IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 田中 佳子の特許一覧

<>
  • 特開-商品包装箱 図1
  • 特開-商品包装箱 図2
  • 特開-商品包装箱 図3
  • 特開-商品包装箱 図4
  • 特開-商品包装箱 図5
  • 特開-商品包装箱 図6
  • 特開-商品包装箱 図7
  • 特開-商品包装箱 図8
  • 特開-商品包装箱 図9
  • 特開-商品包装箱 図10
  • 特開-商品包装箱 図11
  • 特開-商品包装箱 図12
  • 特開-商品包装箱 図13
  • 特開-商品包装箱 図14
  • 特開-商品包装箱 図15
  • 特開-商品包装箱 図16
  • 特開-商品包装箱 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086194
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】商品包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20240620BHJP
   A45C 11/16 20060101ALI20240620BHJP
   B65D 25/02 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B65D25/20 Y
A45C11/16
B65D25/20 N
B65D25/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201207
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】509350446
【氏名又は名称】田中 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105094
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 薫
(72)【発明者】
【氏名】田中 佳子
【テーマコード(参考)】
3B045
3E062
【Fターム(参考)】
3B045BA10
3B045CE07
3B045EA02
3B045EB08
3B045JA05
3B045JB01
3B045JC03
3B045LA01
3B045LB08
3E062AA01
3E062AB07
3E062AC02
3E062BA08
3E062BA11
3E062BB02
3E062BB09
3E062BB10
3E062DA01
3E062DA06
(57)【要約】
【課題】プレゼントを受け取った際の喜びを思い出すきっかけを作り出すことができる商品包装箱を提供する。
【解決手段】商品包装箱11は、下箱体12と、下箱体12にヒンジで開閉自在に連結されて、上面に平坦面63を区画する上箱体13と、上箱体13の上面に固定されて平坦面63に重ねられ平坦面63との間にインスタントフィルムを保持し、平坦面63との間にインスタントフィルムの挿入口を区画する縁65を有する軟質の透明シート64とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下箱体と、
前記下箱体にヒンジで開閉自在に連結されて、上面に平坦面を区画する上箱体と、
前記上面に固定されて前記平坦面に重ねられ前記平坦面との間にインスタントフィルムを保持し、前記平坦面との間に前記インスタントフィルムの挿入口を区画する縁を有する軟質の透明シートと
を備えることを特徴とする商品包装箱。
【請求項2】
請求項1に記載の商品包装箱において、前記縁は、前記ヒンジの回転軸線に直交する仮想平面に平行な方向に沿って延びることを特徴とする商品包装箱。
【請求項3】
請求項1または2に記載の商品包装箱において、
前記上箱体は、特定の形状の輪郭を有する窪みを区画する天板と、前記形状の輪郭を有して前記窪みに受け入れられ、表面で前記平坦面を形成する装飾板とを備え、
前記透明シートは、前記縁の両端で前記装飾板の表面から裏側に巻き付けられ、前記装飾板および前記天板に挟み込まれて固定されることを特徴とする商品包装箱。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の商品包装箱において、前記透明シートの内面に固定され、前記挿入口で前記平坦面から前記透明シートの縁を離隔する帯体をさらに備えることを特徴とする宝飾箱。
【請求項5】
請求項4に記載の宝飾箱において、前記帯体は前記透明シートと同一の材質を有することを特徴とする宝飾箱。
【請求項6】
請求項5に記載の宝飾箱において、前記帯体は前記挿入口の全体を横切って線形に延びることを特徴とする宝飾箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下箱体と、下箱体にヒンジで開閉自在に連結されて、下箱体に重なると商品を収容する上箱体とを備える商品包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
仲のよい男女の間ではしばしば男性から女性にジュエリーはプレゼントされる。男性はジュエリーの購入にあたって女性とともにジュエリーショップを訪れる。例えば特許文献1に示されるように、ジュエリーショップはジュエリーの引き渡しにあたって専用に用意された包装箱でジュエリーを梱包する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-195405号公報
