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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086387
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】袋詰め方法及び袋詰め装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/02 20060101AFI20240620BHJP
   B65B 43/46 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B65B61/02
B65B43/46 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201486
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】中川 晃一
【テーマコード(参考)】
3E030
3E056
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BB02
3E030BC02
3E030CA01
3E030CA02
3E030CA07
3E030CA09
3E030CB01
3E030CB02
3E030DA01
3E030DA07
3E030EA01
3E030EB01
3E030FA10
3E030GA04
3E056AA05
3E056BA01
3E056BA05
3E056BA09
3E056CA01
3E056DA01
3E056EA08
3E056FA01
(57)【要約】
【課題】袋の印字面に対して高品質な印字を行うのに有利な袋詰め方法及び袋詰め装置を提供する。
【解決手段】袋詰め方法は、袋Bの内側に内容物を導入する工程と、袋Bの印字面Bpの少なくとも一部を曲面にする工程と、曲面印字機能を有する印字装置17を使って、曲面を含む印字面Bpに対する印字を行う工程と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋の内側に内容物を導入する工程と、
前記袋の印字面の少なくとも一部を曲面にする工程と、
曲面印字機能を有する印字装置を使って、曲面を含む前記印字面に対する印字を行う工程と、
を含む袋詰め方法。
【請求項2】
前記袋の口部を開口する工程を含み、
前記内容物は、前記口部が開口された後且つ前記印字面に対する印字が行われる前に、開口状態の前記口部を介して前記袋の内側に導入される、
請求項1に記載の袋詰め方法。
【請求項3】
前記曲面は、曲面形成装置が前記袋に力を作用させることによって、所定の形状を有する請求項1又は2に記載の袋詰め方法。
【請求項4】
前記袋は間欠的に搬送され、
前記印字面に対する印字は、前記袋が間欠的に停止している間に行われる、
請求項1又は2に記載の袋詰め方法。
【請求項5】
前記袋の両側部が一対の支持デバイスにより支持されて、前記袋は前記一対の支持デバイスによって吊り下げ状態で支持される請求項1又は2に記載の袋詰め方法。
【請求項6】
袋の内側に内容物を導入する内容物導入装置と、
前記袋の印字面の少なくとも一部を曲面にする曲面形成装置と、
曲面印字機能を有し、前記曲面を含む前記印字面に対する印字を行う印字装置と、
を備える袋詰め装置。
【請求項7】
前記袋の口部を開口する開口装置を備え、
前記内容物導入装置は、前記開口装置により前記口部が開口された後、且つ、前記印字装置により前記印字面に対する印字が行われる前に、開口状態の前記口部を介して前記袋の内側に前記内容物を導入する、
請求項6に記載の袋詰め装置。
【請求項8】
前記袋の両側部を支持する一対の支持デバイスであって、一対の支持デバイスは相互間の間隔が可変であり、前記袋の前記印字面は一対の支持デバイスの相互間の間隔に応じて変形する、一対の支持デバイスを備え、
前記曲面形成装置は前記一対の支持デバイスを含み、前記印字装置が前記印字面に対する印字を行う際、前記曲面印字機能が許容する曲面形状を前記印字面の少なくとも一部が有するように、前記一対の支持デバイスの相互間の間隔が許容間隔範囲に含まれる、
請求項6又は7に記載の袋詰め装置。
【請求項9】
前記曲面形成装置は、前記袋の外面に接触することで前記印字面の少なくとも一部を前記曲面にする成形支持部を有し、
前記印字装置は、前記成形支持部が前記袋の前記外面に接触している状態で、前記印字面に対する印字を行う、
請求項6に記載の袋詰め装置。
【請求項10】
前記曲面形成装置は、前記袋の内面に接触することで前記印字面の少なくとも一部を前記曲面にする成形支持部を有し、
前記印字装置は、前記成形支持部が前記袋の前記内面に接触している状態で、前記印字面に対する印字を行う、
請求項6に記載の袋詰め装置。
【請求項11】
前記袋は、展開可能な底部であって、底部の展開状態に応じて前記袋の前記印字面が変形する、底部を有し、
前記曲面形成装置は、前記袋の底部を所定の展開状態に置くことで前記印字面の少なくとも一部を前記曲面にする成形支持部を有し、
前記印字装置は、前記袋の前記底部が前記所定の展開状態に置かれている状態で、前記印字面に対する印字を行う、
請求項6に記載の袋詰め装置。
【請求項12】
前記成形支持部は、前記袋の表側外面を形成する第1側面体に接触する第1支持部材と、前記袋の裏側外面を形成する第2側面体に接触する第2支持部材と、を含み、
前記印字面は、前記袋の前記表側外面及び前記裏側外面のうちの少なくともいずれか一方に含まれる、
請求項9~11のいずれか一項に記載の袋詰め装置。
【請求項13】
前記袋を、少なくとも一部において曲線路を含む搬送路に沿って、間欠的に搬送する搬送装置を備え、
前記印字装置は、前記袋が前記搬送路において間欠的に停止している間に、前記印字面に対する印字を行う、
請求項6又は7に記載の袋詰め装置。
【請求項14】
前記袋の両側部を支持することで、前記袋を吊り下げ状態で支持する一対の支持デバイスを備える請求項6又は7に記載の袋詰め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、袋詰め方法及び袋詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
