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特開2024-86213スラリー状調味料及びスラリー状調味料の冷凍材料
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  • 特開-スラリー状調味料及びスラリー状調味料の冷凍材料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086213
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】スラリー状調味料及びスラリー状調味料の冷凍材料
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20240620BHJP
   A23L 29/256 20160101ALN20240620BHJP
【FI】
A23L27/00 D
A23L29/256
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201234
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】522490572
【氏名又は名称】水谷 周平
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】水谷 周平
【テーマコード(参考)】
4B041
4B047
【Fターム(参考)】
4B041LC10
4B041LD01
4B041LE01
4B041LH10
4B041LK50
4B041LP14
4B041LP16
4B041LP25
4B047LB09
4B047LE04
4B047LG26
4B047LG65
4B047LP06
(57)【要約】
【課題】スラリー状調味料及びスラリー状調味料の冷凍材料を提供すること。
【解決手段】本発明のスラリー状調味料1は、調味料成分を含む液体要素10に、調味料成分を含む複数の凍結粒体20を混合してなることを特徴とする。本発明の冷凍材料Aは、複数の仮凍結粒体A1に複数の凍結粒体20を混合してなり、仮凍結粒体A1が、液体要素10の冷凍体であることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調味料成分を含む液体要素に、
調味料成分を含む複数の凍結粒体を混合してなることを特徴とする、
スラリー状調味料。
【請求項2】
前記複数の凍結粒体が、複数の第1凍結粒体と、複数の第2凍結粒体と、を含み、前記第1凍結粒体が、粘性添加物を含むことを特徴とする、請求項1に記載のスラリー状調味料。
【請求項3】
前記第1凍結粒体の調味料濃度が、前記第2凍結粒体の調味料濃度より高いことを特徴とする、請求項2に記載のスラリー状調味料。
【請求項4】
前記凍結粒体の調味料濃度が、前記液体要素の調味料濃度より高いことを特徴とする、請求項1に記載のスラリー状調味料。
【請求項5】
前記第1凍結粒体の粒径が、前記第2凍結粒体の粒径より大きいことを特徴とする、請求項2に記載のスラリー状調味料。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスラリー状調味料の冷凍材料であって、
複数の仮凍結粒体に前記複数の凍結粒体を混合してなり、
前記仮凍結粒体が、前記液体要素の冷凍体からなることを特徴とする、
冷凍材料。
【請求項7】
前記仮凍結粒体の粒径が、前記凍結粒体の粒径より小さいことを特徴とする、請求項6に記載の冷凍材料。
【請求項8】
前記複数の凍結粒体の外表の少なくとも過半を、前記仮凍結粒体で被覆したことを特徴とする、請求項6に記載の冷凍材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラリー状調味料及びスラリー状調味料の冷凍材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年世界規模で温暖化が進み、世界の平均気温が急激なペースで上昇してきている。日本では1990年以降、顕著な高温を記録する年が増加し、21世紀末には、RCP8.5シナリオで現在より気温が3.4~5.4℃上昇すると予測されている。特に夏季の高気温環境では、運動や作業によって体温が上昇し、熱中症や運動パフォーマンスの低下等(以下「熱中症等」という)を惹起するおそれがある。
熱中症等の対策として、氷や水などを用いて身体を局所的に冷却することで皮膚温度を下げるアイシングが用いられている。
特許文献1には、複数の融点を有する蓄冷材を組み合わせることで、1つの冷却材によって状況に応じた適切な温度で身体を冷却可能なアイシング材が開示されている。
この他、非特許文献1には、アイススラリーを摂取することで身体を内部から冷却することで熱中症等を防ぐ方法が開示されている。
