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特開2024-86197吐出流量測定システム、吐出流量較正システム、吐出流量測定方法、および吐出流量較正方法。
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  • 特開-吐出流量測定システム、吐出流量較正システム、吐出流量測定方法、および吐出流量較正方法。 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086197
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】吐出流量測定システム、吐出流量較正システム、吐出流量測定方法、および吐出流量較正方法。
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/00 20060101AFI20240620BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240620BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240620BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20240620BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20240620BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B05C11/00
B05C5/00 101
B05C11/10
B05B12/00 A
B05D1/26 Z
B05D3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201210
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 高行
(72)【発明者】
【氏名】庄司 晃
【テーマコード(参考)】
4D075
4F035
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4D075AA37
4D075AC06
4D075AC94
4D075EA05
4F035AA03
4F035BC02
4F035CD06
4F041AB01
4F041BA23
4F042AB00
4F042BA09
4F042BA12
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】吐出装置からの塗料の吐出流量を安価に精度よく測定することが可能な、吐出流量測定システムを提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る吐出流量測定システムは、塗料を吐出する吐出装置と、前記吐出装置から吐出された前記塗料の重量を測定する重量計と、前記塗料の比重量を予め記憶する記憶装置と、前記吐出装置から前記塗料を吐出した吐出時間、前記重量計により測定された前記塗料の重量、および前記塗料の比重量に基づき、前記吐出装置から単位時間あたりに吐出される前記塗料の体積である吐出流量を導出する処理回路と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料を吐出する吐出装置と、
前記吐出装置から吐出された前記塗料の重量を測定する重量計と、
前記塗料の比重量を予め記憶する記憶装置と、
前記吐出装置から前記塗料を吐出した吐出時間、前記重量計により測定された前記塗料の重量、および前記塗料の比重量に基づき、前記吐出装置から単位時間あたりに吐出される前記塗料の体積である吐出流量を導出する処理回路と、を備える、吐出流量測定システム。
【請求項2】
前記吐出装置から吐出された前記塗料を収容する容器をさらに備え、
前記重量計は、前記容器に収容された前記塗料の重量を測定する、請求項1に記載の吐出流量測定システム。
【請求項3】
ロボットアームをさらに備え、
前記吐出装置は、前記ロボットアームの先端に連結されるエンドエフェクタである、請求項1に記載の吐出流量測定システム。
【請求項4】
前記記憶装置は、前記吐出時間を予め記憶しており、
前記処理回路は、前記記憶装置から前記吐出時間を取得する、請求項1に記載の吐出流量測定システム。
【請求項5】
前記吐出装置および前記重量計は、互いに同じエリア内にある、請求項1に記載の吐出流量測定システム。
【請求項6】
前記吐出装置は、第1エリア内にあり、
前記重量計は、前記第1エリアとは異なる第2エリア内にあり、
前記第1エリア内から前記重量計まで延びる流路をさらに備え、
前記吐出装置から吐出された前記塗料は、前記流路内を通って前記重量計へと流入する、請求項1に記載の吐出流量測定システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の吐出流量測定システムを備え、
前記記憶装置は、前記吐出流量に関する1つ以上の指令値に関連付けて、1つ以上の前記吐出流量を記憶し、
