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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086282
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20240620BHJP
   B60K 35/23 20240101ALI20240620BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201329
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】マレリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148301
【弁理士】
【氏名又は名称】竹原 尚彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176991
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 由布子
(74)【代理人】
【識別番号】100217696
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 英行
(72)【発明者】
【氏名】桑原 康次
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA15
2H199DA28
2H199DA29
2H199DA33
2H199DA48
3D344AA08
3D344AA20
3D344AA27
3D344AB01
3D344AC25
3D344AD13
(57)【要約】
【課題】液晶ディスプレイに入射する太陽光を検出する。
【解決手段】表示装置1は、液晶ディスプレイ2の出射光OLを反射する反射部3を備えている。反射部3は、コールドミラー31と、赤外光センサ35と、遮光壁37と、を備える。コールドミラー31は、赤外光を透過して可視光を反射する。赤外光センサ35は、コールドミラー31の反射面の背面側に設けられている。遮光壁37は、コールドミラー31の背面側において、コールドミラー31と赤外光センサ35との間に設けられている。遮光壁37は、液晶ディスプレイ2の出射光OLに含まれ、コールドミラー31を透過した赤外光ILaを遮光する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部の出射光を反射する反射部を備え、
前記反射部は、
赤外光を透過して可視光を反射するコールドミラーと、
前記コールドミラーの背面側に設けられた赤外光センサと、
前記コールドミラーの背面側において、前記コールドミラーと前記赤外光センサとの間に設けられ、前記表示部の出射光に含まれ、前記コールドミラーを透過した赤外光を遮光する遮光壁と、を備える、表示装置。
【請求項2】
前記反射部は、複数の前記赤外光センサが配置された基板を備え、
前記基板は、前記コールドミラーに対して非平行に配置される、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記赤外光センサは、前記コールドミラーを透過した、前記表示部の出射光に含まれる赤外光の光路に対してオフセットして設けられ、前記遮光壁は当該光路上に設けられ、
前記赤外光センサは、前記コールドミラーを透過した、太陽光に含まれる赤外光の光路上に設けられている、請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記基板には、互いに間隔を空けて配置された複数の赤外光センサからなる列が、互いに間隔を空けて複数形成されており、前記遮光壁は、前記列の延在方向に沿って、前記列に隣接して配置される、請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
前記遮光壁は、前記列が延びる方向に沿って配置された第1の遮光壁と、前記第1の遮光壁に交差して配置された第2の遮光壁と、を備える、請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記遮光壁は、前記基板に配置された前記赤外光センサを囲む筒状に形成される、請求項2記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記赤外光センサが測定する赤外光の光量が閾値以上である場合に、前記表示部に光の出射を停止させる、請求項1~6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記表示部に光の出射を停止させた後、前記赤外光センサが測定する赤外光の光量が前記閾値未満になった場合に、前記表示部に光を出射させる、請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
前記反射部が反射した前記出射光を拡大して反射する凹面鏡と、
前記凹面鏡を、太陽光が入射可能な第1の位置と、太陽光の入射を回避する第2の位置との間で移動させる移動機構と、を備え、
前記制御部は、前記表示部および前記移動機構を制御し、
前記制御部は、前記赤外光センサが測定する赤外光の光量が閾値以上である場合に、前記表示部に光の出射を停止させると共に、前記移動機構に前記凹面鏡を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる、請求項8記載の表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記表示部に光の出射を停止させた後、所定時間が経過すると、前記移動機構に前記凹面鏡を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させ、前記赤外光センサが測定する赤外光の光量が閾値未満となった場合に、前記表示部に光を出射させる、請求項9記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、画像を構成する光を出射する表示部と、表示部の出射光を反射する反射部と、を有する。
表示部は、例えば、車室のインストルメントパネルの内部に設けられた液晶ディスプレイから構成することができる。反射部が、液晶ディスプレイの出射光を車室内の運転者に向かって反射させることで、運転者は画像の虚像を視認することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6135048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車室内に入射する太陽光が、反射部で反射されて、インストルメントパネルの内部の液晶ディスプレイに入射することがある。太陽光が入射した状態で液晶ディスプレイを動作させると、液晶ディスプレイの温度が急激に上昇する可能性がある。
表示装置において、液晶ディスプレイに入射する太陽光を検出することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る表示装置は、
表示部の出射光を反射する反射部を備え、
前記反射部は、
赤外光を透過して可視光を反射するコールドミラーと、