アイススラリーとは細かい氷の粒を液体に分散させたシャーベット状の氷であって、「飲める氷」等と呼ばれる。アイススラリーを摂取することで、液体と共に体内に氷の粒を送り込み、食道や胃などを内部から冷却する(内部冷却)して身体の深部体温を下げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2018-235951号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「消防隊員の暑熱環境下におけるアイススラリー摂取による身体冷却効果」(柳田信也、総合危機管理 No.4、P79~84、令和2年3月11日発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の外部冷却による従来技術では、全身を冷却するために冷却位置を移動させる必要があり、冷却効率が悪い。特に躯幹部は着衣の下にあるため、冷却が容易でない。
また、アイシング後、冷却部分は比較的長時間にわたって血流量が低下したままとなるため疲労物質が蓄積し、かえって運動パフォーマンスが低下するおそれがある。
さらに、熱中症等を有効に防止するためには、外部冷却のみでは不十分であり、別途水分と塩分の補給が必要である。
【0006】
非特許文献1の内部冷却による従来技術では、有効に身体を冷却するために、100g/回のアイススラリーを頻回摂取し、合計500~1,000g程度の多量のアイススラリーを摂取する必要がある。
しかし、氷を直接飲み込むような食習慣は存在しないところ、氷が食道を通過する際に違和感や不快感を覚えるため、摂取者はこのような多量の氷を摂取することに苦痛を覚える(非特許文献1:P83)。このため、消防活動などの過酷な環境であれば別として、スポーツの場や日常生活でアイススラリーを利用するのは現実ではない。
【0007】
本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決するためのスラリー状調味料及びスラリー状調味料の冷凍材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のスラリー状調味料は、調味料成分を含む液体要素に、調味料成分を含む複数の凍結粒体を混合してなることを特徴とする。
【0009】
本発明のスラリー状調味料は、複数の凍結粒体が、複数の第1凍結粒体と、複数の第2凍結粒体と、を含み、第1凍結粒体が、粘性添加物を含んでいてもよい。
【0010】
本発明のスラリー状調味料は、第1凍結粒体の調味料濃度が、第2凍結粒体の調味料濃度より高くてもよい。
【0011】
本発明のスラリー状調味料は、凍結粒体の調味料濃度が、液体要素の調味料濃度より高くてもよい。
【0012】
本発明のスラリー状調味料は、第1凍結粒体の粒径が、第2凍結粒体の粒径より大きくてもよい。
【0013】
本発明の冷凍材料は、複数の仮凍結粒体に複数の凍結粒体を混合してなり、仮凍結粒体が、液体要素の冷凍体であることを特徴とする。
【0014】
本発明のスラリー状調味料は、仮凍結粒体の粒径が、凍結粒体の粒径より小さくてもよい。
【0015】
本発明のスラリー状調味料は、複数の凍結粒体の外表の少なくとも過半を、仮凍結粒体で被覆してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のスラリー状調味料及びスラリー状調味料の冷凍材料は、以下の効果の内少なくとも1つを備える。
<1>身体を深部から冷却することにより、運動筋の温度低下によるパフォーマンス低下を防ぎつつ、効果的に熱中症等を予防することができる。
<2>スラリー自体ではなく、スラリーで一次冷却した食材によって身体を内部から二次的に内部冷却する構成であるため、多量の凍結体を直接飲み込む必要がない。このため、食道を通過する際の違和感や不快感がなく、摂取が容易である。
<3>身体の冷却が水分補給・塩分補給を兼ね、かつ食材との組み合わせによって食欲を増進させることで、熱中症等を効果的に予防することができる。
<4>喫食という日常的な行為を介して、身体を効果的に冷却することができる。、喫食は定期的に行われるため、熱中症対策等を意識せず、定期的に身体を冷却することができる。これによって、高齢者や幼年者が暑さを認知できず熱中症等に陥る事故を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るスラリー状調味料の説明図
図2】本発明に係るスラリー状調味料の説明図
図3】本発明に係るスラリー状調味料の説明図
図4】本発明に係る冷凍材料の説明図
図5】スラリー状調味料による食材の冷却効果測定試験の説明図面代用写真
