したがって、前記工程[1A]において、貫通孔41および孔部301の中心が、床部11の平面視において、位置aに一致するように、貫通孔41および孔部301が、それぞれ、断熱層40および防水シート30に形成されている。そのため、固定板61は、脚部72側に突出するボルト63の中心が、床部11の平面視において、位置aに一致するように床部11に対して固定されることから、ボルト63の中心(中心軸)の位置が、固定具(固定用金具50)が固定された設置位置501を構成する。
【0087】
[4A]次に、ボルト63を脚部72側(上側)に突出させた状態で、ボルト62により床部11に固定された固定板61を包含するように、防水シート30を防水シート片35で被覆する(図10参照)。
【0088】
このとき、固定板61から、脚部72側(上側)に突出して設けられたボルト63は、防水シート片35をも貫通した状態とされ、この状態で、防水シート片35は、固定板61を包含して防水シート30を被覆する。
【0089】
[5A]次に、パッキン36、37、座板51、固定具本体52、ワッシャー53、ナット54、55、固定体56、ワッシャー57およびナット58を、この順で、脚部72側(上側)に突出して設けられたボルト63に対して挿通し、その後、この状態で、これらをボルト63に固定する(図示せず)。
【0090】
これにより、固定板61、ボルト62、ボルト63、ダブルアンカー64、パッキン36、37、座板51、固定具本体52、ワッシャー53、ナット54、55、固定体56、ワッシャー57およびナット58で構成される固定用金具50が、設置位置501において、防水シート30および断熱層40を介して、床部11に固定される。
【0091】
以上のような工程[1A]~工程[5A]を経ることで、シート防水構造1が施された躯体10の床部11、すなわち、シート防水構造1が備える防水シート30上の設置位置501に、固定用金具50が固定される。
【0092】
ここで、防水シート30上の設置位置501に固定された固定用金具50(固定具)と、この設置位置501への固定に用いられた、ライン901とライン902との交点としての位置aとの一致もしくは不一致を確認することができれば、固定用金具50が固定(設置)された設置位置501の位置精度を確認することができる。
【0093】
しかしながら、前記工程[1A]~前記工程[5A]を経て、防水シート30上の設置位置501に、固定用金具50を固定した場合、前記工程[1A]における、貫通孔41および孔部301に対するスペーサ45の配置により、防水シート30上に描画された位置aは、消失している。
【0094】
また、例えば、前記工程[1A]~前記工程[5A]のうち前記工程[1A]において、貫通孔41および孔部301に対するスペーサ45の配置を省略した場合では、位置aは、消失してはいないものの、固定板61および防水シート片35で被覆されていることから、視認することができない。
【0095】
そのため、固定用金具50が固定されている設置位置501が、消失している、もしくは視認することができない位置aに対して、如何なる位置精度で位置決めされて固定用金具50が固定されているかを知ることができないと言う問題があった。
【0096】
かかる問題点を解決すること、すなわち、消失している、もしくは視認することができない位置aに対する、固定用金具50が固定されている設置位置501の位置精度を知るために、本発明の設置位置確認治具200が用いられる。以下、この設置位置確認治具200、および、設置位置確認治具200を用いた設置位置501の確認方法について説明する。
【0097】
なお、上記の通り、固定用金具50が固定されている設置位置501は、固定用金具50が備える、固定板61、ボルト62、ボルト63およびダブルアンカー64で構成される固定具が固定されている位置により決定される。すなわち、固定用金具50が固定されている設置位置501と固定具が固定される設置位置とは一致している。そのため、以下では、設置位置確認治具200を用いて、固定具が固定された設置位置501を確認することとする。
【0098】
<設置位置確認治具>
<<第1実施形態>>
図11は、本発明の設置位置確認治具の第1実施形態を示す平面図、図12図14は、図11に示す設置位置確認治具を用いて固定具が固定された設置位置を確認する確認方法を示す平面図である。なお、以下の説明では、図11図14中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」と言う。また、図11図14では、説明の便宜上、シート防水構造が施された躯体の全体を示すことなく、固定用金具が固定された設置位置の近傍の床部を部分的に図示している。
【0099】
設置位置確認治具200は、床部11(平面)に対して固定された固定具の設置位置501の確認の際に、固定具が固定された防水シート30(床部11)に対して配置することで、位置aに対する設置位置501を確認するための確認作業に用いられるものであり、全体形状が平板状をなす平板210と、確認作業の際に、設置位置確認治具200の平面視において設置位置501(ボルト63の中心軸)に重なるように配置される基準点220と、この基準点220を通過し、第1墨出しラインとしてのライン901と平行をなすように平板210に帯状をなして描画された第1帯部230と、基準点220を通過し、第2墨出しラインとしてのライン902と平行をなすように平板210に帯状をなして描画された第2帯部240と、を有している。
