(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086205
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】在庫配置処理装置、在庫配置処理方法、及び在庫配置処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20240620BHJP
【FI】
G06Q10/087
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201222
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 翼
(72)【発明者】
【氏名】福岡 則行
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】出荷時に効率的に製品を出荷できるように、製品完成時に容器に対する製品の在庫配置を最適化すること。
【解決手段】本実施の形態の在庫配置処理装置は、製品の品種、製品の品目、容器に配置可能な最大数量、1又は複数の判断基準を関連付けて登録した在庫配置制御マスタと、製造実績データの製品のロット番号の在庫を容器に振り分ける際に、同じ容器に振り分ける優先度を、前記在庫配置制御マスタの1又は複数の判断基準に基づいて判断し、当該優先度に従って、製造実績データの1又は複数の判断基準の実情報に基づいて、同じ容器にロット番号の在庫を振り分ける在庫配置処理手段を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた在庫配置処理装置であって、
前記制御部は、
製品の品種、製品の品目、容器に配置可能な最大数量、1又は複数の判断基準を関連付けて登録した在庫配置制御マスタと、
製品が完成した際に登録される、製品の品目、ロット番号、製造数、1又は複数の判断基準の実情報を含む製造実績データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記製造実績データの製品のロット番号の在庫を容器に振り分ける際に、同じ容器に振り分ける優先度を、前記在庫配置制御マスタの1又は複数の判断基準に基づいて判断し、当該優先度に従って、前記製造実績データの1又は複数の判断基準の実情報に基づいて、同じ容器にロット番号の在庫を振り分ける在庫配置処理手段を備えたことを特徴とする在庫配置処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
製品の品種毎に使用できる容器の容器番号を登録した容器割振マスタと、
容器番号、製品の品目、ロット番号、1又は複数の判断基準の実情報、在庫数量を含み、製品が完成した際に前記製造実績データにより更新され、また、容器への在庫振り分けが終了した際に更新される在庫データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記在庫配置処理手段は、
製品のロット番号毎に、在庫が一部存在する容器番号の容器を前記在庫データから取得し、取得した容器に空き容量分の在庫を振り分け、在庫が一部存在する容器がなくなるまで繰り返し処理し、つぎに、残った在庫について、前記容器割振マスタから在庫が存在しない空の容器の容器番号を取得し、取得した容器番号の容器に振り分け、在庫がなくなるまで処理を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の在庫配置処理装置。
【請求項3】
前記1又は複数の判断基準は、製造設備、有効期限、品質状況を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の在庫配置処理装置。
【請求項4】
前記容器は、コンテナ、パレット、又は段ボールを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の在庫配置処理装置。
【請求項5】
制御部を備えた情報処理装置で実行される在庫配置処理方法であって、
前記制御部は、
製品の品種、製品の品目、容器に配置可能な最大数量、1又は複数の判断基準を関連付けて登録した在庫配置制御マスタと、
製品が完成した際に登録される、製品の品目、ロット番号、製造数、1又は複数の判断基準の実情報を含む製造実績データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
前記製造実績データの製品のロット番号を容器に振り分ける際に、同じ容器に振り分ける優先度を、前記在庫配置制御マスタの1又は複数の判断基準に基づいて判断し、当該優先度に従って、前記製造実績データの1又は複数の判断基準の実情報に基づいて、同じ容器にロット番号の在庫を振り分ける在庫配置処理工程を含むことを特徴とする在庫配置処理方法。
【請求項6】
制御部を備えた情報処理装置で実行するための在庫配置処理プログラムであって、
前記制御部は、
製品の品種、製品の品目、容器に配置可能な最大数量、1又は複数の判断基準を関連付けて登録した在庫配置制御マスタと、
製品が完成した際に登録される、製品の品目、ロット番号、製造数、1又は複数の判断基準の実情報を含む製造実績データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
前記製造実績データの製品のロット番号を容器に振り分ける際に、同じ容器に振り分ける優先度を、前記在庫配置制御マスタの1又は複数の判断基準に基づいて判断し、当該優先度に従って、前記製造実績データの1又は複数の判断基準の実情報に基づいて、同じ容器にロット番号の在庫を振り分ける在庫配置処理工程を実行するための在庫配置処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫配置処理装置、在庫配置処理方法、及び在庫配置処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動倉庫など工場のオートメーション化が進んでいる企業では、1つのコンテナに製品の複数ロットを積載して在庫管理している。