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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086369
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】カートロボット、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201460
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522CC01
3F522GG22
3F522GG23
3F522JJ04
3F522KK08
3F522LL21
(57)【要約】
【課題】荷物の受け渡しを適切に行うことができるカートロボット、および、プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】実施形態の一態様に係るカートロボットは、アームと、制御装置とを備える。アームは、荷物の受け渡しを行う。制御装置は、荷物の種類に応じて、荷物の受け渡しを行うアームの動作速度を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の受け渡しを行うアームと、
前記荷物の種類に応じて、当該荷物の受け渡しを行う前記アームの動作速度を決定する制御装置と
を備える、カートロボット。
【請求項2】
前記荷物は、
予め設定された所定種類の前記荷物と、前記所定種類とは異なる他種類の前記荷物とを含み、
前記制御装置は、
前記所定種類の前記荷物の受け渡しを行う前記アームの動作速度と、前記他種類の前記荷物の受け渡しを行う前記アームの動作速度とを異ならせる、
請求項1に記載のカートロボット。
【請求項3】
前記所定種類の前記荷物は、
前記他種類の前記荷物より搬送時の安定性を優先させる荷物であり、
前記制御装置は、
前記所定種類の前記荷物の受け渡しを行う前記アームの動作速度を、前記他種類の前記荷物の受け渡しを行う前記アームの動作速度より低下させる、
請求項2に記載のカートロボット。
【請求項4】
前記アームは複数であり、
複数の前記アームはそれぞれ、前記荷物を保持する保持部を備え、
前記制御装置は、
前記荷物の種類に応じて、当該荷物の受け渡しを行う前記アームの前記保持部の種類を変更する、
請求項1に記載のカートロボット。
【請求項5】
前記保持部は、
前記荷物を把持する把持部、前記荷物を吸引によって吸着保持する吸引保持部、および、前記荷物を磁力によって吸着保持する磁力保持部の少なくともいずれかを含む、
請求項4に記載のカートロボット。
【請求項6】
カートロボットを制御するプログラムであって、
荷物の受け渡しを行うアームを制御する制御手順と、
前記荷物の種類に応じて、当該荷物の受け渡しを行う前記アームの動作速度を決定する決定手順と
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、カートロボット、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の所定の集荷計画に基づいて自律走行し、棚からアームによって荷物を取り出すカートロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-68557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来技術には、カートロボットにおいて荷物の受け渡しを適切に行うという点で、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、荷物の受け渡しを適切に行うことができるカートロボット、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係るカートロボットは、荷物の受け渡しを行うアームと、前記荷物の種類に応じて、当該荷物の受け渡しを行う前記アームの動作速度を決定する制御装置とを備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、カートロボットにおいて荷物の受け渡しを適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るピッキングシステムが適用された倉庫のフロアの平面図である。
図2図2は、実施形態に係るカートロボットの模式斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、アーム情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るカートロボットの動作処理を説明するフローチャートである。
図6図6は、情報処理装置として機能するコンピュータのハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態に係るピッキングシステム1が適用された倉庫のフロア50の平面図である。
【0011】
ピッキング作業とは、必要な品物(荷物)を集める(ピックアップする)仕事のことである。ピッキングスタッフは、倉庫内の品物を出荷するために欠かせない役割を持つため、あらゆるジャンルの倉庫に配置される。なお、ピッキングスタッフは、アームを有するロボットである。本実施形態では、ピッキングスタッフは、カートロボット52である。ピッキングスタッフは、人型ロボットを含む。
