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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086478
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/03 20190101AFI20240620BHJP
   F24F 1/029 20190101ALI20240620BHJP
   B62B 5/00 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
F24F1/03
F24F1/029
B62B5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201622
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】504027657
【氏名又は名称】株式会社イーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(72)【発明者】
【氏名】黒川 和哉
【テーマコード(参考)】
3D050
3L050
【Fターム(参考)】
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050GG01
3D050KK02
3L050BA10
(57)【要約】
【課題】利用側ユニットと熱源側ユニットとの相対位置を容易に変更でき、移動、設置が容易で、空調用の空気を効率良く送ることができる空気調和装置を提供する。
【解決手段】利用側ユニット10と、利用側ユニット10に冷媒配管28を介して接続された熱源側ユニット20と、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20が載置された移動可能な架台30と、を具備し、架台30は、利用側ユニット10が載置された利用側架台31と、熱源側ユニット20が載置された熱源側架台37と、を有し、利用側架台31と熱源側架台37とは、ヒンジ部43を介して水平回動自在に連結されている。これにより、ヒンジ部43を中心とした水平回動によって利用側ユニット10と熱源側ユニット20の相対位置を容易に変更することができる。よって、移動、設置が容易になると共に、冷却または加熱された空気を空調対象に向かって効率良く送ることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用側熱交換器及び利用側送風ファンが設けられた利用側ユニットと、
熱源側熱交換器及び熱源側送風ファンが設けられ前記利用側ユニットに冷媒配管を介して接続された熱源側ユニットと、
前記利用側ユニット及び前記熱源側ユニットが載置された移動可能な架台と、を具備し、
前記架台は、前記利用側ユニットが載置された利用側架台と、前記熱源側ユニットが載置された熱源側架台と、を有し、
前記利用側架台と前記熱源側架台とは、ヒンジ部を介して水平回動自在に連結されていることを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
前記架台には、前記利用側架台と前記熱源側架台とを取り外し可能に連結する固定部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記利用側架台及び前記熱源側架台は、それぞれ上面視方形状に形成されており、
前記ヒンジ部は、前記利用側架台の四隅部の一つと前記熱源側架台の四隅部の一つとを連結するよう設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記利用側架台及び前記熱源側架台は、それぞれ上面視方形状に形成されており、
前記ヒンジ部は、前記利用側架台の四隅部の一つと前記熱源側架台の四隅部の一つとを連結するよう設けられていることを特徴とする請求項2に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記固定部は、前記利用側架台と前記熱源側架台の対向する辺部の前記ヒンジ部が設けられていない隅部近傍を連結するよう設けられていることを特徴とする請求項4に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記利用側架台及び前記熱源側架台は、それぞれ上面視矩形状に形成されており、
前記ヒンジ部は、前記利用側架台及び前記熱源側架台の互いの長辺部が対向する位置から互いの短辺部が対向する位置まで前記利用側架台及び前記熱源側架台が回動自在となるよう設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項7】
前記利用側ユニットと前記熱源側ユニットは、前記利用側架台と前記熱源側架台の辺部が対向する状態において、前記利用側熱交換器で冷却または加熱され前記利用側送風ファンで送り出される空気と、前記熱源側熱交換器で加熱または冷却され前記熱源側送風ファンで送られる空気と、が逆方向に吹き出されるよう配置されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項8】
