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特開2024-86297半導体基板および半導体基板の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086297
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】半導体基板および半導体基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/36 20060101AFI20240620BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20240620BHJP
   C30B 33/06 20060101ALI20240620BHJP
   C30B 29/06 20060101ALI20240620BHJP
   C30B 29/04 20060101ALI20240620BHJP
   C30B 29/38 20060101ALI20240620BHJP
   C30B 29/16 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
C30B29/36 A
H01L21/02 B
C30B33/06
C30B29/06 B
C30B29/04 Z
C30B29/38 D
C30B29/38 C
C30B29/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201358
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】313001309
【氏名又は名称】株式会社サイコックス
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100161001
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 篤司
(72)【発明者】
【氏名】内田 英次
(72)【発明者】
【氏名】小林 元樹
【テーマコード(参考)】
4G077
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077BA02
4G077BA04
4G077BB10
4G077BE08
4G077BE13
4G077BE15
4G077FE00
4G077FF07
4G077FH05
4G077FH06
4G077FH09
4G077FH10
4G077FJ06
4G077HA12
(57)【要約】
【課題】 金属汚染の原因となる金属をゲッタリングすることにより、金属汚染に対して耐性のある半導体基板および半導体基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 第1半導体層と、前記第1半導体層と接する第2半導体層と、を備える半導体基板であって、前記第1半導体層および前記第2半導体層の少なくとも何れかの層は、積層欠陥と当該積層欠陥を囲む転位ループで構成されている不動転位が存在し、前記不動転位の密度は、1E13/cm~1E18/cmである、半導体基板。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体層と、前記第1半導体層と接する第2半導体層と、を備える半導体基板であって、
前記第1半導体層および前記第2半導体層の少なくとも何れかの層は、積層欠陥と当該積層欠陥を囲む転位ループで構成されている不動転位が存在し、
前記不動転位の密度は、1E13/cm~1E18/cmである、半導体基板。
【請求項2】
前記第1半導体層および前記第2半導体層は、炭化珪素(SiC)、シリコン(Si)、炭素(C)、ガリウムナイトライド(GaN)、アルミナイトライド(AlN)、ガリウムオキサイド(Ga)のうちの何れかである、請求項1に記載の半導体基板。
【請求項3】
前記第1半導体層は、前記不動転位が存在する炭化珪素単結晶層であり、前記第2半導体層は、炭化珪素多結晶層である、請求項1または2に記載の半導体基板。
【請求項4】
前記第1半導体層に接するエピタキシャル層をさらに備える、請求項1または2に記載の半導体基板。
【請求項5】
前記エピタキシャル層に接する半導体素子および半導体デバイスの少なくとも何れかをさらに備える、請求項4に記載の半導体基板。
【請求項6】
第1半導体層と、前記第1半導体層と接する第2半導体層と、を備える半導体基板の、前記第1半導体層または前記第2半導体層の少なくとも何れかに空孔および格子間原子を導入する導入工程と、
前記導入工程後、前記半導体基板を熱処理して、前記空孔および前記格子間原子を導入した層に密度が1E13/cm~1E18/cmの不動転位を形成する熱処理工程と、