前記処理回路は、前記記憶装置に記憶されている1つ以上の前記吐出流量を、1つ以上の前記指令値に関連付けて、新たに導出した1つ以上の前記吐出流量により更新する、吐出流量較正システム。
【請求項8】
報知器をさらに備え、
前記処理回路は、
新たに導出した1つ以上の前記吐出流量の、前記記憶装置に記憶されている1つ以上の前記吐出流量からの偏差が、所定の許容偏差以下であるか否かを判定し、
前記偏差が、前記許容偏差よりも大きいと判定したとき、前記報知器により報知する、請求項7に記載の吐出流量較正システム。
【請求項9】
処理回路により実行される吐出流量測定方法であって、
吐出装置から塗料を吐出し、
前記吐出装置から吐出され、重量計により測定された前記塗料の重量を前記重量計から取得し、
前記吐出装置から前記塗料を吐出した吐出時間、前記重量計により測定された前記塗料の重量、および前記塗料の比重量に基づき、前記吐出装置から単位時間あたりに吐出される前記塗料の体積である吐出流量を導出する、吐出流量測定方法。
【請求項10】
請求項9に記載の吐出流量測定方法を用いて、前記処理回路により実行される吐出流量較正方法であって、
前記吐出流量に関する1つ以上の指令値に関連付けて記憶装置に記憶されている1つ以上の前記吐出流量を、1つ以上の前記指令値に関連付けて、前記吐出流量測定方法により新たに導出した1つ以上の前記吐出流量により更新する、吐出流量較正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吐出流量測定システム、吐出流量較正システム、吐出流量測定方法、および吐出流量較正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、吐出装置からの塗料の吐出流量を測定する吐出流量測定システムが知られている。このような吐出流量測定システムが、例えば、特許文献1で提案されている。特許文献1では、圧送タンク内の塗料が、塗装ホースを介して、ロボットアームの先端に連結された塗装ノズルに供給される。そして、塗装ノズルからの塗料の吐出流量が、塗装ホース上の流量計により測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平02-218589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、吐出装置からの塗料の吐出流量が、流量計により測定されている。しかし、流量計は特別高価なものでなければ吐出流量を精度よく測定するのが難しい。
【0005】
そこで、本開示は、吐出装置からの塗料の吐出流量を安価に精度よく測定することが可能な、吐出流量測定システムおよび吐出流量測定方法を提供することを目的とする。また、本開示は、吐出装置からの塗料の吐出流量を安価に精度よく較正することが可能な、吐出流量較正システムおよび吐出流量較正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る吐出流量測定システムは、塗料を吐出する吐出装置と、前記吐出装置から吐出された前記塗料の重量を測定する重量計と、前記塗料の比重量を予め記憶する記憶装置と、前記吐出装置から前記塗料を吐出した吐出時間、前記重量計により測定された前記塗料の重量、および前記塗料の比重量に基づき、前記吐出装置から単位時間あたりに吐出される前記塗料の体積である吐出流量を導出する処理回路と、を備える。
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る吐出流量較正システムは、上記の吐出流量測定システムを備え、前記記憶装置は、前記吐出流量に関する1つ以上の指令値に関連付けて、1つ以上の前記吐出流量を記憶し、前記処理回路は、前記記憶装置に記憶されている1つ以上の前記吐出流量を、1つ以上の前記指令値に関連付けて、新たに導出した1つ以上の前記吐出流量により更新する。
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る吐出流量測定方法は、処理回路により実行される吐出流量測定方法であって、吐出装置から塗料を吐出し、前記吐出装置から吐出され、重量計により測定された前記塗料の重量を前記重量計から取得し、前記吐出装置から前記塗料を吐出した吐出時間、前記重量計により測定された前記塗料の重量、および前記塗料の比重量に基づき、前記吐出装置から単位時間あたりに吐出される前記塗料の体積である吐出流量を導出する。
【0009】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る吐出流量較正方法は、上記の吐出流量測定方法を用いて、前記処理回路により実行される吐出流量較正方法であって、前記吐出流量に関する1つ以上の指令値に関連付けて記憶装置に記憶されている1つ以上の前記吐出流量を、1つ以上の前記指令値に関連付けて、前記吐出流量測定方法により新たに導出した1つ以上の前記吐出流量により更新する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、吐出装置からの塗料の吐出流量を安価に精度よく測定することが可能な、吐出流量測定システムおよび吐出流量測定方法を提供することができる。また、本開示によれば、吐出装置からの塗料の吐出流量を安価に精度よく較正することが可能な、吐出流量較正システムおよび吐出流量較正方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一態様に係る吐出流量測定システム、および当該吐出流量測定システムを備える吐出流量較正システムの全体構成を示す概略図である。
