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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008640
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 3/00 20190101AFI20240112BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20240112BHJP
   B60L 50/61 20190101ALI20240112BHJP
   B60K 6/46 20071001ALI20240112BHJP
   B60W 20/00 20160101ALI20240112BHJP
【FI】
B60L3/00 N
B60L58/12
B60L50/61
B60K6/46 ZHV
B60W20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110665
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷内 智紀
【テーマコード(参考)】
3D202
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA07
3D202CC04
3D202DD01
3D202DD24
3D202DD45
3D202EE25
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BD17
5H125CD02
5H125CD03
5H125EE01
5H125EE27
5H125EE31
5H125EE52
5H125EE53
(57)【要約】
【課題】電動車両を運転するドライバーに対して、減速領域において、制動灯の点灯する状態を表示する。
【解決手段】表示制御装置は、電動車両が走行する現在の車速を取得する取得部と、駆動モータの状態を検知する状態検知部と、前記電動車両の減速度が所定の閾値を下回ると、前記車速及び前記駆動モータの状態に基づいて、制動灯の点灯状態を示す点灯閾値を表示する表示制御を行う表示制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両が走行する現在の車速を取得する取得部と、
駆動モータの状態を検知する状態検知部と、
前記電動車両の減速度が所定の閾値を下回ると、前記車速及び前記駆動モータの状態に基づいて、制動灯の点灯状態を示す点灯閾値を表示する表示制御を行う表示制御部と、
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記取得部が取得した前記車速をさらに表示する表示制御を行う、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記車速及び前記駆動モータの状態に基づいて、前記制動灯の消灯状態を示す消灯閾値を表示する表示制御を行う、
請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記取得部は、駆動用バッテリのバッテリ残容量をさらに取得し、
前記表示制御部は、前記取得部が取得した前記駆動用バッテリのバッテリ残容量に基づいて、エンジンの始動状態を示す始動閾値を表示する表示制御を行う、
請求項3に記載の表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両において、アクセルペダルをオフすることで強減速する場合、法規により車両に搭載される制動灯を点灯する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-70823号公報
【特許文献2】国際公開第2019/021471号
【特許文献3】国際公開第2012/157121号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、減速度は人間の感覚で数値的に捉えることが難しいため、例えば、高速道路で高速走行中にアクセルを緩めた(オフした)場合に、電動車両が減速することでドライバーの意思に反して制動灯が点灯する場合があるが、ドライバーは、制動灯が一旦点灯しなければ点灯の状態を把握することができないため、更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明の目的は、電動車両を運転するドライバーに対して、減速領域において、制動灯の点灯する状態を表示することができる、表示制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明に係る表示制御装置は、電動車両が走行する現在の車速を取得する取得部と、駆動モータの状態を検知する状態検知部と、前記電動車両の減速度が所定の閾値を下回ると、前記車速及び前記駆動モータの状態に基づいて、制動灯の点灯状態を示す点灯閾値を表示する表示制御を行う表示制御部と、を備える。
