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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008633
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】慣性センサおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 19/5691 20120101AFI20240112BHJP
【FI】
G01C19/5691
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110654
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 優輝
(72)【発明者】
【氏名】和田 章良
【テーマコード(参考)】
2F105
【Fターム(参考)】
2F105AA02
2F105BB02
2F105BB14
2F105BB15
2F105CC04
2F105CD03
2F105CD05
(57)【要約】
【課題】いびつな形状の微小振動体を用いた慣性センサにおいて、微小振動体の傷付きを抑制しつつ、微小振動体とこれを囲む複数の電極間の隙間バラツキを低減する。
【解決手段】微小振動体2に非対称な形状の第1アライメントマーク24を形成し、実装基板には第1アライメントマーク24に対応し、かつ非対称な形状の第2アライメントマーク43を形成する。微小振動体2を実装基板に搭載する際に、第1アライメントマーク24および第2アライメントマーク43を用いた位置合わせを可能とする。実装基板の複数の電極部53は、微小振動体2の外寸測定により得られた数値に基づいて形成され、互いに離れて配置されている。
【選択図】図11G
【特許請求の範囲】
【請求項1】
慣性センサの製造方法であって、
半球形状の三次元曲面を有する曲面部(21)と、前記曲面部から前記半球形状の内側に向かって延設された支柱部(22)とを有する微小振動体(2)を用意することと、
用意した前記微小振動体の外寸を測定することと、
複数の電極部(53)を有し、前記微小振動体が搭載される実装基板(3)を用意することと、
前記微小振動体が複数の前記電極部に距離を隔てて囲まれた状態で、前記微小振動体を前記実装基板に搭載することと、を含み、
前記実装基板を用意することにおいては、測定して得られた前記微小振動体の外寸数値に基づいて、前記微小振動体の前記曲面部のうち前記支柱部とは反対側の端部であるリム(211)から所定の距離を隔てた位置に複数の前記電極部を形成する、慣性センサの製造方法。
【請求項2】
複数の前記電極部を形成することにおいては、測定して得られた前記微小振動体の外寸数値に基づいて、マスクレス露光機を用いたパターニングにより行う、請求項1に記載の慣性センサの製造方法。
【請求項3】
複数の前記電極部を形成することにおいては、測定して得られた前記微小振動体の外寸数値に基づいたマスクを作成し、前記マスクを用いたパターニングにより行う、請求項1に記載の慣性センサの製造方法。
【請求項4】
前記微小振動体を前記実装基板に搭載することにおいては、前記微小振動体のうち前記リムと前記実装基板の複数の前記電極部との間の距離を測定し、前記微小振動体と前記実装基板との位置合わせを行う、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の慣性センサの製造方法。
【請求項5】
前記微小振動体を用意することにおいては、前記支柱部のうち前記実装基板と向き合う実装面(22b)に第1アライメントマーク(24)を付し、
前記実装基板を用意することにおいては、前記第1アライメントマークと対をなす第2アライメントマーク(43)を付した前記実装基板を用意し、
前記微小振動体を前記実装基板に搭載することにおいては、前記第1アライメントマークおよび前記第2アライメントマークを用いて、前記微小振動体と前記実装基板との位置合わせを行う、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の慣性センサの製造方法。
【請求項6】
前記微小振動体を前記実装基板に搭載することにおいては、前記微小振動体のうち前記リムと前記実装基板の複数の前記電極部との間の静電容量を測定し、前記微小振動体と前記実装基板との位置合わせを行う、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の慣性センサの製造方法。
【請求項7】
慣性センサであって、
半球形状の三次元曲面を有する曲面部(21)と、前記曲面部から前記半球形状の内側に向かって延設された支柱部(22)とを有する微小振動体(2)と、
複数の電極部(53)を有し、前記微小振動体の一部が接続される実装基板(3)と、を備え、
前記曲面部のうち前記支柱部とは反対側の端部をリム(211)とし、前記実装基板のうち前記支柱部が接合される面を接合面として、前記微小振動体は、前記実装基板との位置合わせに用いられる第1アライメントマーク(24)を有すると共に、前記接合面に対する法線方向から見たとき、前記リムの外形が真円とは異なる形状であるか、または前記支柱部が前記曲面部の中心とは異なる位置に形成されており、
前記実装基板は、前記第1アライメントマークと対をなす第2アライメントマーク(43)を有し、
複数の前記電極部は、前記リムの外形に沿って、互いに離れて配置されている、慣性センサ。
【請求項8】
前記第1アライメントマークは、前記支柱部に形成されている、請求項7に記載の慣性センサ。
【請求項9】
前記第1アライメントマークおよび前記第2アライメントマークは、それぞれ複数形成され、かつ全体として非対称に配置されている、請求項8に記載の慣性センサ。
【請求項10】
前記第2アライメントマークは、前記実装基板のうち前記第1アライメントマークと向き合う領域よりも外側の領域に配置されている、請求項9に記載の慣性センサ。
【請求項11】
前記リムは、前記実装基板のうち前記支柱部が接合される面に対する法線方向から見て、外形が真円とは異なる形状であり、
複数の前記電極部は、前記リムの外形に沿って配置されている、請求項10に記載の慣性センサ。
【請求項12】
慣性センサであって、
半球形状の三次元曲面を有する曲面部(21)と、前記曲面部から前記半球形状の内側に向かって延設された支柱部(22)とを有する微小振動体(2)と、
複数の電極部(53)を有し、前記微小振動体の一部が接続される実装基板(3)と、を備え、
前記曲面部のうち前記支柱部とは反対側の端部をリム(211)とし、前記実装基板のうち前記支柱部が接合される面を接合面として、前記微小振動体は、前記接合面に対する法線方向から見たとき、前記リムの外形が真円とは異なる形状であるか、または前記支柱部が前記曲面部の中心とは異なる位置に形成されており、