前記コールドミラーの背面側に設けられた赤外光センサと、
前記コールドミラーの背面側において、前記コールドミラーと前記赤外光センサとの間に設けられ、前記表示部の出射光に含まれ、前記コールドミラーを透過した赤外光を遮光する遮光壁と、を備える、表示装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、表示装置において、表示部に入射する太陽光を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る表示装置の構成を模式的に示す図である。
図2】反射部の構成を示す模式図である。
図3】基板を、コールドミラー側から見た模式図である。
図4】反射部に入射する太陽光を示す図である。
図5】制御装置の構成を示すブロック図である。
図6】制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図7】変形例1に係る表示装置の構成を示す図である。
図8】変形例1に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
図9】変形例1に係る制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図10】変形例2に係る遮光壁の構成を示す模式図である。
図11】変形例3に係る遮光壁の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る表示装置を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る表示装置1の構成を模式的に示す図である。
図1に示すように、表示装置1は、自動車等の車両の車室VR内に設置される。
図面では、表示装置1の車室VRへの設置状態を基準とした方向を示している。以降の説明において、「上」および「下」とは、鉛直線方向(図1の上下方向)における「上」および「下」を意味する。「前」および「後」とは、車両前後方向(図1の左右方向)における「車両前方側」と「車両後方側」を意味する。また、車両前後方向および鉛直線方向に直交する方向(紙面手前側から奥側に向かう方向)を、車幅方向という。
【0009】
図1に示すように、車室VRにはインストルメントパネル7とダッシュパネル8が設けられている。ダッシュパネル8は、車両前方側に設けられた、車室VRと不図示のエンジンルーム(またはモータルーム)とを隔てる隔壁である。インストルメントパネル7は、車室VRの前方側を覆うカバー部材であり、ダッシュパネル8とステアリングホイールSWの間に位置する。またインストルメントパネル7には、計器類、操作スイッチ、メインディスプレイ、オーディオ機器等が設置されている。
ダッシュパネル8の上側には、フロントウインドシールド9が設けられている。フロントウインドシールド9は、車両前方側から後方側に向かって斜め上方に張り出すように傾斜して設けられる。すなわち、フロントウインドシールド9は、ダッシュパネル8の上側から、インストルメントパネル7の上側を、車両前後方向に横断するように張り出している。フロントウインドシールド9の下端部には、黒色のセラミック塗料が帯状に塗布された帯状部91が形成されている。
【0010】
本実施形態の表示装置1は、いわゆるヘッドアップディスプレイ装置である。表示装置1は、運転者が運転中に視線を大きく移動させることなく車両の走行情報を視認するための運転支援装置である。
表示装置1は、走行情報として、例えば、走行速度、ガソリン残量等の車両の状態に関する情報や、歩行者飛出し、車両割込み、車線逸脱等に対するアラーム等を含む画像を表示することができる。
【0011】
図1に示すように、表示装置1は、液晶ディスプレイ2(表示部)、反射部3、プレート4および制御装置5を備える。
液晶ディスプレイ2は、運転者に表示する画像を構成する光を出射する。
反射部3は、液晶ディスプレイ2の出射光OLを、プレート4に向けて反射させる。
プレート4は、反射部3から入射した出射光OLを、運転者のアイポイントEPに向けて反射させる。出射光OLが運転者のアイポイントEPに到達することで、運転者が、液晶ディスプレイ2の画像の虚像を視認する。
運転者のアイポイントEPは、アイレンジERの範囲内に位置するものであり、運転者の体格や姿勢によって位置が変化することがある。アイレンジERは、運転者のアイポイントEPが分布する範囲を統計的に表すものである。なお、図1で示すアイレンジERの範囲(二点鎖線)は、あくまで模式的なものである。
【0012】
図示は省略するが、液晶ディスプレイ2は、2枚の偏光板に挟み込まれた液晶セルと、液晶セルに光を照射するバックライトと、を備える。液晶ディスプレイ2は、2枚の偏光板の偏光角を制御することで、液晶セルにおける光の通過および遮断を切り替えることができる。液晶ディスプレイ2は、画像を構成する画素ごとに光の通過および遮断を切り替えることで、画像を構成する光を出射する。
【0013】
液晶ディスプレイ2は、インストルメントパネル7の内部に設けられた収容部72に配置されている。インストルメントパネル7の上面71には、収容部72に接続する開口部73が設けられている。開口部73は、液晶ディスプレイ2の出射光OLの光路上に形成される。開口部73は、収容部72の車両前方側に位置する。液晶ディスプレイ2は、画像の表示面を、車両前方側の斜め上方に向けて配置される。すなわち、液晶ディスプレイ2は、車両前方側の斜め上方に向かって光を出射する。反射部3は、液晶ディスプレイ2の車両前方側の斜め上方に配置されている。反射部3は、液晶ディスプレイ2の出射光OLの光路上に位置する。プレート4は、反射部3の車両後方側の斜め上方に配置されている。プレート4は、反射部3が反射した出射光OLの光路上に位置している。
【0014】
プレート4は、例えば、不透光性の薄板部材から構成することができる。
プレート4は、車両前後方向において、インストルメントパネル7とフロントウインドシールド9の間に設けられている。プレート4は、例えば、フロントウインドシールド9に沿って、車両前方側から後方側に向かって斜め上方に傾斜して設けられる。
なお、液晶ディスプレイ2、反射部3およびプレート4の位置関係は、図1に例示したものに限定されず、車室VR内のレイアウトに応じて、適宜変更可能である。
【0015】
図2は、反射部3の構成を示す模式図である。
図2に示すように、反射部3は、コールドミラー31と、赤外光センサ35が配置された基板33と、遮光壁37と、を備える。図1に示すように、反射部3は、ダッシュパネル8に取り付けられたケース39内に収容される。
図2に示すように、ケース39は、車両後方側に開口39aを有している。コールドミラー31は、ケース39の開口39aに面して配置されている。プレート4は、ケース39の開口39aの上端側に配置されている。
基板33は、ケース39内において、コールドミラー31の背面側、すなわち車両前方側に、コールドミラー31と間隔を空けて配置される。
遮光壁37は、車両前後方向において、基板33とコールドミラー31との間に配置されている。
【0016】
コールドミラー31は、ガラスに誘電体多層膜を真空蒸着等して形成されるものであり、赤外光を透過して、可視光を反射する鏡である。