【0100】
かかる構成をなす設置位置確認治具200によれば、シート防水構造1が施された床部11(平面)に対してソーラーパネルユニット70(配置体)を配置するために、ソーラーパネルユニット70を平面に固定する固定用金具50(固定具)を、防水シート30上に予め墨出しされたライン901、902同士の交点としての位置aに対応して固定した際に、固定用金具50の床部11に対する固定により、位置a(交点)が消失もしくは視認することができなくなっていたとしても、固定用金具50(固定具)が床部11に固定されている設置位置501が、位置aに対して、優れた位置精度で位置決めされているか否かを知ることができる。以下、この設置位置確認治具200が備える各部について、順次、説明する。
【0101】
平板210は、全体形状が平板状をなしており、床部11に対して施工されたシート防水構造1の防水シート30上に配置される。
【0102】
この平板210は、本実施形態では、透明(無色透明、着色透明)または半透明をなし、すなわち、実質的に透明をなし、その構成材料としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂のような透明性を備える樹脂材料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これにより、強度に優れた、実質的に透明をなす平板210とすることができる。
【0103】
また、平板210は、その平均厚さが1.0mm以上10.0mm以下程度であるのが好ましく、2.0mm以上5.0mm以下程度であるのがより好ましい。これにより、平板210に、優れた強度を付与することができる。そのため、固定具が固定された設置位置501を、設置位置確認治具200を用いて確認する際に、設置位置確認治具200の取り扱い性の向上を図ることができる。
【0104】
さらに、平板210は、本実施形態では、図13図14に示すように、その大きさが、設置位置確認治具200を防水シート30上に載置した際に、設置位置確認治具200の平面視において、防水シート片35を包含し得る大きさに設定されている。これにより、固定具が固定されている設置位置501が、位置aに対して、優れた位置精度で位置決めされているか否かの、設置位置確認治具200を用いた確認を、より容易に実施することができる。
【0105】
基準点220は、固定具の設置位置501の確認作業の際、すなわち、設置位置確認治具200を、防水シート30上に載置した際に、設置位置確認治具200の平面視において、固定具の設置位置501(固定位置)すなわちボルト63の中心(中心軸)に重なるように配置される点であり、本実施形態では、設置位置確認治具200の平面視において、平板210の厚さ方向に貫通して設けられた貫通孔225の中心が、基準点220に重なるように構成されている。換言すれば、貫通孔225の中心(中心点)が基準点220を構成している。
【0106】
この貫通孔225には、固定具の設置位置501の確認作業の際に、固定具を構成するボルト63(柱状体)が挿通され、このとき、設置位置確認治具200は、設置位置確認治具200の平面視において、貫通孔225の中心(中心点)すなわち基準点220が、脚部72側に突出するボルト63の中心(中心軸)すなわち固定具の設置位置501と重なるように、防水シート30上に載置される。
【0107】
第1帯部230は、基準点220を通過し、固定具の設置位置501の確認作業の際、すなわち、設置位置確認治具200を、防水シート30上に載置した際に、防水シート30上に墨出しされた墨出し線(第1墨出しライン)としてのライン901と平行をなすように平板210に帯状をなして描画された、透明または半透明をなす帯状体である。
【0108】
また、第1帯部230は、基準点220を通過するが、本実施形態では、この基準点220を第1帯部230が通過する位置は、図11に示すように、第1帯部230の短手方向(幅方向)の中央(中心)同士を結ぶ、第1帯部230の長手方向に沿った(長手方向に平行をなす)直線231上に対応している。これにより、固定具が固定されている設置位置501が、位置aに対して、優れた位置精度で位置決めされているか否かをより優れた精度で知ることができる。
【0109】
さらに、第1帯部230は、その平均幅が、好ましくは2.0mm以上20.0mm以下程度、より好ましくは4.0mm以上16.0mm以下程度、さらに好ましくは4.0mm以上12.0mm以下程度に設定されている。第1帯部230の平均幅の大きさは、固定用金具50を固定する設置位置501に求められる位置精度に応じて設定されるが、第1帯部230の平均幅が前記範囲内に設定されることで、設置位置501が優れた位置精度で位置決めされているか否かを確実に確認することができる。