【0012】
たとえば、予め指示されたリストや注文書を基に、指定の品物を集め、まとめたものを検品担当者や梱包担当者へと受け流していくのがピッキングスタッフの主な仕事である。倉庫規模が大きいほど、保管されている品物の種類や数も膨大で、そのため、多数のピッキングスタッフがフロア50内を移動することになる。
【0013】
図1に示されるフロア50には、貯蔵部(倉庫、棚等)54が設けられ、複数のバスケット56が、貯蔵されている。バスケット56は、ピッキング作業によって集められる品物(荷物)である。この貯蔵部54の周囲を、カートロボット52が移動するようになっている。カートロボット52は、バスケット56の授受が主たる役目であり、移動経路として、Fast Lane58(高速レーン58)に沿って移動するカートとしての、Fast Track Cart52A(高速カート52A)と、Local Picking Lane60(ローカルレーン60)に沿って移動するカートとしての、Local Track Cart52B(ローカルカート52B)とに分類される。
【0014】
カートロボット52は、バスケット56の受け渡しを行う。受け渡しは、貯蔵部54からバスケット56を取り出すことやバスケット56の搬送を含む。
【0015】
ローカルレーン60は、フロア50内の内側のレーン、換言すると貯蔵部54の外側に設定されたレーンで、ローカルカート52Bが貯蔵部54に接近離間するように蛇行走行しながら、かつ、一時的に減速、または、停止して、貯蔵部54からバスケット56のピックアップを行う。なお、ローカルカート52Bの走行は、蛇行走行に限られるものではない。
【0016】
高速レーン58は、フロア50内の外側のレーン、換言するとローカルレーン60の外側に設定されたレーンで、たとえば、時速20Kmでノンストップ走行し、ローカルレーン60を移動するローカルカート52Bから、バスケット56を受け取る。
【0017】
一連の作業としては、たとえば、ローカルレーン60のローカルカート52Bは、バスケット56をピックアップ後、外側の高速レーン58と時速20Kmでリレーのバトン渡しの要領で、高速カート52Aと並走しながら、ノンストップで、高速カート52Aへバスケット56を受け渡す。なお、ローカルカート52Bと、高速カート52Aとのバスケット56の受け渡しは、各カートロボット52が停止した状態で行われてもよい。
【0018】
フロア50には、貯蔵部54に対応して、Docking Station68(ドッキングステーション68)が設置されている。ドッキングステーション68は、高速レーン58とローカルレーン60との結合点となっている。
【0019】
ドッキングステーション68には、たとえば、20本のアームを備え、高速レーン58からバスケット56を受け取る機能を有している。
【0020】
ドッキングステーション68では、高速カート52Aが、一時的に、たとえば、時速2Kmまで減速し、たとえば、1分以内にバスケット56の受け渡しをして、再加速する。
【0021】
フロア50には、カメラ、LiDARを含む倉庫内センサ70が天井や壁に設置されている。
【0022】
これらの倉庫内センサ70は、常に、高速カート52A、および、ローカルカート52Bの車間距離、および、速度を計測する。倉庫内センサ70は、最高性能のカメラ、ソリッドステートLiDAR(light detection and ranging)、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサの少なくとも1つを含む。また、倉庫内センサ70は、振動計、サーモカメラ、硬度計、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、および、ロングテールインシデントAI dataなどを含んでもよい。倉庫内センサ70は、複数のセンサを含んでもよい。
【0023】
倉庫内センサ70は、上記の情報のほかに、画像、距離、振動、熱、匂い、色、音、超音波、紫外線、又は赤外線等を検知してもよい。他に倉庫内センサ70が検知する情報としては、カートロボット52の重心移動、カートロボット52が設置される床の材質の検知、外気温度の検知、外気湿度の検知、床の上下横斜め傾き角度の検知、水分量の検知等が挙げられる。倉庫内センサ70は、これらの検知をたとえばナノ秒毎に実施する。
【0024】
計測された各情報は、カートロボット52を制御するための情報として利用される。たとえば、計測された各情報は、高速カート52A、および、ローカルカート52Bを相互にシンクロナイズするための情報として利用される。
【0025】
次に、カートロボット52の構成の一例について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るカートロボット52の模式斜視図である。カートロボット52は、図2に示すように、走行車体10と、複数のアーム11と、センサ13と、情報処理装置15(図3参照)とを備える。なお、以下で説明するカートロボット52は、高速カート52A、および、ローカルカート52Bの少なくとも一方に適用される。
【0026】
