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特開2024-8626スライド式切換弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008626
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】スライド式切換弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステム
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/065 20060101AFI20240112BHJP
   F25B 41/26 20210101ALI20240112BHJP
【FI】
F16K11/065 Z
F25B41/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110643
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 正吾
(72)【発明者】
【氏名】村田 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 毅敏
(72)【発明者】
【氏名】三留 陵
(72)【発明者】
【氏名】剱持 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 秀剛
(72)【発明者】
【氏名】岡田 聡
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA15
3H067CC32
3H067CC33
3H067DD05
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA05
3H067EB12
3H067FF11
3H067GG23
3H067GG24
(57)【要約】
【課題】スライド弁体のストローク長を小さくするとともに、バリの発生を抑制し得るスライド式切換弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステムを提供することである。
【解決手段】スライド式切換弁100であって、弁座部20Aは、弁座本体21Aと、弁座本体21Aに接合されるとともに、スライド弁体40が摺動する薄板からなるシート部材25Aと、を備え、弁座部20Aには、継手管1C,1E,1Sと弁座面との間を流体連通する弁座流路20RAが形成されており、弁座流路20RAが形成される各部材内において、弁座面の垂直方向からみた弁座流路20RAの輪郭が交差しないように設け、弁座面の垂直方向からみた弁座流路RA中に、弁座流路RAの一端側及び他端側と比べて、大きい流路面積を有するオフセット領域を設ける。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒形状の弁本体と、
前記弁本体の周壁に固定された弁座部と、
前記弁本体内を軸線方向に摺動可能なプランジャと、
前記プランジャに連結され、前記弁本体の内部を軸線方向に移動することで、前記弁座部の弁座面との接続状態を切換えるスライド弁体と、
を有するスライド式切換弁であって、
前記弁座部は、継手管が接続される少なくとも1つの継手管挿入孔を有する弁座本体と、前記弁座本体に接合されるとともに、前記スライド弁体が摺動する薄板からなるシート部材と、を備え、
前記弁座部において、前記シート部材及び前記弁座本体の少なくとも前者に、前記継手管と前記弁座面との間を流体連通する弁座流路が形成されており、
前記弁座流路が形成される各部材内において、前記弁座面の垂直方向からみた前記弁座流路の輪郭が交差しておらず、
前記弁座面の垂直方向からみた前記弁座流路中に、前記弁座流路の一端側及び他端側と比べて、大きい流路面積を有するオフセット領域を設けることを特徴とするスライド式切換弁。
【請求項2】
前記オフセット領域に接続される前記継手管挿入孔が、前記弁座面の垂直方向からみて、軸線から直交する方向に離間するように、配置されることを特徴とする請求項1に記載のスライド式切換弁。
【請求項3】
前記弁座本体及び前記シート部材のいずれか一方の前記弁座流路には、ストレート状の貫通孔と、前記オフセット領域であり、前記弁座面の垂直方向からみて、前記貫通孔を包含するとともに、前記貫通孔より大きな輪郭を有する段付き部と、からなる異径段付き孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスライド式切換弁。
【請求項4】
前記シート部材は、複数のシート部材を積層させて構成するものであり、
前記複数のシート部材に形成される各前記弁座流路は、いずれもストレート状の貫通孔からなることを特徴とする請求項1に記載のスライド式切換弁。
【請求項5】
前記弁座本体及び前記シート部材には、互いに係合するように、位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスライド式切換弁。
【請求項6】
前記弁座本体は、薄板からなり、前記弁座流路が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載のスライド式切換弁。
【請求項7】
前記シート部材の前記弁座面における前記弁座流路の形状は、軸線と直交する方向の幅が、軸線方向の幅以上となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスライド式切換弁。
【請求項8】
前記シート部材の前記弁座面における複数の前記弁座流路は、前記弁座面の垂直方向からみて、軸線と直交する方向にオフセットされた状態で、軸線方向に並設されていることを特徴とする請求項7に記載のスライド式切換弁。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のスライド式切換弁は、直動式電磁スライド弁であることを特徴とするスライド式切換弁。
【請求項10】
圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、パイロット式の四方切換弁と、を含む冷凍サイクルシステムであって、請求項9に記載のスライド式切換弁が、前記パイロット式の四方切換弁のパイロット弁として用いられていることを特徴とする冷凍サイクルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート部材及び弁座本体を有する弁座部を備えるスライド式切換弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スライド式切換弁では、流体経路の切換時における、弁座部に対するスライド弁体のストローク長が大きいと、スライド弁体を駆動する消費電力の増加や、応答性の低下などを引き起こす問題があった(以下、「従来の第1の問題点(スライド弁体の大きいストローク長)」という)。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1(特に、図8-1参照)には、従来のスライド式切換弁(以下、「従来のスライド式切換弁」という)であって、上面側から切削し形成される3つの毛細管411~413と、この毛細管411~413に連通するように、下面側から切削し形成される3つの小径弁孔とを有する弁座部41を備え、従来の第1の問題点(スライド弁体の大きいストローク長)を解消するために、弁座部41の弁座面(図8-1中の下面)に開口する3つの小径弁孔のうち、両側の小径弁孔を、中央の小径弁孔に近接配置するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第105570490号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のスライド式切換弁では、弁座面に開口する3つの小径弁孔の間隔を、狭くするために、毛細管411,413及び2つの小径弁孔の輪郭を交差させる必要があった。この弁座流路内の交差部には、バリが発生するが、弁座流路幅が極めて狭いため、このバリを完全に除去することは非常に困難となっていた。よって、弁座流路内の除去しきれずに残ったバリが、何らかの原因により脱落すると、スライド弁体と弁座面との間へのバリの噛み込みなどが生じ、結果、シール性の低減や、スライド弁体の摺動抵抗増加などの不具合が生じるおそれがあった(以下、「従来の第2の問題点(弁座流路内のバリ発生)」という)。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、弁座本体からシート部材を分離する弁座部を採用するとともに、弁座部に形成される弁座流路の輪郭を工夫することにより、従来の第1及び2の問題点を解消し、スライド弁体のストローク長を小さくするとともに、バリの発生を抑制し得るスライド式切換弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、有底筒形状の弁本体と、前記弁本体の周壁に固定された弁座部と、前記弁本体内を軸線方向に摺動可能なプランジャと、前記プランジャに連結され、前記弁本体の内部を軸線方向に移動することで、前記弁座部の弁座面との接続状態を切換えるスライド弁体と、を有し、前記弁座部は、継手管が接続される少なくとも1つの継手管挿入孔を有する弁座本体と、前記弁座本体に接合されるとともに、前記スライド弁体が摺動する薄板からなるシート部材と、を備え、前記弁座部において、前記シート部材及び前記弁座本体の少なくとも前者に、前記継手管と前記弁座面との間を流体連通する弁座流路が形成されており、前記弁座流路が形成される各部材内において、前記弁座面の垂直方向からみた前記弁座流路の輪郭が交差しておらず、前記弁座面の垂直方向からみた前記弁座流路中に、前記弁座流路の一端側及び他端側と比べて、大きい流路面積を有するオフセット領域を設けるスライド式切換弁である。
