(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008644
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/58 20060101AFI20240112BHJP
H01R 13/6581 20110101ALI20240112BHJP
【FI】
H01R13/58
H01R13/6581
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110672
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】兼松 佑多
(72)【発明者】
【氏名】ビョン ソンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】廣脇 宣和
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA09
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC03
5E021FC21
5E021LA09
(57)【要約】
【課題】コネクタ自体の大型化や製造コストの上昇を抑制しつつ、電線に加わる外力が端子側に伝達されることを抑制または阻止することができる、コネクタを開示する。
【解決手段】コネクタ10が、端子12と電線16と、電線16が引き出される電線引出口18を有するシールドシェル20と、電線引出口18に嵌合されるバックリテーナ24とを備え、シールドシェル20の電線引出口18は複数の被係合部54を有し、バックリテーナ24は、第1方向に設けられた潰しリブ114を有して被係合部54に係合される第1係合部116と、第2方向に設けられた潰しリブ118を有して被係合部54に係合される第2係合部120と、を有し、バックリテーナ24の電線引出口18への嵌合状態で、第1係合部116が被係合部54に対して第1方向で潰しリブ114を介して圧接され、第2係合部120が被係合部54に対して第2方向で潰しリブ118を介して圧接される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタハウジングに収容された端子と、
前記端子に接続されて前記コネクタハウジングの外部に引き出される電線と、
前記コネクタハウジングに固定されて前記コネクタハウジングを覆い、前記電線が引き出される筒状の電線引出口を有する金属製のシールドシェルと、
前記電線が圧接状態で挿通されて保持される電線挿通筒部を備え、前記電線引出口に嵌合される合成樹脂製のバックリテーナと、を備え、
前記シールドシェルの前記電線引出口は、前記電線引出口の周方向で相互に離隔して設けられた複数の被係合部を有し、
前記バックリテーナは、前記電線の延出方向に直交する第1方向の両側に設けられた潰しリブを有して前記被係合部に係合される第1係合部と、前記電線の前記延出方向と前記第1方向の両方に直交する第2方向の両側に設けられた潰しリブを有して前記被係合部に係合される第2係合部と、を有し、
前記バックリテーナの前記電線引出口への嵌合状態で、前記第1係合部が前記被係合部に対して前記第1方向の両側で前記潰しリブを介して圧接され、前記第2係合部が前記被係合部に対して前記第2方向の両側で前記潰しリブを介して圧接される、コネクタ。
【請求項2】
前記電線引出口の複数の前記被係合部は、前記第2方向の両側に配置された複数の第1被係合部と、前記第1方向の両側に配置された複数の第2被係合部を含み、
前記バックリテーナは、前記第2方向の両側に配置された複数の前記第1係合部と、前記第1方向の両側に配置された複数の前記第2係合部を含み、
前記バックリテーナの前記電線引出口への嵌合状態で、前記第2方向の両側で前記第1被係合部に対して前記第1係合部が前記第1方向の両側の前記潰しリブを介して圧接されており、前記第1方向の両側で前記第2被係合部に対して前記第2係合部が前記第2方向の両側の前記潰しリブを介して圧接されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記バックリテーナの前記電線挿通筒部の内周面の径寸法が、前記電線挿通筒部の内部を挿通する前記電線の外周面の径寸法よりも大きくされており、
前記電線挿通筒部の前記内周面には、前記電線の前記外周面よりも径方向内方に突出する複数の電線押圧凸部が、相互に離隔して突設されており、
各前記電線押圧凸部が、前記電線の前記外周面を構成する絶縁被覆を、前記径方向内方に押圧することで、前記電線が前記電線挿通筒部に圧接状態で挿通されて保持されている、請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記バックリテーナは、前記シールドシェルの前記電線引出口に向かって片持ち梁状に突出する弾性ロック片を有し、前記弾性ロック片は、突出端部に嵌合穴を有し、
前記シールドシェルは、前記電線引出口の外周面に突出するロック突起を有し、
前記バックリテーナの前記弾性ロック片の前記嵌合穴に、前記シールドシェルの前記ロック突起が嵌め入れられることで、前記バックリテーナが前記シールドシェルの前記電線引出口に嵌合される、請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記シールドシェルの前記電線引出口は、前記電線引出口の前記外周面に開口する凹状のロック片収容部を有し、前記ロック片収容部の底面に前記ロック突起が突設され、
前記シールドシェルに対する前記バックリテーナの嵌合状態で、前記バックリテーナの前記弾性ロック片が前記ロック片収容部に収容されている、請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記シールドシェルの前記電線引出口には、前記電線の引出方向側に位置する筒状端部に、板厚方向に貫通して前記引出方向側の端面に開口する複数の切欠状の前記被係合部が設けられており、
少なくとも1つの前記被係合部が、前記ロック片収容部の前記底面に開口して設けられており、
前記バックリテーナの前記弾性ロック片の基端側には、前記弾性ロック片から前記電線側に向かって突出して前記少なくとも1つの前記被係合部に圧入される突形状の前記第2係合部が設けられている、請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記バックリテーナは、前記電線引出口の前記筒状端部の内周側に嵌め入れられる装着筒部と、前記装着筒部の外周面に突設された突形状の前記第1係合部を含み、
前記シールドシェルに対する前記バックリテーナの嵌合状態で、前記第1係合部が、前記電線引出口の外周側に突出することなく前記被係合部に収容されている、請求項6に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載機器間を電気的に接続するために、コネクタが用いられている。このようなコネクタは、コネクタハウジングと、コネクタハウジングに収容された端子と、端子に接続された電線とを含んでおり、電線がコネクタハウジングの電線引出口から外部に引き出されている。外部に引き出された電線には、車載時の振動等の外力が加わるため、電線に加わる外力が端子側に伝達されると、端子と相手側端子との接点にストレスが加わり、接点摩耗等の問題が生じるおそれがある。そこで、コネクタでは、電線に加わる外力が端子側に伝達されることを抑制する必要がある。そのため、特許文献1に開示のコネクタは、電線を保持した状態でコネクタハウジングに組み付けられる樹脂製のバックリテーナを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1では、バックリテーナは、コネクタハウジングに設けられた弾性突出片の先端に設けられたロック爪状の係止部が、バックリテーナに設けられた被係止部を弾性変形しつつ乗り越えて弾性復帰した際に被係止部に係合することで、組み付けられるようになっている。それゆえ、係止部と被係止部との間にはわずかな隙間が生じることが避けられず、この隙間によるガタツキによって電線に伝達された外力が端子側に伝達されるおそれがあった。