【0007】
この構成によれば、表示制御装置は、例えば、表示装置52に対して、点灯閾値を出力することができる。これにより、ドライバーは、制動灯の点灯する点灯閾値(点灯タイミング)を把握することができるため、減速度が所定の閾値を下回れば、制動灯は点灯しない。したがって、ドライバーは、例えば、走行中にアクセルを緩めた(オフした)場合でも、ドライバーの意思に反して制動灯が点灯することを抑制することができる。
【0008】
また、表示制御部は、前記取得部が取得した前記車速をさらに表示してもよい。さらに、表示制御部は、前記車速及び前記駆動モータの状態に基づいて、前記制動灯の消灯状態を示す消灯閾値を表示してもよい。
【0009】
また、前記取得部は、駆動用バッテリのバッテリ残容量をさらに取得し、前記表示制御部は、前記取得部が取得した前記駆動用バッテリのバッテリ残容量に基づいて、エンジンの始動状態を示す始動閾値を表示してもよい。
【0010】
この構成によれば、表示制御装置は、例えば、表示装置52に対して、車速、点灯閾値、消灯閾値及び始動閾値を出力することができる。これにより、ドライバーは、制動灯の点灯する点灯閾値(点灯タイミング)及び消灯する消灯閾値(消灯タイミング)を把握することができるため、制動灯が点灯/消灯するタイミングを把握することができる。また、ドライバーは、エンジン11の始動する始動閾値(始動タイミング)を把握することで、駆動用バッテリ14の消費電力を抑制し、より電動車両1の燃費や電費を把握することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電動車両を運転するドライバーに対して、減速領域において、制動灯の点灯する状態を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る電動車両の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態に係る表示制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係る表示制御装置における制御処理の一例を説明するための図である。
図4図4は、本実施形態に係る表示制御装置が出力する内容の一例を示す模式図である。
図5図5は、本実施形態に係る表示制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、変形例に係る表示制御装置が出力する内容の一例を示す模式図である。
図7図7は、変形例に係る表示制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
<電動車両>
図1は、本発明の一実施形態に係る電動車両1の構成を示すブロック図である。
【0015】
電動車両1は、シリーズ方式のハイブリッドシステム2を搭載している。ハイブリッドシステム2には、エンジン(ENG)11、発電モータ(MG1)12、駆動モータ(MG2)13、駆動用バッテリ14及びPCU(Power Control Unit:パワーコントロールユニット)15が含まれる。
【0016】
エンジン11は、例えば、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンである。エンジン11のクランクシャフト21には、エンジン出力ギヤ22がクランクシャフト21と一体に回転するように設けられている。
【0017】
発電モータ12は、例えば、永久磁石同期モータからなる。発電モータ12の回転軸23には、発電モータギヤ24が一体に回転するように設けられている。発電モータギヤ24は、エンジン出力ギヤ22と噛合している。発電モータ12は、エンジン11の停止時に、エンジン11をクランキングさせるスタータモータとして使用される。エンジン11の始動後、発電モータ12は、エンジン11の動力を電力に変換する発電機として機能する。
【0018】
駆動モータ13は、例えば、発電モータ12よりも大型の永久磁石同期モータからなる。駆動モータ13の回転軸25には、モータ出力ギヤ26が回転軸25と一体回転するように設けられている。
【0019】
モータ出力ギヤ26は、電動車両1に搭載されている動力伝達機構3に結合されている。動力伝達機構3には、カウンタ軸31、カウンタギヤ32、出力ギヤ33及びデファレンシャルギヤ34が含まれる。
【0020】