【特許文献2】実用新案登録第3050705号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
写真はそのときどきの場面を記録することができる。ひとは写真を見ればそのときの場面を思い出すことができる。ジュエリーの購入の場面が写真に収められれば、写真を見るたびに女性はその場の喜びをまざまざと感じることができる。しかしながら、現在のようにスマートホンで簡単に写真を撮影できる時代には、写真の画像は多くの画像データに埋もれてしまう。したがって、プレゼントを受け取った際の喜びを思い出す機会は失われる。
【0005】
本発明は、プレゼントを受け取った際の喜びを思い出すきっかけを作り出すことができる商品包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態によれば、下箱体と、前記下箱体にヒンジで開閉自在に連結されて、上面に平坦面を区画する上箱体と、前記上面に固定されて前記平坦面に重ねられ前記平坦面との間にインスタントフィルムを保持し、前記平坦面との間に前記インスタントフィルムの挿入口を区画する縁を有する軟質の透明シートとを備える商品包装箱は提供される。
【0007】
インスタントフィルムには購入の場面がその場で現像されることができる。インスタントフィルムは平坦面と透明シートとに挟まれて商品包装箱の上面に保持される。こうして写真は簡単に商品包装箱に取り付けられることができる。観察者は透明シートを透かしてインスタントフィルムの画像を楽しむことができる。商品の所有者は商品包装箱を取り出すたびにインスタントフィルムの画像を目にすることができる。こうして商品包装箱は購入時の感情を思い出すきっかけを作り出すことができる。商品包装箱をきっかけに例えばプレゼントを受け取った際の喜びは思い出されることができる。
【0008】
前記縁は、前記ヒンジの回転軸線に直交する仮想平面に平行な方向に沿って延びてもよい。上箱体がヒンジの回転軸線回りに開き位置に配置されると、上面の平坦面は回転軸線から遠ざかるほど高い位置に位置する。したがって、インスタントフィルムには重力の働きで回転軸線に向かって推進力が作用する。このとき、インスタントフィルムの挿入口は回転軸線に直交する仮想平面に平行な方向に延びるので、インスタントフィルムには重力の推進力は挿入口に並行に作用する。挿入口からインスタントフィルムの抜け出しは防止されることができる。
【0009】
前記上箱体は、特定の形状の輪郭を有する窪みを区画する天板と、前記形状の輪郭を有して前記窪みに受け入れられ、表面で前記平坦面を形成する装飾板とを備えてもよく、前記透明シートは、前記縁の両端で前記装飾板の表面から裏側に巻き付けられ、前記装飾板および前記天板に挟み込まれて固定されてもよい。上箱体の上面では透明シートの縁は装飾板の輪郭に一致することから、商品包装箱では良好な見栄えが確保されることができる。透明シートは、装飾板の表面から裏側に巻き付けられる位置で、保持されるインスタントフィルムの動きを規制することができる。インスタントフィルムの縁は透明シートの縁に合わせ込まれることができる。
【0010】
商品包装箱は、前記透明シートの内面に固定され、前記挿入口で前記平坦面から前記透明シートの縁を離隔する帯体をさらに備えてもよい。インスタントフィルムの保持にあたってインスタントフィルムは挿入口から透明シートおよび平坦面の間に差し込まれる。このとき、帯体の働きで透明シートの縁は平坦面から浮き上がるので、インスタントフィルムの縁は簡単に透明シートおよび平坦面の間に進入することができる。一般に、インスタントフィルムの上端および下端はフィルムの本体よりも大きい厚みに形成される。透明シートがぴったりと平坦面に重ねられると、インスタントフィルムの縁が透明シートの縁に衝突してしまい、インスタントフィルムは透明シートおよび平坦面の間に進入することができない。透明シート内にインスタントフィルムを差し込む作業は手間取ってしまう。インスタントフィルムと透明シートとの衝突は透明シートの破損を誘引してしまう。
【0011】
帯体は、平坦面に接しながら、差し込まれたインスタントフィルムの端面に向き合う。帯体はインスタントフィルムの変位を規制する。帯体はインスタントフィルムの抜け落ちを防止することができる。
【0012】
前記帯体は前記透明シートと同一の材質を有してもよい。透明シートと帯体とで統一感が確立されることができる。透明シートおよび帯体は透明で目立たずインスタントフィルムの画像は際立つことができる。透明シートおよび帯体は同時に一体成形されてもよく、透明シートに帯体が溶着されてもよい。
【0013】
前記帯体は前記挿入口の全体を横切って線形に延びてもよい。帯体は、透明シートの内面に固定される上に透明で目立たないとはいえ、透明シート越しに観察者から観察される。帯体が途切れなく線形に延びれば、良好な見栄えは確立されることができる。宝飾箱の美観は良好に維持されることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、プレゼントを受け取った際の喜びを思い出すきっかけを作り出すことができる商品包装箱は提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る商品包装ユニットの外観を概略的に示す斜視図である。
図2】下外箱に収容された内箱を概略的に示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る内箱の外観を示す斜視図である。