コールドミラー31は、可視光を反射する面が開口39aに面して配置され、液晶ディスプレイ2の出射光OLの光路上に位置している。液晶ディスプレイ2の出射光OLがコールドミラー31に入射すると、赤外光ILa(破線)が出射光OLから分離され、コールドミラー31を透過して車両前方側の斜め上方に向かう。一方、可視光である出射光OLは、コールドミラー31に反射されて、車両後方側の斜め上方に設けられたプレート4に入射する。
【0017】
図2に示すように、コールドミラー31と基板33は、それぞれ上下方向に延びる線分L1、線分L2に沿って配置されている。
線分L1と線分L2は、コールドミラー31で反射された出射光OL(可視光)の光路に沿う直線を横切る向きに位置している。
線分L1と線分L2は、下側から上側に向かうにつれて、車両前方側に位置するように傾いているが、線分L2は、線分L1よりも上下方向に対する傾斜角度が大きい。すなわち、基板の線分L2は、コールドミラー31の線分L1に対して非平行である。
言い換えれば、基板33はコールドミラー31に対して、車幅方向から見て、非平行に設けられている。基板33は、コールドミラー31に対して、車両前方側の斜め下方に位置している。基板33は、コールドミラー31を透過して斜め上方に向かう出射光OLの赤外光ILaの光路からオフセットして配置されている。
【0018】
車両前後方向において、基板33とコールドミラー31との間には、複数の遮光壁37が配置されている。
図3は、基板33を、コールドミラー31側(車両後方側)から見た模式図である。図3では、基板33に対する遮光壁37の位置を、クロスハッチングを付した仮想線の枠で示している。なお、図3では、遮光壁37は模式的に全て同じサイズで図示している。
【0019】
図3に示すように、基板33には、赤外光の光量を測定する複数の赤外光センサ35が配置されている。
基板33には、複数の赤外光センサ35から構成される列36が、複数形成されている。
各列36は、車幅方向に沿った線分L3に沿って配置されている。
各列36において、複数の赤外光センサ35が、車幅方向に互いに間隔を空けて並んでいる。赤外光センサ35の列36は、上下方向に互いに間隔を空けて形成されている。
図3の例では、基板33には赤外光センサ35の列36が3つ形成され、各列36は3つの赤外光センサ35から構成される。3つの赤外光センサ35は、基板33の車幅方向の一端側、他端側および中央部にそれぞれ配置されている。図3の例では、基板33には、合計で9つの赤外光センサ35が配置されている。
なお、赤外光センサ35の数および配置する位置は特定の態様に限定されるものではないが、赤外光センサ35は、基板33上に分散して配置すると良い。
【0020】
複数の遮光壁37は、赤外光センサ35の列36の上下方向に隣接して配置されている。すなわち、複数の遮光壁37は、各赤外光センサ35を上下方向において挟み込むように配置されている。図3の例では、4つの遮光壁37が配置されている。
各遮光壁37は、基板33の車幅方向における一端側から他端側に向かって、赤外光センサ35の列36が延在する線分L3に沿って配置されている。
図2に示すように、各遮光壁37は、車両前方側の端部が基板33に接続され、車両後方側の端部がコールドミラー31に接続されている。最も上側に設けられた遮光壁37は、コールドミラー31の上端と基板33の上端を接続している。最も下側に設けられた遮光壁37は、コールドミラー31の下端と基板33の下端を接続している。
【0021】
基板33とコールドミラー31を接続する遮光壁37は、基板33の線分L2およびコールドミラーの線分L1を横切る向きに配置されている。
基板33とコールドミラー31は非平行に設けられているため、基板33とコールドミラー31の車両前後方向の間隔は、下側から上側に向かうにつれて狭くなっている。そのため、複数の遮光壁37は、上側から下側に向かうにつれて、車両前後方向の長さが短くなっている。
前記したように、基板33は、コールドミラー31を透過した出射光OLの赤外光ILaの光路からオフセットして配置されている。そのため、基板33上に設けられている赤外光センサ35も、赤外光ILaの光路からオフセットしている。
【0022】
図2に示すように、各赤外光センサ35の上側および下側には、遮光壁37が配置されている。すなわち、遮光壁37は、コールドミラー31を透過して斜め上方に向かう赤外光ILaの光路上に位置する。そのため、コールドミラー31を透過した赤外光ILaは、遮光壁37に遮られる。遮光壁37に遮られることで、赤外光ILaがケース39内で反射して、赤外光センサ35に入射することが防止される。
【0023】
図4は、反射部3に入射する太陽光SLを示す図である。
図4に示すように、車室VR内には、太陽光SLが射し込むことがある。さらに、太陽光SLが射し込む角度によって、太陽光SLが、ケース39の開口39aを介してコールドミラー31に入射することがある。コールドミラー31における太陽光SLの入射角度が、液晶ディスプレイ2の出射光OL(図2参照)の出射角度に近い場合、コールドミラー31で反射された太陽光SLが、インストルメントパネル7内部に配置された液晶ディスプレイ2に入射することがある。
太陽光SLがコールドミラー31に入射する際、太陽光SLに含まれる赤外光ILbが分離され、コールドミラー31を透過して、車両前方側の斜め下方に向かう。
【0024】
コールドミラー31の車両前方側の斜め下方には、基板33が位置している。図4に示すように、基板33は、コールドミラー31を透過する赤外光ILbの光路に沿う直線を横切る向き(線分L2)に配置されている。すなわち、基板33は赤外光ILbの光路上に位置し、基板33に配置された赤外光センサ35には、赤外光ILbが入射する。すなわち、赤外光センサ35は、コールドミラー31を透過した太陽光SLの赤外光ILbの光量を測定することができる。
一方、基板33とコールドミラー31の間に配置された遮光壁37は、赤外光ILbの光路に沿った向きに配置されている。そのため、コールドミラー31を透過した太陽光SLは遮光壁37に遮られにくく、赤外光センサ35に入射しやすい。
【0025】
コールドミラー31の上方にはプレート4が張り出しており、車両の上方から射し込む太陽光SLは、プレート4によって遮られてコールドミラー31に到達しないこともある。すなわち、コールドミラー31への太陽光SLの入射角度は限定されている。事前のシミュレーションや試験等によって、太陽光SLの入射角度を検証し、赤外光ILbの光路上に赤外光センサ35が位置するように、基板33およびコールドミラー31のサイズおよび位置関係等を適宜調整することができる。
【0026】
基板33は、例えば、コールドミラー31と同じか、コールドミラー31よりも大きいサイズにすることができる。具体的には、基板33の車幅方向の長さと、上下方向の長さをコールドミラー31と同じが、コールドミラー31より長くすることができる。
これによって、コールドミラー31を透過した太陽光SLの赤外光ILbが、漏れなく基板33に入射しやすくなる。さらに基板33の全面に亘って赤外光センサ35が配置されているため、例えば、コールドミラー31に局所的に太陽光SLが入射している場合でも、いずれかの赤外光センサ35において、赤外光ILbを検出することができる。