【0008】
また、上記スライド式切換弁であって、前記オフセット領域に接続される前記継手管挿入孔が、前記弁座面の垂直方向からみて、軸線から直交する方向に離間するように、配置されるものとしてもよい。
【0009】
また、上記スライド式切換弁であって、前記弁座本体及び前記シート部材のいずれか一方の前記弁座流路には、ストレート状の貫通孔と、前記オフセット領域であり、前記弁座面の垂直方向からみて、前記貫通孔を包含するとともに、前記貫通孔より大きな輪郭を有する段付き部と、からなる異径段付き孔が設けられているものとしてもよい。
【0010】
また、上記スライド式切換弁であって、前記シート部材は、複数のシート部材を積層させて構成するものであり、前記複数のシート部材に形成される各前記弁座流路は、いずれもストレート状の貫通孔からなるものとしてもよい。
【0011】
また、上記スライド式切換弁であって、前記弁座本体及び前記シート部材には、互いに係合するように、位置決め手段が設けられているものとしてもよい。
【0012】
また、上記スライド式切換弁であって、前記弁座本体は、薄板からなり、前記弁座流路が形成されていないものとしてもよい。
【0013】
また、上記スライド式切換弁であって、前記シート部材の前記弁座面における前記弁座流路の形状は、軸線と直交する方向の幅が、軸線方向の幅以上となるように設定されているものとしてもよい。
【0014】
また、上記スライド式切換弁であって、前記シート部材の前記弁座面における複数の前記弁座流路は、前記弁座面の垂直方向からみて、軸線と直交する方向にオフセットされた状態で、軸線方向に並設されているものとしてもよい。
【0015】
また、上記スライド式切換弁であって、直動式電磁スライド弁であるものとしてもよい。
【0016】
また、冷凍サイクルシステムであって、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、パイロット式の四方切換弁と、を含み、上記スライド式切換弁が、前記パイロット式の四方切換弁のパイロット弁として用いられているものとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、弁座本体からシート部材を分離する弁座部を採用するとともに、弁座部に形成される弁座流路の輪郭を工夫することにより、従来の第1及び2の問題点を解消し、スライド弁体のストローク長を小さくするとともに、バリの発生を抑制し得るスライド式切換弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明のパイロット式の四方切換弁の断面図である。
図2】本発明の冷凍サイクルシステムを示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係るスライド式切換弁のコイル非通電状態を示す断面図である。
図4】第1の実施形態の様態1-1のスライド式切換弁における部分拡大図であり、(a)は、弁座部及びスライド弁体の全体図、(b)は、(a)のIVb-IVb線に沿った断面図、(c)は、(a)のIVc-IVc線に沿った断面図である。
図5図4に示される弁座部を示す詳細図であり、(a)は、シート部材の上面図、(b)は、(a)のVb-Vb線に沿った断面図、(c)は、シート部材の下面図、(d)は、弁座本体の上面図、(e)は、(d)のVe-Ve線に沿った断面図、(f)は、弁座本体の下面図を、それぞれ表す。
図6】第1の実施形態の様態1-2のスライド式切換弁における部分拡大図であり、(a)は、弁座部及びスライド弁体の全体図、(b)は、(a)のVIb-VIb線に沿った断面図である。
図7図6に示される弁座部を示す詳細図であり、(a)は、シート部材の上面図、(b)は、(a)のVIIb-VIIb線に沿った断面図、(c)は、シート部材の下面図、(d)は、弁座本体の上面図、(e)は、(d)のVIIe-VIIe線に沿った断面図、(f)は、弁座本体の下面図を、それぞれ表す。
図8】第1の実施形態の様態1-3におけるスライド式切換弁における部分拡大図であり、(a)は、弁座部及びスライド弁体の全体図、(b)は、(a)のVIIIb-VIIIb線に沿った断面図である。
図9図8に示される弁座部を示す詳細図であり、(a)は、シート部材の上面図、(b)は、(a)のIXb-IXb線に沿った断面図、(c)は、シート部材の下面図、(d)は、弁座本体の上面図、(e)は、(d)のIXe-IXe線に沿った断面図、(f)は、弁座本体の下面図を、それぞれ表す。
図10】第1の実施形態の様態1-4におけるスライド式切換弁における部分拡大図であり、(a)は、弁座部及びスライド弁体の全体図、(b)は、(a)のXb-Xb線に沿った断面図である。
図11図10に示される弁座部を示す詳細図であり、(a)は、シート部材の上面図、(b)は、(a)のXIb-XIb線に沿った断面図、(c)は、シート部材の下面図、(d)は、弁座本体の上面図、(e)は、(d)のXIe-XIe線に沿った断面図、(f)は、弁座本体の下面図を、それぞれ表す。
図12】第1の実施形態の様態1-5におけるスライド式切換弁における部分拡大図であり、(a)は、弁座部及びスライド弁体の全体図、(b)は、(a)のXIIb-XIIb線に沿った断面図である。
図13図12に示される弁座部を示す詳細図であり、(a)は、複数のシート部材の上面図、(b)は、(a)のXIIIb-XIIIb線に沿った断面図、(c)は、複数のシート部材の下面図、(d)は、弁座本体の上面図、(e)は、(d)のXIIIe-XIIIe線に沿った断面図、(f)は、弁座本体の下面図を、それぞれ表す。
図14】本発明の第2の実施形態に係るスライド式切換弁のコイル非通電状態を示す断面図である。
図15】第2の実施形態の様態2-1のスライド式切換弁における部分拡大図であり、(a)は、弁座部及びスライド弁体の全体図、(b)は、(a)のXVb-XVb線に沿った断面図、(c)は、(a)のXVc-XVc線に沿った断面図である。
図16図15に示される弁座部を示す詳細図であり、(a),(c),(e),(g)は、弁座部の断面図を表し、(b),(d),(f),(h)は、弁座部の上面図を表すとともに、(a)-(b)は、弁座部、(c)-(d)は、第1のシート部材、(e)-(f)は、第2のシート部材、(g)-(h)は、弁座本体を、それぞれ表す。
図17図16(d)に対応する第1のシート部材の様々な様態を示す上面図であり、(a)は、様態2-2(整列した楕円形穴)、(b)は、様態2-3(整列した円形穴)、(c)は、様態2-4(整列した楕円形穴と一対の三角形穴)、(d)は、様態2-5(円形穴とオフセットした一対の楕円形穴)、(e)は、様態2-6(整列した四角形穴)を、それぞれ表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、図1から図17を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
【0020】
<用語について>
本明細書および特許請求の範囲の記載において、「左」、「右」、「上」、「下」とは、図1から図3図4(a),図6(a),図8(a),図10(a),図12(a),図14図15(a)に示される方向を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「ストレート状の貫通孔」とは、同一部材内における貫通孔が延在する方向からみて、貫通孔の輪郭が変化しないものを示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「交差」とは、2つの輪郭が、接した状態ではなく、交わった状態を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「異径段付き孔」とは、同一部材内において、ストレート状の貫通孔と、貫通孔が延在する方向にみて、貫通孔を包含するとともに、貫通孔より大きな輪郭を有する段付き部と、からなり、貫通孔が延在する方向にみて、ストレート状の貫通孔の輪郭と段付き部の輪郭が互いに交差しないものを示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「弁座流路の一端側」及び「弁座流路の他端側」とは、「弁座流路の弁座面の開口端側」及び「弁座流路の継手管端側」を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「弁座流路中のオフセット領域」とは、弁座面の垂直方向からみた弁座流路中に、弁座流路の一端側及び他端側と比べて、大きい流路面積を有し、オフセット配置を可能とする領域を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「M.O.P.D」とは、安全かつ確実に弁を操作できる限界の圧力で、弁の入口圧力と出口圧力の間の圧力の最高差を示す。
【0021】
<パイロット式の四方切換弁について>
図1を用いて、本発明のパイロット式の四方切換弁200について説明する。パイロット式の四方切換弁200は、弁ハウジング210、一対のピストン220A,220B、連結板230、切換弁座240、弁体250、から主に構成される。以下、パイロット式の四方切換弁200のそれぞれの構成を順に説明する。ここで、図中の長手方向の軸線Xは、弁ハウジング210の中心軸である。
【0022】
弁ハウジング210は、円筒形状の円筒部211と、一対のキャップ部212A,212Bと、から構成される。円筒部211の両端は、一対のキャップ部212A,212Bにより、それぞれを塞がれる。また、詳細は後述するが、一対のキャップ部212A,212Bには、パイロット式の四方切換弁200の第1作動室2A及び第2作動室2Bに、スライド式切換弁100が流体連通するように、圧力導入管3L及び圧力導入管3Rがそれぞれ接続される。