図4】上箱体が開放された際に内箱の構造を概略的に示す斜視図である。
図5】ヒンジの構成を概略的に示す拡大斜視図である。
図6図3の6-6線に沿った垂直断面図である。
図7図4の7-7線に沿った垂直断面図である。
図8図3の8-8線に沿った断面に該当し、透明シートの第1縁の拡大断面図である。
図9図3の9-9線に沿った断面に該当し、透明シートの第2縁の拡大断面図である。
図10】第1具体例に係る光照射回路の回路図である。
図11】音声再生ユニットの構成を概略的に示すブロック図である。
図12図7に対応し、録音スイッチおよび防護体の関係を示す図である。
図13】上箱体の平坦面および透明シートの間に差し込まれるインスタントフィルムの様子を概略的に示す図である。
図14図8に対応し、差し込まれるインスタントフィルムと第1帯体との関係を概略的に示す図である。
図15図9に対応し、挟まれた状態のインスタントフィルムと第2帯体との関係を概略的に示す図である。
図16図8に対応し、挟まれた状態のインスタントフィルムと第1帯体との関係を概略的に示す図である。
図17】第2具体例に係る光照射回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施形態に係る商品包装ユニットを概略的に示す。商品包装ユニット101は外箱102を備える。外箱102は、下外箱103と、上方から下外箱103に被さる上外箱104とで形成される。図2に示されるように、下外箱103は、四角い輪郭の底板103a、および、底板103aの4辺から垂直に立ち上がる4つの側板103bから構成される。下外箱103の内側には直方体の収容空間が区画される。収容空間には内箱11が収容される。底板103aおよび側板103bは個々に平たい紙板で形成される。底板103aおよび側板103b並びに側板103b同士は稜線で相互に結合される。下外箱103は稜線で継ぎ目なく連続する外観を有する。
【0018】
上外箱104は、四角い輪郭の天板104a、および、天板104aの4辺から垂直に下降する4つの側板104bから構成される。天板104aは下外箱103の側板103bの上端に支えられて側板103bで囲まれる下外箱103の開口105を塞ぐ。上外箱104の側板104bは下外箱103の側板103bを取り囲む。天板104aおよび側板104bは個々に平たい紙板で形成される。天板104aおよび側板104b並びに側板104b同士は稜線で相互に結合される。上外箱104の上面には例えば販売者や製造者のロゴがプリントされることができる。上外箱104は稜線で継ぎ目なく連続する外観を有する。上外箱104は全体に不透明である。その他、天板104aには透明な樹脂材が用いられてもよい。
【0019】
図3に示されるように、内箱11は、下箱体12と、下箱体12に重なって下箱体12とともに直方体を形成する上箱体13とを備える。下箱体12は、四角い輪郭の底板14a、および、底板14aの4辺から垂直に立ち上がる4つの側壁14bを有する硬質の樹脂成形体と、樹脂成形体の外面に貼り付けられて、樹脂成形体に装飾を施す貼り紙15とを有する。上箱体13は、四角い輪郭の窪み61で装飾板62を受け入れる天板16a、および、天板16aの4辺から下降し下端で下箱体12の側壁14bの上端に合わさって内箱11の側壁を形成する側壁16bを有する硬質の樹脂成形体と、樹脂成形体の外面に貼り付けられて、樹脂成形体に装飾を施す貼り紙17とを有する。貼り紙15、17には例えばスエード調や布模様の樹脂シートが用いられればよい。
【0020】
装飾板62は窪み61に密に嵌め込まれる。この嵌め込みにあたって装飾板62の輪郭は窪み61の輪郭の形状に合わせ込まれる。装飾板62の表面は、貼り紙17に覆われて上箱体13の上面に平坦面63を区画する。平坦面63には軟質の透明シート64が重ねられる。透明シート64は、余白域63aを残しながら装飾板62の縁に沿って線形に延び平坦面63との間に挿入口を区画する第1縁65と、余白域63bを残しながら装飾板62の縁に平行に線形に延びる第2縁66とを有する。透明シート64は、例えばポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)といった透明材料から成形される。透明シート64の厚みは材質に応じて皺や撚れを防止できる程度に設定される。第1縁65は装飾板62の縁に平行であってもよく特定の傾斜角で傾斜してもよい。余白域63bは省略されてもよい。
【0021】
第1縁65および第2縁66の左右両端で透明シート64は装飾板62の両端から裏側に巻き付けられる。透明シート64は装飾板62および天板16aに挟み込まれて固定される。透明シート64は装飾板62の裏側で貼り紙17に溶着されてもよく装飾板62の裏面に接着剤で接着されてもよい。
【0022】
図4に示されるように、下箱体12には側壁14bで囲まれた直方体の空間に緩衝材18が嵌め込まれる。緩衝材18は、例えば、スポンジと、スポンジを包み込む布材18aとで形成される。緩衝材18にはスリット19が形成される。スリット19には例えば指輪(ジュエリー)21が差し込まれる。緩衝材18の弾性力の働きで指輪21はスリット19内に保持される。
【0023】
