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  • 特開-水和反応物生成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086192
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】水和反応物生成方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/02 20060101AFI20240620BHJP
   C04B 14/28 20060101ALI20240620BHJP
   B28C 7/00 20060101ALI20240620BHJP
   B28C 7/04 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
C04B28/02
C04B14/28
B28C7/00
B28C7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201204
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新杉 匡史
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 優
(72)【発明者】
【氏名】桜井 邦昭
(72)【発明者】
【氏名】石関 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】北村 勇斗
【テーマコード(参考)】
4G056
4G112
【Fターム(参考)】
4G056AA08
4G056CA02
4G056CB15
4G112PA10
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素の固定量の増大を図る。
【解決手段】水とカルシウム源を混合して水カルシウム源混合材を生成する水カルシウム源混合材生成ステップと、前記水カルシウム源混合材と二酸化炭素を混合して、炭酸カルシウムを含む炭酸カルシウム溶液を生成する炭酸カルシウム溶液生成ステップと、前記炭酸カルシウム溶液と結合材を混合して水和反応させ、水和反応物を生成する水和反応物生成ステップと、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水とカルシウム源を混合して水カルシウム源混合材を生成する水カルシウム源混合材生成ステップと、
前記水カルシウム源混合材と二酸化炭素を混合して、炭酸カルシウムを含む炭酸カルシウム溶液を生成する炭酸カルシウム溶液生成ステップと、
前記炭酸カルシウム溶液と結合材を混合して水和反応させ、水和反応物を生成する水和反応物生成ステップと、
を有することを特徴とする水和反応物生成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の水和反応物生成方法であって、
前記カルシウム源は、前記水における前記カルシウム源の飽和濃度を超える量が混合される、
ことを特徴とする水和反応物生成方法。
【請求項3】
請求項1に記載の水和反応物生成方法であって、
前記水カルシウム源混合材の前記カルシウム源の濃度は、0.2~2.0mol/Lである、
ことを特徴とする水和反応物生成方法。
【請求項4】
請求項1に記載の水和反応物生成方法であって、
前記カルシウム源は、粒径が100μm以下の粉体である、
ことを特徴とする水和反応物生成方法。
【請求項5】
請求項1に記載の水和反応物生成方法であって、
前記水和反応物生成ステップでは、骨材も混合する、
ことを特徴とする水和反応物生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水和反応物生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート(水和反応物の一例)の製造時における二酸化炭素の排出量を削減する方法として、コンクリートの中に二酸化炭素を吸収又は混和させることで固定化する技術が提案されている。例えば、特許文献1では、コンクリートの材料である水(練混ぜ水)に、炭酸ガス(気体の二酸化炭素)を注入して二酸化炭素を含有させている。この二酸化炭素として、コンクリート製造時の排ガスから分離回収されたものを用いることにより、二酸化炭素の排出量を低減できることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-131401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水に注入した二酸化炭素は大気中に放出されやすい。このため、コンクリートの練り混ぜ時には二酸化炭素の含有量が大幅に減っているおそれがあり、二酸化炭素の固定量を増大させることが困難であった。