IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立ソリューションズの特許一覧

特開2024-86439トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システム
<>
  • 特開-トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システム 図1
  • 特開-トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システム 図2
  • 特開-トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システム 図3
  • 特開-トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システム 図4
  • 特開-トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システム 図5
  • 特開-トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システム 図6
  • 特開-トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システム 図7
  • 特開-トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システム 図8
  • 特開-トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086439
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240620BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201561
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000233055
【氏名又は名称】株式会社日立ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 学
(72)【発明者】
【氏名】田中 修一
(72)【発明者】
【氏名】大島 訓
(72)【発明者】
【氏名】川守田 慶
(72)【発明者】
【氏名】吉田 一省
(72)【発明者】
【氏名】北本 弘樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】イベントの運営者及びイベントの参加者の双方の意図に沿った体験を共有できるトークンを生成するトークン管理装置、方法及びシステムを提供する。
【解決手段】運営用クライアント端末、ユーザ用クライアント端末、トークン管理装置及びブロックチェーンシステムを含むトークン管理システムにおいて、トークン管理装置は、イベントに参加予定のユーザの情報を記憶し、記憶した情報に基づきイベントに参加したユーザを特定するユーザ特定部、特定したユーザに対応付けられる情報であってイベントの映像の少なくとも一部の範囲を示す情報の指定を受け付け、指定された情報及びイベントの映像を示す情報を含むデータであるメタデータを生成するメタデータ生成部、生成したメタデータを示す情報及び特定したユーザの所有権の情報を含むトークンを生成するトークン生成部及び生成したトークンをブロックチェーンシステムに発行するトークン発行部を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザが管理する複数の情報処理装置を含んで構成されるブロックチェーンシステムにおいて各情報処理装置が共有して記憶すると共にその所有権の情報が記録されるトークンの管理装置であって、
イベントに参加予定のユーザの情報を記憶する記憶装置、及び、
前記記憶した情報に基づき前記イベントに参加したユーザを特定するユーザ特定処理と、
前記特定したユーザに対応付けられる情報であって前記イベントの映像の少なくとも一部の範囲を示す情報の指定を受け付け、指定された情報及び前記イベントの映像を示す情報を含むデータであるメタデータを生成するメタデータ生成処理と、
前記生成したメタデータを示す情報、及び、前記特定したユーザの所有権の情報を含むトークンを生成するトークン生成処理と、
前記生成したトークンを前記ブロックチェーンシステムに発行するトークン発行処理とを実行する制御装置
を備える、トークン管理装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記メタデータ生成処理において、前記映像の少なくとも一部の範囲を示す情報として、前記イベントにおける時間帯の情報の指定を受け付ける、請求項1に記載のトークン管理装置。
【請求項3】
前記記憶装置は、前記イベントの開催場所を記憶し、
前記制御装置は、
前記ユーザ特定処理において、前記特定したユーザに係る情報処理装置から現在の位置情報を受信し、受信した位置情報が示す位置が前記イベントの会場の位置に対応しているか否かを判定し、前記位置情報が示す位置が前記イベントの会場の位置に対応している場合に、前記情報処理装置に係るユーザを、前記イベントに参加したユーザとして特定し、
前記メタデータ生成処理において、前記特定したユーザに係る前記指定された情報、前記イベントの映像を示す情報、及び前記位置情報を含むメタデータを生成する、
請求項1に記載のトークン管理装置。
【請求項4】
前記記憶装置は、前記イベントの開催場所における各ユーザの参加位置を記憶し、
前記制御装置は、
前記ユーザ特定処理において、前記イベントの複数の映像を取得し、
前記メタデータ生成処理において、前記複数の映像から、前記特定したユーザのイベント参加位置に対応づけられた映像を特定し、前記特定したユーザに対応付けられる情報であって前記特定した映像のうち少なくとも一部の範囲を示す情報の指定を受け付け、指定された情報及び前記イベントの映像を示す情報を含むメタデータを生成する、