袋詰め方法及び袋詰め装置において、袋の内側に食品や日用品などの内容物を導入する処理とともに、各種情報(例えば製造年月日や消費期限)を袋に印字する処理が行われることがある。
【0003】
袋に対する印字処理を適切に行うため、一般的に、扁平状態の袋に対して印字処理が行われる(特許文献1参照)。これは、印字処理を行う際に印字面(すなわち袋の外面)が平らな状態を有することで、印字処理自体が容易であり、高品質な印字状態を実現するのに有利だからである。そのような袋の扁平状態を確保するため、袋の口部が開口される前に(ひいては袋の内側に内容物が導入される前に)、印字処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4-60811号公報
【特許文献2】特開2001-341708号公報
【特許文献3】特開2001-72004号公報
【特許文献4】特開平6-144403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
袋詰め装置の仕様、印字装置の設置スペース、及び各種装置のレイアウト(例えば袋詰め装置に対して袋の供給が行われる位置と、袋に対する内容物の導入が行われる位置との間の位置関係)の都合上、袋詰め装置において、袋の口部を開口する開口装置よりも上流側に印字装置を設置することが難しいことがある。この場合、袋の口部が開口される前に印字処理を行うことができない。
【0006】
このように袋の口部が開口される前に印字処理を行うことができない場合、従来は、人手によって袋に対する印字を行った後、当該袋が袋詰め装置に供給されていた。この場合、印字作業を行う作業者の負担が大きく、印字作業がボトルネックとなって、内容物が封入された袋(製品袋)の生産性を向上させるのが難しい。
【0007】
なお印字装置を袋詰め装置とは別個の装置として設け、当該印字装置を袋詰め装置よりも上流に設置し、印字装置による印字処理が施された袋を袋詰め装置に機械的に供給することで、印字処理及び袋詰め処理を自動的且つ連続的に実施することも考えられる。しかしながらこの場合、印字装置に加え、袋を1枚ずつ印字位置に向けて送り出す機構、袋を印字位置に位置決めする機構、及び印字処理後に袋を袋詰め装置に向けて送り出す機構が必要になるため、システム全体の高コスト化及び大型化を招く。特に、装置の設置スペースが限られている場合、別個の装置として設けられる印字装置及び袋詰め装置の両方を適切に設置できないこともある。
【0008】
また印字処理後に袋詰め処理が行われる場合、印字処理は適切に行われたが袋詰め処理は適切に行われなかった袋が発生しうる。例えば、印字処理によって製造年月日や消費期限等の時間情報が袋に適切に印字された後、袋詰め処理において袋の口部の開口不良や袋内への内容物の導入不良が生じることがある。このようにして袋詰め処理が適切に行われなかった袋は、可能な限り袋詰め処理に再利用されることが好ましいが、時間情報(特に袋詰め処理が実際に行われたタイミングに応じて可変的に決められる時間情報)が既に印字されている袋は、実際に印字された時間情報に応じて、再利用に関して時間的な制限が課せられる。例えば、製造年月日や消費期限等が印字された袋を再利用する場合、当該袋は、印字処理が行われた当日中に、袋詰め処理において再利用されることが求められることがある。この場合、印字処理が行われた当日中に袋詰め処理において再利用されなかった袋は、後日の再利用が難しいため、最終的に廃棄せざるを得ないこともある。
【0009】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、袋の印字面に対して高品質な印字を行うのに有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様は、袋の内側に内容物を導入する工程と、袋の印字面の少なくとも一部を曲面にする工程と、曲面印字機能を有する印字装置を使って、曲面を含む印字面に対する印字を行う工程と、を含む袋詰め方法に関する。
【0011】
袋詰め方法は、袋の口部を開口する工程を含んでもよく、内容物は、口部が開口された後且つ印字面に対する印字が行われる前に、開口状態の口部を介して袋の内側に導入されてもよい。
【0012】
曲面は、曲面形成装置が袋に力を作用させることによって、所定の形状を有してもよい。
【0013】
袋は間欠的に搬送されてもよく、印字面に対する印字は、袋が間欠的に停止している間に行われてもよい。
【0014】
袋の両側部が一対の支持デバイスにより支持されてもよく、袋は一対の支持デバイスによって吊り下げ状態で支持されてもよい。
【0015】
本開示の他の態様は、袋の内側に内容物を導入する内容物導入装置と、袋の印字面の少なくとも一部を曲面にする曲面形成装置と、曲面印字機能を有し、曲面を含む印字面に対する印字を行う印字装置と、を備える袋詰め装置に関する。
【0016】
袋詰め装置は、袋の口部を開口する開口装置を備えてもよく、内容物導入装置は、開口装置により口部が開口された後、且つ、印字装置により印字面に対する印字が行われる前に、開口状態の口部を介して袋の内側に内容物を導入してもよい。
【0017】
袋詰め装置は、袋の両側部を支持する一対の支持デバイスであって、一対の支持デバイスは相互間の間隔が可変であり、袋の印字面は一対の支持デバイスの相互間の間隔に応じて変形する、一対の支持デバイスを備えてもよく、曲面形成装置は一対の支持デバイスを含んでもよく、印字装置が印字面に対する印字を行う際、曲面印字機能が許容する曲面形状を印字面の少なくとも一部が有するように、一対の支持デバイスの相互間の間隔が許容間隔範囲に含まれてもよい。
【0018】
曲面形成装置は、袋の外面に接触することで印字面の少なくとも一部を曲面にする成形支持部を有してもよく、印字装置は、成形支持部が袋の外面に接触している状態で、印字面に対する印字を行ってもよい。
【0019】
曲面形成装置は、袋の内面に接触することで印字面の少なくとも一部を曲面にする成形支持部を有してもよく、印字装置は、成形支持部が袋の内面に接触している状態で、印字面に対する印字を行ってもよい。
