IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ハーマンの特許一覧

<>
  • 特開-レンジフード 図1A
  • 特開-レンジフード 図1B
  • 特開-レンジフード 図2
  • 特開-レンジフード 図3
  • 特開-レンジフード 図4
  • 特開-レンジフード 図5
  • 特開-レンジフード 図6
  • 特開-レンジフード 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086383
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20240620BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
F24F7/06 101A
F24F13/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201479
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 健太
(72)【発明者】
【氏名】福多 正綱
【テーマコード(参考)】
3L058
【Fターム(参考)】
3L058BK04
3L058BK05
(57)【要約】
【課題】器具高さの増加を抑制することが可能であるとともにフィルタの清掃を容易に行うことが可能なレンジフードを提供する。
【解決手段】レンジフードは、本体ケースと、フード部と、整流板と、フィルタとを備える。本体ケースには、ファンが収納される。本体ケースは、下端を含む側板と、下端にある底板とを有する。底板には、本体ケースの内部と連通している第1貫通穴が形成されている。フード部は、下端に取り付けられている上面と、上面の反対面であり、かつ、上面側に向かって凹んでいる凹部が形成されている下面とを有する。凹部は、第1貫通穴と重なっている第2貫通穴が形成されている底面を有する。整流板は、底面と間隔を空けて対向するようにフード部に取り付けられている。フィルタは、第1貫通穴と重なるように底板に配置されている。フィルタは、複数の第1開口部が形成されており、かつ底面から整流板に向かって突出している底壁を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンが収納される本体ケースと、
フード部と、
整流板と、
フィルタとを備え、
前記本体ケースは、下端を含む側板と、前記下端にある底板とを有し、
前記底板には、前記本体ケースの内部と連通している第1貫通穴が形成されており、
前記フード部は、前記下端に取り付けられている上面と、前記上面の反対面であり、かつ前記上面側に向かって凹んでいる凹部が形成されている下面とを有し、
前記凹部は、前記第1貫通穴と重なっている第2貫通穴が形成されている底面を有し、
前記整流板は、前記底面と間隔を空けて対向するように前記フード部に取り付けられており、
前記フィルタは、前記第1貫通穴と重なるように前記底板に配置されており、
前記フィルタは、複数の第1開口部が形成されており、かつ前記底面から前記整流板に向かって突出している底壁を有する、前記レンジフード。
【請求項2】
前記底壁は、傾斜部を有し、
前記複数の第1開口部は、前記傾斜部に形成されている、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
前記フィルタは、前記底壁と間隔を空けて対向している上壁を有し、
前記上壁には、第2開口部と、複数の第3開口部とが形成されており、
前記第2開口部は、前記上壁の中央部にあり、
前記複数の第3開口部は、前記上壁の外周縁部にあり、
前記第2開口部及び前記複数の第3開口部の各々は、平面視において、前記複数の第1開口部の各々と重ならない位置にある、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記フィルタは、前記底壁を含む第1部材と、前記上壁を含む第2部材とを有する、請求項3に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記フィルタは、前記第1部材と前記第2部材とを一体に固定するように構成されている第1固定機構を有する、請求項4に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記フィルタは、前記上壁上に配置されているパンチングメタル板を有し、
前記パンチングメタル板には、複数の第4開口部が形成されており、