を備える半導体基板の製造方法。
【請求項7】
前記導入工程は、イオン注入、中性元素注入、プラズマ照射、スパッタリングの少なくともいずれかの手段によって前記空孔および前記格子間原子を導入する工程である、請求項6に記載の半導体基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属汚染の原因となる金属をゲッタリングすることが可能な、半導体基板および半導体基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の接合基板を形成する技術として、SiC単結晶とSiC多結晶を接合する技術が知られている。なお、関連する技術として、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6206786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体デバイスでは、金属汚染によりゲート絶縁膜の耐圧不良やリーク電流の発生により、デバイス歩留まりや信頼性が低下することが知られている。半導体の接合基板でも、接合基板の上に半導体素子や半導体デバイスを形成するため、金属汚染に対して耐性のある半導体の接合基板であることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、金属汚染の原因となる金属をゲッタリングすることにより、金属汚染に対して耐性のある半導体基板および半導体基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の半導体基板は、第1半導体層と、前記第1半導体層と接する第2半導体層と、を備える半導体基板であって、前記第1半導体層および前記第2半導体層の少なくとも何れかの層は、積層欠陥と当該積層欠陥を囲む転位ループで構成されている不動転位が存在し、前記不動転位の密度は、1E13/cm~1E18/cmである。
【0007】
前記第1半導体層および前記第2半導体層は、炭化珪素(SiC)、シリコン(Si)、炭素(C)、ガリウムナイトライド(GaN)、アルミナイトライド(AlN)、ガリウムオキサイド(Ga)のうちの何れかであってもよい。
【0008】
前記第1半導体層は、前記不動転位が存在する炭化珪素単結晶層であってもよく、前記第2半導体層は、炭化珪素多結晶層であってもよい。
【0009】
本発明の半導体基板は、前記第1半導体層に接するエピタキシャル層をさらに備えてもよい。
【0010】
本発明の半導体基板は、前記エピタキシャル層に接する半導体素子および半導体デバイスの少なくとも何れかをさらに備えてもよい。
【0011】
また、上記の課題を解決するため、本発明の半導体基板の製造方法は、第1半導体層と、前記第1半導体層と接する第2半導体層と、を備える半導体基板の、前記第1半導体層または前記第2半導体層の少なくとも何れかに空孔および格子間原子を導入する導入工程と、前記導入工程後、前記半導体基板を熱処理して、前記空孔および前記格子間原子を導入した層に密度が1E13/cm~1E18/cmの不動転位を形成する熱処理工程と、を備える。
【0012】
前記導入工程は、イオン注入、中性元素注入、プラズマ照射、スパッタリングの少なくともいずれかの手段によって前記空孔および前記格子間原子を導入する工程であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
密度が1E13/cm~1E18/cmである不動転位が存在することにより、この不動転位が金属をゲッタリングするため、本発明の半導体基板は金属汚染に対して耐性のある基板となる。そのため、本発明の半導体基板に半導体素子や半導体デバイスを形成することにより、例え金属汚染が発生しても、その金属は不動転位にゲッタリングされるため、ゲート絶縁膜の耐圧不良やリーク電流発生によるデバイス歩留まりや信頼性が低下することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】炭化珪素単結晶層と炭化珪素多結晶層を備える接合基板において、不動転位の位置および形状を示す図である。
図2】炭化珪素単結晶層と炭化珪素多結晶層を備える接合基板において、炭化珪素単結晶層のTEM観察像を横に繋げたパノラマ像である。
図3】導入工程後の半導体基板を異なる温度で熱処理した後の不動転位の形成の有無について確認した炭化珪素単結晶層の断面TEM観察像である。
図4】本発明の半導体基板の製造方法の一例を示すフロー図である。
図5】本発明の半導体基板の一例を示す斜視図である。
図6】本発明の半導体基板の側面模式図である。
図7】本発明の半導体基板の側面模式図である。
図8】半導体基板の製造工程の1つである照射工程の一例を示す説明図である。
図9】半導体基板の製造過程における接合基板の側面模式図である。