請求項1に記載のトークン管理装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記トークン発行処理において、前記イベントの映像を示す情報及び、所有権の情報として前記イベントの管理者の情報を含むトークンを生成し、生成したトークンを前記ブロックチェーンシステムに発行する、請求項1に記載のトークン管理装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記生成したトークンを前記ブロックチェーンシステムに発行したことを示す情報を、前記特定したユーザに係る情報処理装置に送信する通知処理を実行する、請求項1に記載のトークン管理装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記イベントの映像、及び前記指定された情報に基づき、前記イベン
トの映像の少なくとも一部の範囲の映像を生成する部分映像生成処理を実行する、請求項1に記載のトークン管理装置。
【請求項8】
各ユーザが管理する複数の情報処理装置を含んで構成されるブロックチェーンシステムにおいて各情報処理装置が共有して記憶すると共にその所有権の情報が記録されるトークンの管理方法であって、
情報処理装置が、
イベントに参加予定のユーザの情報を記憶し、
前記記憶した情報に基づき前記イベントに参加したユーザを特定するユーザ特定処理と、
前記特定したユーザに対応付けられる情報であって前記イベントの映像の少なくとも一部の範囲を示す情報の指定を受け付け、指定された情報及び前記イベントの映像を示す情報を含むデータであるメタデータを生成するメタデータ生成処理と、
前記生成したメタデータを示す情報、及び、前記特定したユーザの所有権の情報を含むトークンを生成するトークン生成処理と、
前記生成したトークンを前記ブロックチェーンシステムに発行するトークン発行処理とを実行する
トークン管理方法。
【請求項9】
各ユーザが管理する複数の情報処理装置を含んで構成されるブロックチェーンシステムにおいて各情報処理装置が共有して記憶すると共にその所有権の情報が記録されるトークンの管理システムであって、
イベントに参加予定のユーザの情報を送信する通信装置を備える運営者端末と、
前記イベントに関するトークンの発行の要求情報を送信する通信装置を備えるユーザ端末と、
前記運営者端末から受信した情報を記憶する記憶装置、及び、
前記ユーザ端末から前記要求情報を受信した場合に、前記記憶した情報に基づき、前記イベントに参加した、前記要求情報に係るユーザを特定するユーザ特定処理と、
前記特定したユーザに対応付けられる情報であって前記イベントの映像の少なくとも一部の範囲を示す情報の指定を受け付け、指定された情報及び前記イベントの映像を示す情報を含むデータであるメタデータを生成するメタデータ生成処理と、
前記生成したメタデータを示す情報、及び、前記特定したユーザの所有権の情報を含むトークンを生成するトークン生成処理と、
前記生成したトークンを前記ブロックチェーンシステムに発行するトークン発行処理とを実行する制御装置を備えるトークン管理装置とを含んで構成されるトークン管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるブロックチェーンを用いた非代替性トークン(NFT:non-fungible token)によりデータ資産を形成する技術が広く開発されている。
【0003】
例えば、スポーツの試合やライブなどのイベントに参加したことを証明できるようなNFTをそのイベントの参加者に発行することで、参加者は、イベントへの参加体験を誇示すると共に他者との共感を得ることができる。
【0004】
こうしたNFTの技術の一例として、特許文献1には、ライブ演奏を撮影したライブ映像を取得する取得部と、ライブ映像を配信する配信部と、ライブ映像の一部である部分映像を抽出する抽出部と、抽出した部分映像をユーザに販売する販売部と、ユーザを特定する情報を含むノンファンジブルトークンを発行する発行部と、部分映像及びノンファンジブルトークンを送信する送信部と、を備えるライブ配信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2021/246498号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、イベントの参加者の体験の内容はその具体的な参加形態によって大きく異なる。一方、イベントの運営者としても、参加者に共有して欲しいと考える体験がある。特許文献1では、そのような事情を充分に考慮することができない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、イベントの運営者及びイベントの参加者の双方の意図に沿った体験を共有できるようなトークンを生成することが可能なトークン管理装置、トークン管理方法、及びトークン管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一つは、各ユーザが管理する複数の情報処理装置を含んで構成されるブロックチェーンシステムにおいて各情報処理装置が共有して記憶すると共にその所有権の情報が記録されるトークンの管理装置であって、イベントに参加予定のユーザの情報を記憶する記憶装置、及び、前記記憶した情報に基づき前記イベントに参加したユーザを特定するユーザ特定処理と、前記特定したユーザに対応付けられる情報であって前記映像の少なくとも一部の範囲を示す情報の指定を受け付け、指定された情報及び前記イベントの映像を示す情報を含むデータであるメタデータを生成するメタデータ生成処理と、前記生成したメタデータを示す情報、及び、前記特定したユーザの所有権の情報を含むトークンを生成するトークン生成処理と、前記生成したトークンを前記ブロックチェーンシステムに発行するトークン発行処理とを実行する制御装置を備える、トークン管理装置である。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の他の一つは、各ユーザが管理する複数の情報処理装