【0005】
さらに、近年の車載機器の大電流化に伴い、電線の大径化が進んでおり、そのような大型の電線の揺れを防止するための十分な保持力を確保するためには、樹脂製のバックリテーナを大型化せざるを得ず、コネクタの大型化が避けられないという問題も内在していた。これに対して、バックリテーナを金属製にして、保持力をアップすることも考えられるが、複雑な形状のバックリテーナはアルミダイキャスト等によって成形する必要があり、製造コストの上昇を招き好ましくなかった。
【0006】
そこで、コネクタ自体の大型化や製造コストの上昇を抑制しつつ、電線に加わる外力が端子側に伝達されることを抑制または阻止することができる、コネクタを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のコネクタは、コネクタハウジングに収容された端子と、前記端子に接続されて前記コネクタハウジングの外部に引き出される電線と、前記コネクタハウジングに固定されて前記コネクタハウジングを覆い、前記電線が引き出される筒状の電線引出口を有する金属製のシールドシェルと、前記電線が圧接状態で挿通されて保持される電線挿通筒部を備え、前記電線引出口に嵌合される合成樹脂製のバックリテーナと、を備え、前記シールドシェルの前記電線引出口は、前記電線引出口の周方向で相互に離隔して設けられた複数の被係合部を有し、前記バックリテーナは、前記電線の延出方向に直交する第1方向の両側に設けられた潰しリブを有して前記被係合部に係合される第1係合部と、前記電線の前記延出方向と前記第1方向の両方に直交する第2方向の両側に設けられた潰しリブを有して前記被係合部に係合される第2係合部と、を有し、前記バックリテーナの前記電線引出口への嵌合状態で、前記第1係合部が前記被係合部に対して前記第1方向の両側で前記潰しリブを介して圧接され、前記第2係合部が前記被係合部に対して前記第2方向の両側で前記潰しリブを介して圧接される、ものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示のコネクタによれば、コネクタ自体の大型化や製造コストの上昇を抑制しつつ、電線に加わる外力が端子側に伝達されることを抑制または阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るコネクタを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示されたコネクタの要部を拡大して示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図2におけるIII-III断面を拡大して示す横断面図である。
【
図4】
図4は、
図2におけるIV-IV断面を拡大して示す横断面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示されたコネクタにおいてバックリテーナを分解状態で示す一部分解斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1に示されたコネクタにおいてバックリテーナを取り外した状態を示す横断面図であって、
図3に対応する図である。
【
図7】
図7は、
図1に示されたコネクタのバックリテーナを構成する上部リテーナを平面側から示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7に示された上部リテーナを底面側から示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図7に示された上部リテーナにおける平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)コネクタハウジングに収容された端子と、前記端子に接続されて前記コネクタハウジングの外部に引き出される電線と、前記コネクタハウジングに固定されて前記コネクタハウジングを覆い、前記電線が引き出される筒状の電線引出口を有する金属製のシールドシェルと、前記電線が圧接状態で挿通されて保持される電線挿通筒部を備え、前記電線引出口に嵌合される合成樹脂製のバックリテーナと、を備え、前記シールドシェルの前記電線引出口は、前記電線引出口の周方向で相互に離隔して設けられた複数の被係合部を有し、前記バックリテーナは、前記電線の延出方向に直交する第1方向の両側に設けられた潰しリブを有して前記被係合部に係合される第1係合部と、前記電線の前記延出方向と前記第1方向の両方に直交する第2方向の両側に設けられた潰しリブを有して前記被係合部に係合される第2係合部と、を有し、前記バックリテーナの前記電線引出口への嵌合状態で、前記第1係合部が前記被係合部に対して前記第1方向の両側で前記潰しリブを介して圧接され、前記第2係合部が前記被係合部に対して前記第2方向の両側で前記潰しリブを介して圧接される、ものである。
【0011】
本開示のコネクタによれば、合成樹脂製のバックリテーナの電線挿通筒部には、コネクタハウジングから引き出される電線が圧接状態で挿通されて保持されており、このバックリテーナがコネクタハウジングに固定された金属製のシールドシェルの電線引出口に嵌合されている。そして、バックリテーナは、電線引出口への嵌合状態で、電線引出口の被係合部に対して電線の延出方向に直交する第1方向の両側(例えば、上下両側)で潰しリブを介して圧接される第1係合部と、電線引出口の被係合部に対して電線の延出方向と第1方向の両方に直交する第2方向の両側(例えば、左右両側)で潰しリブを介して圧接される第2係合部と、を含んでいる。それゆえ、シールドシェルの電線引出口に対してバックリテーナが多少のガタツキをもって嵌合された場合でも、電線の延出方向(軸方向)に直交する2方向である第1方向(例えば、上下方向)と第2方向(例えば、左右方向)の何れにおいても、第1係合部と第2係合部が被係合部に対して潰しリブを潰しながら圧接される。その結果、潰しリブによりガタツキを吸収して、電線引出口に嵌合されたバックリテーナの電線引出口に対する変位が抑制される。これにより、コネクタハウジングやバックリテーナを大型化したり、バックリテーナを金属製にすることなく、バックリテーナを合成樹脂製としつつ、潰しリブを利用して車載時の振動等によるバックリテーナのシールドシェルに対する変位を抑制できる。それゆえ、コネクタ自体の大型化や製造コストの上昇を抑制しつつ、電線に加わる外力が端子側に伝達されることを抑制または阻止することができる。そして、バックリテーナによる電線からの外力の伝達を抑制する外力遮断性能を向上させることができる。特に、バックリテーナが嵌合される電線引出口が、金属製のシールドシェルを利用して構成されていることから、電線引出口が合成樹脂製のコネクタハウジングに設けられている場合に比して、高温環境下のクリープ現象による隙間の発生等の不具合を有利に抑制して、係合部の潰しリブを介した被係合部への圧接状態を有利に維持できる。
【0012】
なお、シールドシェルの電線引出口に対するバックリテーナの嵌合構造は、任意の構造が採用可能であり、例えば、バックリテーナに弾性ロック片を設けてシールドシェルに設けられたロック突起にロック嵌合するようにしてもよい。