従来の在庫管理システムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、出荷時に効率的に製品を出荷できるように、製品完成時に容器(例えば、コンテナ)に対する製品の在庫配置を最適化することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、出荷時に効率的に製品を出荷できるように、製品完成時に容器に対する製品の在庫配置を最適化することが可能な在庫配置処理装置、在庫配置処理方法、及び在庫配置処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、制御部を備えた在庫配置処理装置であって、前記制御部は、製品の品種、製品の品目、容器に配置可能な最大数量、1又は複数の判断基準を関連付けて登録した在庫配置制御マスタと、製品が完成した際に登録される、製品の品目、ロット番号、製造数、1又は複数の判断基準の実情報を含む製造実績データと、にアクセス可能に構成されており、前記製造実績データの製品のロット番号を容器に振り分ける際に、同じ容器に振り分ける優先度を、前記在庫配置制御マスタの1又は複数の判断基準に基づいて判断し、当該優先度に従って、前記製造実績データの1又は複数の判断基準の実情報に基づいて、同じ容器にロット番号の在庫を振り分ける在庫配置処理手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、製品の品種毎に使用できる容器の容器番号を登録した容器割振マスタと、容器番号、製品の品目、ロット番号、1又は複数の判断基準の実情報、在庫数量を含み、製品が完成した際に前記製造実績データにより更新され、また、容器への在庫振り分けが終了した際に更新される在庫データと、にアクセス可能に構成されており、前記在庫配置処理手段は、製品のロット番号毎に、在庫が一部存在する容器番号の容器を前記在庫データから取得し、取得した容器に空き容量分の在庫を振り分け、在庫が一部存在する容器がなくなるまで繰り返し処理し、つぎに、残った在庫について、前記容器割振マスタから在庫が存在しない空の容器の容器番号を取得し、取得した容器番号の容器に振り分け、在庫がなくなるまで処理を繰り返すことにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記1又は複数の判断基準は、製造設備、有効期限、品質状況を含むことにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記容器は、コンテナ、パレット、又は段ボールを含むことにしてもよい。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行される在庫配置処理方法であって、前記制御部は、製品の品種、製品の品目、容器に配置可能な最大数量、1又は複数の判断基準を関連付けて登録した在庫配置制御マスタと、製品が完成した際に登録される、製品の品目、ロット番号、製造数、1又は複数の判断基準の実情報を含む製造実績データと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において実行される、前記製造実績データの製品のロット番号を容器に振り分ける際に、同じ容器に振り分ける優先度を、前記在庫配置制御マスタの1又は複数の判断基準に基づいて判断し、当該優先度に従って、前記製造実績データの1又は複数の判断基準の実情報に基づいて、同じ容器にロット番号の在庫を振り分ける在庫配置処理工程を含むことを特徴とする。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行するための在庫配置処理プログラムであって、前記制御部は、製品の品種、製品の品目、容器に配置可能な最大数量、1又は複数の判断基準を関連付けて登録した在庫配置制御マスタと、製品が完成した際に登録される、製品の品目、ロット番号、製造数、1又は複数の判断基準の実情報を含む製造実績データと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において、前記製造実績データの製品のロット番号を容器に振り分ける際に、同じ容器に振り分ける優先度を、前記在庫配置制御マスタの1又は複数の判断基準に基づいて判断し、当該優先度に従って、前記製造実績データの1又は複数の判断基準の実情報に基づいて、同じ容器にロット番号の在庫を振り分ける在庫配置処理工程を実行するための在庫配置処理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、出荷時に効率的に製品を出荷できるように、製品完成時に容器(例えば、コンテナ)に対する製品の在庫配置を最適化することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、コンテナに対する在庫配置を説明するための図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係る在庫配置処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、コンテナ割振マスタの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、在庫配置制御マスタの構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、在庫配置制御マスタを使用したコンテナ割り振りを説明するための図である。
【
図6】
図6は、在庫配置制御マスタにおいて複数の判断基準を設定した例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図12】
図12は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図13】
図13は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図14】
図14は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図15】
図15は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図16】
図16は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図17】
図17は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図18】
図18は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図19】
図19は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図20】
図20は、本実施の形態における在庫配置処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
