IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社豊田自動織機の特許一覧

<>
  • 特開-フォークリフト 図1
  • 特開-フォークリフト 図2
  • 特開-フォークリフト 図3
  • 特開-フォークリフト 図4
  • 特開-フォークリフト 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086281
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】フォークリフト
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
B66F9/24 L
B66F9/24 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201327
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】柿田 頼輝
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333AE02
3F333FA08
3F333FA11
3F333FA20
3F333FE04
3F333FE05
3F333FE09
(57)【要約】
【課題】荷役を停止すること。
【解決手段】フォークリフトは、荷役装置と、レーザ距離計と、制御装置と、を備える。制御装置は、レーザ距離計の測定結果に基づきフォークリフトと人との距離を検出する。制御装置は、荷役中に、フォークリフトと人との距離が閾値未満であることを含む停止条件が成立した場合に荷役を停止する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役を行う荷役装置と、
レーザ光を照射することによって前記レーザ光が当たった点までの距離を測定するレーザ距離計と、
制御装置と、を備えたフォークリフトであって、
前記制御装置は、
前記レーザ距離計の測定結果に基づき前記フォークリフトと人との距離を検出し、
前記荷役中に、前記フォークリフトと前記人との距離が閾値未満であることを含む停止条件が成立した場合に前記荷役を停止する、フォークリフト。
【請求項2】
前記制御装置は、前記人の移動方向を検出し、
前記停止条件は、前記移動方向が前記フォークリフトに近づく方向であることを含む、請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項3】
前記レーザ距離計の測定結果から自己位置推定を行う自己位置推定制御装置を備え、
前記レーザ距離計は、前記フォークリフトの上部に設けられており、
前記制御装置は、前記荷役装置を制御することによって、前記フォークリフトが走行している路面よりも高い位置に対して前記荷役を行う、請求項1又は請求項2に記載のフォークリフト。
【請求項4】
前記停止条件は、前記フォークリフトの停止を指示するジェスチャを前記人が行っていることを含む、請求項1又は請求項2に記載のフォークリフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フォークリフトに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示のフォークリフトは、カメラを備える。そして、カメラによって撮像された画像データから人検知装置によって人の検知が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-16902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像データによって人を検知する場合、逆光や照度などの環境要因によって人を検知できないおそれがある。人を検知した場合にフォークリフトの荷役を停止するように制御を行っている場合、人を検知できないことで荷役を停止することができない場合が生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するフォークリフトは、荷役を行う荷役装置と、レーザ光を照射することによって前記レーザ光が当たった点までの距離を測定するレーザ距離計と、制御装置と、を備えたフォークリフトであって、前記制御装置は、前記レーザ距離計の測定結果に基づき前記フォークリフトと人との距離を検出し、前記荷役中に、前記フォークリフトと前記人との距離が閾値未満であることを含む停止条件が成立した場合に前記荷役を停止する。
【0006】
制御装置は、レーザ距離計の測定結果からフォークリフトと人との距離を測定する。レーザ距離計は、逆光や照度などの影響を受けにくい。レーザ距離計の測定結果からフォークリフトと人との距離を測定することによって、カメラを用いる場合に比べて逆光や照度などの環境要因によって人までの距離を測定できないことが生じにくい。そして、制御装置は、フォークリフトと人との距離が閾値未満であることを含む停止条件が成立した場合、荷役を停止することができる。