指輪21は、例えば指の太さに応じた径を有するプラチナ製の環部材22と、環部材22の台座に固定されるダイヤモンド粒23とを備える。ダイヤモンド粒23は1つであっても複数であってもよい。ダイヤモンド粒23はストロング以上の青色蛍光性(ストロングブルーまたはベリーストロングブルー)を有する。ダイヤモンド粒23は、可視光(例えば自然光や電灯の光)の下で透明な輝きを放つ一方で、紫外線の下では青色に輝く。こうしてダイヤモンド粒23は下箱体12に支持される。複数のダイヤモンド粒23が配置される場合には、全ての(あるいはデザイン上でまとまりある群ごとに)ダイヤモンド粒23の青色蛍光性はストロングブルーまたはベリーストロングブルーに統一されるとよい。
【0024】
上箱体13には側壁16bで囲まれた直方体の空間内に内張材24が嵌め込まれる。内張材24は、内箱11の天井面を形成する四角い輪郭の化粧天板24aと、化粧天板24aの4辺からそれぞれ連続して、4つの側壁16bに内側から重ねられる4枚の内張板24bとを備える。ここでは、4枚の内張板24bは側壁16bの内面に接着されず、内張材24は上箱体13に対して着脱自在に収容される。
【0025】
図5に示されるように、上箱体13は下箱体12にヒンジ26で開閉自在に連結される。ヒンジ26は、上箱体13の1側壁16bに内側から重ねられて固定され、複数の管体27aを有する第1羽根27と、下箱体12の側壁14bに内側から重ねられて固定され、第1羽根27の管体27aに互い違いに直列に配置される複数の管体28aを有する第2羽根28と、第1羽根27の管体27aおよび第2羽根28の管体28aに共通に挿入される1本のヒンジピン29とを備える。第1羽根27および第2羽根28はヒンジピン29回りで相対回転する。ヒンジピン29の中心軸は開閉時に上箱体13の回転軸線に相当する。
【0026】
ヒンジ26には板ばね31が接続される。図6に示されるように、板ばね31は、ヒンジピン29の軸心に平行に母線を維持する湾曲体に形成される。板ばね31の両端はヒンジピン29から離れた位置で第1羽根27および第2羽根28にそれぞれ結合される。上箱体13の下端が下箱体12の上端に合わさる閉じ位置では、第1羽根27および第2羽根28は1つの面に沿って並んで配置され、板ばね31の中間域はヒンジピン29から内側に最も遠ざかる。上箱体13が閉じ位置から開き位置にヒンジピン29回りで変位するにつれて、第1羽根27および第2羽根28の間で外側の角度は狭まっていき、板ばね31の中間域はヒンジピン29に接近する。図7に示されるように、板ばね31の中間域がヒンジピン29に接触すると、下箱体12に対してヒンジピン29回りに上箱体13の変位は規制され、上箱体13の開き位置が規定される。ヒンジピン29回りで規定の中間開度よりも開度が小さいと、板ばね31は閉じ位置に向かって上箱体13に駆動力を作用する。開度が規定の中間開度より大きいと、板ばね31は開き位置に向かって上箱体13に駆動力を作用する。ヒンジ26および板ばね31はヒンジカバー32で覆われる。ヒンジカバー32は例えば緩衝材18の布材18aと同等な素材から形成される。
【0027】
上箱体13の化粧天板24aには予め決められた指向性Dvに則って紫外線を放出するLEDランプ(光源)33が埋め込まれる。LEDランプ33は、例えば長波長UV―A(315nm~400nmの波長)の光線を放出する。望ましくは、LEDランプ33は可視光線以外の光線のみを放出する。望ましくは、LEDランプ33は狭い指向性Dvを有する。LEDランプ33は、照射域全域で下箱体12によって遮られる指向性Dvを有する。
【0028】
LEDランプ33には電池35が接続される。電池35は、樹脂成形体の天板16aと化粧天板24aとの間に区画される電池室34に収容される。電池35には例えば薄型のボタン電池が用いられればよい。ここでは、例えば複数のボタン電池が直列に接続される。LEDランプ33には電池35から電流が供給される。
【0029】
ヒンジ26および板ばね31には、LEDランプ33に対して電流の供給および切断を制御するスイッチ36が組み込まれる。板ばね31の中間域には、板ばね31から電気的に絶縁されながら第1接点37が固着される。ヒンジ26は、第1接点37と協働してスイッチ36を構成する第2接点として機能する。したがって、ヒンジ26は導電材から形成される。第1接点37は例えば銅といった導電材から形成される。第1接点37および板ばね31の間には例えば絶縁体が挟まれる。第1接点37は、板ばね31でヒンジピン29に向き合う面に配置される。第1接点37は、上箱体13の開き位置でヒンジ26に接触し、開き位置以外ではヒンジ26から離隔する。
【0030】
図8に示されるように、透明シート64の第1縁65では、透明シート64の内面に挿入口の全体を横切って線形に延びる第1帯体67が固定される。第1帯体67は透明シート64の内面から突出することから、第1帯体67は挿入口で平坦面63から第1縁65を離隔する。第1帯体67には、挿入口の全体にわたって平坦面63に押し当てられる接触域67aと、接触域67aから縁65に近づくにつれて徐々に平坦面63から遠ざかる誘導面67bと、接触域67aから連続し平坦面63から垂直に立ち上がり、平坦面63と透明シート64との間に平たい収容空間を仕切る規制面67cとが形成される。ここでは、第1帯体67は透明シート64と同一の材質を有する。透明シート64および第1帯体67は同時に一体成形されてもよく、透明シート64に第1帯体67が溶着されてもよい。
【0031】