図2】本開示の一態様に係る吐出流量測定システム、および当該吐出流量測定システムが備えるロボット制御装置を示すブロック図である。
図3】本開示の一態様に係る吐出流量測定方法、および当該吐出流量測定方法を備える吐出流量較正方法を示すフローチャートである。
図4】本開示の一態様に係る吐出流量測定システムにおいて、エンドエフェクタから塗料を吐出している様子を示す概略図である。
図5】本開示の一態様に係る吐出流量較正システムにおいて、記憶装置に予め記憶されている吐出流量および新たに導出した吐出流量をプロットしたグラフである。
図6】本開示の一態様に係る吐出流量測定システムの第1変形例において、エンドエフェクタから塗料を吐出している様子を示す概略図である。
図7】本開示の一態様に係る吐出流量測定システムの第2変形例において、エンドエフェクタから塗料を吐出している様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.全体構成
図1は、本開示の一態様に係る吐出流量測定システム、および当該吐出流量測定システムを備える吐出流量較正システムの全体構成を示す概略図である。図1に示すように、本態様に係る吐出流量測定システム10Aは、防爆壁160に囲まれた防爆エリア内に配置されるロボット20、重量計90Aおよび容器98を備える。また、当該吐出流量測定システム10Aは、第2エリアとしての防爆エリア外に配置されるロボット制御装置60をさらに備える。
【0013】
図1に示すように、本態様に係る吐出流量較正システム100Aは、上記の吐出流量測定システム10Aを備える。また、当該吐出流量較正システム100Aは、防爆エリア外に配置される操作器110および報知器120をさらに備える。操作器110は、例えば、パーソナルコンピュータまたはティーチペンダントであっても良いし、これらの組み合わせであっても良いし、他の態様であっても良い。また、報知器120は、例えば、ランプ、スピーカまたはディスプレイであっても良いし、これらの組み合わせであっても良いし、他の態様であっても良い。
【0014】
防爆エリア内には、塗料Pを収容するタンク170がさらに配置される。当該タンク170は、導管172を介して、ロボット20に塗料Pを供給する。導管172上には、防爆エリア内において、調節弁174が設けられる。防爆エリア外には、ロボット20に対して保護気体を供給する保護気体供給源180がさらに配置される。当該保護気体供給源180は、導管182を介して、ロボット20に保護気体を供給する。導管182上には、防爆エリア内において、調節弁184が設けられる。
【0015】
本態様では、ロボット20は、自動車に対して塗装を行う塗装用ロボットである。したがって、本態様では、上記の防爆エリアは塗装エリアである。塗装エリアの雰囲気は、塗料Pにより爆発性雰囲気となり得る。したがって、ロボット20に通電を行う前に、当該ロボット20内に侵入している可燃性ガスを排除する必要がある。そこで、保護気体供給源180からロボット20内に保護気体を供給し、掃気が行われる。上記の通り、本態様において、ロボット20は、防爆構造を有する。また、本態様において、重量計90Aも、防爆構造を有する。
【0016】
2.ロボット20
ロボット20は、基台22と、基台22に連結されるロボットアーム24と、ロボットアーム24の先端に連結される吐出装置としてのエンドエフェクタ40と、を有する。ロボットアーム24およびエンドエフェクタ40は、それぞれ、ロボット制御装置60の後述するロボット制御部72により動作を制御される。ロボットアーム24は、垂直多関節型ロボットであり、関節軸JT1乃至JT7と、これらの関節軸によって順次連結されるリンク26a乃至26fと、を有する。ロボットアーム24の関節軸JT1乃至JT7は、それぞれ、サーボモータにより回転駆動される。
【0017】
関節軸JT1は、リンク26aの先端部とリンク26bの基端部とを鉛直方向に延びる軸線周りに回動可能に連結する。関節軸JT2は、リンク26bの先端部とリンク26cの基端部とを、水平方向およびロボット20の幅方向に延びる軸線周りに回動可能に連結する。関節軸JT3は、リンク26cの先端部とリンク26dの基端部とを、水平方向およびロボット20の幅方向に延びる軸線周りに回動可能に連結する。関節軸JT4は、リンク26dの先端部とリンク26eの基端部とを捻れ回動可能に連結する。関節軸JT5は、リンク26eの先端部とリンク26fの基端部とを捻れ回動可能に連結する。関節軸JT6は、リンク26fの先端部とエンドエフェクタ40の基端部とを捻れ回動可能に連結する。そして、関節軸JT7は、基台22とリンク26aの基端部とを、水平方向およびロボット20の前後方向に延びる軸線周りに回動可能に連結する。なお、タンク170内に互いに色が異なる複数の塗料Pが収容されていている場合、ロボット制御装置60は、エンドエフェクタ40により、複数の当該塗料Pを適宜切り替えて吐出可能であっても良い。
