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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086212
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】縦材の設置方法及び屋外構造物
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/00 20060101AFI20240620BHJP
   E04H 17/14 20060101ALI20240620BHJP
   E04G 21/18 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
E02D27/00 D
E04H17/14 102A
E04G21/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201233
(22)【出願日】2022-12-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 展示日 令和4年4月15日~4月16日 展示場所 エクステリア×ガーデンエキシビション2022(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1 幕張メッセ 展示ホール4・5 YKK APブース) 展示日 令和4年5月12日~5月13日 展示場所 エクステリア×ガーデンフェア名古屋2022(愛知県名古屋市港区金城ふ頭2丁目2 ポートメッセ名古屋 3号館) 展示日 令和4年6月9日~6月10日 展示場所 関西エクステリアフェア2022(大阪市住之江区南港北1-5-102 インテックス大阪 12号館) 配布日 令和4年9月20日 配布場所 YKK AP株式会社(東京都千代田区神田和泉町1番地) ウェブサイトの掲載日 令和4年9月30日 ウェブサイトのアドレス http://webcatin.ykkap.co.jp/webcat/redirect.cgi?designid=inner&mode=catalog&cid=XAAAA-H22-306-2&pid=1
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 史隆
【テーマコード(参考)】
2D046
2E142
2E174
【Fターム(参考)】
2D046AA15
2E142DD13
2E142DD23
2E142JJ06
2E174BA02
2E174DA12
2E174DA32
(57)【要約】
【課題】工期の短縮化を図る。
【解決手段】地中に設けられた基礎21から上方に延在するようにガラススクリーン20を設置するガラススクリーン20の設置方法であって、ガラススクリーン20には下方に向いた仮保持面32aが設けられ、かつガラススクリーン20を設置する地面Gには設置孔Hが設けられており、設置孔Hよりも上方となる位置に支持部材50を架け渡して配置するとともに、支持部材50の上面50aに仮保持面32aを当接させた状態でガラススクリーン20を上下に沿う姿勢で設置孔Hの内部に配置する工程と、設置孔Hに基礎21を構成するためのコンクリートを打設する工程とを含んでいる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に設けられた基礎から上方に延在するように縦材を設置する縦材の設置方法であって、
前記縦材には下方に向いた仮保持面が設けられ、かつ前記縦材を設置する地面には設置孔が設けられており、
前記設置孔よりも上方となる位置に支持部材を架け渡して配置するとともに、前記支持部材の上面に前記仮保持面を当接させた状態で前記縦材を上下に沿う姿勢で前記設置孔の内部に配置する工程と、
前記設置孔に前記基礎を構成するためのコンクリートを打設する工程と
を含むことを特徴とする縦材の設置方法。
【請求項2】
前記縦材は、下方部分の上端部に上方部分を設けることによって構成され、かつ前記下方部分の上方部に前記仮保持面が設けられたものであり、
前記下方部分に前記上方部分が設けられた状態で前記下方部分が前記設置孔に配置されることを特徴とする請求項1に記載の縦材の設置方法。
【請求項3】
前記下方部分は、2本の束部材を並設して互いの上端部間を連結部材によって連結し、前記束部材の相互間に位置する前記連結部材の下方に向いた面を前記仮保持面として前記支持部材を当接させることを特徴とする請求項2に記載の縦材の設置方法。
