(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086386
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】リーダ装置
(51)【国際特許分類】
B60C 19/00 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
B60C19/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201485
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】坂本 浩気
(72)【発明者】
【氏名】戸田 隼人
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB04
3D131BB05
3D131BC55
3D131BC57
3D131LA20
3D131LA24
3D131LA40
(57)【要約】
【課題】1つのタイヤのRFタグを容易に読み取り可能なリーダ装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るリーダ装置は、タイヤのRFタグを読み取り可能なリーダ装置であって、前記タイヤを空転可能に支持できるタイヤ支持部と、前記タイヤ支持部に支持されている状態の前記タイヤの鉛直方向下方に配置されており、前記RFタグを読み取り可能な読み取り部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのRFタグを読み取り可能なリーダ装置であって、
前記タイヤを空転可能に支持できるタイヤ支持部と、
前記タイヤ支持部に支持されている状態の前記タイヤの鉛直方向下方に配置されており、前記RFタグを読み取り可能な読み取り部と、を備える、リーダ装置。
【請求項2】
前記タイヤ支持部は、前記タイヤを鉛直方向下方から空転可能に支持する台座部である、請求項1に記載のリーダ装置。
【請求項3】
前記台座部は、前記タイヤを鉛直方向下方から、空転可能に支持する複数の回転体を備える、請求項2に記載のリーダ装置。
【請求項4】
前記複数の回転体は、水平方向に並列して延在している複数のローラである、請求項3に記載のリーダ装置。
【請求項5】
前記読み取り部は、前記複数の回転体より鉛直方向下方の位置、かつ、リーダ装置を鉛直方向上方から見た上面視で前記複数の回転体の相互間の位置に、配置されている、請求項3又は4に記載のリーダ装置。
【請求項6】
前記台座部は、前記タイヤが前記複数の回転体に支持される位置まで転動させて案内可能、又は、前記タイヤが前記複数の回転体に支持される位置からリーダ装置の外部まで転動させて案内可能、なスロープ面を含む案内部を備える、請求項3又は4に記載のリーダ装置。
【請求項7】
前記案内部の前記スロープ面のうち前記複数の回転体に近い一端部は、前記複数の回転体のうち前記一端部に最も近い回転体の鉛直方向上端より、鉛直方向上方に位置する、請求項6に記載のリーダ装置。
【請求項8】
リーダ装置を鉛直方向上方から見た上面視で、前記案内部の前記スロープ面の前記一端部と、前記複数の回転体のうち前記一端部に最も近い前記回転体と、は離間して配置されている、請求項7に記載のリーダ装置。
【請求項9】
前記読み取り部を第1読み取り部とした場合に、前記タイヤ支持部に支持されている前記タイヤを挟む水平方向の一方側に配置されており、前記RFタグを読み取り可能な第2読み取り部を備える、請求項1から4のいずれか1つに記載のリーダ装置。
【請求項10】
前記第2読み取り部は、鉛直方向の異なる位置に複数配置されている、請求項9に記載のリーダ装置。
【請求項11】
前記タイヤ支持部に支持されている前記タイヤの水平方向の側方に配置され、前記第2読み取り部が、鉛直方向の移動、水平方向の移動、及び、傾斜角度の変動、のうち少なくともいずれか1つを実行可能に取り付けられている、側方取付部を備える、請求項9に記載のリーダ装置。
【請求項12】
前記タイヤ支持部に支持されている前記タイヤを挟む水平方向の他方側に配置されており、前記RFタグを読み取り可能な第3読み取り部を備える、請求項9に記載のリーダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、RFタグを備えるタイヤが知られている。タイヤのRFタグには、例えばタイヤの製造番号など、タイヤ情報を記憶することができる。そのため、RFタグを利用することで、例えば工場、倉庫、販売店等でのタイヤの在庫管理、タイヤ寿命の予測、等を容易に行うことができる。特許文献1には、タイヤのRFIDタグを読み取り可能なリーダ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のリーダ装置は、積層された複数のタイヤのRFタグを読み取る構成であり、1つのタイヤのRFタグを読み取るリーダ装置としては大掛かりである。そのため、1つのタイヤのRFタグを読み取るリーダ装置としては、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、1つのタイヤのRFタグを容易に読み取り可能なリーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様としてのリーダ装置は、
(1)
タイヤのRFタグを読み取り可能なリーダ装置であって、
前記タイヤを空転可能に支持できるタイヤ支持部と、
前記タイヤ支持部に支持されている状態の前記タイヤの鉛直方向下方に配置されており、前記RFタグを読み取り可能な読み取り部と、を備える、リーダ装置、である。
【0007】
本発明の1つの実施形態としてのリーダ装置は、
(2)
前記タイヤ支持部は、前記タイヤを鉛直方向下方から空転可能に支持する台座部である、上記(1)に記載のリーダ装置、である。