【0020】
袋は、展開可能な底部であって、底部の展開状態に応じて袋の印字面が変形する、底部を有してもよく、曲面形成装置は、袋の底部を所定の展開状態に置くことで印字面の少なくとも一部を曲面にする成形支持部を有してもよく、印字装置は、袋の底部が所定の展開状態に置かれている状態で、印字面に対する印字を行ってもよい。
【0021】
成形支持部は、袋の表側外面を形成する第1側面体に接触する第1支持部材と、袋の裏側外面を形成する第2側面体に接触する第2支持部材と、を含んでもよく、印字面は、袋の表側外面及び裏側外面のうちの少なくともいずれか一方に含まれてもよい。
【0022】
袋詰め装置は、袋を、少なくとも一部において曲線路を含む搬送路に沿って、間欠的に搬送する搬送装置を備えてもよく、印字装置は、袋が搬送路において間欠的に停止している間に、印字面に対する印字を行ってもよい。
【0023】
袋詰め装置は、袋の両側部を支持することで、袋を吊り下げ状態で支持する一対の支持デバイスを備えてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、袋の印字面に対して高品質な印字を行うのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、袋詰め装置の一例の概略構成を示す斜視図である。
図2図2は、印字装置及び成形支持部の一例を示す斜視図である。
図3図3は、印字装置及び成形支持部の他の例を示す斜視図である。
図4図4は、印字装置及び成形支持部の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、袋詰め装置10の一例の概略構成を示す斜視図である。
【0027】
本実施形態で用いられる袋Bは自立可能な自立袋であり、折り畳み及び展開が可能な底部B3を有する。袋Bが平袋Baの形態を有する場合には底部B3が折り畳み状態に置かれ、袋Bが製品袋Bbの形態を有する場合には底部B3が展開状態に置かれる。袋Bは、平袋Baの形態で袋詰め装置10に供給され、袋詰め装置10において後述の開口処理、内容物導入処理及び印字処理が行われる間に底部B3が展開状態に置かれる。
【0028】
袋詰め装置10は、搬送装置11、袋供給装置12、品種検査装置13、開口装置14、固形物投入装置15、液体注入装置16、印字装置17、成形支持部18、第1加熱シール装置19、第2加熱シール装置20、冷却シール装置21及び搬出コンベア22を備える。
【0029】
搬送装置11は、搬送路に沿って袋Bを間欠的に搬送する装置である。本例の搬送装置11は、間欠回転式ロータリ型搬送装置であり、モータ等の駆動装置(図示せず)によって間欠的に回転させられる回転テーブル11aと、回転テーブル11aの外周部に取り付けられる複数のグリッパー11bと、を有する。複数のグリッパー11bが、回転テーブル11aの間欠回転に応じて所定の搬送路に沿って移動することで、当該複数のグリッパー11bによって支持される複数の袋Bが搬送路に沿って間欠的に搬送される。
【0030】
図1に示す例における搬送路は全体が曲線路(具体的には円形路)によって構成されるが、搬送路の形状は限定されない。搬送装置11は、少なくとも一部において曲線路を含む搬送路に沿って袋Bを搬送してもよいし、曲線路を含まない搬送路に沿って袋Bを搬送してもよい。
【0031】
図1に示す例では、2つのグリッパー11bによって1つのグリッパーペアが構成され、各グリッパーペア(一対のグリッパー11b(一対の支持デバイス))によって袋Bの両側部が支持されることで、袋Bは一対のグリッパー11bによって吊り下げ状態で支持される。各グリッパーペアの一対のグリッパー11bは相互間の間隔が可変であり、一対のグリッパー11bの相互間の間隔に応じて、当該一対のグリッパー11bにより支持されている袋Bの表側外面及び裏側外面は変形する。
【0032】
図1に示す搬送装置11は、袋Bを間欠的に搬送し、第1ステーションS1~第10ステーションS10において順次間欠的に停止させる。特に本例の搬送装置11は、第1ステーションS1~第10ステーションS10の各々において一度に2つの袋Bを停止させるWタイプ(2連タイプ)の搬送デバイスである。2つのグリッパーペアにより構成されるグリッパーユニットが10組設けられ、これらの10組のグリッパーユニットが、回転テーブル11aの外周部に対して周方向に等間隔に(すなわち回転テーブル11aの中心軸線(回転軸線)に対して等角度間隔に)取り付けられる。
【0033】
第1ステーションS1には袋供給装置12が設けられる。袋供給装置12は、第1ステーションS1において間欠的に停止しているグリッパーペア(一対のグリッパー11b)に、袋B(本例では平袋Ba)を渡す。図1に示す袋供給装置12は、袋Bの外面を保持しつつ当該袋Bを持ち上げる袋取り出し吸盤12aと、袋取り出し吸盤12aから渡される袋Bの上端部(口部)を保持する袋移送チャック12bと、を有する。第1ステーションS1において間欠的に停止しているグリッパーペア(一対のグリッパー11b)は、対応の袋移送チャック12bから渡される袋Bの両側部を把持する。
【0034】
第2ステーションS2には品種検査装置13が設けられる。品種検査装置13は、第2ステーションS2において間欠的に停止している袋Bの品種を検出する。品種検査装置13の具体的な装置構成及び検出方法は限定されない。例えば品種検査装置13はバーコードリーダーを具備してもよく、予め各袋Bに与えられる「袋Bの品種を示すバーコード」を読み取ることで袋Bの品種を検出してもよい。品種検査装置13の検出結果は制御装置(図示せず)に送られる。
【0035】
第3ステーションS3には開口装置14が設けられる。開口装置14は、第3ステーションS3において間欠的に停止している袋Bの口部を開口する。開口装置14の具体的な装置構成及び開口方法は限定されない。図1に示す開口装置14は、袋Bの外面の上方部位を保持しつつ外向きに引っ張る一対の上方吸盤14aと、袋Bの外面の下方部位を保持しつつ外向きに引っ張る一対の下方吸盤14bと、袋Bの口部を介して袋Bの内側に向けて圧縮エアーを噴出するエアー噴出ノズル14cと、を有する。一対の上方吸盤14aは、主として袋Bの口部を開口させるために、袋Bの上方部位を外向きに引っ張る。一対の下方吸盤14bは、主として袋Bの底部B3を折り畳み状態から展開状態に移行させるために、袋Bの下方部位を外向きに引っ張る。エアー噴出ノズル14cは、袋Bの上方部位及び/又は下方部位の外向きの拡開を促すように、袋Bの内側に向けて圧縮エアーを噴出する。
