(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086452
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】組織採取デバイスおよび組織採取方法
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
A61B10/02 110H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201585
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【弁理士】
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】西岡 美玖
(57)【要約】
【課題】適切な量の組織を効率よく採取できる組織採取デバイスおよび組織採取方法を提供する。
【解決手段】組織採取デバイス10は、変形可能であって、鋭利な刃先33および刃先33から縁部に沿って両方向へ延びる刃部34を備える板状の切断部30と、切断部30を巻いた状態で格納可能であり、切断部30を突出させる開口部26が形成され、生体に刺さる穿刺方向Xへ突出する針状の筐体20と、外部へ露出する持ち手42を備え、切断部30に連結されて切断部30を格納部23の内部で回転させる操作部40と、を有し、切断部30は、筐体20に格納された第1状態から回転することで開口部26から突出して筐体20を巻いて囲む第2状態に変形可能であり、第2状態において、切断部30の穿刺方向X側に配置される縁部が筐体20の外表面に接触し、切断部30の穿刺方向Xと反対側に配置される縁部が筐体20の外表面から離れる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形可能であって、鋭利な刃先および前記刃先から縁部に沿って両方向へ延びる刃部を備える板状の切断部と、
前記切断部を巻いた状態で格納可能であり、前記切断部を突出させる開口部が形成され、生体に刺さる穿刺方向へ突出する針状の筐体と、
外部へ露出する持ち手を備え、前記切断部に連結されて前記切断部を前記格納部の内部で回転させる操作部と、を有し、
前記切断部は、前記筐体に格納された第1状態から回転することで前記開口部から突出して前記筐体を巻いて囲む第2状態に変形可能であり、
前記第2状態において、前記切断部の穿刺方向側に配置される縁部が前記筐体の外表面に接触し、前記切断部の前記穿刺方向と反対側に配置される縁部が前記筐体の外表面から離れる、組織採取デバイス。
【請求項2】
前記筐体は、外表面に、前記切断部により切り出される切断対象物の量を示す目盛を有する請求項1に記載の組織採取デバイス。
【請求項3】
前記筐体の前記穿刺方向側の部位は、前記穿刺方向へ向かって縮径する円錐形状である請求項1または2に記載の組織採取デバイス。
【請求項4】
変形可能であって、鋭利な刃先および前記刃先から縁部に沿って両方向へ延びる刃部を備える板状の切断部と、
前記切断部を巻いた状態で格納可能であり、前記切断部を突出させる開口部が形成され、生体に刺さる穿刺方向へ突出する針状の筐体と、
外部へ露出する持ち手を備え、前記切断部に連結されて前記切断部を前記格納部の内部で回転させる操作部と、を有する組織採取デバイスにより、生体から組織を採取する組織採取方法であって、
前記切断部が前記筐体に格納された第1状態で前記筐体を生体に刺し、
前記持ち手を操作して前記切断部を回転させて前記開口部から突出させ、前記刃先および前記刃部により組織を切断しつつ、前記筐体を巻いて囲むように前記切断部を変形させて、前記切断部の穿刺方向側に配置される縁部を前記筐体の外表面に接触させ、前記切断部の前記穿刺方向と反対側に配置される縁部を前記筐体の外表面から離して組織を切り出す、組織採取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織の細胞の採取に利用される組織採取デバイスおよび組織採取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患による心不全の改善のために、患者自身から筋肉組織を採取して培養した細胞をシート状に形成した医療用シートを作成し、患者の心臓等の患部に移植することが行われている。特許文献1には、回転可能なスクリュー部の先端にカッター部が設けられて、スクリュー部を回転させることでカッター部により組織を剥離させて採取するデバイスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療用シートのために組織を採取する際には、通常、2~10gを目安に組織を採取するが、目視で組織の量を予測することは困難である。採取した組織の量が多すぎる場合、余剰組織が生じ、余剰組織を筋分離作業に使用せずに廃棄する必要が生じる。採取した組織の量が少なすぎる場合、医療用シートを作成するために必要な量の細胞を取得できない可能性がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、適切な量の組織を効率よく採取できる組織採取デバイスおよび組織採取方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、下記(1)に記載の発明により達成される。