【0007】
上記フォークリフトについて、前記制御装置は、前記人の移動方向を検出し、前記停止条件は、前記移動方向が前記フォークリフトに近づく方向であることを含んでいてもよい。
【0008】
上記フォークリフトについて、前記レーザ距離計の測定結果から自己位置推定を行う自己位置推定制御装置を備え、前記レーザ距離計は、前記フォークリフトの上部に設けられており、前記制御装置は、前記荷役装置を制御することによって、前記フォークリフトが走行している路面よりも高い位置に対して前記荷役を行ってもよい。
【0009】
上記フォークリフトについて、前記停止条件は、前記フォークリフトの停止を指示するジェスチャを前記人が行っていることを含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、荷役を停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】フォークリフトが運用される区域の模式図である。
図2図1の区域で運用されるフォークリフト、及び搬送車両の斜視図である。
図3図2のフォークリフトの概略構成図である。
図4図2の制御装置が実行する荷役制御を示すフローチャートである。
図5図4の荷役制御で取得される点群データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、フォークリフトの一実施形態について説明する。
図1に示すように、区域A1には、停車位置PS1が設定されている。停車位置PS1には、搬送車両10が停車される。区域A1は、例えば、工場、港湾、空港、商業施設、及び公共施設等の場所の全体、あるいは、一部である。区域A1では、フォークリフト20が運用されている。フォークリフト20は、荷役を行う。荷役は、荷積み及び荷取りの少なくとも1つを含む。荷積みは、パレットPA1に置かれた荷C1を搬送車両10に積載する作業である。荷取りは、搬送車両10に積載された荷C1を搬送車両10から取る作業である。本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0013】
図2に示すように、搬送車両10は、ウィングトラックである。搬送車両10としては、平ボディのトラック等、どのような種類のトラックであってもよい。搬送車両10は、荷台11を備える。荷台11は、積載面12を備える。積載面12は、荷台11の上面である。積載面12には、パレットPA1に置かれた荷C1が積載される。本実施形態において、積載面12には、人M1が存在しているとする。この人M1は、例えば、積載面12で作業を行う作業者である。積載面12は、フォークリフト20が走行している路面よりも高い位置に存在している。
【0014】
<フォークリフト>
フォークリフト20は、車体21と、駆動輪22と、操舵輪23と、荷役装置24と、を備える。以下の説明において、前後左右は、フォークリフト20の前後左右である。
【0015】
荷役装置24は、車体21の前部に設けられている。荷役装置24は、マスト25と、リフトシリンダ28と、リフトブラケット29と、2つのフォーク30と、を備える。マスト25は、アウタマスト26と、インナマスト27と、を備える。インナマスト27は、アウタマスト26に対して昇降可能に設けられている。リフトブラケット29及びフォーク30は、インナマスト27とともに昇降する。リフトシリンダ28は、インナマスト27を昇降動作させる。リフトシリンダ28は、油圧シリンダである。
【0016】
図3に示すように、フォークリフト20は、レーザ距離計51を備える。レーザ距離計51は、3次元座標系の座標で物体の位置を検出する。レーザ距離計51は、フォークリフト20の上部に設けられている。例えば、レーザ距離計51は、フォークリフト20のヘッドガードに設けられている。レーザ距離計51は、荷役装置24の上部であってフォーク30の昇降によって昇降しない位置に設けられていてもよい。レーザ距離計51は、ブラケットに設けられていてもよい。
【0017】
レーザ距離計51は、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)と称されることもある。レーザ距離計51は、周囲にレーザ光を照射し、レーザ光が当たった点から反射された反射光を受光することで点までの距離を測定する。レーザ光が当たった点は、物体の表面の一部を表す。点の位置は、極座標系の座標で表すことができる。極座標系における点の座標は、直交座標系の座標に変換される。極座標系から直交座標系への変換は、レーザ距離計51によって行われてもよいし、レーザ距離計51とは異なる装置で行われてもよい。本実施形態では、レーザ距離計51により極座標系から直交座標系への変換が行われているとする。レーザ距離計51は、センサ座標系での点の座標を導出する。センサ座標系は、レーザ距離計51を原点とする3軸直交座標系である。レーザ距離計51は、レーザ光を照射することにより得られた複数の点の座標を点群データとして出力する。