【0023】
一対のピストン220A,220Bは、板ばね221A,221Bをそれぞれ備え、弁ハウジング210内に収容され、互いに対向配置される。この一対のピストン220A,220Bは、板ばね221A,221Bを円筒部211の内周面にそれぞれ押圧しながら往復移動可能である。これにより、弁ハウジング210の内部は、一対のピストン220A,220Bにより、第1作動室2A、第2作動室2B、及び、第1作動室2A及び第2作動室2Bに挟まれる高圧室2Cに仕切られる。
【0024】
連結板230は、長手方向の軸線Xに沿って延在する金属板からなり、中央に形成される嵌合孔231と、両端と中央との間に形成される一対の透孔232A,232Bと、を備える。この連結板230は、両端に一対のピストン220A,220Bをそれぞれ取り付け、中央の嵌合孔231に弁体250を保持する。
【0025】
切換弁座240は、円筒部211内の中央下方側に配設される。この切換弁座240は、長手方向の軸線X方向に一直線上に並ぶ、3つの貫通穴241E,241S,241Cを順に備えており、各貫通穴241E,241S,241Cには、円筒部211を介して、E継手管1E、S継手管1S、C継手管1Cがそれぞれ取り付けられる。また、切換弁座240と対向する円筒部211の中央上方側には、円筒部211内に開口するD継手管1Dが取り付けられる。
【0026】
弁体250は、移動方向である長手方向の軸線X方向に沿って、椀状凹部251と、椀状凹部251を挟むように一対のスライド部252A,252Bと、椀状凹部251の開口部付近に差し渡され、椀状凹部251の両側壁に固定されるピン253と、を備える。椀状凹部251は、椀状の容器を裏返した形状であり、切換弁座240との間で空間を形成する。一対のスライド部252A,252Bは、切換弁座240に対して、下面を当接させながら摺動する。
【0027】
<パイロット式の四方切換弁の動作について>
パイロット式の四方切換弁200において、スライド式切換弁100により、圧縮機300の吸入圧力及び吐出圧力が、圧力導入管3Lを介して第1作動室2A、又は、圧力導入管3Rを介して第2作動室2Bのいずれか一方に、それぞれ選択的に導入される(図2参照)。これにより、一対のピストン220A,220Bが、長手方向の軸線Xに沿って、往復移動し、弁体250の切換弁座240に対する位置を切り換える。
【0028】
具体的には、一対のピストン220A,220Bを、長手方向の軸線Xに沿って、左側位置に移動させると、弁体250と切換弁座240により、S継手管1SとE継手管1Eとが、椀状凹部251を介して連通するとともに、D継手管1DとC継手管1Cとが、高圧室2C及び透孔232Bを介して連通する。一方、一対のピストン220A,220Bを、長手方向の軸線Xに沿って、右側位置に移動させると、弁体250と切換弁座240により、S継手管1SとC継手管1Cとが、椀状凹部251を介して連通するとともに、D継手管1DとE継手管1Eとが、高圧室2C及び透孔232Aを介して連通する。
【0029】
<冷凍サイクルシステムについて>
図2を用いて、冷凍サイクルシステム1について説明する。冷凍サイクルシステム1は、スライド式切換弁100、パイロット式の四方切換弁200、圧縮機300、室外熱交換機400、室内熱交換機500、絞り装置(膨張弁)600、から主に構成される。
【0030】
パイロット式の四方切換弁200において、S継手管1Sは、圧縮機300の吸入口に接続されるとともに、D継手管1Dは、圧縮機300の吐出口に接続される。また、C継手管1Cは、室外熱交換機400に接続されるとともに、E継手管1Eは、室内熱交換機500に接続される。さらに、室外熱交換機400と室内熱交換機500は、絞り装置600を介して、互いに接続される。これにより、冷凍サイクルシステム1は、C継手管1Cから室外熱交換機400、絞り装置600、室内熱交換機500及びE継手管1Eからなる流体経路と、S継手管1Sから圧縮機300及びD継手管1Dからなる流体経路と、から構成される。なお、冷凍サイクルシステム1における冷媒中には、圧縮機300及びその他機器の保護のため、微量の冷凍機油が含まれる。
【0031】
スライド式切換弁100は、図2に示すように、パイロット式の四方切換弁200に接続されている。このスライド式切換弁100は、図3に示すように、電磁コイルユニット60により、スライド弁体40を移動させることにより、圧縮機300の吸入圧力及び吐出圧力を、圧力導入管3Lを介する第1作動室2A、及び、圧力導入管3Rを介する第2作動室2Bへのいずれか一方に、それぞれ選択的に導入させる。これにより、パイロット式の四方切換弁200は、圧縮機300の吸入口と接続されるS継手管1S、及び、圧縮機300の吐出口と接続されるD継手管1Dを、室外熱交換機400に接続されるC継手管1C、及び、室内熱交換機500に接続されるE継手管1Eのいずれか一方に、それぞれ連通させることにより、冷凍サイクルシステム1の流体経路を切り換える。
【0032】
このように、直動式電磁スライド弁であるスライド式切換弁100を、パイロット式の四方切換弁200のパイロット弁として用いることにより、パイロット式の四方切換弁200が大口径を有する場合においても、流体経路の切り換えをスムーズに行うことができる。
【0033】
<冷凍サイクルシステムの動作について>
まず、冷房運転時(図2の実線矢印参照)においては、スライド式切換弁100は、コイルを非通電状態として、圧縮機300の吸入口と接続されるS継手管1Sの連通先を、パイロット式の四方切換弁200の圧力導入管3Lを介して第1作動室2Aに切り換える。同時に、圧縮機300の吐出口と接続されるD継手管1Dの連通先を、パイロット式の四方切換弁200の圧力導入管3Rを介して第2作動室2Bに切り換える。この結果、圧縮機300の吸入圧力及び吐出圧力が導入された第1作動室2Aと第2作動室2Bとの間の圧力差により、パイロット式の四方切換弁200内の一対のピストン220A,220Bが左側位置に移動する。これにより、圧縮機300で圧縮された高圧の冷媒は、D継手管1Dから高圧室2Cを介して、C継手管1Cに流入され、室外熱交換機400、絞り装置600、室内熱交換機500の順に流れ、E継手管1Eから椀状凹部251を介して、S継手管1Sへ流入された後、圧縮機300へと循環する。この際、室外熱交換機400は、凝縮器(コンデンサ)として機能するとともに、室内熱交換機500は、蒸発器(エバポレータ)として機能する。
【0034】
次に、暖房運転時(図2の破線矢印参照)においては、スライド式切換弁100は、コイルを通電状態として、圧縮機300の吸入口と接続されるS継手管1Sの連通先を、パイロット式の四方切換弁200の圧力導入管3Rを介して第2作動室2Bに切り換える。同時に、圧縮機300の吐出口と接続されるD継手管1Dの連通先を、パイロット式の四方切換弁200の圧力導入管3Lを介して第1作動室2Aに切り換える。この結果、圧縮機300の吸入圧力及び吐出圧力が導入された第1作動室2Aと第2作動室2Bとの間の圧力差により、パイロット式の四方切換弁200内の一対のピストン220A,220Bが右側位置に移動する。これにより、圧縮機300で圧縮された高圧の冷媒は、D継手管1Dから高圧室2Cを介して、E継手管1Eに流入され、室内熱交換機500、絞り装置600、室外熱交換機400の順に流れ、C継手管1Cから椀状凹部251を介して、S継手管1Sへ流入された後、圧縮機300へと循環する。この際、暖房運転時には、冷媒が冷房運転時とは逆に循環されており、室内熱交換機500が、凝縮器として機能するとともに、室外熱交換機400が、蒸発器として機能する。
【0035】
(第1の実施形態)
<スライド式切換弁について>
図3を用いて、第1の実施形態に係るスライド式切換弁100Aについて説明する。スライド式切換弁100Aは、パイロット弁本体(弁本体)10、弁座部20、プランジャ30、スライド弁体40、吸引子50、電磁コイルユニット60、から主に構成される。以下、スライド式切換弁100Aのそれぞれの構成を順に説明する。ここで、図中の軸線Cは、パイロット弁本体10、及び、プランジャ30の中心軸である。
【0036】
パイロット弁本体10は、ステンレス鋼の薄板をプレス加工(深絞り加工)により成形したものであり、有底筒形状を有し、この有底部に、弁座部20及びスライド弁体40を収容するとともに、軸線C方向の右側に延在する筒状部内に、プランジャ30を摺動可能に収容する。パイロット弁本体10の上方側周壁の突出部14には、ストレーナSを挟持した状態で、D継手管1Dが、嵌合、カシメ加工、ろう付けなどにより取り付けられる。また、パイロット弁本体10の下方側周壁には、1つの円形状を有する弁座取付孔10Aが形成され、この弁座取付孔10Aを介して、弁座部20がろう付けにより接合される。なお、本実施形態における、弁座取付孔10Aの形状は、1つの円形状となっているが、これに限らず、例えば、矩形形状、3つの円形状、長円形状等のいずれ一つを採用してもよい。
【0037】
弁座部20は、弁座本体21(21A)と、弁座本体21にカシメ固定及びろう付けなどにより固体されるシート部材25(25A)と、を備える。弁座本体21は、ステンレス鋼や真鍮などを、鍛造や切削加工などより形成されるものであり、軸線C方向に沿って、3つの継手管挿入孔21Ei1,21Si1,21Ci1(図4(a)~(c)参照)を順に備え、各継手管挿入孔21Ei1,21Si1,21Ci1には、E継手管1E、S継手管1S、C継手管1Cがそれぞれ取り付けられる。なお、弁座本体21は、切削加工よりも鍛造により形成した方が、後述のパイロット弁本体10の内周面に対応する円弧形状とするのが容易となるとともに、加工工数が削減でき低コスト化が図れるので好ましい。シート部材25は、ステンレス鋼などの薄板からなり、軸線C方向に沿って、3つのストレート状の貫通孔25Es1,25Ss1,25Cs1(図4(a)~(c)参照)を順に備えており、各ストレート状の貫通孔25Es1,25Ss1,25Cs1は、E継手管1E、S継手管1S、C継手管1Cと流体連通する。