走行車体10は、たとえば、上方が開口する箱形に形成される。走行車体10は、バスケット56を載置可能である。走行車体10には、複数の駆動輪10aが設けられる。各駆動輪10aには、モータがそれぞれ設けられる。各駆動輪10aの回転速度は、モータによって調整される。走行車体10は、各駆動輪10aの回転速度が調整されることで、前後方向、左右方向、および、斜め方向に走行可能である。また、走行車体10は、各駆動輪10aの回転速度が調整されることで、360度回転可能である。
【0027】
アーム11は、バスケット(荷物)56の受け渡しを行う。アーム11は、走行車体10に取り付けられる。アーム11の基端部が、走行車体10に取り付けられることで、アーム11は、走行車体10に固定される。たとえば、アーム11の基端部は、走行車体10の上端に取り付けられる。アーム11は、走行車体10に対して複数(たとえば2つ)設けられる。以下では、2つのアーム11のうち一方を「第1アーム11a」、他方を「第2アーム11b」と記載する場合がある。また、第1アーム11aおよび第2アーム11bを特に区別せずに説明する場合には「アーム11」と記載する場合がある。
【0028】
なお、図2に示すアーム11の数は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、カートロボット52は、1つあるいは3つ以上のアーム11を備えるようにしてもよい。また、図2では、走行車体10の側面に固定される場合について示しているがこれに限定されるものではない。また、ピッキングシステム1には、アーム11を備えないカートロボット52が含まれてもよい。アーム11を有さないカートロボット52は、たとえば、荷物の運搬に特化したロボットとして、高速レーン58を走行する高速カート52Aとして用いられる。
【0029】
アーム11が取り付けられる高さは、倉庫で働く作業員の肩の高さである。アーム11が取り付けられる高さは、倉庫で働く作業員の平均的な肩の高さである。たとえば、アーム11が取り付けられる高さは、床面から150cmである。たとえば、カートロボット52において走行車体10に取り付けられるアーム11の基端部の高さは、床面から150cmである。
【0030】
アーム11は、複数の棒部12aと、複数の関節部12bと、保持部12cとを有する。関節部12bは、たとえば、2つの棒部12aとの間に設けられ、2つの棒部12aを相対的に回転可能とする。各関節部12bは、モータを有する。各関節部12bによって、棒部12aが相対的に回転することで、アーム11は、伸縮し、360度回転可能となる。
【0031】
保持部12cは、アーム11の先端部に設けられ、バスケット56を保持する。本実施形態に係る保持部12cは、複数の種類があり、バスケット56を保持する手法が互いに異なる。詳しくは、保持部12cには、把持部、吸引保持部および磁力保持部などが含まれる。
【0032】
把持部は、いわゆるロボットハンドであり、バスケット(荷物)56を挟み込んで把持するように構成される。吸引保持部は、吸引口を備え、バスケット(荷物)56を吸引口からの吸引によって吸着保持するように構成される。磁力保持部は、たとえば磁石(電磁石や永久磁石)を備え、バスケット(荷物)56を磁石の磁力によって吸着保持するように構成される。なお、保持部12cとして磁力保持部を用いる場合、バスケット56には、磁力保持部の磁石と吸着する金属製の板材や磁石などが取り付けられている。
【0033】
アーム11に設けられる保持部12cの種類は、任意に設定可能である。たとえば、第1アーム11aの保持部12c1が把持部であり、第2アーム11bの保持部12c2が吸引保持部であってもよい。また、第1アーム11aの保持部12c1が把持部であり、第2アーム11bの保持部12c2が磁力保持部であってもよい。また、図示は省略するが、アーム11が3つある場合は、1つ目のアーム11が把持部を備え、2つ目のアームが吸引保持部を備え、3つ目のアーム11が磁力保持部を備えるようにしてもよい。このように、本実施形態に係るカートロボット52にあっては、複数のアーム11の保持部12cの種類が互いに異なるように構成される。
【0034】
なお、上記では、複数のアーム11の保持部12cの種類が互いに異なるように構成される例を示したが、これに限定されるものではなく、複数のアーム11の保持部12cが同じ種類であってもよい。また、アーム11の先端部には、保持対象となるバスケット56を撮影し、バスケット56の種類等を識別可能なカメラを備えるようにしてもよい。
【0035】
また、保持部12cは、上記した把持部、吸引保持部および磁力保持部の全てが含まれることを要さず、把持部、吸引保持部および磁力保持部の少なくともいずれかが含まれていればよい。また、保持部12cは、把持部、吸引保持部および磁力保持部に限定されるものではなく、たとえばバスケット56を持ち上げて保持するなどその他の手法でバスケット56を保持する保持部が含まれてもよい。
【0036】
センサ13は、走行車体10に取り付けられる。センサ13は、走行車体10の前方側に設けられる。たとえば、センサ13は、走行車体10の前端に設けられる。センサ13は、走行車体10の上端に設けられる。センサ13は、走行車体10よりも上方に突出するように設けられてもよい。センサ13は、走行車体10の左右方向の中央付近に取り付けられる。たとえば、アーム11、および、センサ13は、走行車体10の対極に位置するように設けられる。センサ13の種類は、倉庫内センサ70と同様である。センサ13は、複数のセンサを含んでもよい。