また、図2の一部の遮光壁37において示しているように、遮光壁37の厚み(上下方向の長さ)を、車両前方側から車両後方側に向かうにつれて薄くなるように形成しても良い。これによって、車両後方側の上方から射し込む太陽光SLが、遮光壁37に遮られずに、赤外光センサ35に到達しやすくなる。
【0027】
図5は、制御装置5の構成を示すブロック図である。
制御装置5は、図示は省略するが、CPU等のプロセッサと、ROMおよびRAM等のメモリと、から構成される。メモリには、制御装置5で実行される各種プログラムが格納されている。プロセッサがプログラムを実行することで、図5に示す機能構成が実現される。メモリには、また、制御装置5の各部の処理に必要なデータが格納され、各部の処理結果が一時的に記憶される。
制御装置5は、例えば、車両の各種の制御を行うECU(Electronic Control Unit)の一つの機能として実現しても良い。
【0028】
図5に示すように、制御装置5は、液晶ディスプレイ2と、反射部3の複数の赤外光センサ35に接続されている。制御装置5は、赤外光センサ35から、赤外光ILbの光量の測定値MVを取得する。制御装置5は、取得した測定値MVに基づいて、液晶ディスプレイ2の動作を制御する。
【0029】
制御装置5は、赤外光判定部51と、報知部52と、ディスプレイ制御部53と、を備える。
赤外光判定部51は、赤外光センサ35の測定値MVを取得して、閾値THと比較する。
赤外光判定部51が、測定値MVが閾値TH以上であると判定した場合、報知部52は液晶ディスプレイ2の停止を運転者に報知する。
ディスプレイ制御部53は、報知部52による報知の後、液晶ディスプレイ2のバックライトを消灯して、液晶ディスプレイ2に光の出射を停止させる。
赤外光判定部51は、液晶ディスプレイ2の停止後、赤外光センサ35の測定値MVと閾値THの比較を行う。赤外光判定部51が、測定値MVが閾値TH未満と判定した場合は、ディスプレイ制御部53は、液晶ディスプレイ2のバックライトを点灯して、液晶ディスプレイ2に光を出射させる。
【0030】
図4で示したように、車室内に射し込んだ太陽光SLが、コールドミラー31で反射されて、インストルメントパネル7の内部の液晶ディスプレイ2に入射することがある。液晶ディスプレイ2は光を出射すると、バックライトの点灯により発熱する。バックライトの発熱に太陽光SLの熱が加わると、液晶ディスプレイ2の温度が急激に上昇して、液晶ディスプレイ2に影響を与える可能性がある。
そこで、液晶ディスプレイ2に太陽光SLが入射している間は、液晶ディスプレイ2に光の出射を停止させることが望ましい。光の出射の停止は、画像を構成する液晶セルの動作の停止と、液晶セルに光を照射するバックライトの消灯を含む。バックライトを消灯させることで、バックライトの発熱が抑えられるため、太陽光SLが入射している状態でも、液晶ディスプレイ2の急激な温度上昇が低減される。
【0031】
ここで、赤外光センサ35には、コールドミラー31を透過した太陽光SLに含まれる赤外光ILbが入射する。すなわち、赤外光センサ35で測定される赤外光ILbの光量は、コールドミラー31で反射され、液晶ディスプレイ2に入射する太陽光SL(可視光)の光量に対応するものである。すなわち、赤外光センサ35の測定値MVから、液晶ディスプレイ2への太陽光SLの入射を検出することができる。
すなわち、赤外光判定部51が赤外光センサ35の測定値MVと比較する閾値THは、液晶ディスプレイ2に入射した場合に、液晶ディスプレイ2の急激な温度上昇に繋がる太陽光SLの光量を示すものである。閾値THは、事前にシミュレーションまたは試験等を行って予め設定したものを用いても良い。あるいは、閾値THは、測定値MVとの比較を行う際の、雰囲気温度および液晶ディスプレイ2のバックライトによる発熱を考慮して決定しても良い。赤外光センサ35には、赤外線を受光した際の受光素子の温度上昇によって生じる電気的性質の変化を検知するタイプのものもある。このような場合には、例えば、表示装置1に、雰囲気温度および液晶ディスプレイ2の温度を測定する温度センサを設けても良い。赤外光判定部51は、予め設定した基準値に対して、温度センサの測定値を考慮した補正を行って、閾値THを逐次決定しても良い。
【0032】
液晶ディスプレイ2を停止させると、プレート4には画像が表示されなくなる。そのため、液晶ディスプレイ2の停止を運転者に事前に報知することが望ましい。
報知は特定の態様に限定されるものではない。報知部52は、一例として、液晶ディスプレイ2の停止を報知する文字情報を含む画像を、液晶ディスプレイ2に表示させることができる。文字情報は、例えば、「液晶ディスプレイ2の温度が上昇しているため、○○秒後に液晶ディスプレイ2を一時的に停止します」とすることができる。
あるいは、報知部52は、表示装置1の外部に設けられた、他の運転支援装置を介して、報知を行っても良い。報知部52は、例えば、インストルメントパネル7に設置されたメインディスプレイを介して、液晶ディスプレイ2の停止を報知する文字情報を含む画像を表示しても良い。さらに、メインディスプレイの近傍等にアラームランプ等がある場合は、報知部52は、画像の表示と共にアラームランプを点灯させても良い。また、報知部52は、例えば、車内に設置されたスピーカを介して、液晶ディスプレイ2の停止を音声情報として報知しても良い。
【0033】
ディスプレイ制御部53は、報知部52による報知から所定時間が経過すると、液晶ディスプレイ2に光の出射を停止させる。
液晶ディスプレイ2を停止させた後、時間の経過や車両の移動によって、太陽光SLが液晶ディスプレイ2に入射しなくなれば、液晶ディスプレイ2の急激な温度上昇の可能性は低減される。その場合は、液晶ディスプレイ2に再び光を出射させることができる。すなわち、液晶ディスプレイ2の液晶セルを動作させ、液晶セルに光を照射するバックライトの点灯させることができる。
赤外光判定部51が、液晶ディスプレイ2の停止から所定時間経過した後に、再び赤外光センサ35の測定値MVを閾値THと比較することで、液晶ディスプレイ2に再び光を出射させることができるかを判定することができる。
【0034】
図6は、制御装置5の処理の流れを示すフローチャートである。
赤外光判定部51は、赤外光センサ35の測定値MVを取得して(ステップS01)、測定値MVを閾値THと比較する(ステップS02)。赤外光判定部51は、測定値MVが閾値TH未満である場合(ステップS02:No)、処理を終了する。
赤外光判定部51が、測定値MVが閾値TH以上であると判定した場合(ステップS02:Yes)、ステップS03に進む。
【0035】
前記したように、基板33には赤外光センサ35が設けられている。ステップS01~S02において、赤外光判定部51は、具体的には、複数の赤外光センサ35の測定値MVを順次取得して、それぞれを閾値THと比較する。赤外光判定部51は、全ての測定値MVが閾値TH未満であれば処理を終了し、測定値MVの少なくとも一つが閾値TH以上であれば、ステップS03に進む。
これによって、液晶ディスプレイ2に局所的に太陽光SLが入射している場合でも、太陽光SLの入射を検出することができる。
【0036】
報知部52は、液晶ディスプレイ2の停止を運転者に報知する(ステップS03)。