【0110】
第2帯部240は、基準点220を通過し、固定具の設置位置501の確認作業の際、すなわち、設置位置確認治具200を、防水シート30上に載置した際に、防水シート30上に墨出しされた墨出し線(第2墨出しライン)としてのライン902と平行をなすように平板210に帯状をなして描画された、透明または半透明をなす帯状体である。
【0111】
また、第2帯部240は、基準点220を通過するが、本実施形態では、この基準点220を第2帯部240が通過する位置は、図11に示すように、第2帯部240の短手方向(幅方向)の中央(中心)同士を結ぶ、第2帯部240の長手方向に沿った(長手方向に平行をなす)直線241上に対応している。これにより、固定具が固定されている設置位置501が、位置aに対して、優れた位置精度で位置決めされているか否かをより優れた精度で知ることができる。
【0112】
なお、第2帯部240および前述した第1帯部230が、本実施形態では、以上のような構成をなすことから、第1帯部230の長手方向に沿った直線231と、第2帯部240の長手方向に沿った直線241との交点が基準点220上に位置することとなる。
【0113】
また、第2帯部240は、その平均幅が、好ましくは2.0mm以上20.0mm以下程度、より好ましくは4.0mm以上16.0mm以下程度、さらに好ましくは4.0mm以上12.0mm以下程度に設定されている。第2帯部240の平均幅の大きさは、固定用金具50を固定する設置位置501に求められる位置精度に応じて設定されるが、第2帯部240の平均幅が前記範囲内に設定されることで、設置位置501が優れた位置精度で位置決めされているか否かを確実に確認することができる。
【0114】
また、かかる構成をなす第1帯部230および第2帯部240は、ライン901が防水シート30上においてX方向に沿って墨出しされ、ライン902が防水シート30上においてY方向に沿って墨出しされ、ライン901とライン902とが、これらの交点において直交している(図5図6等参照)ため、これら同士も同様に直交するように、平板210上に描画されている(図11参照)。
【0115】
上記のような設置位置確認治具200を用いて、躯体10(床部11)に施工されたシート防水構造1が備える固定具が固定されている設置位置501の位置精度を確認する確認方法は、例えば、以下のようにして、実施される。
【0116】
ここで、設置位置確認治具200を用いて設置位置501の位置精度を確認するのに先立って、例えば、図12に示すように、脚部72側に突出するボルト63に対して、平面視形状が円環状をなす環状体として、ワッシャー53を挿通しておく。そして、このとき、設置位置確認治具200としては、貫通孔225の直径が、この挿通されるワッシャー53の直径に一致するものを予め用意しておく。
【0117】
これにより、貫通孔225にボルト63を挿通させて、設置位置確認治具200を防水シート30上に載置させた際に、貫通孔225には、ワッシャー53をも挿通させることができる。このワッシャー53の挿通により、貫通孔225の内周面とワッシャー53の外周面とが一致する。そのため、ボルト63の中心軸すなわち設置位置501と、設置位置確認治具200の基準点220とを、設置位置確認治具200の平面視において一致させる(重ねる)ことができる。
【0118】
上記のようにして、ボルト63にワッシャー53が挿通された固定具に対して、設置位置確認治具200が備える貫通孔225にボルト63を挿通させることで、固定具が固定されている設置位置501の位置精度が確認される。
【0119】
具体的には、固定具が備えるボルト63に対して、設置位置確認治具200が備える貫通孔225にボルト63を挿通させた状態で、設置位置確認治具200を、防水シート30上に載置する。
【0120】
このとき、ボルト63には予めワッシャー53が挿通されていることから、貫通孔225に対して、ワッシャー53をも挿通させるとともに、防水シート30上のライン901に対して第1帯部230が平行となり、防水シート30上のライン902に対して第2帯部240が平行となるように、設置位置確認治具200を防水シート30上に載置する(図13図14参照)。
【0121】
この貫通孔225へのワッシャー53の挿通により、上記の通り、設置位置501(ボルト63の中心軸)と基準点220とが、設置位置確認治具200の平面視において一致する。そして、この状態で、防水シート30上のライン901に対して第1帯部230が平行となり、防水シート30上のライン902に対して第2帯部240が平行となるように、設置位置確認治具200を、ボルト63の中心軸方向に回転させる。
【0122】
このとき、図13に示すように、ライン901(第1墨出しライン)と位置a(ライン901とライン902との交点)とを通過する仮想ライン911(第1仮想ライン)、すなわち、固定用金具50の配置により消失もしくは視認することができなくなっているライン901(位置a)が、第1帯部230が描画されている領域内を通過し、かつ、ライン902(第2墨出しライン)と位置a(ライン901とライン902との交点)とを通過する仮想ライン912(第2仮想ライン)、すなわち、固定用金具50の配置により消失もしくは視認することができなくなっているライン902(位置a)が、第2帯部240が描画されている領域内を通過したとき、固定具が固定されている設置位置501が、位置aに対して、優れた位置精度で位置決めされていると言えるため合格であると判定する。