置を含んで構成されるブロックチェーンシステムにおいて各情報処理装置が共有して記憶すると共にその所有権の情報が記録されるトークンの管理システムであって、イベントに参加予定のユーザの情報を送信する通信装置を備える運営者端末と、前記イベントに関するトークンの発行の要求情報を送信する通信装置を備えるユーザ端末と、前記運営者端末から受信した情報を記憶する記憶装置、及び、前記ユーザ端末から前記要求情報を受信した場合に、前記記憶した情報に基づき、前記イベントに参加した、前記要求情報に係るユーザを特定するユーザ特定処理と、前記特定したユーザに対応付けられる情報であって前記映像の少なくとも一部の範囲を示す情報の指定を受け付け、指定された情報及び前記イベントの映像を示す情報を含むデータであるメタデータを生成するメタデータ生成処理と、前記生成したメタデータを示す情報、及び、前記特定したユーザの所有権の情報を含むトークンを生成するトークン生成処理と、前記生成したトークンを前記ブロックチェーンシステムに発行するトークン発行処理とを実行する制御装置を備えるトークン管理装置とを含んで構成されるトークン管理システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、イベントの運営者及びイベントの参加者の双方の意図に沿った体験を共有できるようなトークンを生成することができる。
上記した以外の構成及び効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係るトークン管理システムの構成の一例を説明する図である。
図2】本実施形態に係るイベントが開催される会場の構成を説明する図である。
図3】NFT発行権限管理テーブルの一例を示す図である。
図4】トークン管理システムで行われる処理の一例を説明するシーケンス図である。
図5】イベント管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図6】オリジナル映像NFTに係るメタデータの一例を示す図である。
図7】追加情報指定画面の一例を示す図である。
図8】追加情報指定画面の他の一例を示す図である。
図9】ユーザNFTに係るメタデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
<構成、機能>
図1は、本実施形態に係るトークン管理システム1の構成の一例を説明する図である。トークン管理システム1は、所定のイベント(本実施形態では、サッカーの試合とする)を開催し管理する運営者が管理する運営用クライアント端末10(運営者端末)と、イベントに参加する各参加者(ユーザ)が所持する1又は複数のユーザ用クライアント端末20(ユーザ端末)と、ユーザがそのイベントで体験した内容をその価値とする非代替性トークン(NFT:non-fungible token)を生成し発行するサーバ端末30(トークン管理装置)と、そのNFT(以下、ユーザNFTという)に係るブロックチェーンシステムを構成し、そのNFTを記憶しているブロックチェーンシステム40(BC:Block Chain
)とを含んで構成される。
【0014】
ブロックチェーンシステム40は、それぞれユーザNFTを共有して記憶している複数のBC端末50(情報処理装置)により構成される。このブロックチェーンシステム40には、各ユーザが管理する各端末及び運営者が管理する端末が含まれる。なお、運営用クライアント端末10又はユーザ用クライアント端末20がBC端末50を兼ねるようにしてもよい。
【0015】
ブロックチェーンシステム40は、分散型台帳技術を用いた情報処理システムである。すなわち、ブロックチェーンシステム40の各BC端末50は、ユーザNFTの情報をブロックデータにより記憶している(後述するオリジナル映像NFTについても同様)。ブロックデータは、ユーザNFTの所有権者(の履歴)のデータ、ハッシュデータ、及びナンスデータを含む。所有権者の変更により、既存のブロックデータに対して新たなブロックデータが追加される。この際、これらのブロックデータは、一定時間ごとに各ノード(BC端末50)による所定の合意形成処理を経て、各BC端末50に共有される。なお、ブロックチェーンシステム40は、管理者(管理端末)等によってノード(ユーザ)が限定されないシステムであってもよいし(パブリック型)、ノード(ユーザ)が管理者等によって限定される(例えば、サーバ端末30がユーザ(ブロックチェーンシステム40)を管理する)システムであってもよい(プライベート型)。本実施形態では前者のうちイーサリアム(Ethereum)であるものとするが、本実施形態において説明する機能を実現可能であれば、ブロックチェーンシステム40の種類(プラットフォーム)は限定されない。
【0016】
なお、運営用クライアント端末10、ユーザ用クライアント端末20、サーバ端末30、及び、ブロックチェーンシステム40の各BC端末50の間は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、又は専用線等の有
線又は無線の通信ネットワーク5により接続される。
【0017】
運営用クライアント端末10は、CPU(Central Processing Unit)等の制御装置1
1と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12と、ディスプレイ又はタッチパネル等の表示装置13と、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の入力装置14と、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、又はシリアル通信モジュール等で構成される通信装置15
とを備える。
【0018】
また、運営用クライアント端末10は、運営用ウォレット記憶部121の機能部を備える。運営用ウォレット記憶部121は、ブロックチェーンシステム40における運営者のアカウント(アドレス)及びその秘密鍵を記憶している。