前記冷媒配管は、前記ヒンジ部を経由して前記利用側ユニットと前記熱源側ユニットとを接続していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置に関し、特に、利用側ユニットと熱源側ユニットが一体的に設けられた移動可能な空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍サイクルを利用する空気調和装置であって、移動自在な一つの架台上に利用側ユニットと熱源側ユニットが設けられた移動式の空気調和装置が知られている。
この種の空気調和装置は、通常の空気調和機を設置することが難しい大空間、例えば、工場、作業場、倉庫、体育館等において、作業者等の近傍に冷風や温風を送って作業空間等を効率良く冷房または暖房するスポット空調等に利用される。
【0003】
例えば、特許文献1には、利用側ハウジング内に利用側熱交換器及び利用側ファンが設けられた利用側ユニットと、熱源側ハウジング内に熱源側熱交換器、熱源側ファン及び圧縮機が設けられた熱源側ユニットと、を具備し、利用側ユニット及び熱源側ユニットが一つの移動可能な架台上に設置された一体型移動式の空気調和装置が開示されている。
【0004】
また例えば、特許文献2には、車輪を有する移動可能な架台を有し、当該架台上に室外ユニット、第1の室内ユニット及び第2の室内ユニットが載置された移動式の空気調和装置が開示されている。
【0005】
また例えば、特許文献3には、室外機と室内機とから構成される空調ユニットを載置する空調機用移動式架台が開示されている。同文献に開示された空調機用移動式架台は、鋼製角パイプを矩形に組んだベース枠と、ベース枠の四隅の底面側に取り付けられた鋼製プレートと、鋼製プレートの底面側に取り付けられたキャスタと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-130230号公報
【特許文献1】特開2022-70380号公報
【特許文献2】実用新案登録第3223446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来技術の移動式の空気調和装置では、空気調和装置の移動、設置を容易にすると共に、空調対象空間へ好適な送風を可能として冷房や暖房の効率を高めるために改善すべき点があった。
【0008】
具体的には、上記した従来技術の移動式の空調調和装置は、利用側ユニットと熱源側ユニットが一つの架台上に載置されているので、幅の狭い通路や出入口等を通過する移動が容易ではなかった。例えば、通路等の幅が架台の横幅よりも狭い場合には、空気調和装置は通路等を通過することができない。また、通路等の幅が架台の横幅より広くても、架台の横幅に近い場合には、空気調和装置の移動は容易ではない。
【0009】
また、従来技術の空気調和装置では、利用側ユニットと熱源側ユニットとの相対位置を変更することが容易ではない。そのため、空調対象に対して好適な方向に冷風または温風を効率良く送ることが難しいことがあった。
【0010】
例えば、空調対象空間が狭い場合等において、空気調和装置を室内の壁等の近くや角部等の近くに設置しなければならないことがある。そのような場合、熱源側ユニットから吹き出される排熱空気が、利用側ユニットに吸い込まれる空気や利用側ユニットから吹き出される空気に混合して、冷房、暖房の効率を低下させることがある。
【0011】
従来技術の空気調和装置では、一つの架台上に利用側ユニットと熱源側ユニットが載置されているので、空調対象空間に応じて利用側ユニット及び熱源側ユニットの風向をそれぞれ好適な向きとなるよう調整することは容易ではない。即ち、空調対象空間に応じて風向を好適に調整するためには、別途、ダクトや風向ガイド板等の風向調整手段が必要である。また、空調対象空間が狭く、空気調和装置を壁等の近くに設置しなければならない場合には、ダクト等の風向調整手段を設けることができない場合もある。
【0012】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、利用側ユニットと熱源側ユニットとの相対位置を容易に変更でき、移動、設置が容易であると共に、冷却または加熱された空気を空調対象に効率良く送ることができる空気調和装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の空気調和装置は、利用側熱交換器及び利用側送風ファンが設けられた利用側ユニットと、熱源側熱交換器及び熱源側送風ファンが設けられ前記利用側ユニットに冷媒配管を介して接続された熱源側ユニットと、前記利用側ユニット及び前記熱源側ユニットが載置された移動可能な架台と、を具備し、前記架台は、前記利用側ユニットが載置された利用側架台と、前記熱源側ユニットが載置された熱源側架台と、を有し、前記利用側架台と前記熱源側架台とは、ヒンジ部を介して水平回動自在に連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の空気調和装置は、利用側ユニットと、前記利用側ユニットに冷媒配管を介して接続された熱源側ユニットと、前記利用側ユニット及び熱源側ユニットが載置された移動可能な架台と、を具備し、前記架台は、前記利用側ユニットが載置された利用側架台と、前記熱源側ユニットが載置された熱源側架台と、を有し、前記利用側架台と前記熱源側架台とは、ヒンジ部を介して水平回動自在に連結されている。このような構成により、ヒンジ部を介して利用側架台と熱源側架台とを水平回動させ、例えば、架台全体の横幅を狭くする等、架台全体の長さ及び幅を容易に変更することができる。よって、幅の狭い通路、出入口、曲がりのある通路等であっても、空気調和装置を容易に通過させることができる。また、ヒンジ部を介して利用側架台と熱源側架台を水平回動させることにより、利用側ユニットと熱源側ユニットとの相対位置を容易に変更することができる。これにより、空調対象空間に応じて、利用側ユニットと熱源側ユニットの設置位置関係を調整し、利用側ユニット及び熱源側ユニットから吹き出される冷却または加熱された空気の向きを好適に調整することができる。よって、高効率な空気調和を行うことができる。