【0013】
(2)前記電線引出口の複数の前記被係合部は、前記第2方向の両側に配置された複数の第1被係合部と、前記第1方向の両側に配置された複数の第2被係合部を含み、前記バックリテーナは、前記第2方向の両側に配置された複数の前記第1係合部と、前記第1方向の両側に配置された複数の前記第2係合部を含み、前記バックリテーナの前記電線引出口への嵌合状態で、前記第2方向の両側で前記第1被係合部に対して前記第1係合部が前記第1方向の両側の前記潰しリブを介して圧接されており、前記第1方向の両側で前記第2被係合部に対して前記第2係合部が前記第2方向の両側の前記潰しリブを介して圧接されている、ことが好ましい。第1方向と第2方向のそれぞれの両側で、係合部を被係合部に対して潰しリブを介して圧接でき、一層安定してバックリテーナのシールドシェルに対する変位を抑制して、電線に加わる外力が端子側に伝達することを抑制または阻止できるからである。
【0014】
(3)前記バックリテーナの前記電線挿通筒部の内周面の径寸法が、前記電線挿通筒部の内部を挿通する前記電線の外周面の径寸法よりも大きくされており、前記電線挿通筒部の前記内周面には、前記電線の前記外周面よりも径方向内方に突出する複数の電線押圧凸部が、相互に離隔して突設されており、各前記電線押圧凸部が、前記電線の前記外周面を構成する絶縁被覆を、前記径方向内方に押圧することで、前記電線が前記電線挿通筒部に圧接状態で挿通されて保持されている、ことが好ましい。
【0015】
電線挿通筒部の内周面の径寸法が電線の外周面の径寸法よりも大きく、それらの間に隙間が形成される。さらに、複数の電線押圧凸部が相互に離隔して設けられている。それゆえ、電線押圧凸部に押圧されて径方向外方に弾性変形された絶縁被覆を各電線押圧凸部間に広がる当該隙間に吸収することができる。それゆえ、電線押圧凸部の絶縁被覆に対する押圧による電線挿通筒部への電線の位置固定を有利に実現しつつ、電線に対して電線挿通筒部を組み付ける際の組付力の低減を図り、組み付け作業性を向上できる。好ましくは、複数の電線押圧凸部は、電線挿通筒部の軸方向と周方向の何れにおいても相互に離隔して点在していることが望ましい。これにより、電線をより広い範囲で電線押圧凸部の押圧により固定でき、バックリテーナによる電線からの外力の伝達を抑制する外力遮断性能をさらに向上させることができる。
【0016】
(4)前記バックリテーナは、前記シールドシェルの前記電線引出口に向かって片持ち梁状に突出する弾性ロック片を有し、前記弾性ロック片は、突出端部に嵌合穴を有し、前記シールドシェルは、前記電線引出口の外周面に突出するロック突起を有し、前記バックリテーナの前記弾性ロック片の前記嵌合穴に、前記シールドシェルの前記ロック突起が嵌め入れられることで、前記バックリテーナが前記シールドシェルの前記電線引出口に嵌合される、ことが好ましい。合成樹脂製のバックリテーナに弾性ロック片を設け、シールドシェルにはロック突起を形成すればよいことから、弾性ロック片の成形を容易に行いつつシールドシェルの構造を簡素化し、製造コストを抑えることができる。
【0017】
(5)上記(4)において、前記シールドシェルの前記電線引出口は、前記電線引出口の前記外周面に開口する凹状のロック片収容部を有し、前記ロック片収容部の底面に前記ロック突起が突設され、前記シールドシェルに対する前記バックリテーナの嵌合状態で、前記バックリテーナの前記弾性ロック片が前記ロック片収容部に収容されている、ことが好ましい。
【0018】
シールドシェルに対するバックリテーナの嵌合状態で、バックリテーナの弾性ロック片がシールドシェルのロック片収容部に収容されていることから、弾性ロック片の電線引出口の外周側への突出を抑制できる。これにより、弾性ロック片の他部材との干渉を抑制してバックリテーナの電線引出口からの予期せぬ離脱等の発生を有利に抑制できる。さらに、電線引出口のロック突起もロック片収容部の底面に設けられていることから、ロック突起の電線引出口の外周側への突出も抑制して他部材との干渉を抑制できる。なお、より好ましくは、弾性ロック片が電線引出口の外周面から外周側に突出しないよう、ロック片収容部の深さ寸法が調整される。
【0019】
(6)上記(5)において、前記シールドシェルの前記電線引出口には、前記電線の引出方向側に位置する筒状端部に、板厚方向に貫通して前記引出方向側の端面に開口する複数の切欠状の前記被係合部が設けられており、少なくとも1つの前記被係合部が、前記ロック片収容部の前記底面に開口して設けられており、前記バックリテーナの前記弾性ロック片の基端側には、前記弾性ロック片から前記電線側に向かって突出して前記少なくとも1つの前記被係合部に圧入される突形状の前記第2係合部が設けられている、ことが好ましい。
【0020】
シールドシェルの電線引出口に設けられる被係合部が筒状端部の板厚方向に貫通して電線の引出方向側の端面に開口する切欠状に構成されていることから、シールドシェルの大型化を伴うことなく、被係合部を設けることができる。さらに、被係合部の1つは、ロック片収容部の底面に開口して設けられ、そこに圧入される第2係合部は、弾性ロック片から電線側に向かって突出する突形状であることから、弾性ロック片の裏面側の空きスペースを巧く利用して、スペース効率よく設けられている。これにより、コネクタの大型化を伴うことなく、省スペースに被係合部とそれに嵌め入れられる第2係合部を設けることができる。
【0021】
(7)上記(6)において、前記バックリテーナは、前記電線引出口の前記筒状端部の内周側に嵌め入れられる装着筒部と、前記装着筒部の外周面に突設された突形状の前記第1係合部を含み、前記シールドシェルに対する前記バックリテーナの嵌合状態で、前記第1係合部が、前記電線引出口の外周側に突出することなく前記被係合部に収容されている、ことが好ましい。
【0022】
電線引出口の筒状端部の内周側に嵌め入れられるバックリテーナの装着筒部の外周面に第1係合部を突出し、筒状端部の板厚方向に貫設された被係合部に第1係合部を収容して、第1係合部を被係合部に圧入することができる。それゆえ、電線引出口の筒状端部を利用して、被係合部とそこに圧入された第1係合部を配置することができ、コネクタの大型化を伴うことなく、省スペースに被係合部とそれに嵌め入れられる第1係合部を設けることができる。
【0023】
<本開示の実施形態の詳細>
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0024】
<実施形態1>
以下、本開示の実施形態1のコネクタ10について、
図1から
図10を用いて説明する。コネクタ10は端子12を含んでおり、コネクタ10と図示しない相手側コネクタとが接続されることで、コネクタ10における端子12と相手側コネクタにおける相手側端子とが電気的に導通状態となるようになっている。なお、コネクタ10は、任意の向きで配置することができるが、以下では、上方とは
図3中の上方、下方とは
図3中の下方、前方とは
図2中の左方、後方とは
図2中の右方、左方とは
図2中の上方、右方とは
図2中の下方として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0025】
<コネクタ10>
図1から
図4にも示されるように、コネクタ10は、コネクタハウジング14に収容された端子12と、端子12に接続されてコネクタハウジング14の外部に引き出される電線16と、を有している。また、コネクタ10は、コネクタハウジング14に固定されてコネクタハウジング14を覆い、電線16が引き出される筒状の電線引出口18(