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、二酸化炭素の固定量の増大を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、水とカルシウム源を混合して水カルシウム源混合材を生成する水カルシウム源混合材生成ステップと、前記水カルシウム源混合材と二酸化炭素を混合して、炭酸カルシウムを含む炭酸カルシウム溶液を生成する炭酸カルシウム溶液生成ステップと、前記炭酸カルシウム溶液と結合材を混合して水和反応させ、水和反応物を生成する水和反応物生成ステップと、を有することを特徴とする水和反応物生成方法である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、二酸化炭素の固定量の増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態のコンクリートの生成方法を示すフロー図である。
図2図1を材料毎に分けて示したフロー図である。
図3】実施例の条件および試験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
(態様1)
水とカルシウム源を混合して水カルシウム源混合材を生成する水カルシウム源混合材生成ステップと、前記水カルシウム源混合材と二酸化炭素を混合して、炭酸カルシウムを含む炭酸カルシウム溶液を生成する炭酸カルシウム溶液生成ステップと、前記炭酸カルシウム溶液と結合材を混合して水和反応させ、水和反応物を生成する水和反応物生成ステップと、を有することを特徴とする水和反応物生成方法。
【0012】
態様1の水和反応物生成方法によれば、水カルシウム源混合材と二酸化炭素を混合することで、カルシウムイオンと、二酸化炭素(具体的には重炭酸イオン)が反応し、炭酸カルシウムとなる。よって、二酸化炭素を炭酸カルシウムとして水和反応物に固定することが出来るので、二酸化炭素の固定量の増大を図ることができる。
【0013】
(態様2)
態様1の水和反応物生成方法であって、前記カルシウム源は、前記水における前記カルシウム源の飽和濃度を超える量が混合されることが望ましい。
【0014】
態様2の水和反応物生成方法によれば、二酸化炭素の固定量を最大化できる。
【0015】
(態様3)
態様1又は態様2に記載の水和反応物生成方法であって、前記水カルシウム源混合材の前記カルシウム源の濃度は、0.2~2.0mol/Lであることが望ましい。
【0016】
態様3の水和反応物生成方法によれば、練り混ぜ可能であり、圧縮強度及び二酸化炭素固定量を高めることができる。
【0017】
(態様4)
態様1~3の何れかに記載の水和反応物生成方法であって、前記カルシウム源は、粒径が100μm以下の粉体であることが望ましい。
【0018】
態様4の水和反応物生成方法によれば、二酸化炭素を効率的に固定できる水カルシウム源混合材を生成できる。
【0019】
(態様5)
態様1~態様4の何れかに記載の水和反応物生成方法であって、前記水和反応物生成ステップでは、骨材も混合することが望ましい。
【0020】
態様5の水和反応物生成方法によれば、モルタルやコンクリートを生成できる。
【0021】
===実施形態===
<<コンクリートと二酸化炭素について>>
コンクリート(水和反応物に相当)は、主に、セメント(結合材に相当)、水、骨材(細骨材,粗骨材)、混和材などから構成されており、水とセメント等との水和反応により製造される。コンクリートの製造時には、温室効果ガスである二酸化炭素(CO)が多量に排出される。二酸化炭素の濃度の上昇は、地球温暖化の原因となるため、二酸化炭素の排出量を削減することが求められている。
【0022】
二酸化炭素排出量を低減させる方法として、二酸化炭素を吸収させた材料を用いてコンクリートを製造することで、コンクリート中に二酸化炭素を固定化させる技術がある。
【0023】
例えば、コンクリートの材料である練混ぜ水に二酸化炭素(工場の排ガスから分離回収された二酸化炭素)を含有させて、コンクリートを製造することが有効だと考えられる。しかし、この場合、注入した二酸化炭素が水から放出されやすいため、コンクリートの練り混ぜ時には二酸化炭素の含有量が大幅に減っている(二酸化炭素の固定量が減る)おそれがある。
【0024】
そこで、本実施形態では、アルカリ溶液に二酸化炭素を含有させた溶液(後述する炭酸カルシウム溶液)を、練混ぜ水として用いている。より具体的には、上記アルカリ溶液として、水酸化カルシウム(Ca(OH))溶液を用いている。この場合、アルカリ溶液のアルカリイオン(ここではカルシウムイオン)と二酸化炭素による炭酸イオンが結合して、中和反応による炭酸塩(炭酸カルシウム)が生成されるので、溶液中に安定して二酸化炭素を存在させることができる。これにより、コンクリート中に含有させる二酸化炭素を増やすことができる。
【0025】
なお、アルカリ溶液としては、水酸化カルシウム溶液以外にも、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液や、水酸化カリウム(KOH)溶液も挙げられるが、以下に示すように、水酸化カルシウム溶液を用いることにより、二酸化炭素の固定量を増やすことができる。