図9に示されるように、透明シート64の第2縁66では、透明シート64の内面に第2縁66の全体にわたって線形に延びる第2帯体68が固定される。第2帯体68には、第2縁66の全体にわたって平坦面63に押し当てられる接触域68aと、接触域68aから連続し平坦面63から垂直に立ち上がり、平坦面63と透明シート64との間に平たい収容空間を仕切る規制面68bとが形成される。ここでは、第2帯体68は透明シート64と同一の材質を有する。透明シート64および第2帯体68は同時に一体成形されてもよく、透明シート64に第2帯体68が溶着されてもよい。
【0032】
図10に示されるように、内箱11では、LEDランプ33、電池35およびスイッチ36を含む第1具体例に係る光照射回路38が構築される。光照射回路38では電池35に直列にLEDランプ33のLED素子が接続される。LEDランプ33には直列にタイマー限時ノーマリーオープン接点(以下「タイマー接点」)39が接続される。LEDランプ33およびタイマー接点39には並列にスイッチ36およびタイマー41が接続される。スイッチ36が導通すると、タイマー41が動作し、予め決められた時間(以下「第1時間」という)の経過後にタイマー接点39が閉じる。その結果、LEDランプ33は通電する。スイッチ36が開くと、タイマー41は復帰し、タイマー接点39が開放される。その結果、LEDランプ33は消える。
【0033】
図11に示されるように、内箱11には録音された音声を再生する音声再生ユニット45が組み込まれる。音声再生ユニット45は、マイクロホン46から音声信号を取得し、スピーカー47に音声信号を供給する音声回路48を備える。音声回路48には電池35が接続される。音声回路48は電池35の電圧を受けて動作する。
【0034】
マイクロホン46は音声に基づく空気の振動を検出し音声信号(電気信号)に変換する。生成された音声信号は例えばメモリー49に記録される。メモリー49には例えばEEPROMが用いられることができる。メモリー49は、一度だけ音声信号の書き込みを許容するメモリーであるとよい。マイクロホン46は上箱体13または下箱体12に支持される。ここでは、例えば天板16aと化粧天板24aとの間に区画される空間にマイクロホン46は収容される。天板16aや化粧天板24aには、マイクロホン46の位置に対応して配置されマイクロホン46に外気を接続する通孔が形成されてもよい。
【0035】
スピーカー47は音声信号に基づき空気の振動を生成し対応する音声を再生する。再生された音声は観察者の聴覚を刺激する。こうして観察者は音声を聞き取ることができる。スピーカー47は上箱体13または下箱体12に支持される。ここでは、例えば天板16aと化粧天板24aとの間に区画される空間にスピーカー47は収容される。天板16aや化粧天板24aには、スピーカー47の位置に対応して配置されスピーカー47に外気を接続する通孔が形成されてもよい。
【0036】
音声再生ユニット45には、紫外線の照射の開始から予め決められた時間(以下「第2時間」という)が経過するまで音声の再生を保留する保留回路51が接続される。保留回路51は音声回路48にスイッチ36を接続する。音声回路48と光照射回路38とで電池35およびスイッチ36は共通化される。保留回路51はスイッチ36の導通から(第1時間+第2時間)を計時する。ここでは、紫外線の照射が開始されてから予め決められた第2時間が経過すると、音声回路48は音声信号をメモリー49から取り出しスピーカー47に供給する。
【0037】
音声回路48には録音スイッチ52が接続される。録音スイッチ52が導通すると、音声回路48はマイクロホン46から音声信号を取得しメモリー49にその音声信号を格納する。図12に示されるように、録音スイッチ52のボタンは上箱体13の内壁面に設置されることができる。ここでは、ボタンが押され続ける限り、録音スイッチ52は導通する。ボタンが押し操作から解放されると、録音スイッチ52は切断される。ボタンが上箱体13の内側に配置されることで、上箱体13が閉じ位置に位置するだけで録音スイッチ52は誤操作から保護されることができる。上箱体13は、内箱11の構成体以外の物体から録音スイッチ52を保護する防護体として機能する。こうして、意図しない音声の録音(上書きに基づく音声の消去)は防止されることができる。その他、録音スイッチ52はスイッチ36の導通と連動してもよい。その結果、上箱体13が開き位置に達した状態で録音スイッチ52が操作されると、音声はメモリー49に録音されることができる。
【0038】
LEDランプ33、タイマー接点39、タイマー41、音声回路48、メモリー49および保留回路51は例えば共通のプリント基板上に実装されてもよい。スイッチ36の第1接点37やヒンジ26の第1羽根27または第2羽根28、電池35、マイクロホン46、スピーカー47などは例えばビニル被膜線といった電線でプリント基板上の配線パターンに電気的に接続されればよい。プリント基板は例えば電池室34に収容されればよい。
【0039】
次に内箱11の作用を説明する。図3に示されるように、上箱体13が閉じ位置に位置すると、上箱体13の下縁は下箱体12の上縁に合わさる。上箱体13は指輪21に覆い被さってダイヤモンド粒23を隠す。内箱11の観察者は閉じた内箱11の外観を視認する。ダイヤモンド粒23は観察者の視界から外れる。
【0040】
このとき、図6に示されるように、板ばね31の中間域はヒンジピン29から最も遠ざかる。したがって、スイッチ36の第1接点37はヒンジ26すなわち第2接点から離れる。スイッチ36は切断される。LEDランプ33は消灯状態に維持される。音声回路の動作は停止状態に維持される。
【0041】