【0036】
なお袋Bの口部を開口させる際、一対の上方吸盤14a間の間隔は、一対の下方吸盤14b間の間隔と同じであってもよいし、異なっていてもよい。袋Bの口部を開口させる際の一対の上方吸盤14a間の間隔が一対の下方吸盤14b間の間隔と同じである場合、袋Bの上方部位及び下方部位は、上方吸盤14a及び下方吸盤14bによって、お互いに同じ程度外向きに引っ張られる。
【0037】
このように上方吸盤14a、下方吸盤14b及びエアー噴出ノズル14cが協働することで、袋Bの口部を開口する工程が行われる。なお袋Bの口部を開口する際には、一対のグリッパー11b間の間隔が狭められ、袋Bが開口可能な程度に袋Bの表側側面体及び裏側側面体(図2に示す第1側面体B11及び第2側面体B12)は撓ませられる。
【0038】
第4ステーションS4には固形物投入装置15が設けられる。固形物投入装置15は、第4ステーションS4において間欠的に停止している袋Bの口部を介して当該袋Bの内側に固形状の内容物を導入する。図1に示す固形物投入装置15は、固形状内容物を袋Bの内側に向けて案内する昇降式ホッパーを有する。ただし固形物投入装置15の具体的な構成は限定されない。
【0039】
第5ステーションS5には液体注入装置16が設けられる。液体注入装置16は、第5ステーションS5において間欠的に停止している袋Bの口部を介して当該袋Bの内側に液状の内容物を導入する。図1に示す液体注入装置16は、液状内容物を貯留する貯液タンク16aと、貯液タンク16aから供給される液状内容物を袋Bの内側に向けて吐出する注入ノズル16bと、を有する。ただし液体注入装置16の具体的な構成は限定されない。
【0040】
このように図1に示す袋詰め装置10では、袋Bの内側に内容物を導入する内容物導入装置として固形物投入装置15及び液体注入装置16が設けられ、第4ステーションS4及び第5ステーションS5において「袋Bの内側に内容物を導入する工程」が行われる。特に本実施形態では、当該内容物導入装置(固形物投入装置15及び液体注入装置16)が、開口装置14により袋Bの口部が開口された後、且つ、印字装置17によって袋Bの印字面に対する印字が行われる前に、開口状態の口部を介して袋Bの内側に内容物を導入するように設けられる。
【0041】
第6ステーションS6には印字装置17及び成形支持部18が設けられ、第6ステーションS6において間欠的に停止している袋Bに対する印字処理が行われる。印字処理によって袋Bに印字される情報は限定されず、時間的な情報(例えば袋B内に導入された内容物の賞味期限や袋詰め処理日(製造年月日))であってもよいし、各袋Bの識別情報であってもよいし、内容物に関する情報であってもよいし、他の文字及び/又は記号であってもよい。
【0042】
成形支持部18は、袋Bの印字面の少なくとも一部を曲面にする曲面形成装置として働く。印字装置17は、曲面印字機能を有し、袋Bが搬送路において間欠的に停止している間に当該袋Bの印字面(曲面を含む)に対する印字を行う。本例では、単一の印字装置17によって、第6ステーションS6に間欠的に停止している2つの袋Bに対する印字が行われるが、2つ(複数)の印字装置17が設けられてもよい。
【0043】
印字装置17によって行われる印字方法は限定されず、例えばインクジェット式印字方法又はレーザー式印字方法によって印字装置17は印字処理を行うことが可能である。また印字装置17の曲面印字機能は、曲面に対して所望の印字を行う機能であり、曲面の中心部及び端部においてほぼ同じ品質の印字を行うことが可能である。印字装置17の曲面印字機能は、任意の手法に基づいて実現可能である。一例として、印字装置17は、印字面に含まれる複数の印字ポイントまでの距離を計測可能なセンサ(例えば光学センサ)を具備し、計測された距離情報に基づいて印字のやり方を変えることで、曲面に対する印字を最適化してもよい。印字装置17は、例えば株式会社キーエンス製のUVレーザマーカ(例えば3-Axis UVレーザマーカ MD-Uシリーズ)を具備してもよい。
【0044】
このように本実施形態では、印字装置17及び成形支持部18が協働することで袋Bに対する印字処理が行われる。印字装置17及び成形支持部18の具体的な構成及び作用効果については後述される(図2参照)。
【0045】
第7ステーションS7には第1加熱シール装置19が設けられ、第7ステーションS7において間欠的に停止している袋Bの口部のシーリング処理(第1シーリング処理)が第1加熱シール装置19によって行われる。第8ステーションS8には第2加熱シール装置20が設けられ、第8ステーションS8において間欠的に停止している袋Bの口部のシーリング処理(第2シーリング処理)が第2加熱シール装置20によって行われる。図1に示す第1加熱シール装置19及び第2加熱シール装置20の各々は一対の熱板(本例では2組の熱板ペア)を有し、袋Bの口部は一対の熱板により挟まれて加圧加熱されることでヒートシールされる。
【0046】
第9ステーションS9には冷却シール装置21が設けられる。冷却シール装置21は、第9ステーションS9において間欠的に停止している袋Bの口部を冷却することでシール箇所を安定化させる冷却シーリング処理を行う。図1に示す冷却シール装置21は一対の冷却板(本例では2組の冷却板ペア)を有し、袋Bの口部は一対の冷却板により挟まれて加圧冷却されることで冷却シールされる。
【0047】
第10ステーションS10には搬出コンベア22が設けられる。搬出コンベア22は、第10ステーションS10においてグリッパー11bによる把持から解放されて落下する袋B(本例では内側に内容物が封入された製品袋Bb)を受け止めて、当該袋Bを後段に向けて送り出す。
【0048】
図2は、印字装置17及び成形支持部18の一例を示す斜視図である。