図1,5参照)を有する金属製のシールドシェル20と、電線16が圧接状態で挿通されて保持される電線挿通筒部22を備え、電線引出口18に嵌合される合成樹脂製のバックリテーナ24と、を備えている。実施形態1では、コネクタ10は一対の端子12,12を有しており、各端子12を収容するコネクタハウジング14と、各端子12に接続される電線16も、それぞれ一対設けられている。
【0026】
<端子12>
実施形態1では、各端子12に接続される図示しない相手側端子がピン端子とされており、ピン状の相手側端子が圧入される筒状接続部26を有していればその具体的な構造は限定されるものではなく、例えば特開2021-28899号公報に記載の雌端子(10)のような構造が採用され得る。より詳細には、実施形態1の各端子12は、筒状接続部26を有する端子本体28と、端子本体28の先端部(後端部)に取り付けられる弾性部材としてのクリップばね30とを含んで構成されている。そして、各端子本体28の基端部(前端部)に、各電線16が固着される電線固着部32が設けられている。
【0027】
各電線16は被覆電線であり、芯線34と、芯線34を略全長にわたって被覆する合成樹脂製の絶縁被覆36とから構成されている。そして、各電線16の端末において絶縁被覆36が剥がされて芯線34が露出しているとともに、露出された芯線34が各端子本体28の電線固着部32に固着されることで、各端子本体28と各電線16とが接続されている。なお、電線固着部32と芯線34との固着方法は限定されるものではなく、接着や溶着等でもよいし、圧着片による圧着等であってもよい。
【0028】
<コネクタハウジング14>
コネクタハウジング14は、
図2に示されるように、各電線16の後端部分および各電線16の端末に固着される各端子12が収容される略矩形筒状の端子収容部38を有している。上述のように、実施形態1では、一対のコネクタハウジング14,14が設けられており、各コネクタハウジング14がそれぞれ端子収容部38を有している。各コネクタハウジング14(各端子収容部38)は左右方向で相互に離隔するとともに、それぞれ前後方向に延びている。そして、各端子収容部38に収容される各電線16は、各コネクタハウジング14(各端子収容部38)の前方開口部39を通じて外部空間へ引き出されている。
【0029】
なお、これら各コネクタハウジング14と各コネクタハウジング14を覆った状態で固定されるシールドシェル20との固定方法は限定されるものではないが、実施形態1では、後述するように、各コネクタハウジング14はシールドシェル20の前方開口部(電線引出口18)から内部に挿入される。そして、例えば各コネクタハウジング14の外面とシールドシェル20の内面に設けられる凹凸の嵌合により、各コネクタハウジング14がシールドシェル20に固定されるようになっている。
【0030】
<シールドシェル20>
シールドシェル20は全体として前方に開口する略筒形状であり、一対のコネクタハウジング14,14の略全体を覆っている。すなわち、シールドシェル20は、各コネクタハウジング14の上方を覆う上方壁部40と、各コネクタハウジング14の下方を覆う下方壁部42と、左側のコネクタハウジング14を左方から覆う左方壁部44と、右側のコネクタハウジング14を右方から覆う右方壁部46と、各コネクタハウジング14の後方を覆う後方壁部48と、を備えている。また、シールドシェル20の内部には、各コネクタハウジング14(各端子収容部38)の左右方向間において、シールドシェル20の内部空間を左右方向で仕切る仕切部50が設けられている。
【0031】
この仕切部50は、シールドシェル20の後方壁部48から前方に延び出してはいるが、シールドシェル20の前方開口部には至らない前後方向寸法をもって形成されている。これにより、シールドシェル20の前方開口部は、
図3や
図6にも示されるように、上方壁部40、下方壁部42、左方壁部44および右方壁部46により四方を囲まれた略矩形筒形状とされている。そして、各コネクタハウジング14の前方開口部39を通じて前方に引き出された各電線16が、略矩形筒形状とされたシールドシェル20の前方開口部を通じてシールドシェル20の外部に引き出されており、このシールドシェル20の前方開口部により筒状の電線引出口18が構成されている。
【0032】
特に、シールドシェル20の電線引出口18における各電線16の引出方向側となる前方側の端部において、筒状端部52が構成されている。すなわち、筒状端部52は、上述のように上方壁部40、下方壁部42、左方壁部44および右方壁部46により囲まれた略筒状の部分であり、上方壁部40および下方壁部42における左右方向中間部分と左方壁部44および右方壁部46における上下方向中間部分には、略平坦に広がる部分が設けられている。また、筒状端部52において、上方壁部40および下方壁部42は、左方壁部44および右方壁部46に対してそれぞれ左右方向両端部分において接続されており、これらの接続部分が角丸状に湾曲する部分をもって構成されている。
【0033】
<被係合部54>
ここで、シールドシェル20の電線引出口18には、電線引出口18の周方向で相互に離隔する複数の被係合部54が設けられている。具体的には、電線引出口18における筒状端部52において、板厚方向に貫通して各電線16の引出方向側(前方側)の端面に開口して、複数の切欠状の被係合部54が設けられている。より詳細には、複数の被係合部54は、筒状端部52において、各電線16の延出方向(前後方向)に直交する第1方向(実施形態1では上下方向)と、各電線16の延出方向と第1方向の両方向に直交する第2方向(実施形態1では左右方向)の両側に設けられている。すなわち、被係合部54は、筒状端部52において、第2方向(左右方向)の両側に配置された複数の第1被係合部56と、第1方向(上下方向)の両側に配置された複数の第2被係合部58とを含んでいる。要するに、
図5,6にも示されるように、筒状端部52を構成する左方壁部44および右方壁部46において、それぞれ第1被係合部56が設けられているとともに、筒状端部52を構成する上方壁部40および下方壁部42において、それぞれ第2被係合部58が設けられている。
【0034】
各第1被係合部56は、筒状端部52を構成する左方壁部44および右方壁部46において略平坦に広がる上下方向中間部分に設けられており、筒状端部52の前端面に開口するとともに板厚方向となる左右方向で貫通している。これら各第1被係合部56は、所定の上下方向寸法A(
図6参照)を有している。
【0035】
各第2被係合部58は、筒状端部52を構成する上方壁部40および下方壁部42において略平坦に広がる左右方向中間部分に設けられており、実施形態1では、上方壁部40と下方壁部42のそれぞれにおいて、一対の第2被係合部58,58が左右方向で相互に離隔して設けられている。各第2被係合部58は、筒状端部52の前端面に開口するとともに板厚方向となる上下方向で貫通しており、所定の左右方向寸法B(
図6参照)を有している。
【0036】
<ロック片収容部60>
特に、実施形態1では、シールドシェル20における電線引出口18の外周面において、バックリテーナ24における後述する弾性ロック片96を収容する凹状のロック片収容部60が、外周側および前方に開口して設けられている。具体的には、電線引出口18(筒状端部52)を構成する上方壁部40および下方壁部42のそれぞれにおいて、略平坦に広がる左右方向中間部分に、一対のロック片収容部60,60が左右方向で相互に離隔して、外周側となる上下方向外方および前方に開口して設けられている。そして、上述の各第2被係合部58は、各ロック片収容部60の底部における前端面において、板厚方向となる上下方向で貫通して、要するに各ロック片収容部60の底面に開口して設けられている。また、電線引出口18の外周面には上下方向外方に突出するロック突起62が設けられており、実施形態1では、各ロック片収容部60の底面において、各第2被係合部58よりも後方に、上下方向外方に突出するロック突起62が設けられている。