前記複数の第4開口部の各々の開口面積は、前記複数の第1開口部の各々の開口面積よりも小さい、請求項4に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記フィルタは、前記第1部材と前記パンチングメタル板とを一体に固定するように構成されている第2固定機構を有する、請求項6に記載のレンジフード。
【請求項8】
前記複数の第1開口部は、前記底壁の中央部を取り囲んでおり、
前記底壁の中央部は、油溜まり部を有し、
前記油溜まり部は、前記油溜まり部の周囲にある前記底壁の中央部の部分よりも前記整流板側に凹んでいる、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項9】
前記油溜まり部は、前記底壁から取り外し可能になっている、請求項8に記載のレンジフード。
【請求項10】
着脱機構を備え、
前記着脱機構は、回転部材と、前記回転部材を前記フィルタに向かって付勢する弾性部材とを有する、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項11】
前記本体ケースは、前記底板から突出している突出部を有し、
前記突出部は、前記底壁が前記整流板側を向いている場合に前記フィルタに接触せず、前記底壁が前記整流板とは反対側を向いている場合に前記フィルタに接触する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
実開昭58-87026号公報(特許文献1)には、フィルタが記載されている。特許文献1に記載のフィルタは、複数の開口部が形成されている板状の部材である。特許文献1に記載のフィルタは、レンジフードに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭58-87026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
整流板を有するレンジフードに特許文献1に記載のフィルタを用いる場合、ファンが収納される本体ケースとフード部との間に当該フィルタを配置するための空間を設ける必要があるため、レンジフードの器具高さが大きくなってしまう。本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、器具高さの増加を抑制することが可能であるとともにフィルタの清掃を容易に行うことが可能なレンジフードを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のレンジフードは、ファンが収納される本体ケースと、フード部と、整流板と、フィルタとを備える。本体ケースは、下端を含む側板と、下端にある底板とを有する。底板には、本体ケースの内部と連通している第1貫通穴が形成されている。フード部は、下端に取り付けられている上面と、上面の反対面であり、かつ、上面側に向かって凹んでいる凹部が形成されている下面とを有する。凹部は、第1貫通穴と重なっている第2貫通穴が形成されている底面を有する。整流板は、底面と間隔を空けて対向するようにフード部に取り付けられている。フィルタは、第1貫通穴と重なるように底板に配置されている。フィルタは、複数の第1開口部が形成されており、かつ底面から整流板に向かって突出している底壁を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のレンジフードによると、器具高さの増加を抑制することが可能であるとともにフィルタの清掃を容易に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】レンジフード100の斜視図である。
図1B】レンジフード100の分解斜視図である。
図2】本体ケース10の底面図である。
図3】フィルタ50の分解斜視図である。
図4】パンチングメタル板57の図示を省略したフィルタ50の平面図である。
図5】フィルタ50の底面図である。
図6図4中のVI-VIにおける断面図である。
図7図2中のVII-VIIにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。実施形態に係るレンジフードを、レンジフード100とする。
【0009】
(レンジフード100の構成)
以下に、レンジフード100の構成を説明する。
【0010】
図1Aは、レンジフード100の斜視図である。図1Bは、レンジフード100Aの分解斜視図である。図2は、本体ケース10の底面図である。図1A図1B及び図2に示されているように、レンジフード100は、本体ケース10と、フード部30と、整流板40と、フィルタ50とを有している。
【0011】