【0015】
また、本発明の空気調和装置によれば、前記架台には、前記利用側架台と前記熱源側架台とを取り外し可能に連結する固定部が設けられている。これにより、固定部によって、利用側架台と熱源側架台とを所定の相対位置関係で固定し、ヒンジ部を介した利用側架台と熱源側架台の水平回動を抑え、利用側架台と熱源側架台とを所定の相対位置関係で固定することができる。よって、例えば、空気調和装置を搬送する際、固定部で利用側架台と熱源側架台とを所定の相対位置関係で固定し、利用側架台と熱源側架台の相対的な水平回動がない安定した移動を行うことができる。また、例えば、空調運転を行う際に、固定部で利用側架台と前記熱源側架台とを固定することにより、利用側架台と熱源側架台の相対的な水平回動が抑えられ、送風方向の変化がない安定した高効率な空調運転を行うことができる。
【0016】
また、本発明の空気調和装置によれば、前記利用側架台及び前記熱源側架台は、それぞれ上面視方形状に形成されており、前記ヒンジ部は、前記利用側架台の四隅部の一つと前記熱源側架台の四隅部の一つとを連結するよう設けられても良い。このような構成により、利用側架台及び熱源側架台は、ヒンジ部につながる一方の辺部が略平行に対向する状態から、他方の辺部が略平行に対向する状態まで、略180度水平回動して相対位置を変更することができる。よって、水平回動によって、狭所における移動、設置が容易になると共に、運転時における送風方向を好適に調整することができ、空調対象空間の状況に応じた高効率な空調運転を行うことができる。
【0017】
また、本発明の空気調和装置によれば、前記固定部は、前記利用側架台と前記熱源側架台の対向する辺部の前記ヒンジ部が設けられていない隅部近傍を連結するよう設けられても良い。これにより、対向する辺部の一方の端部近傍をヒンジ部で、他方の端部近傍を固定部で支持することができる。よって、水平回動を抑止し、前記利用側架台と前記熱源側架台とをしっかりと連結することができ、空気調和装置の搬送等を安全に効率良く行うことができる。
【0018】
また、本発明の空気調和装置によれば、前記利用側架台及び前記熱源側架台は、それぞれ上面視矩形状に形成されており、前記ヒンジ部は、前記利用側架台及び前記熱源側架台の互いの長辺部が対向する位置から互いの短辺部が対向する位置まで前記利用側架台及び前記熱源側架台が回動自在となるよう設けられても良い。このような構成により、互いの短辺部を対向させる状態により、空気調和装置の横幅を小さくすることができる。よって、空気調和装置は、狭所の移動が可能となる。また、空調対象空間が広くない場合であっても、利用側ユニット及び熱源側ユニットを室内の壁等に沿わせるように配置し、壁側から室内側に向かって効率良く冷風または温風を供給することができる。また例えば、2つの壁が約90度の角度で交差する凸状の角部等においても、利用側ユニットを一方の壁に、熱源側ユニットを他方に壁に沿わせるように配置して、利用側ユニット及び熱源側ユニットからそれぞれ好適な方向に空気を吹き出すことができる。また更に、空調対象空間となる建物の出入口等において、利用側ユニットを室内側に入れて室内の壁等に沿わせるよう配置し、熱源側ユニットを室外側に空気を吹き出すよう室外側に配置することも容易である。このような配置により、室内機と室外機を有する一般的なパッケージエアコン等のように、室外の空気を熱源とする高効率な冷暖房運転を行うことができる。
【0019】
また、本発明の空気調和装置によれば、前記利用側ユニットと前記熱源側ユニットは、前記利用側架台と前記熱源側架台の辺部が対向する状態において、前記利用側熱交換器で冷却または加熱され前記利用側送風ファンで送り出される空気と、前記熱源側熱交換器で加熱または冷却され前記熱源側送風ファンで送られる空気と、が逆方向に吹き出されるよう配置されても良い。これにより、熱源側ユニットから吹き出される排熱空気が、利用側ユニットに吸い込まれる空気及び熱源側ユニットから吹き出される空気に混合することを防止し、高効率な空調運転を行うことができる。
【0020】
また、本発明の空気調和装置によれば、前記冷媒配管は、前記ヒンジ部近傍を経由して前記利用側ユニットと前記熱源側ユニットとを接続しても良い。このような構成により、前記利用側ユニットと前記熱源側ユニットは、冷媒配管で接続された状態で、ヒンジ部を中心とした水平回動により相対位置を容易に変更することができる。よって、空気調和装置は、空調対象空間に応じた好適な送風を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す平面図である。