【0037】
なお、シールドシェル20の上方壁部40における後方部分には、上方壁部40を厚さ方向(上下方向)で貫通する図示しない貫通孔が形成されており、当該貫通孔を通じてシールドシェル20の内部に配置される各端子12の筒状接続部26が外部空間に露出するようになっている。また、上方壁部40に設けられる貫通孔の周縁部には、上方に突出する筒状部64が設けられている。筒状部64は、前後方向寸法に比して左右方向寸法の大きな略長円形状であり、この筒状部64の内周側にフロントリテーナ66が組み付けられている。フロントリテーナ66において各端子12の筒状接続部26と対応する位置には略円形の貫通孔68が上下方向で貫通して形成されており、コネクタ10と相手側コネクタとの接続時において、当該貫通孔68を通じてピン状の相手側端子が各端子12の筒状接続部26に挿し入れられるようになっている。なお、筒状部64とフロントリテーナ66とは、例えば図示しないロック機構等により相互に固定され得る。
【0038】
また、シールドシェル20における左右方向中央部分において、筒状部64よりも前方には、締結ボルト70が挿通されるボルト挿通孔72が、上下方向で貫通して形成されている。この締結ボルト70は、例えば図示しない相手側端子が設けられる相手側機器の筐体に締結されるようになっており、締結ボルト70の締結力を利用して各端子12における筒状接続部26への相手側端子の圧入を行うことができるようになっている。なお、ボルト挿通孔72に挿通された締結ボルト70は、例えばCリング等の固定部材73によってボルト挿通孔72からの脱落が防止され得る。
【0039】
そして、シールドシェル20の内部において、各コネクタハウジング14の前方開口部39から前方に引き出される各電線16には、環状の防水ゴム74が外挿されて取り付けられている。各防水ゴム74は、シールドシェル20の前方開口部(電線引出口18)からシールドシェル20の内部に挿入されて、各コネクタハウジング14の前方に位置している。さらに、シールドシェル20には、各防水ゴム74の脱落を防止するバックリテーナ24が組み付けられている。
【0040】
<バックリテーナ24>
実施形態1では、バックリテーナ24が上下方向で相互に組付可能な上部リテーナ76と下部リテーナ78とから構成されている。特に、実施形態1では、上部リテーナ76と下部リテーナ78とが相互に同形状とされており、上下反転状態とされた一対の上部リテーナ76,76(下部リテーナ78,78)を相互に組み付けることでバックリテーナ24が構成されている。なお、上部リテーナ76と下部リテーナ78とが相互に同形状であることから、以下の説明では
図7から
図10を示して上部リテーナ76について説明し、下部リテーナ78についての説明を省略する。
【0041】
前述のように、バックリテーナ24は、挿通される電線16を圧接状態で保持する電線挿通筒部22を備えていることから、この電線挿通筒部22も上下方向での分割構造とされている。すなわち、上部リテーナ76は、上下反転されたもう一方の上部リテーナ76と組み付けられることにより電線挿通筒部22を構成する分割筒部80を備えている。実施形態1では、一対の電線16,16が左右方向で相互に離隔して設けられていることから、上部リテーナ76には、左右方向で相互に離隔する一対の分割筒部80,80が設けられている。
【0042】
特に、実施形態1では、左右両側に設けられる一対の分割筒部80,80における前方部分において周方向長さが異ならされており、左側に設けられる第1分割筒部80aが1/2周よりも短い周方向長さ(例えば、1/3周程度)をもって形成されているとともに、右側に設けられる第2分割筒部80bが略1/2周の周方向長さをもって形成されている。これにより、
図1に示されるように、各第1分割筒部80aと各第2分割筒部80bとを上下方向で重ね合わせて各電線挿通筒部22を構成した際には、第1分割筒部80aと第2分割筒部80bとの周方向間には、前後方向に延びる隙間82が形成されるようになっている。
【0043】
これら第1分割筒部80aと第2分割筒部80bとは、それぞれの後方部分において連結部84により接続されている。なお、この連結部84による接続位置においては、第1分割筒部80aと第2分割筒部80bの周方向長さはそれぞれ略1/2周である。それゆえ、
図4に示されるように、各第1分割筒部80aと各第2分割筒部80bとを上下方向で重ね合わせて各電線挿通筒部22を構成した際には、各第1分割筒部80aと各第2分割筒部80bのそれぞれの後方部分の周方向端面が突き合わされて、略円筒状の電線挿通筒部22が構成されるようになっている。なお、
図4に示されるように、各第1分割筒部80aと各第2分割筒部80bとから構成される各電線挿通筒部22の内周面の径寸法φα(
図4参照)は、各電線挿通筒部22の内部を挿通する各電線16の外周面の径寸法φβ(
図4参照)よりも大きくされている。
【0044】
<電線押圧凸部86>
そして、
図4や8にも示されるように、第1分割筒部80aと第2分割筒部80bの内周面には、径方向内方に突出する複数の電線押圧凸部86が形成されている。第1分割筒部80aと第2分割筒部80bのそれぞれにおいて、複数の電線押圧凸部86は同一円周上の周方向で相互に離隔して配置されている。また、同一円周上の周方向で相互に離隔して配置された複数の電線押圧凸部86が、前後方向の2箇所において相互に離隔して配置されている。これら第1分割筒部80aに設けられた複数の電線押圧凸部86と第2分割筒部80bに設けられた複数の電線押圧凸部86とは前後方向で略等しい位置にある。それゆえ、各第1分割筒部80aと各第2分割筒部80bとを上下方向で重ね合わせて各電線挿通筒部22を構成した際には、略円筒形状とされた各電線挿通筒部22において同一円周上の略全周にわたって複数の電線押圧凸部86が周方向で相互に離隔して配置されるようになっている。
【0045】
図4に示されるように、複数の電線押圧凸部86は、各電線挿通筒部22に各電線16が挿通された状態において各電線16の外周面よりも径方向内方に突出している。この結果、各電線押圧凸部86により各電線16の外周面を構成する絶縁被覆36が径方向内方に押圧されている。これにより、各電線16が各電線挿通筒部22に対して圧接状態で挿通されて保持されている。なお、実施形態1では、後述するように各電線16にバックリテーナ24を装着後、バックリテーナ24を前方へ移動させてシールドシェル20に組み付けることから、各電線押圧凸部86により各電線16における絶縁被覆36を押圧しつつも、各電線16に対するバックリテーナ24の前後方向の変位が可能とされている。
【0046】
また、第1分割筒部80aにおける前方部分の外周面には、下方に突出するロック爪部88が設けられているとともに、第2分割筒部80bにおける前方部分の外周面には、外周側に突出するロック枠体90が設けられている。実施形態1では、一対のロック爪部88,88が第1分割筒部80aにおける左右両側に設けられているとともに、一対のロック枠体90,90が第2分割筒部80bにおける左右両側に設けられている。これにより、各第1分割筒部80aと各第2分割筒部80bとが上下方向で重ね合わされて各電線挿通筒部22が構成された際には、各ロック爪部88および/または各ロック枠体90が弾性変形して係合する。この結果、各第1分割筒部80aと各第2分割筒部80bとの分離が阻止されて、各電線挿通筒部22が略円筒形状で維持されるようになっている。