本体ケース10は、側板11と、天板12と、底板13とを有している。天板12は、側板11の上端にある。天板12には、貫通穴12aが形成されている。なお、貫通穴12aは天板12を厚さ方向に沿って貫通している。底板13は、側板11の下端にある。天板12及び底板13は、間隔を空けて対向している。側板11、天板12及び底板13により、本体ケース10の内部空間が画されている。
【0012】
底板13には、凹部13aが形成されている。底板13は、凹部13aにおいて、本体ケース10の内部空間に向かって凹んでいる。底板13には、貫通穴13bが形成されている。貫通穴13bは、底板13を厚さ方向に沿って貫通している。貫通穴13bは、本体ケース10の内部空間と連通している。貫通穴13bは、凹部13aの底面にある。本体ケース10は、オイルトレイ14を有している。
【0013】
オイルトレイ14は、環状の油溜まり部14aと、油溜まり部14aに取り囲まれている貫通穴14bとを有している。オイルトレイ14は、油溜まり部14aが貫通穴13bの開口縁に位置するように底板13に取り付けられている。本体ケース10の内部空間にある油は、貫通穴13bの開口縁から油溜まり部14aへと滴下され、油溜まり部14aに溜まる。油溜まり部14aの底部には、貫通穴14cが形成されている。油溜まり部14aに溜まった油は、貫通穴14cからフィルタ50に向かって滴下され、後述する油溜まり部52bbに溜まる。オイルトレイ14の底板13への取り付けは、固定部材15により行われている。固定部材15は、底板13から下方に向かって突出している。
【0014】
図示されていないが、本体ケース10の内部空間には、ファン20が配置されている。ファン20は、例えば、シロッコファンである。ファン20は、モータ21(図示せず)の回転軸に取り付けられている。モータ21が回転軸を駆動することにより、ファン20は、本体ケース10の内部空間において回転される。
【0015】
フード部30は、上面30aと、下面30bとを有している。フード部30は、上面30aにおいて本体ケース10に取り付けられている。より具体的には、フード部30は、上面30aにおいて側板11の下端に取り付けられている。下面30bは、上面30aの反対面である。
【0016】
下面30bには、凹部30cが形成されている。下面30bは、凹部30cにおいて上面30a側へと凹んでいる。凹部30cの底面を、底面30dとする。底面30dには、貫通穴30eが形成されている。貫通穴30eは、下面30bから上面30aに向かう方向に沿って、フード部30を貫通している。すなわち、貫通穴30eは、本体ケース10の内部空間と連通している。貫通穴30eは、貫通穴13bと重なる位置にある。貫通穴13bの開口縁は、貫通穴30eの開口縁の内側にある。整流板40は、底面30dと間隔を空けて対向するようにフード部30に取り付けられている。
【0017】
図3は、フィルタ50の分解斜視図である。図4は、パンチングメタル板57の図示を省略したフィルタ50の平面図である。図5は、フィルタ50の底面図である。図6は、図4中のVI-VIにおける断面図である。図6中では、フィルタ50が底板13に配置されている状態における底面30dの位置及び整流板40の位置が、点線により示されている。図3から図6に示されているように、平面視におけるフィルタ50の長手方向を、第1方向DR1とする。平面視において第1方向DR1に直交する方向を、第2方向DR2とする。フィルタ50は、側壁51と、底壁52と、上壁53とを有している。
【0018】
側壁51の外壁面には、凹部51aが形成されている。凹部51aにおいて、側壁51の外壁面は、凹んでいる。凹部51aは、第2方向DR2に沿って延在している。凹部51aは、第1方向DR1における両端にある側壁51の外壁面の部分に形成されている。側壁51の内壁面には、凸部51bが形成されている。凸部51bにおいて、側壁51の外壁面は、突出している。凸部51bは、第2方向DR2における両端にある側壁51の内壁面の部分に形成されている。
【0019】
底壁52は、外周縁部52aと、中央部52bと、複数のリブ52cとを有している。外周縁部52aは、平面視において底壁52の外周縁部にある部分である。外周縁部52aは、側壁51の下端に連なっている。中央部52bは、平面視において底壁52の中央部にある部分である。中央部52bは、外周縁部52baと、油溜まり部52bbとを有している。中央部52bは、油溜まり部52bbにおいて、外周縁部52baよりも下方に向かって凹んでいる。このことを別の観点から言えば、油溜まり部52bbは、フィルタ50が底板13に配置されている状態で、外周縁部52baよりも整流板40の近くにある(図6中の点線参照)。