【0026】
例えば、水酸化ナトリウムと二酸化炭素の反応は以下の式(1)で示される。
2NaOH+CO→NaCO+HO ・・・・・(1)
この場合、NaOH溶液1molに対して、上記反応に必要なCOは0.5molである。COの式量は44g/molなので、吸収(固定化)されるCOの量は22gとなる。つまり、1mol/LのNaOH溶液に吸収(固定化)できるCOの量は22g/Lとなる。
【0027】
また、水酸化カリウムと二酸化炭素の反応は以下の式(2)で示される。
2KOH+CO→KCO+HO ・・・・・(2)
この場合も、NaOH溶液1molに対して、上記反応に必要なCOは0.5mol(=22g)である。すなわち、吸収(固定化)されるCOの量は22gとなる。
【0028】
一方、水酸化カルシウムと二酸化炭素の反応は以下の式(3)で示される。
Ca(OH)+CO→CaCO+HO ・・・・・(3)
この場合、Ca(OH)溶液1molに対して、上記反応に必要なCOは1mol(=44g)である。すなわち、1mol/LのCa(OH)溶液に吸収(固定化)できるCOの量は44gとなり、上記の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの場合の2倍になる。
【0029】
よって、練混ぜ水に二酸化炭素を高含有させるには、アルカリ溶液として水酸化カルシウム溶液を用いることが効果的である。
【0030】
なお、上記の試算における数値は、中和反応による固定量であり、COの水への溶解などは考慮していない。
【0031】
<<本実施形態のコンクリートの生成方法>>
図1は、本実施形態のコンクリートの生成方法を示すフロー図である。また、図2は、図1を材料毎に分けて示したフロー図である。
【0032】
図1(及び図2)に示すように、まず、水とカルシウム源(ここでは水酸化カルシウム)を混合して水酸化カルシウム溶液(水カルシウム源混合材に相当)を生成する(S11)。本実施形態では、上述したように、カルシウム源として水酸化カルシウムを用いている。
【0033】
なお、水酸化カルシウムは、水におけるカルシウム源の飽和濃度を超える量が混合されることが望ましい。これにより、二酸化炭素の固定量を最大化することができる。
【0034】
また、カルシウム源(水酸化カルシウム)は、粒径が100μm以下(好ましくは1~10μm)の粉体であることが望ましい。これにより、二酸化炭素を効率的に固定できる水酸化カルシウム溶液とすることができる。
【0035】
次に、水酸化カルシウム溶液に二酸化炭素(CO)を注入(混合)する(S12)。二酸化炭素の注入方法には制約がなく、例えば水酸化カルシウム溶液を攪拌しながらその液面に対して供給してもよく、ディフューザーなどの複数の微細な開口を有するノズルを水酸化カルシウム溶液中に設置し、この開口を介して二酸化炭素をバブリングしてもよい。あるいは、ドライアイスとして水酸化カルシウム溶液に加えてもよい。なお、後述の実施例では市販の炭酸水メーカーを用いて二酸化炭素を注入している。また、二酸化炭素の供給源についても制約がなく、例えば、ボンベに注入された二酸化炭素(純粋なCOガス)でもよいし、あるいは、工場の排ガスから分離回収して得られたものを用いてもよい。
【0036】
式(3)に示したように、水酸化カルシウムと二酸化炭素との反応によって炭酸塩(ここでは炭酸カルシウム)が生成され、その結果、炭酸カルシウム(CaCO)と水を含む溶液(以下、炭酸カルシウム溶液ともいう)が生成される。本実施形態では、この炭酸カルシウム溶液を練り混ぜ水として利用する。
【0037】
次に、セメントと、炭酸カルシウム溶液と、骨材等を混合、攪拌し、水和反応させ、コンクリート(レディーミクストコンクリート)を生成する(S13)。なお、レディーミクストコンクリートとは、セメントや骨材などを練り混ぜた段階(まだ硬化していない状態)のコンクリートであり、生コンクリートや生コンとも呼ばれる。
【0038】
ここで、セメントの種類(組成)には制約が無く、例えば、JIS R 5210に規定されているようなポルトランドセメント(普通ポルトランドセメントなど)や、JIS R 5211に規定されているような高炉セメントなどを用いることができる。なお、後述の実施例では研究用セメントを用いている。
【0039】
また、コンクリートはさらに各種添加剤を含んでもよい(ステップS13で添加剤を混合してもよい)。添加剤としては、例えば、レディーミクストコンクリートの凍結を防止したり空気連行性を高めたりするためのAE剤(気泡分散剤)や、レディーミクストコンクリートの流動性を増大する流動化剤、レディーミクストコンクリートの粘性を増大させるまたは水中での施工を可能にするための増粘剤(分離低減剤、不分離性混和剤とも呼ばれる)、レディーミクストコンクリートの硬化を促進するための急結剤、セメントに対する分散作用により流動性を改善するための減水剤(AE減水剤、高性能AE減水剤とも呼ばれる)などが挙げられる。