図10】半導体基板の製造過程における接合基板の側面模式図である。
図11】半導体基板の製造過程における接合基板の側面模式図である。
図12】エピタキシャル層を備える炭化珪素接合基板におけるTi濃度分布をSIMSで測定した結果を示す図である。
図13】エピタキシャル層を備える炭化珪素単結晶基板におけるTi濃度分布をSIMSで測定した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例について説明する。
【0016】
[半導体基板]
半導体基板は、第1半導体層と、前記第1半導体層と接する第2半導体層と、を備える。半導体基板としては、第1半導体層と第2半導体層が接合界面を介して接合している接合基板が挙げられる。
【0017】
<接合基板10の構成>
図5に、本発明の半導体基板の一例として、接合基板10の斜視図を示す。接合基板10は、例えばオリエンテーションフラットを備えた略円盤状に形成されている。接合基板10は、第2半導体層の一例である下側に配置された支持基板11と、支持基板11の上面に貼り合わされた第1半導体層の一例である単結晶層13とを備えている。単結晶層13は支持基板11に貼り合わされている。
【0018】
単結晶層13は、例えば、化合物半導体(例:シリコンカーバイト(SiC)、ガリウムナイトライド(GaN)、アルミナイトライド(AlN)、ガリウムオキサイド(Ga)や単元素半導体(例:シリコン(Si)、炭素(C))のうちの何れかであってもよい。これらの元素は、半導体デバイス作製に使用可能な半導体材料である。
【0019】
支持基板11には、各種の材料を用いることができる。支持基板11は、単結晶層13に適用される各種の熱プロセスに対する耐性を有することが好ましい。また支持基板11は、単結晶層13との熱膨張率の差が小さい材料であることが好ましい。例えば、支持基板11には、シリコンカーバイト(SiC)、シリコン(Si)、炭素(C)、ガリウムナイトライド(GaN)、アルミナイトライド(AlN)、ガリウムオキサイド(Ga)、サファイア(Al)、石英(SiO)などのうちの何れかを用いることが可能である。
【0020】
支持基板11に多結晶SiCを使用する場合には、様々なポリタイプや面方位のSiC結晶が混在していても良い。様々なポリタイプや面方位が混在する多結晶SiCは、厳密な温度制御を行うことなく製造することができるため、支持基板11を製造するコストを低減させることが可能となる。
【0021】
支持基板11の厚さTT1は、エピタキシャル層の形成や、さらにその上に半導体素子や半導体デバイスを形成するという後工程の加工に耐えることができる機械的強度が得られるように定めればよい。厚さTT1は、例えば、支持基板11の直径が150(mm)である場合には、350(μm)程度であってもよい。
【0022】
<不動転位の説明>
本発明は、第1半導体層と、第2半導体層の少なくとも何れか1つに、積層欠陥と当該積層欠陥を囲む転位ループで構成されている不動転位が存在する半導体基板である。不動転位を説明するにあたり、第1半導体層を単結晶層13の一例である単結晶SiC層、第2半導体層を支持基板11の一例である多結晶SiC基板、不動転位が単結晶SiC層に存在する場合について、以下に説明する。
【0023】
図1(a)、(b)、(c)に、それぞれ半導体基板の一例である接合SiC基板の断面模式図、接合SiC基板の単結晶SiC層に形成された不動転位の断面TEM観察像、その不導体転位の格子像を示す。図1(a)では接合SiC基板が多結晶SiC基板の上に単結晶SiC層が配されており、単結晶SiC層中の×で示しているのが不動転位である。
【0024】
図1(b)は、図1(a)の×を囲んだ領域をTEMで観察した観察像であり、中央付近に不動転位の存在が認められる。図1(c)の上の写真は、図1(b)の不動転位を囲んだ領域を拡大したものであり、下の図は不動転位を模式的に示した図である。図1(c)に示すように、TEM観察像からは、不動転位の領域に、原子配列の周期性の違いから生じるモアレ縞が確認されており、不動転位は積層欠陥とその周りの転位ループで構成されている。その不動転位からは転位等の結晶欠陥が伸展していないため、単結晶SiC層に不動転位が存在することによる、単結晶SiC層の上に形成されるエピタキシャル層や半導体素子や半導体デバイスへの悪影響はない。
【0025】
すなわち、不動転位は、積層欠陥とその周りの転位ループで構成されている欠陥であり、この種の欠陥は、金属のゲッタリングとして働き、かつ不動転位から新たな結晶欠陥が伸展しないため、接合基板上に形成されるエピタキシャル層や半導体素子や半導体デバイスに結晶欠陥が到達せず、エピタキシャル層や半導体素子や半導体デバイスへの悪影響はない。
【0026】