【0020】
外周縁部52aの内周縁と外周縁部52baの外周縁との間は、間隔が空いている。リブ52cは、外周縁部52aの内周縁と外周縁部52baの外周縁とを接続するように、放射状に延在している。中央部52bは、底壁52から(より具体的には、リブ52cから)取り外し可能であってもよい。
【0021】
底壁52には、複数の開口部52dが形成されている。開口部52dは、外周縁部52aの内周縁、外周縁部52baの外周縁及び隣り合う2つのリブ52cにより画されている部分である。リブ52c及び開口部52dがある底壁52の部分は、第3方向DR3に対して傾斜している。第3方向DR3は、第1方向DR1及び第2方向DR2に直交する方向である。側壁51及び底壁52は、第1部材55を構成している。
【0022】
上壁53は、底壁52と間隔を空けて対向している。上壁53には、開口部53aと、複数の開口部53bが形成されている。開口部53aは、平面視における上壁53の中央部にある。開口部53aの周囲にある上壁53の部分は、開口部53aの開口縁に近づくにつれて、底壁52側へと近づいている。複数の開口部53bは、平面視における上壁53の外周縁部に形成されている。開口部53aは、第3方向DR3において中央部52b(油溜まり部52bb)と対向している。開口部53bは、第3方向DR3において、外周縁部52aと対向している。すなわち、開口部53a及び開口部53bは、平面視において開口部52dと重ならない位置にある。
【0023】
フィルタ50は、側壁54をさらに有している。側壁54の上端には、上壁53が連なっている。上壁53及び側壁54は、第2部材56を構成している。フィルタ50は、図示されていないが、第1部材55と第2部材56とを一体に固定するように構成されている固定機構を有していてもよい。
【0024】
フィルタ50は、パンチングメタル板57をさらに有している。パンチングメタル板57は、側壁57aと、上壁57bとを有している。上壁57bは、側壁57aの上端に連なっている。側壁57aの外壁面は、側壁51の内壁面と対向している。側壁57aが側壁51に挿入された状態で、側壁57aは、凸部51bと接触し、側壁51を外側(側壁51の内壁面から側壁面の外壁面へ向かう方向)に付勢している。これにより、パンチングメタル板57は、第1部材55に一体に固定されている。このことを別の観点から言えば、フィルタ50は、第1部材55及びパンチングメタル板57を一体的に固定するように構成されている固定機構を有しており、当該固定機構は凸部51bで構成されている。
【0025】
パンチングメタル板57(より具体的には、上壁57b)には、複数の開口部57cが形成されている。開口部57cは、パンチングメタル板57(上壁57b)を厚さ方向に沿って貫通している。開口部57cの開口面積は、好ましくは開口部52dの開口面積よりも小さい。パンチングメタル板57(上壁57b)は、上壁53上に配置されている。
【0026】
フィルタ50は、底板13に配置されている。フィルタ50は、凹部13aの内部に配置されている。但し、フィルタ50は、底板13に配置されている状態で、底壁52が底面30dから突出しており(図1B及び図6参照)、底壁52が底面30dと整流板40との間にある。
【0027】
図7は、図2中のVII-VIIにおける断面図である。図7には、着脱機構60の近傍における断面図が拡大して示されている。図7に示されているように、レンジフード100は、さらに、着脱機構60を有していてもよい。着脱機構60は、弾性部材61と、回転部材62とを有している。弾性部材61は、底板13に取り付けられている。回転部材62は、弾性部材61に取り付けられている。回転部材62は、回転部材62の中心軸回りに回転可能になっている。回転部材62は、凹部51aに挿入される。弾性部材61は、回転部材62が凹部51aに挿入された状態で、回転部材62をフィルタ50(側壁51)に向かって付勢する。これにより、フィルタ50が、底板13に着脱可能に配置されている。フィルタ50は、底板13に配置されている状態で、貫通穴13bに重なる位置にある。
【0028】
底壁52が整流板40と対向するようにフィルタ50が底板13に配置されている場合で、固定部材15はフィルタ50に接触しない。しかしながら、底壁52が整流板40とは反対側を向くようにフィルタ50が底板13に配置されている場合、固定部材15は、フィルタ50に接触され、フィルタ50を底板13に配置することができない。
【0029】
(レンジフード100の動作)
以下に、レンジフード100の動作を説明する。
【0030】