【0018】
3.ロボット制御装置60
図2は、本態様に係る吐出流量測定システム、および当該吐出流量測定システムが備えるロボット制御装置を示すブロック図である。図2に示すように、ロボット制御装置60は、処理回路62と、処理回路62に接続された記憶装置78と、を備える。記憶装置78は、例えば、メモリを含んでも良いし、他の態様であっても良い。なお、記憶装置78は、ロボット制御装置60とは別個に設けられても良い。或いは、記憶装置78は、ロボット制御装置60に設けられる記憶装置と、ロボット制御装置60とは別個に設けられる他の記憶装置と、を含んでも良い。
【0019】
処理回路62は、重量計90Aから測定値を取得する取得部64と、後述する吐出流量を導出する導出部66と、導出した当該吐出流量の指令値からの偏差が所定の許容偏差以下であるか否かを判定する判定部68と、エンドエフェクタ40からの吐出流量を較正する較正部70と、ロボット20の動作を制御するロボット制御部72と、報知器120により報知させる報知部74と、を備える。上記した所定の許容偏差は、記憶装置78に予め記憶されていても良い。取得部64は、重量計90Aに有線接続されても良いし、無線接続されても良い。同様に、ロボット制御部72は、ロボット20および調節弁174、184に有線接続されても良いし、無線接続されても良い。同様に、報知部74は、報知器120に有線接続されても良いし、無線接続されても良い。
【0020】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウエアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウエアである。ハードウエアは、本明細書に開示されているハードウエアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウエアであってもよい。ハードウエアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウエアとソフトウエアの組み合わせであり、ソフトウエアはハードウエアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0021】
4.吐出流量測定方法および吐出流量較正方法
図3は、本態様に係る吐出流量測定方法、および当該吐出流量測定方法を備える吐出流量較正方法を示すフローチャートである。図3において、吐出流量測定方法は、ステップS1乃至S3を備える。また、同図において、吐出流量較正方法は、ステップS1乃至S6を備える。ここでは、同図に基づき、上記の処理回路62が、吐出流量測定方法および吐出流量較正方法を実行する処理の一例について説明する。
【0022】
まず、処理回路62は、エンドエフェクタ40から重量計90A上の容器98内に塗料Pを吐出する(図3において、ステップS1)。図4は、本態様に係る吐出流量測定システムにおいて、エンドエフェクタから塗料を吐出している様子を示す概略図である。
【0023】
次に、処理回路62は、ステップS1で重量計90Aにより測定された塗料Pの重量を当該重量計90Aから取得する(図3において、ステップS2)。重量計90Aは、容器98の重量と当該容器98内の塗料Pを足し算してこれらの総重量を測定する。したがって、処理回路62は、当該総重量から容器98の重量を引き算した塗料Pの重量を取得する。なお、処理回路62が当該総重量を重量計90Aから取得したあと、当該処理回路62が当該総重量から容器98の重量を引き算して塗料Pの重量を導出しても良い。
【0024】
次に、処理回路62は、エンドエフェクタ40から塗料Pを吐出した吐出時間、ステップS2で取得した塗料Pの重量、および塗料Pの比重量に基づき、エンドエフェクタ40から単位時間あたりに吐出される塗料Pの体積である吐出流量を導出する(図3において、ステップS3)。具体的には、例えば、処理回路62は、ステップS2で取得した塗料Pの重量を上記の吐出時間で割り算して、エンドエフェクタ40から単位時間あたりに吐出される塗料Pの重量を導出する。そして、処理回路62は、導出した単位時間あたりに吐出される塗料Pの重量を、記憶装置78に予め記憶されている塗料Pの比重量で割り算して、上記の吐出流量を導出する。ここで、例えば、記憶装置78が、エンドエフェクタ40から塗料Pを吐出する吐出時間を予め記憶しており、処理回路62が、記憶装置78から当該吐出時間を取得しても良い。或いは、処理回路62内のタイマが、エンドエフェクタ40から塗料Pを吐出した吐出時間を計測し、処理回路62が、当該タイマから当該吐出時間を取得しても良い。或いは、処理回路62とは別個に設けられたタイマが、エンドエフェクタ40から塗料Pを吐出した吐出時間を計測し、処理回路62が、当該タイマから当該吐出時間を取得しても良い。
【0025】
次に、処理回路62は、ステップS3で導出した吐出流量の指令値からの偏差が、記憶装置78に予め記憶されている所定の許容偏差以下であるか否かを判定する(図3において、ステップS4)。
【0026】
