(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086483
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】表示システム、表示装置および表示方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/34 20060101AFI20240620BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20240620BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240620BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20240620BHJP
【FI】
G09G3/34 J
G09G3/36
G09G3/20 642A
G09G3/20 660E
G09G3/20 612U
H05B47/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201638
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】松本 美優
【テーマコード(参考)】
3K273
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
3K273AA05
3K273BA36
3K273FA03
3K273FA32
3K273PA09
3K273QA37
3K273RA02
3K273TA03
3K273TA29
3K273TA32
3K273TA62
5C006AF34
5C006AF36
5C006AF46
5C006EA01
5C006FA22
5C080AA10
5C080DD01
5C080DD05
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ07
5C080KK07
5C080KK20
5C080KK23
(57)【要約】
【課題】表示部の表示画面が輝度ムラを有する場合でも、ユーザにとって優先度の高い表示要素の視認性が低下するのを抑制することが可能な表示システムを提供する。
【解決手段】この表示システム100では、表示装置側制御部33は、複数の表示要素20のうちユーザにとって優先度の高い表示要素20を、表示部35の表示画面2のうちの高輝度領域11に表示させ、複数の表示要素20のうちユーザにとって優先度の低い表示要素20を、表示部35の表示画面2のうちの低輝度領域13に表示させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源から照射される光を用いて複数の表示要素が表示される表示部と、を含む表示装置と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の高い前記表示要素を、前記表示部の表示画面のうちの高輝度領域に表示させ、前記複数の表示要素のうち前記ユーザにとって前記優先度の低い前記表示要素を、前記表示部の前記表示画面のうちの低輝度領域に表示させる制御を行うように構成されている、表示システム。
【請求項2】
前記光源は、複数設けられ、
前記制御部は、前記表示画面の輝度を均一化させない状態で、前記複数の表示要素のうちの前記ユーザにとって前記優先度の高い前記表示要素を、前記表示部の前記表示画面のうちの前記高輝度領域に表示させ、前記複数の表示要素のうちの前記ユーザにとって前記優先度の低い前記表示要素を、前記表示部の前記表示画面のうちの前記低輝度領域に表示させる制御を行うように構成されている、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記表示装置に通信接続される端末をさらに備え、
前記制御部は、
前記端末に設けられる端末側制御部と、
前記表示装置に設けられる表示装置側制御部と、を含み、
前記端末側制御部は、輝度値の分布に基づいて、前記優先度の高い前記表示要素を前記表示画面の前記高輝度領域に表示させ、前記優先度の低い前記表示要素を前記表示画面の前記低輝度領域に表示させるように、前記表示部上における前記表示要素の表示位置を決定する制御を行うように構成されており、
前記表示装置側制御部は、前記端末側制御部により決定された前記表示要素の表示位置に基づいて、前記表示部における前記表示要素を表示させる制御を行うように構成されている、請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記端末は、前記ユーザによる前記優先度の設定を受け付け、
前記端末側制御部は、前記ユーザにより設定された前記優先度と、前記輝度値の分布とに基づいて、前記優先度の高い前記表示要素を前記表示画面の前記高輝度領域に表示させ、前記優先度の低い前記表示要素を前記表示画面の前記低輝度領域に表示させるように、前記表示部上における前記表示要素の表示位置を決定する制御を行うように構成されている、請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記端末側制御部は、前記ユーザにより設定された前記優先度と、前記輝度値の分布と、に加えて、前記表示要素のサイズにも基づいて、前記優先度の高い前記表示要素を前記表示画面の前記高輝度領域に表示させ、前記優先度の低い前記表示要素を前記表示画面の前記低輝度領域に表示させるように、前記表示部上における前記表示要素の表示位置を決定する制御を行うように構成されている、請求項4に記載の表示システム。
【請求項6】
前記表示装置に通信接続される端末をさらに備え、
前記制御部は、
前記端末に設けられる端末側制御部と、
前記表示装置に設けられる表示装置側制御部と、を含み、
前記端末側制御部は、前記ユーザによる前記表示部上における前記表示要素の表示位置の前記ユーザによる設定を受け付ける制御を行うように構成されており、
前記表示装置側制御部は、前記端末側制御部により受け付けられた前記表示要素の表示位置に基づいて、前記表示部における前記表示要素を表示させる制御を行うように構成されている、請求項1に記載の表示システム。
【請求項7】
前記端末は、