前記支柱部のうち前記実装基板と向き合う実装面(22b)は、外形が非対称であり、前記実装基板との位置合わせに用いられる位置合わせ部(221)である、慣性センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元曲面形状を有する微小振動体を用いた慣性センサおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の自動運転のシステム開発が進められており、この種のシステムでは、高精度の自己位置の推定技術が必要である。例えば、いわゆるレベル3の自動運転向けに、GNSS(Global Navigation Satellite Systemの略)とIMU(Inertial Measurement Unitの略)とを備える自己位置推定システムの開発が進められている。IMUは、例えば、3軸のジャイロセンサと3軸の加速度センサから構成される6軸の慣性力センサである。将来的に、いわゆるレベル4以上の自動運転を実現するためには、現状よりもさらに高感度のIMUが求められる。
【0003】
このような高感度のIMUを実現するためのジャイロセンサとしては、BRG(Bird-bath Resonator Gyroscopeの略)が有力視されており、ワイングラスモードで振動する略半球形状の三次元曲面を有する微小振動体が実装基板に搭載されてなる。この微小振動体は、振動の状態を表すQ値が10以上に達するため、従来よりも高感度が見込まれる。
【0004】
この種の微小振動体を用いた慣性センサとしては、例えば特許文献1に記載のものが挙げられる。この慣性センサは、略半球形状の三次元曲面を有する微小振動体が台座となる基板に接合されると共に、当該基板に微小振動体を取り囲む複数の電極が配置され、これらの電極のうち微小振動体と向き合う面にめっきが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第10612925号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の微小振動体は、リフロー材料で構成された板材と、型とを用い、当該板材を加熱して軟化させつつ、型のキャビティを減圧することで三次元の曲面形状が形成される。しかし、この工程により形成される微小振動体は、台座となる基板の複数の電極と向き合う部分や台座と接合される支柱部分が意図しない形状になることがある。例えば、微小振動体のうち複数の電極と向き合う部分であるリム部分が真円形状とならなかったり、支柱部分がリム部分の中心位置からはずれた位置に形成される軸ズレが生じたりする。このようないびつな形状の微小振動体を用いた場合、微小振動体を台座となる基板に接合した際に、微小振動体と複数の電極との隙間にバラツキが生じ、静電容量の低下、ひいてはセンサの精度低下が生じうる。
【0007】
特許文献1に記載の慣性センサは、微小振動体を台座となる基板に接合した後、複数の電極と微小振動体との隙間を一度めっきで埋め、続けてエッチングによりめっきの一部を除去することで、微小振動体と複数の電極との隙間のバラツキが低減されている。しかし、この工程で製造される慣性センサは、微小振動体がめっきのエッチング工程において傷付き、センサ精度が低下するおそれがある。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑み、いびつな形状の微小振動体を用いた慣性センサにおいて、微小振動体の傷付きを抑制しつつ、微小振動体とこれを囲む複数の電極間の隙間バラツキを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の慣性センサの製造方法は、半球形状の三次元曲面を有する曲面部(21)と、曲面部から半球形状の内側に向かって延設された支柱部(22)とを有する微小振動体(2)を用意することと、用意した微小振動体の外寸を測定することと、複数の電極部(53)を有し、微小振動体が搭載される実装基板(3)を用意することと、微小振動体が複数の電極部に距離を隔てて囲まれた状態で、微小振動体を実装基板に搭載することと、を含み、実装基板を用意することにおいては、測定して得られた微小振動体の外寸数値に基づいて、微小振動体の曲面部のうち支柱部とは反対側の端部であるリム(211)から所定の距離を隔てた位置に複数の電極部を形成する。
【0010】
これによれば、用意した微小振動体の外寸測定を行い、得られた外寸数値に基づいて、微小振動体の曲面部のうち支柱部とは反対側の端部であるリムから所定の距離を隔てた位置に配置される複数の電極部が形成された実装基板を用意する。そして、このような複数の電極部を備える実装基板に外寸測定をした微小振動体を搭載する。これにより、微小振動体のうちリムが例えば楕円のような真円と異なるいびつな形状であっても、これに合わせた複数の電極部を備える実装基板に搭載されるため、リムと複数の電極部との距離のバラツキが低減された慣性センサを製造することができる。
【0011】
請求項7に記載の慣性センサは、半球形状の三次元曲面を有する曲面部(21)と、曲面部から半球形状の内側に向かって延設された支柱部(22)とを有する微小振動体(2)と、複数の電極部(53)を有し、微小振動体の一部が接続される実装基板(3)と、を備え、曲面部のうち支柱部とは反対側の端部をリム(211)とし、実装基板のうち支柱部が接合される面を接合面として、微小振動体は、実装基板との位置合わせに用いられる第1アライメントマーク(24)を有すると共に、接合面に対する法線方向から見たとき、リムの外形が真円とは異なる形状であるか、または支柱部が曲面部の中心とは異なる位置に形成されており、実装基板は、第1アライメントマークと対をなす第2アライメントマーク(43)を有し、複数の電極部は、リムの外形に沿って、互いに離れて配置されている。
【0012】
この慣性センサは、第1アライメントマークを有する微小振動体が、第1アライメントマークと対をなす第2アライメントマークを有する実装基板に搭載されてなる。そして、微小振動体がいびつな形状である場合、すなわちリムの外形が真円とは異なる形状または支柱部が曲面部の中心とは異なる位置に形成されている場合でも、アライメントマークにより微小振動体と実装基板との位置決めがなされる。これにより、慣性センサは、いびつな微小振動体を有しつつも、実装基板の複数の電極部が微小振動体のリムの外形に沿って互いに離れて配置され、リムと複数の電極部との距離のバラツキが低減された構成となる。
【0013】
請求項12に記載の慣性センサは、半球形状の三次元曲面を有する曲面部(21)と、曲面部から半球形状の内側に向かって延設された支柱部(22)とを有する微小振動体(2)と、複数の電極部(53)を有し、微小振動体の一部が接続される実装基板(3)と、を備え、曲面部のうち支柱部とは反対側の端部をリム(211)とし、実装基板のうち支柱部が接合される面を接合面として、微小振動体は、接合面に対する法線方向から見たとき、リムの外形が真円とは異なる形状であるか、または支柱部が曲面部の中心とは異なる位置に形成されており、支柱部のうち実装基板と向き合う実装面(22b)は、外形が非対称であり、実装基板との位置合わせに用いられる位置合わせ部(221)である。
【0014】
この慣性センサは、支柱部を有する微小振動体が実装基板に搭載されてなり、支柱部のうち実装基板と向き合う実装面が、実装面に対する法線方向から見て非対称な形状、かつ位置合わせに用いられる位置合わせ部となっている。そのため、微小振動体がいびつな形状、すなわちリムの外形が真円とは異なる形状であるか、または支柱部が曲面部の中心とは異なる位置に形成されている場合でも、位置決め部により微小振動体と実装基板との位置決めがなされる。これにより、慣性センサは、いびつな微小振動体を有しつつも、実装基板の複数の電極部が微小振動体のリムの外形に沿って互いに離れて配置され、リムと複数の電極部との距離のバラツキが低減された構成となる。