観察者が板ばね31の弾性力に抗してヒンジピン29回りで開き位置に向かって上箱体13を動かすと、上箱体13の下端は下箱体12の上端から離れていく。上箱体13および下箱体12の隙間からダイヤモンド粒23に向かって可視光線は差し込む。ダイヤモンド粒23は徐々に露出していく。ダイヤモンド粒23は可視光線の照射に曝される。したがって、ダイヤモンド粒23は透明な輝きを放つ。
【0042】
上箱体13の開度が規定の中間開度よりも増大すると、板ばね31は開き位置に向かって上箱体13を駆動する。その結果、上箱体13は最大開度の開き位置に到達する。板ばね31の弾性力に応じて上箱体13は最大開度の開き位置に保持される。上箱体13の平坦面63は回転軸線から遠ざかるほど高い位置に位置する。図7に示されるように、上箱体13に遮られずに観察者はダイヤモンド粒23を視認することができる。ダイヤモンド粒23は可視光(自然光や電灯の光)の下で透明な輝きを放つ。
【0043】
上箱体13が開き位置に到達すると、図7に示されるように、板ばね31の弾性力を受けて板ばね31の中間域はヒンジピン29に押し当てられる。こうして第1接点37はヒンジ26すなわち第2接点に接触する。スイッチ36は導通する。スイッチ36の導通(オン動作)から第1時間が経過すると、LEDランプ33は点灯する。LEDランプ33はダイヤモンド粒23に紫外線を照射し始める。ダイヤモンド粒23は青色に輝く。
【0044】
上箱体13の開放後しばし透明に輝くダイヤモンド粒23が観察された後に、ダイヤモンド粒23は透明から青色に変色する。こうして上箱体13の開放動作に応じて光の演出効果は作り出される。板ばね31は、開き位置に上箱体13を位置させる駆動力を発揮するので、閉じ位置および開き位置の中間位置でダイヤモンド粒23が変色し始めることは防止され、観察者は確実にダイヤモンド粒23の変色を目撃することができる。
【0045】
紫外線の照射開始から第2時間が経過すると、音声回路48は録音された音声を再生する。例えばプレゼントであれば、観察者には贈り主の音声(例えば「結婚してください」とか「これからいっしょにいよう」とか)が届けられることができる。音声の再生はダイヤモンド粒23の視覚効果から遅延することから、ダイヤモンド粒23の視覚効果および音声の演出効果は順番に観察者に作用する。観察者はダイヤモンド粒23の視覚効果を意識した後に音声の聴覚効果(言語処理を含む)を意識することができる。音声の演出効果は視覚効果に上積みされる。本発明者の気づきによれば、ひとは同時に複数の感覚を意識することができないことから、音声の演出効果が視覚効果と同時に進行する場合に比べて、音声の再生が視覚効果からずれることで視覚および音声の相乗効果は強められることができる。この演出効果で宝飾箱の観察者は他では味わえない感動を体験することができる。
【0046】
スイッチ36が切断されると、LEDランプ33は消える。音声回路48は音声信号の供給を終了する。音声の再生は終了する。
【0047】
プレゼントに先立って贈り主の音声は予め内箱11に録音される。録音にあたって上箱体13は開き位置に位置づけられる。贈り主は録音スイッチ52を押しながらマイクロホン46に向かって音声(例えば「結婚してください」とか「これからいっしょにいよう」とか)を発する。録音スイッチ52の導通に応じて音声回路48は動作する。音声はマイクロホン46で音声信号に変換される。音声信号はメモリー49に格納される。録音スイッチ52のボタンから指が離れると、音声の録音は終了する。
【0048】
ここでは、緩衝材18の布材18aは黒色や濃紺色といった色に着色されるとよい。こうした着色によれば、LEDランプ33の光線に紫外線域に隣接する可視光線が微妙に混入しても布材18aに照らされる可視光線は目立たない。LEDランプ33の光線は観察者の視覚から除外されることができる。
【0049】
例えばジュエリーショップでは購入の場面がインスタントカメラで撮像されることができる。インスタントフィルムには購入の場面がその場で現像されることができる。インスタントフィルムは平坦面63と透明シート64とに挟まれて内箱11の上面に保持されることができる。こうして写真は簡単に内箱11に取り付けられることができる。観察者は透明シート64を透かしてインスタントフィルムの画像を楽しむことができる。指輪21の所有者は内箱11を取り出すたびにインスタントフィルム71の画像を目にすることができる。こうして商品包装ユニット101は購入時の感情を思い出すきっかけを作り出すことができる。商品包装ユニット101をきっかけに例えばプレゼントを受け取った際の喜びは思い出されることができる。ここでは、インスタントフィルム71は不透明な上外箱104内で暗所に保管されることができる。日光への暴露は回避されることから、インスタントフィルム71(画像)の劣化は抑制されることができる。
【0050】
図13に示されるように、インスタントフィルム71の保持にあたってインスタントフィルム71は第1縁65で区画される挿入口から透明シート64および平坦面63の間に差し込まれる。このとき、図14に示されるように、第1帯体67の働きで透明シート64の第1縁65は平坦面63から浮き上がるので、インスタントフィルム71の縁は簡単に透明シート64および平坦面63の間に進入することができる。進入時、インスタントフィルム71の縁は第1帯体67の誘導面67bで案内されるので、インスタントフィルム71を差し込む力で第1帯体67の接触域67aは平坦面63から浮き上がる。差し込み時に透明シート64に作用する負荷は最小限に抑制されることができる。
【0051】