【0007】
(1) 本発明に係る組織採取デバイスは、変形可能であって、鋭利な刃先および前記刃先から縁部に沿って両方向へ延びる刃部を備える板状の切断部と、前記切断部を巻いた状態で格納可能であり、前記切断部を突出させる開口部が形成され、生体に刺さる穿刺方向へ突出する針状の筐体と、外部へ露出する持ち手を備え、前記切断部に連結されて前記切断部を前記格納部の内部で回転させる操作部と、を有し、前記切断部は、前記筐体に格納された第1状態から回転することで前記開口部から突出して前記筐体を巻いて囲む第2状態に変形可能であり、前記第2状態において、前記切断部の穿刺方向側に配置される縁部が前記筐体の外表面に接触し、前記切断部の前記穿刺方向と反対側に配置される縁部が前記筐体の外表面から離れる。
【発明の効果】
【0008】
上記(1)に記載の組織採取デバイスは、筐体を組織に刺して操作部を回転させることで、切断部により切断部と筐体との間の組織を生体から分離するように切断し、適切な量の組織を効率よく採取できる。
【0009】
(2) 上記(1)に記載の組織採取デバイスにおいて、前記筐体は、外表面に、前記切断部により切り出される切断対象物の量を示す目盛を有してもよい。これにより、組織採取デバイスは、針状の筐体を刺される生体の表面を目盛と比較することで、適切な量の組織を生体から正確かつ容易に採取できる。
【0010】
(3) 上記(1)または(2)に記載の組織採取デバイスにおいて、前記筐体の前記穿刺方向側の部位は、前記穿刺方向へ向かって縮径する円錐形状であってもよい。これにより、組織採取デバイスは、小さな抵抗で円滑に生体に刺さることができ、かつ切断部により切り出される組織の量を正確に設定できる。
【0011】
(4) 本発明に係る組織採取方法は、変形可能であって、鋭利な刃先および前記刃先から縁部に沿って両方向へ延びる刃部を備える板状の切断部と、前記切断部を巻いた状態で格納可能であり、前記切断部を突出させる開口部が形成され、生体に刺さる穿刺方向へ突出する針状の筐体と、外部へ露出する持ち手を備え、前記切断部に連結されて前記切断部を前記格納部の内部で回転させる操作部と、を有する組織採取デバイスにより、生体から組織を採取する組織採取方法であって、前記切断部が前記筐体に格納された第1状態で前記筐体を生体に刺し、前記持ち手を操作して前記切断部を回転させて前記開口部から突出させ、前記刃先および前記刃部により組織を切断しつつ、巻きながら前記筐体を囲むように前記切断部を変形させて、前記切断部の穿刺方向側に配置される縁部を前記筐体の外表面に接触させ、前記切断部の前記穿刺方向と反対側に配置される縁部を前記筐体の外表面から離して組織を切り出す。これにより、本組織採取方法は、筐体を組織に刺して操作部を回転させることで、切断部により切断部と筐体との間の組織を生体から分離するように切断し、適切な量の組織を効率よく採取できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る組織採取デバイスを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は筐体を透過して示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る組織採取デバイスを示す断面図である。
【
図3】切断部を平面に展開した平面図であり、(A)は本実施形態の切断部、(B)は変形例の切断部を示す。
【
図4】本実施形態に係る組織採取デバイスを示す斜視図であり、(A)は切断部の一部を筐体の開口部から突出させた状態、(B)は組織の切断が完了するまで切断部を筐体の開口部から突出させた状態を示す。
【
図5】本実施形態に係る組織採取デバイスの使用状態を示す断面図であり、(A)は穿刺部を生体に刺した状態、(B)は切断部により組織を生体から切断した状態、(C)は切断した組織とともに組織採取デバイスを生体から引き抜いた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
【0014】
図1および2に示す本実施形態に係る組織採取デバイス10は、患者の生体に刺して、組織(主に筋肉組織)を生体から切り取るためのデバイスである。切り取られた組織は、医療用シートを作成するために培養する細胞を取り出すために使用される。なお、切り取られた組織の用途は、これに限定されない。
【0015】
組織採取デバイス10は、組織を切断するための平板状の切断部30と、切断部30を格納する筐体20と、切断部30を操作するための操作部40とを有する。
【0016】
筐体20は、生体に刺さる際に移動する方向である穿刺方向Xへ突出する針状の穿刺部21と、穿刺方向Xの反対側に配置される基部22とを有する。穿刺部21は、穿刺方向Xへ外径が縮径する円錐形状であり、基部22は、円柱形状である。穿刺部21は、穿刺方向Xへ突出する針先28を有する。基部22の円柱の外径は、穿刺部21の円錐の最大外径と等しい。