【0049】
図2に示す成形支持部18は、袋Bの外面に接触することで袋Bの印字面Bpの少なくとも一部を曲面にする。すなわち成形支持部18(曲面形成装置)が袋Bに力を作用させることによって、印字面Bpの少なくとも一部の曲面が所定の形状を有する。印字装置17は、成形支持部18が袋Bの外面に接触している状態で、印字面Bpに対する印字を行う。
【0050】
より具体的には、成形支持部18は、袋Bの表側外面を形成する第1側面体B11に接触する第1支持部材18aと、袋Bの裏側外面を形成する第2側面体B12に接触する第2支持部材18bと、を含む。第1支持部材18aのうち第1側面体B11に接触する接触面は、印字処理の際に予定される第1側面体B11の所望形状に応じた形状を有する。同様に、第2支持部材18bのうち第2側面体B12に接触する接触面は、印字処理の際に予定される第2側面体B12の所望形状に応じた形状を有する。
【0051】
図2に示す第1支持部材18aの当該接触面は、両側部B2に接触する平坦面と、両側部B2間において延在する袋Bの曲面部分に接触する湾曲面とを有し、当該湾曲面は、印字処理の際の第1側面体B11(特に表側外面)の所望の曲面形状に対応する形状を有する。同様に、図2に示す第2支持部材18bの当該接触面は、両側部B2に接触する平坦面と、両側部B2間において延在する袋Bの曲面部分に接触する湾曲面とを有し、当該湾曲面は、印字処理の際の第2側面体B12(特に裏側外面)の所望の曲面形状に対応する形状を有する。第1支持部材18a及び第2支持部材18bの各々の接触面中の曲面は任意の形状を有することができ、例えば水平方向に切断された際に円弧状又は楕円孤状の曲線を描く曲面であってもよい。
【0052】
図2に示す例における印字面Bpは、袋Bの第1側面体B11により形成される表側外面に含まれる。ただし印字面Bpは図2に示す例には限定されず、表側外面に加え又は表側外面の代わりに、第2側面体B12により形成される裏側外面に印字面Bpが含まれていてもよい。このように印字面Bpは、袋Bの表側外面及び裏側外面のうちの少なくともいずれか一方に含まれる。
【0053】
第1支持部材18aは、貫通孔により構成される窓部18cを有する。後述のように窓部18cは袋Bの印字面Bpを露出させるために設けられ、第1支持部材18aは、袋Bに接触する際、袋Bのうち印字面Bpを含まない外面部分(表側外面の一部)に接触する。
【0054】
相互に対応付けられる第1支持部材18a及び第2支持部材18bは、第6ステーションS6に間欠的に停止される袋Bの配置位置を基準に対称的に移動され、当該袋Bから離間した退避位置P0と、当該袋Bの第1側面体B11及び第2側面体B12に接触する支持位置(成形保持位置)P1とに配置可能である。第1支持部材18a及び第2支持部材18bは、支持位置P1に配置されている状態で、第1側面体B11(特に表側外面)及び第2側面体B12(特に裏側外面)を接触支持する。その結果、第1支持部材18a及び第2支持部材18bが支持位置P1に配置されている状態で、袋Bの表側外面及び裏側外面は、第1支持部材18a及び第2支持部材18bの接触面に応じた形状を有し、特に両側部B2間において曲面形状を有する。
【0055】
図2に示す例において、袋詰め方法における印字処理は、例えば以下のような工程を経て行われる。
【0056】
袋Bが対応のグリッパーペア(一対のグリッパー11b)とともに第5ステーションS5から第6ステーションS6に移動する際、第1支持部材18a及び第2支持部材18bは退避位置P0に配置されている。そして袋Bは、第1支持部材18aと第2支持部材18bとの間のスペースに進入し、当該スペースにおいて間欠的に停止される。
【0057】
このようにして第6ステーションS6において袋Bが間欠的に停止される時点で、グリッパー11b間の間隔は、袋Bの第1側面体B11及び第2側面体B12が外方に向かって凸状に撓ませられて口部B1が開口状態に置かれるような間隔になっている。ただし第6ステーションS6において袋Bが間欠的に停止された直後において、印字装置17が有する曲面印字機能が許容する曲面形状を印字面Bpの少なくとも一部が有するような間隔範囲(すなわち「許容間隔範囲」)に、一対のグリッパー11bの相互間の間隔が含まれていない場合も想定されうる。したがって一対のグリッパー11bの相互間の間隔が許容間隔範囲に含まれるように、一対のグリッパー11bの相互間の間隔が必要に応じて調整される。このような一対のグリッパー11bの相互間の間隔の調整は、制御装置(図示せず)の制御下で、袋Bが第6ステーションS6に到達する前に行われてもよいし、袋Bが第6ステーションS6に配置されている状態で行われてもよい。
【0058】
このように本実施形態では、上述の成形支持部18(第1支持部材18a及び第2支持部材18b)に加えて一対のグリッパー11bも、袋B印字面Bpの少なくとも一部を曲面にする曲面形成装置として働く。すなわち一対のグリッパー11bの相互間の間隔が必要に応じて調整され、印字装置17が袋Bの印字面Bpに対する印字を行う際、印字装置17が有する曲面印字機能が許容する曲面形状を印字面Bpの少なくとも一部が有するように、当該一対のグリッパー11bの相互間の間隔が許容間隔範囲に含まれる。
【0059】
そして第6ステーションS6において袋Bが間欠的に停止している状態で、第1支持部材18a及び第2支持部材18bが退避位置P0から移動されて支持位置P1に配置される。その結果、袋Bの印字面Bpが窓部18cを介して外部に露出しつつ、印字面Bpの少なくとも一部が所望形状の曲面(例えば滑らかな曲面)を成す。
【0060】
そして、支持位置P1に位置する第1支持部材18a及び第2支持部材18bによって袋Bの印字面Bpが所望形状の曲面を有する状態で、印字装置17を使って印字面Bpに対する印字が行われる。本例では、第1側面体B11により形成される表側外面のうち、支持位置P1に位置する第1支持部材18aの窓部18cから露出する部分に印字面Bpが存在し、印字装置17は、窓部18cを介し、印字面Bpに対する印字を行う。なお袋B(本例では表側外面)のうち窓部18cから露出する箇所の全体が印字面Bpを構成してもよいし、当該箇所の一部のみが印字面Bpを構成してもよい。