【請求項4】
前記支持部材として互いに平行となる2つの平面を有したものを適用し、前記2つの平面の一方を前記仮保持面に当接させるとともに、前記2つの平面の他方の両端部を介して前記支持部材を前記設置孔の上方部に架け渡すことを特徴とする請求項3に記載の縦材の設置方法。
【請求項5】
前記縦材に貫通孔を形成し、前記貫通孔を介して前記支持部材を前記縦材に貫通させることにより前記貫通孔の上部内周面を前記仮保持面として前記支持部材を当接させることを特徴とする請求項1に記載の縦材の設置方法。
【請求項6】
地中に設けられた基礎と、前記基礎から上方に延在するように設けられた縦材とを備える屋外構造物であって、
前記縦材は、下方部分と、前記下方部分の上端部に着脱可能に設けられる上方部分とを備え、
前記下方部分には、地面よりも上方となる部分に下方に向いた仮保持面が設けられ、
前記仮保持面は、前記基礎を挟んで両側となる部分に設定される支持基準面に支持部材を架け渡して配置した場合に前記支持部材の上面に当接する高さに形成されていることを特徴とする屋外構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦材の設置方法及び屋外構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
カーポート等の屋外構造物において支柱等の縦材を地面に設置する場合には、地面に設けた設置孔に支柱の下端部を配置し、設置孔にコンクリートを打設する方法が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-147919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、屋外構造物では、縦材の上端部に屋根や手摺り等の別部材を設ける場合が多い。また、縦材自身が基礎から上方に延在する下方部分と、下方部分の上端部に設けられる上方部分とを備えて構成されている場合もある。上述した縦材の設置方法では、コンクリートが固まるまで別部材や上方部分を設けることができず、工期が長期化する要因となり得る。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、工期の短縮化を図ることのできる縦材の設置方法及び屋外構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る縦材の設置方法は、地中に設けられた基礎から上方に延在するように縦材を設置する縦材の設置方法であって、前記縦材には下方に向いた仮保持面が設けられ、かつ前記縦材を設置する地面には設置孔が設けられており、前記設置孔よりも上方となる位置に支持部材を架け渡して配置するとともに、前記支持部材の上面に前記仮保持面を当接させた状態で前記縦材を上下に沿う姿勢で前記設置孔の内部に配置する工程と、前記設置孔に前記基礎を構成するためのコンクリートを打設する工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る屋外構造物は、地中に設けられた基礎と、前記基礎から上方に延在するように設けられた縦材とを備える屋外構造物であって、前記縦材には、地面よりも上方となる部分に下方に向いた仮保持面が設けられ、前記仮保持面は、前記基礎を挟んで両側となる部分に設定される支持基準面に支持部材を架け渡して配置した場合に前記支持部材の上面に当接する高さに形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、仮保持面に当接する支持部材を介して縦材が地面に仮保持されるため、コンクリートが固まる以前においても別部材や上方部分を設けることが可能となり、工期の短縮化を図ることが可能となる。しかも、支持部材の設置に高さを要しないため、地面からの突出寸法が短い縦材に対しても容易、かつ確実に仮固定することができる。
【0009】
また本発明によれば、仮保持面が設けてあるため、支持部材を介して縦材を地面に仮保持させることができる。従って、コンクリートが固まる以前においても別部材や上方部分を設けることが可能となり、工期の短縮化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態である屋外構造物の姿図である。
図2図1に示した屋外構造物の縦断面図である。
図3図1に示した屋外構造物の要部拡大図である。
図4図1に示した屋外構造物の要部を示すもので、(a)は下方部分の平面図、(b)は(a)におけるB-B線断面図である。