【0017】
筐体20の内部には、巻かれた切断部30を格納する中空の格納部23と、格納部23から穿刺方向Xの反対側へ向かって基部22を貫通する中空の第1回転支持部24と、格納部23から穿刺方向Xへ延びる中空の第2回転支持部25と、格納部23から筐体20の外表面へ貫通する開口部26とが形成される。第1回転支持部24および第2回転支持部25には、後述する操作部40の回転軸41が、回転可能に保持される。開口部26は、格納部23の内部の切断部30を外部へ突出させる部位である。開口部26は、穿刺部21の外表面の穿刺方向X側の端部に近い位置から、穿刺部21の基部22に近い位置までスリット状に形成される。
【0018】
また、筐体20の外表面には、穿刺方向Xに沿って少なくとも1つの目盛27が表示される。目盛27は、筐体20を生体に刺した際に生体の表面と比較されることで、切り取られる組織の量(重量または体積)を示すことができる。目盛27は、穿刺部21および基部22の少なくとも一方の外表面に表示される。
【0019】
筐体20の材料は、特に限定されないが、例えば樹脂または金属で形成することができ、生体適合性の高い樹脂などが好ましい。
【0020】
切断部30は、
図3(A)に示すように、反対方向を向く略平行な2つの側面37を有する平板状であり、平板の縁部に配置されて格納部23の内部で回転軸41に固定される固定部31と、開口部26から外部へ突出可能な突出部32とを有する。切断部30の突出部32を含む範囲の縁部には、鋭利な刃先33と、刃先33から縁部に沿って両側に延びる刃部34とが形成される。刃部34は、穿刺方向Xの反対側へ延びる第1刃部35と、穿刺方向X側へ延びる第2刃部36とを有する。第1刃部35は、固定部31の穿刺方向Xと反対側の部位へ向かって延び、第2刃部36は、固定部31の穿刺方向X側の部位へ向かって延びる。
【0021】
切断部30は、巻いた第1状態で格納部23に格納される。切断部30は、形状付けられており、刃先33および刃部34の少なくとも一部を含む部位が開口部26から外部へ突出することで、
図4に示すように、螺旋を描きつつ、穿刺方向Xと反対側へ開く略カップ形状の第2状態となることができる。すなわち、第2状態において、略カップ形状となる切断部30の外径は、穿刺方向Xへ向かって減少する。第2状態において、第2刃部36の少なくとも一部は、略カップ形状となる切断部30の穿刺方向X側の縁部を形成し、筐体20の外表面に接触する。さらに、第2状態において、第1刃部35の少なくとも一部は、略カップ形状となる切断部30の穿刺方向Xと反対側の縁部を形成し、筐体20の外表面から径方向外側(筐体の中心軸から放射方向へ離れる側)へ離れて配置される。なお、切断部30は、上述した第1状態および第2状態となることができれば、その形状は限定されない。例えば、切断部30を平面上に展開した形状は、
図3(B)に示す変形例のように、扇形状であってもよい。
【0022】
切断部30の材料は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼(SUS)などの金属である。
【0023】
操作部40は、
図1および2に示すように、前述の回転軸41と、回転軸41の穿刺方向Xと反対側の端部に固定された持ち手42とを有する。回転軸41は、円柱形状であり、第1回転支持部24および第2回転支持部25に回転可能に支持される。なお、回転軸41は、第1回転支持部24または第2回転支持部25の一方にのみ回転可能に支持されてもよい。この場合、回転軸41を支持しない第1回転支持部24または第2回転支持部25は、筐体20に設けられなくてもよい。持ち手42は、回転軸41の穿刺方向Xと反対側の端部に、T字を形成するように回転軸41と垂直に連結される。なお、持ち手42の形状は、使用者が回転軸41を回転させるように操作可能であれば、特に限定されない。
【0024】
操作部40の材料は、特に限定されないが、例えば樹脂または金属である。
【0025】
次に、本実施形態に係る組織採取デバイス10の使用方法を説明する。
【0026】
初めに、使用者は、
図1および5(A)に示すように、切断部30を筐体20に格納した第1状態の組織採取デバイス10を準備し、穿刺部21を針先28から生体に刺す。使用者は、筐体20の外表面の目盛27を確認しつつ、生体の表面が採取予定の量の目盛27と一致するまで、穿刺部21を生体に刺して押し込む。
【0027】
使用者は、穿刺部21を組織Tの望ましい位置まで刺した後に、基部22を回転しないように指等で保持しつつ、操作部40の持ち手42を指等で回転させる。これにより、第1回転支持部24および第2回転支持部25により回転可能に支持された操作部40の回転軸41が格納部23の内部で回転し、
図4(A)に示すように、回転軸41に固定された切断部30が、筐体20の開口部26から外部へ突出する。開口部26から外部へ突出した刃先33および刃部34は、生体の組織Tを切断する。回転しながら開口部26から突出する切断部30は、最終的に、