金属のゲッタリング能力を有する不動転位の密度としては、1E13/cm~1E18/cmの範囲内である。不動転位が少なければ、金属のゲッタリング能力が低下するし、不動転位が多ければ、トラップ準位として働き、キャリアがそのトラップ準位に捕獲されることによりキャリア濃度を低下させて、半導体の接合基板の抵抗を増大させるリスクがある。不動転位の密度が上記の範囲内であれば、金属のゲッタリング能力を満足しつつ、接合基板の抵抗を増大させることもない。
【0027】
単結晶SiC層の不動転位密度の算出例として、接合SiC基板の単結晶SiC層のTEM観察像を横に繋げた像を、図2(a)、(b)に示す。TEMサンプル厚さ150nmのTEM像から、単結晶SiC層に形成された不動転位数をカウントして密度を算出した結果、図2(a)の場合で5E14/cm図2(b)の場合で8E14/cmであった。なお、図2において紙面と垂直な方向におけるTEMサンプルの厚さが150nmである。すなわち、図2(a)の四角い枠内の不動転移は13個であるが、TEMサンプル81000000nm(150nm×300nm×900nmより得られるサンプルの体積)のうち不動転移が13個あることを示す。図2(a)の2つ四角い枠における不動転移の合計(38個)と、TEMサンプルの体積(81000000nm×2)より、不動転移密度は4.75E14/cmと算出され、図2(a)では5E14/cmと記載した。図2(b)についても同様の計算手順により、7.77E14/cmと算出され、図2(a)では8E14/cmと記載した。
【0028】
不動転位は、第1半導体層および第2半導体層のどちらか一方のみに存在してもよいし、両方に存在してもよい。どちらに存在しても、不動転位は金属のゲッタリングとして働くことができる。
【0029】
例えば、接合基板10の場合には、単結晶層13は、不動転位が存在する炭化珪素単結晶層であり、かつ、支持基板11は炭化珪素多結晶層であることが好ましい。単結晶層13の上にエピタキシャル層が形成され、さらにその上に半導体素子や半導体デバイスが形成されることを想定すると、支持基板11よりも、金属汚染を防ぎたいエピタキシャル層、半導体素子や半導体デバイスにより近い単結晶層13の方に不動転位が存在することで、金属汚染をより効果的に防ぐことができる。すなわち、支持基板11のみに不動転位があっても金属をゲッタリングできるが、単結晶層13のみ、または単結晶層13と支持基板11の両方に不動転位があるほうが、より金属をゲッタリングしやすくなる。
【0030】
なお、炭化珪素以外の材料を用いて半導体基板を構成する場合も同様であり、単結晶層のみ、または単結晶層および支持基板の両方に不動転位が存在することで、より金属をゲッタリングしやすくなる。
【0031】
本発明の半導体基板は、第1半導体層に接するエピタキシャル層をさらに備えてもよく、具体的には接合基板の不動転位が存在する単結晶層の上に、エピタキシャル層を備えてもよい。
【0032】
また、本発明の半導体基板は、第1半導体層またはエピタキシャル層に接する半導体素子および半導体デバイスの少なくとも何れかをさらに備えてもよい。
【0033】
[半導体基板の製造方法]
第1半導体層と第2半導体層とを備える半導体基板の製造方法の一例として、接合基板10の製造方法について、図3図10を用いて説明する。具体的には、支持基板11が多結晶SiCであり、単結晶層13が単結晶4H-SiCであり、水素原子のアブレーションによる剥離技術を用いて半導体基板の製造を実施する場合について説明する。
【0034】
まず、支持基板11および単結晶層13を準備する。支持基板11および単結晶層13の表面は、接合対象面が既に平坦化されているものを入手することができる。平坦化は、研削や切削によって行われてもよいし、CMP法によって行われてもよい。
【0035】
〈水素イオン注入工程(ステップS0)〉
図4のステップS0において、単結晶層13の接合対象面13aから水素イオンを注入する、水素イオン注入工程が行われる。単結晶層13に水素イオンを注入すると、水素イオンは入射エネルギーに応じた深さまで到達し、高濃度に分布する。これにより、図6の側面模式図に示すように、接合対象面13aから所定深さに、点線で示す水素注入層15が形成される。例えば、接合対象面13aから深さ0.5μm程度の位置に水素注入層15が形成される。
【0036】
〈特定元素導入工程(ステップS1)〉
本工程は、単結晶層13の接合対象面13aまたは支持基板11の接合対象面11aに対して特定元素を導入する工程であり、接合対象面11aおよび接合対象面13aの両方に特定元素を導入してもよい。
【0037】
図4では、ステップS1において、特定元素の導入工程が行われる。特定元素は、基板がSiCの場合にはSiやCと結合できる原子であることが好ましい。本実施例では、特定元素としてリン(P)を用いる場合を、以下に説明する。イオン注入を用いて、単結晶層13の接合対象面13aからリン(P)を導入する。これにより、図7の側面模式図に示すように、単結晶層13の表層に、ドーピング層13bが形成される。