図3】本発明の実施形態に係る空気調和装置のヒンジ部の概略構成を示す分解側面図である。
図4】本発明の実施形態に係る空気調和装置の固定部の概略構成を示す分解斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る空気調和装置の使用状態の他の例を示す平面図である。
図6】本発明の実施形態に係る空気調和装置の使用状態の他の例を示す平面図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す平面図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る空気調和装置の使用状態の他の例を示す平面図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す平面図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る空気調和装置の使用状態の他の例を示す平面図である。
図11】本発明の他の実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る空気調和装置1を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空気調和装置1の概略構成を示す側面図である。図1に示すように、空気調和装置1は、利用側ユニット10と熱源側ユニット20が架台30の上に一体的に設けられた移動可能な強力スポットエアコンである。
【0023】
架台30は、利用側ユニット10が載置される利用側架台31と、熱源側ユニット20が載置される熱源側架台37と、から構成されている。詳細については後述するが、利用側架台31と熱源側架台37は、ヒンジ部43を介して連結されている。
【0024】
空気調和装置1は、冷房及び暖房の少なくとも一方が可能な装置であり、通常のパッケージエアコン等の空気調和機を設置することが難しい大空間の空気調和を行うことができる。空気調和装置1は、例えば、各種工場、作業場、倉庫及び体育館等の空気調和に利用されても良い。
【0025】
利用側ユニット10は、主として利用側の空気を冷却または加熱して空調対象に供給する装置である。利用側ユニット10は、一般的なパッケージエアコンの室内機に相当する構成を有する。
【0026】
具体的には、利用側ユニット10は、金属板材等から形成された略箱状の筐体であるハウジング11を有し、ハウジング11の内部に冷凍サイクルを構成する部品である利用側熱交換器12と利用側送風ファン13が設けられている。
【0027】
熱源側ユニット20は、主として空調対象外の空気に対して冷媒から放熱または吸熱する装置である。熱源側ユニット20は、一般的なパッケージエアコンの室外機に相当する構成を有する。
【0028】
具体的には、熱源側ユニット20は、金属板材等から形成された略箱状の筐体であるハウジング21を有し、ハウジング21の内部に冷凍サイクルを構成する部品である熱源側熱交換器22と熱源側送風ファン23が設けられている。
【0029】
利用側ユニット10の利用側熱交換器12は、冷媒配管28を介して熱源側ユニット20の熱源側熱交換器22に連結されている。詳しくは、利用側熱交換器12及び熱源側熱交換器22は、低圧の冷媒を圧縮して高圧にする図示しない圧縮機、高圧の冷媒を膨張させて低圧にする図示しない膨張弁、冷媒配管28及びその他の図示しない冷媒配管等を介して接続されており、蒸気圧縮式の冷凍サイクル回路を構成している。冷凍サイクルで用いられる冷媒は、例えば、HFC冷媒等である。
【0030】
利用側ユニット10のハウジング11には、空気を吸引する吸込口15と、空気を吹き出す吹出口16が形成されている。吸込口15の内側には、ハウジング11の外部から吸い込まれた空気と冷媒との間で熱交換を行う利用側熱交換器12が設けられている。これにより、例えば、冷房運転の際には、利用側熱交換器12が蒸発器となり、外部から吸い込まれた空気は、利用側熱交換器12内で蒸発する冷媒によって冷却される。
【0031】
吹出口16には、利用側熱交換器12と熱交換したハウジング11内の空気を外側に送る利用側送風ファン13が設けられている。利用側送風ファン13は、例えば、プロペラファン等であり、図示しないモータによって回転駆動される。
【0032】
吹出口16には、ファンガード14が設けられている。ファンガード14は、合成樹脂材料等から形成され、利用側送風ファン13の外周を囲む、例えば、略円筒状の形態を成す部材である。また、ファンガード14は、空気流通可能に、利用側送風ファン13の吹出側を覆っている。
【0033】
ファンガード14は、利用側送風ファン13によって送られる空気の流れ方向を調整する風向ガイドとして利用されても良い。即ち、ファンガード14の内部には、空気の流れを調整する図示しない可変式の風向調整板が設けられても良い。このような構成により、利用側熱交換器12で冷却または加熱された空気を空調対象空間に向けて効率良く流すことができる。
【0034】
熱源側ユニット20のハウジング21には、空気を吸引する吸込口25と、空気を吹き出す吹出口26が形成されている。吸込口25の内側には、外部から吸い込まれた空気と冷媒との間で熱交換を行う熱源側熱交換器22が設けられている。これにより、例えば、冷房運転の際には、熱源側熱交換器22内の冷媒は、吸込口25から流入する空気によって冷却される。換言すれば、吸込口25から吸い込まれた空気は、熱源側熱交換器22内の冷媒と熱交換して加熱される。