【0008】
本発明の1つの実施形態としてのリーダ装置は、
(3)
前記台座部は、前記タイヤを鉛直方向下方から、空転可能に支持する複数の回転体を備える、上記(2)に記載のリーダ装置、である。
【0009】
本発明の1つの実施形態としてのリーダ装置は、
(4)
前記複数の回転体は、水平方向に並列して延在している複数のローラである、上記(3)に記載のリーダ装置、である。
【0010】
本発明の1つの実施形態としてのリーダ装置は、
(5)
前記読み取り部は、前記複数の回転体より鉛直方向下方の位置、かつ、リーダ装置を鉛直方向上方から見た上面視で前記複数の回転体の相互間の位置に、配置されている、上記(3)又は(4)に記載のリーダ装置、である。
【0011】
本発明の1つの実施形態としてのリーダ装置は、
(6)
前記台座部は、前記タイヤが前記複数の回転体に支持される位置まで転動させて案内可能、又は、前記タイヤが前記複数の回転体に支持される位置からリーダ装置の外部まで転動させて案内可能、なスロープ面を含む案内部を備える、上記(3)から(5)のいずれか1つに記載のリーダ装置、である。
【0012】
本発明の1つの実施形態としてのリーダ装置は、
(7)
前記案内部の前記スロープ面のうち前記複数の回転体に近い一端部は、前記複数の回転体のうち前記一端部に最も近い回転体の鉛直方向上端より、鉛直方向上方に位置する、上記(6)に記載のリーダ装置、である。
【0013】
本発明の1つの実施形態としてのリーダ装置は、
(8)
リーダ装置を鉛直方向上方から見た上面視で、前記案内部の前記スロープ面の前記一端部と、前記複数の回転体のうち前記一端部に最も近い前記回転体と、は離間して配置されている、上記(7)に記載のリーダ装置、である。
【0014】
本発明の1つの実施形態としてのリーダ装置は、
(9)
前記読み取り部を第1読み取り部とした場合に、前記タイヤ支持部に支持されている前記タイヤを挟む水平方向の一方側に配置されており、前記RFタグを読み取り可能な第2読み取り部を備える、上記(1)から(8)のいずれか1つに記載のリーダ装置、である。
【0015】
本発明の1つの実施形態としてのリーダ装置は、
(10)
前記第2読み取り部は、鉛直方向の異なる位置に複数配置されている、上記(9)に記載のリーダ装置、である。
【0016】
本発明の1つの実施形態としてのリーダ装置は、
(11)
前記タイヤ支持部に支持されている前記タイヤの水平方向の側方に配置され、前記第2読み取り部が、鉛直方向の移動、水平方向の移動、及び、傾斜角度の変動、のうち少なくともいずれか1つを実行可能に取り付けられている、側方取付部を備える、上記(9)又は(10)に記載のリーダ装置、である。
【0017】
本発明の1つの実施形態としてのリーダ装置は、
(12)
前記タイヤ支持部に支持されている前記タイヤを挟む水平方向の他方側に配置されており、前記RFタグを読み取り可能な第3読み取り部を備える、上記(9)から(11)のいずれか1つに記載のリーダ装置、である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、1つのタイヤのRFタグを容易に読み取り可能なリーダ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態としてのリーダ装置を示す図である。
【
図2】
図1に示すリーダ装置のタイヤ支持部に、RFタグを備えるタイヤが空転可能に支持されている状態を示す図である。
【
図3】
図1に示すリーダ装置を鉛直方向上方から見た、リーダ装置の上面図である。
【
図4】
図1に示すリーダ装置の変形例を示す図である。
【
図5】タイヤのRFタグと、このRFタグと無線通信可能な
図1に示すリーダ装置の読み取り部と、を示す図である。
【
図6】
図1~
図4に示す第2読み取り部の取付構成の変形例を示す図である。
【
図7A】
図1に示すリーダ装置の別の変形例を示す図であり、台座部を鉛直方向の上方から見た、台座部の上面図である。
【
図7B】
図7Aに示すリーダ装置において、台座部を水平方向で見た、台座部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るリーダ装置の実施形態について図面を参照して例示説明する。各図において同一の構成には同一の符号を付している。
【0021】
図1は、本発明に係るリーダ装置の一実施形態としてのリーダ装置1を示す図である。
図1に示すように、リーダ装置1は、タイヤ支持部2と、読み取り部3と、を備えている。タイヤ支持部2は、タイヤ100を空転可能な状態で支持できるように構成されている。読み取り部3は、タイヤ支持部2に支持されている状態のタイヤ100の鉛直方向下方に配置されている。読み取り部3は、タイヤ100のRFタグ101を読み取り可能に構成されている。
【0022】
図2は、リーダ装置1のタイヤ支持部2に、RFタグ101を備えるタイヤ100が空転可能に支持されている状態を示す図である。
図2では、説明の便宜上、リーダ装置1の一部記載を図示省略している。詳細は後述するが、本実施形態のタイヤ支持部2は、タイヤ100を空転可能に支持する複数(本実施形態では2つ)の回転体32を備えている。そして、
図2では、タイヤ100が複数の回転体32に支持されている状態を示している。
【0023】
RFタグ101は、タイヤ100のタイヤ周方向の一部の位置に配置されている。RFタグ101が配置される位置は、タイヤ100のトレッド部102であってもよく、サイド部103であってもよい。また、RFタグ101は、タイヤ100のトレッド部102又はサイド部103の内部に埋設されていてもよく、タイヤ100のトレッド部102又はサイド部103の内面に貼り付けられていてもよい。
【0024】
