(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086377
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】エスカレータ及びエスカレータの広告表示方法
(51)【国際特許分類】
B66B 23/22 20060101AFI20240620BHJP
B66B 31/00 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B66B23/22 J
B66B31/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201472
(22)【出願日】2022-12-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】西田 岳人
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321CE38
3F321FA12
(57)【要約】
【課題】エスカレータの利用時における有効な広告表示効果を得ることができるエスカレータ及びエスカレータの広告表示方法を提供する。
【解決手段】無端状に連結された踏段と、前記踏段と連動して走行する左右一対の手すりと、前記手すりを支持する透明パネルと、前記透明パネルを支持すると共に踏段側に位置する内デッキと、前記内デッキと共に前記透明パネルを支持する外デッキと、前記外デッキに設置されたモニタ装置とを備える。前記モニタ装置は、縦型形状を有し、当該モニタ装置の上端部が前記手すりの下端よりも下方になるよう設置され、かつ互いに離間して複数設置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に連結された踏段と、前記踏段と連動して走行する左右一対の手すりと、前記手すりを支持する透明パネルと、前記透明パネルを支持すると共に踏段側に位置する内デッキと、前記内デッキと共に前記透明パネルを支持する外デッキと、前記外デッキに設置されたモニタ装置とを備え、
前記モニタ装置は、縦型形状を有し、当該モニタ装置の上端部が前記手すりの下端よりも下方になるよう設置され、かつ互いに離間して複数設置されている、エスカレータ。
【請求項2】
複数の前記モニタ装置に表示される表示内容が互いに関連性があるように表示される、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項3】
前記モニタ装置に表示するコンテンツは、前記モニタ装置に内蔵される保存部またはエスカレータを制御する制御装置に保存されている、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項4】
前記モニタ装置に表示するコンテンツの表示速度は、前記踏段の移動速度と略同一である請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項5】
前記踏段が停止している時は、前記モニタ装置の表示を停止、またはスクロール表示を停止する、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項6】
利用者の踏段歩行が検知された場合は、前記モニタ装置のスクロール表示を停止する、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項7】
前記モニタ装置に表示されるコンテンツが更新された場合、現在表示しているコンテンツの表示が終了後、前記更新されたコンテンツを表示する、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項8】
前記コンテンツの更新は、エスカレータ外部に設けられる広告センタと前記エスカレータまたは前記モニタ装置とを無線または有線で接続して行われることを特徴とする請求項7に記載のエスカレータ。
【請求項9】
前記モニタ装置に表示されるコンテンツは、同一内容であるが、個々のモニタ装置間では表示タイミングが異なっている、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項10】
モニタ装置にスクロール表示される表示内容は、踏段進行方向の先に位置するモニタ装置の方が先行して表示される、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項11】
前記モニタ装置は、表示されるコンテンツがスクロール表示されるスクロール領域と、固定で表示される固定表示領域とを有する、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項12】
エスカレータが設置される建物またはエスカレータを監視するエスカレータ監視センタから、エスカレータが管制情報を受け取った場合には、前記モニタ装置に表示するコンテンツの表示を中止または管制情報に対応する内容に変更して表示する、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項13】