【0037】
次に、情報処理装置15(制御装置)について図3を参照しつつ説明する。図3は、情報処理装置15の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理装置15は、情報取得部150と、制御部152と、情報蓄積部154とを備える。
【0038】
情報取得部150は、センサ13によって検知された情報を取得する。また、情報取得部150は、倉庫内センサ70によって検知された情報を取得する。
【0039】
情報取得部150は、カートロボット52の動作を指示するコントロールセンタなどから送信される信号を取得する。
【0040】
情報蓄積部154は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子などの記憶媒体によって実現される。情報蓄積部154は、制御部152によって実行される各種のプログラムを記憶する。情報蓄積部154は、情報取得部150によって取得された情報を記憶する。
【0041】
情報蓄積部154は、アーム11の動作を示すアーム情報を記憶する。図4は、アーム情報154aの一例を示す図である。
【0042】
図4に示すように、アーム情報154aには、「アーム情報ID」、「荷物の種類」、「安定性の優先度」、「アームの動作速度」および「保持部の種類」等の項目が含まれ、各項目のデータは互いに関連付けられている(紐付けられている)。なお、「荷物の種類」、「安定性の優先度」、「アームの動作速度」および「保持部の種類」の各項目に含まれる情報は、予め設定される情報であるが、これに限定されるものではない。
【0043】
「アーム情報ID」は、アーム情報を識別する情報である。「荷物の種類」は、バスケット(荷物)56の種類を示す情報である。「荷物の種類」には、たとえば電子機器、精密機器、家電、衣料品、食料品、書籍などの情報であるが、これらは例示であって限定されるものではない。なお、図4に示す例では、便宜上、「荷物の種類」を「B01」といったように抽象的な記載とするが、「B01」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0044】
本実施形態にあっては、上記したバスケット(荷物)56の種類に応じて、アーム11の動作速度が決定されることで、カートロボット52においてバスケット56の受け渡しを適切に行うことができるようにしたが、これについては後述する。
【0045】
「安定性の優先度」は、対応するバスケット(荷物)56が受け渡し等で搬送されるときに安定性を優先する度合いを示す情報である。「安定性の優先度」は、たとえば高、中
、低などと段階的に設定される。なお、図4では、「安定性の優先度」が3段階である例を示したが、これに限定されるものではなく、2段階あるいは4段階以上であってもよい。
【0046】
具体的に説明すると、「荷物の種類」のうち電子機器、精密機器、家電などは、荷物の性質上、搬送時の振動などの影響を受け易い。そのため、電子機器等は、搬送時の振動などが比較的少ない方が好ましく、よって搬送時の安定性が優先される。言い換えると、電子機器等は、搬送時のスピード性より安定性が優先される。したがって、「荷物の種類」が電子機器等に対応する「安定性の優先度」は、高くなるように設定される。
【0047】
また、「荷物の種類」のうち衣料品、食料品、書籍などは、電子機器等に比べて搬送時の振動などに対する耐性が高く、よって搬送時の安定性よりスピード性が優先される。言い換えると、衣料品等は、搬送時の安定性をある程度確保しつつスピード性が優先される。したがって、「荷物の種類」が衣料品等に対応する「安定性の優先度」は、中程度あるいは低くなるように設定される。別言すれば、「荷物の種類」が衣料品等に対応する「安定性の優先度」は、電子機器等に対応する「安定性の優先度」より低くなるように設定される。
【0048】
なお、上記した電子機器、精密機器、家電などは、所定種類の荷物の一例である。また、上記した衣料品、食料品、書籍などは、所定種類とは異なる他種類の荷物の一例である。したがって、所定種類の荷物(ここでは電子機器等)は、他種類の荷物(ここでは衣料品等)より搬送時の安定性を優先させる荷物である。
【0049】
「アームの動作速度」は、アーム11の動作速度を示す情報である。詳しくは、「アームの動作速度」は、アーム11がバスケット56を受け渡しするときに動作速度であり、言い換えると、アーム11がバスケット56を保持して搬送するときの動作速度を示す情報である。
【0050】
「アームの動作速度」は、たとえば高速、中速、低速などと段階的に設定される。具体的には、安定性の優先度が高い「荷物の種類」に対応する「アームの動作速度」は、低速に設定される。安定性の優先度が中程度の「荷物の種類」に対応する「アームの動作速度」は、低速より速い中速に設定される。安定性の優先度が低い「荷物の種類」に対応する「アームの動作速度」は、低速あるいは中速より速い高速に設定される。なお、図4では、「アームの動作速度」が3段階である例を示したが、これに限定されるものではなく、2段階あるいは4段階以上であってもよい。