自動倉庫など工場のオートメーション化が進んでいる企業は、1つのコンテナに製品の複数ロットを積載して在庫管理している。
図1は、コンテナに対する在庫配置を説明するための図であり、(A)は、理想の在庫配置の例、(B)は、現実の在庫配置(実態)の例を示す図である。
【0016】
図1(A)に示すように、コンテナ単位で出荷を行うことが理想であるが、出荷作業の効率を考慮して在庫配置ができていなかったため、
図1(B)に示すように、出荷時に異なるコンテナからロットを選定し出荷を行っていた。そのため、出荷時にロットの選定や出荷準備での手作業が多く、時間がかかっていた。
【0017】
そのため、(1)出荷業務において、異なるコンテナから製品を取ってくるために人手が非常にかかり、作業効率が悪い、(2)出荷を意識した在庫の配置ができておらず、自動倉庫の活用効率が悪い等の課題があった。
【0018】
そこで、本実施の形態では、出荷時に効率的に製品を出荷できるように、製品完成時に容器(例えば、コンテナ)に対する製品の在庫配置を最適化した。すなわち、容器単位で出荷できるように製品の在庫配置を最適化した。
【0019】
具体的には、本実施の形態の在庫配置処理装置では、(1)製品が出来上がったタイミングで、1コンテナに配置するロットの優先度を自動判断できるようにした。(2)優先度の判断順位も品目別に、「製造設備」、「有効期限」、「品質」の3つから設定可能とした。(3)優先度の判断材料をマスタで制御し、汎用性を持った仕組みとした。
【0020】
本実施の形態の在庫配置処理装置によれば、在庫管理を行う上で、出荷時の効率化を意識した在庫配置ができ、自動倉庫の有効活用及び出荷業務の作業効率を大幅に向上させることが可能となる。
【0021】
本実施の形態の在庫配置処理装置は、容器に複数の製品を積載して出荷する場合に広く適用でき、例えば、工場のオートメーション化が進んでいる企業等(例えば、フィルム製造業(原反売上等)等の自動倉庫を利用している企業等)に適用可能である。
【0022】
以下の例では、容器として、コンテナを使用した例を説明するが本発明はこれに限られるものではなく、パレット、段ボール等の他の容器を使用した場合にも適用可能である。
【0023】
[2.構成]
図2は、本実施の形態に係る在庫配置処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図2において、在庫配置処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータやワークステーション等である。在庫配置処理装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108と、を備えている。在庫配置処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、在庫配置処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、在庫配置処理装置100と、サーバ200や自動倉庫制御システム400とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。不図示の担当者端末は、発注担当者が使用する端末である。自動倉庫制御システム400は、ネットワーク300を介して、在庫配置処理装置100とデータ通信可能に構成されている。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等を用いることができる。
【0027】
記憶部106は、コンテナ割振マスタ106aと、在庫配置制御マスタ106bと、データテーブル106cと、を備えている。
図3は、コンテナ割振マスタ106aの構成例を示す図である。
図4は、在庫配置制御マスタ106bの構成例を示す図である。
図5は、在庫配置制御マスタ106bを使用したコンテナ割り振りを説明するための図である。
図6は、在庫配置制御マスタ106bにおいて複数の判断基準を設定した例を示す図である。
【0028】
コンテナ割振マスタ(容器振分マスタ)106aは、品種(製品の分類)毎に使用できる容器のコンテナ番号を管理するためのマスタであり、例えば、
図3に示すように、品種と、コンテナのコンテナNO(番号)を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。
【0029】
同図に示す例では、品種「製品A群」にコンテナNO「CON00001~CON00050(50コンテナ割り振り)」が設定されている。
【0030】
在庫配置制御マスタ106bは、コンテナNOの割振ルールを設定するためのマスタであり、同一のコンテナに割り振る1又は複数の優先度の判断基準を設定したマスタである。在庫配置制御マスタ106bは、例えば、
図4に示すように、品種、品目、コンテナに積載可能なコンテナ最大数量(Kg)、1又は複数の判断基準(判断基準、有効期限集計範囲、第2判断基準、第2有効期限集計範囲、第3判断基準、第3有効期限集計範囲)を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。
【0031】
判断基準が、「製造設備」の場合は、1つのコンテナに対して製造設備が同一の製品でまとめ、「有効期限」の場合は、1つのコンテナに対して有効期限が同一範囲の製品でまとめ、「品質状況(ランク)」の場合は、1つの品質状況(ランク)が同一の製品でまとめる。
【0032】
判断基準が、有効期限の場合は、さらに、有効期限集計範囲を設定する。有効期限範囲が「同月」の場合は、同月内であれば同じコンテナに集約を許可し、「同年」の場合は、同年内であれば同じコンテナに集約を許可し、「同年度」の場合は、同年度内であれば同じコンテナに集約を許可する。
【0033】
同図に示す例では、1行目は、品種「製品A群」、品目「製品X」、コンテナ最大数「1,100」、判断基準「製造設備」となっている。2行目は、品種「製品A群」、品目「製品Y」、コンテナ最大数「1,000」、判断基準「有効期限」、有効期限集計範囲「同月」、3行目は、品種「製品A群」、品目「製品Z」、コンテナ最大数「1,500」、優先度の判断基準「品質状況(ランク)」となっている。
【0034】
図5を参照して、在庫配置処理部102bにより実行されるコンテナ割り振り処理を説明する。コンテナ割り振り処理では、振り当てされていない品目順に、コンテナに振り当てを行う。