図2に示すように、リーダ装置1によれば、タイヤ支持部2に支持されているタイヤ100を空転させ、タイヤ100のRFタグ101の位置を、鉛直方向下側の位置に来るように移動させることができる。つまり、リーダ装置1によれば、RFタグ101を読み取り部3に近づけることができる。そのため、リーダ装置1では、読み取り部3により、タイヤ100のRFタグ101を、容易に読み取ることができる。
【0025】
以下、
図1~
図6を参照して、本実施形態のリーダ装置1の詳細について説明する。
図3は、リーダ装置1を鉛直方向上方から見た、リーダ装置1の上面図である。
図4は、
図1~
図3に示すリーダ装置1の変形例を示す図である。
図5は、RFタグ101と、このRFタグ101と無線通信可能な読み取り部3と、を示す図である。
図6は、
図1~
図4に示す読み取り部4の取付構成の変形例を示す図である。
【0026】
図1~
図3に示すように、本実施形態のリーダ装置1は、上述したタイヤ支持部2及び読み取り部3に加えて、別の読み取り部4と、側方取付部5と、規制壁部40と、を備えている。
【0027】
まず、本実施形態のタイヤ支持部2の詳細について説明する。
【0028】
図1~
図3に示すように、本実施形態のタイヤ支持部2は、タイヤ100を鉛直方向下方から空転可能に支持する台座部30である。
図2に示すように、タイヤ100は、タイヤ中心軸方向が水平方向となる立て置き状態で、台座部30に支持される。タイヤ支持部2を台座部30とすることで、タイヤ100を持ち上げる作業を無くし得る。つまり、タイヤ100を、例えば、台座部30により鉛直方向下方から支持される位置まで、床面上を転動させながら移動させることができ得る。このようにすることで、リーダ装置1へのタイヤ100のセット作業が容易になる。そのため、タイヤ100が、例えば、航空機用タイヤ、鉱山車両用タイヤ、建設機械用タイヤ等の大型タイヤの場合、タイヤ支持部2は、台座部30とすることが好適である。
【0029】
図1~
図3に示すように、本実施形態の台座部30は、ベース板部31と、複数(本実施形態では2つ)の回転体32と、案内部33と、を備える。
【0030】
ベース板部31は、地面上又は床面上に配置される。ベース板部31は、地面又は床面に固定されている。ベース板部31と地面又は床面との固定は、例えば、ボルト及びナットを用いた締結等であってよい。これにより、ベース板部31と地面又は床面とは、強固に固定される。ベース板部31は、例えば鋼材等からなる金属製であってよい。
【0031】
ベース板部31は、平板状の本体板部31aと、この本体板部31aの上面から突出する2本のリブ状の凸部31bと、を備える。
【0032】
図2に示すように、複数の回転体32は、タイヤ100を鉛直方向下方から、空転可能に支持可能である。より具体的に、本実施形態の複数の回転体32は、水平方向に並列して延在している2本のローラ32aである。2本のローラ32aは、ステンレス等からなる金属製であってよい。本実施形態のローラ32aは、ベース板部31の2本のリブ状の凸部31bに対して、回動可能に支持されている。より具体的に、2本のリブ状の凸部31bは、ローラ32aに対して、ローラ32aの中心軸方向の両側に配置されている。2本のリブ状の凸部31bは、ローラ32aの中心軸部32a1を、回動可能に支持している。
【0033】
図2に示すように、本実施形態のリーダ装置1では、タイヤ100が、2本のローラ32aに跨るように立て置きされる。2本のローラ32aは、タイヤ100のトレッド面102aのうちタイヤ周方向の異なる位置で、タイヤ100を支持可能である。そのため、2本のローラ32aが中心軸部32a1周りを回動することで、タイヤ100をタイヤ周方向に空転させることができる。以下、説明の便宜上、タイヤ支持部2に対してタイヤ100が空転可能に支持される位置を、リーダ装置1におけるタイヤ100の「セット位置」と記載する場合がある。本実施形態のセット位置は、タイヤ100が複数の回転体32により空転可能に支持される位置を意味する。
【0034】
本実施形態の複数の回転体32は、2本のローラ32aであるが、この構成に限られない。複数の回転体32は、例えば、3本以上のローラであってもよい。また、複数の回転体32は、複数のローラ32aに限られず、例えば、敷設された複数の球体であってもよい。但し、複数の回転体32は、本実施形態のように、複数のローラ32aであることが好ましい。このようにすることで、簡易な構成で、タイヤ100を鉛直方向下方から空転可能に支持できる。
【0035】
以下、説明の便宜上、水平方向のうち2本のローラ32aが延在する方向を、「装置幅方向A」と記載する。また、水平方向のうち2本のローラ32aが延在する方向と直交する方向を、「装置前後方向B」と記載する。
【0036】
図1~
図3に示すように、案内部33は、タイヤ100が複数の回転体32に支持される位置まで転動させて案内可能、又は、タイヤ100が複数の回転体32に支持される位置からリーダ装置1の外部まで転動させて案内可能、なスロープ面33aを含む。本実施形態のリーダ装置1のタイヤ支持部2は、複数の回転体32としての2本のローラ32aに対して装置前後方向Bの両側に、2つの案内部33を備えている。本実施形態のリーダ装置1では、一方の案内部33のスロープ面33aを利用して、タイヤ100を、リーダ装置1の外部からセット位置まで転動させて案内することができる。また、本実施形態のリーダ装置1では、他方の案内部33のスロープ面33aを利用して、タイヤ100を、セット位置からリーダ装置1の外部まで転動させて案内することができる。このように、複数の回転体32に対して装置前後方向Bの両側に案内部33を設けることで、装置前後方向Bの一方向のみに順次、タイヤ100を転動させて、リーダ装置1を通過させることできる。これにより、リーダ装置1に、複数のタイヤ100それぞれを順次、効率よく通過させることができ、読み取り作業が効率化できる。
【0037】
また、