最後に、処理回路62は、ステップS4で上記の偏差が上記の許容偏差以下であると判定したとき、エンドエフェクタ40からの塗料Pの吐出流量を較正し(図3において、ステップS5)、一連の処理を終了する。一方、処理回路62は、ステップS4で上記の偏差が上記の許容偏差よりも大きいと判定したとき、報知器120により報知し(図3において、ステップS6)、一連の処理を終了する。
【0027】
表1および図5に基づき、上記のステップS5の具体例について説明する。図5は、本態様に係る吐出流量較正システムにおいて、記憶装置に予め記憶されている吐出流量および新たに導出した吐出流量をプロットしたグラフである。
【0028】
【表1】
【0029】
記憶装置78は、吐出流量に関する7つの指令値を予め記憶している。7つの当該指令値は、表1の1行目に記載されている。7つの当該指令値は、利用者が操作器110を操作してロボット制御装置60に対して直接的に入力した値であっても良いし、利用者が操作器110を操作してロボット制御装置60に対して入力した情報に基づき、当該ロボット制御装置60が生成した値であっても良い。或いは、7つの当該指令値は、記憶装置78に予め記憶されているプログラムに含まれていても良いし、記憶装置78に予め記憶されているプログラムに基づき、処理回路62が自律的に生成した値であっても良い。なお、7つの当該指令値は、表1に記載されている値に限定されるものではない。
【0030】
また、記憶装置78は、7つの当該指令値に関連付けて、エンドエフェクタ40からの7つの吐出流量を予め記憶している。ここで、当該吐出流量の単位は、cc/minである。ccは体積の単位「立法センチメートル」であり、minは時間の単位「分」である。すなわち、cc/minは、1分あたりに吐出した塗料Pの体積を立法センチメートルで表した単位である。7つの当該吐出流量は、表1の2行目に記載されている。本態様では、7つの当該吐出流量は、利用者が操作器110を操作してロボット制御装置60に対して直接的に入力した初期値であっても良いし、記憶装置78に予め記憶されているプログラムに基づき、処理回路62が自律的に生成した値であっても良い。或いは、7つの当該吐出流量は、吐出流量測定システム10Aが過去に導出した、エンドエフェクタ40からの塗料Pの吐出流量であっても良い。そして、表1の3行目には、吐出流量測定システム10Aが新たに導出した7つの吐出流量が示されている。当該吐出流量の単位も、同表の2行目に記載されている吐出流量と同じく、cc/minである。
【0031】
図5は、本態様に係る吐出流量較正システムにおいて、記憶装置に予め記憶されている吐出流量および新たに導出した吐出流量をプロットしたグラフである。図5において、横軸が表1の1行目に記載されている吐出流量に関する指令値であり、縦軸がエンドエフェクタ40からの塗料Pの吐出流量である。同図において、破線が表1の2行目に記載されている記憶装置78に予め記憶されている吐出流量を示し、実線が表1の3行目に記載されている新たに導出した吐出流量を示す。
【0032】
表1および図5に示すように、新たに導出した7つの吐出流量は、それぞれ、記憶装置78に予め記憶されている対応する吐出流量から僅かにずれている。処理回路62は、表1の2行目に記載されている7つの吐出流量を、同表の3行目に記載されている新たに導出した7つの吐出流量により更新する。このように、記憶装置78に記憶されている表1に示すテーブルデータを更新することにより、エンドエフェクタ40からの塗料Pの吐出流量の較正が行われる。処理回路62は、更新された当該テーブルデータに基づき、エンドエフェクタ40が塗料Pを所望する吐出流量だけ吐出するように、ロボット20の動作を制御する。処理回路62は、例えば、エンドエフェクタ40から180cc/minだけ塗料Pを吐出したいとき、更新された当該テーブルデータに基づき、線形補完により吐出流量に関する指令値1100を導出し、導出した当該指令値1100に基づき、エンドエフェクタ40から塗料Pを吐出する。なお、処理回路62は、更新された当該テーブルデータに基づき、線形補完以外の公知の補完により所望する吐出流量に関する指令値を導出し、導出した当該指令値に基づき、エンドエフェクタ40から塗料Pを吐出しても良い。
【0033】
処理回路62は、導出した吐出流量の偏差が、所定の許容偏差よりも大きいと判定したとき、報知器120により報知する。処理回路62は、例えば、表1の3行目に記載されている新たに導出した吐出流量が、同表の2行目に記載されている対応する吐出流量から10%以上ずれていると判定したとき、報知器120により報知しても良い。なお、タンク170内に互いに色が異なる複数の塗料Pが収容されていている場合、記憶装置78は、表1および図5に示すデータを、複数の当該塗料Pごとに記憶および更新しても良い。
【0034】
なお、上記の吐出流量測定方法および吐出流量較正方法は、それぞれ、例えば、ロボット20により塗装作業を開始する前に一日ごとに行われても良いし、ティーチペンダントなどを用いてロボット20を教示する際に行われても良いし、ロボット20を防爆エリアに設置する際に行われても良いし、または、他のタイミングで行われても良い。また、上記の吐出流量測定方法および吐出流量較正方法は、それぞれ、例えば、利用者による操作器110の操作入力に基づき、処理回路62により実行されても良いし、または、記憶装置78に予め記憶されているプログラムに基づき、処理回路62により自律的に実行されても良い。