【0047】
そして、上述の第1分割筒部80a、第2分割筒部80bおよび連結部84の後端部には、ベース部92が設けられている。換言すれば、第1分割筒部80a、第2分割筒部80bおよび連結部84が、ベース部92から前方に向かって突出している。ベース部92は、
図10にも示されるように前後方向視において全体として略矩形状とされているが、第1分割筒部80aおよび第2分割筒部80bに対応する箇所が略半円形に凹んだ形状とされており、所定の厚さ寸法(前後方向寸法)を有している。
【0048】
なお、上部リテーナ76と上下反転されたもう一方の上部リテーナ76とを上下方向で組み付けてバックリテーナ24が構成される際には、ベース部92と上下反転されたもう一方のベース部92とが上下方向で重ね合わされる。そして、
図1や
図3に示されるように、これら一対のベース部92,92が上下方向で重ね合わされることで、電線引出口18の筒状端部52の内周側に嵌め入れられる装着筒部93が構成されている。すなわち、シールドシェル20に対してバックリテーナ24が組み付けられてコネクタ10が構成された状態において、装着筒部93が筒状端部52に嵌め入れられて各防水ゴム74の前方に位置している。
【0049】
また、第1分割筒部80a、第2分割筒部80bおよび連結部84の上面には、ベース部92から前方に延びる複数のリブ94が設けられており、これら複数のリブ94が左右方向で相互に離隔している。これら複数のリブ94は、それぞれ左右方向視において略三角形状または略台形状とされており、後方から前方に向かうにつれて上下方向寸法が次第に小さくなる部分を有している。これら複数のリブ94により、第1分割筒部80a、第2分割筒部80bおよび連結部84がそれぞれ補強されている。
【0050】
特に、各リブ94において後方部分の上下方向寸法が前方部分に比して大きくされることで、バックリテーナ24がシールドシェル20の電線引出口18に嵌合された際に、電線引出口18に近い部分における補強効果が比較的強く発揮されて、各電線挿通筒部22に挿通される各電線16において電線引出口18付近での変位が防止される。それに対して、各リブ94の前方部分の上下方向寸法が後方部分に比して小さくされることで、第1分割筒部80aや第2分割筒部80bの弾性変形がある程度許容されており、第1分割筒部80aや第2分割筒部80bに対して各電線16が大きく変位する際に各電線16が損傷するおそれが低減されている。
【0051】
<弾性ロック片96>
そして、ベース部92の上端部には、後方に向かって、すなわちシールドシェル20の電線引出口18に向かって片持ち梁状に突出する弾性ロック片96が設けられている。上部リテーナ76には、一対の弾性ロック片96,96が設けられており、各弾性ロック片96が左右方向で相互に離隔している。具体的には、各弾性ロック片96は、それぞれ第1分割筒部80aおよび第2分割筒部80bと対応する位置に設けられている。また、これら各弾性ロック片96の突出端部(後端部)には、上下方向で貫通する略矩形の嵌合穴98が設けられている。
【0052】
より詳細には、各弾性ロック片96は、左右方向で相互に離隔するとともにベース部92の上端部から後方に突出する一対の後方突出部100,100と、これら各後方突出部100の突出先端部(後端部)を接続する接続部102とを有している。そして、これら各後方突出部100および接続部102で囲まれた領域により嵌合穴98が構成されている。また、
図7,10にも示されるように、各後方突出部100の突出基端部(前端部)には、ベース部92の後面に沿って下方に延出する下方延出部104が設けられている。そして、
図4や
図10に示されるように、左右方向で相互に離隔する各下方延出部104の左右方向外面には、後述する第2係合部120における潰しリブ118が設けられている。
【0053】
また、ベース部92の左右方向外面において、左端面には、下方に突出する弾性ロック枠体106が設けられているとともに、右端面には、右方に突出するロック爪部108が設けられている。弾性ロック枠体106は左右方向で弾性変形可能とされており、上部リテーナ76と上下反転されたもう一方の上部リテーナ76とを上下方向で対向させて、弾性ロック枠体106とロック爪部108とを係合させることで、バックリテーナ24が構成されるようになっている。すなわち、ロック爪部88とロック枠体90との係合に加えて、弾性ロック枠体106とロック爪部108とが係合することで、一対の上部リテーナ76,76の分離が阻止されて、バックリテーナ24が構成されるようになっている。
【0054】
なお、弾性ロック枠体106は、前後方向で相互に離隔するとともにベース部92から下方に突出する一対の下方突出部110,110と、これら各下方突出部110の突出先端部(下端部)を接続する接続部112とを有している。そして、これら各下方突出部110および接続部112で囲まれる領域に、ロック爪部108が係合されるようになっている。
【0055】
<第1係合部116および第2係合部120>
ここにおいて、バックリテーナ24は、第1方向(上下方向)の両側に設けられた潰しリブ114,114を有して被係合部54を構成する第1被係合部56に係合される第1係合部116と、第2方向(左右方向)の両側に設けられた潰しリブ118,118を有して被係合部54を構成する第2被係合部58に係合される第2係合部120と、を有している。前述のように、電線引出口18において、複数の第1被係合部56は第2方向(左右方向)の両側に配置されているとともに、複数の第2被係合部58は第1方向(上下方向)の両側に配置されていることから、バックリテーナ24において、複数の第1係合部116が第2方向の両側に配置されているとともに、複数の第2係合部120が第1方向の両側に配置されている。
【0056】
具体的には、上部リテーナ76において、第1係合部116は、左端部に設けられる弾性ロック枠体106の外周面から外周側(左側)に突出する突形状をもって形成されている。すなわち、弾性ロック枠体106において前後方向で離隔する一対の下方突出部110,110における上下方向中間部分には、左方に突出して上下方向に広がる縦壁部122,122が設けられている。また、各縦壁部122の突出先端(左端)は、連結壁部124により連結されている。
図8,9にも示されるように、各縦壁部122および連結壁部124により囲まれる領域は、上下方向で貫通する略矩形の貫通孔126を形成している。そして、各縦壁部122および連結壁部124を含んで第1係合部116が構成されており、連結壁部124の上下両端面において、各縦壁部122よりも第1方向(上下方向)の両側に突出する潰しリブ114,114が設けられている。このような形状とされた一対の上部リテーナ76,76が上下方向で相互に組み付けられることで、バックリテーナ24における第2方向(左右方向)の両側にそれぞれ第1係合部116が設けられている。さらに、第1係合部116はベース部92を構成する弾性ロック枠体106の外周面から突出して設けられていることから、一対のベース部92,92から構成される装着筒部93においても、その外周面から突出して設けられている。
【0057】
第1係合部116が第1被係合部56に係合される前における上部リテーナ76の単品状態において、各潰しリブ114の突出先端間の上下方向寸法C(