図4に示す在庫配置制御マスタ106bの設定例の場合は、製品Xについては、同じコンテナに製造設備が同一の製品でまとめる(T1)。製品Yについては、有効期限が同一範囲(同月)の製品でまとめる(T2)。製品Zについては、品質状況(ランク)が同一の製品でまとめる(T3)。同一の品種の内で割り振られるコンテナは、空いているものからコンテナ割振マスタ106aの昇順で選択される。
【0035】
図6に示すように、複数の判断基準の設定も可能である。
図6は、在庫配置制御マスタ106bにおいて複数の判断基準を設定した例を示している。
図6に示す例では、品種「製品A群」、品目「製品Y」、コンテナ最大数「1,100」、判断基準「有効期限」、有効期限集計範囲「同月」、第2判断基準「品質状況(ランク)」となっている。この場合、有効期限別品質条件(ランク)別に同じコンテナに配置をする。
【0036】
データテーブル106cは、在庫データ、製造実績データ、在庫振替データ等の各種データを格納するためのテーブルである。
【0037】
在庫データは、コンテナNO(番号)、品目、ロット番号、判断基準の実情報(製造設備、有効期限、品質状況(ランク))、在庫数量を含んでいてもよい。在庫データは、製品が完成した際に製造実績データに基づいて更新され、また、容器への在庫振り分けが終了した際に更新される。
【0038】
製造実績データは、品目、ロット番号、製造数、判断基準の実情報(製造設備、有効期限、品質状況(ランク))を含んでいてもよい。
【0039】
在庫振替データは、品目、ロット番号、振替元コンテナ、振替先コンテナ、振替数量を含んでいてもよい。
【0040】
図2に戻り、制御部102は、在庫配置処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0041】
制御部102は、記憶部106に格納されている、コンテナ割振マスタ106a、在庫配置制御マスタ106b、データテーブル106c等にアクセス可能に構成されている。なお、コンテナ割振マスタ106a、在庫配置制御マスタ106b、データテーブル106cは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0042】
制御部102は、機能概念的に、製造実績入力部102aと、在庫配置処理部102bと、マスタメンテ部102cと、画面表示制御部102dと、を備えている。
【0043】
製造実績入力部102aは、製品を製造した際に、例えば、モニタ114に表示される不図示の製造実績入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、製造実績データを入力して、データテーブル106cに登録し、また、登録した製造実績データで応じて在庫データを更新する。
【0044】
在庫配置処理部102bは、コンテナ割振マスタ106a及び在庫配置制御マスタ106bを参照して、製造実績データ(在庫データ)に基づいて、コンテナに製造した製品のロット番号の在庫を振り分けて、在庫振替データを生成し、在庫振替データに基づいて、在庫データを更新する。
【0045】
在庫配置処理部102bは、コンテナに製造した製品のロット番号の在庫を振り分ける際に、同じコンテナに振り分ける優先度を、在庫配置制御マスタ106bの1又は複数の判断基準に基づいて判断し、当該優先度に従って、製造実績データの1又は複数の判断基準の実情報に基づいて、同じコンテナにロット番号の在庫を振り分けることにしてもよい。
【0046】
この場合、在庫配置処理部102bは、製品のロット番号毎に、在庫が一部存在する容器番号のコンテナを在庫データから取得し、取得したコンテナに空き容量分の在庫を振り分け、在庫が一部存在するコンテナがなくなるまで繰り返し処理し、つぎに、残った在庫について、コンテナ割振マスタ106aから在庫が存在しない空の容器の容器番号を取得し、取得した容器番号の容器に振り分け、在庫がなくなるまで処理を繰り返すことにしてもよい。
【0047】
また、1又は複数の判断基準は、製造設備、有効期限、品質状況を含むことにしてもよい。
【0048】
マスタメンテ部102eは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上での管理者の操作等に応じて、コンテナ割振マスタ106a、在庫配置制御マスタ106bに対してデータの入力・追加・変更・更新等の設定を行う。
【0049】
画面表示制御部102fは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、製造実績入力画面、在庫配置処理画面、マスタメンテ画面等)の表示や入力の受付を制御する。
【0050】
[3.具体例]
図1~
図20を参照して、本実施の形態における在庫配置処理装置100の処理の具体例を説明する。まず、
図7及び
図8を参照して、本実施の形態における在庫配置処理装置100の全体の処理の概略を説明する。
図7は、本実施の形態における在庫配置処理装置100の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
図8は、本実施の形態における在庫配置処理装置100の全体の処理の概略を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【0051】
(3-1.全体の処理)
図7において、製造実績入力部102aは、製造実績入力処理を実行する(ステップS1)。製造実績入力処理では、製品が完成した際に、製品の出来高実績を登録する。この時点では、完成した製品は、「仮置き場」に在庫配置する。
【0052】
具体的には、製造実績入力処理では、製造実績入力部102aは、製品を製造した際に、例えば、モニタ114に表示される不図示の製造実績入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、製造実績データを入力して、データテーブル106cに登録し、また、登録した製造実績データで応じて在庫データを更新する。
【0053】
図8(A)は、製造実績入力時の在庫データの例を示す図である。在庫データは、コンテナ番号、品目、ロット番号、製造設備、有効期限、品質状況(ランク)、在庫数量の項目を備えている。仮置き場にあるため、コンテナ番号はまだ割り振られていない。
【0054】
同図に示す例では、1行目は、コンテナ番号「-」、品目「製品X」、ロット番号「20221016-X001」、製造設備「A設備」、有効期限「2022/12/31」、品質状況(ランク)「A」、在庫数量「2,600.000」となっている。
【0055】
在庫配置処理部102bは、在庫配置処理を実行する(ステップS2)。完成した製品は、「仮置き場」から「自動倉庫コンテナ」へ在庫移動させる。システム上の在庫移動処理が行われる。