【0035】
5.吐出流量測定システム10Aによる効果
従来から、吐出装置からの塗料の吐出流量が、例えば、流量計により測定されていた。しかし、流量計は特別高価なものでなければ吐出流量を精度よく測定するのが難しい。また、流量計は、防爆構造を有する場合、いっそう高価になり得る。さらに、特別高価な流量計は、構造が複雑なものが多い。これにより、故障が生じ易くなり、精度よく測定するのが難しくなり得る。また、従来から、例えば、吐出装置から塗料をメスシリンダー内に吐出し、当該メスシリンダー内の塗料の体積を利用者が目視することにより、吐出装置からの塗料の吐出流量が測定されていた。しかし、このような態様では、メスシリンダー内で塗料が泡立ち、目盛りを読み取り難い場合があった。また、メスシリンダー内に同じ体積の塗料が吐出されていたとしても、利用者ごとに読み取る値が異なってしまう場合があった。さらに、測定を行うごとにメスシリンダー内から塗料を除去し、また、当該メスシリンダーを洗浄する必要があるため、吐出流量の測定に手間と時間が掛かっていた。
【0036】
一方、本態様に係る吐出流量測定システム10Aは、吐出装置としてのエンドエフェクタ40から吐出した塗料Pの重量を重量計90Aにより測定し、当該塗料Pの重量、塗料Pを吐出した吐出時間、および塗料Pの比重量に基づき、エンドエフェクタ40から単位時間あたりに吐出される塗料Pの体積である吐出流量を導出する。これにより、吐出した塗料Pが泡立っていたとしても、吐出流量の測定に影響を及ぼすことはない。また、利用者ごとに吐出流量の測定結果が異なることもない。さらに、吐出流量の測定を行うごとに重量計90Aの測定値をリセットするだけで、測定を行うごとに重量計90Aから塗料Pを除去する必要がなく、また、当該重量計90Aを洗浄する必要もないため、手間と時間が掛からない。以上の通りであるため、本態様に係る吐出流量測定システム10Aは、エンドエフェクタ40からの塗料Pの吐出流量を安価に精度よく測定することが可能となる。また、本態様に係る吐出流量測定方法は、当該吐出流量測定システム10Aと同様の効果を得ることができる。
【0037】
本態様に係る吐出流量測定システム10Aは、塗料Pを容器98内に吐出し、重量計90Aは、当該容器98に収容された前記塗料の重量を測定する。これにより、吐出流量の測定を容易に行うことができる。
【0038】
本態様では、吐出装置が、ロボットアーム24の先端に連結されるエンドエフェクタ40である。これにより、処理回路62がロボットアーム24およびエンドエフェクタ40の動作を制御して、当該エンドエフェクタ40から塗料Pを吐出できる。したがって、吐出流量の測定を容易に行うことができる。
【0039】
本態様では、記憶装置78が、エンドエフェクタ40から塗料Pを吐出する吐出時間を予め記憶しており、処理回路62が、記憶装置78から当該吐出時間を取得する。これにより、エンドエフェクタ40からの塗料Pの吐出流量をいっそう精度よく測定することが可能となる。
【0040】
また、本態様では、ロボット20および重量計90Aは、防爆エリア内にある。これにより、ロボット20の近くに重量計90Aを配置して、エンドエフェクタ40からの吐出流量の測定を行うことができる。したがって、装置構成を簡単にすることが可能となる。
【0041】
6.吐出流量較正システム100Aによる効果
本態様に係る吐出流量較正システム100Aは、吐出流量に関する7つの指令値に関連付けて記憶装置78に記憶されている7つの吐出流量を、新たに導出した7つの当該吐出流量により更新する。したがって、本態様に係る吐出流量較正システム100Aは、上記の吐出流量測定システム10Aと同様の理由により、エンドエフェクタ40からの塗料Pの吐出流量を安価に精度よく較正することが可能となる。また、本態様に係る吐出流量較正方法は、当該吐出流量較正システム100Aと同様の効果を得ることができる。
【0042】
本態様では、処理回路62が、新たに導出した吐出流量の、記憶装置78に記憶されている吐出流量からの偏差が、所定の許容偏差よりも大きいと判定したとき、報知器120により報知する。これにより、安全を確保しつつ、吐出流量の較正を行うことができる。
【0043】
7.変形例
上記の説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良や他の態様が明らかである。したがって、上記の説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
【0044】
図6は、上記の態様に係る吐出流量測定システムの変形例において、エンドエフェクタから塗料を吐出している様子を示す概略図である。なお、本変形例に係る吐出流量測定システム10Bおよび吐出流量較正システム100Bは、それぞれ、重量計90Aの代わりに重量計90Bを備えること、および配管50を備えることを除き、上記の態様に係る吐出流量測定システム10Aおよび吐出流量較正システム100Aと同様の構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0045】