【0038】
なお、第1半導体基板および第2半導体基板がN型半導体の場合には、特定元素として5価元素を使用することができ、第1半導体基板および第2半導体基板がP型半導体の場合には、特定元素として3価元素を使用することができる。
【0039】
〈照射工程(ステップS2)〉
本工程は、特定元素導入工程後であって接合工程前に、接合対象面11aまたは接合対象面13aにアルゴンビームを照射する工程であり、接合対象面11aおよび接合対象面13aの両方にアルゴンビームを照射してもよい。
【0040】
図4では、ステップS2において照射工程が行われる。図8に示すように、単結晶層13と支持基板11を、チャンバー101内にセットする。次に、単結晶層13と支持基板11との相対位置の位置合わせを行う。位置合わせは、後述する接合工程で両基板が正しい位置関係で接触できるように行われる。次に、チャンバー101内を真空状態にする。チャンバー101内の真空度は、例えば、1×10-4~1×10-6Pa程度であってもよい。
【0041】
次に、支持基板11の接合対象面11aおよび単結晶層13の接合対象面13aにファースト・アトミック・ビームガン(FABガン)102を用いて、アルゴン(Ar)の中性元素ビームを照射する。アルゴン(Ar)の中性元素ビームは、接合対象面11aの全面および接合対象面13aの全面に均一に照射される。これにより、接合対象面11aおよび接合対象面13aの酸化膜や吸着層を除去して結合手を表出させることができる。この状態を活性状態と呼ぶ。また、照射工程は真空中での処理であるため、接合対象面11aおよび接合対象面13aは、酸化等されず活性状態を保持することができる。
【0042】
なお、照射工程は必須の工程ではなく、後述する接合工程により2つの基板を接合して接合基板を問題なく形成することができれば、省略することができる工程である。照射工程は、原子または分子を表面に衝突させることで、スパッタリング現象により表面の酸化物や吸着層を除去する工程であるが、この工程に替えて、反応性ガスにより表面の汚染物と化学反応させてエッチングで除去する工程が考えられ、また、昇華しやすい吸着物であれば、単純に熱や光を加えることで昇華により吸着物を除去可能である。照射工程に替えてこれらの工程により、接合対象面の酸化膜や吸着層を除去して結合手を表出させることができる。
【0043】
〈接合工程(ステップS3)〉
本工程は、特定元素導入工程後、接合対象面11aと接合対象面13aとを接合し、接合界面を有する接合基板を形成する工程である。
【0044】
図4では、ステップS3において、接合工程が行われる。接合工程では、支持基板11の接合対象面11aと単結晶層13の接合対象面13aとを、チャンバー101内で、真空中で接触させる。活性状態の接合対象面11aと接合対象面13aに存在する結合手同士が結びつき、支持基板11と単結晶層13とを接合することができる。これにより、図9の模式図に示すように、支持基板11と単結晶層13とが接合した構造が形成される。真空度は、例えば、1×10-4~1×10-6Pa程度であってもよい。
【0045】
〈剥離工程(ステップS4)〉
本工程は、接合工程後かつ導入工程前の剥離工程時に熱が加わることによって、水素注入層15に微小気泡層が形成され、その微小気泡層を剥離面として単結晶層13を剥離する工程である。すなわち、単結晶層13にある微小気泡層が形成された水素注入層15を剥離面として単結晶層13が剥離される。
【0046】
図4では、ステップS4において剥離工程が行われる。具体的には、互いに接合された支持基板11および単結晶層13を800℃程度以上に加熱する。剥離の雰囲気は、アルゴン(Ar)や窒素(N)等の不活性ガス、真空の少なくとも何れか1つであってもよい。真空度は、例えば、1×10-4~1×10-6Pa程度であってもよい。剥離は、ラピッド・サーマル・アニーリング(RTA)や、ファーネス炉を用いて実行されてもよい。これにより、単結晶層13を、水素注入層15で分離させることができる。よって図10の模式図に示すように、支持基板11上に、ドーピング層13bを介して、例えば0.5μmの厚さの薄い単結晶層13を接合した構造を形成することができる。
【0047】
〈導入工程(ステップS5)〉
本工程は、第1半導体層と第1半導体層と接する第2半導体層を備える半導体基板の、第1半導体層または第2半導体層の少なくとも何れかに空孔および格子間原子を導入する工程であり、例えば剥離工程後の単結晶層13または支持基板11に空孔および格子間原子を導入する。
【0048】
図4では、ステップS5において、空孔および格子間原子の導入工程が行われる。空孔と格子間原子を導入する方法として、イオン注入、中性元素注入、プラズマ照射、スパッタリングの少なくとも何れか1つであってもよい。空孔および格子間原子を導入するために、アルゴン(Ar)を用いる場合には、単結晶層13の表面13aにイオン注入を用いてアルゴン(Ar)を導入する。これにより、図11の模式図に示すように、単結晶層13に、空孔および格子間原子の多い領域14が形成される。