【0019】
ユーザ用クライアント端末20は、CPU(Central Processing Unit)等の制御装置
21と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard
Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置22と、ディスプレイ又はタッチパネル等の表示装置23と、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の入力装置24と、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、又はシリアル通信モジュール等で構成される通信装置2
5とを備える。
【0020】
また、ユーザ用クライアント端末20は、ユーザ用ウォレット記憶部231の機能部を備える。ユーザ用ウォレット記憶部231は、ブロックチェーンシステム40におけるユーザのアカウント(アドレス)及びその秘密鍵を記憶している。なお、運営者及びユーザの各秘密鍵はサーバ端末30が記憶してもよい。
【0021】
BC端末50は、CPU(Central Processing Unit)等の制御装置51と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置52と、NIC(Network Interface Card
)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、又はシリア
ル通信モジュール等で構成される通信装置53とを備える。なお、BC端末50は、ディスプレイ又はタッチパネル等の表示装置と、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の入力装置とを備えていてもよい。
【0022】
また、BC端末50は、トークン情報記憶部521の機能部を備える。トークン情報記憶部521は、各NFTをBC端末50間で共有して記憶している。
【0023】
サーバ端末30は、CPU(Central Processing Unit)等の制御装置31と、RAM
(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)
、又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置32と、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、又はシリアル通信モジュール等で構成される通信装置33とを備える。なお、BC端末50は、ディスプレイ又はタッチパネル等の表示装置と、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の入力装置とを備えていてもよい。
【0024】
また、サーバ端末30は、ユーザ特定部321、BC管理部322、メタデータ生成部323、トークン生成部324、トークン発行部325、及び部分映像生成部326の各機能部を備える。
【0025】
ユーザ特定部321は、運営者が開催したイベントに参加したユーザを特定する。例えば、ユーザ特定部321は、イベントに参加するユーザのユーザ用クライアント端末20から現在の位置情報を受信し、受信した位置情報が示す位置が、イベントの開催場所(会場における座席エリア等)に対応しているか否かを判定し、位置情報が示す位置がイベントの開催場所に対応している場合に、ユーザ用クライアント端末20に係るユーザを、イベントに参加したユーザとして特定する。
【0026】
なお、詳細は後述するが、サーバ端末30は、運営者が撮影したイベントの映像(以下、オリジナル映像という)を記憶する。オリジナル映像は、本実施形態では、一つのイベントに対して複数存在するものとする。すなわち、本実施形態のイベントすなわちサッカーの試合が開催される会場の各所に、イベントエリア(ピッチ)に撮影方向を向けた複数の撮影装置が設けられており、各撮影装置がそれぞれのアングルで試合の映像を撮影するものとする。撮影装置の配置の詳細は後述する。
【0027】
BC管理部322は、NFTを生成し発行する処理を行う。例えば、BC管理部322は、後述の処理により生成したユーザNFTをブロックチェーンシステム40に発行する。
【0028】
メタデータ生成部323は、ユーザNFTのメタデータを生成する。すなわち、メタデータ生成部323は、ユーザから、オリジナル映像の少なくとも一部の範囲を示す情報の指定を受け付け、指定された情報及びオリジナル映像を示す情報を含むデータであるメタデータを生成する。なお、メタデータが示す情報を、以下では追加情報と称することがある。
【0029】
例えば、メタデータ生成部323は、複数のオリジナル映像から、ユーザ特定部321で特定したユーザのイベント参加位置に対応するオリジナル映像を特定する。そして、メタデータ生成部323は、特定したオリジナル映像のうち少なくとも一部の範囲を示す情報の指定を受け付け、指定された情報及びオリジナル映像を示す情報を含むメタデータを生成する。
【0030】
また、例えば、メタデータ生成部323は、オリジナル映像の少なくとも一部の範囲を
示す情報として、イベントにおける時間帯の情報(本実施形態では、時間帯の開始時刻及び終了時刻)の指定を受け付ける。
【0031】
トークン生成部324は、メタデータ生成部323で生成したメタデータを示す情報(本実施形態では、アドレス)、及びユーザ特定部321で特定したユーザの所有権の情報を含むトークン(すなわち、ユーザNFT)を生成する。
【0032】
トークン発行部325は、トークン生成部324が生成したトークン(ユーザNFT)をブロックチェーンシステム40に発行する。
【0033】
また、トークン発行部325は、ユーザ特定部321で取得したイベントの映像(オリジナル映像)を示す情報及び、所有権の情報としてイベントの運営者の情報を含むNFT(オリジナル映像NFT)を生成し、生成したNFTをブロックチェーンシステム40に発行する。