【0061】
図3は、印字装置17及び成形支持部31の他の例を示す斜視図である。本例において、上述の図2に示す例と共通する要素及び作用効果については、詳細な説明を省略する。
【0062】
図3に示す成形支持部31は、袋Bの内面に接触することで印字面Bpの少なくとも一部を曲面にする。そして印字装置17は、成形支持部31が袋Bの内面に接触している状態で、印字面Bpに対する印字を行う。
【0063】
より具体的には、成形支持部31は、袋Bの第1側面体B11(特に袋Bの内面を形成する面部)に接触する第1支持部材31aと、袋Bの第2側面体B12(特に袋Bの内面を形成する面部)に接触する第2支持部材31bと、を含む。第1支持部材31aのうち第1側面体B11に接触する接触面は、印字処理の際に予定される第1側面体B11の形状に応じた形状を有する。同様に、第2支持部材31bのうち第2側面体B12に接触する接触面は、印字処理の際に予定される第2側面体B12の形状に応じた形状を有する。
【0064】
図3に示す第1支持部材31aの当該接触面は、両側部B2間において延在する袋Bの曲面部分に接触する湾曲面を有し、当該湾曲面は、印字処理の際の第1側面体B11(特に表側外面)の所望の曲面形状に対応する形状を有する。同様に、図3に示す第2支持部材31bの当該接触面は、両側部B2間において延在する袋Bの曲面部分に接触する湾曲面を有し、当該湾曲面は、印字処理の際の第2側面体B12(特に裏側外面)の所望の曲面形状に対応する形状を有する。
【0065】
図3に示す例において、袋詰め方法における印字処理は、例えば以下のような工程を経て行われる。
【0066】
第1支持部材31a及び第2支持部材31bが退避位置P0に配置されている状態で、袋Bは、対応のグリッパーペア(一対のグリッパー11b)とともに第5ステーションS5から移動して、第1支持部材31a及び第2支持部材31bの真下(鉛直方向)において間欠的に停止される。
【0067】
そして一対のグリッパー11bの相互間の間隔が許容間隔範囲に含まれるように、一対のグリッパー11bの相互間の間隔が必要に応じて調整される。
【0068】
そして第6ステーションS6において袋Bが間欠的に停止されている状態で、第1支持部材31a及び第2支持部材31bが退避位置P0から移動されて、支持位置P1に配置される。図3に示す例では、第1支持部材31a及び第2支持部材31bが退避位置P0から真下に移動することで開口状態の口部B1を介して袋Bの内側空間に進入し、その後、部分的に袋Bの内側空間に存在している状態でお互いに離れる方向(水平方向)に移動して支持位置P1に配置される。
【0069】
袋Bの第1側面体B11及び第2側面体B12は、袋Bの内側から第1支持部材31a及び第2支持部材31bによって押され、その結果、袋Bの印字面Bpが所望形状の曲面を成す。
【0070】
そして、支持位置P1に位置する第1支持部材31a及び第2支持部材31bによって、印字面Bpが所望形状の曲面を有するように袋Bが支持されている状態で、印字装置17を使って印字面Bp(曲面を含む)に対する印字が行われる。
【0071】
図4は、印字装置17及び成形支持部35の他の例を示す斜視図である。本例において、上述の図2及び図3に示す例と共通する要素及び作用効果については、詳細な説明を省略する。
【0072】
図4に示す成形支持部35は、袋Bの底部B3を所定の展開状態に置くことで印字面Bpの少なくとも一部を曲面にする。そして印字装置17は、袋Bの底部B3が所定の展開状態に置かれている状態で、印字面Bpに対する印字を行う。
【0073】
より具体的には、成形支持部35は、袋Bの第1側面体B11(特に下方端部の内側面を形成する面部)に接触する第1支持部材35aと、袋Bの第2側面体B12(特に下方端部の内側面を形成する面部)に接触する第2支持部材35bと、を含む。図4に示す第1支持部材35aのうち第1側面体B11に接触する接触面は、上述の図3に示す第1支持部材31aの接触面と同様の湾曲面を有する。同様に、図4に示す第2支持部材35bのうち第2側面体B12に接触する接触面は、上述の図3に示す第2支持部材31bの接触面と同様の湾曲面を有する。
【0074】
図4に示す例において、袋詰め方法における印字処理は、例えば以下のような工程を経て行われる。
【0075】
第1支持部材35a及び第2支持部材35bが退避位置P0に配置されている状態で、袋Bは、対応のグリッパーペア(一対のグリッパー11b)とともに第5ステーションS5から移動して、第1支持部材35a及び第2支持部材35bの真上において間欠的に停止される。
【0076】
そして一対のグリッパー11bの相互間の間隔が許容間隔範囲に含まれるように、一対のグリッパー11bの相互間の間隔が必要に応じて調整される。
【0077】
そして第6ステーションS6において袋Bが間欠的に停止されている状態で、第1支持部材35a及び第2支持部材35bが退避位置P0から移動されて、支持位置P1に配置される。図4に示す例では、第1支持部材35a及び第2支持部材35bが退避位置P0から真上(高さ方向)に移動することで、袋Bの第1側面体B11、第2側面体B12及び底部B3によって区画される下側空間に進入し、その後、部分的に袋Bの下側空間に存在している状態でお互いに離れる方向(水平方向)に移動して支持位置P1に配置される。
【0078】
その結果、袋Bの第1側面体B11の下方端部の内側面及び第2側面体B12の下方端部の内側面が、第1支持部材35a及び第2支持部材35bによって外向きに押され、袋Bの印字面Bpが所望形状の曲面を成す。
【0079】
そして、支持位置P1に位置する第1支持部材35a及び第2支持部材35bによって印字面Bpが所望形状の曲面を有するように袋Bが支持されている状態で、印字装置17を使って印字面Bp(曲面を含む)に対する印字が行われる。
【0080】
以上説明したように上述の図1図4に示す袋詰め装置10(特に印字装置17及び成形支持部18)及び袋詰め方法によれば、袋Bの口部B1が開口された後に、当該袋Bに対する印字処理が行われる。そのため、袋Bの口部B1を開口する前に当該袋Bに対する印字処理を行うことができない場合であっても、図1図4に示す袋詰め装置10によれば袋Bに対する印字処理を適切に行うことができる。