【0056】
具体的には、在庫配置処理部102bは、例えば、モニタ114に表示される在庫配置処理画面において、オペレータにより在庫配置処理の実行が指示されると、在庫配置処理を実行する。
図8(D)は、在庫配置処理画面の表示例を示す図である。
【0057】
在庫配置処理では、在庫配置処理部102bは、コンテナ割振マスタ106a及び在庫配置制御マスタ106bを参照して、製造実績データ(在庫データ)に基づいて、コンテナに製造した製品のロット番号の在庫を振り分けて、在庫振替データを生成し、在庫振替データに基づいて、在庫データを更新する。
【0058】
在庫配置処理部102bは、コンテナに製造した製品のロット番号の在庫を振り分ける際に、同じコンテナに振り分ける優先度を、在庫配置制御マスタ106bの1又は複数の判断基準(
図8に示す例では、製造設備)に基づいて判断し、当該優先度に従って、製造実績データの1又は複数の判断基準の実情報(
図8に示す例では、A設備、B設備)に基づいて、同じコンテナにロット番号の在庫を振り分けることにしてもよい。
【0059】
この場合、在庫配置処理部102bは、製品のロット番号毎に、在庫が一部存在する容器番号のコンテナを在庫データから取得し、取得したコンテナに空き容量分の在庫を振り分け、在庫が一部存在するコンテナがなくなるまで繰り返し処理し、つぎに、残った在庫について、コンテナ割振マスタ106aから在庫が存在しない空の容器の容器番号を取得し、取得した容器番号の容器に振り分け、在庫がなくなるまで処理を繰り返すことにしてもよい。
【0060】
図8(B)は、在庫振替データのデータ例を示す図である。在庫振替データは、品目、ロット番号、振替元コンテナ、振替先コンテナ、振替数量の項目を備えている。在庫振替データは、ロット番号順にレコードが作成される。同図に示す例では、1行目は、品目「製品X」、ロット番号「20221016-X001」、振替元コンテナ「-」、振替先コンテナ「CON00001」、振替数量「600.000」となっている。
【0061】
図8(C)は、更新(在庫振替)後の在庫データのデータ例を示す図である。同図に示すように、コンテナ番号が更新されている。同図に示す例では、1行目は、コンテナ番号「CON00001」、品目「製品X」、ロット番号「20221016-X001」、製造設備「A設備」、有効期限「2022/12/31」、品質状況(ランク)「A」、在庫数量「2,600.000」となっている。
【0062】
自動倉庫制御システム400は、在庫配置処理装置100とデータ連携して、在庫振替データを取得して、在庫振替データに基づいて、例えば、自動ロボット等を使用して、コンテナに対して在庫配置を実行する(ステップS3)。
【0063】
(3-2.サンプルデータ)
図9~
図20は、本実施の形態における在庫配置処理装置100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図7~
図13を参照して、本実施の形態における在庫配置処理装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0064】
(製造設備が同一の製品で纏める場合の例)
図9~
図11を参照して、同じコンテナに対して製造設備が同一の製品で纏める場合を説明する。
図9(A)は、在庫配置制御マスタ106bのデータ例を示す図である。
図9(B)は、製造前の在庫データ(在庫状況)の例を示す図である。
図9(C)は、製造前の在庫状況を説明するための図である。
図10(A)は、製造実績データのデータ例を示す図である。
図10(B)は、製造実績データで更新された在庫データ(在庫配置前の在庫状況)の例を示す図である。
図11(A)は、割り振り対象の製品を説明するための図、
図11(B)は、在庫配置処理前と在庫配置処理後のコンテナの在庫状況を示す図である。
図11(C)は、在庫配置処理後の在庫振替データのデータ例を示す図である。
図11(D)は、在庫配置処理後の在庫データを示す図である。コンテナ割振マスタ106aについては、
図3のデータ例を使用する。
【0065】
在庫配置制御マスタ106bには、
図9(A)に示すように、品種「製品A群」、品目「製品X」、コンテナ最大数「1,100」、優先度の判断基準「製造設備」が設定されている。このため、同じコンテナに対して製造設備が同一の製品を配置する。
【0066】
ここでは、
図10(B)の在庫データでコンテナが割り振りされていない(
図10(A)の製造実績データ)、製品X、ロット番号「20221016-X001」、建設設備「A設備」、在庫数量「2,600」と、製品X、ロット「20221016-X002」、製造設備「B設備」、在庫数量「1,700」と、製品X、ロット番号「20221016-X003」、製造設備「B設備」、在庫数量「500」について、コンテナを割り振る場合を説明する。
【0067】
製品・ロット番号順(昇順)で、コンテナに詰めていく、その際、製造設備が同一であること、コンテナ最大数「1,100」であることを条件とする。
【0068】
1.製品X、ロット番号「20221016-X001」、建設設備「A設備」、在庫数量「2,600」について
(1)在庫が一部存在するコンテナを在庫データから取得する。この例では、コンテナ「CON00001」に600Kgの空きがある。
(2)(1)で取得したコンテに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)でコンテナNOを取得する。この例では、まず、コンテナ「CON00001」に600Kg詰める。空きコンテナなくなるまで繰り返し処理する。製造ロットがなくなれば処理を終了する。
(3)(2)の処理が完了した後に、残った在庫数量を取得する。算出式は、製造実績数(在庫数量)-(2)で詰めた数量とする。この場合、製品ロット別に算出する。この例では、2,600-600=2,000Kgとなる。
(4)(3)の製品を在庫が存在しない空のコンテナに詰めていく。この場合、空のコンテナのコンテナNOをコンテナ割振マスタ106aから取得する。コンテナNO順(昇順)で詰める。この例では、コンテナ「CON00003」にロットを1,100Kg詰める。この例では、残数は、2,000 -1,100=900Kgとなる。
(5)(4)で残数が残れば、次のコンテナNOに詰める。この場合、コンテナNO順(昇順)で詰める。この例では、コンテナ「CON00004」にロットを900Kg詰める。残数は、900-900=0Kgとなる。
【0069】
2.製品X、ロット「20221016-X002」、製造設備「B設備」、在庫数量「1,700」について