【0015】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態の慣性センサを示す上面レイアウト図である。
図2】第1実施形態に係る微小振動体を示す斜視図である。
図3図2のIII-III線の断面図である。
図4図3の微小振動体を実装面側から見た様子を示す図である。
図5A】三次元曲面を有する微小振動体の形成工程のうち部材の用意工程を示す断面図である。
図5B図5Aに続く微小振動体の形成工程を示す断面図である。
図5C図5Bに続く微小振動体の形成工程を示す断面図である。
図6】微小振動体の別の形状例を示す図であって、図4に相当する図である。
図7】第1実施形態の慣性センサに係る実装基板を示す上面レイアウト図である。
図8図1のVIII-VIII線の断面図である。
図9図1のIX-IX線の断面図である。
図10A】第1実施形態の慣性センサの製造工程を示す断面図である。
図10B図10Aに続く製造工程を示す断面図である。
図10C図10Bに続く製造工程を示す断面図である。
図10D図10Cに続く製造工程を示す断面図である。
図10E図10Dに続く製造工程を示す断面図である。
図10F図10Eに続く製造工程を示す断面図である。
図10G図10Fに続く製造工程を示す断面図である。
図10H図10Gに続く製造工程を示す断面図である。
図10I図10Hに続く製造工程を示す断面図である。
図11A図10Eの工程における別断面を示す断面図である。
図11B図10Fの工程における別断面を示す断面図である。
図11C図10Gの工程における別断面を示す断面図である。
図11D図10Hの工程における別断面を示す断面図である。
図11E図10Iの工程における別断面を示す断面図である。
図11F図10Iおよび図11Eに続く製造工程を示す断面図である。
図11G図11Fの工程における微小振動体と実装基板との位置合わせの説明図である。
図11H図11Gの工程におけるアライメントマークを用いた位置合わせの一例を示す図である。
図12】微小振動体におけるアライメントマークの変形例を示す図である。
図13図12に対応する実装基板のアライメントマークの変形例を示す図である。
図14】第1実施形態の変形例に係る微小振動体と実装基板との位置合わせの説明図である。
図15】第2実施形態の慣性センサに係る微小振動体を示す図であって、図4に相当する図である。
図16】第2実施形態における微小振動体と実装基板との位置合わせの説明図である。
図17】第3実施形態の慣性センサに係る微小振動体と実装基板との位置合わせの説明図である。
図18】第3実施形態の慣性センサに係る微小振動体と実装基板との位置合わせの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0018】
(第1実施形態)
第1実施形態の慣性センサ1について、図面を参照して説明する。本実施形態の慣性センサ1は、ワイングラスモードで振動する後述の微小振動体2を有し、微小振動体2の振動特性を利用した各種デバイス、例えば、BRG等のジャイロセンサやクロックデバイス等に適用されると好適である。本明細書では、慣性センサ1がBRGに適用された場合を代表例として説明するが、慣性センサ1は、この用途を限定するものではなく、勿論、ジャイロセンサとは異なる慣性センサ等の他の用途にも適用されうる。
【0019】
図1では、後述する実装基板3のうち微小振動体2に重なって見えない部分の外郭を破線で示している。図2では、後述する微小振動体2の構成を分かり易くするため、微小振動体2の外郭のうち図2に示す角度から見えない部分については破線で示している。図4図6では、断面を示すものではないが、後述する第1アライメントマーク24にハッチングを施している。図7では、断面を示すものではないが、後述する第2アライメントマーク43にハッチングを施している。
【0020】
以下、説明の便宜上、図1に示すように、紙面における左右方向に沿った方向を「x方向」と、同紙面上においてx方向に直交する方向を「y方向」と、xy平面に対する法線方向を「z方向」と、それぞれ称する。図1以降の図中のx、y、z方向は、図1のx、y、z方向にそれぞれ対応するものである。また、本明細書における「上」とは、図中のz方向に沿った方向であって、矢印側を意味し、「下」とは上の反対側を意味する。さらに、本明細書では、例えば図1等に示すように、z方向上側から慣性センサ1または実装基板3を見た状態を「上面視」と称することがある。
【0021】
〔基本構成〕
本実施形態の慣性センサ1は、例えば図1に示すように、微小振動体2と、実装基板3とを備え、微小振動体2の一部が実装基板3に接合されてなる。慣性センサ1は、ワイングラスモードで振動することが可能な薄肉の微小振動体2と実装基板3のうち後述する複数の電極部53との間における静電容量の変化に基づき、慣性センサ1に印加された角速度を検出する構成となっている。慣性センサ1は、BRGを構成する場合、駆動時には、複数の電極部53の一部と微小振動体2との間に静電引力を生じさせることで、微小振動体2をワイングラスモードで振動させる。このBRGは、微小振動体2が振動状態のときに、外部からコリオリ力が印加されると、微小振動体2が変位してその振動モードの節の位置が変化する。このBRGは、この振動モードの節の変化を微小振動体2と複数の電極部53との静電容量で検出することで、当該BRGに働く角速度の検出が可能となっている。
【0022】
微小振動体2は、例えば、図2に示すように、楕円半球形状の三次元曲面の外形を含む曲面部21と、曲面部21のなす仮想半球の頂点側から当該半球の内側に向かうように延設された支柱部22とを備える。支柱部22は、例えば、有底筒状の凹部となっている。微小振動体2は、例えば、曲面部21が椀状の三次元曲面を有し、その振動のQ値が10以上となっている。
【0023】
曲面部21のうち支柱部22とは反対側の端部をリム211として、リム211は、例えば図2図3に示すように、略楕円形の筒状とされる。言い換えると、例えば、リム211は、上面視にて、楕円形状のように真円とは異なる外形となっている。微小振動体2は、リム211が、表面2a側が実装基板3のうち後述する複数の電極部53と向き合った状態で実装基板3に搭載されている。微小振動体2は、例えば図4に示すように、支柱部22のうち実装基板3と向き合って接合される面である実装面22bに第1アライメントマーク24が形成されている。微小振動体2は、本実施形態では、第1アライメントマーク24およびこれに対応して実装基板3に形成された後述の第2アライメントマーク43を用いることで、複数の電極部53との間隔が略等間隔となるように搭載される。アライメントマークを用いた微小振動体2の実装基板3への搭載については後述する。
【0024】
微小振動体2は、実装基板3への実装時において、リム211を含む曲面部21が他の部材とは接触しない中空状態になる部位である。微小振動体2は、実装基板3に搭載されたとき、中空状態のリム211がワイングラスモードで振動可能な構造となっている。
【0025】