【0081】
そのため、袋詰め装置10よりも上流側に袋詰め装置10とは別個に印字装置17を設ける必要がないため、装置全体の大型化やコストアップを抑えることができ、限られたスペースに印字装置17を含む袋詰め装置10を設置することが可能である。また従来必要とされていた「袋詰め処理に先立って行われる人手による袋Bに対する印字処理」が不要であり、作業負荷の軽減及び製品袋Bbの生産性の向上が可能である。
【0082】
また袋Bに対する印字処理は、袋Bの口部B1を開口した後に及び袋B内に内容物を導入した後に行われる。したがって、袋Bの口部B1を適切に開口できなかった場合や袋B内に内容物を適切に導入できなかった場合、そのような袋B(不良袋)に対する印字処理が行われる前に、当該袋Bを対応のグリッパーペア(一対のグリッパー11b)から放出して袋詰め装置10から排出することが可能である。このようにして排出された袋Bは、袋詰め装置10に供給されて再利用されることも可能であり、特に印字処理前に排出されるため、排出日の翌日以降に袋詰め装置10に供給されて再利用されることも可能である。
【0083】
[変形例]
図2に示す成形支持部18は第1支持部材18a及び第2支持部材18bを含むが、1つの支持部材のみ(例えば第1支持部材18aのみ)が設けられてもよい。図3に示す成形支持部31及び図4に示す成形支持部35についても同様に、1つの支持部材のみ(例えば第1支持部材31aのみ及び第1支持部材35aのみ)が設けられてもよい。また図3に示す第1支持部材31a及び第2支持部材31bの代わりに、1つの柱体(例えば楕円形状又は楕円形状の水平方向断面を有する柱体)が成形支持部31として設けられてもよい。同様に、図4に示す第1支持部材35a及び第2支持部材35bの代わりに、1つの柱体が成形支持部35として設けられてもよい。このような単一の柱体は、任意の形状の水平方向断面を有することができ、当該水平方向断面の外周(辺)の少なくとも一部が、例えば円弧、楕円孤、他の曲線、及び/又は直線を有していてもよい。
【0084】
また袋Bの印字面Bpの少なくとも一部を曲面にする曲面形成装置は、袋Bに接触して当該袋Bに力を作用させる上述の支持部材の代わりに又は当該支持部材に加え、袋Bの第1側面体B11及び/又は第2側面体B12を把持する把持部材を含んでいてもよい。
【0085】
また上述の図2図4に示す例では、袋Bの表側外面に対してのみ印字装置17による印字処理が行われるが、袋Bの裏側外面に対してのみ印字装置17による印字処理が行われてもよいし、袋Bの表側外面及び裏側外面の両方に対して印字装置17による印字処理が行われてもよい。
【0086】
また印字装置17及び曲面形成装置(上述の成形支持部18参照)は、開口装置14よりも下流側であって、内容物導入装置(固形物投入装置15及び液体注入装置16)よりも上流側に設けられてもよい。例えば、図3に示すように成形支持部31が袋Bの内側スペースに進入する場合、当該内側スペースに内容物を導入する内容物導入処理に先立って、印字装置17及び成形支持部31による印字処理が行われることが好ましい。
【0087】
また本実施形態の袋詰め装置10及び袋詰め方法は、スパウト付きの袋に対して内容物を導入する装置及び方法(例えば特開2001-341708号公報において開示される装置参照)に対しても応用可能である。スパウト付きの袋に対して内容物を導入する装置及び方法では、上述の袋Bの口部を開口させる開口装置14及び開口工程が不要である。例えば袋に取り付けられるスパウトを介して袋の内側に内容物を導入し、内容物導入が完了した後に当該スパウトの先端開口部にキャップを取り付けてもよい。このようにスパウトを介してB内に内容物が導入された後に、当該袋Bに対する印字処理が行われてもよい。
【0088】
また上述の図1図4に示す例では搬送装置11が袋Bを間欠的に搬送するが、上述の袋詰め装置10及び袋詰め方法は、袋Bを継続的に(非間欠的に)搬送する継続移送式の袋詰め装置及び袋詰め方法(例えば特開2001-72004号公報において開示される装置参照)に対しても応用可能である。この場合、印字装置17及び成形支持部(例えば図2に示す第1支持部材18a及び第2支持部材18b)を、袋Bの搬送路のうちのある区間(印字工程区間)において袋Bとともに継続的に移動させつつ、印字装置17及び成形支持部を使った印字処理が当該袋Bに対して行われてもよい。この場合、印字装置17は、ある袋Bに対する印字処理が終わった後、次の袋Bに対する印字処理のために印字工程区間の開始位置に戻される。
【0089】
また本実施形態の袋詰め装置10及び袋詰め方法は、横置き状態の袋B(すなわち口部が横方向(水平方向)に向けられている袋B)に対して内容物が導入される横型の袋詰め包装機及び袋詰め方法(例えば特開平6-144403公報において開示される装置参照)に対しても応用可能である。
【0090】
上述の図1図4に示す袋詰め装置10では、各ステーションにおいて一度に2つの袋Bが間欠的に停止されるが、一度に1つの袋Bのみが各ステーションに停止されてもよいし、一度に3つ以上の袋Bが各ステーションに停止されてもよい。
【0091】
また本実施形態の袋詰め装置10及び袋詰め方法を適用可能な袋Bは、自立袋には限定されない。
【0092】
本明細書で開示されている実施形態及び変形例はすべての点で例示に過ぎず限定的には解釈されないことに留意されるべきである。上述の実施形態及び変形例は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態での省略、置換及び変更が可能である。例えば上述の実施形態及び変形例が全体的に又は部分的に組み合わされてもよく、また上述以外の実施形態が上述の実施形態又は変形例と組み合わされてもよい。また、本明細書に記載された本開示の効果は例示に過ぎず、その他の効果がもたらされてもよい。
【0093】