【0035】
吹出口26には、熱源側熱交換器22と熱交換したハウジング21内の空気を外側に送る熱源側送風ファン23が設けられている。熱源側送風ファン23は、例えば、プロペラファン等であり、図示しないモータによって回転駆動される。熱源側送風ファン23は、例えば、上下に2つ設けられている。
【0036】
吹出口26には、ファンガード24が設けられている。ファンガード24は、金属材料若しくは合成樹脂材料等から形成され、熱源側送風ファン23から送られる空気が流通可能に、熱源側送風ファン23の吹出側を覆っている。また、ファンガード24は、上下に分けて2つ配置された熱源側送風ファン23に対応して、例えば、上下に一対配置されても良い。
【0037】
また、ファンガード24は、熱源側送風ファン23によって送られる空気の吹き出し方向を調整するための風向ガイドとして利用されても良い。具体的には、ファンガード24は、熱源側送風ファン23の外周を囲むような、例えば、略四角形状の形態を成す外枠部を有し、ファンガード24の内部には、空気の流れを調整する図示しない可変式の風向調整板が設けられても良い。このような構成により、熱源側熱交換器22で加熱または冷却された空気を空調対象空間から離れた方向に効率良く吹き出すことができる。
【0038】
架台30は、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20を一体的に移動自在に支える台である。架台30は、利用側ユニット10が載置された利用側架台31と、熱源側ユニット20が載置された熱源側架台37と、を有する。利用側架台31及び熱源側架台37は、それぞれ例えば、山形鋼、溝形鋼、その他の鋼材等から形成されている。
【0039】
利用側架台31には、利用側ユニット10を設置する利用側ユニット設置台36が形成されている。具体的には、利用側ユニット設置台36は、利用側架台31の上部から上方に突出するよう形成されている。これにより、利用側ユニット10の底部を熱源側ユニット20の底部よりも高い位置に固定することができる。
【0040】
例えば、利用側ユニット10の上面部と、熱源側ユニット20の上面部と、が略同じ高さになるよう利用側ユニット10及び熱源側ユニット20を架台30に載置することができる。このように利用側ユニット10が高い位置に設けられることにより、利用側ユニット10の吹出口16の位置が高くなり、空調用の冷風や温風を作業空間に対して広く効率的に吹き流すことができる。
【0041】
なお、利用側ユニット10の上部と熱源側ユニット20の上部とは、図示しない連結部材によって取り外し自在に連結固定されても良い。連結部材によって、利用側ユニット10の上部と熱源側ユニット20の上部が支持され、搬送時や使用時の振動等による空気調和装置1の変形が抑えられる。
【0042】
利用側ユニット10及び熱源側ユニット20の下方には、図示しないドレンパンが設けられても良い。ドレンパンは、利用側ユニット10の利用側熱交換器12若しくは熱源側ユニット20の熱源側熱交換器22に付着して滴下する水分を受け止めて図示しない排水管に排水するための部材である。ドレンパンが設けられることにより、利用側熱交換器12または熱源側熱交換器22から滴下する水分を集めて好適に排水することができ、作業空間に水分が飛散することを防止できる。
【0043】
図2は、空気調和装置1の概略構成を示す平面図である。なお、図2において、利用側ユニット10の吹出口16及び熱源側ユニット20の吹出口26から吹き出される空気の向きを矢印で示している。図2に示すように、利用側架台31及び熱源側架台37は、それぞれ外周が上面視略矩形状となる形態に形成されている。
【0044】
図1に示すように、利用側架台31及び熱源側架台37の下部には、それぞれの四隅部近傍に、車輪42が設けられている。車輪42は、例えば、ゴム車輪等を有するキャスタである。車輪42は、例えば、ロック機構を有する方向変更可能な自在車である。また、一部の車輪42は、一方向に向かって移動可能な固定車であっても良い。車輪42が設けられることにより、架台30は、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20を一体的に支持した状態で移動可能に構成される。
【0045】
図1及び図2を参照して、利用側架台31と熱源側架台37とは、ヒンジ部43を介して水平回動自在に連結されている。即ち、利用側架台31と熱源側架台37は、それぞれ車輪42によって水平移動自在に支持されており、且つヒンジ部43を介して水冷回動自在である。
【0046】
図3は、ヒンジ部43の概略構成を示す分解側面図である。図3に示すように、ヒンジ部43は、利用側架台31と熱源側架台37とを水平回動自在に連結する蝶番状の部材であり、利用側架台31に固定され鉛直上向きに延在する軸部44と、熱源側架台37に固定され鉛直上向きに延在して軸部44が嵌入される筒部45と、を有する。
【0047】
なお、図3に示す上記の構成は、ヒンジ部43の一例を示すものである。ヒンジ部43の軸部44と筒部45とは、上記の逆でも良い。即ち、利用側架台31及び熱源側架台37のいずれか一方に軸部44が固定され、他方に筒部45が固定されていれば良い。