微小振動体2は、例えば、図3に示すように、外径が大きいほうの面を表面2aとし、その反対面を裏面2bとして、この両面の一部または全部を覆う表面電極23を有する。微小振動体2は、支柱部22のうち裏面2b側の面が実装基板3と向き合う実装面22bとなっている。微小振動体2は、本実施形態では、例えば、支柱部22の底面のうち実装面22bとは反対の面が微小振動体2の吸着搬送に用いられる吸着面22aとなっている。
【0026】
表面電極23は、例えば、限定するものではないが、下地側からCr(クロム)あるいはTi(チタン)と、Au(金)やPt(白金)等の任意の導電性材料との積層膜、またはTiN(窒化チタン)等の基材と密着性のある導電性材料の単層膜で構成される。表面電極23は、例えば、スパッタリングや蒸着、ALD(原子層堆積法)等の任意の成膜法により微小振動体2の表面2aおよび裏面2bに成膜される。表面電極23は、本実施形態では、少なくとも実装面22bおよびリム211の表面2aに成膜され、これらの部位が電気的に接続される構成となっている。表面電極23は、微小振動体2の表裏面の全域を覆うベタ形状であってもよいし、前述の構成となるようにパターニングされ、表裏面の一部を覆うパターン形状であってもよい。
【0027】
微小振動体2は、例えば、石英、ホウケイ酸ガラスなどの添加物含有のガラス、金属ガラス、シリコンやセラミック等の材料で構成される。なお、微小振動体2は、三次元曲面形状とされた曲面部21および支柱部22を形成でき、ワイングラスモードでの振動が可能なものであればよく、前述の材料に限定されない。微小振動体2は、例えば、後述する形成工程により、上記した材料で構成された薄肉基材を加工して形成されることで、曲面部21および支柱部22の厚みが10μm~100μmといった具合のマイクロメートルオーダーの薄肉部材となっている。微小振動体2は、例えば、実装基板3の厚み方向に沿った方向を高さ方向として、高さ方向の寸法が2.5mm、リム211の表面2a側の外径が5mmといったミリサイズの形状となっている。
【0028】
微小振動体2は、支柱部22のうち実装面22bに実装基板3との位置合わせに用いられる第1アライメントマーク24が付されている。第1アライメントマーク24は、例えば、レーザ加工などの任意の方法で形成される。第1アライメントマーク24は、例えば図4に示すように、実装基板3への搭載時における向きが1つに定まるように非対称な形状とされている。例えば、実装面22bに対する法線方向に沿った方向であって、実装面22bの中心を通る仮想直線を回転軸として、微小振動体2を回転させた場合における微小振動体2の向きを考える。この場合において、アライメントマークが点対称あるいは線対称な形状であるとき、アライメントマークが同一の状態となる微小振動体2の向きが少なくとも2以上存在することとなる。一方、アライメントマークが非対称な形状であるとき、アライメントマークが同一の状態となる微小振動体2の向きが1つのみとなるため、実装基板3への搭載時における微小振動体2の向きを一義的に決めることができる。なお、第1アライメントマーク24は、実装基板3の第2アライメントマーク43に対応し、かつ非対称な形状であればよく、図4に示す一例に限定されるものではなく、適宜変更されうる。
【0029】
微小振動体2は、例えば、次のような工程により形成される。
【0030】
まず、例えば図5Aに示すように、石英板20、三次元曲面形状を形成するための型Mおよび型Mを冷却するための冷却体Cを用意する。型Mは、例えば、石英板20に三次元曲面形状を形成する際のスペースとなる凹部M1と、凹部M1の中心において、凹部M1の深さ方向に沿って延設され、加工時に石英板20の一部を支える支持部M2とを備える。型Mは、凹部M1の底面に減圧用の貫通孔M11が形成されている。冷却体Cは、型Mが嵌め込まれる嵌め込み部C1と、嵌め込み部C1の底面に排気用の排気口C11とを備え、石英板20を加工する際に型Mを冷却する役割を果たす。石英板20は、型Mの凹部M1の全域を覆うように配置される。
【0031】
続けて、例えば図5Bに示すように、石英板20に向けてトーチTから火炎Fを吹きかけ、石英板20を溶融させる。このとき、型Mの凹部M1は、図示しない真空機構により冷却体Cの排気口C11を通じて真空引きされている。これにより、石英板20のうち溶融した部分は、凹部M1の底面に向かって引き延ばされると共に、その中心周辺領域が支持部M2により支えられた状態となる。その後、石英板20の加熱をやめて冷却することで、石英板20は、略半球形の三次元曲面形状とされた曲面部位201と、支持部M2に支えられることで曲面部位201の中心近傍で凹む形状となった凹部位202とが形成される。また、石英板20は、凹部M1の外側に位置する部分が、曲面部位201の外周端に位置し、平坦形状とされた端部203となる。
【0032】
次いで、型Mの凹部M1を常圧に戻し、加工後の石英板20を取り外し、例えば図5Cに示すように、任意の硬化性樹脂材料によりなる封止材Eで石英板20を封止する。その後、例えば、封止材Eを端部203側の面から図5Cの一点鎖線で示す部分まで研磨およびCMPを行い、封止材Eごと端部203を除去する。これにより、石英板20は、環状曲面を有する曲面部21と、曲面部21の頂点から凹んだ支柱部22とを有する形状となる。なお、CMPとは、Chemical Mechanical Polishingの略称である。
【0033】
そして、加熱や薬液を用いた溶解等の任意の方法により、封止材Eをすべて除去し、石英板20を取り出す。続けて、取り出した石英板20の凹部位202の裏側底面にレーザ光を照射することで、第1アライメントマーク24を形成する。最後に、例えば、スパッタリングや蒸着等の成膜プロセスにより、上記した加工後の石英板20の表裏面の両面に表面電極23を形成する。表面電極23は、必要に応じて、図示しないマスク等を用いる等の公知の方法によりパターニングされてもよい。
【0034】
なお、微小振動体2は、例えば、上記のような製造プロセスにより製造されるが、この製法例に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。例えば、図5Bに示す石英板20を溶融するための熱源は、トーチTによる火炎Fに代わって、火炎Fを用いた場合と同等面積で石英板20を加熱できるヒータであってもよい。
【0035】
また、微小振動体2は、例えば図5Cの工程の後に第1アライメントマーク24が形成されるが、その形成のタイミングについては任意である。例えば、第1アライメントマーク24を図5Aに示す工程前に形成し、第1アライメントマーク24を有する石英板20を用意し、図5B以降の工程により三次元曲面形状を形成してもよい。この場合、第1アライメントマーク24は、石英板20の加熱による軟化工程において歪みが生じうるが、非対称な形状であればよいため、実装基板3との位置合わせにおいて特に支障はなく、当該歪みが実装基板3との位置決めに利用されてもよい。
【0036】
また、微小振動体2は、曲面部21が椀状の三次元曲面形状を有し、ワイングラスモードで振動可能な構成であればよく、図示したBRの形状にのみ限定されるものではない。例えば、支柱部22は、有底筒状の凹部のほか、柱状の形状とされてもよいし、図6に示すように、その中心がリム211の中心位置CPから異なる位置に配置された状態(以下、便宜的にこの状態を「軸ズレ」という)であってもよい。なお、リム211の中心位置CPとは、リム211の外形のなす楕円の中心に位置する点を意味する。
【0037】