【0051】
「保持部の種類」は、バスケット56の受け渡しを行うアーム11の保持部12cの種類を示す情報である。「保持部の種類」には、上記した把持部、吸引保持部および磁力保持部などが含まれる。なお、「保持部の種類」には、アーム11に取り付けられた保持部12cの種類が設定されるものとする。
【0052】
一例として、安定性の優先度が高い「荷物の種類」に対応する「保持部の種類」は、バスケット56を安定して保持して搬送可能な保持部12cの種類(たとえば把持部)が設定される。また、安定性の優先度が中程度あるいは低い「荷物の種類」(言い換えるとスピード性が優先される「荷物の種類」)に対応する「保持部の種類」は、バスケット56を比較的早く保持して中速または高速で搬送可能な保持部12cの種類(たとえば吸引保持部や磁力保持部)が設定される。なお、上記では、「荷物の種類」に対応する保持部12cの種類を具体的に示したが、これは例示であって限定されるものではない。
【0053】
図4に示す例では、アーム情報ID「A01」で識別されるアーム情報は、荷物の種類が「B01」、安定性の優先度が「高」、アームの動作速度が「低速」、保持部の種類が「C01」であることを示している。また、アーム情報ID「A02」で識別されるアーム情報は、荷物の種類が「B02」、安定性の優先度が「中」、アームの動作速度が「中速」、保持部の種類が「C02」であることを示している。また、アーム情報ID「A03」で識別されるアーム情報は、荷物の種類が「B03」、安定性の優先度が「低」、アームの動作速度が「高速」、保持部の種類が「C03」であることを示している。
【0054】
図3の説明を続けると、制御部152は、コントロールセンタなどから送信され、情報取得部150によって取得された信号に基づいて、アーム11、および、走行車体10の動作を制御する。
【0055】
制御部152は、情報取得部150が取得した情報とAI(Artificial intelligence)とを用いて、アーム11の動作を制御する。制御部152は、アーム11の各関節部12bのモータを制御する。
【0056】
また、制御部152は、情報取得部150が取得した情報とAIとを用いて、走行車体10の動作を制御する。制御部152は、走行車体10の各駆動輪10aのモータを制御する。制御部152は、センサ13、および、倉庫内センサ70によって検知された情報を用いて、走行車体10の動作を制御する。
【0057】
センサ13や倉庫内センサ70によって検知された情報には、カートロボット52のアーム11が受け渡しを行う予定のバスケット56に関する情報が含まれる。かかるバスケット56に関する情報には、バスケット(荷物)56の種類を示す情報が含まれる。
【0058】
制御部152は、バスケット56の種類を示す情報と、上記したアーム情報154a(図4参照)とに基づいて、アーム11の動作を制御する。具体的には、制御部152は、バスケット56の種類に応じて、バスケット56の受け渡しを行うアーム11の動作速度を決定する。別言すれば、制御部152は、アーム11がバスケット56を保持してからバスケット56を渡したり、バスケット56を走行車体10に載置したりするまでにおける、アーム11の動作速度をバスケット56の種類に応じて決定する。すなわち、制御部152は、バスケット56を保持した後のアーム11の動作速度を、バスケット56の種類に応じて決定する。
【0059】
これにより、本実施形態に係る制御部152は、アーム11の動作速度を、受け渡しを行うバスケット56の種類に即した値に決定することが可能となり、よってカートロボット52においてバスケット56の受け渡しを適切に行うことができる。
【0060】
具体的には、制御部152は、電子機器等のバスケット56(所定種類の荷物)の受け渡しを行うアーム11の動作速度と、衣料品等のバスケット56(他種類の荷物)の受け渡しを行うアーム11の動作速度とを異ならせるようにする。詳しくは、制御部152は、受け渡し予定のバスケット56の種類が、電子機器等であり、搬送時の安定性の優先度が比較的高い場合のアーム11の動作速度と、受け渡し予定のバスケット56の種類が、衣料品等であり、搬送時の安定性の優先度が電子機器等に比べて低い場合のアーム11の動作速度とを異ならせるようにする。
【0061】
このように、制御部152は、アーム11の動作速度を、受け渡しを行うバスケット56の種類によって異ならせるようにした。これにより、本実施形態にあっては、バスケット56の種類に即したアーム11の動作速度を決定することが可能となり、よってカートロボット52においてバスケット56の受け渡しをより適切に行うことができる。
【0062】
より具体的に説明すると、制御部152は、受け渡し予定のバスケット56の種類が、電子機器等であり、衣料品等より搬送時の安定性を優先させるバスケット56である場合、電子機器等のバスケット56(所定種類の荷物)の受け渡しを行うアーム11の動作速度を、衣料品等(他種類の荷物)の受け渡しを行うアーム11の動作速度より低下させる。言い換えると、制御部152は、アーム11の動作速度を低速にする。
【0063】
これにより、本実施形態にあっては、電子機器等のバスケット56(所定種類の荷物)が、比較的低速のアーム11で安定して受け渡されて搬送されるため、バスケット56に対する振動や落下などが生じにくく、バスケット56の受け渡しをより適切に行うことができる。