【0048】
また例えば、ヒンジ部43は、上述のように軸部44が利用側架台31及び熱源側架台37のいずれか一方に固定される構成に代えて、軸部44が利用側架台31及び熱源側架台37のいずれにも固定されない構成でも良い。
【0049】
例えば、一般的な蝶番のように、熱源側架台37に固定された筒部45とは別に、利用側架台31にも筒部45と同軸に同等の図示しない筒部が固定されても良い。熱源側架台37に固定された筒部45と、利用側架台31に固定された図示しない筒部とは、利用側架台31及び熱源側架台37のいずれにも固定されていない軸部44を介して回動自在に連結される。
【0050】
このような構成により、ヒンジ部43を中心として利用側架台31及び熱源側架台37の少なくとも一方を回動させることができ、利用側架台31と熱源側架台37の相対位置を変更することができる。換言すれば、ヒンジ部43を中心とした水平回動により、利用側ユニット10(図2参照)と熱源側ユニット20(図2参照)との相対位置を変更することができる。
【0051】
図1に示すように、冷媒配管28は、ヒンジ部43近傍を経由して利用側ユニット10と熱源側ユニット20とを接続している。具体的には、冷媒配管28は、筒部45の外周との間に適度な隙間を持って筒部45の外周に略螺旋状に巻かれ、筒部45の外周に部分的に接触している。換言すれば、ヒンジ部43は、冷媒配管28を支持している。
【0052】
このような構成により、利用側ユニット10と熱源側ユニット20は、冷媒配管28で接続された状態で、ヒンジ部43を中心とした水平回動により相対位置を容易に変更することができる。よって、空気調和装置1は、空調対象空間に応じた好適な送風を行うことができる。
【0053】
図2を参照して、ヒンジ部43は、例えば、利用側架台31の四隅部の一つである隅部34近傍と、熱源側架台37の四隅部の一つである隅部40近傍と、を連結するよう設けられている。
【0054】
具体的には、ヒンジ部43は、利用側架台31の長辺部32と、熱源側架台37の長辺部38と、が対向する位置に移動できるよう設けられている。そして、空気調和装置1は、利用側ユニット10と熱源側ユニット20とを、空気を吸引する吸込口15と吸込口25とが対向するように設けることができる。
【0055】
即ち、図1及び図2を参照して、利用側ユニット10と熱源側ユニット20は、利用側熱交換器12側と熱源側熱交換器22側が対向するよう配設される。換言すれば、利用側ユニット10と熱源側ユニット20は、それぞれが逆方向に空気を吹き出すよう、利用側ユニット10の吹出口16と、熱源側ユニット20の吹出口26と、が逆方向を向くよう背中合わせに配設されても良い。
【0056】
上記のように、吹出口16と吹出口26が逆方向に空気を吹き出すよう、吸込口15と吸込口25を対向させて、利用側ユニット10と熱源側ユニット20が背中合わせに配設されることにより、冷風と温風が逆方向に吹き出される。これにより、物流倉庫、大規模工場、体育館等に対する効率的な空気調和が実現する。
【0057】
即ち、利用側ユニット10の吹出口16から、利用側熱交換器12で冷却または加熱された空気を空調対象空間に向かって効率良く強力に吹き出すことができる。そして、利用側ユニット10の吹出口16に対して反対側を向く熱源側ユニット20の吹出口26から、空調用の排熱空気を、空気調和を必要とする空間から離れた空間に向かって吐き出すことができる。
【0058】
また、空調対象空間となる建物の出入口等において、利用側ユニット10を室内側に入れて室内の壁等に沿わせるよう配置し、熱源側ユニット20を室外側に空気を吹き出すよう室外側に配置することも容易である。このような配置により、室内機と室外機を有する一般的なパッケージエアコン等のように、室外の空気を熱源とする高効率な冷暖房運転を行うことができる。
【0059】
なお、架台30には、利用側架台31と熱源側架台37とを取り外し可能に連結する固定部46が設けられている。詳しくは、固定部46は、利用側架台31と熱源側架台37の対向する長辺部32、38のヒンジ部43が設けられていない隅部35、41の近傍を連結するよう設けられても良い。
【0060】
図4は、固定部46の概略構成を示す分解斜視図である。図4に示すように、固定部46には、固定部材47及び固定部材47に螺合するナット48が設けられている。固定部材47は、例えば、鋼棒等から略コ字形状若しくは略U字形状に形成されており、固定部材47の両端部には、ナット48が螺合する雄ねじが形成されている。
【0061】
利用側架台31の隅部35近傍及び熱源側架台37の隅部41近傍には、固定部材47の端部が挿入される固定穴49が形成されている。固定部材47は、一端が利用側架台31の固定穴49に挿入され、他端が熱源側架台37の固定穴49に挿入される。そして、固定部材47は、ナット48の締結によって利用側架台31及び熱源側架台37に固定され、利用側架台31及び熱源側架台37を支持する。
【0062】
このような固定部46が設けられることにより、図2に示すように、対向する長辺部32、38の一方の端部近傍、即ち隅部34、40近傍を、ヒンジ部43で支持し、他方の端部近傍、即ち隅部35、41近傍を、固定部46で支持することができる。