図10参照)は、前述の第1被係合部56における上下方向寸法Aよりも大きくされている。これにより、バックリテーナ24が電線引出口18へ嵌合されて各第1被係合部56に対して各第1係合部116が嵌め入れられた際には、各第1被係合部56に対して各第1係合部116が第1方向(上下方向)の両側で各潰しリブ114を介して圧接されるようになっている。また、各第1被係合部56に対して各第1係合部116が嵌め入れられた際には、各第1係合部116が、電線引出口18の外周側に突出することなく各第1被係合部56に収容されるようになっている。
【0058】
また、前述のように、上部リテーナ76において、各弾性ロック片96において左右方向で離隔する一対の後方突出部100,100から下方に延出する各下方延出部104の左右方向外面に、第2係合部120における潰しリブ118,118が設けられている。具体的には、各下方延出部104の上端部分に各潰しリブ118が設けられており、各下方延出部104の上端部分を含んで各第2係合部120が構成されている。すなわち、バックリテーナ24(上部リテーナ76)の各弾性ロック片96の基端側(前方側)において、各弾性ロック片96から各電線16側(下側)に向かって突出する各下方延出部104を含んで、突形状の各第2係合部120が構成されている。このような形状とされた一対の上部リテーナ76,76が上下方向で相互に組み付けられることで、バックリテーナ24における第1方向(上下方向)の両側にそれぞれ第2係合部120が設けられている。
【0059】
第2係合部120が第2被係合部58に係合される前における上部リテーナ76の単品状態において、各潰しリブ118の突出先端間の左右方向寸法D(
図10参照)は、前述の第2被係合部58における左右方向寸法Bよりも大きくされている。これにより、バックリテーナ24が電線引出口18へ嵌合されて各第2被係合部58に対して各第2係合部120が嵌め入れられた際には、各第2被係合部58に対して各第2係合部120が第2方向(左右方向)の両側で各潰しリブ118を介して圧接されるようになっている。なお、
図3に示されるように、各下方延出部104の左右方向間には空間が設けられており、各潰しリブ118が各第2被係合部58に対して圧接される際に、各下方延出部104が対向方向内方に僅かに弾性変形できるようになっていてもよい。
【0060】
上部リテーナ76をこのような形状とすることにより、上部リテーナ76の成形時において成形時の金型を上下方向で抜くことができるようになっている。これにより、金型の種類が増加することがなく、コストの増大が回避される。また、上部リテーナ76と下部リテーナ78とを同形状とすることでも、部品の種類数の増加が抑制されて、コストの低下が図られる。なお、上部リテーナと下部リテーナとは必ずしも同形状である必要はない。
【0061】
<コネクタ10の組立て>
以下、コネクタ10を組み立てる方法の具体的な一例を説明する。なお、コネクタ10の組立方法は、以下に記載の態様に限定されるものではない。
【0062】
先ず、各電線16における端末において絶縁被覆36を剥いで露出させた芯線34を各端子本体28の電線固着部32に固着するとともに、各端子本体28の後端部に各クリップばね30を取り付ける。これにより、各電線16の端末に各端子12が接続された状態とされる。そして、各電線16に各防水ゴム74を外挿して取り付ける。
【0063】
次に、各端子12および各防水ゴム74が組み付けられた各電線16を、各コネクタハウジング14の前方開口部39から挿入する。各端子12を所定位置まで挿入した後、各端子12が組み付けられた各コネクタハウジング14をシールドシェル20の前方開口部(電線引出口18)から挿入して、例えば凹凸嵌合により各コネクタハウジング14とシールドシェル20とを固定する。また、シールドシェル20の筒状部64に対して上方からフロントリテーナ66を組み付ける。これにより、
図5に示されるように、シールドシェル20における各電線引出口18から各電線16が外部(前方)へ引き出された状態とされる。なお、ボルト挿通孔72に対して締結ボルト70は、適切なタイミングで挿通される。
【0064】
続いて、
図5に示されるように、各電線16におけるシールドシェル20の各電線引出口18から前方へ引き出された部分において、各電線16を上下から挟むように上部リテーナ76と下部リテーナ78、すなわち上部リテーナ76と上下反転させたもう1つの上部リテーナ76を上下方向で対向させる。その後、一対の上部リテーナ76,76を上下方向で接近させて、各ロック爪部88と各ロック枠体90、および各弾性ロック枠体106と各ロック爪部108とを係合させる。これにより、各電線16において、シールドシェル20から前方に離隔した位置に、バックリテーナ24が装着される。
【0065】
次に、各電線16に装着されたバックリテーナ24をシールドシェル20に向かって前方へ移動させる。これにより、バックリテーナ24において後方に突出する各弾性ロック片96が、シールドシェル20の電線引出口18において前方に開口する各ロック片収容部60へ挿し入れられて、各ロック片収容部60に対して各弾性ロック片96が収容される。そして、各弾性ロック片96の弾性変形を伴いつつ、各弾性ロック片96が各ロック片収容部60の底面に設けられた各ロック突起62を乗り越えることで、各弾性ロック片96の各嵌合穴98に各ロック突起62が嵌め入れられて係合される。
【0066】
また、何れもシールドシェル20の電線引出口18において前方に開口する各第1被係合部56および各第2被係合部58に対して、それぞれ各第1係合部116および各第2係合部120を挿し入れる。これにより、各第1係合部116における各潰しリブ114および各第2係合部120における各潰しリブ118が、それぞれ各第1被係合部56および各第2被係合部58により潰されるように圧縮変形させられることで、各第1係合部116および各第2係合部120が、それぞれ各第1被係合部56および各第2被係合部58に対して圧接される。この結果、シールドシェル20の電線引出口18に対してバックリテーナ24が嵌合して、コネクタ10が完成する。
【0067】
上記のような構造とされた実施形態1のコネクタ10によれば、シールドシェル20の電線引出口18における複数の被係合部54(第1被係合部56および第2被係合部58)に対して、バックリテーナ24における各潰しリブ114を有する第1係合部116と各潰しリブ118を有する第2係合部120とが嵌め入れられるようになっている。特に、各潰しリブ114,118が各第1被係合部56や各第2被係合部58に対して潰されるように変形することで、各第1係合部116や各第2係合部120が各第1被係合部56および各第2被係合部58に対して圧接されることから、シールドシェル20とバックリテーナ24とのガタツキが防止される。これにより、外部から入力される振動等の外力が各電線16に及ぼされて、例えば各電線16が上下方向や左右方向に振れる場合でも、シールドシェル20に対してバックリテーナ24が変位して外力が各電線16に接続された各端子12にまで及ぼされてしまうことが防止される。
【0068】
特に、各第1係合部116および各第1被係合部56が第2方向(左右方向)の両側に設けられているとともに、各第2係合部120および各第2被係合部58が第1方向(上下方向)の両側に設けられている。これにより、電線引出口18における周方向において、各第1係合部116および各第1被係合部56と各第2係合部120および各第2被係合部58とを左右方向および上下方向で対称的に配置することができて、シールドシェル20に対するバックリテーナ24の変位を一層抑制することができる。
【0069】