ディスプレイ制御部53は、報知から時間t1が経過すると(ステップS04:Yes)、液晶ディスプレイ2のバックライトを消灯して、液晶ディスプレイ2に光の出射を停止させる(ステップS05)。
赤外光判定部51は、液晶ディスプレイ2の停止から時間t2が経過すると(ステップS06:Yes)、赤外光センサ35の測定値MVを取得する(ステップS07)。
時間t1および時間t2は適宜設定することができるが、一例として、時間t1より時間t2を長く設定することができる(t1<t2)。
【0037】
赤外光判定部51は、取得した測定値MVを閾値THと比較する(ステップS08)。ステップS08の用いる閾値THは、ステップS02に用いる閾値THと同じとすることができる。
赤外光判定部51が、測定値MVを閾値TH未満と判定した場合は(ステップS08:No)、ディスプレイ制御部53は、液晶ディスプレイ2のバックライトを点灯して、光を出射させる(ステップS09)。
赤外光判定部51が、測定値MVが閾値TH以上と判定した場合は(ステップS08:Yes)、液晶ディスプレイ2に依然として太陽光SLが入射している可能性が高い。赤外光判定部51は、ステップS06に戻り、時間t2が経過した後に、再び閾値THとの比較を行うことができる。
【0038】
ステップS07およびステップS08においても、赤外光判定部51は、複数の赤外光センサ35の測定値MVを順次取得して、それぞれを閾値THと比較することができる。赤外光判定部51が、全ての測定値MVが閾値TH未満と判定すれば、ディスプレイ制御部53は液晶ディスプレイ2のバックライトを点灯して、光を出射させる。赤外光判定部51が、測定値MVの少なくとも一つが閾値TH以上であると判定すれば、ステップS06に戻るようにしても良い。
【0039】
ステップS09において、液晶ディスプレイ2の動作を再開した後、再び液晶ディスプレイ2に太陽光SLが入射する可能性がある。そのため、図6に示した処理は、車両の走行中に繰り返し行う。すなわち、制御装置5は、定期的に赤外光センサ35の測定値MVを取得して閾値THとの比較を行い、判定結果に応じて、液晶ディスプレイ2の制御を行う。
【0040】
以上の通り、実施形態に係る表示装置1は、例えば、以下の構成を有する。
(1)表示装置1は、液晶ディスプレイ2(表示部)の出射光OLを反射する反射部3を備えている。
反射部3は、コールドミラー31と、赤外光センサ35と、遮光壁37と、を備える。
コールドミラー31は、赤外光を透過して可視光を反射する。
赤外光センサ35は、コールドミラー31の反射面の背面側に設けられている。
遮光壁37は、コールドミラー31の背面側において、コールドミラー31と赤外光センサ35との間に設けられている。遮光壁37は、液晶ディスプレイ2の出射光OLに含まれ、コールドミラー31を透過した赤外光ILaを遮光する。
【0041】
実施形態に係る表示装置1は、このような構成を備えることで、液晶ディスプレイ2に入射する太陽光SLを検出することができる。
具体的には、コールドミラー31によって、太陽光SLに含まれる赤外光ILbを分離する。さらに、コールドミラー31の背面側に設けた赤外光センサ35を設けて、コールドミラー31を透過した赤外光ILbの光量を測定する。赤外光ILbの光量は、コールドミラー31に反射されて液晶ディスプレイ2に入射する太陽光SL(可視光)の光量に対応するものである。すなわち、赤外光センサ35は、液晶ディスプレイ2に入射する太陽光SLを検出することができる。
ここで、液晶ディスプレイ2の出射光OLにも赤外光ILaが含まれており、この赤外光ILaが赤外光センサ35に入射すると、赤外光センサ35を用いて、液晶ディスプレイ2に入射する太陽光SLを検出する精度に影響を与える可能性がある。
そこで、赤外光センサ35とコールドミラー31の間に、遮光壁37を設ける。遮光壁37は、出射光OLに含まれ、コールドミラー31を透過した赤外光ILaを遮光する。これによって、赤外光センサ35は、液晶ディスプレイ2に入射する太陽光SLを精度よく検出することができる。
【0042】
(2)反射部3は、複数の赤外光センサ35が配置された基板33を備える。
基板33は、コールドミラー31に対して、車幅方向から見て非平行に配置される。
【0043】
基板33をコールドミラー31と非平行に配置することで、基板33を、コールドミラー31を透過した出射光OLの赤外光ILaが入射しにくく、かつ太陽光SLの赤外光ILbが入射する位置に配置しやすい。
一例として、基板33およびコールドミラー31を、コールドミラー31で反射される液晶ディスプレイ2の出射光OL(可視光)の光路に沿う直線を横切る向き(線分L1、線分L2)に配置し、かつ基板33をコールドミラー31に対して非平行に配置する。
これによって、基板33を、出射光OLの赤外光ILaが入射しにくい位置に配置することができる。また、基板33を、太陽光SLの赤外光ILbの光路を横切る向きに配置することができるため、太陽光SLの赤外光ILbが基板33に設けられた赤外光センサ35に入射しやすい。
さらに、基板33とコールドミラー31の間に設けられる遮光壁37は、基板33とコールドミラー31を横切る向きで配置することができる。すなわち、遮光壁37は、出射光OLの赤外光ILaの光路を横切る向きで配置することができ、出射光OLの赤外光ILaを遮りやすい。さらに、遮光壁37を、太陽光SLの赤外光ILbの光路に沿った向きに配置することができるため、太陽光SLの出射光ILbを遮りにくい。
なお、図2では、基板35とコールドミラー31を非平行に配置する例として、基板35をコールドミラー31の斜め下方に配置する例を示したが、この態様に限定されない。基板35は、赤外光ILaの光路からオフセットした位置に配置できれば良い。例えば、基板35は、コールドミラー31の斜め上方に配置しても良い。
【0044】
(3)赤外光センサ35は、コールドミラー31を透過した、液晶ディスプレイ2の出射光OLに含まれる赤外光ILaの光路に対してオフセットして設けられている。遮光壁37は赤外光ILaの光路上に設けられている。
赤外光センサ35は、コールドミラー31を透過した、太陽光SLに含まれる赤外光ILbの光路上に設けられている。
【0045】
コールドミラー31、基板33および遮光壁37を、これらの位置関係を満たすように配置することで、赤外光センサ35には、液晶ディスプレイ2の出射光OLの赤外光ILaが入射しにくくなり、太陽光SLの赤外光ILbが入射しやすくなる。これによって、赤外光センサ35により、液晶ディスプレイ2に入射する太陽光SLを検出する精度を向上させることができる。
【0046】
(4)基板33には、互いに間隔を空けて配置された複数の赤外光センサ35からなる列36が、互いに間隔を空けて複数形成されている。遮光壁37は、赤外光センサ35の列36の延在方向である、線分L3に沿った方向に、列36に隣接して配置される。
【0047】
遮光壁37を赤外光センサ35に隣接させて配置することで、コールドミラー31を透過して基板33側に向かう出射光OLの赤外光ILaを、遮光壁37が、赤外光センサ35に到達する前に遮りやすくなる。
なお、図3の例では、赤外光センサ35の列36を、基板33が延在する車幅方向に平行に配置したが、これに限定されない。赤外光センサ35の列36は、車幅方向に対して斜めに配置しても良い。この場合、遮光壁37も赤外光センサ35の列36に合わせて、斜めに配置しても良い。