図2に示すように、案内部33のスロープ面33aのうち複数の回転体32に近い一端部33a1は、複数の回転体32のうち一端部33a1に最も近い回転体32の鉛直方向上端より、鉛直方向上方に位置している。つまり、
図2に示す例では、左側に位置する案内部33のスロープ面33aにおける一端部33a1としての右端部が、2本のローラ32aのうち左側に位置するローラ32aの上端よりも、更に上側に位置している。同様に、
図2に示す例では、右側に位置する案内部33のスロープ面33aにおける一端部33a1としての左端部が、2本のローラ32aのうち右側に位置するローラ32aの上端よりも、更に上側に位置している。
【0038】
このような構成とすることで、タイヤ100をリーダ装置1の外部からセット位置まで転動させて案内する際は、タイヤ100を、スロープ面33aの一端部33a1から、若干転がり落とすようにすることで、タイヤ100をセット位置に配置できる。つまり、タイヤ100をリーダ装置1の外部からセット位置まで転動させて案内する作業が容易になる。また、タイヤ100をセット位置からリーダ装置1の外部まで転動させて案内する際は、一端部33a1が回転体32の上端より下方に位置する場合と比較して、タイヤ100をスロープ面33aの一端部33a1に乗り上げさせるまでの転動距離を短くできる。つまり、タイヤ100を、セット位置からスロープ面33aに乗り上げさせる作業が容易になる。
【0039】
なお、回転体32は、常時、回動自在に構成されてよいが、この構成に限られない。リーダ装置1は、例えば、回転体32を回動不能にロックできるロック部34を備えてよい。ロック部34は、例えば、回転体32としてのローラ32aの表面に当接し、摩擦力によりローラ32aを回動不能にロックする構成であってよい。ロック部34を、ローラ32aの表面に当接する状態と、ローラ32aの表面から離間する状態と、の間で制御することで、ローラ32aの回動可否を制御してよい。なお、ロック部34の構成は特に限定されない。ロック部34は、例えば、ローラ32aの中心軸部32a1に当接して、ローラ32aを回動不能にロックする構成であってもよい。例えば、タイヤ100をセット位置からリーダ装置1の外部まで転動させて案内する際に、ロック部34により回転体32の回動をロックしてよい。このようにすることで、タイヤ100をセット位置からリーダ装置1の外部まで転動させて案内する作業が、より容易になる。
【0040】
また、
図3に示すように、リーダ装置1を鉛直方向上方から見た上面視で、案内部33のスロープ面33aの一端部33a1と、複数の回転体32のうち一端部33a1に最も近い回転体32と、は離間して配置されている。このように配置することで、セット位置に配置されているタイヤ100と、スロープ面33aの一端部33a1と、の干渉を抑制できる。上述したように、案内部33のスロープ面33aの一端部33a1が、回転体32の上端よりも更に上側にあると、案内部33のスロープ面33aの一端部33a1が回転体32の上端よりも下側にある構成と比較して、セット位置に配置されているタイヤ100が、スロープ面33aの一端部33a1と干渉し易い。そのため、上述したように、上面視(
図3参照)で、案内部33のスロープ面33aの一端部33a1と、複数の回転体32のうち一端部33a1に最も近い回転体32と、を離間させて配置することで、上記干渉を抑制できる。
【0041】
なお、スロープ面33aは、上面視(
図3参照)で、ベース板部31と重なる位置から、ベース板部31と重ならない位置まで、延在している。より具体的に、スロープ面33aの一端部33a1は、ベース板部31と重なる位置にある。これに対して、スロープ面33aの他端部33a2は、ベース板部31と重ならない位置にある。つまり、スロープ面33aの他端部33a2は、地面上又は床面上に配置されている。
【0042】
図1~
図3に示すように、本実施形態の読み取り部3は、複数の回転体32より鉛直方向下方の位置に配置されている。また、本実施形態の読み取り部3は、リーダ装置1を鉛直方向上方から見た上面視(
図3参照)で、複数の回転体32の相互間の位置に配置されている。このように配置することで、タイヤ100を空転させても、タイヤ100と読み取り部3との対向距離(
図2では上下方向の距離)が変動し難い。そのため、読み取り部3によるRFタグ101の読み取り精度を安定化できる。また、RFタグ101がトレッド部102に配置されている場合には、
図2に示すように、複数の回転体32の間で、トレッド部102が読み取り部3に向かって凸状に湾曲するため、RFタグ101を、読み取り部3に、より近づけることができる。これにより、読み取り部3によるRFタグ101の読み取り精度の安定化に加えて、読み取り精度を高めることができる。
【0043】
より具体的に、本実施形態の読み取り部3は、複数の回転体32としての2本のローラ32aより鉛直方向下方の位置で、ベース板部31の本体板部31aの上面上に配置されている。また、本実施形態の読み取り部3は、上面視(
図3参照)で、2本のローラ32aの間の位置に配置されている。
【0044】
なお、
図3に示すように、本実施形態では、読み取り部3を、装置幅方向Aに複数(本実施形態では2つ)配置しているが、この構成に限られない。読み取り部3は、1つのみであってもよく、3つ以上であってもよい。また、読み取り部3を複数設ける場合に、複数の読み取り部3は、装置前後方向Bに複数配置されてもよく、装置幅方向A及び装置前後方向Bの両方に複数配置されてもよい。
【0045】
また、
図1~
図3に示すように、本実施形態の読み取り部3は、その読み取り面3aが鉛直方向上方を向くように配置されている。より具体的に、本実施形態の読み取り面3aは、水平方向に延在する平面状であり、読み取り面3aと直交する方向が鉛直方向と略一致するように配置されている。但し、読み取り面3aは平面状に限られない。読み取り面3aは、例えば、凸状又は凹状の湾曲面を含んでいてもよい。また、平面状の読み取り面3aは、鉛直方向上方を向くように配置されている限り、例えば、水平方向に対して小さい角度(例えば5°以下)で傾斜している面であってもよい。