図5図1に示した屋外構造物の縦材を設置する方法を示すもので、(a)は設置孔を設けた状態の地面の縦断面図、(b)は設置孔に下方部分及び支持部材を配置する直前の状態の縦断面図、(c)は設置孔に下方部分及び支持部材を配置した後に設置孔に基礎を構成するためのコンクリートを打設した状態の断面図である。
図6図1に示した屋外構造物において縦材の下方部分を支持部材によって設置孔に設置した状態の平面図である。
図7図1に示した屋外構造物において縦材の下方部分を支持部材によって設置孔に設置した状態の斜視図である。
図8図1に示した屋外構造物において縦材の上方部分を取り外した状態の縦断面図である。
図9】本発明の変形例を示すもので、(a)は支持部材を介して縦材を設置孔に設置した状態の図、(b)はその縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る縦材の設置方法及び屋外構造物の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1図4は、本発明の実施の形態である屋外構造物を示したものである。ここで例示する屋外構造物は、門型に設置した外枠体10の内部に上下に沿ってガラススクリーン(縦材)20を2つ配設することによって構成したものである。外枠体10は、左右の柱11の上端部間に梁12を設けること構成したものである。柱11は、枠基礎13を介して個々の下端部を地中に埋設することにより、鉛直方向に沿って立設してある。外枠体10を構成する柱11及び梁12は、それぞれがアルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材である。
【0012】
ガラススクリーン20は、下方柱部材(下方部分)30と、下方柱部材30の上端部から上方に延在したガラスパネル(上方部分)40とを備えることによって構成したものである。下方柱部材30は、2本の束部材31の上端部を上方連結板(連結部材)32によって連結するとともに、束部材31の下端部を下方連結板33によって連結することにより構成してある。束部材31は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、断面が略四角の筒状に構成してある。上方連結板32は、2本の束部材31の上端面に取り付けてあり、下方連結板33は、2本の束部材31の下方側面に取り付けてある。2本の束部材31の間には、隙間が確保してあり、上方連結板32の下面において隙間の間に位置する部分に平坦な仮保持面32aが構成してある。この下方柱部材30は、仮保持面32aが地面(支持基準面)Gよりも予め設定した寸法Sだけ上方となる設置位置に配置した状態で縦材基礎(基礎)21を介して地中に埋設してある。ガラスパネル40は、下方柱部材30の上端部から梁12の下面までの間に設けるもので、上下の寸法に対して左右の幅が短い長尺の平板状に構成してある。より具体的に説明すると、ガラスパネル40の上端部は、梁12の下面に設けた上方支持ブラケット41と上方押え部材42との間に挟持することにより、これら上方支持ブラケット41及び上方押え部材42を介して梁12に支持させてある。ガラスパネル40の下端部は、下方柱部材30の上端面に設けた下方支持ブラケット43と下方押え部材44との間に挟持することにより下方柱部材30の上端部に支持させてある。上方支持ブラケット41及び下方支持ブラケット43は、それぞれ取付板部41a,43aと挟持板部41b,43bとを有した断面略L字状を成すもので、挟持板部41b,43bが互いに対向する位置において相互に近接する方向に延在した状態で個々の取付板部41a,43aを介して梁12及び下方柱部材30に取り付けてある。上方押え部材42及び下方押え部材44は、それぞれ取付片部42a,44aと挟持片部42b,44bとを有した断面略L字状を成すものである。上方押え部材42は、挟持片部42bと上方支持ブラケット41の挟持板部41bとの間にガラスパネル40の上縁部を挟持した状態で取付片部42aを介して梁12に取り付けてある。同様に、下方押え部材44は、挟持片部44bと下方支持ブラケット43の挟持板部43bとの間にガラスパネル40の下縁部を挟持した状態で取付片部44aを介して下方柱部材30に取り付けてある。挟持板部41b,43b及び挟持片部42b,44bとガラスパネル40との間には、それぞれガスケット等の緩衝部材45が介在させてある。また、下方支持ブラケット43の取付板部41a,43aとガラスパネル40の下端面との間には、セッティングブロック46が介在させてある。