【0123】
これに対して、図14に示すように、ライン901と位置aとを通過する仮想ライン911が、第1帯部230が描画されている領域内を通過することと、ライン902と位置aとを通過する仮想ライン912が、第2帯部240が描画されている領域内を通過することとの少なくとも一方を満足しないとき、固定具が固定されている設置位置501が、位置aに対して、優れた位置精度で位置決めされていると言えないため不合格であると判定する。なお、図14では、仮想ライン911が、第1帯部230が描画されている領域内を通過するが、仮想ライン912が、第2帯部240が描画されている領域内を通過しない場合を提示している。
【0124】
以上のような確認方法を実施することで、固定具が固定されている設置位置501が、位置aに対して、優れた位置精度で位置決めされているか否かを確認することができる
【0125】
<<第2実施形態>>
図15は、本発明の設置位置確認治具の第2実施形態を示す平面図である。なお、以下の説明では、図15中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」と言う。
【0126】
以下、本発明の設置位置確認治具の第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0127】
本実施形態は、平板210に描画された第1帯部230および第2帯部240の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0128】
すなわち、図15に示すように、本実施形態では、第1帯部230は、第1帯部230の長手方向に沿った直線231を、第1帯部230の短手方向の中央に配置させて、平板210に、幅が異なるものが複数本(図15では2本)描画されている。そして、第2帯部240は、第2帯部240の長手方向に沿った直線241を、第2帯部240の短手方向の中央に配置させて、平板210に、幅が異なるものが複数本(図15では2本)描画されている。
【0129】
このように、第1帯部230および第2帯部240を、それぞれ、幅が異なるものが複数本描画されている構成とすることで、固定用金具50(固定具)が固定されている設置位置501が、位置aに対して位置決めされているのに求められる位置精度に応じて、幅が異なる第1帯部230および第2帯部240のうち、何れかを選択することができる。したがって、求められる位置精度が異なる固定用金具50を、シート防水構造1が施された床部11に対して固定した場合において、本実施形態の設置位置確認治具200であれば、1つの設置位置確認治具200を用いて、固定用金具50(固定具)が固定されている設置位置501の位置精度を確認することができる。
【0130】
このような第2実施形態の設置位置確認治具200によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0131】
以上、本発明の設置位置確認治具について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0132】
また、設置位置確認治具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0133】
また、前記実施形態では、本発明の設置位置確認治具が備える平板が実質的に透明をなすこととしたが、平板は、実質的に不透明なものであってもよい。ただし、平板を実質的に透明なものとすることで、固定具が固定されている設置位置が、墨出しライン同士の交点に対して、優れた位置精度で位置決めされているか否かの確認を、比較的容易に実施することができる。
【符号の説明】
【0134】
1 シート防水構造
10 躯体
11 床部
12 壁部
30 防水シート
34 金属シート片
35 防水シート片
36 パッキン
37 パッキン
40 断熱層
41 貫通孔
45 スペーサ
46 筒体
47 断熱片
50 固定用金具
51 座板
52 固定具本体
53 ワッシャー
54 ナット
55 ナット
56 固定体
57 ワッシャー
58 ナット
60 配置体固定構造
61 固定板
62 ボルト
63 ボルト
64 ダブルアンカー
70 ソーラーパネルユニット
71 本体部
72 脚部
73 ナット
74 ボルト
111 穴部
200 設置位置確認治具
210 平板
220 基準点
225 貫通孔
230 第1帯部
231 直線
240 第2帯部
241 直線
301 孔部
501 設置位置
611 挿通孔
612 挿通孔
901 ライン
902 ライン
911 仮想ライン
912 仮想ライン
a~d 位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15