本体ケース10の内部空間においてファン20が回転されると、鍋等の加熱調理器具において発生した油煙が、底面30dと整流板40との間、貫通穴13b、フィルタ50及び貫通穴14bを通って、本体ケース10の内部空間に吸引される。本体ケース10の内部空間へと吸引された油煙は、天板12に形成されている貫通穴12aに接続されているダクト(図示せず)を通って、室外に排出される。
【0031】
上記の油煙がフィルタ50を通る際、上記の油煙は、開口部52dからフィルタ50の内部に入る。開口部53a及び開口部53bは平面視において開口部52dと重なっていないため、フィルタ50の内部に入った上記の油煙は、上壁53と接触し、開口部53aへと向かうものと開口部53bへと向かうものに分かれる。この際、上記の油煙中の油が上壁53の内壁面に付着するため、上壁53の内壁面に付着した上記の油は、開口部53aの開口縁から油溜まり部52bbへと滴下され、油溜まり部52bbに溜まる。
【0032】
開口部53a及び開口部53bを通った上記の油煙は、さらに開口部57cを通る。開口部57cの開口面積は開口部52dの開口面積よりも小さいため、上記の油煙に含まれている油のうちの粒子の小さいものは、パンチングメタル板57に付着する。このようにして、フィルタ50により、本体ケース10の内部空間に入る油の量が減少される。
【0033】
(レンジフード100の効果)
以下に、レンジフード100の効果を説明する。
【0034】
レンジフード100では、底壁52が底面30dと整流板40との間に位置するようにフィルタ50が底板13に配置されている。つまり、レンジフード100では、底面30dと整流板40との間のスペースを利用してフィルタ50が配置されている。そのため、レンジフード100によると、フィルタ50を設置することに伴って器具高さが増加することが抑制されている。
【0035】
また、レンジフード100では底壁52が底面30dから整流板40に向かって突出しているため、レンジフード100の使用者は、例えば開口部52dに指を差し入れてフィルタ50を把持することにより、フィルタ50を容易に底板13から取り外すことが可能である。このように、レンジフード100によると、フィルタ50の清掃(油の除去)を容易に行うことが可能である。なお、中央部52bが底壁52から取り外し可能である場合、フィルタ50の清掃をさらに容易に行うことが可能である。
【0036】
レンジフード100では、傾斜している底壁52の部分に開口部52dが形成されているため、開口部52dの開口面積を大きくすることが可能である。その結果、レンジフード100では、油煙が底壁52を通過しやすくなる。また、これにより、使用者が開口部52dに指をさらに差し入れやすくなるため、フィルタ50の取り外し、ひいてはフィルタ50の清掃がさらに容易になる。
【0037】
レンジフード100では、油煙中の油のうちの比較的粒子の大きいものが上壁53により除去され、油煙中の油のうちの比較的粒子の小さいものがパンチングメタル板57により除去される。そのため、レンジフード100によると、油煙中の油のうちの比較的粒子の大きいもの及び油煙中の油のうちの比較的粒子の小さいものの双方を、効率的に除去することが可能である。
【0038】
レンジフード100では、油溜まり部52bbが外周縁部52baよりも整流板40側に凹んでいるため、油は、主として油溜まり部52bbに溜まる。そのため、レンジフード100によると、作業者が開口部52dに指を差し入れてフィルタ50を底板13から取り外そうとする際に、作業者の指に油が付着されることが抑制される。
【0039】
レンジフード100は、着脱機構60を有しており、着脱機構60は回転部材62を有しているため、フィルタ50の着脱を行う際に、フィルタ50を傷付けることなくフィルタ50のフィルタ50の着脱をスムースに行うことが可能である。フィルタ50が第1部材55と第2部材56とを一体に固定するように構成されている固定機構及び/又は第1部材55とパンチングメタル板57とを一体に固定するように構成されている固定機構を有する場合、フィルタ50の取り扱いが容易になる。
【0040】
底壁52が整流板40と対向するようにフィルタ50が底板13に配置されている場合に、固定部材15はフィルタ50に接触しない。他方で、底壁52が整流板40とは反対側を向くようにフィルタ50が底板13に配置されている場合、固定部材15はフィルタ50に接触され、フィルタ50を底板13に配置することができない。そのため、レンジフード100によると、フィルタ50の付け間違いを抑制可能である。
【0041】
(付記)
上記の実施形態には、以下の構成が含まれている。
【0042】
<付記1>