【0018】
フォークリフト20は、自己位置推定制御装置52を備える。自己位置推定制御装置52は、プロセッサ53と、記憶部54と、を備える。記憶部54は、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部54は、処理をプロセッサ53に実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部54、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。自己位置推定制御装置52は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である自己位置推定制御装置52は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0019】
フォークリフト20は、補助記憶装置55を備える。補助記憶装置55は、自己位置推定制御装置52が読み取り可能な情報を記憶している。補助記憶装置55は、例えば、ハードディスクドライブ、及びソリッドステートドライブを挙げることができる。補助記憶装置55は、環境地図D1を記憶している。補助記憶装置55は、モデルD2を記憶している。
【0020】
環境地図D1とは、区域A1に存在する物体の形状、区域A1の広さ等、区域A1の物理的構造に関する情報である。本実施形態において環境地図D1は、区域A1の構造を地図座標系の座標で表したデータである。地図座標系は、3軸直交座標系である。地図座標系は、区域A1の任意の一点を原点とする座標系である。地図座標系において水平方向は互いに直交するX軸及びY軸で規定される。X軸及びY軸で規定されるXY平面は、水平面を表しているといえる。地図座標系において上下方向は、X軸及びY軸に直交するZ軸で規定される。
【0021】
自己位置推定制御装置52は、フォークリフト20の自己位置を推定する。自己位置とは、環境地図D1上でのフォークリフト20の位置である。自己位置とは、地図座標系でのフォークリフト20の一点を示す座標である。フォークリフト20の一点は任意であるが、例えば、フォークリフト20の水平方向での中心位置を挙げることができる。
【0022】
自己位置の推定は、レーザ距離計51の検出結果と環境地図D1とを照合することで行われる。自己位置推定制御装置52は、レーザ距離計51の出力する点群データを取得する。自己位置推定制御装置52は、点群データから得られたランドマークと同一形状のランドマークを環境地図D1から抽出する。自己位置推定制御装置52は、環境地図D1からランドマークの位置を認識する。ランドマークの位置とフォークリフト20との位置関係は、レーザ距離計51の検出結果から把握できる。従って、自己位置推定制御装置52は、ランドマークの位置を認識することで、自己位置を推定することができる。ランドマークとはレーザ距離計51により識別可能な特徴を有する物体である。ランドマークは、位置の変化しにくい物理的構造物である。ランドマークとしては、例えば、壁、及び柱を挙げることができる。自己位置の推定は、レーザ距離計51を用いた自己位置の推定に、内界センサを用いたデッドレコニングを組み合わせて行われてもよい。自己位置の推定は、レーザ距離計51を用いた自己位置の推定に、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星から送信される衛星信号を用いた自己位置の推定を組み合わせて行われてもよい。
【0023】
フォークリフト20は、制御装置56を備える。制御装置56は、例えば、自己位置推定制御装置52と同様のハードウェア構成を備える。制御装置56は、プロセッサ57と、記憶部58と、を備える。
【0024】
フォークリフト20は、走行アクチュエータ59を備える。走行アクチュエータ59は、フォークリフト20を走行させるアクチュエータである。走行アクチュエータ59は、例えば、駆動輪22を回転させるモータ、及び操舵機構を含む。制御装置56は、自己位置推定制御装置52から自己位置を取得する。制御装置56は、自己位置を把握しながら走行アクチュエータ59を制御してフォークリフト20を走行させる。
【0025】