カウンタ軸31は、駆動モータ13の回転軸25と平行に設けられている。カウンタギヤ32及び出力ギヤ33は、カウンタ軸31に一体に回転するように設けられている。出力ギヤ33は、デファレンシャルギヤ34のリングギヤ35と噛合している。モータ出力ギヤ26は、カウンタギヤ32と噛合している。
【0021】
駆動モータ13の動力は、モータ出力ギヤ26、カウンタギヤ32及び出力ギヤ33を介して、デファレンシャルギヤ34に伝達される。そして、デファレンシャルギヤ34に伝達された動力は、電動車両1の左右のドライブシャフト4を介して、左右の駆動輪5に伝達される。これにより、左右の駆動輪5が回転し、電動車両1が前進または後進走行する。
【0022】
駆動用バッテリ14は、複数の二次電池(例えば、リチウムイオン電池)を組み合わせた組電池である。駆動用バッテリ14は、例えば、約200~350V(ボルト)の直流電力を出力する。
【0023】
PCU15は、発電モータ12及び駆動モータ13の駆動を制御するためのユニットであり、第1インバータ(MG1INV)41、第2インバータ(MG2INV)42及び昇圧コンバータ(BstCONV)43を備えている。
【0024】
電動車両1の加速走行時には、駆動モータ13が力行運転されて、駆動モータ13が力行のための動力を発生する。このとき、駆動用バッテリ14から出力される直流電力が昇圧コンバータ43により必要に応じて昇圧されて、昇圧コンバータ43から出力される直流電力が第2インバータ42で交流電力に変換され、その交流電力が駆動モータ13に供給される。これにより、駆動用バッテリ14の電力が消費される。
【0025】
また、エンジン11の始動時には、駆動用バッテリ14から出力される直流電力が昇圧コンバータ43により昇圧されて、昇圧された直流電力が第1インバータ41で交流電力に変換され、交流電力が発電モータ12に供給される。これにより、発電モータ12がモータリング運転されて、エンジン11が発電モータ12によりモータリングされる。このモータリングによりエンジン11のクランクシャフト21が回転し、その回転数が始動に必要な回転数まで上昇すると、エンジン11の点火プラグがスパークされて、エンジン11が始動される。
【0026】
エンジン11が動作している状態で、発電モータ12が発電運転されることにより、発電モータ12が交流電力を発生する。発電モータ12が発電する交流電力は、第1インバータ41により、直流電力に変換される。そして、第1インバータ41から出力される直流電力が第2インバータ42で交流電力に変換され、交流電力が駆動モータ13に供給される。
【0027】
また、駆動モータ13への電力の供給が不要なときには、第1インバータ41から出力される直流電力が昇圧コンバータ43で降圧されて、降圧後の直流電力が駆動用バッテリ14に供給されることにより、駆動用バッテリ14が充電される。
【0028】
電動車両1の減速走行時には、駆動モータ13が回生運転されて、駆動輪5から駆動モータ13に伝達される動力が交流電力に変換される。このとき、駆動モータ13が走行駆動系の抵抗となり、その抵抗が電動車両1を制動する制動力(回生制動力)として作用する。駆動モータ13が発生する交流電力は、第2インバータ42により、直流電力に変換される。そして、第2インバータ42から出力される直流電力が昇圧コンバータ43で降圧されて、降圧後の直流電力が駆動用バッテリ14に供給されることにより、駆動用バッテリ14が充電される。
【0029】
また、電動車両1には、マイコン(マイクロコントローラユニット)51を含む構成のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)6が備えられている。マイコン51には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ及びDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリが内蔵されている。
【0030】
図1には、1つのECU6のみが示されているが、電動車両1には、各部を制御するため、ECU6と同様の構成を有する複数のECUが搭載されている。ECU6を含む複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
【0031】
ECU6は、後述するアクセルセンサ7等の検出結果に基づいて、運転者のアクセルペダルの操作量を特定する。ECU6は、当該アクセルペダルの操作量に基づき、エンジン要求トルクを設定し、当該エンジン要求トルクの制御信号をPCU15へ出力する。
【0032】
ECU6は、回生トルクの発生を指示した際に、電動車両1に発生する減速度が所定の閾値を上回る場合は、制動灯9を点灯させる。これによって、後続車両の運転者に対して、電動車両1が減速することを報知する。ECU6は、表示制御装置の一例である。