【0048】
(7)表示装置1は、液晶ディスプレイ2を制御する制御装置5(制御部)を備える。
制御装置5の赤外光判定部51が、赤外光センサ35の測定値MV(赤外光ILbの光量)が閾値TH以上であると判定した場合に、ディスプレイ制御部53は、液晶ディスプレイ2のバックライトを消灯して、光の出射を停止させる。
【0049】
赤外光センサ35により、液晶ディスプレイ2への太陽光SLの入射を検出した場合に、液晶ディスプレイ2を停止させることで、バックライトの発熱を抑えることができる。これによって、液晶ディスプレイ2の急激な温度上昇を低減することができる。
【0050】
(8)制御装置5において、液晶ディスプレイ2に光の出射を停止させた後、赤外光判定部51が、赤外光センサ35の測定値MVが閾値TH未満と判定した場合に、ディスプレイ制御部53は、液晶ディスプレイ2のバックライトを点灯して、再び光を出射させることができる。
【0051】
液晶ディスプレイ2の停止後、太陽光SLの入射が検出されない状態になれば、液晶ディスプレイ2の急激な温度上昇の可能性は低くなるため、液晶ディスプレイ2に再び光を出射させることができる。赤外光判定部51が液晶ディスプレイ2の停止後に赤外光センサ35の測定値MVを閾値THと比較することで、液晶ディスプレイ2が光の出射を再開できるかを判定することができる。
【0052】
なお、実施形態では、反射部3が反射した出射光OLがプレート4で反射され、運転者のアイポイントEPに到達する例を説明したが、この態様に限定されない。
例えば、反射部3が反射した出射光OLを、フロントウインドシールド9で反射させても良い。あるいは、フロントウインドシールド9の帯状部91の範囲を通常よりも拡大させて、帯状部91に出射光OLを反射させても良い。これらの場合、運転者は、フロントウインドシールド9や、フロントウインドシールド9の帯状部91に映る虚像を視認することになる。
【0053】
[変形例1]
図7は、変形例1に係る表示装置1Aの構成を示す図である。
図7に示すように、変形例1の表示装置1Aは、反射部3が反射した出射光OLを更に反射させる凹面鏡6を備える。なお、変形例1の液晶ディスプレイ2および反射部3は、位置関係は実施形態と異なるが、構成は同様であるため、前記した実施形態と同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0054】
図7では図示は省略するが、凹面鏡6の上方には、車両のフロントウインドシールド9が位置している。変形例1において、凹面鏡6は、出射光OLをフロントウインドシールド9(不図示)に向かって反射させる。そのため、変形例1では、実施形態のプレート4は省略されている。
フロントウインドシールド9が凹面鏡6から入射した出射光OLを、運転者のアイポイントEPに向けて反射させることで、運転者が、液晶ディスプレイ2の画像の虚像を視認する。
凹面鏡6は、出射光OLが構成する画像を拡大させる作用がある。そのため、液晶ディスプレイ2のサイズをコンパクトにしつつ、フロントウインドシールド9には拡大した画像を表示させることができる。
【0055】
変形例1において、反射部3は、液晶ディスプレイ2の車両後方側の上方に配置されている。
凹面鏡6は、反射部3および液晶ディスプレイ2の車両前方側に配置されている。図示は省略するが、液晶ディスプレイ2および反射部3は、インストルメントパネル7(図1参照)の内部に配置することができる。また、凹面鏡6は、ダッシュパネル8(図1参照)に取り付けることができる。
図7に示すように、凹面鏡6は、例えば、凹面を有する板状部材であり、凹面にAl(アルミニウム)等の金属を蒸着することで、反射面が形成されている。凹面鏡6は、凹面を車両後方側の反射部3および上方のフロントウインドシールド9(不図示)に向けて配置されている。
【0056】
液晶ディスプレイ2は、車両後方側の上方に位置する反射部3に向けて画像を構成する光を出射する。反射部3は、出射光OLを車両前方側に位置する凹面鏡6に向かって反射する。凹面鏡6は、出射光OLを上方のフロントウインドシールド9に向かって反射する。
なお、液晶ディスプレイ2、反射部3および凹面鏡6の位置関係は、図7に例示したものに限定されず、車室VR内のレイアウトに応じて適宜変更可能である。
【0057】
反射部3は、前記した実施形態と同様に、コールドミラー31と、赤外光センサ35が配置された基板33と、遮光壁37と、を備える。
変形例1において、ケース39は、車両前方側に開口39aを有している。コールドミラー31は、ケース39の開口39aに面して配置されている。基板33は、ケース39内において、コールドミラー31の背面側、すなわち車両後方側に、コールドミラー31と間隔を空けて配置される。
遮光壁37は、車両前後方向において、基板33とコールドミラー31との間に配置されている。
【0058】
前記した実施形態と同様に、コールドミラー31と基板33は非平行に配置されている。基板33は、出射光OLから分離され、コールドミラー31を透過した赤外光ILaの光路からオフセットしている。すなわち、基板33は、赤外光ILaが入射しない位置に配置されている。
一方、コールドミラー31と基板33の間に配置された遮光壁37は、出射光OLの赤外光ILaの光路上に位置する。これによって、赤外光ILaがケース39内で反射して、赤外光センサ35に入射することが防止される。
【0059】
変形例1においても、太陽光SLが上方から凹面鏡6に入射することがある。太陽光SLは、凹面鏡6、コールドミラー31、反射部3で反射されて、最終的に液晶ディスプレイ2に入射することがある。太陽光SLに含まれる赤外光ILbは、コールドミラー31で分離され、コールドミラー31を透過して、車両後方側に向かう。
変形例1においても、基板33は、太陽光SLの赤外光ILbの光路上に位置している。そのため、基板33上に配置される赤外光センサ35には、太陽光SLの赤外光ILbが入射する。赤外光センサ35は、太陽光SLの赤外光ILbの光量を測定する。
【0060】
表示装置1Aには、凹面鏡6を回転させるアクチュエータ61(移動機構)が設けられている。アクチュエータ61は、例えば、凹面鏡6に設けられた回転軸RSを回転させるモータ等を備える。回転軸RSは、凹面鏡6の背面側に設けられ、車幅方向に延びる。アクチュエータ61は、不図示のモータを駆動させることで、凹面鏡6を、回転軸RSを中心として回転移動させる。アクチュエータ61は、凹面鏡6を、太陽光SLが入射可能な第1の位置P1と、太陽光SLの入射を回避する第2の位置P2の間で移動させる。図7において、凹面鏡6の第1の位置P1を実線で示し、第2の位置P2を仮想線で示している。
【0061】
第1の位置P1は、凹面が車両後方側の反射部3および上方のフロントウインドシールド9(不図示)に向いた位置である。すなわち、第1の位置P1において、凹面鏡6には液晶ディスプレイ2の出射光OLが反射部3から入射する。また凹面鏡6は、入射した出射光OLをフロントウインドシールド9に向けて反射させる。さらに、第1の位置P1において、上方から入射した太陽光SLが凹面鏡6に入射し、凹面鏡6で反射されて、反射部3を介して液晶ディスプレイ2に入射する。