フォークリフト20は、荷役アクチュエータ60を備える。荷役アクチュエータ60は、フォークリフト20に荷役を行わせるアクチュエータである。荷役アクチュエータ60は、例えば、油圧機器に作動油を供給するポンプを駆動するモータ、及び作動油の供給を制御する制御弁を含む。油圧機器は、リフトシリンダ28を含む。制御装置56は、荷役アクチュエータ60を制御することによってフォーク30の昇降を行う。制御装置56は、荷役アクチュエータ60を制御することによってフォーク30の傾動を行う。フォーク30の傾動は、ティルトシリンダに作動油を供給することで行われる。制御装置56は、荷役アクチュエータ60を制御することによってフォーク30のサイドシフトを行ってもよい。フォーク30のサイドシフトは、サイドシフトシリンダに作動油を供給することで行われる。
【0026】
フォークリフト20は、制御装置56によって走行アクチュエータ59が制御されることによって自動で走行する。フォークリフト20は、制御装置56によって荷役アクチュエータ60が制御されることによって自動で荷役を行う。フォークリフト20は、自動運転フォークリフトである。
【0027】
フォークリフト20は、通信装置61を備える。通信装置61は、無線LAN、Zigbee(登録商標)、LPWA(Low Power Wide Area)、又は移動通信システム等、任意の無線通信方式で通信を行うことが可能な通信機器である。通信装置61は、無線信号を送受信可能である。通信装置61は、受信した無線信号を復調したデータを制御装置56に出力する。
【0028】
通信装置61は、上位制御装置71からの指令を受信する。上位制御装置71は、例えば、区域A1に設けられる。上位制御装置71は、運行データを通信装置61に送信する。運行データは、フォークリフト20に対する指令を含む。指令は、例えば、フォークリフト20を進行させる指令、フォークリフト20に荷積みを開始させる荷積み指令、及びフォークリフト20に荷取りを開始させる荷取り指令を含む。制御装置56は、上位制御装置71からの指令に従ってフォークリフト20の制御を行う。
【0029】
フォークリフト20は、カメラ62を備えていてもよい。カメラ62は、デジタルカメラである。カメラ62は、撮像素子を備える。撮像素子としては、例えば、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device image sensor)、及びCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor image sensor)を挙げることができる。カメラ62としては、例えば、RGBカメラ、赤外線カメラ、グレースケールカメラ、及び可視光カメラを挙げることができる。カメラ62は、所定のフレームレートで撮像を行って画像データを生成する。この画像データは、カメラ62で撮像した画像のデジタルデータである。カメラ62は、フォークリフト20の前方を撮像するように設けられている。カメラ62は、フォークリフト20の上部に設けられる。例えば、カメラ62は、ヘッドガードに設けられる。
【0030】
<荷役制御>
制御装置56が行う荷役制御について説明する。荷役制御は、フォークリフト20の荷役中に実行される。荷役制御は、所定の制御周期で繰り返し実行される。
【0031】
図4に示すように、ステップS1において、制御装置56は、荷役指令を受信する。荷役指令は、荷積み指令、又は荷取り指令である。例えば、制御装置56は、運行データに従い荷役開始位置まで移動した後に、荷役指令を受信する。そして、荷役開始位置から荷役を開始する。荷役開始位置は、例えば、停車位置PS1から所定距離離れた位置である。
【0032】
次に、ステップS2において、制御装置56は、点群データを取得する。例えば、制御装置56は、自己位置推定制御装置52を介してレーザ距離計51から点群データを取得することができる。点群データは、センサ座標系の点の位置を表すデータであってもよい。制御装置56は、センサ座標系の点の位置を地図座標系の点の位置に変換することによって、地図座標系の点の位置を表す点群データを得てもよい。点群データの取得は、フォークリフト20が停止している状態で行われてもよいし、フォークリフト20が走行している状態で行われてもよい。
【0033】
図5には、点群データPM1の一例を示す。図5に示すように、点群データPM1に含まれる各点P1は、物体の座標を表している。説明の便宜上、点群データPM1に含まれる各点P1を第1点P11、第2点P12、及び第3点P13に分類して説明を行う。第1点P11は、搬送車両10にレーザ光が照射されることで得られた点P1である。第2点P12は、積載面12に積載されているパレットPA1及び荷C1にレーザ光が照射されることで得られた点P1である。第3点P13は、人M1にレーザ光が照射されることで得られた点P1である。
【0034】
図4に示すように、次に、ステップS3において、制御装置56は、点群データPM1から人型の点群を検出する。人型の点群は、第3点P13の集合である。人型の点群の検出は、モデルD2を用いて行われる。モデルD2は、機械学習によって生成された学習済みモデルである。モデルD2は、例えば、画像認識モデルである。モデルD2として画像認識モデルを用いる場合、点群データPM1を水平方向に投影した側面図を画像データとして用いればよい。モデルD2は、側面図における人型の点群の位置を検出する。制御装置56は、側面図における人型の点群の位置をセンサ座標系の座標、あるいは、地図座標系の座標に変換する。