【0038】
プランジャ30は、磁性を帯びたステンレス鋼からなり、軸線Cに沿って互いに連通する、連通路34A,34Bと、凹部34Dと、を備える。この連通路34Bの内径は、連通路34Aの内径よりも大きく設定され、連通路34Aと連通路34Bとの間には、コイルばね支持部34Cが形成される。また、プランジャ30は、軸線C方向に延在する円柱形状の円柱部31と、軸線C方向の左側に面する先端面32と、先端面32に接続する開口縁33と、を備える。
【0039】
さらに、プランジャ30には、連結ロッド35が固定される。具体的には、プランジャ30の凹部34Dに、連結ロッド35の一端を収容し、カシメ加工により、開口縁33を変形させることにより、連結ロッド35を固定する。この連結ロッド35の一端には、金属からなる弁ばね41の一端が、リベットなどの連結具36により、連結される。また、連結ロッド35の他端には、スライド弁体40をスライド可能に収容する開口部35Aが形成される。
【0040】
このプランジャ30は、パイロット弁本体10内を軸線C方向に摺動可能に案内されるように、円柱部31の外径が、パイロット弁本体10の内径より僅かに小さく設定されている。ここで、パイロット弁本体10内におけるプランジャ30および後述のスライド弁体40の軸線C方向左側への移動を規制するために、パイロット弁本体10内に、円環形状のストッパリング37が設けられる。このストッパリング37は、パイロット弁本体10の筒状部における外径に略等しい外径と、プランジャ30の円柱部31の外径より小さい内径と、を有し、弁座部20に当接させた状態で固定される。
【0041】
スライド弁体40は、PTFEなどの樹脂からなり、連結ロッド35の開口部35A内に、上下方向にスライド可能に収容されるとともに、付勢手段である弁ばね41の他端により、弁座部20の上面に対して、所定の荷重で付勢される。このスライド弁体40は、下方に開口した凹形状であり、弁座部20との間で空間を形成する窪み部40Aを備える。このスライド弁体40は、プランジャ30に連結され、パイロット弁本体10の内部を軸線C方向に移動することにより、詳細は後述するが、複数の継手管1C,1D,1E,1S(図4(a)及び図4(b)参照)との連通状態を切換えることができる。
【0042】
吸引子50は、磁性を帯びたステンレス鋼からなり、パイロット弁本体10の筒形部における右側の開口部に挿入された後に、溶接により、パイロット弁本体10に固定される。この吸引子50に対して、プランジャ30を軸線Cに沿って、離隔する方向へと付勢するために、コイルばね51が、コイルばね支持部34Cと、吸引子50の左側端部との間に挟持される。
【0043】
電磁コイルユニット60は、プランジャ30及び吸引子50を選択的に励磁するために、パイロット弁本体10の筒形部における外周部に配置されるモールドコイル部61と、モールドコイル部61を覆い内側に収容する磁性体からなるケーシング62と、モールドコイル部61を外部の駆動制御部(不図示)へと電気的に接続するリード線63と、を備える。電磁コイルユニット60は、ケーシング62の取付孔62Aを介して、小ネジ64を、吸引子50の雌ネジ孔50Aと螺合させることにより、吸引子50に固定される。
【0044】
<弁座部の構造について>
従来のスライド式切換弁では、前述したように、弁座部の弁座面に開口する3つの小径弁孔のうち、両側の小径弁孔を、中央の小径弁孔に近接配置させることにより、従来の第1の問題点(スライド弁体の大きいストローク長)を解消することができる。しかしながら、弁座面と垂直方向からみて、両側の小径弁孔の輪郭が、毛細管の輪郭と交差し、弁座流路内の交差部にバリが発生するため、新たな従来の第2の問題点(弁座流路内のバリ発生)を有していた。
【0045】
これに対して、詳細は後述するが、本実施形態におけるスライド式切換弁100Aでは、弁座部の構造(例えば、弁座部20A~20Eの分割構造、弁座流路20RA~20REの形状)を工夫し、弁座面の垂直方向からみた弁座流路20RA~20RE中に、弁座流路20RA~20REの一端側(上端側:弁座面の開口端側)及び他端側(下端側:継手管端側)と比べて、大きい流路面積、つまり、オフセット領域を設けることにより、従来の第1の問題点(スライド弁体の大きいストローク長)を解消する。また、弁座流路20RA~20REが形成される各部材内において、弁座面の垂直方向からみた弁座流路20RA~20REの輪郭が交差しないように設けることにより、第2の問題点(弁座流路内のバリ発生)を解消するものである。
【0046】
ここで、図4から図13に示すように、第1の実施形態は、弁座部20A~20Eの分割構造、弁座流路20RA~20REの形状、位置決め手段25g~27g,25h,21p,21wにより、様態1-1から様態1-5までの5つの様態からなることから、様態1-1から様態1-5まで、順に、弁座部20A~20Eの詳細構造について説明する。
【0047】
なお、シート部材及び弁座本体に付される符号(例えば、25Es1,21Sd1,21Ci1など)について、最初から3桁目に「E」,「S」,「C」を有するものは、それぞれ、E継手管、S継手管、C継手管に流体接続することを示し、最初から4桁目に「s」、「d」、「i」を有するものは、それぞれ、ストレート状の貫通孔、段付き部、継手管挿入孔を示すとともに、最後に「1」~「5」を有するものは、それぞれ、様態1-1~1-5を示す。なお、同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、様態1-1から様態1-5における、シート部材25A~25D及び第1のシート部材26の弁座面における各貫通孔は、軸線Cと直交する方向の幅が、軸線C方向の幅と同一となるように設定されているが、これに限らず、軸線Cと直交する方向の幅が、軸線C方向の幅以上となるように設定されるものであればよい。
【0048】
(様態1-1について)
図4及び図5を用いて、第1の実施形態の様態1-1の弁座部20Aにおける、<弁座部の分割構造>、<弁座流路の形状>、<位置決め手段>、<組み付け工程>を順に説明する。
【0049】
<弁座部の分割構造>
弁座部20Aは、図4(a)及び図4(b)に示すように、シート部材25Aと、弁座本体21Aと、を別部材として備え、シート部材25A及び弁座本体21Aに、作動流体が直接流れる弁座流路20RAが形成されるとともに、弁座本体21Aに、継手管1E,1S,1Cの挿入代を確保するために、継手管挿入領域20IAが形成される。この継手管挿入領域20IAは、3つの継手管挿入孔21Ei1,21Si1,21Ci1(図5(e),(f)参照)に対して、1つの円柱形状からなる。なお、本実施形態において、継手管挿入領域20IAの継手管挿入孔21Ei1,21Si1,21Ci1には、継手管1E,1S,1Cが単に挿入されるものであり、作動流体は、継手管挿入孔21Ei1,21Si1,21Ci1を直接流れないため、弁座流路20RAに継手管挿入孔21Ei1,21Si1,21Ci1は含まれないものとする。
【0050】
本実施形態において、シート部材25Aは、ステンレス鋼の薄板から、打ち抜きプレス加工やエッチング加工により成形された後、プレス加工やエッチング加工(ハーフエッチング加工)などにより、ストレート状の貫通孔25Es1,25Ss1,25Cs1が成形される。したがって、シート部材25Aに対する切削穴加工及びこれに伴うスライド弁体40が摺動するシート部材25Aの上面の表面仕上げ加工は共に不要となり、更なる加工工数を削減することができる。
【0051】
<弁座流路の形状>
弁座流路20RAは、図4(a)に示すように、シート部材25Aのストレート状の貫通孔25Es1,25Ss1,25Cs1(図5(a)~(c)参照)と、弁座本体21Aの異径段付き孔20DA(図5(e)参照)と、により構成される。この異径段付き孔20DAは、図5(d),(e)に示すように、段付き部21Ed1及びストレート状の貫通孔21Es1、段付き部21Sd1及びストレート状の貫通孔21Ss1、段付き部21Cd1及びストレート状の貫通孔21Cs1のそれぞれから構成される。よって、本実施形態において、異径段付き孔20DAが形成される弁座本体21Aと、ストレート状の貫通孔25Es1,25Ss1,25Cs1が形成されるシート部材25Aとを、互いに接合することにより、複雑な弁座流路20RAを容易に形成することができる。
【0052】
本実施形態において、図5(a),(d)に示すように、弁座面の垂直方向からみた弁座流路20RA中に、弁座流路20RAの一端側(シート部材25Aのストレート状の貫通孔25Es1,25Ss1,25Cs1)及び他端側(ストレート状の貫通孔21Es1,21Ss1,21Cs1)と比べて、大きい流路面積を有する段付き部21Ed1,21Sd1,21Cd1が介在する。なお、弁座流路20RAの他端側(ストレート状の貫通孔21Es1,21Ss1,21Cs1)から各継手管1E,1S,1Cへの流体接続は、流路面積を略変化させずに行われる。ここで、この段付き部21Ed1,21Sd1,21Cd1は、オフセット領域として機能するものであり、軸線Cから直交する方向に離間してオフセット配置されるストレート状の貫通孔21Es1,21Ss1,21Cs1と流体接続するとともに、シート部材25Aの軸線C方向に、近接配置されるストレート状の貫通孔25Es1,25Ss1,25Cs1とも流体接続する。よって、この段付き部21Ed1,21Sd1,21Cd1により、ストレート状の貫通孔25Es1,25Ss1,25Cs1を近接配置できるため、従来の第1の問題点(スライド弁体の大きいストローク長)を解消するとともに、プランジャ30の軸線C方向に沿った移動量を小さくできるので、プランジャ30と吸引子50との吸引力が大きくなり、電磁コイルユニット60の低コスト化及びコイルの省電力化がさらに図れる。また、シート部材25Aにおける、弁座面の垂直方向からみたストレート状の貫通孔25Es1,25Ss1,25Cs1の輪郭は、図5(a)に示すように、交差しないとともに、弁座本体21Aにおける、弁座面の垂直方向からみた異径段付き孔20DAの輪郭、つまり、段付き部21Ed1,21Sd1,21Cd1及びストレート状の貫通孔21Es1,21Ss1,21Cs1の輪郭は、図5(d)に示すように、互いに交差しないことから、従来の第2の問題点(弁座流路内のバリ発生)を解消することができる。