【0034】
部分映像生成部326は、ユーザNFTに対応する映像データ(以下、部分映像という)を生成する。すなわち、部分映像生成部326は、オリジナル映像、及びメタデータ生成部323で生成したメタデータ(追加情報)に基づき、オリジナル映像の少なくとも一部の範囲の映像を生成する。
【0035】
また、サーバ端末30は、イベント管理テーブル記憶部327、オリジナル映像記憶部328、発行権限記憶部329、及びメタデータ記憶部330を備える。
【0036】
イベント管理テーブル記憶部327は、運営者が開催するイベントを管理するイベント管理テーブルを記憶する(詳細は後述)。なお、イベント管理テーブルは、運営用クライアント端末10が記憶してもよい。
【0037】
オリジナル映像記憶部328は、運営者が撮影したイベントの映像(オリジナル映像)を記憶する。
【0038】
発行権限記憶部329は、各ユーザに割り当てられたエリア(座席)と、そのエリアに対応して生成可能なユーザNFTの構成との関係を決定づけるためのテーブルであるNFT発行権限管理テーブルを記憶する。
【0039】
メタデータ記憶部330は、メタデータ生成部323が生成したメタデータを記憶する。なお、メタデータ記憶部330の機能は、サーバ端末30以外の情報処理装置(データベース等)に設けてもよい。
【0040】
(会場の構成)
ここで、図2は、本実施形態に係るイベントが開催される会場の構成を説明する図である。同図に示すように、この会場200は、イベント(サッカーの試合)が行われるイベントエリア210(ピッチ)と、そのイベントエリア210を観戦する各ユーザの参加位置であり着席する座席が設けられている座席エリア220とを含む。座席エリア220は複数の座席からなる領域であり、具体的には、第1座席エリア221(「A」)、第2座席エリア222(「B」)、第3座席エリア223(「C」)、第4座席エリア224(「D」)、及び第5座席エリア225(「E」)からなる。
【0041】
また、この会場200には、各座席エリア220に対応して、オリジナル映像を撮影する複数の撮影装置230が運営者により設けられている。具体的には、第1座席エリア221で観戦するユーザの目線の方向(ピッチの方向)をその撮影方向として設定した、第
1オリジナル映像を撮影する第1撮影装置230aと、第2座席エリア222で観戦するユーザの目線の方向(ピッチの方向)をその撮影方向として設定した、第2オリジナル映像を撮影する第2撮影装置230bと、第3座席エリア223で観戦するユーザの目線の方向(ピッチの方向)をその撮影方向として設定した、第3オリジナル映像を撮影する第3撮影装置230cと、第4座席エリア224で観戦するユーザの目線の方向(ピッチの方向)をその撮影方向として設定した、第4オリジナル映像を撮影する第4撮影装置230dと、第5座席エリア225で観戦するユーザの目線の方向(ピッチの方向)をその撮影方向として設定した、第5オリジナル映像を撮影する第5撮影装置230eとが設けられている。各撮影装置230は、イベントの開催中(試合中)、それぞれ撮影アングルの異なるオリジナル映像を撮影する。
【0042】
(NFT発行権限管理テーブル)
次に、図3は、NFT発行権限管理テーブルの一例を示す図である。NFT発行権限管理テーブル300は、会場における、各ユーザに割り当てられた座席エリア220の種類と、その座席エリア220で観戦するユーザが部分映像(ユーザNFT)の素材として用いることができるオリジナル映像との関係を示したテーブルである。
【0043】
同図のNFT発行権限管理テーブル300の場合、各座席エリア220で観戦するユーザは、NFT発行権限管理テーブル300が規定する1又は複数のオリジナル映像320を、部分映像の素材として用いることができる。例えば、第1座席エリア221(「A」)で観戦するユーザは、全てのオリジナル映像320(320a~320f)を、部分映像の素材として用いることができる(プレミアム席)。第2座席エリア222(「B」)で観戦するユーザは、第1オリジナル映像320a、第2オリジナル映像320b、第4オリジナル映像320d、及び第5オリジナル映像320eを、部分映像の素材として用いることができる。第4座席エリア224(「D」。ホーム側の座席)で観戦するユーザは、第1オリジナル映像320a、及び第2オリジナル映像320bのみ(自分の座席に近い撮影装置のオリジナル映像のみ)を、部分映像の素材として用いることができる(ホーム側に設定された撮影装置によるオリジナル映像のみが対象の普通席)。NFT発行権限管理テーブル300は、予め運営者等により設定される。
【0044】
これまでに説明した各情報処理装置の各機能部の機能は、制御装置11、21、31、51が、記憶装置12、22、32、52から各機能部を実現する所定のプログラムを読み出すことにより実現される。また各プログラムは、例えば、可搬性の又は固定された記録媒体に記録して配布することができる。なお、これらのプログラムは、その全部または一部が、例えば、クラウドシステムによって提供される仮想サーバのように、仮想化技術やプロセス空間分離技術等を用いて提供される仮想的な情報処理資源を用いて実現されるものであってもよい。また、これらのプログラムの全部または一部は、例えば、クラウドシステムがAPI (Application Programming Interface)等を介して提供するサービスによって実現してもよい。
次に、トークン管理システム1で行われる処理について説明する。
【0045】
<処理説明>
図4は、トークン管理システム1で行われる処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0046】
まず、イベントの開催前に、サーバ端末30は、運営用クライアント端末10から、運営者が開催するイベントに参加する予定のユーザの情報を受信し(s10)、受信した情報をイベント管理テーブル500に記憶する(s11)。
【0047】
例えば、運営用クライアント端末10は予め、イベントの参加の予約を希望している各