請求項1に記載のモニタ装置の表示制御を実行する表示制御部と、前記モニタ装置に表示される広告コンテンツを更新可能に保存する広告コンテンツ保存部とを備える広告クラウドサーバを有するエスカレータ。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載のエスカレータの前記モニタ装置に対して広告コンテンツを配信して広告を表示させるエスカレータの広告表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エスカレータ及びエスカレータの広告表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータの利用者に対して、エスカレータ走行中に広告を表示することで広告効果を得たいという広告主や広告配信会社の要望がある。この要望を実現するため、従来、エスカレータの欄干や踏段、外装板、手すり、建屋壁などに広告用表示装置を設ける物件等がある。
【0003】
また、最近の特許出願ではカメラによって利用者の属性や動作を解析し、1階から2階、2階から3階というように連続してエスカレータを利用する場合、その解析結果から表示する広告を選択するものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60-23183号公報
【特許文献2】実開昭63-173177号公報
【特許文献3】特開2005-247466号公報
【特許文献4】特開2011-93677号公報
【特許文献5】特開2017-206320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のエスカレータを利用した広告表示方法は、単に利用者の視界内に広告を表示するものでしかない。このため、広告内容が利用者の記憶に残っているか、広告効果が利用者に刷り込まれているかといった点が不明瞭であり、確実な広告表示効果を得られていないのが現状である。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、エスカレータの利用時における有効な広告表示効果を得ることができるエスカレータ及びエスカレータの広告表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための形態は、無端状に連結された踏段と、前記踏段と連動して走行する左右一対の手すりと、前記手すりを支持する透明パネルと、前記透明パネルを支持すると共に踏段側に位置する内デッキと、前記内デッキと共に前記透明パネルを支持する外デッキと、前記外デッキに設置されたモニタ装置とを備える。前記モニタ装置は、縦型形状を有し、当該モニタ装置の上端部が前記手すりの下端よりも下方になるよう設置され、かつ互いに離間して複数設置されている。
【0008】
また、他の形態は、エスカレータに対して広告コンテンツを配信して前記モニタ装置に広告を表示させるエスカレータの広告表示方法である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係るエスカレータの実施形態を示す全体構成図。
【
図2】本発明に係るエスカレータの実施形態におけるモニタ装置の配置を示す構成図。
【
図4】本発明に係るエスカレータ及びエスカレータの広告表示方法の実施形態における制御構成を示すブロック図。
【
図5】本発明に係るエスカレータ及びエスカレータの広告表示方法の実施形態の処理手順を示すフローチャート。
【
図6】本発明に係るエスカレータ及びエスカレータの広告表示方法の他の実施形態の処理手順を示すフローチャート。
【
図7】本発明に係るエスカレータ及びエスカレータの広告表示方法のさらに他の実施形態の処理手順を示すフローチャート。
【
図8】本発明に係るエスカレータ及びエスカレータの広告表示方法のさらに他の実施形態における制御構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
《実施形態の構成》
図1は、本発明に係るエスカレータの実施形態を示す全体構成図である。
【0011】
同図に示すように、エスカレータ100は、無端状に連結された踏段2を下階と上階との間を走行して利用者を運ぶ。踏段2を挟んだ左右には踏段2と連動して走行する手すり3が設定されている。また、踏段2には、利用者の荷重を検知する荷重検知器4が踏段毎に設置されており、荷重検知器4は利用者の歩行有無を検知するために利用される。
【0012】
踏段2は、左右一対の内デッキ5間に設定されている。それぞれの内デッキ5には外デッキ6が隣接配置されており、内デッキ5と外デッキ6との間にはガラスパネル7が立設されている。手すり3はガラスパネル7上を走行可能に配設されている。
【0013】
外デッキ6には、適宜間隔を置いて複数台のモニタ装置8(81,82,83,…,8n)が設置されている。また、上階天井付近には、カメラ9が設置されており、エスカレータ100を監視することで、利用者の安全を確保している。また、カメラ画像を解析することで利用者が踏段2上を歩行しているか否かを検出できる。
【0014】
モニタ装置8について詳述する。
【0015】
図2に示すように実施形態におけるモニタ装置8は、エスカレータ100の斜行部の外デッキ6に等間隔で複数台、設置されている。モニタ装置8の外観形状は縦長の長方形である。また、モニタ装置8の電源は外デッキ6に穴をあけてトラス内に設置されるエスカレータ電源につなげて電力の供給を受ける。また、外デッキ6の幅に収まるように台座10によって取り付けられている。また、高さは外デッキ6から手すり3までの間に収まる寸法となっている。このモニタ装置8は、画面表示方向をリモコン操作によって自由に変更できるようになっている。
【0016】
モニタ装置8は、液晶パネルや有機ELパネルで構成される。また、
図3に示すように、モニタ装置8の表示画面は、表示コンテンツをスクロール表示させるスクロール領域11と、表示コンテンツを固定表示する固定表示領域12とから構成される。