上述の技術的思想を具現化する技術的カテゴリーは限定されない。例えば上述の装置を製造する方法或いは使用する方法に含まれる1又は複数の手順(ステップ)をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムによって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。またそのようなコンピュータプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な非一時的(non-transitory)な記録媒体によって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。
【0094】
[付記]
本開示は、以下の構成をとることもできる。
【0095】
[態様1]
袋の内側に内容物を導入する工程と、
前記袋の印字面の少なくとも一部を曲面にする工程と、
曲面印字機能を有する印字装置を使って、曲面を含む前記印字面に対する印字を行う工程と、
を含む袋詰め方法。
【0096】
[態様2]
前記袋の口部を開口する工程を含み、
前記内容物は、前記口部が開口された後且つ前記印字面に対する印字が行われる前に、開口状態の前記口部を介して前記袋の内側に導入される、
態様1に記載の袋詰め方法。
【0097】
[態様3]
前記曲面は、曲面形成装置が前記袋に力を作用させることによって、所定の形状を有する態様1又は2に記載の袋詰め方法。
【0098】
[態様4]
前記袋は間欠的に搬送され、
前記印字面に対する印字は、前記袋が間欠的に停止している間に行われる、
態様1~3のいずれかに記載の袋詰め方法。
【0099】
[態様5]
前記袋の両側部が一対の支持デバイスにより支持されて、前記袋は前記一対の支持デバイスによって吊り下げ状態で支持される態様1~4のいずれかに記載の袋詰め方法。
【0100】
[態様6]
袋の内側に内容物を導入する内容物導入装置と、
前記袋の印字面の少なくとも一部を曲面にする曲面形成装置と、
曲面印字機能を有し、前記曲面を含む前記印字面に対する印字を行う印字装置と、
を備える袋詰め装置。
【0101】
[態様7]
前記袋の口部を開口する開口装置を備え、
前記内容物導入装置は、前記開口装置により前記口部が開口された後、且つ、前記印字装置により前記印字面に対する印字が行われる前に、開口状態の前記口部を介して前記袋の内側に前記内容物を導入する、
態様6に記載の袋詰め装置。
【0102】
[態様8]
前記袋の両側部を支持する一対の支持デバイスであって、一対の支持デバイスは相互間の間隔が可変であり、前記袋の前記印字面は一対の支持デバイスの相互間の間隔に応じて変形する、一対の支持デバイスを備え、
前記曲面形成装置は前記一対の支持デバイスを含み、前記印字装置が前記印字面に対する印字を行う際、前記曲面印字機能が許容する曲面形状を前記印字面の少なくとも一部が有するように、前記一対の支持デバイスの相互間の間隔が許容間隔範囲に含まれる、
態様6又は7に記載の袋詰め装置。
【0103】
[態様9]
前記曲面形成装置は、前記袋の外面に接触することで前記印字面の少なくとも一部を前記曲面にする成形支持部を有し、
前記印字装置は、前記成形支持部が前記袋の前記外面に接触している状態で、前記印字面に対する印字を行う、
態様6~8のいずれかに記載の袋詰め装置。
【0104】
[態様10]
前記曲面形成装置は、前記袋の内面に接触することで前記印字面の少なくとも一部を前記曲面にする成形支持部を有し、
前記印字装置は、前記成形支持部が前記袋の前記内面に接触している状態で、前記印字面に対する印字を行う、
態様6、8及び9のいずれかに記載の袋詰め装置。
【0105】
[態様11]
前記袋は、展開可能な底部であって、底部の展開状態に応じて前記袋の前記印字面が変形する、底部を有し、
前記曲面形成装置は、前記袋の底部を所定の展開状態に置くことで前記印字面の少なくとも一部を前記曲面にする成形支持部を有し、
前記印字装置は、前記袋の前記底部が前記所定の展開状態に置かれている状態で、前記印字面に対する印字を行う、
態様6~10のいずれかに記載の袋詰め装置。
【0106】
[態様12]
前記成形支持部は、前記袋の表側外面を形成する第1側面体に接触する第1支持部材と、前記袋の裏側外面を形成する第2側面体に接触する第2支持部材と、を含み、
前記印字面は、前記袋の前記表側外面及び前記裏側外面のうちの少なくともいずれか一方に含まれる、
態様9~11のいずれか一項に記載の袋詰め装置。
【0107】
[態様13]
前記袋を、少なくとも一部において曲線路を含む搬送路に沿って、間欠的に搬送する搬送装置を備え、
前記印字装置は、前記袋が前記搬送路において間欠的に停止している間に、前記印字面に対する印字を行う、
態様6~12のいずれかに記載の袋詰め装置。
【0108】
[態様14]
前記袋の両側部を支持することで、前記袋を吊り下げ状態で支持する一対の支持デバイスを備える態様6~13のいずれかに記載の袋詰め装置。
【符号の説明】
【0109】
10 袋詰め装置、11 搬送装置、11a 回転テーブル、11b グリッパー、12 袋供給装置、12a 袋取り出し吸盤、12b 袋移送チャック、13 品種検査装置、14 開口装置、14a 上方吸盤、14b 下方吸盤、14c エアー噴出ノズル、15 固形物投入装置、16 液体注入装置、16a 貯液タンク、16b 注入ノズル、17 印字装置、18 成形支持部、18a 第1支持部材、18b 第2支持部材、18c 窓部、19 第1加熱シール装置、20 第2加熱シール装置、21 冷却シール装置、22 搬出コンベア、23 、24 、25 、26 、27 、28 、29 、30 、31 成形支持部、31a 第1支持部材、31b 第2支持部材、32 、33 、34 、35 成形支持部、35a 第1支持部材、35b 第2支持部材、36 、37 、38 、39 、B 袋、B1 口部、B2 側部、B3 底部、B11 第1側面体、B12 第2側面体、Bp 印字面、Ba 平袋、Bb 製品袋、P0 退避位置、P1 支持位置、S1 第1ステーション、S2 第2ステーション、S3 第3ステーション、S4 第4ステーション、S5 第5ステーション、S6 第6ステーション、S7 第7ステーション、S8 第8ステーション、S9 第9ステーション、S10 第10ステーション
図1
図2
図3
図4