一般に、インスタントフィルム71の上端および下端はフィルムの本体よりも大きい厚みに形成される。透明シート64がぴったりと平坦面63に重ねられると、インスタントフィルム71の縁が透明シート64の縁に衝突してしまい、インスタントフィルム71は透明シート64および平坦面63の間に進入することができない。透明シート64内にインスタントフィルム71を差し込む作業は手間取ってしまう。インスタントフィルム71と透明シート64との衝突は透明シート64の破損を誘引してしまう。
【0052】
図15に示されるように、インスタントフィルム71が平たい収容空間に収まると、インスタントフィルム71の縁は第2帯体68の規制面68bに向き合わせられる。第2帯体68は接触域68aで平坦面63に押し当てられることから、第2帯体68はインスタントフィルム71の変位を規制することができる。第2帯体68は第2縁66からインスタントフィルム71の抜け落ちを防止することができる。
【0053】
図16に示されるように、インスタントフィルム71が平たい収容空間に収まると、インスタントフィルム71の縁は第1帯体67の規制面67cに向き合わせられる。第1帯体67は接触域67aで平坦面63に押し当てられることから、第1帯体67はインスタントフィルム71の変位を規制することができる。第1帯体67は第1縁65からインスタントフィルム71の抜け落ちを防止することができる。
【0054】
第1帯体67や第2帯体68が透明シート64と同一の材質を有すれば、透明シート64と帯体67、68とで統一感が確立されることができる。透明シート64および帯体67、68は透明で目立たずインスタントフィルム71の画像は際立つことができる。
【0055】
第1帯体67や第2帯体68は第1縁65や第2縁66の全体にわたって線形に延びる。第1帯体67や第2帯体68は、透明シート64の内面に固定される上に透明で目立たないとはいえ、透明シート64越しに観察者から観察される。帯体67、68が途切れなく線形に延びれば、良好な見栄えは確立されることができる。内箱11の美観は良好に維持されることができる。
【0056】
透明シート64の第1縁65は、ヒンジ26の回転軸線に直交する仮想平面に平行な方向に沿って延びる。上箱体13がヒンジ26の回転軸線回りに開き位置に配置されると、上面の平坦面63は回転軸線から遠ざかるほど高い位置に位置する。したがって、インスタントフィルム71には重力の働きで回転軸線に向かって推進力が作用する。このとき、インスタントフィルム71の挿入口は回転軸線に直交する仮想平面に平行な方向に延びるので、インスタントフィルム71には重力の推進力は挿入口に並行に作用する。挿入口からインスタントフィルム71の抜け出しは防止されることができる。
【0057】
本実施形態では、透明シート64は両端で装飾板62の裏側に折り返されることから、第1帯体67や第2帯体68以外では透明シート64の内面は上箱体13の平坦面にできる限り隙間なく接触することができる。こうしてインスタントフィルム71は透明シート64および平坦面63の間にしっかりと挟み込まれる。透明シート64の皺や撚れは十分に防止されることができる。インスタントフィルム71の画像は見栄えよく内箱11を飾ることができる。しかも、上箱体13の上面では、第1縁65および第2縁66以外では透明シート64の縁は装飾板62の輪郭に一致することから、内箱11では良好な見栄えは確保されることができる。その上、透明シート64は、装飾板62の表面から裏側に巻き付けられる位置で、保持されるインスタントフィルム71の動きを規制することができる。インスタントフィルム71の縁は透明シート64の縁に合わせ込まれることができる。
【0058】
本実施形態に係る内箱11は、透明から青色蛍光にダイヤモンド粒23の変色を演出する。指輪21の所有者はダイヤモンド粒23の変色を楽しむ際に内箱11を利用する。こうして内箱11は指輪21といっしょに所有され続ける。内箱11が取り出される機会は増加する。インスタントフィルム71の画像を目にする機会は増加する。一般の商品では、その商品が利用され始めるとしばしば包装箱は捨てられてしまう。
【0059】
同様に、本実施形態に係る内箱11は、録音された音声を再生する。こうして音声の演出効果は実現されることから、指輪11の所有者は内箱11を捨てずに保持し音声の演出効果を楽しむ。こうして内箱11は指輪21といっしょに所有され続ける。内箱11が取り出される機会はさらに増加する。インスタントフィルム71の画像を目にする機会はさらに増加する。
【0060】
図17は第2具体例に係る光照射回路の構成を概略的に示す。光照射回路43は、電池35に接続されるNPNトランジスターTR1を備える。電池35のプラス端子とNPNトランジスターTR1のコレクターCとの間にLEDランプ33のLED素子は接続される。電池35のプラス端子とNPNトランジスターTR1のベースBとの間にはスイッチ36および第1抵抗R1が直列に接続される。NPNトランジスターTR1のベースBと電池35のマイナス端子との間にはキャパシターC1が接続される。第1抵抗R1およびキャパシターC1と並列に第2抵抗R2は接続される。NPNトランジスターTR1のエミッターEは電池35のマイナス端子に接続される。この光照射回路43では、スイッチ36が導通すると、時定数回路R1、C1の働きでNPNトランジスターTR1のベースBに印加される電圧は徐々に上昇する。電圧の上昇中にNPNトランジスターTR1のベースBで電圧が規定値に達すると、コレクターCに電流は流入する。その後、規定の時間が経過すると、NPNトランジスターTR1のベースBに印加される電圧は一定に維持される。スイッチ36が切断されると、キャパシターC1の電荷は第2抵抗R2を通じて放電される。