【0046】
読み取り部4は、タイヤ支持部2に支持されているタイヤ100を挟む水平方向の一方側に配置されている。また、読み取り部4は、RFタグ101を読み取り可能に構成されている。以下、説明の便宜上、タイヤ支持部2に支持されているタイヤ100の鉛直方向下方に配置されている読み取り部3を「第1読み取り部3」と記載する。また、タイヤ支持部2に支持されているタイヤ100を挟む水平方向の一方側に配置されている読み取り部4を「第2読み取り部4」と記載する。
【0047】
図1~
図3に示すように、本実施形態の第2読み取り部4は、セット位置に配置されているタイヤ100に対して、装置幅方向Aの一方側に配置されている。また、第2読み取り部4は、その読み取り面4aが、セット位置に配置されているタイヤ100を向くように、配置されている。より具体的に、本実施形態の第2読み取り部4の読み取り面4aは、タイヤ100のサイド部103、及び、サイド部103の中央開口104、の少なくとも一方と対向するように、配置されている。上述した第1読み取り部3に加えて、第2読み取り部4を設けることで、タイヤ100のRFタグ101が、仮に第1読み取り部3により読み取ることができない場合でも、RFタグ101を、第2読み取り部4により読み取り得る。つまり、第1読み取り部3にRFタグ101を近づけるようにタイヤ100を空転させる作業を実行することなく、第2読み取り部4によりRFタグ101を読み取ることができる場合がある。そのため、第2読み取り部4を設けることで、リーダ装置1によるRFタグ101の読み取り作業を、より効率化できる。
【0048】
また、
図1~
図3に示すように、本実施形態の第2読み取り部4の読み取り面4aは平面状であるが、この構成に限られない。読み取り面4aは、凸状又は凹状の湾曲面を含んでいてもよい。更に、平面状の読み取り面4aは、タイヤ100のサイド部103側を向くように配置されている限り、例えば、鉛直方向に対して小さい角度(例えば5°以下)で傾斜している面であってもよい。第2読み取り部4は、読み取り面4aの鉛直方向に対する傾斜角度が調整可能に構成されていてもよい。この詳細は後述する(
図6参照)。
【0049】
また、
図1、
図2に示すように、本実施形態の第2読み取り部4は、鉛直方向の異なる位置に複数配置されている。このようにすることで、第2読み取り部4によりRFタグ101を読み取ることができる可能性を、より高めることができる。本実施形態のリーダ装置1でRFタグ101を読み取り可能なタイヤ100の外径寸法は特に限定されない。つまり、本実施形態のリーダ装置1では、外径寸法の異なる複数種のタイヤ100が、RFタグ101の読み取りのため、セット位置に配置される場合がある。かかる場合であっても、本実施形態のリーダ装置1では、鉛直方向の異なる位置に複数の第2読み取り部4が配置されているため、RFタグ101の読み取り可能性を、より高めることができる。
【0050】
更に、
図1~
図3に示すように、本実施形態の第2読み取り部4は、装置前後方向Bの異なる位置に複数配置されている。上述したように、本実施形態で示すタイヤ100のRFタグ101は、タイヤ周方向の一部のみに配置されている。装置前後方向Bの異なる位置に複数の第2読み取り部4を配置することで、セット位置に配置されているタイヤ100を空転させることなく、第2読み取り部4によりRFタグ101を読み取ることができる可能性を、より高めることができる。つまり、装置前後方向Bの異なる位置に複数の第2読み取り部4を設けることで、リーダ装置1によるRFタグ101の読み取り作業を、より一層、効率化できる。
【0051】
なお、本実施形態のリーダ装置1では、合計4つの第2読み取り部4が、相互の位置が鉛直方向及び装置前後方向Bの少なくとも一方で異なるように、配置されているが、この構成に限られない。リーダ装置1は、例えば、相互の装置前後方向Bの位置が略等しく、相互の鉛直方向の位置が異なる、複数の第2読み取り部4のみを備えてもよい。また、リーダ装置1は、例えば、相互の鉛直方向の位置が略等しく、相互の装置前後方向Bの位置が異なる、複数の第2読み取り部4のみを備えてもよい。更に、リーダ装置1が備える第2読み取り部4の数についても、合計4つに限られず、3つ以下であってもよく、5つ以上であってもよい。
【0052】
側方取付部5は、タイヤ支持部2に支持されているタイヤ100の水平方向の側方に配置されている。より具体的に、本実施形態の側方取付部5は、セット位置に配置されているタイヤ100に対して、装置幅方向Aの一方側に配置されている。側方取付部5には、第2読み取り部4が、鉛直方向の移動、水平方向の移動、及び、傾斜角度の変動、のうち少なくともいずれか1つを実行可能に取り付けられている。
図1、
図3に示すように、本実施形態の側方取付部5は、タイヤ支持部2としての台座部30のベース板部31から鉛直方向上方に立設されている支柱5aである。本実施形態の第2読み取り部4は、側方取付部5としての支柱5aに対して鉛直方向にスライドして移動可能に取り付けられている。また、本実施形態の第2読み取り部4は、側方取付部5としての支柱5aに対して、支柱5aの中心軸周りに回動可能に取り付けられている。より具体的に、本実施形態では、基端部が、支柱5aに対して鉛直方向に移動可能、及び、支柱5aの中心軸周りに回動可能、に取り付けられているアーム部6を備えている。そして、本実施形態の第2読み取り部4は、アーム部6の先端部に取り付けられている。そのため、本実施形態の第2読み取り部4は、アーム部6が支柱5a周りに回動することで、支柱5aに対して水平方向に移動できる。つまり、本実施形態の第2読み取り部4は、側方取付部5としての支柱5aに対して、鉛直方向及び水平方向へ移動可能に、取り付けられている。但し、第2読み取り部4は、アーム部6を介さずに、側方取付部5としての支柱5aに対して直接的に取り付けられていてもよい。