図4(B)および5(B)に示すように、筐体20の外側を螺旋状に巻いて囲む第2状態に変形する。第2状態となった切断部30は、穿刺方向X側が小径で、穿刺方向Xと反対側が大径の略カップ状となる。第2状態において、切断部30の穿刺方向X側に配置される窄まった縁部は、筐体20の外表面に接触する。なお、本実施形態では、切断部30の穿刺方向X側に配置される窄まった縁部は、第2刃部36により形成される。そして、切断部30の穿刺方向Xと反対側に配置される広がった縁部は、筐体20の外表面から離れた状態となる。なお、本実施形態では、切断部30の穿刺方向X側と反対側に配置される広がった縁部は、第1刃部35により形成される。また、第2状態において、カップ状の切断部30の径方向外側の縁部に位置する刃先33および刃部34、すなわち螺旋の最も外側の縁部は、その径方向内側の切断部30の側面37に接触する。これにより、切断部30および筐体20の外表面の間に挟まれる組織Tは、生体から分離される。
【0028】
次に、使用者は、
図5(C)に示すように、操作部40および/または基部22を把持して生体から離すように移動させて、組織採取デバイス10を生体から引き抜く。切断部30および筐体20の外表面の間に挟まれた組織Tは、生体から分離されているため、使用者は、組織採取デバイス10を生体から容易に引き抜くことができる。この後、使用者は、切断部30および筐体20の外表面の間から、切り出した組織Tをピンセット等でつまんで引き出す。引き出された組織Tは、
図6に示すように、内径および外径が穿刺方向Xへ向かって減少する円筒状であり、内周面から外周面へ貫通するスリット部Sが形成されて、周方向に非連続である。
【0029】
以上のように、本実施形態に係る組織採取デバイス10は、変形可能であって、鋭利な刃先33および刃先33から縁部に沿って両方向へ延びる刃部34を備える板状の切断部30と、切断部30を巻いた状態で格納可能であり、切断部30を突出させる開口部26が形成され、生体に刺さる穿刺方向Xへ突出する針状の筐体20と、外部へ露出する持ち手42を備え、切断部30に連結されて切断部30を格納部23の内部で回転させる操作部40と、を有し、切断部30は、筐体20に格納された第1状態から回転することで開口部26から突出して筐体20を巻いて囲む第2状態に変形可能であり、第2状態において、切断部30の穿刺方向X側に配置される縁部が筐体20の外表面に接触し、切断部30の穿刺方向Xと反対側に配置される縁部が筐体20の外表面から離れる。これにより、組織採取デバイス10は、筐体20を組織Tに刺して操作部40を回転させることで、切断部30により切断部30と筐体20との間の組織Tを生体から分離するように切断し、適切な量の組織Tを効率よく採取できる。このため、使用者は、経験に依存せずに、適切な量の組織Tを効率よく採取できる。したがって、現在実施されている筋生検の方法と相違ない状態の組織Tを採取できる。
【0030】
筐体20は、外表面に、切断部30により切り出される切断対象物の量を示す目盛27を有する。これにより、組織採取デバイス10は、針状の筐体20を刺される生体の表面を目盛27と比較することで、適切な量の組織Tを生体から正確かつ容易に採取できる。
【0031】
筐体20の穿刺方向X側の部位は、穿刺方向Xへ向かって縮径する円錐形状である。これにより、組織採取デバイス10は、小さな抵抗で円滑円滑に生体に刺さることができ、かつ切断部30により切り出される組織Tの量を正確に設定できる。
【0032】
また、本実施形態における組織採取方法は、変形可能であって、鋭利な刃先33および刃先33から縁部に沿って両方向へ延びる刃部34を備える板状の切断部30と、切断部30を巻いた状態で格納可能であり、切断部30を突出させる開口部26が形成され、生体に刺さる穿刺方向Xへ突出する針状の筐体20と、外部へ露出する持ち手42を備え、切断部30に連結されて切断部30を格納部23の内部で回転させる操作部40と、を有する組織採取デバイス10により、生体から組織Tを採取する組織採取方法であって、切断部30が筐体20に格納された第1状態で筐体20を生体に刺し、持ち手42を操作して切断部30を回転させて開口部26から突出させ、刃先33および刃部34により組織Tを切断しつつ、巻きながら筐体20を囲むように切断部30を変形させて、切断部30の穿刺方向X側に配置される縁部を筐体20の外表面に接触させ、切断部30の穿刺方向Xと反対側に配置される縁部を筐体20の外表面から離して組織Tを切り出す。これにより、本組織採取方法は、筐体20を組織Tに刺して操作部40を回転させることで、切断部30により適切な量の組織Tを生体から分離するように切断し、効率よく採取できる。
【0033】
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、組織採取デバイス10は、目盛27を有さなくてもよい。また、穿刺部21の形状は、円錐形状に限定されず、基部22の形状は、円柱形状に限定されない。
【符号の説明】
【0034】
10 組織採取デバイス
20 筐体
21 穿刺部
22 基部
23 格納部
26 開口部
27 目盛
30 切断部
31 固定部
32 突出部
33 刃先
34 刃部
35 第1刃部
36 第2刃部
40 操作部
41 回転軸
42 持ち手
T 組織
X 穿刺方向