微小振動体2は、例えば上記したように、三次元曲面形状の形成工程において曲面部位201が型Mに接触しない手法で形成されるが、この場合、三次元曲面の形状や曲面部21に対する支柱部22の位置が常に同じ状態になるわけではない。そのため、微小振動体2は、実装基板3の形成前に、例えば、レーザ顕微鏡や白色干渉顕微鏡などの光学的な手法により、リム211や支柱部22を含む全体の外形について外寸測定がなされる。この外寸測定により得られた微小振動体2の外寸数値は、実装基板3の溝41、内枠部51、複数の電極部53や第2アライメントマーク43等の形成に用いられる。
【0038】
実装基板3は、例えば図7に示すように、下部基板4と、上部基板5とを備え、これらが接合された構成となっている。例えば、実装基板3は、絶縁材料のホウケイ酸ガラスにより構成された下部基板4に、半導体材料のSi(シリコン)により構成された上部基板5を陽極接合することで得られる。実装基板3は、例えば、上部基板5の側に、環状の内枠部51と、内枠部51を囲むように互いに離れて配置された複数の電極部53と、電極部53を囲むように互いに離れて配置された複数の外枠部54とを備える。また、実装基板3は、下部基板4側に、例えば、内枠部51と複数の電極部53とを隔てつつ、内枠部51を囲む円環形状の溝41と、溝41の内側と外側とを跨ぐ複数のブリッジ配線42とを備える。
【0039】
溝41は、例えば、図8図9に示すように、内枠部51と複数の電極部53との間に設けられる溝であり、ウェットエッチング等により形成される。溝41は、例えば、微小振動体2のリム211の外径に対応する寸法とされ、微小振動体2を実装基板3に実装したときに、リム211を実装基板3に接触させないために設けられる。
【0040】
複数のブリッジ配線42は、例えばAl(アルミニウム)等の導電性材料により構成されると共に、複数の電極部53の間を通過する配置とされ、複数の電極部53とは電気的に独立している。複数のブリッジ配線42は、例えば図9に示すように、下部基板4において溝41を跨ぐと共に、一端側が内枠部51に、他端が外枠部54にそれぞれ接続されており、これらを電気的に接続している。ブリッジ配線42は、例えば、外枠部54と同数形成されるが、その数については任意である。ブリッジ配線42は、最終的に、内枠部51に囲まれた領域に接合される微小振動体2の表面電極23と電気的に接続され、表面電極23に電圧を印加するための配線として機能する。
【0041】
内枠部51は、例えば、上面視にて円環形状とされ、その外側および内側の壁面が図8に示すように微小振動体2に当接しない寸法となっている。実装基板3のうち内枠部51に囲まれた領域内には、微小振動体2の第1アライメントマーク24に対応する第2アライメントマーク43が形成されている。
【0042】
第2アライメントマーク43は、微小振動体2に形成される第1アライメントマーク24と対をなすものであって、微小振動体2と実装基板3との位置合わせに用いられる。第2アライメントマーク43は、例えば、実装基板3のうち内枠部51に囲まれた領域内のように、微小振動体2の第1アライメントマーク24に対応する位置に形成される。第2アライメントマーク43は、第1アライメントマーク24と同様に非対称な形状とされ、下部基板4にエッチングやレーザ加工などの任意の方法で形成される。例えば、第2アライメントマーク43は、第1アライメントマーク24と相似する外形とされつつ、第1アライメントマーク24よりも平面サイズが大きくされる。なお、第1アライメントマーク24と第2アライメントマーク43は、平面サイズの大小関係については逆であってもよいし、相似関係でなくてもよい。
【0043】
接合部材52は、微小振動体2と実装基板3との接合に用いられる導電性材料であり、ブリッジ配線42に接続された内枠部51と微小振動体2の表面電極23とを電気的に接続する。接合部材52は、例えば、AuSn(金錫)、Ag(銀)、Auなどの導電性材料を有してなるペースト状の導電材とされ、シリンジ等を用いて内枠部51に囲まれた領域内に塗布される。
【0044】
複数の電極部53は、溝41の外周側の位置において、リム211の外形に沿って内枠部51を囲むように、互いに離れて配置されている。例えば、複数の電極部53は、図7に示すように、上面視にて、微小振動体2のリム211の外寸数値よりも大きい内径とされた1つの楕円の環状枠体を複数に分割した形状とされている。例えば、複数の電極部53は、内枠部51を囲む楕円の環状枠体を所定間隔で均等に分割した構成とされるが、これに限定されるものではなく、微小振動体2の形状や外寸等に応じて、その数、配置や形状等が適宜変更されうる。
【0045】
複数の電極部53は、例えば図8に示すように、それぞれ上面に電極膜531が形成されている。複数の電極部53は、例えば、電極膜531に図示しないワイヤが接続され、図示しない外部の回路基板等と電気的に接続されることで、電位の制御が可能となっている。複数の電極部53は、いずれも、例えば図1図8に示すように、微小振動体2が搭載されたとき、微小振動体2のリム211と所定の距離を隔てた状態となり、それぞれが微小振動体2とキャパシタを形成する。つまり、実装基板3は、複数の電極部53を介して、微小振動体2との間の静電容量を検出したり、微小振動体2との間に静電引力を生じさせ、微小振動体2をワイングラスモードで振動させたりすることが可能となっている。
【0046】
外枠部54は、例えば、上面視にて内枠部51を囲む枠体を複数に分割した構成とされると共に、図7図9に示すように、それぞれの上面にAl等によりなる電極膜541を備える。複数の外枠部54は、例えば、それぞれ、異なるブリッジ配線42を介して内枠部51に電気的に接続されると共に、電極膜541に図示しないワイヤが接続される。これにより、複数の外枠部54は、図示しない外部の回路基板等と電気的に接続されると共に、図示しない外部の電源等により、外枠部54を介した微小振動体2の表面電極23の電位制御および電圧検出を可能とする。なお、外枠部54は、図7に示す4つ形成される例に限定されるものではなく、その数、配置、形状や寸法等については、ブリッジ配線42の数などに応じて適宜変更されうる。
【0047】
以上が、本実施形態の慣性センサ1の基本的な構成である。この慣性センサ1は、微小振動体2の外寸を測定した上で、当該外寸の数値に基づいて形成された実装基板3に、当該微小振動体2をアライメントマークにより位置合わせした後に搭載されてなる。そのため、慣性センサ1は、上面視にて、リム211の外形が真円とは異なる形状である、または軸ズレが生じた構成である、すなわち微小振動体2がいびつな構成であったとしても、リム211と複数の電極部53との間隔のバラツキが低減されている。
【0048】
〔製造方法〕
次に、本実施形態の慣性センサ1の製造方法について説明する。ここでは、実装基板3の製造工程および微小振動体2の搭載工程について主に説明する。
【0049】
図11Gでは、微小振動体2と実装基板3との位置合わせを分かり易くするため、電極部53、リム211の外郭、第1アライメントマーク24および第2アライメントマーク43以外の構成要素については省略している。また、図11Gでは、リム211および第1アライメントマーク24の外郭を破線で示すと共に、断面を示すものではないが、第1アライメントマーク24にハッチングを施している。
【0050】