【0035】
機械学習のアルゴリズムとしては、例えば、SSD(Single Shot Multibox Detector)、R-CNN(Regional Convolutional Neural Network)、fast R-CNN、faster R-CNN、及びYOLO(You Only Look Once)を挙げることができる。モデルD2は、例えば、教師データを用いた教師有り学習、あるいは、半教師有り学習によって生成されている。
【0036】
制御装置56は、点P1によって表される形状から人型の点群を検出してもよい。例えば、制御装置56は、テンプレートとの照合により人型の点群を検出してもよい。
次に、ステップS4において、制御装置56は、フォークリフト20と人M1との距離を検出する。フォークリフト20と人M1との距離は、人型の点群の座標から検出することができる。例えば、センサ座標系における人型の点群の座標からレーザ距離計51から人型の点群までの距離を算出することができる。この距離をフォークリフト20と人M1との距離としてもよい。地図座標系における人型の点群の座標から自己位置から人型の点群までの距離を算出することができる。この距離をフォークリフト20と人M1との距離としてもよい。フォークリフト20と人M1との距離は、ユークリッド距離であってもよい。フォークリフト20と人M1との距離は、フォークリフト20と人M1との前後方向の距離であってもよい。フォークリフト20と人M1との距離は、フォークリフト20と人M1との左右方向の距離であってもよい。
【0037】
次に、ステップS5において、制御装置56は、人M1の移動方向を検出する。人M1の移動方向は、過去の制御周期における人型の点群の位置と今回の制御周期における人型の点群の位置とを比較することで検出できる。例えば、1回前の制御周期における人型の点群の位置と今回の制御周期における人型の点群の位置とが異なっていた場合、人型の点群が移動した方向を人M1の移動方向として検出すればよい。
【0038】
次に、ステップS6において、制御装置56は、停止条件が成立したか否かを判定する。停止条件は、フォークリフト20と人M1との距離が閾値未満であることを含む。閾値は、任意に設定することができる。例えば、フォークリフト20が荷役を行う際に荷崩れが生じた場合に、荷C1と人M1との接触を抑制できるように閾値は設定されている。荷崩れが生じる荷C1は、フォーク30に積載されている荷C1及び積載面12に積載されている荷C1を含む。停止条件は、人M1の移動方向がフォークリフト20に近づく方向であることを含んでいてもよい。本実施形態において、フォークリフト20と人M1との距離が閾値未満であり、かつ、人M1の移動方向がフォークリフト20に近づく方向である場合に停止条件が成立する。ステップS6の判定結果が否定の場合、制御装置56は、ステップS7の処理を行う。ステップS6の判定結果が肯定の場合、制御装置56は、ステップS9の処理を行う。
【0039】
ステップS7において、制御装置56は、荷役装置24を制御することによって荷役を実行する。
次に、ステップS8において、制御装置56は、荷役が終了したか否かを判定する。制御装置56は、フォーク30から積載面12に荷C1が移されて積載面12に荷C1が積載された場合に荷置きが終了したと判断してもよい。制御装置56は、積載面12からフォーク30に荷C1が移されてフォーク30に荷C1が積載された場合に荷取りが終了したと判断してもよい。これらの判定は、例えば、フォーク30に荷C1が積載されているか否かを検出する積載センサの検出結果に基づいて行われてもよい。ステップS8の判定結果が肯定の場合、荷役制御を終了する。ステップS8の判定結果が否定の場合、制御装置56は、ステップS2に戻る。
【0040】
ステップS9において、制御装置56は、荷役装置24を制御することによって荷役を停止する。本実施形態において、制御装置56は、荷役を一時停止する。即ち、次回以降の制御周期でステップS6の判定結果が否定になった場合、荷役が再開される。
【0041】
[本実施形態の作用]
フォークリフト20の荷役時には、レーザ距離計51の測定結果である点群データPM1が制御装置56に入力される。本実施形態において、搬送車両10の荷台11に対して荷役が行われる。積載面12に人M1が存在している場合、点群データPM1には人型の点群が含まれる。制御装置56は、人型の点群を検出することによってフォークリフト20と人M1との距離を検出する。制御装置56は、フォークリフト20と人M1との距離が閾値未満であることを含む停止条件が成立した場合、荷役を停止することができる。
【0042】