ユーザのユーザ用クライアント端末20から、そのイベントの参加に関する情報を受信する。そして、運営用クライアント端末10は、その情報をサーバ端末30に送信する。なお、これらの処理は、サーバ端末30が実行してもよい。
【0048】
(イベント管理テーブル)
図5は、イベント管理テーブル500のデータ構成の一例を示す図である。イベント管理テーブル500は、イベントを特定する情報(例えば、ID)が設定されるイベントID501、そのイベントに参加するユーザを特定する情報(例えば、ID)が設定されるユーザID502、そのユーザが購入したイベントのチケットの種類を特定する情報(例えば、座席エリア及び座席番号)が設定されるチケット503、イベントの開催場所の情報(会場の名称等)が設定される開催場所504、及び、チケット503により特定される座席の位置を特定する情報(座席位置情報)が設定される位置情報505の各データ項目を有する。
【0049】
その後、イベント当日、イベントの予約をした各ユーザは、各自のユーザ用クライアント端末20を持参し、イベントの会場に赴く。そして、各ユーザ用クライアント端末20は、各ユーザの操作に基づき、イベントID、ユーザID、チケット(座席)の情報、イベントの開催場所、及び自身(ユーザ用クライアント端末20)の現在の位置情報に所定の電子署名を付し、この電子署名を付した、ユーザNFTの発行の要求情報(以下、申請情報という)を、サーバ端末30に送信する(s21)。
【0050】
サーバ端末30は、各ユーザ用クライアント端末20から申請情報を受信すると、イベント管理テーブル500を参照することにより、各ユーザの申請情報が真正なものであるか否かを判定する(s23)。具体的には、サーバ端末30は、イベント管理テーブル500を参照し、申請情報におけるイベントID、ユーザID、チケットの情報、及びイベントの開催場所がそれぞれ、イベントID501、ユーザID502、及びチケット503、及び開催場所504に設定されているレコードがあるか否かを判定する。さらに、サーバ端末30は、申請情報が示す位置が、当該レコードの位置情報505が示す位置から一定の距離の範囲内にあるか否かを判定する。
【0051】
サーバ端末30は、申請情報が真正なものであるユーザ(確認済みユーザ)に係るユーザ用クライアント端末20に対して、申請情報を確認した旨の通知(受付完了通知)を送信する(s25)。
【0052】
その後、イベントが開始されると、運営者(例えば、運営用クライアント端末10)は、各撮影装置230により撮影を行い、イベントのオリジナル映像を生成する。サーバ端末30は、これらのオリジナル映像を取得し記憶する。なお、本実施形態では、各オリジナル映像にIDが設定される。
【0053】
そして、イベントが終了すると、サーバ端末30は、オリジナル映像に係るトークン(オリジナル映像NFT)を発行する(s27)。
【0054】
具体的には、まず、サーバ端末30は、オリジナル映像の場所を示す情報(URL等)を含むメタデータを生成し、記憶する。そして、サーバ端末30は、このメタデータを示す情報(例えば、URL、アカウント名、又はアドレス等、メタデータの所在を特定可能な情報)と、所有権の情報としての、運営者に係る運営用クライアント端末10のウォレットのアドレスとをブロックデータとして含むNFTを生成し、生成したNFTをブロックチェーンシステム40に発行する。
【0055】
(オリジナル映像NFTに係るメタデータ)
図6は、オリジナル映像NFTに係るメタデータの一例を示す図である。このメタデータ600は、イベントの日時及び名称610(イベントID等から特定される)、イベントの場所又は会場の名称620、確認済みユーザの情報630、及び、オリジナル映像を示す情報640を含む。
【0056】
確認済みユーザの情報630は、各確認済みユーザの座席エリア(及び座席の番号)の情報631と、その確認済みユーザに対応付けられているウォレットのアドレスの情報632とを含む。オリジナル映像を示す情報640は、各オリジナル映像のID641及び各オリジナル映像の格納場所の情報642(同図ではURL)を含む。
【0057】
なお、このメタデータ600には、オリジナル映像NFTごとに割り当てたシリアル番号の情報を含めることで、希少性を高めるようにしてもよい。また、このメタデータ600の座席エリア(及び座席の番号)の情報631には、s23で受信した位置情報(例えば、緯度、経度、標高、又は時刻等)が設定されてもよい。
【0058】
次に、図4に示すように、イベントの終了後、サーバ端末30は、各確認済みユーザ(ユーザ用クライアント端末20)から、オリジナル映像のうち部分映像を特定するための情報(追加情報)の指定の入力を受け付ける(s31)。
【0059】
例えば、サーバ端末30は、確認済みユーザに係るユーザ用クライアント端末20から、追加情報の入力を要求する情報を受信すると、後述する追加情報指定画面を作成し、作成した追加情報指定画面をそのユーザ用クライアント端末20の画面に表示させる。
【0060】
そして、追加情報指定画面における追加情報の指定の入力が完了すると、ユーザ用クライアント端末20は、サーバ端末30に対して、ユーザNFTの発行を申請する(s33)。
【0061】
(追加情報指定画面)
図7は、追加情報指定画面の一例を示す図である。この追加情報指定画面700には、確認済みユーザに対応する撮影装置230が撮影したオリジナル映像のリスト710(710a~c)と、各オリジナル映像710の各タイミングの映像720(720a1、720a2、・・・、720b1、720b2、・・・、720c1、720c2、・・・)とが表示される。確認済みユーザに対応するオリジナル映像は、NFT発行権限管理テーブル300により特定される。
【0062】
追加情報指定画面700は、ユーザから、表示されたオリジナル映像のリストから一つのオリジナル映像の選択を受け付ける。そして、追加情報指定画面700はさらに、選択されたオリジナル映像710aから部分映像として抽出する各映像の部分の時間帯の開始時刻730及び終了時刻740の入力をユーザから受け付ける。これは、例えば、ユーザの座席エリアが一つのオリジナル映像にのみ対応している場合である。