まず、例えば、図10Aに示すように、耐熱性のホウケイ酸ガラスによりなる下部基板4を用意する。そして、予め光学測定により微小振動体2の外寸を測定し、リム211および支柱部22の外寸数値に合わせて、下部基板4の表面にエッチングマスクEMを形成する。そして、例えば、バッファードフッ酸を用いたウェットエッチングなどの任意のエッチング手法により、図10Bに示すようにリム211の外形に沿った枠体形状の溝41を形成する。溝41の形成後、エッチングマスクEMを下部基板4から除去する。
【0051】
続けて、下部基板4のうち溝41の形成面に溝41を跨ぐ金属膜40をスパッタリングにより形成する。金属膜40は、例えば、厚み0.1μm程度のAlで構成される。そして、例えばフォトレジストをスピンコートより塗布し、フォトリソグラフィーエッチング法によりパターニングを行い、図10Cに示すように、レジスト膜Rを形成する。このレジスト膜Rは、金属膜40のうち内枠部51から外枠部54の形成予定位置までの領域を覆うパターン形状となっている。続けて、例えば、エッチング液を用いて、金属膜40のうちレジスト膜Rから露出した部分を除去した後、レジスト膜Rを剥離液により除去することで、図10Dに示すように、溝41を跨ぐ複数のブリッジ配線42を形成する。
【0052】
次いで、例えば図10Eに示すように、SiによりなるSi基板(上部基板5)を用意し、ホウケイ酸ガラスの下部基板4と陽極接合する。このとき、ブリッジ配線42が形成された部位とは異なる断面についても、例えば図11Aに示すように、下部基板4と上部基板5との界面が接合される。
【0053】
そして、例えば、ブリッジ配線42と同様の方法で、図10Fおよび図11Bに示すように、上部基板5上に複数の電極膜531、541を形成する。続いて、上部基板5のうち電極膜531、541の形成面に、例えばフォトリソグラフィーエッチング法により、図10G図11Cに示すように、内枠部51、複数の電極部53および外枠部54となる領域のみを覆うパターン形状のレジスト膜Rを形成する。このレジスト膜Rは、例えば、微小振動体2の外寸数値およびマスクレス露光機を用い、フォトレジストにパターン露光・現像を行うことにより、微小振動体2の外形に応じた所定のパターン形状で構成されうる。
【0054】
その後、例えば、上部基板5のうちレジスト膜Rから露出した部分に、DRIEによりトレンチエッチングを行って下部基板4を部分的に露出させ、図10Hおよび図11Dに示すように、内枠部51、複数の電極部53および外枠部54の各領域を分離させる。これにより、上部基板5は、内枠部51、複数の電極部53および外枠部54を有した構成となる。また、下部基板4に形成された溝41は、この上部基板5の区画工程により、上部基板5から露出した状態となる。なお、DRIEとは、Deep Reactive Ion Etchingの略称である。
【0055】
そして、例えば剥離液によりレジスト膜Rを除去し、図10Iおよび図11Eに示すように、内枠部51、複数の電極部53および外枠部54を露出させる。このような工程の結果、上記した構造の実装基板3が得られる。
【0056】
なお、上記では、上部基板5のパターニングにおいてマスクレス露光機を用いる例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、微小振動体2の外寸数値に基づいて図示しないレチクルを起こし、これを用いてパターン形状のレジスト膜Rを形成してもよい。また、図7等で示す1つの実装基板3は、例えば、ウエハに上記構造の複数の実装基板3となる領域を形成し、ダイシングカット等により個片化することにより得られる。言い換えると、実装基板3の製造については、ウエハレベルでの対応が可能である。
【0057】
上記のような工程で製造された実装基板3を図示しないマウンタ装置に吸着固定し、例えば図11Fに示すように、内枠部51に囲まれた領域内に、接合部材52をシリンジ塗布等の方法で配置する。そして、例えば、図示しない搬送装置の吸着治具Jにより支柱部22の吸着面22aで微小振動体2を吸着した状態で搬送する。このとき、例えば、微小振動体2の実装面22bと実装基板3の内枠部51との間に撮像装置P1の一部を挿入し、実装面22bの第1アライメントマーク24と実装基板3の第2アライメントマーク43を撮像できる状態とする。
【0058】
続いて、例えば図11Gに示すように、第1アライメントマーク24および第2アライメントマーク43を用いて、実装基板3に対する微小振動体2の向きを決定する。具体的には、例えば、実装基板3よりも上に配置された微小振動体2の第1アライメントマーク24の向きを方向D1とし、吸着固定された実装基板3の第2アライメントマーク43の向きを方向D2とする。この場合にて、例えば、方向D1と方向D2とのなす角度θが0°よりも大きいとき、例えば、上面視でリム211の外形が楕円形状の微小振動体2は、リム211の向きが実装基板3の複数の電極部53に対してずれた状態となる。このままでは、微小振動体2を実装基板3に搭載できないか、または搭載できたとしても、リム211と複数の電極部53との間隔に大きなバラツキが生じてしまう。
【0059】
そこで、まず、例えば、撮像装置P1によりアライメントマーク24、43の方向D1、D2の関係を確認しながら、図示しない搬送装置により方向D1、D2が一致するように、微小振動体2の向きを調整する。次に、例えば図11Hに示すように、上面視にて、第1アライメントマーク24を第2アライメントマーク43の外郭内側に内包されるように微小振動体2の位置を調整する。このとき、例えば、第1アライメントマーク24と第2アライメントマーク43の外郭の間隔であって、x方向両端におけるものをx1、x2とし、y方向両端におけるものをy1、y2とする。そして、x1、x2、y1、y2が所定の値となるように(限定するものではないが、例えばx1=x2、y1=y2など)、実装基板3に対する微小振動体2の位置調整を行う。これにより、図11Gに示すように、上面視にて、微小振動体2と実装基板3の位置合わせがなされ、リム211と複数の電極部53との間隔が略均等の状態となる。
【0060】
なお、第1アライメントマーク24と第2アライメントマーク43との位置合わせについては、例えば、撮像装置P1により撮像し、公知の画像処理技術によりエッジ検出により特徴点を抽出することで、相対位置を調整するといった方法で行うことができる。
【0061】
最後に、例えば、図示しないマウンタ装置の加熱機構により加熱された実装基板3に向かって微小振動体2を下降させ、接合部材52上に支柱部22の実装面22bを接触させる。その後、実装基板3を冷却し、接合部材52を固化することで微小振動体2を実装基板3に接合することができる。
【0062】
以上の工程により、本実施形態の慣性センサ1を製造することができる。このように、微小振動体2を成形した後に、その外寸測定を行い、得られた外寸数値に基づいて、リム211の外形に沿って配置された複数の電極部53を有する実装基板3を作製する。そして、アライメントマーク24、43を用いて、微小振動体2と実装基板3との位置合わせをし、これらを接合することで、リム211の外形が真円と異なる微小振動体2を用いても、リム211と複数の電極部53との間隔のバラツキを低減することができる。また、軸ズレが生じた微小振動体2であっても、リム211および支柱部22の位置関係に合わせた内枠部51および複数の電極部53を有する実装基板3を作製するため、上記と同様に、リム211と複数の電極部53との間隔のバラツキを低減できる。さらに、従来技術のように、微小振動体2のリム211と複数の電極部53との隙間を一度めっきで埋める工程およびこれらを分離するエッチング工程が不要なため、微小振動体2にエッチングによる傷が付くことが抑制される。