【0061】
音声再生ユニット45の保留回路51は、紫外線が最大光量に達した後に予め決められた時間(以下「第3時間」という)が経過するまで音声の再生を保留する。音声回路48と光照射回路43とで電池35およびスイッチ36は共通化される。保留回路51は、スイッチ36の導通から紫外線が最大光量に達する時間(以下「漸増時間」という)、および、第3時間を計時する。漸増時間は光照射回路43の電圧特性で特定されることができる。漸増時間は、スイッチ36の導通から、NPNトランジスターTR1のベースBに印加される電圧が最大値で維持され始める時間に相当する。ここでは、紫外線が最大光量に達した時点から予め決められた第3時間が経過すると、音声回路48は音声信号をメモリー49から取り出しスピーカー47に供給する。
【0062】
LEDランプ33、NPNトランジスターTR1、キャパシターC1、第1および第2抵抗R1、R2、音声回路48、メモリー49および保留回路51は例えば共通のプリント基板上に実装されてもよい。スイッチ36の第1接点37やヒンジ26の第1羽根27または第2羽根28、電池35、マイクロホン46、スピーカー47などは例えばビニル被膜線といった電線でプリント基板上の配線パターンに電気的に接続されればよい。プリント基板は例えば電池室34に収容されればよい。
【0063】
第2具体例に係る光照射回路43では、上箱体13が開き位置に到達してスイッチ36が導通してから、スイッチ36の導通(オン動作)後、第1時間の経過を待って電池35からNPNトランジスターTR1のベースBに規定値の電圧が印加される。NPNトランジスターTR1のコレクターCに電流が流入し、LEDランプ33は点灯し始める。したがって、内箱11の観察者は、上箱体13の開放後しばし透明に輝くダイヤモンド粒23を観察することができる。
【0064】
時定数回路R1、C1の働きでNPNトランジスターTR1のベースBに印加される電圧は徐々に上昇する。LEDランプ33に流通する電流量は徐々に増加していく。LEDランプ33からダイヤモンド粒23に照射される紫外線の光量は増加していく。ダイヤモンド粒23は徐々に透明から青色に変色していく。こうして上箱体13の開放動作に応じて光の演出効果は作り出される。板ばね31は、開き位置に上箱体13を位置させる駆動力を発揮するので、閉じ位置および開き位置の中間位置でダイヤモンド粒23が変色し始めることは防止され、観察者は確実にダイヤモンド粒23の変色を目撃することができる。
【0065】
紫外線の照射開始から第2時間が経過すると、すなわち、ダイヤモンド粒23が最大限に青く輝き始めてから第3時間が経過すると、音声回路48は録音された音声を再生する。例えばプレゼントであれば、観察者には贈り主の音声(例えば「結婚してください」とか「これからいっしょにいよう」とか)が届けられることができる。音声の再生はダイヤモンド粒23の視覚効果から遅延することから、ダイヤモンド粒23の視覚効果および音声の演出効果は順番に観察者に作用する。観察者はダイヤモンド粒23の視覚効果を意識した後に音声の聴覚効果(言語処理を含む)を意識することができる。音声の演出効果は視覚効果に上積みされる。本発明者の気づきによれば、ひとは同時に複数の感覚を意識することができないことから、音声の演出効果が視覚効果と同時に進行する場合に比べて、音声の再生が視覚効果からずれることで視覚および音声の相乗効果は強められることができる。この演出効果で宝飾箱の観察者は他では味わえない感動を体験することができる。
【0066】
スイッチ36が切断されると、LEDランプ33は消える。音声回路48は音声信号の供給を終了する。音声の再生は終了する。キャパシターC1の電荷は第2抵抗R2を通じて放電される。
【0067】
なお、LEDランプ33は上箱体13に代わって下箱体12に支持されてもよい。その他、ダイヤモンド粒23は、ネックレスのチェーンを形成する複数の台座に搭載されてもよい。台座は例えばプラチナや金といった金属材から成形される。個々の台座には1個のダイヤモンド粒23が固定されてもよく複数のダイヤモンド粒23が固定されてもよい。その他、ダイヤモンド粒23は、ペンダントやブレスレット、ピアス、リング、アンクレット上にあしらわれてもよい。ダイヤモンド粒は均一な大きさでもよく大小混ぜ込まれてもよい。
【0068】
前述の内箱11では、スイッチ36に、上箱体13が開き位置に達すると上箱体13によって押し下げられるプランジャーを有するタクトスイッチが用いられてもよい。第1具体例に係る光照射回路38や第2具体例に係る光照射回路43は前述と同様な機能を実現する限り他の構成の電子回路に置き換えられてもよい。また、スイッチ36の動作は、前述のように開き位置に位置する上箱体13に連動するだけでなく、閉じ位置に位置する上箱体13に連動してもよい。その他、光照射回路38、43や音声回路48、保留回路51の機能はマイクロプロセッサー(MPU)で実行されるソフトウェアで実現されてもよい。
【符号の説明】
【0069】
11…商品包装箱(内箱)、12…下箱体、13…上箱体、16a…天板、26…ヒンジ、61…窪み、62…装飾板、63…平坦面、64…透明シート、65…縁(第1縁)、67…帯体(第1帯体)、71…インスタントフィルム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17