(1)在庫が一部存在するコンテナを取得する。この例では、コンテナ「CON00002」に500Kg空きがある。
(2)(1)のコンテに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で取得する。この例では、コンテナ「CON00002」に500Kg詰める。空きコンテナなくなるまで繰り返し処理を行い、製造ロットがなくなれば処理を終了する。
(3)(2)の処理が完了した後に、残った在庫数量を取得する。算出式は、製造実績数-(2)で詰めた数量とする。この場合、製品ロット別に算出する。この例では、1,700-500=1,200Kgとなる。
(4)(3)の製品を在庫が存在しないコンテナに詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で詰める。この例では、コンテナ「CON00005」にロットを1,100Kg詰める。残数は、1,200-1,100=100Kgとなる。
(5)(4)で残数が残れば、次のコンテナNOに詰める。この場合、コンテナNO順(昇順)で詰める。コンテナ「CON00006」にロットを100Kg詰める。残数は、100-100=0Kgとなる。
【0070】
3.製品X、ロット番号「20221016-X003」、製造設備「B設備」、在庫数量「500」について
(1)在庫が一部存在するコンテナを取得する。この例では、コンテナ「CON00006」に1,000Kg空きがある。
(2)(1)のコンテに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で取得する。この例では、コンテナ「CON00006」に500Kg詰める。製造ロットが無くなったため、処理を終了する。
【0071】
(有効期限が同一範囲の製品で纏める場合)
図12~
図14を参照して、同じコンテナに対して有効期限が同一の範囲の製品で纏める場合を説明する。
図12(A)は、在庫配置制御マスタ106bのデータ例を示す図である。
図12(B)は、製造前の在庫データ(在庫状況)の例を示す図である。
図12(C)は、製造前の在庫状況を説明するための図である。
図13(A)は、製造実績データのデータ例を示す図である。
図13(B)は、製造実績データで更新された在庫データ(在庫配置前の在庫状況)の例を示す図である。
図14(A)は、割り振り対象の製品を説明するための図、
図14(B)は、在庫配置処理前と在庫配置処理後のコンテナの在庫状況を示す図である。
図14(C)は、在庫配置処理後の在庫振替データのデータ例を示す図である。
図14(D)は、在庫配置処理後の在庫データを示す図である。コンテナ割振マスタ106aについては、
図3のデータ例を使用する。
【0072】
在庫配置制御マスタ106bには、
図12(A)に示すように、品種「製品A群」、品目「製品Y」、コンテナ最大数「1,000」、優先度の判断基準「有効期限」、有効期限「同月」が設定されている。このため、同じコンテナに対して、有効期限が同月の範囲の製品を配置する。
【0073】
ここでは、
図13(B)の在庫データでコンテナが割り振りされていない(
図13(A)の製造実績データ)、製品Y、ロット番号「20221016-Y001」、有効期限「2022/12/31」、在庫数量「1,000」と、製品Y、ロット「20221016-Y002」、有効期限「2023/1/31」、在庫数量「800」と、製品Y、ロット番号「20221016-Y003」、有効期限「2023/1/31」、在庫数量「300」について、コンテナを割り振る場合を説明する。
【0074】
製品・ロット番号順(昇順)で、コンテナに詰めていく、その際、有効期限が同月内であること、コンテナ最大数「1,000」であることを条件とする。
【0075】
1.製品Y、ロット番号「20221016-Y001」、有効期限「2022/12/31」、在庫数量「1,000」について
(1)在庫が一部存在するコンテナを取得する。この例では、コンテナ「CON00011」に600Kgの空きがある。
(2)(1)のコンテに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で取得する。この例では、コンテナ「CON00011」に600Kg詰める。空きコンテナなくなるまで繰り返し処理し、製造ロットがなくなれば処理を終了する。
(3)(2)の処理が完了した後に、残った在庫数量を取得する。算出式は、製造実績数-(2)で詰めた数量とする。この場合、製品ロット別に算出する。この例では、1,000-600=400Kgとなる。
(4)(3)の製品を在庫が存在しないコンテナに詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で詰める。この例では、コンテナ「CON00007」にロットを400Kg詰める。残数は、400-400=0Kgとなる。
【0076】
2.製品Y、ロット「20221016-Y002」、有効期限「2023/1/31」、在庫数量「800」について
(1)在庫が一部存在するコンテナを取得する。この例では、在庫が一部存在するコンテナはない。
(2)(1)のコンテに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で取得する。この例では、該当なし。
(3)(2)の処理が完了した後に、残った在庫数量を取得する。算出式は、製造実績数-(2)で詰めた数量とする。この場合、製品ロット別に算出する。この例では、800-0=800Kgである。
(4)(3)の製品を在庫が存在しないコンテナに詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で詰める。この例では、コンテナ「CON00008」にロットを800Kg詰める。残数は、800-800=0Kgとなる。
【0077】
3.製品Y、ロット番号「20221016-Y003」、有効期限「2023/1/31」、在庫数量「300」について
(1)在庫が一部存在するコンテナを取得する。この例では、コンテナ「CON00008」に200Kgの空きがある。
(2)(1)のコンテに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で取得する。この例では、コンテナ「CON00008」に200Kg詰める。空きコンテナなくなるまで繰り返し処理する。製造ロットがなくなれば処理を終了する。
(3)(2)の処理が完了した後に、残った在庫数量を取得する。算出式は、製造実績数-(2)で詰めた数量とする。この場合、製品ロット別に算出する。この例では、300-200=100Kgとなる。