ファンが収納される本体ケースと、
フード部と、
整流板と、
フィルタとを備え、
前記ファンは、前記本体ケースの内部に収納されており、
前記本体ケースは、下端を含む側板と、前記下端にある底板とを有し、
前記底板には、前記本体ケースの内部と連通している第1貫通穴が形成されており、
前記フード部は、前記下端に取り付けられている上面と、前記上面の反対面であり、かつ前記上面側に向かって凹んでいる凹部が形成されている下面とを有し、
前記凹部は、前記第1貫通穴と重なっている第2貫通穴が形成されている底面を有し、
前記整流板は、前記底面と間隔を空けて対向するように前記フード部に取り付けられており、
前記フィルタは、前記第1貫通穴と重なるように前記底板に配置されており、
前記フィルタは、複数の第1開口部が形成されており、かつ前記底面から前記整流板に向かって突出している底壁を有する、前記レンジフード。
【0043】
<付記2>
前記底壁は、傾斜部を有し、
前記複数の第1開口部は、前記傾斜部に形成されている、付記1のレンジフード。
【0044】
<付記3>
前記フィルタは、前記底壁と間隔を空けて対向している上壁を有し、
前記上壁には、第2開口部と、複数の第3開口部とが形成されており、
前記第2開口部は、前記上壁の中央部にあり、
前記複数の第3開口部は、前記上壁の外周縁部にあり、
前記第2開口部及び前記複数の第3開口部の各々は、平面視において、前記複数の第1開口部の各々と重ならない位置にある、付記1又は付記2のレンジフード。
【0045】
<付記4>
前記フィルタは、前記底壁を含む第1部材と、前記上壁を含む第2部材とを有する、付記3のレンジフード。
【0046】
<付記5>
前記フィルタは、前記第1部材と前記第2部材とを一体に固定するように構成されている第1固定機構を有する、付記4のレンジフード。
【0047】
<付記6>
前記フィルタは、前記上壁上に配置されているパンチングメタル板を有し、
前記パンチングメタル板には、複数の第4開口部が形成されており、
前記複数の第4開口部の各々の開口面積は、前記複数の第1開口部の各々の開口面積よりも小さい、付記3から付記5のレンジフード。
【0048】
<付記7>
前記フィルタは、前記第1部材と前記パンチングメタル板とを一体に固定するように構成されている第2固定機構を有する、付記6のレンジフード。
【0049】
<付記8>
前記複数の第1開口部は、前記底壁の中央部を取り囲んでおり、
前記底壁の中央部は、油溜まり部を有し、
前記油溜まり部は、前記油溜まり部の周囲にある前記底壁の中央部の部分よりも前記整流板側に凹んでいる、付記1から付記7のレンジフード。
【0050】
<付記9>
前記油溜まり部は、前記底壁から取り外し可能になっている、付記8に記載のレンジフード。
【0051】
<付記10>
着脱機構を備え、
前記着脱機構は、回転部材と、前記回転部材を前記フィルタに向かって付勢する弾性部材とを有する、付記1から付記9のレンジフード。
【0052】
<付記11>
前記本体ケースは、前記底板から突出している突出部を有し、
前記突出部は、前記底壁が前記整流板側を向いている場合に前記フィルタに接触せず、前記底壁が前記整流板とは反対側を向いている場合に前記フィルタに接触する、付記1から付記10のレンジフード。
【0053】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上記の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上記の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0054】
10 本体ケース、11 側板、12 天板、12a 貫通穴、13 底板、13a 凹部、13b 貫通穴、14 オイルトレイ、14a 油溜まり部、14b 貫通穴、14c 貫通穴、15 固定部材、20 ファン、21 モータ、30 フード部、30a 上面、30b 下面、30c 凹部、30d 底面、30e 貫通穴、40 整流板、50 フィルタ、51 側壁、51a 凹部、51b 凸部、52 底壁、52a 外周縁部、52b 中央部、52ba 外周縁部、52bb 油溜まり部、52c リブ、52d 開口部、53 上壁、53a,53b 開口部、54 側壁、55 第1部材、56 第2部材、57 パンチングメタル板、57a 側壁、57b 上壁、57c 開口部、60 着脱機構、61 弾性部材、62 回転部材、100 レンジフード、DR1 第1方向、DR2 第2方向、DR3 第3方向。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7