【0064】
また、制御部152は、受け渡し予定のバスケット56の種類が、衣料品等であり、電子機器等より搬送時のスピード性を優先させるバスケット56である場合、衣料品等のバスケット56(他種類の荷物)の受け渡しを行うアーム11の動作速度を、電子機器等のバスケット56(所定種類の荷物)の受け渡しを行うアーム11の動作速度より増加させる。言い換えると、制御部152は、アーム11の動作速度を中速または高速にする。
【0065】
これにより、本実施形態にあっては、衣料品等のバスケット56(他種類の荷物)が、中速または高速のアーム11で安定性を確保しつつ素早く受け渡されて搬送されるため、バスケット56の受け渡しをより適切に行うことができる。
【0066】
このように、本実施形態にあっては、受け渡しを行うバスケット56の種類に応じて、アーム11の動作速度を決定することで、搬送時の安定性とスピード性の両立を図ることができる。
【0067】
なお、制御部152は、アーム11がバスケット56を保持していないときのアーム11の動作速度を、予め設定された初期速度(たとえば高速)にしてもよい。具体的には、制御部152は、アーム11がバスケット56を保持する前や、バスケット56を渡した後、バスケット56を走行車体10に載置した後などのアーム11の動作速度を初期速度(たとえば高速)にしてもよい。また、制御部152は、バスケット56を保持する前のアーム11の動作速度を、バスケット56の種類に応じて決定してもよい。
【0068】
また、制御部152は、バスケット(荷物)56の種類に応じて、バスケット56の受け渡しを行うアーム11の保持部12cの種類を変更してもよい。これにより、本実施形態にあっては、バスケット56をアーム11によって適切に保持することが可能となり、よってバスケット56の受け渡しをより一層適切に行うことができる。
【0069】
具体的には、制御部152は、電子機器等のバスケット56(所定種類の荷物)の受け渡しを行うアーム11の保持部12cと、衣料品等のバスケット56(他種類の荷物)の受け渡しを行うアーム11の保持部12cとを異ならせるようにする。詳しくは、制御部152は、受け渡し予定のバスケット56の種類が、電子機器等であり、搬送時の安定性の優先度が比較的高い場合のアーム11の保持部12cと、受け渡し予定のバスケット56の種類が、衣料品等であり、搬送時の安定性の優先度が電子機器等に比べて低い場合のアーム11の保持部12cとを異ならせるようにする。
【0070】
より具体的には、制御部152は、受け渡し予定のバスケット56の種類が、電子機器等であり、衣料品等より搬送時の安定性を優先させるバスケット56である場合、電子機器等のバスケット56(所定種類の荷物)の受け渡しを行うアーム11の保持部12cとしてバスケット56を安定して保持して搬送可能な保持部12c(たとえば把持部)を用いるようにする。
【0071】
これにより、本実施形態にあっては、電子機器等のバスケット56(所定種類の荷物)が、アーム11で安定して保持しつつ受け渡されて搬送されるため、バスケット56に対する振動や落下などが生じにくく、バスケット56の受け渡しをより一層適切に行うことができる。
【0072】
また、制御部152は、受け渡し予定のバスケット56の種類が、衣料品等であり、電子機器等より搬送時のスピード性を優先させるバスケット56である場合、衣料品等のバスケット56(他種類の荷物)の受け渡しを行うアーム11の保持部12cとして、バスケット56を比較的早く保持して中速または高速で搬送可能な保持部12c(たとえば吸引保持部や磁力保持部)を用いるようにする。
【0073】
これにより、本実施形態にあっては、衣料品等のバスケット56(他種類の荷物)が、中速または高速のアーム11で安定性を確保しつつ保持され、素早く受け渡されて搬送されるため、バスケット56の受け渡しをより一層適切に行うことができる。
【0074】
このように、本実施形態にあっては、受け渡しを行うバスケット56の種類に応じて、アーム11の保持部12cの種類を変更することで、搬送時の安定性とスピード性の両立を図ることができる。
【0075】
次に、実施形態に係るカートロボット52の動作処理について図5を用いて説明する。図5は、実施形態に係るカートロボット52の動作処理を説明するフローチャートである。
【0076】
図5に示すように、情報処理装置15は、カートロボット52の動作を指示するコントロールセンタなどから送信される信号等に基づいて、バスケット56の受け渡し準備を開始する(ステップS100)。次いで、情報処理装置15は、アーム11が受け渡しを行う予定のバスケット56の種類を識別する(ステップS101)。たとえば、情報処理装置15は、コントロールセンタなどから送信される信号や、センサ13や倉庫内センサ70によって検知されたバスケット56に関する情報に基づいて、バスケット56の種類を識別する。
【0077】
次いで、情報処理装置15は、識別したバスケット56の種類に応じて、アーム11の動作速度を決定する(ステップS102)。情報処理装置15は、バスケット56の種類に応じて、アーム11の保持部12cの種類を決定する(ステップS103)。なお、図5の例では、ステップS102、ステップS103の順で説明したが、ステップS103、ステップS102の順で処理が行われてもよいし、ステップS102およびステップS103の処理が並列に行われてもよい。