【0033】
アクセルセンサ7は、運転者により足踏み操作されるアクセルペダルの操作量に応じた検知信号を出力する。アクセルセンサ7は、ECU6と通信可能に接続されており、検知信号をECU6に出力する。
【0034】
車速センサ8は、例えば、電動車両1の車輪の付近に設置され、当該車輪の回転速度または回転数を示す車速パルスを生成するセンサである。車速センサ8は、ECU6と通信可能に接続されており、生成した車速パルスをECU6に出力する。
【0035】
制動灯9は、ECU6により、回生トルクの発生を指示した際に、電動車両1に発生する減速度が所定の閾値値を上回る場合は、点灯する。
【0036】
電動車両1の車室内には、表示装置52が配設されている。表示装置52は、例えば、タッチパネルでもよい。表示装置52は、液晶ディスプレイ上に感圧式または静電容量式の透明フィルムスイッチを貼付した構成であってもよく、電動車両1の車両設定の情報の他、ナビゲーション情報や音楽情報など種々の情報を表示するマルチインフォメーションディスプレイとして設けられていてもよい。
【0037】
(機能構成)
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係る表示制御装置の機能構成について説明する。図2は、表示制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
ECU6は、取得部61、減速度判定部62、状態検知部63、閾値算出部64及び表示制御部65を備える。なお、ECU6が備える機能はこれに限定されない。
【0039】
取得部61は、運転者のアクセルペダルの操作量を取得する。具体的には、取得部61は、アクセルセンサ7と協働して、当該アクセルペダルの操作量を取得する。
【0040】
また、取得部61は、現在の車速を取得する。具体的には、取得部61は、車速センサ8と協働して、電動車両1の現在の車速を取得する。
【0041】
減速度判定部62は、所定の減速度を上回ったか否かを判定する。具体的には、減速度判定部62は、取得部61が取得した車速から減速度を算出し、所定の減速度を上回ったか否かを判定する。所定の減速度とは、予め定められた減速度であり、例えば、制動灯9が点灯する必要がある減速度が法規により定められている値である。なお、電動車両1の減速度は、電動車両1に公知の加速度センサを備え、加速度センサが検出する検出結果から減速度を特定してもよい。
【0042】
状態検知部63は、駆動モータ13の状態を検知する。具体的には、状態検知部63は、駆動モータ13と協働して、駆動モータ13の状態を検知する。駆動モータ13の状態とは、例えば、駆動モータ13が力行運転され、駆動用バッテリ14の電力が消費されている状態や、駆動モータ13が回生運転され、駆動用バッテリ14に電力が充電されている状態等である。
【0043】
閾値算出部64は、制動灯9が点灯する点灯閾値を算出する。具体的には、閾値算出部64は、状態検知部63が検知した駆動モータ13の状態に対応する、取得部61が取得した車速に基づいて、制動灯9が点灯する点灯閾値を算出する。
【0044】
ここで、点灯閾値について図3を用いて説明する。図3は、表示制御装置における制御処理の一例を説明するための図である。図3において、縦軸は、駆動モータ13のトルク[N/m]を示し、横軸は、電動車両1の車速[km/h]を示す。なお、駆動モータ13のトルクが正の値を示す場合は、駆動モータ13が力行運転されている状態を示す。また、駆動モータ13のトルクが負の値を示す場合は、駆動モータ13が回生運転されている状態を示す。
【0045】
図3に示す図は、電動車両1の制動灯9の点灯/消灯状態に駆動モータ13のトルクを示した折れ線グラフである。具体的には、制動灯9の点灯/消灯状態について、駆動モータ13のトルクと、車速との対応関係を示す点灯閾値に関する内容である。また、グラフG71は、制動灯9が点灯する点灯閾値のグラフ、グラフG72は、制動灯9が消灯する消灯閾値のグラフである。
【0046】
例えば、車速Aの場合、グラフG71との交点は点灯閾値Xとなる。グラフG71は、制動灯9が点灯する点灯閾値のグラフであるため、車速Aの場合、点灯閾値Xを下回ると、制動灯9が消灯状態から点灯状態へ移行する。
【0047】
また、例えば、車速Aの場合、グラフ72との交点は消灯閾値Yとなる。グラフG72は、制動灯9が消灯する消灯閾値のグラフであるため、車速Aの場合、消灯閾値Yを上回ると、制動灯9が点灯状態から消灯状態へ移行する。
【0048】