第2の位置P2は、第1の位置P1に対して、回転軸RSを中心として時計回りにシフトさせた位置である。第2の位置P2において、凹面鏡6の反射面である凹面が下方を向き、車両後方側の反射部3および上方のフロントウインドシールド9(不図示)には対向していない。すなわち、第2の位置P2において、凹面鏡6には液晶ディスプレイ2の出射光OLが反射部3から入射しない。さらに、第2の位置P2において、上方から入射する太陽光SLは凹面鏡6に入射せず、結果として液晶ディスプレイ2にも入射しない。
【0062】
図8は、変形例1に係る制御装置5Aの構成を示すブロック図である。
図8に示すように、変形例1に係る制御装置5Aは、液晶ディスプレイ2と、反射部3の複数の赤外光センサ35に加えて、凹面鏡6のアクチュエータ61に接続されている。
制御装置5Aは、前記した実施形態と同様に、赤外光センサ35から、測定値MVを取得する。変形例1では、制御装置5Aは、取得した測定値MVに基づいて、液晶ディスプレイ2の動作を制御すると共に、凹面鏡6のアクチュエータ61を制御する。
【0063】
制御装置5Aは、赤外光判定部51と、報知部52と、ディスプレイ制御部53と、アクチュエータ制御部54と、を備える。
赤外光判定部51は、赤外光センサ35の測定値MV(赤外光ILbの光量)を取得して、閾値THと比較する。
赤外光判定部51が、測定値MVが閾値TH以上であると判定した場合、報知部52は液晶ディスプレイ2の停止を運転者に報知する。
ディスプレイ制御部53は、報知部52による報知の後、液晶ディスプレイ2のバックライトを消灯して、光の出射を停止させる。それと共に、アクチュエータ制御部54が、アクチュエータ61を制御して、凹面鏡6を第1の位置P1から第2の位置P2に回転移動させる。
【0064】
アクチュエータ制御部54は、液晶ディスプレイ2を停止させた後、所定時間が経過すると、アクチュエータ61を制御して、凹面鏡6を第2の位置P2から第1の位置P1に回転移動させる。赤外光判定部51は、再び赤外光センサ35の測定値MVを取得して、閾値THと比較する。赤外光判定部51が、測定値MVが閾値TH未満であると判定した場合、ディスプレイ制御部53は、液晶ディスプレイ2に再び光を出射させる。
【0065】
変形例1の表示装置1Aは、液晶ディスプレイ2の画像を拡大させる凹面鏡6を備えている。凹面鏡6は、反射光を集光させる作用がある。すなわち、凹面鏡6に反射された太陽光SLは、集光された状態で反射部3を介して液晶ディスプレイ2に入射する。太陽光SLが集光されて液晶ディスプレイ2に入射すると、液晶ディスプレイ2の更なる急激な温度上昇に繋がる可能性がある。
この場合、液晶ディスプレイ2の光の出射を停止するのみでは、集光された太陽光SLが液晶ディスプレイ2に入射し続ける状態となり、急激な温度上昇を低減することができない可能性がある。
そこで、変形例1では、凹面鏡6にアクチュエータ61を設けている。液晶ディスプレイ2のバックライトの消灯に加えて、凹面鏡6を太陽光SLが入射可能な第1の位置P1から太陽光SLの入射を回避する第2の位置P2に移動させることで、液晶ディスプレイ2には集光された太陽光SLが入射せず、急激な温度上昇を低減することができる。
【0066】
図9は、変形例1に係る制御装置5Aの処理の流れを示すフローチャートである。
赤外光判定部51は、赤外光センサ35の測定値MVを取得して(ステップS101)、測定値MVと閾値THを比較する(ステップS102)。赤外光判定部51は、測定値MVが閾値TH未満である場合(ステップS102:No)、処理を終了する。
赤外光判定部51が、測定値MVが閾値TH以上であると判定した場合(ステップS102:Yes)、ステップS103に進む。
【0067】
報知部52は、液晶ディスプレイ2の停止を運転者に報知する(ステップS103)。
報知から時間t1が経過すると(ステップS104:Yes)、アクチュエータ制御部54は、凹面鏡6を第1の位置P1から第2の位置P2に回転移動させる(ステップS105)。ディスプレイ制御部53は、液晶ディスプレイ2のバックライトを消灯して、光の出射を停止させる(ステップS106)。
液晶ディスプレイ2の停止から時間t2が経過すると(ステップS107:Yes)、アクチュエータ制御部54は、アクチュエータ61を制御して、凹面鏡6を第2の位置P2から第1の位置P1に回転移動させる(ステップS108)。赤外光判定部51は、赤外光センサ35の測定値MVを取得して(ステップS109)、閾値THとの比較を行う(ステップS110)
【0068】
赤外光判定部51が、測定値MVを閾値TH未満と判定した場合は(ステップS110:No)、ディスプレイ制御部53は、液晶ディスプレイ2を点灯して、光を出射させる(ステップS111)。
赤外光判定部51が、測定値MVが閾値TH以上と判定した場合は(ステップS110:Yes)、液晶ディスプレイ2に依然として太陽光SLが入射している可能性が高い。アクチュエータ制御部54は、アクチュエータ61を制御して、凹面鏡6を第1の位置P1から第2の位置P2に回転移動させる(ステップS112)。アクチュエータ制御部54は、ステップS107に戻り、時間t2が経過した後に、凹面鏡6を再び第1の位置P1に移動させ、赤外光判定部51が測定値MVと閾値THとの比較を行うことができる。
変形例1においても、図9に示した処理は、車両の走行中に繰り返し行うことができる。
【0069】
以上の通り、変形例1に係る表示装置1Aは、以下の構成を有する。
(9)表示装置1Aは、凹面鏡6と、アクチュエータ61(移動機構)と、を備える。
凹面鏡6は、反射部3が反射した出射光OLを拡大して反射する。
アクチュエータ61は、凹面鏡6を、太陽光SLが入射可能な第1の位置P1と、太陽光SLの入射を回避する第2の位置P2との間で移動させる。
制御装置5Aは、液晶ディスプレイ2を制御するディスプレイ制御部53に加えて、アクチュエータ61を制御するアクチュエータ制御部54を備える。
赤外光判定部51が、赤外光センサ35の測定値MV(赤外光ILbの光量)が閾値TH以上であると判定した場合に、ディスプレイ制御部53が液晶ディスプレイ2のバックライトを消灯して、光の出射を停止させる。また、アクチュエータ制御部54が、アクチュエータ61に凹面鏡6を第1の位置P1から第2の位置P2に移動させる。
【0070】
凹面鏡6は、反射光を集光させる作用がある。凹面鏡6で集光された太陽光SLが液晶ディスプレイ2に入射すると、液晶ディスプレイ2のより急激な温度上昇に繋がる可能性がある。変形例1では、赤外光センサ35の測定値MVが閾値TH以上と判定された場合、液晶ディスプレイ2の停止に加えて、凹面鏡6を太陽光SLの入射を回避する第2の位置P2に移動させる。これによって、液晶ディスプレイ2に太陽光SLが入射しない状態となるため、液晶ディスプレイ2の急激な温度上昇を低減することができる。
【0071】
(10)アクチュエータ制御部54は、液晶ディスプレイ2に光の出射を停止させた後、時間t2(所定時間)が経過すると、アクチュエータ61に凹面鏡6を第2の位置P2から第1の位置P1に移動させる。赤外光判定部51が、測定値MVが閾値TH未満と判定した場合、ディスプレイ制御部53は、液晶ディスプレイ2を点灯して、光を出射させる。
【0072】