(4)(3)の製品を在庫が存在しないコンテナに詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で詰める。この例では、コンテナ「CON00009」にロットを100Kg詰める。残数は、100-100=0Kgとなる。
【0078】
(品質状況(ランク)が同一の製品で纏める場合の例)
図15~
図17を参照して、同じコンテナに対して品質状況(ランク)が同一の製品で纏める場合を説明する。
図15(A)は、在庫配置制御マスタ106bのデータ例を示す図である。
図15(B)は、製造前の在庫データ(在庫状況)の例を示す図である。
図15(C)は、製造前の在庫状況を説明するための図である。
図16(A)は、製造実績データのデータ例を示す図である。
図16(B)は、製造実績データで更新された在庫データ(在庫配置前の在庫状況)の例を示す図である。
図17(A)は、割り振り対象の製品を説明するための図、
図17(B)は、在庫配置処理前と在庫配置処理後のコンテナの在庫状況を示す図である。
図17(C)は、在庫配置処理後の在庫振替データのデータ例を示す図である。
図17(D)は、在庫配置処理後の在庫データを示す図である。コンテナ割振マスタ106aについては、
図3のデータ例を使用する。
【0079】
在庫配置制御マスタ106bには、
図15(A)に示すように、品種「製品A群」、品目「製品Z」、コンテナ最大数「1,500」、優先度の判断基準「品質状況(ランク)」が設定されている。このため、同じコンテナに対して、品質状況(ランク)が同一の製品を配置する。
【0080】
ここでは、
図16(B)の在庫データでコンテナが割り振りされていない(
図16(A)の製造実績データ)、製品Z、ロット番号「20221016-Z001」、品質状況「Cランク」、在庫数量「1,000」と、製品Z、ロット「20221016-Z002」、品質状況「Bランク」在庫数量「1,000」と、製品Z、ロット番号「20221016-Z003」、品質状況「Bランク」、在庫数量「800」について、コンテナを割り振る場合を説明する。
【0081】
製品・ロット番号順(昇順)で、コンテナに詰めていき、その際、品質状況(ランク)が同じであること、コンテナ最大数「1,500」であることを条件とする。
【0082】
1.製品Z、ロット番号「20221016-Z001」、品質状況「Cランク」、在庫数量「1,000」について
(1)在庫が一部存在するコンテナを取得する。この例では、該当するコンテナ無し。
(2)(1)のコンテナに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で取得する。この例では、該当するコンテナ無し。
(3)(2)の処理が完了した後に、残った在庫数量を取得する。算出式は、製造実績数-(2)で詰めた数量とする。この場合、製品ロット別に算出する。この例では、1,000-0=1,000Kgとなる。
(4)(3)の製品を在庫が存在しないコンテナに詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で詰める。この例では、コンテナ「CON00012」にロットを1,000Kg詰める。残数は、1,000-1,000=0Kgとなる。
【0083】
2.製品Z、ロット「20221016-Z002」、品質状況「Bランク」、在庫数量「1,000」の場合について
(1)在庫が一部存在するコンテナを取得する。この例では、コンテナ「CON00016」に1,000Kgの空きがある。
(2)(1)のコンテに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で取得する。この例では、コンテナ「CON00016」に1,000Kg詰める。製造ロットがなくったため、処理を終了する。
【0084】
3.製品Z、ロット番号「20221016-Z003」、品質状況「Bランク」、在庫数量「800」について
(1)在庫が一部存在するコンテナを取得する。この例では、該当するコンテナ無し。 (2)(1)のコンテに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で取得する。この例では、該当するコンテナ無し。
(3)(2)の処理が完了した後に、残った在庫数量を取得する。算出式は、製造実績数-(2)で詰めた数量とする。この場合、製品ロット別に算出する。この例では、800-0=800Kgとなる。
(4)(3)の製品を在庫が存在しないコンテナに詰めていく。この場合、ンテナNO順(昇順)で詰める。この例では、コンテナ「CON00013」にロットを800Kg詰める。残数は、800-800=0Kgとなる。
【0085】
(複数の判断基準を設定した場合:有効期限別品質状況(ランク)別にコンテナに配置する場合の例)
図18~
図20を参照して、複数の判断基準を設定した場合を説明する。ここでは、同じコンテナに有効期限別品質状況(ランク)別に製品を纏める場合を説明する。
【0086】
図18(A)は、在庫配置制御マスタ106bのデータ例を示す図である。
図18(B)は、製造前の在庫データ(在庫状況)の例を示す図である。
図18(C)は、製造前の在庫状況を説明するための図である。
図19(A)は、製造実績データのデータ例を示す図である。
図19(B)は、製造実績データで更新された在庫データ(在庫配置前の在庫状況)の例を示す図である。
図20(A)は、割り振り対象の製品を説明するための図、
図20(B)は、在庫配置処理前と在庫配置処理後のコンテナの在庫状況を示す図である。
図20(C)は、在庫配置処理後の在庫振替データのデータ例を示す図である。
図20(D)は、在庫配置処理後の在庫データを示す図である。コンテナ割振マスタ106aについては、
図3のデータ例を使用する。
【0087】
在庫配置制御マスタ106bには、
図18(A)に示すように、品種「製品A群」、品目「製品Z」、コンテナ最大数「1,500」、優先度の判断基準「有効期限」、有効期限「同月」、第2判断基準「品質状況(ランク)」が設定されている。このため、同じコンテナに対して、有効期限が同月でかつ品質状況(ランク)が同一の製品を配置する。
【0088】
ここでは、
図19(B)の在庫データでコンテナが割り振りされていない(