なお、閾値が点灯閾値X及び消灯閾値Yと設定されているのは、例えば、点灯閾値X及び消灯閾値Yが同じ閾値を示す場合、頻繁に制動灯9が点灯/消灯状態を繰り返すこととなり、運転者あるいは運転者が運転する後続車両に対して、認知することが難しくなるため、点灯閾値X及び消灯閾値Yをそれぞれ設定している。
【0049】
図2に戻る。表示制御部65は、表示装置52に対して、車速及び点灯閾値Xを表示する(以下、出力するともいう)ように表示制御を行う。具体的には、表示制御装部66は、表示装置52に対して、取得部61が取得した車速及び閾値算出部64が算出した点灯閾値Xを表示するように表示制御を行う。
【0050】
ここで、図4を用いて、表示制御部65が出力する出力内容について説明する。図4は、表示装置52に表示される内容の一例を説明するための図である。
【0051】
図4に示す図は、表示装置52に表示され、表示の形状は棒状である。また、棒状には、「CHARGE」、「ECO」、「POWER」と3段階のモードが表示されており、それぞれ駆動用バッテリ14の状態を示している。
【0052】
具体的には、「CHARGE」は、駆動モータ13が回転運転され、駆動用バッテリ14に電力が充電されている状態である。「ECO」は、駆動モータ13が運転されることなく、駆動用バッテリ14の電力が消費されている状態である。「POWER」は、駆動モータ13が力行運転され、駆動用バッテリ14の電力が消費されている状態である。
【0053】
表示制御部65は、図4に示す棒状に対して、取得部61が取得した車速A、閾値算出部64が算出した点灯閾値Xを重畳するように出力する。また、矢印M1は、車速Aが移動する範囲、矢印M2は点灯閾値Xが移動する範囲である。
【0054】
続いて、表示制御装置が制御する処理の流れについて、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態に係る表示制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【0055】
取得部61は、現在の車速Aを取得する(ステップS101)。続いて、減速度判定部62は、所定の減速度を上回ったか否かを判定する(ステップS102)。ここで、減速度判定部62は、所定の減速度を上回っていないと判定する(ステップS102:No)と、本処理は終了する。一方、減速度判定部62は、所定の減速度を上回っていると判定する(ステップS102:Yes)と、ステップS103へ進む。
【0056】
状態検知部63は、駆動モータ13の状態を検知する(ステップS103)。次に、閾値算出部64は、制動灯9が点灯する点灯閾値Xを算出する(ステップS104)。表示制御部65は、表示装置52に対して、車速A及び点灯閾値Xを表示する(図4参照)ように表示制御を行う(ステップS105)。ステップS105が終了すると、ステップS101へ戻り、電動車両1が所定の減速度を下回るまで処理は継続する。
【0057】
なお、電動車両1が所定の減速度を下回ると、表示制御部65が出力した点灯閾値Xの表示は消える。言い換えれば、制動灯9が点灯すると、表示制御部65が出力した点灯閾値Xの表示は消える。
【0058】
(本実施形態の作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る表示制御装置は、電動車両1の減速度が所定の閾値を下回ると、車速A及び駆動モータ13の状態に基づいて、制動灯9の点灯状態を示す点灯閾値Xを表示する。また、本実施形態に係る表示制御装置は、制動灯9の点灯状態を示す点灯閾値Xと合わせて、現在の車速Aを表示してもよい。
【0059】
そのため、本発明によれば、表示制御装置は、表示装置52に対して、車速A及び点灯閾値Xを出力することができる。これにより、ドライバーは、制動灯9の点灯する点灯閾値X(点灯タイミング)を把握することができるため、減速度が所定の閾値を下回れば、制動灯9は点灯しない。したがって、ドライバーは、例えば、走行中にアクセルを緩めた(オフした)場合でも、ドライバーの意思に反して制動灯9が点灯することを抑制することができる。また、制動灯9が点灯しなければ、制動灯9の消費電力の抑制にも繋がる。
【0060】
(変形例)
変形例に係る表示制御装置について、上述の実施形態に係る表示制御装置とは相違する点を説明する。上記実施形態では、表示制御部65は、減速度が所定の閾値を下回ると、車速A及び駆動モータ13の状態に基づいて、制動灯9の点灯状態を示す点灯閾値Xを表示する形態について説明した。本変形例における表示制御部65は、制動灯9の点灯状態を示す点灯閾値Xを表示した後、さらに、制動灯9の消灯状態を示す消灯閾値を表示する形態について説明する。
【0061】