【0063】
追加情報指定画面700は、ユーザNFTの発行を申請するための発行申請ボタン750を備えている。確認済みユーザにより発行申請ボタン750が選択されると、サーバ端末30は、ユーザNFTの発行を行う。
【0064】
図8は、追加情報指定画面の他の一例を示す図である。この追加情報指定画面800は、ユーザから複数のオリジナル映像の選択を受け付ける。そして、追加情報指定画面800はさらに、選択されたオリジナル映像810a、b、cのそれぞれから、部分映像として抽出する各映像の部分の時間帯の開始時刻830及び終了時刻840の入力(例えば、時、分、秒、及びミリ秒で指定される)をユーザから受け付ける。
【0065】
なお、追加情報指定画面800は、後述するメタデータに反映させるための、選択した各オリジナル映像810の順位又は順序の情報の入力を受け付けてもよい。また、追加情報指定画面800は、あるオリジナル映像810の複数回の選択を受け付けてもよい。
【0066】
次に、図4に示すように、サーバ端末30は、追加情報指定画面で設定された情報に基づき、メタデータ(追加情報)を生成する(s35)。
【0067】
(ユーザNFTに係るメタデータ)
図9は、ユーザNFTに係るメタデータの一例を示す図である。このメタデータ900は、オリジナル映像NFTに対応するメタデータの格納場所の情報910(同図ではURL)と、追加情報指定画面で設定された追加情報920とを含む。
【0068】
このメタデータ900は、追加情報指定画面700、800で選択された各オリジナル映像を特定する情報921(同図ではID)と、そのオリジナル映像における部分映像の開始時刻922及び終了時刻923とを含む。
【0069】
なお、このメタデータ900には、オリジナル映像NFTごとに割り当てたシリアル番号の情報を含めることで、NFTの希少性を高めるようにしてもよい。
【0070】
そして、図4に示すようにサーバ端末30は、生成したメタデータに対応するユーザNFTを、ブロックチェーンシステム40に発行する(s37)。例えば、サーバ端末30は、s35で生成したメタデータを示す情報(例えば、URL、アカウント名、又はアドレス等、メタデータの所在を特定可能な情報)と、所有権の情報としての、s31でNFTの発行を申請した確認済みユーザに係るユーザ用クライアント端末20のウォレットのアドレスとをブロックデータとして含むNFTを生成し、生成したNFTをブロックチェーンシステム40に発行する。
【0071】
なお、サーバ端末30は、ユーザNFTを発行する際、追加情報指定画面700、800で選択されたオリジナル映像が存在するか否か、又は、追加情報指定画面700、800で選択された開始時刻及び終了時刻が、対応するオリジナル映像の時間に収まっているか否かを判定し、これらの条件を満たす場合にのみ、ユーザNFTを発行するようにしてもよい。
【0072】
例えば、サーバ端末30は、s27の処理で生成したメタデータにおけるオリジナル映像のURLを参照し、オリジナル映像のファイルが存在するか否かを確認する。そして、サーバ端末30は、そのURLのオリジナル映像の時間長と、追加情報指定画面700、800で選択された開始時刻及び終了時刻とを比較する。
【0073】
サーバ端末30は、ユーザNFTを発行した後、ユーザNFTを発行したことを示す通知(発行完了通知)を、s33でユーザNFTの発行を申請した確認済みユーザに係るユーザ用クライアント端末20に送信する(s39)。
【0074】
さらに、サーバ端末30は、s37で発行したユーザNFTに係る部分映像を生成し、生成した部分映像を公開する(s41)。
【0075】
例えば、サーバ端末30は、ユーザNFTに係る部分映像の元となるオリジナル映像を取得し、取得したオリジナル映像から、追加情報指定画面700、800で選択された開始時刻から終了時刻までの部分をトリミングする。サーバ端末30は、トリミングした映像の部部分すなわち部分映像を所定のURLに記憶する。サーバ端末30は、そのURL
の情報を、各ユーザ用クライアント端末20、又は、ブロックチェーンシステム40における各ユーザのBC端末50に送信する。
【0076】
その後、各ユーザは、s41で公開された部分映像にアクセスし、部分映像を視聴することができる(s43)。
【0077】
例えば、各ユーザ用クライアント端末20は、s41で公開されたURLにアクセスし、部分映像を再生する。
【0078】
これにより、例えば、普通席でイベントに参加したユーザに関して、他のユーザは、その参加ユーザの当日の視点と近い視点でのイベントの追体験をすることができる。
【0079】
また、例えば、プレミアム席でイベントに参加したユーザに関して、他のユーザは、様々な視点でのイベントの追体験をすることができる。
【0080】
以上に説明したように、本実施形態のトークン管理装置は、イベント管理テーブル500に基づきイベントに参加するユーザを特定し(確認済みユーザ)、確認済みユーザに対応付けられる情報であってオリジナル映像における所望の範囲(すなわち、確認済みユーザのチケットに対応する撮影装置230のオリジナル画像における範囲)を示す情報の指定をユーザから受け付け、指定された情報及びオリジナル映像を示す情報を含むデータであるメタデータ(追加情報)を生成し、生成したメタデータを示す情報、及び、確認済みユーザの所有権の情報を含むNFTを生成し、生成したトークンをブロックチェーンシステム40に発行する。
【0081】
すなわち、本実施形態のトークン管理装置は、運営者が提供したイベントのオリジナル映像のうち、そのイベントに参加したユーザに対応した部分(追加情報)の指定をその本人から受けつけ、その追加情報に紐づいたNFTを発行する。
【0082】
このように、本実施形態のトークン管理装置によれば、イベントの運営者及びイベントの参加者の双方の意図に沿った体験を共有できるようなトークンを生成することができる。
【0083】