【0017】
図4は、エスカレータ100のモニタ装置8(81,82,83,…,8n)に広告コンテンツを表示させる広告表示システムの構成を示すブロック図である。
【0018】
同図に示すように、この広告表示システムは、エスカレータ制御装置20を制御中枢として構成されている。エスカレータ制御装置20は、走行制御部21と、表示制御部22と、歩行検出部23と、広告コンテンツ保存部24と、コンテンツ更新部25と、管制情報入力部26を備えている。また、エスカレータ制御装置20は、エスカレータ監視センタ30と、広告配信センタ40とネットワークを介して接続されている。
【0019】
エスカレータ制御装置20の走行制御部21は、エスカレータ100の走行を制御する。また、管制情報が入力された場合には、エスカレータ100を管制運転させる。
【0020】
表示制御部22は、モニタ装置8(81,82,83,…,8n)の表示を制御して広告コンテンツをスクロール表示、または固定表示する。
【0021】
表示制御部22の表示制御を具体的に説明すると、広告内容は数分間で1セットとなるよう構成されており、表示が始まると最後まで表示され続ける。表示内容は、複数のモニタ装置8で同じであるが、モニタ装置8ごとに表示される開始タイミングが少しずつずれており、アップ運転であれば下階側が一番遅く、上階側が最初に表示が開始されるように表示制御される。
【0022】
隣り合うモニタ装置8の表示内容は、その表示内容の一部が同じ内容のもの(部分)が表示されるように制御する。1セットの広告内容の表示が終わったら、広告内容の最初から再度表示される。
【0023】
モニタ装置8の表示速度は踏段移動速度と同期した速度に設定される。なお、建屋側からの管制情報またはエスカレータの安全装置からの信号を受信すると、広告の表示は止め、管制情報や安全対策などの表示内容に変更して表示を行う。エスカレータ100が動作していないとき、低速待機運転をしている時は、表示はオフにする。
【0024】
なお、表示制御部22には、時間や曜日、日にちによって広告内容が予め表示テーブルで決められていて、適宜変更していく。また、広告配信センタに表示テーブルを持っていて、テーブル変更時や広告更新時に、この表示テーブルもモニタ装置8の図示しない保存部に送信しておくようにしてもよい。
【0025】
歩行検出部23は、複数の荷重検知器4からの荷重検知信号、カメラ9からのカメラ画像を入力して歩行者の歩行の有無を検出する。
【0026】
広告コンテンツ保存部24は、USBメモリやメモリカード等で構成され、モニタ装置8に表示される広告コンテンツを更新可能に保存する。
【0027】
コンテンツ更新部25は、広告配信センタ40と接続され、広告配信センタ40から広告配信があると、広告コンテンツ保存部24内の広告コンテンツを配信された広告コンテンツに入れ替えて更新する。
【0028】
管制情報入力部26は、エスカレータ監視センタ30と接続され、地震や火災発生等で管制情報が出力された場合、管制情報を入力して走行制御部21及び表示制御部22に出力する。
【0029】
エスカレータ監視センタ30は、エスカレータ100を遠隔監視するとともに、複数のエスカレータを統括制御する。
【0030】
広告配信センタ40は、広告クラウドサーバを備え、エスカレータ制御装置20に広告コンテンツを供給してモニタ装置8に広告を表示させる。
【0031】
《実施形態の処理手順》
次に、本発明の実施形態に係るエスカレータ及びエスカレータの広告表示方法の処理手順を
図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0032】
図5に示すように、エスカレータ100の走行指示があると走行制御部21は走行を開始するよう制御する。表示制御部22は、広告表示指示があると(ステップS2YES)、広告表示指示がスクロール表示指示か否かを判断する(ステップS3)。固定表示指示であれば(ステップS3NO)、モニタ装置8の表示画面に広告コンテンツを固定表示する(ステップS4)。
【0033】
広告表示指示がスクロール表示指示であれば(ステップS3YES)、踏段2の移動速度に連動したスクロール表示をモニタ装置8(81,82,83,…,8n)に指示する。モニタ装置8では、広告コンテンツを踏段2の走行速度と同じ表示速度でスクロール表示する(ステップS5)。この場合、隣り合うモニタ装置間では、スクロールのタイミングが変更して表示される。例えば、
図2に示すように、踏段2が上階に向けて走行中、モニタ装置8に、「バーゲン開催中○○ストア十二月二十五日まで」という文字がスクロール表示されるものとする。モニタ装置81には、「バーゲン開催中○○ストア」が表示されている。また、同じタイミングでは、隣り合うモニタ装置82は、モニタ装置81よりも少し表示が先行し「開催中○○ストア」をスクロール表示している。さらに、モニタ装置83は、モニタ装置82よりも少し表示が先行し「ストア十二月二十五日まで」をスクロール表示している。一連の表示が終わると、再び、最初からスクロール表示される。
【0034】
このように、各モニタ装置8間の表示タイミングを少しずつずらしながら繰り返し表示するので、利用者は広告表示を読み損なうことがない。また、広告主としても広告内容を確実に利用者に伝えることができる。
【0035】