例えば、表示制御部65は、制動灯9の点灯状態を示す点灯閾値Xを表示した後、さらに、制動灯9の消灯状態を示す消灯閾値を表示する。具体的には、閾値算出部64は、状態検知部63が検知した駆動モータ13の状態に対応する、取得部61が取得した車速に基づいて、制動灯9が消灯する消灯閾値を算出する。そして、表示制御部65は、閾値算出部64が算出した、制動灯9の消灯状態を示す消灯閾値を表示する。
【0062】
また、例えば、表示制御部65は、取得部61が取得した駆動用バッテリ14のバッテリ残量量に基づいて、エンジン11の始動状態を示す始動閾値を表示してもよい。具体的には、閾値算出部64は、状態検知部63が検知した駆動モータ13の状態に対応する、取得部61が取得した駆動用バッテリ14のバッテリ残容量に基づいて、エンジン11の始動状態を示す始動閾値を算出する。そして、表示制御部65は、閾値算出部64が算出した、エンジン11の始動状態を示す始動閾値を表示する。なお、表示制御部65は、制動灯9の点灯状態を示す点灯閾値Xと合わせて、さらに、エンジン11の始動状態を示す始動閾値を(点灯閾値Xを表示するタイミングと同時に)表示してもよい。
【0063】
ここで、図6を用いて、変形例における表示制御部65が出力する出力内容について説明する。図6は、表示装置52に表示される内容の一例を説明するための図である。
【0064】
図6に示す図は、上述した図4に表示する内容に加え、表示制御部65は、図6に示す棒状に対して、閾値算出部64が算出した消灯閾値Y及び始動閾値Zを重畳するように出力する。また、矢印M3は、消灯閾値Yが移動する範囲、矢印M4は始動閾値Zが移動する範囲である。
【0065】
続いて、表示制御装置が処理する流れについて、図7を用いて説明する。図7は、変形例に係る表示制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS201~ステップS205は、図5に記載のステップS101~ステップS105の内容と一致する。なお、本処理では、取得部61は、駆動用バッテリ14のバッテリ残容量を事前に取得しているものとする。
【0066】
閾値算出部64は、状態検知部63が検知した駆動モータ13の状態に対応する、取得部61が取得した車速Aに基づいて、制動灯9が消灯する消灯閾値Yを算出する(ステップS206)。続いて、閾値算出部64は、状態検知部63が検知した駆動モータ13の状態に対応する、取得部61が取得した駆動用バッテリ14のバッテリ残容量に基づいて、エンジン11の始動状態を示す始動閾値Zを算出する(ステップS207)。
【0067】
続いて、表示制御部65は、表示装置52に対して、消灯閾値Y及び始動閾値Zを表示する(図6参照)ように表示制御を行う(ステップS208)。ステップS208が終了すると、ステップS201へ戻り、電動車両1が所定の減速度を下回るまで処理は継続する。なお、電動車両1が所定の減速度を下回ると、表示制御部65が出力した点灯閾値X及び消灯閾値Yの表示は消える。
【0068】
以上説明したように、本実施形態に係る表示制御装置は、制動灯9の点灯状態を示す点灯閾値Xを表示した後、さらに、制動灯9の消灯状態を示す消灯閾値Yを表示する。また、表示制御装置は、駆動用バッテリ14のバッテリ残量量に基づいて、エンジン11の始動状態を示す始動閾値Zを表示する。
【0069】
そのため、本発明によれば、表示制御装置は、表示装置52に対して、車速A、点灯閾値X、消灯閾値Y及び始動閾値Zを出力することができる。ドライバーは、制動灯9の点灯する点灯閾値X(点灯タイミング)及び消灯する消灯閾値Y(消灯タイミング)を把握することができるため、制動灯9が点灯/消灯するタイミングを把握することができる。また、ドライバーは、エンジン11の始動する始動閾値Z(始動タイミング)を把握することで、駆動用バッテリ14の消費電力を抑制し、より電動車両1の燃費や電費を把握することができる。
【0070】
また、ドライバーは、表示装置52に車速A、点灯閾値X、消灯閾値Y及び始動閾値Zが表示されることで、車両の状態が一度に把握することができるため、ドライバーの視線移動の回数を低減することができる。
【0071】
なお、上述の実施形態では、表示装置52に表示される表示の形状は棒状について説明したが、これに限定されない。表示の形状は、例えば、円の形状でもよく、ドライバーの好みに合わせて、棒状/円の形状を選択するように表示制御を行ってもよい。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 電動車両
2 ハイブリッドシステム
6 ECU
9 制動灯
11 エンジン
13 駆動モータ
14 駆動用バッテリ
61 取得部
62 減速度判定部
63 状態検知部
64 閾値算出部
65 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7