【0053】
<位置決め手段>
弁座本体21Aには、軸線C方向に対向する一対の側面に沿って延在するとともに、立設する位置合わせ壁(位置決め手段)21wを備える。また、シート部材25Aには、軸線C方向に対向する一対の側面に沿った切り欠きを有する位置合わせ溝(位置決め手段)25gを備える。本実施形態において、弁座本体21Aに対するシート部材25Aの位置決めをする際に、位置合わせ壁21w及び位置合わせ溝25gを採用することにより、簡単かつ確実に行うことができるとの効果を奏します。
【0054】
<組み付け工程>
ここでは、この位置決め手段21w,25gを用いた、弁座部20Aをパイロット弁本体10へと組み付ける工程について説明する。まず、弁座本体21A上に、シート状やリング状のろう材をセットする。そして、弁座本体21Aの位置合わせ壁21wに、シート部材25Aの位置合わせ溝25gを係合させるように載置し、カシメ加工により、位置合わせ壁21wの上端を変形させることにより、シート部材25Aを弁座本体21Aに仮止めする。その後、弁座本体21A及びシート部材25Aをろう付けにて接合し、弁座部20Aを形成する。この弁座部20Aをパイロット弁本体10の内側から、弁座取付孔10Aへと挿入し、ろう付けにて接合する。この際、弁座本体21Aの下方側面の形状は、パイロット弁本体10との位置決めを容易とするために、図4(b)に示すように、パイロット弁本体10の内周面に対応する円弧形状を有している。最後に、弁座本体21Aの継手管挿入孔21Ei1,21Si1,21Ci1に、継手管1E,1S,1Cをろう付けにて接合する。なお、本実施形態において、ろう付けにて、弁座部20Aをパイロット弁本体10に接合した後、継手管1E,1S,1Cを弁座部20Aにろう付けにて接合するものであるが、これに限らず、例えば、弁座部20Aのパイロット弁本体10への接合、及び、継手管1E,1S,1Cの弁座部20Aへの接合を同時に行ってもよい。また、本実施形態における各部材の接合は、ろう付け、溶接、拡散接合などから採用してもよい。
【0055】
<スライド式切換弁の動作について>
図3を用いて、スライド式切換弁100Aの動作について説明する。ここで、パイロット弁本体10の突出部14、弁座部20Aにおけるストレート状の貫通孔21Es1,21Ss1,21Cs1は、それぞれ、流体経路における、第1ポート14、第2ポート21Es1、第3ポート21Ss1、第4ポート21Cs1として機能する。
【0056】
スライド弁体40が、プランジャ30により、軸線C方向に沿って、往復移動することにより、弁座部20Aに対するスライド弁体40の窪み部40Aの位置を切り換える。これにより、弁座部20Aにおける隣接する3つのポート(第2ポート21Es1、第3ポート21Ss1、第4ポート21Cs1)のうちの2つのポートが選択的に連通される。
【0057】
まず、図3に示すように、スライド式切換弁100Aがコイル非通電状態である場合には、プランジャ30は、コイルばね51の付勢力により、プランジャ30の先端面32は、ストッパリング37に当接する一方、スライド弁体40は、弁座部20Aに対して左側位置に移動する。この際、スライド弁体40の窪み部40Aを介して、第2ポート21Es1と第3ポート21Ss1とが連通し、E継手管1EからS継手管1Sに流体が流れるとともに、第1ポート14と第4ポート21Cs1とが連通し、D継手管1DからC継手管1Cに流体が流れる。
【0058】
次に、図示は省略するが、スライド式切換弁100Aがコイル通電状態である場合には、プランジャ30の右端部は、磁力により、吸引子50に引き寄せられ当接する一方、スライド弁体40は、弁座部20Aに対して右側位置に移動する。この際、スライド弁体40の窪み部40Aを介して、第4ポート21Cs1と第3ポート21Ss1とが連通し、C継手管1CからS継手管1Sに流体が流れるとともに、第1ポート14と第2ポート21Es1とが連通し、D継手管1DからE継手管1Eに流体が流れる。このように、第1の実施形態におけるスライド式切換弁100Aは、直動式電磁スライド弁であるため、外部の駆動制御部からの応答性を向上させ、流路経路の切り換えを素早く行うことができる。
【0059】
以上のように、スライド式切換弁100Aがコイル非通電状態である場合には、E継手管1EからS継手管1Sに流体が流れるとともに、D継手管1DからC継手管1Cに流体が流れることにより、パイロット式の四方切換弁200内の一対のピストン220A,220Bが右側位置に移動する。よって、冷凍サイクルシステム1は、圧縮機300、室外熱交換機400、絞り装置600、室内熱交換機500の順で冷媒が流れる冷房運転状態に移行する。一方、スライド式切換弁100Aがコイル通電状態である場合には、C継手管1CからS継手管1Sに流体が流れるとともに、D継手管1DからE継手管1Eに流体が流れることにより、パイロット式の四方切換弁200内の一対のピストン220A,220Bが左側位置に移動する。よって、冷凍サイクルシステム1は、圧縮機300、室内熱交換機500、絞り装置600、室外熱交換機400の順で冷媒が流れる暖房運転状態に移行する。
【0060】
(様態1-2について)
ここで、図6及び図7を用いて、第1の実施形態の様態1-2の弁座部20Bについて説明する。この第1の実施形態の様態1-2の弁座部20Bは、弁座本体21Bのみが、第1の実施形態の様態1-1の弁座部20Aと相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態の様態1-1と同一である。ここで、同一部材には同一符号を付して、重複する説明(<位置決め手段>及び<組み付け工程>)は省略し、<弁座部の分割構造>及び<弁座流路の形状>について説明する。
【0061】
<弁座部の分割構造>
弁座部20Bは、図6(a)及び図6(b)に示すように、様態1-1と同様に、シート部材25Aと、弁座本体21Bと、を別部材として備え、シート部材25A及び弁座本体21Bに、作動流体の弁座流路20RBが形成されるとともに、弁座本体21Bに、継手管1E,1S,1Cが挿入される継手管挿入領域20IBが形成される。ここで、弁座部20Bの軽量化を図るために、図6(b)に示すように、継手管挿入領域20IBは、3つの継手管挿入孔21Ei2,21Si2,21Ci2(図7(e),(f)参照)に対応する3つの円柱形状からなり、3つの円形状を有する弁座取付孔10Bに設けられる。
【0062】
<弁座流路の形状>
弁座流路20RBは、シート部材25Aのストレート状の貫通孔25Es1,25Ss1,25Cs1(図7(a)~(c)参照)と、弁座本体21Bの異径段付き孔20DB(図7(e)参照)と、により構成される。この異径段付き孔20DBは、図7(d),(e)に示すように、段付き部21Ed2及びストレート状の貫通孔21Es2、段付き部21Sd2及びストレート状の貫通孔21Ss2、段付き部21Cd2及びストレート状の貫通孔21Cs2のそれぞれから構成される。弁座面の垂直方向からみて、オフセット領域として機能する、段付き部21Ed2,21Sd2,21Cd2の流路面積を、様態1-1の段付き部21Ed1,21Sd1,21Cd1の流路面積より大きく設定することにより、ストレート状の貫通孔21Es2,21Ss2,21Cs2を、軸線Cから直交する方向にさらに離間してオフセット配置することができる。
【0063】
このように、本実施形態の様態1-2において、本実施形態の様態1-1と同様の効果、つまり、従来の第1及び第2の問題点(スライド弁体の大きいストローク長、弁座流路内のバリ発生)を全て解消することができる。加えて、本実施形態の様態1-2において、ストレート状の貫通孔21Es2,21Ss2,21Cs2を、軸線Cから直交する方向にさらに離間してオフセット配置することにより、3つの継手管挿入孔21Ei2,21Si2,21Ci2の互いの間隔を大きくできるため、結果、継手管1E,1S,1Cの取り付け作業をスムーズに行うことができる。なお、様態1-1のように、継手管挿入領域20IBを、1つの円柱形状から構成すると、3つの継手管挿入孔21Ei2,21Si2,21Ci2の互いの間隔は大きくなることから、弁座部20Bにおける重量の増加を引き起こしてしまう。よって、本実施形態における継手管挿入領域20IBは、3つの継手管挿入孔21Ei2,21Si2,21Ci2に対応する3つの円柱形状からなることにより、弁座部20Bの軽量化を実現することができる。
【0064】
(様態1-3について)
ここで、図8及び図9を用いて、第1の実施形態の様態1-3の弁座部20Cについて説明する。この第1の実施形態の様態1-3の弁座部20Cは、シート部材25A’と弁座本体21A’との位置決め手段のみが、第1の実施形態の様態1-1の弁座部20Aと相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態の様態1-1と同一である。ここで、同一部材には同一符号を付して、重複する説明(<弁座部の分割構造>、<弁座流路の形状>及び<組み付け工程>)は省略し、<位置決め手段>について説明する。なお、弁座部20Cには、弁座流路20RC及び継手管挿入領域20ICが形成される。
【0065】
<位置決め手段>