【0049】
空孔および格子間原子は、単結晶層13のみ、支持基板11のみ、または単結晶層13および支持基板11の両方に導入しても良い。
【0050】
また、空孔および格子間原子の導入工程は、剥離工程と熱処理工程の間に行う。
【0051】
〈熱処理工程(ステップS6)〉
本工程は、導入工程後、半導体基板を熱処理して、空孔および格子間原子を導入した層に密度が1E13/cm~1E18/cmの不動転位を形成する工程である。
【0052】
図4では、ステップS6において熱処理工程が行われる。熱処理工程では、支持基板11、ドーピング層13bおよび単結晶層13を熱処理する。熱処理温度は、好ましくは、導入されたリンが活性化する温度がよく、半導体に用いる材料に応じて1100℃~2200℃に加熱してもよい。熱処理温度が1100℃未満の場合には、不動転位の形成が困難となる場合がある。また、熱処理温度が2200℃より高いと、SiC等の半導体の材料が昇華して接合基板の表面荒れが発生するおそれがある。例えば、支持基板11が多結晶SiCであり、単結晶層13が単結晶4H-SiCである場合には、熱処理温度は1700℃程度にすることが好ましい。
【0053】
熱処理の雰囲気は、アルゴン(Ar)窒素(N)等の不活性ガス、真空の少なくとも何れか1つであってもよい。真空度は、例えば、1×10-4~1×10-6Pa程度であってもよい。熱処理工程は、剥離工程が行われた炉内で行われても良い。また、熱処理の時間は、1分以上であれば、不動転位を問題なく形成することができる。なお、熱処理の時間の上限は特に制限がないが、製造効率を考慮して例えば100時間を上限としてもよい。
【0054】
<不動転位の形成>
図3(a)、(b)に、支持基板11が多結晶SiCであり、単結晶層13が単結晶4H-SiCである接合基板の場合において、それぞれ1100℃および1700℃で熱処理工程を行った後の単結晶層13の断面のTEM観察像を示す。熱処理工程の熱処理温度が1100℃の場合には、単結晶層13に不動転位が見られないが、熱処理温度が1700℃の場合には単結晶層13に不動転位が見られており、不動転位の形成には熱処理が必要であることがわかる。すなわち、空孔および格子間原子の導入工程で単結晶SiC層に導入された空孔や格子間原子が、適切な熱処理により集まって不動転位が形成する。
【0055】
<不動転位の効果>
不動転位を形成した接合基板にデバイスを形成することにより、例え金属汚染が発生しても、その金属は不動転位にゲッタリングされるため、ゲート絶縁膜耐圧不良やリーク電流発生によるデバイス歩留まりや信頼性が低下を抑制することができる。
【0056】
本発明の半導体基板の製造方法では、導入工程と熱処理工程が必須の工程であり、その他の工程は任意である。例えば、S0~S4の工程を実施して接合基板を製造してもよいし、S0~S4の工程が実施されて製造された接合基板を購入する等により入手して、導入工程と熱処理工程を実施してもよい。
【0057】
<変形例>
以上、本発明の実施形態の一例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。例えば以下に説明するように、本発明には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0058】
空孔と格子間原子を導入する際に使用する元素は、アルゴンに替えてシリコン(Si)であってもよい。この場合、Siが導入された領域の組成比は、シリコンの割合が炭素よりも多くなる。この場合、この領域では、シリコンリッチなSiCで構成されるとも言える。例えば、シリコンの組成比が、50~60atomic%の範囲となる。この領域では、シリコンが非常に高濃度に存在している状態になるため、SiCの結晶構造を維持することができず、結晶構造がSiCから変化してしまう。すなわち、炭素およびシリコンを含んだ複複合材料の領域が形成され、この領域では空孔と格子間原子が非常に多く含まれる。
【0059】
また、空孔と格子間原子を導入する際に使用する元素は、炭素(C)であってもよい。この場合、Cが導入された領域の組成比は、炭素の割合がシリコンよりも多くなる。この場合、界面は、炭素リッチなSiCで構成されるとも言える。例えば、炭素の組成比が、50~60atomic%の範囲となる。この場合においても、前述の通り、結晶構造がSiCから変化してしまう。すなわち、炭素およびシリコンを含んだ複複合材料の領域が形成され、この領域では空孔と格子間原子が非常に多く含まれる。
【0060】