また、本実施形態のトークン管理装置は、イベントに参加するユーザのユーザ用クライアント端末20から現在の位置情報を受信し、受信した位置情報が示す位置がイベントの会場の位置に対応している場合に、そのユーザを、イベントに参加したユーザとして特定し、その特定したユーザに係る追加情報と、イベントの映像を示す情報と、位置情報とを含むメタデータを生成する。
【0084】
このように、実際にイベントに参加したユーザの位置情報を含むメタデータを生成することで、このメタデータにより生成されるユーザNFTの価値を高めることができる。
【0085】
また、本実施形態のトークン管理装置は、オリジナル映像の範囲を示す情報として、イベントにおける時間帯の情報(開始時刻及び終了時刻)の指定を受け付ける。
【0086】
これにより、イベントに参加したユーザの体験内容が具体的となり、これに基づき生成されるユーザNFTの価値を高めることができる。
【0087】
また、本実施形態のトークン管理装置は、複数のオリジナル映像から、ユーザのイベント参加位置に対応するオリジナル映像を特定し、そのオリジナル映像のうち、当該イベントに参加したユーザに対応した部分(追加情報)の指定をその本人から受けつけ、その追
加情報を含むメタデータを生成する。
【0088】
このように、実際にイベントに参加したユーザのイベント参加位置(例えば、チケットが示す座席エリア)に対応したオリジナル映像に基づいてメタデータを生成することで、このメタデータにより生成されるユーザNFTの価値を高めることができる。
【0089】
また、本実施形態のトークン管理装置は、オリジナル映像の所在を示す情報及び、所有権の情報としてイベントの管理者の情報を含むオリジナルNFTを生成し、生成したオリジナルNFTをブロックチェーンシステム40に発行する。
【0090】
これにより、ユーザNFTの根拠となるオリジナル映像の真正性を証明することができ、ユーザNFTの価値を高めることができる。
【0091】
また、本実施形態のトークン管理装置は、生成したユーザNFTをブロックチェーンシステム40に発行したことを示す発行完了通知を、確認済みユーザに係るユーザ用クライアント端末20に送信する。
【0092】
これにより、確認済みユーザは、ユーザNFTが発行された旨を知ることができ、これを周知する等の対応をとり、自身の体験を広く共有することができる。
【0093】
また、本実施形態のトークン管理装置は、オリジナル映像及びメタデータ(追加情報)に基づき、部分映像を生成する。
【0094】
これにより、ユーザNFTに係る確認済みユーザを含む各ユーザは、イベントの参加で得た体験を追体験できる。
【0095】
また、本実施形態のトークン管理システム1は、イベントに参加予定のユーザの情報を送信する運営用クライアント端末10と、イベントに関するトークンの発行の申請情報を送信するユーザ用クライアント端末20と、トークン管理装置とを含み、トークン管理装置は、運営者端末から受信した情報を記憶し(イベント管理テーブル500)、ユーザ用クライアント端末20から申請情報を受信した場合に、イベント管理テーブル500に基づきユーザNFTに係るメタデータを生成する。
【0096】
これにより、イベントの運営者及びイベントの参加者のそれぞれの意思に基づいたユーザNFTを生成することができる。
【0097】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、任意の構成要素を用いて実施可能である。以上説明した実施形態や変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記では種々の実施形態や変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0098】
例えば、本実施形態の各装置が備えるハードウェアの一部は、他の装置に設けてもよい。
【0099】
また、各装置の各プログラムは他の装置に設けてもよいし、あるプログラムを複数のプログラムからなるものとしてもよいし、複数のプログラムを一つのプログラムに統合してもよい。
【0100】
また、本実施形態では、イベントとしてサッカーの試合の場合について説明したが、本発明はその他の任意の種類のイベントに適用することができる。
【0101】
また、本実施形態では、イベントの場所が、座席が設けられたサッカー会場であるとしたが、座席がない場合(例えば、立ち見の場合)でも本発明は適用できる。例えば、サーバ端末30は、座席の情報の代わりに、ユーザに予め割り当てられた会場内の領域の情報に基づき、各ユーザの参加位置を特定する。
【0102】
また、本実施形態では、ユーザNFTは、メタデータを示す情報(アドレス)をブロックデータとして含むものとしたが、メタデータそのものをブロックデータに含ませてもよい。
【0103】
また、本実施形態では、サーバ端末30は、ユーザの位置情報によりユーザ(確認済みユーザ)を特定するものとしたが、その他の方法でユーザを特定しても良い。例えば、サーバ端末30は、所定のログインID及びパスワードの入力をユーザに求めることでユーザの特定を行ってもよい。
【0104】
また、本実施形態では、追加情報指定画面において部分映像の範囲を指定する方法として、開始時刻及び終了時刻を指定するものとしたが、その他の範囲の指定を行ってもよい。例えば、サーバ端末30等が、イベントに対して予め所定の時間長を有する場面(例えば、各ゴールのシーン)を設定しておき、追加情報指定画面で各場面を指定するようにしてもよい。
【0105】
また、本実施形態で説明した追加情報又はメタデータの構成は一例であり、例えば、その他の属性データを追加してもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 トークン管理システム、10 運営用クライアント端末、20 ユーザ用クライアント端末、30 サーバ端末、40 ブロックチェーンシステム、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9