弁座本体21A’には、四隅に立設する位置合わせ突起(位置決め手段)21pを備える。また、シート部材25A’には、四隅に位置合わせ穴(位置決め手段)25hを備える。本実施形態において、弁座本体21A’に対するシート部材25A’の位置決めをする際に、位置合わせ突起21p及び位置合わせ穴25hを採用することにより、簡単かつ確実に行うことができる。具体的には、弁座本体21A’の位置合わせ突起21pに、シート部材25A’の位置合わせ穴25hを係合させるように載置し、カシメ加工により、位置合わせ突起21pの上端を変形させることにより、シート部材25A’を弁座本体21A’に仮止めする。なお、本実施形態において、位置合わせ突起21p及び位置合わせ穴25hを設ける位置は、各部材の四隅にそれぞれ4つ設けるものとしたが、これに限らず、例えば、対角位置に2つ設けるなど、様々な様態を採用してもよい。
【0066】
このように、本実施形態の様態1-3において、本実施形態の様態1-1と同様の効果、つまり、従来の第1及び第2の問題点(スライド弁体の大きいストローク長、弁座流路内のバリ発生)を全て解消することができる。加えて、本実施形態の様態1-3において、シート部材25A’における位置決め手段として、位置合わせ穴25hを採用することにより、ストレート状の貫通孔25Es1,25Ss1,25Cs1を形成する際に、位置合わせ穴25hも合わせて形成できるため、作業効率の向上を図ることができる。さらに、本実施形態の様態1-3において、シート部材25A’及び弁座本体21A’における位置決め手段を、弁座流路20RCと干渉しづらい四隅に設けていることから、異径段付き孔20DC、特に、段付き部21Ed1,25Sd1,25Cd1を形成する領域について、自由度の高い設計を行うことができる。
【0067】
(様態1-4について)
ここで、図10及び図11を用いて、第1の実施形態の様態1-4の弁座部20Dについて説明する。この第1の実施形態の様態1-4の弁座部20Dは、異径段付き孔20DDをシート部材25Dに形成している点で、異径段付き孔20DBを弁座本体21Bに形成している第1の実施形態の様態1-2の弁座部20Bと相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態の様態1-2と同一である。ここで、同一部材には同一符号を付して、重複する説明(<位置決め手段>及び<組み付け工程>)は省略し、<弁座部の分割構造>及び<弁座流路の形状>について説明する。
【0068】
<弁座部の分割構造>
弁座部20Dは、図10(a)及び図10(b)に示すように、様態1-2と同様に、シート部材25Dと、弁座本体21Dと、を別部材として備え、シート部材25D及び弁座本体21Dに、作動流体の弁座流路20RDが形成されるとともに、弁座本体21Dに、継手管1E,1S,1Cが挿入される継手管挿入領域20IDが形成される。
【0069】
<弁座流路の形状>
弁座流路20RDは、図10(a)に示すように、シート部材25Dの異径段付き孔20DD(図11(b)参照)と、弁座本体21Dのストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4(図11(d)~(f)参照)と、により構成される。よって、本実施形態において、異径段付き孔20DDが形成されるシート部材25Dと、ストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4が形成される弁座本体21Dとを、互いに接合することにより、複雑な弁座流路20RDを容易に形成することができる。ここで、本実施形態において、図11(c)に示すように、弁座面の垂直方向からみた弁座流路20RD中に、弁座流路20RDの一端側(ストレート状の貫通孔25Es4,25Ss4,25Cs4)及び他端側(ストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4)と比べて、大きい流路面積を有し、オフセット領域として機能する段付き部25Ed4,25Sd4,25Cd4が介在する。なお、この異径段付き孔20DDは、図11(b),(c)に示すように、段付き部25Ed4及びストレート状の貫通孔25Es4、段付き部25Sd4及びストレート状の貫通孔25Ss4、段付き部25Cd4及びストレート状の貫通孔25Cs4のそれぞれから構成される。さらに、シート部材25Dにおける、弁座面の垂直方向からみた異径段付き孔20DDの輪郭、つまり、段付き部25Ed4,25Sd4,25Cd4及びストレート状の貫通孔25Es4,25Ss4,25Cs4の輪郭は、図11(c)に示すように、互いに交差しないとともに、弁座本体21Dにおける、弁座面の垂直方向からみたストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4の輪郭は、図11(d)に示すように、交差しない。また、弁座流路20RDの他端側(ストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4)から各継手管1E,1S,1Cへの流体接続は、流路面積を略変化させずに行われる。
【0070】
このように、本実施形態の様態1-4において、本実施形態の様態1-2と同様の効果、つまり、従来の第1及び第2の問題点(スライド弁体の大きいストローク長、弁座流路内のバリ発生)を全て解消することができる。加えて、本実施形態の様態1-4において、弁座本体21Dは、鍛造や切削加工などにより形成されるため、簡単な流路形状である、ストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4を採用することにより、加工コスト及び加工時間を抑制することができる。
【0071】
(様態1-5について)
ここで、図12及び図13を用いて、第1の実施形態の様態1-5の弁座部20Eについて説明する。この第1の実施形態の様態1-5の弁座部20Eは、第1の実施形態の様態1-4におけるシート部材25Dを、第1のシート部材(シート部材)26及び第2のシート部材(シート部材)27へと分割することにより、異径段付き孔そのものを形成させない点で、第1の実施形態の様態1-4の弁座部20Dと相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態の様態1-4と同一である。ここで、同一部材には同一符号を付して、重複する説明(<位置決め手段>及び<組み付け工程>)は省略し、<弁座部の分割構造>及び<弁座流路の形状>について説明する。
【0072】
<弁座部の分割構造>
弁座部20Eは、図12(a)及び図12(b)に示すように、第1のシート部材26と、第2のシート部材27と、弁座本体21Dと、を別部材として備え、第1のシート部材26、第2のシート部材27及び弁座本体21Dに、作動流体の弁座流路20REが形成されるとともに、弁座本体21Dに、継手管1E,1S,1Cが挿入される継手管挿入領域20IEが形成される。このように、様態1-4におけるシート部材25Dを、第1のシート部材26及び第2のシート部材27へと分割することにより、様態1-4におけるシート部材25Dの異径段付き孔20DDに代えて、第1のシート部材26のストレート状の貫通孔26Es5,26Ss5,26Cs5、及び、第2のシート部材27のストレート状の貫通孔27Es5,27Ss5,27Cs5を採用するものである。
【0073】
本実施形態において、第1のシート部材26及び第2のシート部材27は、ステンレス鋼の薄板から、打ち抜きプレス加工やエッチング加工により成形された後、プレス加工やエッチング加工(ハーフエッチング加工)などにより、ストレート状の貫通孔26Es5,26Ss5,26Cs5,27Es5,27Ss5,27Cs5が成形される。したがって、第1のシート部材26及び第2のシート部材27に対する、複雑な異径段付き孔を形成するための切削穴加工、及び、これに伴うスライド弁体40が摺動する第1のシート部材26Aの上面の表面仕上げ加工は共に不要となり、更なる加工工数を削減することができる。
【0074】
<弁座流路の形状>
弁座流路20REは、第1のシート部材26のストレート状の貫通孔26Es5,26Ss5,26Cs5(図13(b)参照)と、第2のシート部材27のストレート状の貫通孔27Es5,27Ss5,27Cs5(図13(b)参照)と、弁座本体21Dのストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4(図13(e)参照)と、により構成される。ここで、本実施形態において、図13(c)に示すように、弁座面の垂直方向からみた弁座流路20RE中に、弁座流路20REの一端側(ストレート状の貫通孔26Es5,26Ss5,26Cs5)及び他端側(ストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4)と比べて、大きい流路面積を有し、オフセット領域として機能するストレート状の貫通孔27Es5,27Ss5,27Cs5が介在する。なお、第1のシート部材26における、弁座面の垂直方向からみたストレート状の貫通孔26Es5,26Ss5,26Cs5の輪郭は、図13(a)に示すように、交差しないとともに、第2のシート部材27における、弁座面の垂直方向からみたストレート状の貫通孔27Es5,27Ss5,27Cs5の輪郭は、図13(c)に示すように、交差しない。さらに、弁座本体21Dにおける、弁座面の垂直方向からみたストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4の輪郭は、図13(d)に示すように、交差しない。また、弁座流路20REの他端側(ストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4)から各継手管1E,1S,1Cへの流体接続は、流路面積を略変化させずに行われる。
【0075】