【0013】
図5は、外枠体10にガラススクリーン20を設置する手順を示したものである。以下、図5を適宜参照しながらガラススクリーン20の設置方法について詳述する。なお、以下の説明では予め外枠体10が地面Gに設置されているものとする。
【0014】
ガラススクリーン20を設置するには、まず、図5(a)に示すように、設置箇所の地面Gに設置孔Hを設ける。設置孔Hは、下方柱部材30を収容することのできる開口寸法を有し、かつ下方柱部材30の下端面を設置孔Hの底面Haに当接させた場合に仮保持面32aが上述した設置位置までの距離Sに合致するように深さを設定した直方体状のものである。
【0015】
次いで、図5(b)に示すように、2本の束部材31の間に支持部材50を貫通させた状態で設置孔Hに下方柱部材30を挿入し、図5(c)及び図6図7に示すように、支持部材50の中央部上面50aに仮保持面32aを当接させるとともに、支持部材50の両端部下面50bをそれぞれ地面Gに当接させることにより、支持部材50を設置孔Hの両側に架け渡すように配置する。支持部材50は、断面が四角形状を成すもので、上面50aから下面50bまでの長さが上述した地面Gから設置位置までの距離Sに等しいものを適用している。図示の例では、2本の束部材31の上端部に上方連結板32及び下方支持ブラケット43を取り付けた状態で下方柱部材30を設置孔Hに配置するようにしている。
【0016】
上記のようにして支持部材50を架け渡して配置した状態においては、支持部材50の上面50aが上方連結板32の仮保持面32aに当接することにより、下方柱部材30が鉛直方向に沿った姿勢で地面Gに仮保持される。下方柱部材30の下端は、いずれも設置孔Hの底面Haに当接した状態にある。従って、設置孔Hに縦材基礎21のコンクリートを打設したり、打設したコンクリートが固まる以前においても、設置孔Hの所望の位置に下方柱部材30を鉛直方向に沿った姿勢に配置することが可能となる。これにより、梁12と下方柱部材30との間にガラスパネル40を保持させた場合にも、下方柱部材30が傾く事態が招来されることがなく、ガラスパネル40及び下方柱部材30を正確な位置に維持することができる。図5(c)に示す状態から設置孔Hの内部にコンクリートを打設し、コンクリートが固化した後においては、下方柱部材30が縦材基礎21によって支持されることになる。従って、下方柱部材30から支持部材50を取り除いても下方柱部材30やガラスパネル40が傾くおそれはなく、ガラススクリーン20を外枠体10の内部に設けることが可能となる。
【0017】
このように上述したガラススクリーン20の設置方法によれば、2本の束部材31の間に下方柱部材30を挿入して上方連結板32の仮保持面32aに当接させれば、支持部材50を介して下方柱部材30が地面Gに仮保持されるため、縦材基礎21のコンクリートが固まる以前においてもガラスパネル40を設けることが可能となり、工期の短縮化を図ることが可能となる。しかも、ガラススクリーン20として、地面Gに固定される下方柱部材30とガラスパネル40とで構成し、かつガラスパネル40の上端部及び下端部をそれぞれ支持ブラケット41,43と押え部材42,44との間に挟持するようにしている。従って、図8に示すように、下方柱部材30を地面Gに設置した状態のままガラスパネル40のみを交換することが可能であり、損傷等によってガラスパネル40を交換する際の作業を容易に実施することができる。
【0018】
なお、上述した実施の形態では、2本の束部材31の間を上方連結板32によって連結し、上方連結板32の下面に仮保持面32aを設けるようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9に示す変形例のように、下方柱部材(下方部分)130において地面Gよりも上方となる部分に貫通孔132を形成し、貫通孔132を介して支持部材150を下方柱部材130に貫通させることにより貫通孔132の上部内周面を仮保持面132aとして支持部材150を当接させることも可能である。この場合、貫通孔132としては断面が円形状を成すものであっても良いし、実施の形態のように四角形断面をものであっても構わない。図9に示す変形例において実施の形態と同様の構成については同一の符号が付してある。
【0019】