バックリテーナ24における各電線押圧凸部86が、各電線16における絶縁被覆36を径方向内方に押圧することで、各電線16が各電線挿通筒部22に対して圧接状態で挿通されて保持されている。これにより、バックリテーナ24に対する各電線16の変位量を小さく抑えることができる。特に、実施形態1では、各電線挿通筒部22において周方向で離隔して配置された複数の各電線押圧凸部86が軸方向でも離隔して配置されており、各電線16における回転方向の変位(捻回)についても変位量を効果的に抑制することができる。
【0070】
バックリテーナ24が各弾性ロック片96を有しているとともにシールドシェル20が各ロック突起62を有しており、各弾性ロック片96に各ロック突起62が嵌め入れられることで、バックリテーナ24がシールドシェル20の電線引出口18に嵌合されるようになっている。これにより、各弾性ロック片96と各ロック突起62という簡単な構造をもってシールドシェル20に対するバックリテーナ24の組付けを実現することができる。特に、シールドシェル20には、外周面に開口して各弾性ロック片96を収容する各ロック片収容部60が設けられていることから、各ロック片収容部60からの各弾性ロック片96の突出量を小さく、または0にすることができる。これにより、バックリテーナ24およびシールドシェル20、ひいてはコネクタ10のサイズを小さくすることができる。また、各弾性ロック片96と各ロック突起62との係合が意図せず解除されてバックリテーナ24がシールドシェル20から脱落するおそれも低減され得る。
【0071】
特に、各弾性ロック片96が収容される各ロック片収容部60の底部において各第2被係合部58が設けられているとともに、各弾性ロック片96の基端側(前方側)には、各第2被係合部58に圧入される各第2係合部120が設けられている。すなわち、シールドシェル20における上方壁部40および下方壁部42において、各ロック片収容部60と各第2被係合部58とは上下方向で連続的に設けられており、例えば各ロック片収容部と各第2被係合部とを電線引出口の周方向において異なる位置に設ける場合に比べて、シールドシェル20が大型化することを回避することができる。同様に、各弾性ロック片96と各第2係合部120とをバックリテーナ24における装着筒部93の周方向で同じ位置に設けることができて、バックリテーナ24の大型化も回避することができる。
【0072】
シールドシェル20に対するバックリテーナ24の嵌合状態で、各第1係合部116が電線引出口18の外周側に突出することなく各第1被係合部56に収容されている。これにより、他部材や作業者の接触等により、各第1被係合部56から各第1係合部116が意図せず脱落することが防止され得る。
【0073】
<変形例>
以上、本開示の具体例として、実施形態について詳述したが、本開示はこの具体的な記載によって限定されない。本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。例えば次のような実施形態の変形例も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0074】
(1)前記実施形態における端子12の形状は単なる例示であり、限定されるものではない。すなわち、前記実施形態では、端子12がピン状の相手側端子が挿入される筒状接続部26を有していたが、この態様に限定されない。相手側端子は、例えば国際公開2021/145197号に記載のように平タブ状であってもよいし、その場合、端子は、略矩形の端子挿通隙間を有していればよい。
【0075】
(2)前記実施形態では、複数の第1被係合部56および第2被係合部58が設けられているとともに、これら複数の第1被係合部56および第2被係合部58に対応して、複数の第1係合部116および第2係合部120が設けられていたが、この態様に限定されるものではない。すなわち、本開示に係るコネクタでは、複数の被係合部と、当該被係合部に係合される第1係合部と第2係合部が設けられていればよく、例えば2つの被係合部と、それぞれ1つずつ第1係合部と第2係合部が設けられるだけでもよい。このような態様であっても、第1係合部において第1方向(前記実施形態では上下方向)の両側に設けられた潰しリブにより第1方向のガタツキが抑制されるとともに、第2係合部において第2方向(前記実施形態では左右方向)の両側に設けられた潰しリブにより第2方向のガタツキが抑制される。それゆえ、シールドシェルに対するバックリテーナの相互に直交する2方向での変位が抑制され得る。なお、第1係合部や第2係合部の数は限定されるものではなく、それぞれ少なくとも1つ以上が設けられればよい。
【0076】
(3)前記実施形態では、シールドシェル20における電線引出口18の外周面に各ロック片収容部60が設けられて、各ロック片収容部60の底面に各ロック突起62が設けられていたが、この態様に限定されるものではない。すなわち、本開示に係るコネクタにおいて、ロック片収容部は設けられなくてもよい。例えば、ロック突起はシールドシェルにおける電線引出口の外周面から外周側に突出していてもよく、その場合、各弾性ロック片は、シールドシェルにおける電線引出口の外周面に重ね合わされて配置される。
【0077】
(4)前記実施形態では、各第2係合部120が各弾性ロック片96の基端側(前方側)に設けられていたが、第2係合部に代えて、または加えて、第1係合部が弾性ロック片の基端側に設けられていてもよい。すなわち、前記実施形態では、バックリテーナ24の上下方向両側に各弾性ロック片96が設けられていたが、バックリテーナの左右方向一方または両側に弾性ロック片が設けられて、シールドシェルの左右方向一方または両側に設けられたロック突起と係合するようになっていてもよい。なお、本開示に係るコネクタにおいて、弾性ロック片は必須なものではない。
【0078】
(5)前記実施形態では、バックリテーナ24が相互に同形状とされた上部リテーナ76と下部リテーナ78(一対の上部リテーナ76,76)とから構成されていたが、上部リテーナと下部リテーナとは異なる形状であってもよい。なお、上部リテーナと下部リテーナとは一体として形成されてもよい。例えば、上部リテーナと下部リテーナとの周方向一方の端部にヒンジ部を設けて上部リテーナと下部リテーナとを開閉可能とし、電線を挟み込んだ後、上部リテーナと下部リテーナとの周方向他方の端部に設けたロック機構等により、上部リテーナと下部リテーナとが相互に固定されるようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10 コネクタ
12 端子
14 コネクタハウジング
16 電線
18 電線引出口
20 シールドシェル
22 電線挿通筒部
24 バックリテーナ
26 筒状接続部
28 端子本体
30 クリップばね
32 電線固着部
34 芯線
36 絶縁被覆
38 端子収容部
39 前方開口部
40 上方壁部
42 下方壁部
44 左方壁部
46 右方壁部
48 後方壁部
50 仕切部
52 筒状端部
54 被係合部
56 第1被係合部
58 第2被係合部
60 ロック片収容部
62 ロック突起
64 筒状部
66 フロントリテーナ
68 貫通孔
70 締結ボルト
72 ボルト挿通孔
73 固定部材
74 防水ゴム
76 上部リテーナ
78 下部リテーナ
80 分割筒部
80a 第1分割筒部
80b 第2分割筒部
82 隙間
84 連結部
86 電線押圧凸部
88 ロック爪部
90 ロック枠体
92 ベース部
93 装着筒部
94 リブ
96 弾性ロック片
98 嵌合穴
100 後方突出部
102 接続部
104 下方延出部
106 弾性ロック枠体
108 ロック爪部
110 下方突出部
112 接続部
114 潰しリブ
116 第1係合部
118 潰しリブ
120 第2係合部
122 縦壁部
124 連結壁部
126 貫通孔