図6に示すように、本変形例に係る吐出流量測定システム10Bでは、防爆構造を有するロボット20が、爆発性雰囲気が存在し得る第1エリアとしての防爆エリア内にあり、防爆構造を有しない重量計90Bが、爆発性雰囲気が存在し得ない第2エリアとしての防爆エリア外にある。また、当該吐出流量測定システム10Bは、防爆エリア内から容器98内、すなわち、重量計90Bまで延びる流路としての配管50をさらに備える。処理回路62は、配管50の防爆エリア内の端部に設けられる漏斗52内に塗料Pをエンドエフェクタ40から吐出する(図3において、ステップS1)。配管50は、漏斗52から重量計90Bに向かうに連れて下降するように傾斜している。したがって、漏斗52に吐出された塗料Pは、配管50内を通って重量計90B上の容器98内へと流入する。以降のステップS2乃至S6は上記の態様で説明した通りであるため、ここでは説明を繰り返さない。本変形例では、上記のように、重量計90Bが防爆構造を有しないので、エンドエフェクタ40からの塗料Pの吐出流量をより安価に測定することができる。また、本変形例では、防爆エリア内から重量計90Bまで延びる配管50を備えるので、ロボット20と重量計90Bを互いに異なる雰囲気中に配置することができる。これにより、例えば、装置構成の制約により、重量計90Bをロボット20から離して配置したい場合に、対応することができる。
【0046】
図7は、上記の態様に係る吐出流量測定システムの第2変形例において、エンドエフェクタから塗料を吐出している様子を示す概略図である。なお、本変形例に係る吐出流量測定システム10Cおよび吐出流量較正システム100Cは、それぞれ、重量計90Aの代わりに重量計90Bを備えること、および塗料Pが爆発性雰囲気を生じさせ得ないことを除き、上記の態様に係る吐出流量測定システム10Aおよび吐出流量較正システム100Aと同様の構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0047】
図7に示すように、本変形例に係る吐出流量測定システム10Cは、防爆壁160に囲まれたエリア内にロボット20および防爆構造を有しない重量計90Bを備える。本変形例では、塗料Pが、例えば水性の塗料であり、爆発性雰囲気を生じさせ得ないため、防爆構造を有しない重量計90Bをロボット20と同じエリア内に配置することができる。本変形例では、上記のように、重量計90Bが防爆構造を有しないので、エンドエフェクタ40からの塗料Pの吐出流量をより安価に測定することができる。また、本変形例では、ロボット20の近くに重量計90Bを配置することができる。これにより、エンドエフェクタ40からの吐出流量の測定を行うことができ、装置構成を簡単にすることが可能となる。
【0048】
上記の態様および変形例では、ロボット20が関節軸JT1乃至JT7を備える垂直多関節型ロボットである場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、ロボット20は、1つ以上6つ以下または8つ以上の関節軸を備える垂直多関節型ロボットであっても良いし、1つ以上の関節軸を備える水平多関節型ロボットであっても良いし、1つ以上のスライド軸を備える直交型ロボットであっても良いし、他のロボットであっても良い。
【0049】
上記の態様および変形例では、吐出装置が、ロボットアーム24の先端に連結されるエンドエフェクタ40である場合について説明した。しかし、このような場合に限定されず、吐出装置は、ロボットアーム24の先端に連結されない、単独の装置であっても良い。
【0050】
上記の態様および変形例では、記憶装置78が、表1に示すようなテーブルデータ、すなわち、吐出流量および当該吐出流量に関する指令値をそれぞれ7つずつ記憶する場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、記憶装置78は、吐出流量および当該吐出流量に関する指令値を、それぞれ、1つ以上6つ以下ずつ、または8つ以上ずつ記憶しても良い。
【0051】
上記の態様および変形例では、吐出流量測定システム10A乃至10Cが操作器110を備えず、吐出流量較正システム100A乃至10Cが操作器110を備える場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、吐出流量測定システム10A乃至10Cが操作器110を備えても良い。また、吐出流量測定システム10A乃至10Cまたは吐出流量較正システム100A乃至100Cが、タンク170、保護気体供給源180、導管172、182、および調節弁174、184のうちの少なくともいずれか一つを備えても良い。さらに、吐出流量測定システム10A乃至10Cが、報知器120を備え、処理回路62が、エンドエフェクタ40から単位時間あたりに吐出される塗料Pの重量が、当該エンドエフェクタ40から単位時間あたりに吐出すべき塗料Pの重量の指令値から所定値以上乖離していると判定したとき、報知器120により報知しても良い。
【0052】
8.まとめ