【0040】
そして、生成したレディーミクストコンクリートの運搬、打設など行う(S14)。
【0041】
このように、本実施形態では、練混ぜ水として、水と水酸化カルシウムとの混合物に二酸化炭素(CO)を注入した溶液を用いており、二酸化炭素がイオン化してアルカリイオン(カルシウムイオン)と結合して炭酸塩(炭酸カルシウム)が生成する。よって、溶液中に安定して二酸化炭素を存在させることができ、この溶液(炭酸カルシウム溶液)をコンクリートの練混ぜ水として用いることで、コンクリート中に安定して二酸化炭素を固定することができる。
【0042】
また、上述したように、水酸化カルシウム溶液は、他のアルカリ溶液(水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液)よりも、二酸化炭素の固定量を多くすることができる。よって、二酸化炭素の固定量の増大を図ることができる。
【0043】
なお、本実施系形態では、二酸化炭素を固定させる対象物がコンクリートであったが、コンクリートには限られず、セメントと水との反応(水和反応)で生成する水和物が硬化し、流動性を示さなくなる水和反応物であればよい。例えば、砂利(細骨材)を含むセメント水和物であるモルタルや、骨材を含まないセメントペーストにも適用できる。つまり、モルタルやセメントペーストなどを製造する際にも、練混ぜ水として上記の炭酸カルシウム溶液を用いることで、二酸化炭素の固定量の増大を図ることができる。
【0044】
<<実施例>>
図3は、実施例における条件および試験結果を示す図である。
【0045】
本実施例では、練混ぜ水として、水酸化カルシウム溶液に二酸化炭素(CO)を注入した溶液を用いた場合の評価を行った。また比較例として、イオン交換水や、他のアルカリ溶液(水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液)の評価も行なった。
【0046】
・練混ぜ水の種類
実施例1・・Ca(OH)溶液(濃度0.2mol/L)+CO
実施例2・・Ca(OH)溶液(濃度0.5mol/L)+CO
実施例3・・Ca(OH)溶液(濃度1.0mol/L)+CO
実施例4・・Ca(OH)溶液(濃度1.3mol/L)+CO
実施例5・・Ca(OH)溶液(濃度2.0mol/L)+CO
比較例1・・イオン交換水
比較例2・・NaOH溶液(濃度1.0mol/L)+CO
比較例3・・KOH溶液(濃度1.0mol/L)+CO
【0047】
・供試体
セメントペーストの供試体を作成した。なお、実施例1~5、及び、比較例2,3では、市販の炭酸水メーカーを用いて、各溶液にCOを注入した。
CO注入量:中和反応により吸収するCOの理論値に達するまで
(例えば、実施例3の場合、44g/L)
セメント :セメント協会から購入した研究用セメント
(密度3.16g/cm、比表面積3.310cm/g)
水セメント比:50%
練混ぜ方法 :JIS R 5201「セメントの物理試験」に準拠
【0048】
・試験項目
フレッシュ性状試験:練上がり時に0打フローを測定
圧縮強度:材齢3日、7日、28日の各養生期間終了後に圧縮強度試験を実施
CO固定量:示差熱分析による550~800℃の質量減少量から算出
【0049】
・試験結果
(フレッシュ性状について)
フレッシュ性状(フロー)は、練混ぜ後の流動性を示す値である。フローの値が低いと、施工性が悪化することになる。
【0050】
比較例2(水酸化ナトリウム溶液+CO)及び比較例3(水酸化カリウム溶液+CO)では、比較例1(イオン交換水)と比べて、フローの値が低くなっている。
【0051】
これに対し、実施例1~3では、比較例2,3よりもフローの値が向上している。特に実施例1では比較例1と同等以上である。なお、Ca(OH)濃度が高くなるほど、フローの値は低くなっているが、最も濃度の高い(フローの値の低い)実施例5においても、セメントペーストとして練り混ぜ可能であることを確認した。
【0052】
(圧縮強度について)
比較例2及び比較例3では、比較例1(イオン交換水)と比べて、圧縮強度が大幅に低下している。
【0053】
これに対し、実施例1~5では、比較例1と同等以上の高い圧縮強度が得られている。また、各材齢においてCa(OH)濃度が高くなるほど、圧縮強度が高くなっている。
【0054】
(CO固定量について)
実施例1~5(及び比較例2,3)は、比較例1よりもCO固定量が増大している。また、Ca(OH)濃度が高くなるほど、CO固定量が増えている。このように、COを注入したアルカリ溶液を練混ぜ水として用いることで、CO固定量を増大できることが確認された。
【0055】
上記フレッシュ性状、圧縮強度、CO固定量の試験結果から、練混ぜ水のCa(OH)濃度は0.2~2.0mol/Lが望ましい。
【0056】
以上、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
図1
図2
図3