また、空孔と格子間原子を導入する際に使用する元素は、キャリアになりにくい元素であって、空孔と格子間原子を形成する効力が高い元素であってもよい。例えば、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)などの希ガスや水素(H)の少なくとも何れか1つであってもよい。
【0061】
また、空孔と格子間原子を導入する際に使用する元素は、キャリアになりやすい元素であって、空孔と格子間原子を形成する効力が高い元素であってもよい。例えば、窒素(N)、リン(P)、ボロン(B)、アルミニウム(Al)の少なくとも何れか1つであってもよい。
【0062】
また、空孔および格子間原子の導入工程では、FABガン等の中性化した元素やイオンガン等のイオン化した元素を照射する方法を用いても良い。例えば、真空状態のチャンバー内に、接合基板10をセットし、単結晶層13の表面に、アルゴンの中性原子ビームやイオンビームを照射する。照射条件の一例としては、1.8keVの入射エネルギーで、10secの間、アルゴン(Ar)を照射する条件が挙げられる。
【0063】
また、照射工程(ステップS2)において、特定元素のイオンを照射してもよく、例えば窒素やリンなどのイオンをさらに照射してもよい。なお、照射工程では、窒素を照射することが好ましい。これにより、支持基板11および単結晶層13の表面を活性化する処理を、窒素やリンなどを支持基板11および単結晶層13に導入する処理としても機能させることができる。したがって、特定元素の導入工程(ステップS1)を省略することができるため、工程数の削減を図ることが可能となる。
【0064】
特定元素の導入工程および空孔および格子間原子の導入工程では、マスク材を介してイオン注入しても良い。マスク材には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、レジストの少なくとも何れか1つであってもよい。
【0065】
支持基板11や単結晶層13にキャリアを発生させる特性元素は、特性元素の導入工程によって導入する形態に限られない。特性元素が予め導入された支持基板11および単結晶層13を用いることで、特性元素の導入工程を省略してもよい。本実施形態では、窒素やリンなどが高濃度にドープされたn型の支持基板11および単結晶層13を用いればよい。また、基板に予めドープされる特性元素の濃度は、特性元素の導入工程で導入する、接合界面における特性元素濃度以上とすればよい。本実施形態では、窒素またはリンが1×1019/cm以上ドープされた、n型の支持基板11や単結晶層13を用いればよい。
【0066】
特定元素の導入工程(ステップS1)で使用される方法は、イオン注入、中性元素注入、プラズマドーピングで可能であるが、それ以外に熱拡散法を用いることができる。熱拡散法は、支持基板11や単結晶層13の周りにリンなどの特定元素を高濃度に存在させた上で加熱するという原理を有する。従って、支持基板11や単結晶層13の表面において、リンなどの特定元素濃度を最大にすることができる。また、イオン打ち込み法を用いる場合に比して、特定元素の濃度プロファイルの幅を狭くすることができる。これにより、トンネル効果により通り抜けることができる電位障壁の幅(数ナノメートル程度)に対応した幅を有する、特定元素の濃度プロファイルを形成することが可能となる。なお、特定元素を導入する半導体材料がSiCである場合に、SiCは不純物の熱拡散係数が非常に小さいため、1100℃程度以上の高温で熱拡散を行うことが好ましい。これにより、トンネル効果を発現させうる数ナノメートル程度の拡散を行うことができる。
【0067】
また、特定元素の導入工程(ステップS1)と水素イオン注入工程(ステップS0)は、その前後の順番を入れ替えても良い。例えば、先に単結晶層13に特定元素としてリンを導入し、次に水素を単結晶層13にイオン注入することも可能である。
【0068】
熱処理工程(ステップS6)の後に、必要な厚さの単結晶層を単結晶層13上にエピタキシャル成長させてもよい。このエピタキシャル層が、以下に説明する各種の素子の形成領域となる。各種素子の形成のために必要なエピタキシャル層の厚さは、SiCの場合は概ね5μm以上である。
【0069】
また、エピタキシャル層の上に、半導体素子および半導体デバイスの少なくとも何れか1つを形成してもよい。
【0070】
半導体素子としては、整流素子(ショットキーダイオード、PNダイオード等)、バイポーラトランジスタ、ユニポーラトランジスタ、電界効果型トランジスタ(MOSFET等)、IGBT、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ、発光素子(発光ダイオード、レーザダイオード等)、受光素子、光電変換素子等が挙げられる。
【0071】