【0053】
また、
図6に示すように、第2読み取り部4は、鉛直方向の移動(矢印「D1」、「D2」参照)、水平方向の移動(矢印「D3」参照)、及び、傾斜角度の変動(矢印「D2」参照)、が可能なように側方取付部5に取り付けられてもよい。
図6に示す例では、アーム部6の基端部が、自在接手21を介して、側方取付部5としての支柱5aに取り付けられている。また、自在接手21は、支柱5aに対して鉛直方向にスライド移動可能に取り付けられている(
図6の矢印「D1」参照)。そのため、
図6に示すアーム部6は、側方取付部5としての支柱5aに対して、自在接手21を介して、鉛直方向に移動可能に構成されている。更に、
図6に示すアーム部6は、側方取付部5としての支柱5aに対して、自在接手21を介して、鉛直方向及び水平方向に角度変動可能(
図6の矢印「D2」、「D3」参照)に構成されている。そのため、アーム部6の先端部に取り付けられている第2読み取り部4は、側方取付部5としての支柱5aに対して、鉛直方向の移動(矢印「D1」、「D2」参照)、水平方向の移動(矢印「D3」参照)、及び、傾斜角度の変動(矢印「D2」参照)、が可能である。
【0054】
なお、
図6に示すように、第2読み取り部4は、アーム部6の先端部に対して、別の自在接手22を介して取り付けられていてもよい。このようにすることで、第2読み取り部4の読み取り面4aの角度を更に細かく調整し易くなる(
図6の矢印「D4」、「D5」参照)。
【0055】
なお、本実施形態及び変形例で示す側方取付部5は、第2読み取り部4が鉛直方向へ移動可能に取り付けられる支柱5aであるが、この構成に限られない。側方取付部5は、第2読み取り部4の読み取り面4aがタイヤ100のサイド部103側を向くように、第2読み取り部4を保持可能な構成であれば、その構成は特に限定されない。但し、側方取付部5を、本実施形態のような支柱5aとすることで、鉛直方向に移動可能な第2読み取り部4を、簡易な構成で容易に実現できる。
【0056】
また、
図1~
図3に示すように、本実施形態のリーダ装置1では、タイヤ支持部2に支持されているタイヤ100を挟む水平方向の一方側のみに第2読み取り部4を配置しているが、この構成に限られない。
図4に示すように、リーダ装置1は、タイヤ支持部2に支持されているタイヤ100を挟む水平方向の他方側(第2読み取り部4が位置する側とは反対側)に配置されている別の読み取り部7を備えてもよい。より具体的に、
図4に示す例では、読み取り部7は、セット位置に配置されているタイヤ100に対して、装置幅方向Aの、第2読み取り部4が位置する一方側とは反対の他方側に配置されている。読み取り部7は、RFタグ101を読み取り可能に構成されている。以下、説明の便宜上、第2読み取り部4と区別するために、読み取り部7を「第3読み取り部7」記載する。
【0057】
図4に示すように、リーダ装置1は、タイヤ支持部2に支持されているタイヤ100を挟んで、側方取付部5と反対側に、別の側方取付部8を備えてよい。より具体的に、
図4に示す例では、側方取付部8は、セット位置に配置されているタイヤ100に対して、装置幅方向Aの、側方取付部5が位置する一方側とは反対の他方側に配置されている。以下、説明の便宜上、側方取付部5と側方取付部8とを区別するため、側方取付部5を「第1側方取付部5」とし、側方取付部8を「第2側方取付部8」とする。
【0058】
第2側方取付部8には、第3読み取り部7が、鉛直方向の移動、水平方向の移動、及び、傾斜角度の変動、のうち少なくともいずれか1つを実行可能に取り付けられてよい。
図4に示すように、第2側方取付部8は、タイヤ支持部2としての台座部30のベース板部31から鉛直方向上方に立設されている支柱8aである。第3読み取り部7は、第2側方取付部8としての支柱8aに対して鉛直方向に移動可能に取り付けられている。また、第3読み取り部7は、第2側方取付部8としての支柱8aに対して、支柱8aの中心軸周りに回動可能に取り付けられている。より具体的に、
図4に示すリーダ装置1では、基端部が、支柱8aに対して鉛直方向に移動可能、及び、支柱8aの中心軸周りに回動可能、に取り付けられているアーム部9を備えている。そして、
図4に示す第3読み取り部7は、アーム部9の先端部に取り付けられている。そのため、第3読み取り部7は、アーム部9を介して、支柱8aに対して鉛直方向に移動可能である。また、第3読み取り部7は、アーム部9が支柱8a周りに回動することで、支柱8aに対して水平方向に移動できる。つまり、
図4に示す第3読み取り部7は、第2側方取付部8としての支柱8aに対して、鉛直方向及び水平方向へ移動可能に、取り付けられている。但し、第3読み取り部7は、アーム部9を介さずに、第2側方取付部8としての支柱8aに対して直接的に取り付けられていてもよい。
【0059】
また、第3読み取り部7についても、
図6に示す第2読み取り部4と同様、鉛直方向の移動、水平方向の移動、及び、傾斜角度の変動、が可能なように第2側方取付部8に取り付けられてよい。具体的な取付構成の例は、
図6に示す第2読み取り部4と同様である。そのため、ここでは説明を省略する。
【0060】
また、第3読み取り部7の読み取り面7aの形状、位置、向き等、第3読み取り部7の詳細は、上述した第2読み取り部4と同様であるため、ここでは説明を省略する。更に、複数の第3読み取り部7の配置関係についても、上述した複数の第2読み取り部4の配置関係と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0061】
このように、上述した第2読み取り部4に加えて第3読み取り部7を設けることで、上述した第2読み取り部4のみを設ける構成(
図1~
図3参照)と比較して、リーダ装置1によるRFタグ101の読み取り可能性を、より高めることができる。