太陽光SLは時間の経過および場所の変化によって、入射角度が変化する。そこで、所定時間経過後に、凹面鏡6を第1の位置P1に戻して、赤外光センサ35の測定した光量が閾値THを超えるか否かを判定する。そして、閾値TH未満の場合には、温度上昇の可能性が低いため、液晶ディスプレイ2による画像の表示を再開することができる。
【0073】
なお、図示の例では、アクチュエータ61が凹面鏡6を回転させて、上方を向く第1の位置P1から下方を向く第2の位置P2に移動させる例を説明したが、この態様に限定されない。例えば、凹面鏡6の車両前方側の上方に庇を設置しても良い。この場合、アクチュエータ61は、凹面鏡6を車両前後方向に移動させる。凹面鏡6は、第1の位置P1において、庇より車両前方側に位置すする。赤外光センサ35の測定値MVが閾値TH以上と判定された場合、アクチュエータ61は、凹面鏡6を、庇の下方の太陽光SLの入射が回避される第2の位置P2に移動させる。
【0074】
なお、変形例1では、凹面鏡6が、液晶ディスプレイ2の出射光OLをフロントウインドシールド9に反射させる例を説明したが、この態様に限定されない。凹面鏡6は、液晶ディスプレイ2の出射光OLを、実施形態と同様のプレート4に反射させても良く、あるいはフロントウインドシールド9の帯状部91に反射させても良い。
【0075】
[変形例2]
図10は、変形例2に係る遮光壁37の構成を示す模式図である。
図10に示すように、変形例2における遮光壁37A、37Bは、格子状を成している。変形例2における遮光壁は、具体的には、互いに交差して配置された遮光壁37A(第1の遮光壁)と遮光壁37B(第2の遮光壁)と、を有する。
遮光壁37Aは、実施形態の遮光壁37と同様に、複数の赤外光センサ35の列36が延びる方向(車幅方向)に沿って、列36の上下方向に隣接して配置されている。
遮光壁37Bは、遮光壁37Aに直交する方向(上下方向)に沿って配置され、遮光壁37Aを交差して配置されている。遮光壁37Bは、各列36を構成する赤外光センサ35の間を通るように配置される。遮光壁37Bは、各赤外光センサ35の幅方向における一端側と他端側に隣接して配置される。
なお、前記したように、基板33とコールドミラー31の車両前後方向の間隔は、下側から上側に向かうにつれて狭くなっている(図2参照)。そのため、遮光壁37Bは、上側から下側に向かうにつれて、車両前後方向の長さが短くなるように形成することができる。
【0076】
図10に示すように、変形例2では、遮光壁37A、37Bが、各赤外光センサ35の上下方向だけでなく、車幅方向にも隣接して位置する。すなわち、赤外光センサ35の外周全体が遮光壁37A、37Bに囲まれた状態となる。
これによって、コールドミラー31を透過する液晶ディスプレイ2の赤外光ILaがより遮光壁37A、37Bに遮られやすくなり、赤外光センサ35に入射することが低減される。赤外光センサ35は、液晶ディスプレイ2に入射する太陽光SLの光量をより正確に測定することができる。
なお、遮光壁37A、37Bが交差する部分は、遮光壁37A、37Bのいずれか一方に溝を形成し、その溝に他方を通すように形成することができる。
【0077】
なお、図10では、遮光壁37A、37Bが互いに直交して交差する例を示したが、この態様に限定されない。赤外光センサ35の列36の配置に合わせて、遮光壁37A、37Bは適宜配置を変更することができる。例えば、赤外光センサ35の列36が、車幅方向に対して斜めに配置される場合は、遮光壁37A、37Bも、互いに斜めに交差するように配置しても良い。
【0078】
以上の通り、変形例2に係る表示装置1は、例えば、以下の構成を有する。
(5)遮光壁37は、列36が延びる方向に沿って配置された遮光壁37A(第1の遮光壁)と、遮光壁37Aに交差して配置された遮光壁37B(第2の遮光壁)と、を備える。
基板33に対して格子状になるように遮光壁37A、37Bを配置することで、各赤外光センサ35の外周が遮光壁37A、37Bに囲まれるため、コールドミラー31を透過する液晶ディスプレイ2の赤外光ILaが遮光壁37A、37Bに遮られやすくなる。これによって、赤外光センサ35は、液晶ディスプレイ2に入射する太陽光SLの光量をより正確に測定することができる。
なお、変形例2の遮光壁37A、37Bは、変形例1の表示装置1Aにも適用可能である。
【0079】
[変形例3]
図11は、変形例3に係る遮光壁37Cの構成を示す模式図である。
図11に示すように、変形例3では、遮光壁37Cを、赤外光センサ35の周囲を囲む筒状に形成している。
図11では2つの赤外光センサ35のみを例示しているが、基板33に配置した複数の赤外光センサ35のそれぞれを囲むように、筒状の遮光壁37Cを設けることができる。
なお、前記したように、基板33とコールドミラー31の車両前後方向の間隔は、下側から上側に向かうにつれて狭くなっている(図2参照)。そのため、各遮光壁37Cは、上側から下側に向かうにつれて、車両前後方向の長さが短くなるように形成することができる。
【0080】
図11に示すように、変形例3において、赤外光センサ35は外周を遮光壁37Cに囲まれた状態となる。
これによって、コールドミラー31を透過する液晶ディスプレイ2の赤外光ILaがより遮光壁37Cに遮られやすくなり、赤外光センサ35に入射することが低減される。赤外光センサ35の測定精度を向上させることができる。
また、各赤外光センサ35に対応して遮光壁37Cが配置されることで、赤外光センサ35を基板33上の任意の箇所に配置することができるため、レイアウトの自由度が高められる。
【0081】
以上の通り、変形例3に係る表示装置は、例えば、以下の構成を備える。
(6)遮光壁37Cは、基板33に配置された赤外光センサ35を囲む筒状に形成される。
各赤外光センサ35の外周が遮光壁37Cに囲まれるため、コールドミラー31を透過する液晶ディスプレイ2の赤外光ILaが遮光壁37Cに遮られやすくなる。これによって、赤外光センサ35の測定精度を向上させることができる。
なお、変形例3の遮光壁37Cは、変形例1の表示装置1Aにも適用可能である。
【0082】
なお、前記した実施形態および変形例では、表示部が液晶ディスプレイ2である例を説明したが、この態様に限定されない。表示部は、例えば、有機ELディスプレイなどの自発光型のデバイスとしても良い。
【0083】
なお、前記した閾値THを用いた比較処理において、閾値THの比較対象が「閾値TH以上」または「閾値TH未満」か、を判定の基準として説明したが、この態様に限定されない。閾値THの比較処理は、比較対象が「閾値THより大きい」または「閾値TH以下」か、を判定の基準としても良い。すなわち、「閾値TH以上」または「閾値TH未満」は厳密に解釈されるものではなく、設定によって閾値THとなる値を含まない場合または含む場合の両方を包含するものである。
【符号の説明】
【0084】
1 表示装置
2 液晶ディスプレイ(表示部)
3 反射部
31 コールドミラー
33 基板
35 赤外光センサ
36 列
37 遮光壁
5 制御装置
51 赤外光判定部
52 報知部
53 ディスプレイ制御部
54 アクチュエータ制御部
6 凹面鏡
61 アクチュエータ(移動機構)
P1 第1の位置
P2 第2の位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11