【0063】
よって、ヒンジ部43を中心とした利用側架台31及び熱源側架台37の水平回動を抑止し、利用側架台31と熱源側架台37とをしっかりと連結することができ、空気調和装置1の空調運転や搬送等を安全に効率良く行うことができる。
【0064】
また、固定部46は、図4に示すように、固定部材47とそれに螺合するナット48から構成されているので、取り付け及び取り外しが容易である。よって、利用側架台31と熱源側架台37の水平回動及び固定を容易に行うことができる。
【0065】
図5は、空気調和装置1の使用状態の他の例を示す平面図である。なお、図5では、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20から吹き出される空気の向きを矢印で示している。図5に示すように、空気調和装置1は、利用側架台31の短辺部33と、熱源側架台37の短辺部39と、が対向する位置まで回動自在である。
【0066】
即ち、利用側架台31及び熱源側架台37は、図2に示すようにヒンジ部43につながる一方の辺部、即ち長辺部32、38が略平行に対向する状態から、図5に示すように他方の辺部、即ち短辺部33、39が略平行に対向する状態まで、略180度水平回動して相対位置を変更することができる。
【0067】
このように水平回動自在な構成により、空気調和装置1は、利用側架台31と熱源側架台37の短辺部33、39を対向させる状態にして、架台30の幅を狭くすることができる。よって、狭所における移動、設置を容易に行うことができる。
【0068】
また、空気調和装置1は、水平回動によって運転時における送風方向を好適に調整することができるので、空調対象空間の状況に応じた高効率な空調運転を行うことができる。例えば、空調対象空間が広くない場合であっても、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20を室内の壁50等に沿わせるように配置し、壁50側から室内側に向かって効率良く冷風または温風を供給することができる。
【0069】
その際、利用側ユニット10のファンガード24若しくは熱源側ユニット20のファンガード24に設けられた図示しない風向ガイドを調整し、冷風及び温風の送風方向を更に好適に調整することもできる。
【0070】
また、利用側ユニット10の吹出口16と、熱源側ユニット20の吹出口26と、の間には、図示を省略するが、合成樹脂製または金属製の板状の部材等から形成された仕切板が設けられても良い。例えば仕切板は、利用側ユニット10のハウジング11と、熱源側ユニット20のハウジング21と、の間に設けられても良い。このような仕切板が設けられることにより、利用側ユニット10側の空調空気と、熱源側ユニット20側の排熱空気と、が混ざり合うことによる空調効率の低下を抑制することができる。
【0071】
図6は、空気調和装置1の使用状態の他の例を示す平面図である。なお、図6では、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20から吹き出される空気の向きを矢印で示している。図6に示すように、空気調和装置1は、ヒンジ部43を中心とした水平回動により、利用側ユニット10と熱源側ユニット20とを、利用側架台31の長辺部32と、熱源側架台37の長辺部38と、の角度が略90度になるよう配置することができる。
【0072】
即ち、利用側ユニット10と熱源側ユニット20とは、吹出口16、26からの冷風及び温風の吹き出し方向が略90度違う方向を向くよう配置されても良い。このような配置により、例えば、2つの壁50a、50bが約90度の角度で交差する凸状の角部等の近傍においても、高効率な空調運転を行うことができる。
【0073】
このように、利用側ユニット10を一方の壁50aに沿わせるように配置し、熱源側ユニット20を他方に壁50bに沿わせるように配置して、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20からそれぞれ好適な方向に空気を吹き出すことができる。
【0074】
なお、利用側架台31と熱源側架台37とは、ヒンジ部43を介して上記とは異なる角度にも回動自在であるので、利用側ユニット10と熱源側ユニット20とを更に異なる位置関係で配置することも可能である。
【0075】
また、架台30の所定の位置には、図5に示す使用状態若しくはその他の使用状態においても利用側架台31と熱源側架台37とを所定の相対位置関係で固定する取り外し自在な固定部46が設けられても良い。
【0076】
前述のとおり、固定部46が設けられることにより、ヒンジ部43を介した利用側架台31と熱源側架台37の水平回動が抑えられる。よって、例えば、空気調和装置1を搬送する際、固定部46で利用側架台31と熱源側架台37とを所定の相対位置関係で固定し、利用側架台31と熱源側架台37の相対的な水平回動がない安定した移動を行うことができる。
【0077】
また例えば、空調運転を行う際に、固定部46で利用側架台31と前記熱源側架台37とを固定することにより、利用側架台31と熱源側架台37の相対的な水平回動が抑えられ、送風方向の変動が少ない安定した高効率な空調運転を行うことができる。
【0078】