【0062】
次に、
図5を参照して、第1読み取り部3の構成、並びに、第1読み取り部3及びRFタグ101の通信動作の詳細、について説明する。なお、ここでは第1読み取り部3を例示して説明する。第2読み取り部4及び第3読み取り部7の構成は第1読み取り部3と同様であるため、説明を省略する。
【0063】
図5に示すように、RFタグ101は、例えばタイヤ100の識別情報等を記憶する記憶部101aと、タイヤ100の外部に位置する第1読み取り部3と送受信可能なアンテナ部101bと、記憶部101aへの情報の書き込み、及び、記憶部101aからの情報の読み出しが可能な制御部101cと、を備える。RFタグ101は、パッシブ型のRFタグである。具体的に、RFタグ101は、第1読み取り部3のアンテナ部3cから、電波又は磁界に乗せて送信される情報を、アンテナ部101bにより受信可能である。整流(電波の場合)または共振(磁界の場合)により、RFタグ101のアンテナ部101bに電力が発生し、記憶部101a及び制御部101cが所定の動作を行う。例えば、制御部101cは、RFタグ101の記憶部101a内の情報を読み出し、電波または磁界に乗せてアンテナ部101bから、第1読み取り部3に返信(送信)する。第1読み取り部3のアンテナ部3cは、RFタグ101からの電波又は磁界を受信する。第1読み取り部3の制御部3bは、受信した情報を取り出すことで、RFタグ101の記憶部101aに記憶されている情報を取得することができる。なお、上述の記憶部101a及び制御部101cは、例えば、不揮発性メモリを含む集積回路(ICチップ)により構成することができる。
【0064】
なお、タイヤ100のRFタグ101の記憶部101aは、例えば、タイヤ100の製造メーカ、製造工場、製造年月日等の、各タイヤをタイヤ毎に特定できるタイヤ100の固有の識別情報を記憶している。
【0065】
また、第1読み取り部3は、読み込みに加えて書き込みが可能なリーダ/ライタであってもよい。第1読み取り部3としてのリーダ/ライタにより書き換え可能な、RFタグ101の記憶部101aに記憶されている情報としては、例えば、タイヤの走行距離等のタイヤ履歴情報が挙げられる。
【0066】
図1~
図4に示すように、リーダ装置1は、規制壁部40を備えている。規制壁部40は、セット位置に配置されているタイヤ100に対して、装置幅方向Aの両側に配置されている。規制壁部40は、セット位置に配置されているタイヤ100の装置幅方向Aでの移動、及び、装置幅方向Aへの転倒、を規制する。より具体的に、規制壁部40は、タイヤ100と当接することで、タイヤ100がそれ以上、装置幅方向Aに移動又は転倒することを防ぐことができる。規制壁部40は、例えば、鋼材、ステンレス等の金属製であってよい。
【0067】
より具体的に、本実施形態(
図1~
図3参照)及び上述した変形例(
図4参照)に示す規制壁部40は、鉛直方向に延在する縦枠41、及び、装置前後方向Bに延在する横枠42、からなる柵部40aにより構成されている。縦枠41及び横枠42は相互に固定されている。そして、規制壁部40としての柵部40aには、縦枠41及び横枠42により、複数の開口部43が区画されている。より具体的に、
図1~
図4に示す規制壁部40としての柵部40aは、装置前後方向Bに離間して配置される3本の縦枠41と、これら3本の縦枠41の上端同士を連結する1本の横枠42と、からなる。3本の縦枠41の下端は、ベース板部31に固定されている。そして、3本の縦枠41の相互間に、3つの開口部43が区画されている。但し、柵部40aの縦枠41の数、横枠42の数、及び、開口部43の数、は特に限定されない。更に、
図1~
図4に示す規制壁部40は、縦枠41及び横枠42からなる柵部40aにより構成されているが、この構成に限られない。但し、後述するように、規制壁部40は、柵部40aの開口部43のような、第2読み取り部4及び第3読み取り部7と、RFタグ101と、の通信性を阻害しない通信窓部44、を備えることが好ましい。
【0068】
図1、
図3、
図4に示すように、規制壁部40は、第2読み取り部4より装置幅方向Aの内側に配置されている。つまり、規制壁部40は、装置幅方向Aにおいて、第2読み取り部4より、セット位置に配置されているタイヤ100側に配置されている。また、
図4に示すように、規制壁部40は、第3読み取り部7より装置幅方向Aの内側に配置されている。つまり、規制壁部40は、装置幅方向Aにおいて、第3読み取り部7より、セット位置に配置されているタイヤ100側に配置されている。このようにすることで、セット位置に配置されているタイヤ100の装置幅方向Aへの移動又は転倒により、第2読み取り部4及び第3読み取り部7がタイヤ100と接触することを抑制できる。そのため、タイヤ100の装置幅方向Aへの移動又は転倒により、第2読み取り部4及び第3読み取り部7が損傷又は故障することを抑制できる。
【0069】
なお、上述の第2読み取り部4の保護性の観点では、規制壁部40の装置幅方向Aの内側の面が、第2読み取り部4の読み取り面4aより、更に装置幅方向Aの内側に位置すればよい。つまり、規制壁部40の全体が、第2読み取り部4の全体より、更に装置幅方向Aの内側に位置すること、を要しない。また、上述の第3読み取り部7の保護性の観点では、規制壁部40の装置幅方向Aの内側の面が、第3読み取り部7の読み取り面7aより、更に装置幅方向Aの内側に位置すればよい。つまり、規制壁部40の全体が、第3読み取り部7の全体より、更に装置幅方向Aの内側に位置すること、を要しない。
【0070】
図1に示すように、第2読み取り部4は、その読み取り面4aが、規制壁部40としての柵部40aの開口部43を通じて、タイヤ100のサイド部103と対向するように配置されることが好ましい。このようにすることで、第2読み取り部4とRFタグ101との通信が、柵部40aにより阻害されることを抑制できる。なお、第3読み取り部7についても同様の配置とすることが好ましい。但し、第2読み取り部4及び第3読み取り部7と、RFタグ101と、の通信性が阻害されなければよく、規制壁部40の通信窓部44は、開口部43のような空隙に限られない。つまり、規制壁部40の通信窓部44は、例えば、樹脂製のカバー部材により構成されてもよい。