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明のスラリー状調味料及びスラリー状調味料の冷凍材料について詳細に説明する。なお、発明の理解を容易にするため、各図面における凍結材料等の形状や縮尺は強調して表示している。
【0019】
[スラリー状調味料]
<1>全体の構成(図1、2)
本発明のスラリー状調味料1は、食材Mと併せて喫食する調味料である。
スラリー状調味料1は、調味料成分を含む液体要素10に、調味料成分を含む複数の凍結粒体20を混合してなる。
本例では、スラリー状調味料1が麺つゆであり、食材Mがそうめんであり、そうめんと麺つゆを同一の容器で提供する例について説明する。
ここで「麺つゆ」とは、めん類等用つゆ品質表示基準における「めん類等用つゆ」を意味し、具体的には醤油に砂糖類及び風味原料(かつおぶし、こんぶ、乾しいたけ等)から抽出した出汁を加えたもの、又はこれにみりん、食塩その他の調味料を加えたものを指す。
ただしスラリー状調味料1は麺つゆに限らず、例えばドレッシング、ぽん酢調味料、肉料理や魚料理のつけだれ等であってもよい。要は食材Mを冷却でき、かつスラリー状の状態で喫食可能な調味料であればよい。
麺つゆにおける調味料成分の組み合わせやその比率は本願発明の趣旨ではないため説明を省略する。
なお、本発明のスラリー状調味料1における凍結粒体20等の性状や形状は、常温における提供時の状態を意味する。ここで「常温」とは外気温に対応した温度程度の意味であり、概ね15℃~30℃程度である。
【0020】
<1.1>スラリー状調味料の調味料濃度
本例では、凍結粒体20の調味料濃度を、液体要素10の調味料濃度より高く設定する。ここで、「調味料濃度」とは、液体要素10又は凍結粒体20全体に対する調味料分(醤油、砂糖類、出汁、みりん、食塩等)の質量部を意味する。
発明者による試行の結果、凍結粒体20の調味料濃度が液体要素10の調味料濃度と同一である場合、喫食が進み時間がたつにつれて調味料の味が薄くなってゆくことが判明した。
これは後述の通り、凍結体は、調味料濃度が濃いほど氷解が早く進むことから、凍結粒体20の内、調味料濃度の高い部分が先に氷解し、調味料濃度の低い部分が溶け残るためである。
そこで本例では、凍結粒体20の調味料濃度を、液体要素10の調味料濃度より高く設定することによって、凍結粒来20の内、溶け残った部分にも十分な濃度の調味料が残るため、喫食の後半に味が薄くなるのを防ぐことができる。
【0021】
<2>凍結粒体(図3
凍結粒体20は、スラリー状調味料1における固体の要素である。
凍結粒体20は、液体調味料を粒状に凍結させてなる。
凍結粒体20は、アイスメーカーと呼ばれる公知の製氷機を用いて適宜の粒径に製造することができる。
凍結粒体20の形状は、望ましくは球形である。これは、球形は体積に対して表面積が最大であるため、食材Mとの接触面積が広く、食材Mの冷却効果が高いからである。ただしこれに限らず、立方体、直方体、八面体、十二面体、その他の多面体、不定形の粒状であってもよい。
本例では複数の凍結粒体20を、複数の第1凍結粒体21と、複数の第2凍結粒体22と、の組み合わせとする。
第1凍結粒体21と第2凍結粒体22とは調味料濃度が異なり、具体的には第1凍結粒体21は、第2凍結粒体22より調味料濃度が高い。
ここで「組み合わせ」とは、凍結粒体20が、概ね複数の第1凍結粒体21と複数の第2凍結粒体からなることを意味するが、他の凍結粒体を5~10%程度含むことを排除するものではない。
【0022】
<2.1>凍結粒体の粒径(図3
本例では第1凍結粒体21の粒径を、第2凍結粒体22の粒径より大きく設計する。詳細には第1凍結粒体21の粒径を5mm、第2凍結粒体22の粒径を2mmとし、これらの比率を2対1以上とする。
ここで第1凍結粒体21等の「粒径」とは、凍結粒体20を同一体積の球体とした場合の直径を意味するが、元来凍結粒体20の製造精度は高いものでなく、また気温等による誤差も生じうるため、概ね10~20%程度の誤差を許容する意味で用いる。
第1凍結粒体21と第2凍結粒体22の粒径は上記に限らないが、冷却効果と食感との兼ね合いにおいて、概ね粒径2mm~15mmの範囲内にあることが望ましい。
本例の場合、調味料濃度の濃い第1凍結粒体21が、調味料濃度の薄い第2凍結粒体22より大径であるため、スラリー状調味料1の提供後、径の大きい第1凍結粒体21が第2凍結粒体22より遅れて溶けることで、喫食の後半に味が薄くなるのを防ぐことができる。
【0023】
<3>粘性添加物
本例では少なくとも第1凍結粒体21が、粘性添加物を含む。
本例では粘性添加物として寒天を採用する。粘性添加物は寒天の他、ゼラチン、澱粉、ムチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、グアーガム、ジェランガム、キサンタンガム、ペクチン等の公知の添加材を含む。