次に、図7ないし図11を参照して、実施形態を変形した例として、空気調和装置101、空気調和装置201及び空気調和装置301について詳細に説明する。なお、既に説明した実施形態と同一若しくは同様の作用、効果を奏する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、図7ないし図11において、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20から吹き出される空気の向きを矢印で示している。
【0079】
図7は、本発明の他の実施形態に係る空気調和装置101の概略構成を示す平面図である。図7を参照して、利用側架台31と熱源側架台37とは、互いの長辺部32、38が略平行に対向し利用側ユニット10と熱源側ユニット20とが背中合わせに配置された位置から、長辺方向にオフセットした位置関係で連結されている。
【0080】
即ち、利用側架台31の長辺部32の一方側の隅部34近傍と、熱源側架台37の長辺部38の他方側の隅部41近傍とが、ヒンジ部43を介して水平回動自在に連結されている。
【0081】
このような構成により、空気調和装置101は、利用側ユニット10と熱源側ユニット20がオフセットした位置から、冷却または加熱された空気を逆方向に送り出すことができる。
【0082】
図8は、空気調和装置101の使用状態の他の例を示す平面図である。図8に示すように、空気調和装置101は、利用側架台31の長辺部32と、熱源側架台37の短辺部39と、が略平行に対向する状態になるまで水平回動されても良い。
【0083】
また、図示を省略するが、空気調和装置101は、利用側架台31の短辺部33と、熱源側架台37の長辺部38と、が略平行に対向する位置関係になるまで、利用側架台31と熱源側架台37とを水平回動することもできる。即ち、図8に示す使用状態から、ヒンジ部43を中心として、利用側架台31に対する熱源側架台37の相対位置を約180度水平回動させることができる。
【0084】
図9は、本発明の他の実施形態に係る空気調和装置201の概略構成を示す平面図である。図9に示すように、利用側架台31の短辺部33と、熱源側架台37の短辺部39と、が略平行に対向するよう利用側架台31の隅部34近傍と、熱源側架台37の隅部40近傍と、が連結され、利用側ユニット10と熱源側ユニット20が逆方向に空気を吹き出すよう載置されても良い。
【0085】
このような構成により、架台30の横幅を狭くした状態で、幅の狭い通路、出入口、曲がりのある通路等であっても、空気調和装置201を容易に通過させることができる。また、利用側ユニット10と熱源側ユニット20は、オフセットした位置から互いに逆の方向に冷気または暖気を吹き出すことができる。
【0086】
図10は、空気調和装置201の使用状態の他の例を示す平面図である。図10を参照して、空気調和装置201は、ヒンジ部43を中心とした水平回動により、利用側架台31の長辺部32と、熱源側架台37の長辺部38と、が略90度になるよう変形されても良い。
【0087】
勿論、長辺部32と長辺部38とのなす角度は、略90度に限定されるものではない。利用側架台31と熱源側架台37とは、相対位置関係を変更するよう約180度の回動が可能である。よって、空調対象に応じて、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20を好適な向きに調整することができる。
【0088】
図11は、本発明の他の実施形態に係る空気調和装置301の概略構成を示す平面図である。図11を参照して、ヒンジ部43が設けられる位置は、利用側架台31及び熱源側架台37の四隅部に限定されるものではない。ヒンジ部43は、例えば、対向する利用側架台31の長辺部32の中央部近傍と、熱源側架台37の長辺部38の中央部近傍と、を連結するよう設けられても良い。
【0089】
このような構成によっても、ヒンジ部43を中心とした水平回動によって、利用側架台31と熱源側架台37との相対位置を変更し、利用側ユニット10と熱源側ユニット20との相対位置を容易に変更することができる。これにより、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20から吹き出される冷却または加熱された空気の向きを好適に調整することができ、それぞれの空調対象空間に応じた高効率な空気調和を行うことができる。
【0090】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0091】
1、101、201、301 空気調和装置
10 利用側ユニット
11 ハウジング
12 利用側熱交換器
13 利用側送風ファン
14 ファンガード
15 吸込口
16 吹出口
20 熱源側ユニット
21 ハウジング
22 熱源側熱交換器
23 熱源側送風ファン
24 ファンガード
25 吸込口
26 吹出口
28 冷媒配管
30 架台
31 利用側架台
32 長辺部
33 短辺部
34 隅部
35 隅部
36 利用側ユニット設置台
37 熱源側架台
38 長辺部
39 短辺部
40 隅部
41 隅部
42 車輪
43 ヒンジ部
44 軸部
45 筒部
46 固定部
47 固定部材
48 ナット
49 固定穴
50 壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11