エスカレータ100の走行中、歩行検出部23は、荷重検知器4の荷重検知信号、またはカメラ9のカメラ画像に基づき、利用者が歩行しているか否かを監視している(ステップS6)。利用者が歩行していると判定された場合には(ステップS6YES)、スクロール表示を停止し、固定表示に移行する。または、広告表示そのものを停止する(ステップS7)。スクロール停止、表示停止は利用者の歩行検出がされなくなるまで継続される(ステップS8)。利用者の歩行が検出されなくなると、スクロールが再開される(ステップS9)。
【0036】
このように本実施形態によれば、エスカレータ利用時の利用者への広告効果を最大限出すことができ、広告商品の購買へと繋げることができる。また、エスカレータ利用時の手持ち無沙汰をなくし、利用者に快適かつ有効な時間を提供できる。さらに、エスカレータ利用者が広告コンテンツを注視することで、エスカレータ利用時の歩行を防止でき、エスカレータ利用時の転倒事故の防止ができ、エスカレータの安全利用に寄与できる。また、モニタ装置8が縦長で複数台、離間して配置されているため、広告コンテンツを利用者が見やすく、情報を容易に得ることができる。
【0037】
<他の実施形態>
図6は本発明に係るエスカレータ及びエスカレータの広告表示方法の他の実施形態の処理手順を示すフローチャートである。なお、システム構成は
図4に示す通りである。また、
図5のフローチャートと同一処理は同一ステップ番号を付して説明を省略し、特徴部分のみを説明する。
【0038】
図6のフローチャートにおいて、ステップS1~S9の処理は
図5の実施形態と同じである。広告コンテンツの表示途中で広告配信センタ40からの広告配信があり、広告コンテンツ更新タイミングが到来した場合には(ステップS11)、現在表示中の広告コンテンツの表示が終了した後、更新された広告コンテンツを表示する(ステップS12)。
【0039】
このように構成することで、前述した実施形態の効果に加えて、より一層、確実な広告表示効果を得ることができる。
【0040】
<さらに他の実施形態>
図7は本発明に係るエスカレータ及びエスカレータの広告表示方法の他の実施形態の処理手順を示すフローチャートである。なお、システム構成は
図4に示す通りである。また、
図5のフローチャートと同一処理は同一ステップ番号を付して説明を省略し、特徴部分のみを説明する。
【0041】
本実施形態では、エスカレータ100が設置される建屋側またはエスカレータ本体に設置される安全装置から管制信号や緊急停止信号をエスカレータ制御装置が受信した際の処理手順を示す。管制情報を受信すると、現在表示している広告内容の表示を中止して、管制運転に入り、停止する旨を表示したり、管制内容の表示、エラー発報の表示内容に変更する。
【0042】
図7のフローチャートにおいて、ステップS1~S9の処理は
図5に示した実施形態と同じである。
【0043】
広告コンテンツの表示途中で管制情報入力部26が管制情報を入力すると(ステップS21)、表示制御部22は、モニタ装置8の広告表示を中止し、管制情報に沿った内容を表示する(ステップS22)。例えば、地震発生時には、「只今、XX地方で震度4の地震発生、エスカレータは一時停止します」というような表示を行う。
【0044】
このように、本実施形態では、管制情報入力時には、モニタ装置8の広告表示を中止し、管制情報に沿った内容を表示するようにしたので、エスカレータ利用者の安全を優先させつつ、効果的な広告表示が可能になる。
【0045】
<変形例>
実施形態の変形例としては、以下に示す種々の構成が考えられる。
【0046】
《変形例1》
踏段2を挟んで左右の外デッキ6に設置されたモニタ装置8の表示内容と表示速度は同じであっても、同じでなくてもよい。少なくとも片側の列は速度も内容も同じであればよい。
【0047】
《変形例2》
モニタ装置8の表示面の角度調整も可能である。全てのモニタ装置8の角度を一定にしてもよい。また、個々のモニタ装置8毎に角度を調整するようにしてもよい。また、モニタ装置8の角度調整は1軸だけでなく、2軸、3軸でもよい。
【0048】
《変形例3》
モニタ装置8にカメラをつけて、利用者監視やエスカレータ運転状態の監視に使うこともできる。
【0049】
また、モニタ装置8に接触センサまたは振動センサをつけて、センサ検知時には建物管理センタへ発報して、設置状況を確認するようにしてもよい。
【0050】
<さらに他の実施形態>
図8は、本発明に係るエスカレータ及びエスカレータの広告表示方法のさらに他の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0051】
同図に示すように、本実施形態では、
図1に示した実施形態のエスカレータ制御装置20の広告表示機能を広告配信センタ40側の広告クラウドサーバに設ける構成である。このため、広告配信センタ40の広告クラウドサーバは、表示制御部42と、走行制御部43と、広告コンテンツ保存部44と、コンテンツ更新部45と、管制情報入力部46とを備える。なお、表示制御部42、走行制御部43、広告コンテンツ保存部44、コンテンツ更新部45、及び管制情報入力部46の個々の機能は
図4に示したエスカレータ制御装置20内の表示制御部22、走行制御部21、広告コンテンツ保存部24、コンテンツ更新部25、及び管制情報入力部46と同様である。
【0052】
また、エスカレータ制御装置20は、歩行検出部23と、号機制御部27と、通信部28とを備える。
【0053】
歩行検出部23は、
図4に示したものと同様であり、複数の荷重検知器4からの荷重検知信号、カメラ9からのカメラ画像を入力して歩行者の歩行の有無を検出する。
【0054】
号機制御部27は、エスカレータ100の駆動モータに対して制御指令を出力する等、各エスカレータ号機の走行制御のみを実行する。