このように、本実施形態の様態1-5において、本実施形態の様態1-4と同様の効果、つまり、従来の第1及び第2の問題点(スライド弁体の大きいストローク長、弁座流路内のバリ発生)を全て解消することができるとともに、弁座本体21Dは、簡単な流路形状である、ストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4を採用することにより、加工コスト及び加工時間を抑制することができる。加えて、本実施形態の様態1-5において、第1のシート部材26及び第2のシート部材27は、簡単な流路形状である、ストレート状の貫通孔26Es5,26Ss5,26Cs5,27Es5,27Ss5,27Cs5を採用することにより、加工コスト及び加工時間を抑制するとともに、より微細な加工を行うことができる。
【0076】
(第2の実施形態)
図14から図16を用いて、第2の実施形態に係るスライド式切換弁100Bについて説明する。第2の実施形態に係るスライド式切換弁100Bは、弁座部20’(主に、弁座本体21’)が、第1の実施形態のスライド式切換弁100Aと相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態と同一である。ここで、同一部材には同一符号を付して、重複する説明は省略し、<弁座部の分割構造>、<弁座流路の形状>、<第1のシート部材における貫通孔の断面形状及び配置>、及び<組み付け工程>について説明する。
【0077】
第1の実施形態の様態1-5の弁座部20Eでは、図13(b),(e)に示すように、第1のシート部材26と、第2のシート部材27と、弁座本体21Dと、を別部材として備え、弁座流路20REとして、それぞれの部材に、ストレート状の貫通孔を採用するものである。これにより、第1のシート部材26、第2のシート部材27、及び、弁座本体21Dに対する加工コスト及び加工時間を抑制することができる。しかしながら、鍛造や切削加工などにより形成されている弁座本体21Dは、コスト削減効果に限度があるため、別のアングルからのさらなる工夫が求められていた。加えて、第1の実施形態では、弁座流路に、オフセット領域を設けることにより、従来の第1の問題点(スライド弁体の大きいストローク長)を解消するものであるが、スライド弁体40のストローク長をさらに小さくすることが求められていた。
【0078】
そこで、第2の実施形態に係るスライド式切換弁100Bでは、弁座本体21’をさらに簡素化させるために、弁座本体21’に、継手管挿入領域20IE’のみを形成し、弁座本体21’から弁座流路を省略することにより、弁座本体21’をプレス加工品から形成することができる。
【0079】
なお、詳細は後述するが、第1の実施形態の様態1-5では、弁座流路20REの他端側の流路面積を、オフセット領域の流路面積より小さくするために、弁座本体21Dのストレート状の貫通孔21Es4,21Ss4,21Cs4を採用している。しかしながら、第2の実施形態に係るスライド式切換弁100Bでは、弁座本体21’の弁座流路自体を省略しているため、弁座流路20RE’の他端側の流路面積を、オフセット領域の流路面積より小さくするために、弁座本体21’の弁座流路に代え、継手管挿入領域20IE’に挿入される継手管1E,1S,1Cの先端開口部を採用するものである。
【0080】
さらに、第2の実施形態に係るスライド式切換弁100Bでは、スライド弁体40のストローク長Lsをさらに小さくするために、薄板からなる第1のシート部材26’-1~26’-6に対して、プレス加工、エッチング加工(ハーフエッチング加工)、又は、切削加工により微小な加工を施し、様々な断面形状及び配置を有するストレート状の貫通孔を形成するものとした。
【0081】
ここで、図16(d)及び図17に示すように、第2の実施形態は、第1のシート部材(シート部材)26’-1~26’-6に形成されるストレート状の貫通孔の断面形状及び配置により、様態2-1から様態2-6までの6つの様態からなることから、様態2-1から様態2-6まで順に説明する。
【0082】
(様態2-1について)
<弁座部の分割構造>
弁座部20’は、図15(a)及び図15(b)に示すように、第1のシート部材26’-1と、第2のシート部材(シート部材)27’と、弁座本体21’と、を別部材として備え、弁座本体21’に、継手管1E,1S,1Cが挿入される継手管挿入領域20IE’が形成されるとともに、第1のシート部材26’-1、第2のシート部材27’(各継手管1E,1S,1Cとの境界部を含む)に、作動流体の弁座流路20RE’が形成される。このように、弁座本体21’には、弁座流路20RE’を形成しないことにより、薄板からなる、プレス加工品から形成することができる。
【0083】
<弁座流路の形状>
弁座流路20RE’は、図15(a),(b)及び図16(a)に示すように、第1のシート部材26’-1のストレート状の貫通孔26Es5’-1,26Ss5’-1,26Cs5’-1(図16(c),(d)参照)と、第2のシート部材27’のストレート状の貫通孔27Es5’,27Ss5’,27Cs5’(図16(e),(f)参照)と、第2のシート部材27’の下面側に突き当てられ固定された継手管1E,1S,1Cの先端開口部と、により構成される。具体的には、図16(a)に示すように、弁座流路20RE’の一端側(上端側)は、第1のシート部材26’-1のストレート状の貫通孔26Es5’-1,26Ss5’-1,26Cs5’-1であり、弁座流路20RE’の他端側(下端側)は、第2のシート部材27’と各継手管1E,1S,1Cとの境界部に形成される、継手管1E,1S,1Cの先端開口部に対応する3つの流路である。よって、本実施形態において、図16(b)に示すように、弁座面の垂直方向からみた弁座流路20RE’中に、弁座流路20RE’の一端側(上端側)及び他端側(下端側)と比べて、大きい流路面積を有し、オフセット領域として機能するストレート状の貫通孔27Es5’,27Ss5’,27Cs5’が介在する。なお、第1のシート部材26’-1における、弁座面の垂直方向からみたストレート状の貫通孔26Es5’-1,26Ss5’-1,26Cs5’-1の輪郭は、図16(c),(d)に示すように、交差しないとともに、第2のシート部材27’における、弁座面の垂直方向からみたストレート状の貫通孔27Es5’,27Ss5’,27Cs5’の輪郭は、図16(e),(f)に示すように、交差しない。
【0084】
<第1のシート部材における貫通孔の断面形状及び配置>
図16(d)を用いて、第1のシート部材26’-1におけるストレート状の貫通孔26Es5’-1,26Ss5’-1,26Cs5’-1の断面形状及び配置について説明する。なお、スライド弁体40の窪み部40Aにより囲まれ、流路を形成する窪み領域R40A(コイル非通電状態T1)(図中の実線)には、ストレート状の貫通孔26Es5’-1,26Ss5’-1が包含されるとともに、窪み領域R40A(コイル通電状態T2)(図中の一点破線)には、ストレート状の貫通孔26Ss5’-1,26Cs5’-1が包含されるように設定される。
【0085】
第1のシート部材26’-1におけるストレート状の貫通孔26Es5’-1,26Ss5’-1,26Cs5’-1は、それぞれ、楕円穴の断面形状を有する。また、第1のシート部材26’-1における中央のストレート状の貫通孔26Ss5’-1は、軸線C上に配置されている一方、第1のシート部材26’-1における両側のストレート状の貫通孔26Es5’-1,26Cs5’-1は、それぞれ、時計回り及び反時計回りに若干回転されるとともに、軸線Cから直交する方向にオフセットされた状態で配置される。この際、各ストレート状の貫通孔26Es5’-1,26Ss5’-1,26Cs5’-1における、軸線Cと直交する方向の幅が、軸線C方向の幅以上となるように設定される。
【0086】
このように、第1のシート部材26’-1におけるストレート状の貫通孔26Es5’-1,26Ss5’-1,26Cs5’-1の断面形状及び配置を選択することにより、第1のシート部材26’-1における各貫通孔の流路面積を確保しつつ、スライド弁体40およびプランジャ30のストローク長Lsを比較的小さく設定することができるため、M.O.P.D(安全かつ確実に弁を操作できる限界の圧力で、弁の入口圧力と出口圧力の間の圧力の最高差を示す)を増加させること、又は、電磁コイルユニット60の低コスト化及びコイルの省電力化がさらに図れる。なお、本実施形態において、第1のシート部材26’-1における両側の貫通孔26Es5’-1,26Cs5’-1が、共に、軸線Cから直交する同じ方向へとオフセットされているが、これに限らず、例えば、両側の貫通孔26Es5’-1,26Cs5’-1が、窪み領域R40A(コイル非通電状態T1)及び窪み領域R40A(コイル通電状態T2)にそれぞれ包含されるものであれば、軸線Cから直交する異なる方向へとオフセットされてもよい。
【0087】
<組み付け工程>
第1のシート部材26’-1及び第2のシート部材27’を積層させ、溶接や拡散結合にて接合する。そして、第2のシート部材27’及び弁座本体21’をろう付けや溶接にて接合し、弁座部20’を形成する。この弁座部20’をパイロット弁本体10の外側から、弁座取付孔10A’へと挿入し、ろう付けにて接合する。最後に、継手管1E,1S,1Cを、弁座本体21’の継手管挿入孔21Ei’,21Si’,21Ci’に挿入し、第2のシート部材27’に突き当てられた状態で、ろう付けにて接合する。なお、本実施形態において、ろう付けにて、弁座部20’をパイロット弁本体10に接合した後、継手管1E,1S,1Cを弁座部20’にろう付けにて接合するものであるが、これに限らず、例えば、弁座部20’のパイロット弁本体10への接合、及び、継手管1E,1S,1Cの弁座部20’への接合を同時に行ってもよい。また、本実施形態における各部材の接合は、ろう付け、溶接、拡散接合などから採用してもよい。
【0088】