図19(A)の製造実績データ)、製品Z、ロット番号「20221016-Z001」、有効期限「2022/12/15」、品質状況「Bランク」、在庫数量「1,000」と、製品Z、ロット「20221016-Z002」、品質状況「Cランク」、有効期限「2022/12/15」、在庫数量「1,000」と、製品Z、ロット番号「20221016-Z003」、品質状況「Bランク」、有効期限「2023/1/15」、在庫数量「800」について、コンテナを割り振る場合を説明する。
【0089】
製品・ロット番号順(昇順)で、コンテナに詰めていき、その際、有効期限が同月であり、且つ、品質状況(ランク)が同じであること、コンテナ最大数「1,500」であることを条件とする。
【0090】
1.製品Z、ロット番号「20221016-Z001」、有効期限「2022/12/15」、品質状況「Bランク」、在庫数量「1,000」について
(1)在庫が一部存在するコンテナを取得する。この例では、コンテナ「CON00002」に1,000Kgに空きがある。
(2)(1)のコンテに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で取得する。この例では、コンテナ「CON00002」に、1,000Kg詰める。製造ロットが無くなったため、処理を終了する。
【0091】
2.製品Z、ロット「20221016-Z002」、品質状況「Cランク」、有効期限「2022/12/15」、在庫数量「1,000」について
(1)在庫が一部存在するコンテナを取得する。この例では、該当するコンテナ無し。
(2)(1)のコンテに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で取得する。この例では、該当するコンテナ無し。
(3)(2)の処理が完了した後に、残った在庫数量を取得する。算出式は、製造実績数-(2)で詰めた数量とする。この場合、製品ロット別に算出する。この例では、1,000-0=1,000Kgとなる。
(4)(3)の製品を在庫が存在しないコンテナに詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で詰める。この例では、コンテナ「CON00003」にロットを1,000Kg詰める。残数は、1,000-1,000=0Kgとなる。
【0092】
3.製品Z、ロット番号「20221016-Z003」、品質状況「Bランク」、有効期限「2023/1/15」、在庫数量「800」について
(1)在庫が一部存在するコンテナを取得する。この例では、該当するコンテナ無し。
(2)(1)のコンテナに対して、空き容量分詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で取得する。この例では、該当するコンテナ無し。
(3)(2)の処理が完了した後に、残った在庫数量を取得する。算出式は、製造実績数-(2)で詰めた数量とする。この場合、製品ロット別に算出する。この例では、800-0=800Kgとなる。
(4)(3)の製品を在庫が存在しないコンテナに詰めていく。この場合、コンテナNO順(昇順)で詰める。この例では、コンテナ「CON00004」にロットを800Kg詰める。残数は、800-800=0Kgとなる。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態によれば、製品の品種、製品の品目、容器に配置可能な最大数量、1又は複数の判断基準を関連付けて登録した在庫配置制御マスタ106bと、製造実績データの製品のロット番号の在庫をコンテナに振り分ける際に、同じコンテナに振り分ける優先度を、在庫配置制御マスタ106bの1又は複数の判断基準に基づいて判断し、当該優先度に従って、製造実績データの1又は複数の判断基準の実情報に基づいて、同じ容器にロット番号の在庫を振り分ける在庫配置処理部102bを備えているので、出荷時に効率的に製品を出荷できるように、製品完成時に容器に対する製品の在庫配置を最適化することが可能となる。
【0094】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0095】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0096】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0097】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0098】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0099】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0100】
また、在庫配置処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0101】
例えば、在庫配置処理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて在庫配置処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0102】
また、このコンピュータプログラムは、在庫配置処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0103】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0104】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0105】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0106】
また、在庫配置処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、在庫配置処理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0107】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0108】
100 在庫配置処理装置
102 制御部
102a 製造実績入力部
102b 在庫配置処理部
102c マスタメンテ部
102d 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a コンテナ割振マスタ
106b 在庫配置制御マスタ
106c データテーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
300 ネットワーク
400 自動倉庫制御システム