後述の通り、凍結体に粘性添加物を添加することで、凍結体の氷解速度は遅くなり、また完全に解凍された状態からでも再度凍結することによって類似効果と速やかなスラリー形状への移行をもたらす。
そこで本例では、第1凍結粒体21が粘性添加物を含むことで、第2凍結粒体22より溶けにくくなり、第1凍結粒体21が第2凍結粒体22より遅れて溶けることで、喫食の後半に味が薄くなるのを防ぐことができる。
この他、第1凍結粒体21に加えて、第2凍結粒体22にも粘性添加物を添加し、ただし第1凍結粒体21への添加量を第2凍結粒体22への添加量より多くすることで、両者の氷解速度をコントロールしてもよい。
【0024】
<4>従来技術との相違点(図1
本発明のスラリー状調味料1は、従来技術のアイススラリーと異なり、凍結粒体を固体のまま飲み込むことを前提としてない。
スラリー状調味料1内に食材Mを漬けることで、凍結粒体20によって食材Mを冷却(一次冷却)し、冷却した食材Mを氷解したスラリー状調味料1と併せて喫食することで、消化器系を介した内部冷却(二次冷却)によって、身体全体を効果的に冷却することができる。
ただし上記は、凍結粒体20を固体のまま飲み込む食べ方を排除するものではない。
【0025】
<5>冷凍材料(図4
冷凍材料Aは、半解凍することでスラリー状調味料1を構成する材料である。
本発明のスラリー状調味料1は、凍結粒体20を含むため、常温で保存することができない。そこで、冷凍環境(例えば冷凍庫内)において冷凍材料Aとして保存し、使用時に冷凍材料Aを室温へ取り出して半解凍することで、スラリー状調味料1を生成する。
冷凍材料Aは、複数の仮凍結粒体A1に複数の凍結粒体20を混合してなる。
仮凍結粒体A1は、液体要素10を粒状に冷凍してなる凍結体である。すなわち、仮凍結粒体A1は、氷解することでスラリー状調味料1の液体要素10となる。
本例では、仮凍結粒体A1の粒径を、凍結粒体20の粒径より小さく設計する。詳細には例えば凍結粒体20の粒径5mmに対し、仮凍結粒体A1の粒径を3mmとする。
このような仮凍結粒体A1は、凍結粒体20より表面積が小さいため、凍結粒体20より早く氷解する。このため、冷凍材料Aを自然解凍することで、複数の仮凍結粒体A1が先に溶けて液体要素10を構成し、この液体要素10中に複数の凍結粒体20が固体として残ることで、スラリー状調味料1が生成される。
また本例では、複数の凍結粒体20の外表を、複数の仮凍結粒体A1で被覆する。ここで「被覆する」とは、複数の凍結粒体20の外表の少なくとも過半を覆うことを意味する。
これによって、凍結粒体20が仮凍結粒体A1によって外気温から隔離されることで、凍結粒体20の氷解速度が遅くなり、仮凍結粒体A1が凍結粒体20より早く溶けやすくなる。
【実施例0026】
[スラリー状調味料による食材Mの冷却効果試験]
スラリー状調味料1による食材Mの冷却効果を調べるため、以下の試験を行った(図5)。試験結果を表1に示す。
[試験方法] そうめん20gを各試験体に浸し、直後に引き上げた後、そうめんの中心温度を測定する。測定後に試験回数の平均値を算定する。
[試験体] 試験体1:スラリー状調味料150g(濃縮還元済み)粒径3mm
試験体2:麺つゆ(濃縮還元済み)100g+氷50g(2個)
[温度] 気温:28℃ そうめん:28℃
[試験回数] 10回
【0027】
【表1】
結果は表1に示す通り、試験体1は平均3.4℃、試験体2は平均11.5℃であり、食材の冷却効果は、氷よりアイススラリーの方が高いことが示された。その差は8.1℃であり有意な差であった。
これは、試験体1が多数の凍結粒体を含むため、試験体2に比べそうめんとの接触面積が大きくなることで顕著な冷却効果を発揮したものと考えられる。
【実施例0028】
[調味料濃度及び粘性添加物の添加による凍結粒体の氷解速度試験]
調味料濃度及び粘性添加物の添加による凍結粒体の氷解速度を調べるため、以下の試験を行った。試験結果を表2に示す。
[試験方法] 同重量の試験体1~5を凍結させ、常温下で氷解するまでの時間を測定した。
[試験体] 試験体1:麺つゆ(2倍濃縮)65g
試験体2:麺つゆ65g
試験体3:麺つゆ(2倍濃縮)60g+寒天5g(合計65g)
試験体4:麺つゆ60g+寒天5g(合計65g)
試験体5:水道水65g
[温度] 気温:21℃
【0029】
【表2】
結果は表2に示す通り、試験体1は41分、試験体2は96分、試験体3は98分、試験体4は113分、試験体5は153分となった。
以上より(1)調味料濃度が低い試験体の方が高い試験体より氷解速度が遅いこと、(2)粘性添加物を含む試験体の方が含まない試験体より氷解速度が遅いこと、が示された。その差は最大約3.7倍であり、顕著な差であった。
【符号の説明】
【0030】
1 スラリー状調味料
10 液体要素
20 凍結粒体
21 第1凍結粒体
22 第2凍結粒体
A 冷凍材料
A1 仮凍結粒体
M 食材
図1
図2
図3
図4
図5