フォークリフト20の荷役時には、フォークリフト20の近くで人M1が作業を行っている場合がある。例えば、本実施形態のように、フォークリフト20が搬送車両10の荷台11に対して荷役を行うとする。荷台11では、人M1が作業を行っている場合がある。例えば、人M1は、荷台11の積載面12で緩衝材の着脱を行っている場合がある。そして、フォークリフト20の荷役に際して荷崩れが生じると、人M1と荷C1とが接触するおそれがある。停止条件が成立した場合に荷役を停止することによって、人M1と荷C1とが接触することを抑制できる。
【0043】
[本実施形態の効果]
(1)レーザ距離計51の測定結果からフォークリフト20と人M1との距離を検出することによって、カメラを用いる場合に比べて逆光や照度などの環境要因によって人M1までの距離を測定できないことが生じにくい。制御装置56は、停止条件が成立した場合に荷役を停止することができる。
【0044】
(2)停止条件は、人M1の移動方向がフォークリフト20に近づく方向であることを含む。人M1の移動方向がフォークリフト20に近づく方向である場合、人M1はフォークリフト20に近づくように移動している。フォークリフト20と人M1との距離が閾値未満の場合であっても、人M1の移動方向がフォークリフト20から離れる方向である場合、荷C1と人M1とは接触しにくい。人M1の移動方向がフォークリフト20に近づく方向であることを停止条件に含めることで、荷C1と人M1とが接触することを適切に抑制できる。
【0045】
(3)レーザ距離計51は、自己位置推定制御装置52が自己位置の推定を行うために設けられている。自己位置の推定に用いられるレーザ距離計51は、死角が少なくなるように、フォークリフト20の上部に設けられる。制御装置56は、フォークリフト20の走行している路面よりも高い位置である積載面12に対して荷役を行う。積載面12は、フォークリフト20の走行している路面よりも高い位置にあるため、フォークリフト20の下部にレーザ距離計51を設けた場合、人M1にレーザ光が到達しにくい。この場合、積載面12上の人M1を検出できない場合がある。これに対して、レーザ距離計51はフォークリフト20の上部に設けられているため、積載面12上の人M1を検出しやすい。従って、積載面12に人M1が存在しているにも関わらず荷役の停止が行われないことが抑制される。
【0046】
(4)フォークリフト20の備えるレーザ距離計51によってフォークリフト20と人M1との距離を検出している。周辺環境に新たな設備を追加することなく、積載面12上に人M1がいる場合に荷役を停止することができる。
【0047】
[変更例]
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0048】
○停止条件は、フォークリフト20の停止を指示するジェスチャを人M1が行っていることを含んでいてもよい。この場合、制御装置56は、カメラ62から画像データを取得する。そして、制御装置56は、画像処理によりジェスチャを認識する。制御装置56は、フォークリフト20と人M1との距離が閾値未満であり、かつ、フォークリフト20の停止を指示するジェスチャを人M1が行っている場合に停止条件が成立していると判定してもよい。制御装置56は、フォークリフト20と人M1との距離が閾値未満であり、かつ、人M1の移動方向がフォークリフト20に近づく方向であり、かつ、フォークリフト20の停止を指示するジェスチャを人M1が行っている場合に停止条件が成立していると判定してもよい。制御装置56は、点群データPM1からジェスチャを認識してもよい。
【0049】
○制御装置56は、ステップS9で荷役を継続して停止してもよい。この場合、例えば、管理者が安全を確認した上でフォークリフト20に指示を与えることで荷役を再開させればよい。
【0050】
○レーザ距離計51は、フォークリフト20の上部とは異なる位置に設けられていてもよい。
○レーザ距離計51は、自己位置の推定に用いられていなくてもよい。例えば、レーザ距離計51は、フォークリフト20と障害物との接触を抑制するために設けられていてもよいし、荷役制御のために設けられていてもよい。
【0051】
○制御装置56が自己位置の推定を行ってもよい。この場合、制御装置56が自己位置推定制御装置である。即ち、制御装置56と自己位置推定制御装置52とは同一の装置であってもよいし、異なる装置であってもよい。
【0052】
○フォークリフト20は、バースに対して荷役を行ってもよい。バースは、フォークリフト20が走行している路面よりも高い位置である。
【符号の説明】
【0053】
M1…人、P1…点、PM1…点群データ、12…積載面、20…フォークリフト、24…荷役装置、51…レーザ距離計、52…自己位置推定制御装置、56…制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5