このように、第2の実施形態において、第1の実施形態の様態1-5と同様の効果、つまり、従来の第1及び第2の問題点(スライド弁体の大きいストローク長、弁座流路内のバリ発生)を全て解消することができる。また、第2の実施形態において、第1のシート部材26’-1及び第2のシート部材27’は、簡単な流路形状である、ストレート状の貫通孔26Es5’-1,26Ss5’-1,26Cs5’-1,27Es5’,27Ss5’,27Cs5’を採用することにより、加工コスト及び加工時間を抑制することができる。特に、第1のシート部材26’-1に対して、軸線Cと直交する方向の幅が、軸線C方向の幅以上となる楕円穴の断面形状を有するストレート状の貫通孔26Es5’-1,26Ss5’-1,26Cs5’-1を、オフセット配置することにより、第1のシート部材26’-1における各貫通孔の流路面積を確保しつつ、スライド弁体40のストローク長Ls(非通電状態におけるプランジャ30と吸引子50との間隙)を比較的小さくできるため、プランジャ30と吸引子50との吸引力が大きくなり、M.O.P.Dを増加させることができる。または、スライド弁体40およびプランジャ30のストローク長Lsを比較的小さくできるため、モールドコイル部61におけるマグネットワイヤ(不図示)の巻き数を減少させることにより、電磁コイルユニット60の低コスト化及びコイルの省電力化が図れる。さらに、第2の実施形態において、弁座本体21’を、薄板からなるプレス加工品とすることにより、加工コスト及び加工時間をより抑制し、スライド式切換弁100Aの軽量化を行うことができる。
【0089】
(様態2-2から様態2-6について)
ここで、図17(a)から(e)を用いて、第2の実施形態の様態2-2から様態2-6について説明する。この第2の実施形態の様態2-2から様態2-6は、第1のシート部材26’-2~26’-6における各貫通孔の断面形状及び配置が、第2の実施形態の様態2-1と相違するが、その他の基本構成は第2の実施形態の様態2-1と同一である。ここで、同一部材には同一符号を付して、重複する説明は省略し、<第1のシート部材における貫通孔の断面形状及び配置>について説明する。なお、様態2-2から様態2-6は、様態2-1と同様に、窪み領域R40A(コイル非通電状態T1)(図中の実線)及び窪み領域R40A(コイル通電状態T2)(図中の一点破線)には、左側から2つの貫通孔及び右側から2つの貫通孔が、それぞれ包含されるように設定されるとともに、各貫通孔における、軸線Cと直交する方向の幅が、軸線C方向の幅以上となるように設定される。
【0090】
<第1のシート部材における貫通孔の断面形状及び配置>
(様態2-2について)
図17(a)に示すように、第1のシート部材26’-2における貫通孔26Es5’-2,26Ss5’-2,26Cs5’-2は、それぞれ、楕円形の断面形状を有する楕円形穴からなる。また、第1のシート部材26’-2における貫通孔26Ss5’-2,26Es5’-2,26Cs5’-2は、軸線C方向に沿って整列した状態で配置される。
【0091】
(様態2-3について)
図17(b)に示すように、第1のシート部材26’-3における貫通孔26Es5’-3,26Ss5’-3,26Cs5’-3は、それぞれ、円形の断面形状を有する円形穴からなる。また、第1のシート部材26’-2における貫通孔26Ss5’-2,26Es5’-2,26Cs5’-2は、軸線C方向に沿って整列した状態で配置される。
【0092】
(様態2-4について)
図17(c)に示すように、第1のシート部材26’-4における中央の貫通孔26Ss5’-4は、楕円形の断面形状を有する楕円形穴からなるとともに、第1のシート部材26’-4における両側の貫通孔26Es5’-4,26Cs5’-4は、一対の三角形の断面形状を有する三角形穴からなる。また、第1のシート部材26’-4における貫通孔26Ss5’-4,26Es5’-4,26Cs5’-4は、軸線C方向に沿って整列した状態で配置される。
【0093】
(様態2-5について)
図17(d)に示すように、第1のシート部材26’-5における中央の貫通孔26Ss5’-5は、円形の断面形状を有する円形穴からなるとともに、第1のシート部材26’-5における両側の貫通孔26Es5’-5,26Cs5’-5は、一対の楕円形の断面形状を有する楕円形穴からなる。また、第1のシート部材26’-5における中央の貫通孔26Ss5’-5は、軸線C上に配置されている一方、第1のシート部材26’-5における両側の貫通孔26Es5’-5,26Cs5’-5は、それぞれ、時計回り及び反時計回りに若干回転されるとともに、軸線Cから直交する方向にオフセットされた状態で配置される。これにより、第1のシート部材26’-5における各貫通孔の流路面積を確保しつつ、スライド弁体40のストローク長Lsをさらに小さく設定することができる。なお、本実施形態において、第1のシート部材26’-5における両側の貫通孔26Es5’-5,26Cs5’-5が、共に、軸線Cから直交する同じ方向へとオフセットされているが、これに限らず、例えば、両側の貫通孔26Es5’-5,26Cs5’-5が、窪み領域R40A(コイル非通電状態T1)及び窪み領域R40A(コイル通電状態T2)にそれぞれ包含されるものであれば、軸線Cから直交する異なる方向へとオフセットされてもよい。
【0094】
(様態2-6について)
図17(e)に示すように、第1のシート部材26’-6における貫通孔26Es5’-6,26Ss5’-6,26Cs5’-6は、それぞれ、四角形の断面形状を有する四角形穴からなる。また、第1のシート部材26’-6における貫通孔26Ss5’-6,26Es5’-6,26Cs5’-6は、軸線C方向に沿って整列した状態で配置される。
【0095】
以上の様態2-2から様態2-6で説明したように、第1のシート部材26’-2~26’-6における軸線Cと直交する方向の幅が、軸線C方向の幅以上となる各貫通孔の断面形状及び配置を適切に選択することにより、第1のシート部材26’-2~26’-6における各貫通孔の流路面積を確保しつつ、スライド弁体40およびプランジャ30のストローク長Lsを比較的小さく設定することができるため、M.O.P.Dを増加させること、又は、電磁コイルユニット60の低コスト化及びコイルの省電力化をさらに図れる。
【0096】
第2の実施形態において、第1のシート部材26’-1~26’-6に形成される各貫通孔の断面形状は、楕円形、円形、三角形、四角形、及び、三日月形のいずれか一つ、又は、これらを組み合わせたものを選択してもよい。
【0097】
なお、第2の実施形態において、第1のシート部材26’-1~26’-6の各貫通孔に対して、図16(d)及び図17に示されるような、様々な断面形状及び配置が採用されるものとして説明したが、これに限らず、例えば、第1の実施形態におけるシート部材25A,25Cや第1のシート部材26の各貫通孔に対して、この様々な断面形状及び配置が採用されてもよい。
【0098】
<その他>
本実施形態のスライド式切換弁100,100A,100Bは、例示する冷凍サイクルシステム1だけでなく、あらゆる流体装置及び流体回路に適用可能であることは言うまでもない。また、本発明は、上述した各形態や、各実施形態、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 冷凍サイクルシステム
1C C継手管
1D D継手管
1E E継手管
1S S継手管
10 パイロット弁本体(弁本体)
10A,10A’,10B 弁座取付孔
14 突出部
20,20A,20B,20C,20D,20E,20’ 弁座部
20DA,20DB,20DC,20DD 異径段付き孔
20IA,20IB,20IC,20ID,20IE 継手管挿入領域
20RA,20RB,20RC,20RD,20RE 弁座流路
21,21A,21A’,21B,21D,21’ 弁座本体
21Cd1~2,21Ed1~2,21Sd1~2 段付き部
21Ci1~2,21Ei1~2,21Si1~2,21Ci4,21Ei4,21Si4,21Ci’,21Ei’,21Si’ 継手管挿入孔
21Cs1~2,21Es1~2,21Ss1~2,21Cs4,21Es4,21Ss4 ストレート状の貫通孔
21p 位置合わせ突起
21w 位置合わせ壁
25,25A,25A’,25D シート部材
25Cd4,25Ed4,25Sd4 段付き部
25Cs1,25Es1,25Ss1,25Cs4,25Es4,25Ss4 ストレート状の貫通孔
25g,26g,27g 位置合わせ溝
25h 位置合わせ穴
26,26’-1~6 第1のシート部材(シート部材)
26Cs5,26Es5,26Ss5,26Cs5’,26Es5’,26Ss5’ ストレート状の貫通孔
27,27’ 第2のシート部材(シート部材)
27Cs5,27Es5,27Ss5,27Cs5’,27Es5’,27Ss5’ ストレート状の貫通孔
30 プランジャ
31 円柱部
32 先端面
33 開口縁
34A,34B 連通路
34C コイルばね支持部
34D 凹部
35 連結ロッド
35A 開口部
36 連結具
37 ストッパリング
40 スライド弁体
40A 窪み部
41 弁ばね
50 吸引子
50A 雌ネジ孔
51 コイルばね
60 電磁コイルユニット
61 モールドコイル部
62 ケーシング
62A 取付孔
63 リード線
64 小ネジ
100,100A,100B スライド式切換弁
200 パイロット式の四方切換弁
300 圧縮機
400 室外熱交換機
500 室内熱交換機
600 絞り装置(膨張弁)

C 軸線
Ls スライド弁体のストローク長
R40A 窪み領域
S ストレーナ
T1 コイル非通電状態
T2 コイル通電状態
図1
図2
図3
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図5
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図17