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る吐出流量測定システムは、塗料を吐出する吐出装置と、前記吐出装置から吐出された前記塗料の重量を測定する重量計と、前記塗料の比重量を予め記憶する記憶装置と、前記吐出装置から前記塗料を吐出した吐出時間、前記重量計により測定された前記塗料の重量、および前記塗料の比重量に基づき、前記吐出装置から単位時間あたりに吐出される前記塗料の体積である吐出流量を導出する処理回路と、を備える。
【0053】
上記の構成によれば、吐出装置からの塗料の吐出流量を安価に精度よく測定することが可能となる。
【0054】
前記吐出装置から吐出された前記塗料を収容する容器をさらに備え、前記重量計は、前記容器に収容された前記塗料の重量を測定しても良い。
【0055】
上記の構成によれば、吐出流量の測定を容易に行うことができる。
【0056】
ロボットアームをさらに備え、前記吐出装置は、前記ロボットアームの先端に連結されるエンドエフェクタであっても良い。
【0057】
上記の構成によれば、ロボットアームおよびエンドエフェクタの動作を制御して、当該エンドエフェクタから塗料を吐出できるので、吐出流量の測定を容易に行うことができる。
【0058】
前記記憶装置は、前記吐出時間を予め記憶しており、前記処理回路は、前記記憶装置から前記吐出時間を取得しても良い。
【0059】
上記の構成によれば、吐出装置からの塗料の吐出流量をいっそう精度よく測定することが可能となる。
【0060】
前記吐出装置および前記重量計は、互いに同じエリア内にあっても良い。
【0061】
上記の構成によれば、吐出装置の近くに重量計を配置して、吐出装置からの吐出流量の測定を行うことができる。したがって、装置構成を簡単にすることが可能となる。
【0062】
前記吐出装置は、第1エリア内にあり、前記重量計は、前記第1エリアとは異なる第2エリア内にあり、前記第1エリア内から前記重量計まで延びる流路をさらに備え、前記吐出装置から吐出された前記塗料は、前記流路内を通って前記重量計へと流入しても良い。
【0063】
上記の構成によれば、第1エリア内から重量計まで延びる流路を備えるので、吐出装置と重量計を互いに異なる雰囲気中に配置することができる。これにより、例えば、装置構成の制約により、重量計を吐出装置から離して配置したい場合に、対応することができる。
【0064】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る吐出流量較正システムは、上記のいずれかの構成を含む吐出流量測定システムを備え、前記記憶装置は、前記吐出流量に関する1つ以上の指令値に関連付けて、1つ以上の前記吐出流量を記憶し、前記処理回路は、前記記憶装置に記憶されている1つ以上の前記吐出流量を、1つ以上の前記指令値に関連付けて、新たに導出した1つ以上の前記吐出流量により更新する。
【0065】
上記の構成によれば、上記のいずれかの構成を含む吐出流量測定システムを備えるので、吐出装置からの塗料の吐出流量を安価に精度よく較正することが可能となる。
【0066】
報知器をさらに備え、前記処理回路は、新たに導出した1つ以上の前記吐出流量の、前記記憶装置に記憶されている1つ以上の前記吐出流量からの偏差が、所定の許容偏差以下であるか否かを判定し、前記偏差が、前記許容偏差よりも大きいと判定したとき、前記報知器により報知しても良い。
【0067】
上記の構成によれば、安全を確保しつつ、吐出流量の較正を行うことができる。
【0068】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る吐出流量測定方法は、処理回路により実行される吐出流量測定方法であって、吐出装置から塗料を吐出し、前記吐出装置から吐出され、重量計により測定された前記塗料の重量を前記重量計から取得し、前記吐出装置から前記塗料を吐出した吐出時間、前記重量計により測定された前記塗料の重量、および前記塗料の比重量に基づき、前記吐出装置から単位時間あたりに吐出される前記塗料の体積である吐出流量を導出する。
【0069】
上記の構成によれば、吐出装置からの塗料の吐出流量を安価に精度よく測定することが可能となる。
【0070】
上記の吐出流量測定方法を用いて、前記処理回路により実行される吐出流量較正方法であって、前記吐出流量に関する1つ以上の指令値に関連付けて記憶装置に記憶されている1つ以上の前記吐出流量を、前記吐出流量測定方法により新たに導出した1つ以上の前記吐出流量により更新する。
【0071】
上記の構成によれば、上記の吐出流量測定方法を用いるので、吐出装置からの塗料の吐出流量を精度よく較正することが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
10A乃至10C 吐出流量測定システム
20 ロボット
24 ロボットアーム
40 エンドエフェクタ(吐出装置)
50 配管(流路)
60 ロボット制御装置
62 処理回路
78 記憶装置
90A、90B 重量計
98 容器
100A乃至100C 吐出流量較正システム
120 報知器
P 塗料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7