【0063】
本実施形態によれば、第1アライメントマーク24を有する微小振動体2が、第1アライメントマーク24と対をなす第2アライメントマーク43を有する実装基板3に搭載されて構成される。そして、リム211の外形が真円とは異なる形状であったり、または軸ズレが生じていたりする場合のように、いびつな形状の微小振動体2でも、アライメントマーク24、43により微小振動体2と実装基板3との位置決めがなされる。また、微小振動体2のリム211と複数の電極部53との直接接合およびその後の分離が不要であり、微小振動体2の傷付きが抑制される。よって、慣性センサ1は、いびつな微小振動体2を有しつつも、その傷付きが抑制されると共に、実装基板3の複数の電極部53が微小振動体2のリム211の外形に沿って互いに離れて配置され、リム211と複数の電極部53との距離のバラツキが低減される。
【0064】
(変形例)
慣性センサ1は、例えば、微小振動体2および実装基板3にそれぞれ複数のアライメントマーク24、43が付されていてもよい。例えば、微小振動体2は、図12に示すように、第1アライメントマーク24a~24fが実装面22bに付され、第1アライメントマーク24a~24f全体が1つの非対称なマークをなす構成となっている。実装基板3は、例えば図13に示すように、第1アライメントマーク24a~24eに対応する位置に、第2アライメントマーク43a~43eが付され、第2アライメントマーク43a~43e全体が1つの非対称なマークをなす構成となっている。そして、図14に示すように、第2アライメントマーク43a~43eの近傍に、対応する第1アライメントマーク24a~24eが配置されるように、微小振動体2の位置および向きの調整を行う。これにより、リム211と複数の電極部53との間隔が略均等となるように、微小振動体2と実装基板3との位置合わせを行うことができる。
【0065】
なお、図12図14では、断面を示すものではないが、第1アライメントマーク24a~24fにハッチングを施している。また、図14では、支柱部22の外郭および第1アライメントマーク24a~24fの外郭を破線で示している。
【0066】
第2アライメントマーク43a~43eは、例えば図13に示すように、いずれも、実装基板3の内枠部51に囲まれた領域のうち微小振動体2の実装面22bが接合される接合領域R1、すなわち接合後の支柱部22よりも外側に配置されることが好ましい。言い換えると、第2アライメントマーク43a~43eは、実装基板3のうち第1アライメントマーク24a~24fと向き合う部分よりも外側、より好ましくは支柱部22の底面(実装面22b)と向き合う部分よりも外側に配置されることが好ましい。これにより、実装基板3に接合部材52を塗布した際に、第2アライメントマーク43a~43eが接合部材52により隠れた状態とならず、微小振動体2と実装基板3との位置合わせが容易になるためである。
【0067】
なお、複数の第1アライメントマーク24および第2アライメントマーク43は、それぞれが全体として非対称な1つのアライメントマークをなす構成であればよく、1つ1つのマークについては対称な形状であってもよい。また、複数の第1アライメントマーク24および第2アライメントマーク43の数や配置等については、図示した内容に限定されるものではなく、適宜変更されうる。例えば、複数の第1アライメントマーク24および第2アライメントマーク43は、複数のマークが全体として対称な位置に配置される一方で、各マークもしくは一部のマークが非対称な形状であってもよい。また、複数の第1アライメントマーク24および第2アライメントマーク43は、各マークについては対称な形状である一方で、複数のマーク全体として非対称な配置とされてもよい。
【0068】
本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる慣性センサ1となる。また、接合部材52を実装基板3上に配置した後であっても、いびつな微小振動体2と実装基板3との位置合わせが容易になる効果も得られる。
【0069】
(第2実施形態)
第2実施形態の慣性センサ1について、図面を参照して説明する。図16では、図1と同様に、実装基板3のうち微小振動体2に覆われて隠れる部分の外郭を破線で示している。
【0070】
本実施形態の慣性センサ1は、例えば図15に示すように、微小振動体2に第1アライメントマーク24が形成されておらず、支柱部22が実装基板3との位置合わせが可能な形状である点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
【0071】
微小振動体2は、本実施形態では、支柱部22のうち実装面22bを含む底面部分を底部221として、実装面22bすなわち底部221の外形が点対称でない形状であり、支柱部22自体が実装基板3とのアライメントに用いられる位置合わせ部となっている。底部221の外形については、例えば、型Mのうち支持部M2の上面の外形を点対称でない形状とすることで形成することができ、図15に示す外形に限定されない。微小振動体2は、所定の向きとされた実装基板3への搭載時に支柱部22の底部221の向きを所定の方向に向くようにすることで、例えば図16に示すように、リム211と複数の電極部53との間隔が略均等となる構成となっている。
【0072】
なお、実装基板3は、本実施形態では、底部221の形状に対応する第2アライメントマーク43を有していてもよいし、内枠部51の内側壁面の形状が底部221の外形に追従した形状とされてもよい。
【0073】
本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる慣性センサ1となる。
【0074】
(第3実施形態)
第3実施形態の慣性センサ1について、図面を参照して説明する。
【0075】
本実施形態の慣性センサ1は、微小振動体2および実装基板3がいずれもアライメントマークを有さず、微小振動体2を実装基板3に搭載する際に、リム211と電極部53との距離バラツキが所定以下となるように調整される点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
【0076】
本実施形態では、例えば図17に示すように、微小振動体2を吸着保持したまま実装基板3上に配置した状態で、撮像装置P1で微小振動体2および実装基板3を撮像する。そして、例えば公知の画像認証技術により、微小振動体2のリム211の特徴点を抽出し、抽出した特徴点それぞれについて最も近い電極部53との距離を算出する。続けて、各特徴点とそれぞれ最も近い電極部53との距離が略同一となるように、図示しない搬送装置により微小振動体2の位置・向きの調整を行った後、接合部材52を固化させ、微小振動体2と実装基板3とを接合する。これにより、第1アライメントマーク24を有しないいびつな形状の微小振動体2と、第2アライメントマーク43を有しない実装基板3とを用いつつ、リム211と複数の電極部53との間隔バラツキが低減された慣性センサ1となる。