また、半導体デバイスとしては、ロジック(論理回路)、演算回路、光導波路、光増幅器、アナログIC、電源IC、集積回路、線形回路(リニアIC)、計数回路(デジタルIC)、マイクロコンピュータ、ディスプレイドライバ、セミカスタム、FPGA、メモリー(DRAM、SRAM、フラッシュメモリ等)、センサー、MEMS、パワーデバイス、高周波デバイス、光デバイス、混成集積回路(ハイブリッドIC)等が挙げられる。
【0072】
単結晶層13にSiCを使用する場合は、4H-SiCの単結晶に限られない。3C-SiCや6H-SiCなど、様々なポリタイプの単結晶SiCを単結晶層13として用いることができる。また、支持基板11にSiCの多結晶を使用する場合は、3C-SiCの多結晶に限られない。様々なポリタイプの多結晶SiCを用いることが可能である。
【実施例0073】
以下に、本発明の実施例を示してさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0074】
(金属のゲッタリング効果の評価)
実施例として、不動転位による金属のゲッタリング効果の評価のために、多結晶SiCからなる支持基板11上に、Tiを含んだ4H-SiCの単結晶からなる約0.4μmの単結晶層13を有する接合基板10を用いた。この単結晶SiC層13には、導入工程によって水素のイオン注入により空孔および格子間原子を導入しており、この接合基板に熱処理工程によって1700℃の熱処理を行って、図2(b)に示すように単結晶層13中に約8E14/cmの不動転位を形成した。この接合基板10の単結晶層13の上に、1630℃の温度条件で約10μmのSiCエピタキシャル成長をさせて、Ti濃度分布のSIMS分析を行い、不動転位によってゲッタリングされたTiが拡散せずに捕捉された状態を維持するか否かを評価することで、不動転位によるゲッタリング効果を調べた。
【0075】
また、不動転位による金属のゲッタリング効果の評価の参考例として、不動転位のない単結晶SiC基板に、上記と同様に1630℃の温度条件で約10μmのSiCエピタキシャル成長をさせて、Ti濃度分布のSIMS分析を行い、実施例と同様にゲッタリング効果を調べた。
【0076】
図12に、上述の接合基板10のSIMS分析の結果、およびSIMS分析に用いた基板の断面構造を示す。また、図13に、参考例である上述の単結晶基板のSIMS分析の結果、およびSIMS分析に用いた基板の断面構造を示す。
【0077】
本分析に用いたSIMS装置はCAMECA社製のIMS-7fであり、分析条件は一次イオン種がO2+、一次加速電圧が11.0kV、検出領域が30μmΦである。図12では、本接合基板10上のエピタキシャル層表面が深さ0μmの位置、エピタキシャル層/単結晶SiC層13の界面位置が深さ約10μmの位置、単結晶SiC層13/多結晶SiC支持基板11の接合界面位置が深さ約10.4μmの位置である。図13では、本単結晶基板上のエピタキシャル層表面が深さ0μmの位置、エピタキシャル層/単結晶SiC基板の界面位置が深さ約10μmの位置である。
【0078】
図12の結果は、1630℃のエピタキシャル成長後でも1E14/cmオーダーのTiが、不動転位の存在する単結晶SiC層13に留まっており、SiCエピタキシャル層内部にTiが拡散していないことを示している。SiCエピタキシャル層はデバイスを形成する領域であるため、この領域に金属が拡散しなければ、金属汚染によるデバイス特性劣化は起こらない。なお、深さ1μm、5~7μmに認められるエピタキシャル層中の4本のピークは、Tiを検出したのではなく、ノイズである。すなわち、エピタキシャル層中からTiは検出されず、単結晶SiC層よりエピタキシャル層へTiは拡散しなかった。この結果より、不動転位はゲッタリングしたTiが拡散させずに捕捉した状態を維持することがわかった。
【0079】
一方、図13では、エピタキシャル層および単結晶SiC基板に認められるピークは、いずれもノイズであり、Tiが検出されなかった。すなわち、SiCエピタキシャル層の下に不動転位が存在しないため、Tiのゲッタリングが起こっておらず、Tiが拡散してエピタキシャル層および単結晶SiC基板のいずれにも存在しないことを示す結果となった。このため、不動転位が存在しない場合には金属汚染レベルが高くなると、デバイス特性劣化が引き起こされるリスクが高くなる。
【0080】
(まとめ)
以上より、本発明は、半導体層と半導体層を接合した半導体基板の少なくとも何れか1つの半導体層に、金属のゲッタリングとして働き、かつ欠陥が伸展しない不動転位が存在することを特徴とする半導体基板および半導体基板の製造方法を提供できるため、産業上有用である。
【符号の説明】
【0081】
10:接合基板、11:支持基板、11a:支持基板の表面、13:単結晶層、13a:単結晶層の表面、13b:ドーピング層、14:空孔および格子間原子の多い領域、101:チャンバー、102:FABガン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13