【0055】
通信部28は、エスカレータ監視センタ30と連携してエスカレータ100の制御指令を受信するとともに、歩行検出部23からの歩行検知信号等をエスカレータ監視センタ30に送信する。
【0056】
広告配信センタ40は、エスカレータ監視センタ30とエスカレータ制御装置20と無線またはネットワーク回線等で接続され、相互に連携してモニタ装置8の広告コンテンツの表示制御を実行する。
【0057】
なお、表示制御の処理手順は、
図5~
図7と同様であるため、その説明は省略する。
【0058】
このように本実施形態によれば、広告配信センタ40に一括して広告配信機能を含めるようにしたので、個々のエスカレータ制御装置20の機能を変更することなく、それぞれのエスカレータ100に対して広告を一括して配信することができる。また、広告配信の更新も一括してできるので、メンテナンスが容易になる。
【0059】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
100…エスカレータ、2…踏段、3…手すり、4…荷重検知器、5…内デッキ、6…外デッキ、7…ガラスパネル、8(81,82,83,8n)…モニタ装置、9…カメラ、10…台座、11…スクロール領域、12…固定表示領域、20…エスカレータ制御装置、21…走行制御部、22…表示制御部、23…歩行検出部、24…広告コンテンツ保存部、25…コンテンツ更新部、26…管制情報入力部、27…号機制御部、28…通信部、30…エスカレータ監視センタ、40…広告配信センタ、42…表示制御部、43…走行制御部、44…広告コンテンツ保存部、45…コンテンツ更新部、46…管制情報入力部
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に連結された踏段と、前記踏段と連動して走行する左右一対の手すりと、前記手すりを支持する透明パネルと、前記透明パネルを支持すると共に踏段側に位置する内デッキと、前記内デッキと共に前記透明パネルを支持する外デッキと、前記外デッキに設置されたモニタ装置とを備え、
前記モニタ装置は、縦長の長方形状の平面パネルで構成され、当該モニタ装置の上端部が前記手すりの下端よりも下方になるよう設置され、かつ互いに離間して複数設置されている、エスカレータ。
【請求項2】
複数の前記モニタ装置に表示される表示内容が互いに関連性があるように表示される、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項3】
前記モニタ装置に表示するコンテンツは、前記モニタ装置に内蔵される保存部またはエスカレータを制御する制御装置に保存されている、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項4】
前記モニタ装置に表示するコンテンツのスクロール速度は、前記踏段の移動速度と略同一である請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項5】
前記踏段が停止している時は、前記モニタ装置の表示を停止、またはスクロール表示を停止する、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項6】
利用者の踏段歩行が検知された場合は、前記モニタ装置のスクロール表示を停止する、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項7】
前記モニタ装置に表示されるコンテンツが更新された場合、現在表示しているコンテンツのスクロール表示が終了後、前記更新されたコンテンツを表示する、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項8】
前記コンテンツの更新は、エスカレータ外部に設けられる広告センタと前記エスカレータまたは前記モニタ装置とを無線または有線で接続して行われることを特徴とする請求項7に記載のエスカレータ。
【請求項9】
前記モニタ装置に表示されるコンテンツは、同一内容であるが、個々のモニタ装置間では表示タイミングが異なっている、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項10】
モニタ装置にスクロール表示される表示内容は、踏段進行方向の先に位置するモニタ装置の方が先行して表示される、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項11】
前記モニタ装置は、表示されるコンテンツがスクロール表示されるスクロール領域と、固定で表示される固定表示領域とを有する、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項12】
エスカレータが設置される建物またはエスカレータを監視するエスカレータ監視センタから、エスカレータが管制情報を受け取った場合には、前記モニタ装置に表示するコンテンツの表示を中止または管制情報に対応する内容に変更して表示する、請求項1に記載のエスカレータ。
【請求項13】
請求項1に記載のモニタ装置の表示制御を実行する表示制御部と、前記モニタ装置に表示される広告コンテンツを更新可能に保存する広告コンテンツ保存部とを備える広告クラウドサーバを有するエスカレータ。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載のエスカレータの前記モニタ装置に対して広告コンテンツを配信して広告を表示させるエスカレータの広告表示方法。