【0077】
本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる慣性センサ1となる。
【0078】
(変形例)
微小振動体2と実装基板3との位置合わせにおいては、リム211と複数の電極部53との距離に代わって、静電容量を測定し、電極部53それぞれとリム211との静電容量のバラツキが所定以下となるように調整する方法により行ってもよい。
【0079】
例えば図18に示すように、微小振動体2の吸着搬送に用いる吸着治具Jのうち表面電極23に接触する接触部J1を金属材料で構成する。一方、複数の電極部53の電極膜531にはプローブP2を接触させ、微小振動体2を実装基板3に搭載した状態で、表面電極23および複数の電極部53に電圧を印加し、電極部53それぞれの静電容量を測定する。そして、測定した静電容量のバラツキが所定以下となるように、図示しない搬送装置により微小振動体2の位置・向きの調整を行った後、接合部材52を固化させ、微小振動体2と実装基板3とを接合する。
【0080】
本変形例によっても、上記第3実施形態と同様の効果が得られる慣性センサ1となる。
【0081】
(他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらの一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0082】
なお、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0083】
(本発明の特徴)
[請求項1]
慣性センサの製造方法であって、
半球形状の三次元曲面を有する曲面部(21)と、前記曲面部から前記半球形状の内側に向かって延設された支柱部(22)とを有する微小振動体(2)を用意することと、
用意した前記微小振動体の外寸を測定することと、
複数の電極部(53)を有し、前記微小振動体が搭載される実装基板(3)を用意することと、
前記微小振動体が複数の前記電極部に距離を隔てて囲まれた状態で、前記微小振動体を前記実装基板に搭載することと、を含み、
前記実装基板を用意することにおいては、測定して得られた前記微小振動体の外寸数値に基づいて、前記微小振動体の前記曲面部のうち前記支柱部とは反対側の端部であるリム(211)から所定の距離を隔てた位置に複数の前記電極部を形成する、慣性センサの製造方法。
[請求項2]
複数の前記電極部を形成することにおいては、測定して得られた前記微小振動体の外寸数値に基づいて、マスクレス露光機を用いたパターニングにより行う、請求項1に記載の慣性センサの製造方法。
[請求項3]
複数の前記電極部を形成することにおいては、測定して得られた前記微小振動体の外寸数値に基づいたマスクを作成し、前記マスクを用いたパターニングにより行う、請求項1に記載の慣性センサの製造方法。
[請求項4]
前記微小振動体を前記実装基板に搭載することにおいては、前記微小振動体のうち前記リムと前記実装基板の複数の前記電極部との間の距離を測定し、前記微小振動体と前記実装基板との位置合わせを行う、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の慣性センサの製造方法。
[請求項5]
前記微小振動体を用意することにおいては、前記支柱部のうち前記実装基板と向き合う実装面(22b)に第1アライメントマーク(24)を付し、
前記実装基板を用意することにおいては、前記第1アライメントマークと対をなす第2アライメントマーク(43)を付した前記実装基板を用意し、
前記微小振動体を前記実装基板に搭載することにおいては、前記第1アライメントマークおよび前記第2アライメントマークを用いて、前記微小振動体と前記実装基板との位置合わせを行う、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の慣性センサの製造方法。
[請求項6]
前記微小振動体を前記実装基板に搭載することにおいては、前記微小振動体のうち前記リムと前記実装基板の複数の前記電極部との間の静電容量を測定し、前記微小振動体と前記実装基板との位置合わせを行う、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の慣性センサの製造方法。
[請求項7]
慣性センサであって、
半球形状の三次元曲面を有する曲面部(21)と、前記曲面部から前記半球形状の内側に向かって延設された支柱部(22)とを有する微小振動体(2)と、
複数の電極部(53)を有し、前記微小振動体の一部が接続される実装基板(3)と、を備え、
前記曲面部のうち前記支柱部とは反対側の端部をリム(211)とし、前記実装基板のうち前記支柱部が接合される面を接合面として、前記微小振動体は、前記実装基板との位置合わせに用いられる第1アライメントマーク(24)を有すると共に、前記接合面に対する法線方向から見たとき、前記リムの外形が真円とは異なる形状であるか、または前記支柱部が前記曲面部の中心とは異なる位置に形成されており、
前記実装基板は、前記第1アライメントマークと対をなす第2アライメントマーク(43)を有し、
複数の前記電極部は、前記リムの外形に沿って、互いに離れて配置されている、慣性センサ。
[請求項8]
前記第1アライメントマークは、前記支柱部に形成されている、請求項7に記載の慣性センサ。
[請求項9]
前記第1アライメントマークおよび前記第2アライメントマークは、それぞれ複数形成され、かつ全体として非対称に配置されている、請求項7または8に記載の慣性センサ。
[請求項10]
前記第2アライメントマークは、前記実装基板のうち前記第1アライメントマークと向き合う領域よりも外側の領域に配置されている、請求項7ないし9のいずれか1つに記載の慣性センサ。
[請求項11]
前記リムは、前記実装基板のうち前記支柱部が接合される面に対する法線方向から見て、外形が真円とは異なる形状であり、
複数の前記電極部は、前記リムの外形に沿って配置されている、請求項7ないし10のいずれか1つに記載の慣性センサ。
[請求項12]
慣性センサであって、
半球形状の三次元曲面を有する曲面部(21)と、前記曲面部から前記半球形状の内側に向かって延設された支柱部(22)とを有する微小振動体(2)と、
複数の電極部(53)を有し、前記微小振動体の一部が接続される実装基板(3)と、を備え、
前記曲面部のうち前記支柱部とは反対側の端部をリム(211)とし、前記実装基板のうち前記支柱部が接合される面を接合面として、前記微小振動体は、前記接合面に対する法線方向から見たとき、前記リムの外形が真円とは異なる形状であるか、または前記支柱部が前記曲面部の中心とは異なる位置に形成されており、
前記支柱部のうち前記実装基板と向き合う実装面(22b)は、外形が非対称であり、前記実装基板との位置合わせに用いられる位置合わせ部(221)である、慣性センサ。
【符号の説明】
【0084】
2 微小振動体
21 曲面部
211 リム
22 支柱部
221 位置合わせ部(底部)
22b 実装面
24 第1アライメントマーク
3 実装基板
43 第2アライメントマーク
53 電極部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H
図10I
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18