【0071】
本発明に係るリーダ装置は、上述した実施形態及び変形例に示す具体的な構成に限られず、特許請求の範囲を逸脱しない限り、種々の変形、変更、組み合わせが可能である。例えば、上述した実施形態及び変形例では、タイヤ100のRFタグ101を読み取り可能なリーダ装置1について説明したが、このリーダ装置1は、RFタグ101を読み取りに加えて、RFタグ101への買い込みが可能な、リーダ/ライタ装置であってもよい。つまり、第1読み取り部3、第2読み取り部4及び第3読み取り部7の全て又は一部が、リーダ/ライタであってもよい。
【0072】
また、上述した実施形態及び変形例では、タイヤ支持部2としての台座部30が、立て置きのタイヤ100を空転可能に支持する構成であるが、この構成に限られない。
図7A、
図7Bは、上述したリーダ装置1の別の変形例を示す図である。
図7A、
図7Bでは、説明便宜上、セット位置に配置されているタイヤ100を併せて図示している。
図7Aは、タイヤ支持部2としての台座部30を鉛直方向の上方から見た上面図である。
図7Bは、台座部30を水平方向で見た側面図である。
図7A、
図7Bに示す台座部30は、ベース板部31に対して回動可能に取り付けられている回転テーブル部51を備えている。回転テーブル部51は、回転軸部51aと、テーブル本体51bと、を備えている。回転軸部51aは、鉛直方向に延在する中心軸周りに回動可能に、ベース板部31に取り付けられている。テーブル本体51bは、回転軸部51aの上端部に固定されている。そのため、回転軸部51aが回動することで、テーブル本体51bも回転軸部51aの中心軸周りに回動する。
【0073】
図7A、
図7Bに示すように、タイヤ100は、回転テーブル部51に、平置き状態で配置される。より具体的に、タイヤ100は、回転テーブル部51のテーブル本体51bの上面51b1上に、平置きされる。ここで、「平置き」とは、タイヤ100が、そのタイヤ中心軸方向が鉛直方向となるように水平面に置かれる状態を意味する。タイヤ100は、タイヤ中心軸が、回転軸部51aの中心軸と略一致するように、テーブル本体51bの上面51b1上に、平置きされる。そのため、タイヤ100は、テーブル本体51bの上面51b1上で、回転軸部51aの中心軸周りに空転可能に支持される。このように、タイヤ支持部2の台座部30は、タイヤ100のタイヤ中心軸が水平方向に延在する状態でタイヤ100を空転可能に支持する構成(
図1~
図3等参照)に限られず、タイヤ100のタイヤ中心軸が鉛直方向に延在する状態でタイヤ100を空転可能に支持する構成であってもよい。
【0074】
また、
図7A、
図7Bに示すように、第1読み取り部3は、水平方向において回転軸部51aとは異なる位置で、テーブル本体51bより鉛直方向下方の位置に配置される。このようにすることで、テーブル本体51bを回動させることで、タイヤ100のRFタグ101を、第1読み取り部3の近くに移動させることができる。なお、第1読み取り部3の位置は、テーブル本体51bにより上側を覆われる位置に限られず、上面視(
図7A参照)で、テーブル本体51bより外側の位置に配置されていてもよい。また、
図7A、
図7Bに示す例では、第1読み取り部3は、ベース板部31の上面上に固定されているが、この構成に限られない。ベース板部31とは別の部材に取り付けられていてもよい。
【0075】
また、
図7A、
図7Bでは、タイヤ支持部2としての台座部30のみを図示しているが、
図7A、
図7Bに示す台座部30を備えるリーダ装置は、上述した実施形態(
図1~
図3参照)及び上述した変形例(
図4参照)と同様、第2読み取り部4及び第3読み取り部7の少なくとも一方を更に備えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明はリーダ装置に関する。
【符号の説明】
【0077】
1:リーダ装置、 2:タイヤ支持部、 3:第1読み取り部、 3a:第1読み取り部の読み取り面、 3b:第1読み取り部の制御部、 3c:第1読み取り部のアンテナ部、 4:第2読み取り部、 4a:第2読み取り部の読み取り面、 5:第1側方取付部、 5a:支柱(第1側方取付部の一例)、 6:アーム部、 7:第3読み取り部、 7a:第3読み取り部の読み取り面、 8:第2側方取付部、 8a:支柱(第2側方取付部の一例)、 9:アーム部、 21、22:自在接手、 30:台座部(タイヤ支持部の一例)、 31:ベース板部、 31a:本体板部、 31b:凸部、 32:回転体、 32a:ローラ(回転体の一例)、 32a1:ローラの中心軸部、 33:案内部、 33a:スロープ面、 33a1:スロープ面の一端部、 33a2:スロープ面の他端部、 34:ロック部、 40:規制壁部、 40a:柵部(規制壁部の一例)、 41:縦枠、 42:横枠、 43:開口部(通信窓部の一例)、 44:規制壁部の通信窓部、 51:回転テーブル部、 51a:回転軸部、 51b:テーブル本体、 51b1:テーブル本体の上面、 100:タイヤ、 101:RFタグ、 101a:記憶部、 101b:アンテナ部、 101c:制御部、 102:トレッド部、 102a:トレッド面、 103:サイド部、 104:中央開口、 A:リーダ装置の装置幅方向、 B:リーダ装置の装置前後方向、 D1:第2読み取り部の鉛直方向の移動を示す矢印、 D2:第2読み取り部の鉛直方向の移動、及び、第2読み取り部の傾斜角度の変動、を示す矢印、 D3:第2読み取り部の水平方向の移動を示す矢印、 D4、D5:第2読み取り部の傾斜角度の変動を示す矢印