また、上述した実施の形態では、縦材として下方柱部材とガラスパネルとによって構成したガラススクリーンを例示しているが、本発明はこれに限定されず、外枠体の縦枠を設置する場合に適用しても良いし、手摺りユニットやスクリーン等、その他の屋外構造物に適用する支柱を設置する場合にも適用することが可能である。この場合、縦材としては必ずしも下方部分と上方部分との分割構成である必要はなく、2本である必要もない。また、縦材としては地面から大きく突出したものである必要はなく、支持部材が当接する仮保持面が地面よりも上方にあれば十分である。従って、縦材を設置する際に外枠体が必須になることもない。さらに、支持部材の両端部が当接する支持基準面として地面Gを例示しているが、これに限定されず、地面Gに支持基準面となる部材を配置して支持部材を当接するようにしても良いし、地面Gよりも少し低い位置に支持基準面を構成しても構わない。
【0020】
以上のように、本発明に係る縦材の設置方法は、地中に設けられた基礎から上方に延在するように縦材を設置する縦材の設置方法であって、前記縦材には下方に向いた仮保持面が設けられ、かつ前記縦材を設置する地面には設置孔が設けられており、前記設置孔よりも上方となる位置に支持部材を架け渡して配置するとともに、前記支持部材の上面に前記仮保持面を当接させた状態で前記縦材を上下に沿う姿勢で前記設置孔の内部に配置する工程と、前記設置孔に前記基礎を構成するためのコンクリートを打設する工程とを含むことを特徴としている。
この発明によれば、仮保持面に当接する支持部材を介して縦材が地面に仮保持されるため、コンクリートが固まる以前においても別部材や上方部分を設けることが可能となり、工期の短縮化を図ることが可能となる。しかも、支持部材の設置に高さを要しないため、地面からの突出寸法が短い縦材に対しても容易、かつ確実に仮固定することができる。
【0021】
また本発明は、上述した縦材の設置方法において、前記縦材は、下方部分の上端部に上方部分を設けることによって構成され、かつ前記下方部分の上方部に前記仮保持面が設けられたものであり、前記下方部分に前記上方部分が設けられた状態で前記下方部分が前記設置孔に配置されることを特徴としている。
この発明によれば、コンクリートが固まった時点で下方部分に上方部分が設けられた状態で縦材が設置される。
【0022】
また本発明は、上述した縦材の設置方法において、前記下方部分は、2本の束部材を並設して互いの上端部間を連結部材によって連結し、前記束部材の相互間に位置する前記連結部材の下方に向いた面を前記仮保持面として前記支持部材を当接させることを特徴としている。
この発明によれば、支持部材に対して直交する方向の面積が増えるため、設置孔の内部において縦部材が倒れ難くなる。
【0023】
また本発明は、上述した縦材の設置方法において、前記支持部材として互いに平行となる2つの平面を有したものを適用し、前記2つの平面の一方を前記仮保持面に当接させるとともに、前記2つの平面の他方の両端部を介して前記支持部材を前記設置孔の上方部に架け渡すことを特徴としている。
この発明によれば、平面を介して仮保持面及び支持部材の両端部を支持することができるため、安定した姿勢で縦材を仮保持することができる。
【0024】
また本発明は、上述した縦材の設置方法において、前記縦材に貫通孔を形成し、前記貫通孔を介して前記支持部材を前記縦材に貫通させることにより前記貫通孔の上部内周面を前記仮保持面として前記支持部材を当接させることを特徴としている。
この発明によれば、縦材に貫通孔を形成しさえすれば仮保持することができるようになる。
【0025】
また、本発明に係る屋外構造物は、地中に設けられた基礎と、前記基礎から上方に延在するように設けられた縦材とを備える屋外構造物であって、前記縦材には、地面よりも上方となる部分に下方に向いた仮保持面が設けられ、前記仮保持面は、前記基礎を挟んで両側となる部分に設定される支持基準面に支持部材を架け渡して配置した場合に前記支持部材の上面に当接する高さに形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、仮保持面が設けてあるため、支持部材を介して縦材を地面に仮保持させることができる。従って、コンクリートが固まる以前においても別部材や上方部分を設けることが可能となり、工期の短縮化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0026】
20 ガラススクリーン、21 縦材基礎、30,130 下方柱部材、31 束部材、32 上方連結板、32a,132a 仮保持面、40 ガラスパネル、50,150 支持部材、50a 上面、50b 下面、132 貫通孔、G 地面、H 設置孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9