【0078】
次いで、情報処理装置15は、決定した動作速度および保持部12cの種類が適用されたアーム11でバスケット56の受け渡しを行う(ステップS104)。なお、情報処理装置15は、コントロールセンタ(不図示)の指示に基づいてこれらの一連の処理を行うようにしてもよい。
【0079】
なお、情報処理装置15は、倉庫内センサ70によって検知された情報を用いて、アーム11の動作、および、走行車体10の動作を制御してもよい。たとえば、ローカルカート52Bが、貯蔵部54からバスケット56を取り出す場合、情報処理装置15は、センサ13によって取得された情報に基づいて、貯蔵部54から取り出すバスケット56に対する走行車体10の位置、および、貯蔵部54から取り出すバスケット56に対するアーム11の位置を決定する。
【0080】
そして、情報処理装置15は、決定した走行車体10の位置に走行車体10を移動させる。情報処理装置15は、走行車体10の移動に伴って、アーム11を、決定したアーム11の位置に移動させる。情報処理装置15は、貯蔵部54の配置、バスケット56の位置、他のローカルカート52Bの有無に応じて、走行車体10の動作、および、アーム11の動作を制御する。
【0081】
たとえば、ローカルカート52Bが、高速カート52Aにバスケット56を受け渡す場合、ローカルカート52Bの情報処理装置15は、センサ13によって取得された情報等に基づいて、高速カート52Aに対するローカルカート52Bの走行車体10の位置、および、ローカルカート52Bのアーム11の位置を決定する。そして、ローカルカート52Bの情報処理装置15は、ローカルカート52Bの走行車体10の動作、および、ローカルカート52Bのアーム11の動作を制御する。
【0082】
なお、ローカルカート52Bが、高速カート52Aにバスケット56を受け渡す場合、高速カート52Aの情報処理装置15が、同様に、高速カート52Aのアーム11の動作を制御してもよい。なお、高速カート52Aの情報処理装置15は、高速カート52Aの走行車体10の動作を制御する。
【0083】
上述してきたように、本実施形態に係るカートロボット52は、アーム11と、情報処理装置15(制御装置の一例)とを備える。アーム11は、バスケット56の受け渡しを行う。情報処理装置15は、バスケット56の種類に応じて、バスケット56の受け渡しを行うアーム11の動作速度を決定する。これにより、バスケット56の受け渡しを、バスケット56の種類の応じて適切に行うことができる。
【0084】
図6は、情報処理装置15として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0085】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0086】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0087】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0088】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0089】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0090】
たとえば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0091】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0092】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。たとえば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0093】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0094】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、たとえば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0095】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0096】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0097】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0098】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0099】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0100】
11 アーム
12c 保持部
15 情報処理装置(制御装置)
52 カートロボット
56 バスケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6