前記ユーザの操作による、前記複数の表示要素の各々の表示および非表示の前記ユーザの選択、前記表示要素のサイズの前記ユーザの設定、および、前記表示要素の表示位置の前記ユーザの設定を受け付けるとともに、前記表示要素の表示位置の前記ユーザによる設定に対応させて前記表示要素を輝度値の分布と重ね合わせて前記表示部に表示する制御を行う前記制御部をさらに備える、請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記表示装置は、予め前記表示要素の表示位置が調整されたプリセットデザインが記憶された記憶部を備え、
前記制御部は、前記優先度の高い前記表示要素が前記表示画面の前記高輝度領域に表示され、前記優先度の低い前記表示要素が前記表示画面の前記低輝度領域に表示されるように、前記プリセットデザインに基づいて、前記表示部に前記表示要素を表示させる制御を行うように構成されている、請求項1に記載の表示システム。
【請求項9】
前記表示装置は、前記プリセットデザインが複数種類記憶された前記記憶部を備え、
前記制御部は、
前記表示装置に通信接続される端末に設けられる端末側制御部と、
前記表示装置に設けられる表示装置側制御部と、を含み、
前記端末側制御部は、前記ユーザによる前記プリセットデザインの選択を受け付け、前記ユーザにより選択された前記プリセットデザインに基づいて、前記表示部上における前記表示要素の表示位置を決定させる制御を行うように構成されており、
前記表示装置側制御部は、前記端末側制御部により決定された前記表示要素の表示位置に基づいて、前記表示部における前記表示要素を表示させる制御を行うように構成されている、請求項8に記載の表示システム。
【請求項10】
前記表示装置に通信接続される端末をさらに備え、
前記制御部は、前記端末に設けられる端末側制御部を含み、
前記端末側制御部は、
輝度値の分布に基づいて、前記優先度の高い前記表示要素を前記表示画面の前記高輝度領域に表示させ、前記優先度の低い前記表示要素を前記表示画面の前記低輝度領域に表示させる制御を行うように構成されていることと、
前記端末により受け付けられた前記表示要素の表示位置に基づいて、前記表示部に前記表示要素を表示させる制御を行うように構成されていることと、
前記優先度の高い前記表示要素が前記表示画面の前記高輝度領域に表示され、前記優先度の低い前記表示要素が前記表示画面の前記低輝度領域に表示されるように、予め前記表示要素の表示位置が調整された前記表示要素の表示位置のプリセットデザインに基づいて、前記表示部に前記表示要素を表示させる制御を行うように構成されていること、との前記ユーザによる選択を受け付ける制御を行うように構成されている、請求項1に記載の表示システム。
【請求項11】
光源と、
前記光源から照射される光を用いて複数の表示要素が表示される表示部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の高い前記表示要素を、前記表示部の表示画面のうちの高輝度領域に表示させ、
前記複数の表示要素のうち前記ユーザにとって前記優先度の低い前記表示要素を、前記表示部の前記表示画面のうちの低輝度領域に表示させる制御を行うように構成されている、表示装置。
【請求項12】
複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の高い前記表示要素を、表示部の表示画面のうちの高輝度領域に表示させるステップと、
前記複数の表示要素のうち前記ユーザにとって前記優先度の低い前記表示要素を、前記表示部の前記表示画面のうちの低輝度領域に表示させるステップと、を備える、表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、表示装置および表示方法に関し、特に、光源と、光源から照射される光を用いて表示を行う表示部とを備える、表示システム、表示装置および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と光源から照射される光を用いて表示を行う表示部とを備える表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、複数の光源を持つバックライトユニット(光源)と、液晶パネル(表示部)と、記憶部と、制御部とを備える表示装置が開示されている。上記特許文献1のような表示装置では、バックライトユニットと液晶パネルとの離間距離やバックライトユニットの光の指向性に起因して、液晶パネルの表示画面には高輝度領域と低輝度領域との輝度ムラが生じる。そこで、上記特許文献1の表示装置では、記憶部には、予めバックライトの輝度を調整して液晶パネルの表示画面の輝度を均一化するための補正値が記憶されている。制御部は、表示データが表示される表示位置に応じた補正値を、液晶パネルの走査位置に応じて、記憶部から読み出すとともに、読み出した補正値に基づいて、複数の光源を持つバックライトの発光輝度を制御して液晶パネルの表示画面の輝度を均一化する。これにより、液晶パネルの表示画面の輝度ムラが抑制されている。すなわち、表示する動作として、液晶パネルに対して走査を行う際に、液晶パネルの走査位置を検出し、検出された走査位置に応じて記憶部から読み出した補正値に応じて、複数の光源の輝度を独立して制御することにより、液晶パネルの表示画面の輝度を均一化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のように複数の光源を持つバックライト(光源)の発光輝度を調整して液晶パネルの表示画面の輝度を均一化する場合、バックライトの発光の最大強度には限度があるため、液晶パネル(表示部)における低輝度領域の輝度を大きくして、高輝度領域の輝度に合わせることは困難である場合がある。この場合、液晶パネルの走査位置に応じて記憶部から読み出した補正値に基づいて、液晶パネルにおける高輝度領域の輝度を低下させて、高輝度領域の輝度を低輝度領域の輝度に合わせることにより、輝度ムラが抑制される。その結果、液晶パネルの表示画面に表示される表示要素に輝度ムラが生じることが抑制される。しかしながら、液晶パネルの全体が暗くなり、ユーザによって優先度の低い表示要素のみならず、ユーザにとって優先度の高い表示要素も暗く表示されてしまう。そのため、ユーザにとって優先度の高い表示要素の視認性が低下するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の一つの目的は、表示部の表示画面が輝度ムラを有する場合でも、ユーザにとって優先度の高い表示要素の視認性が低下するのを抑制することが可能な表示システム、表示装置および表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による表示システムは、光源と、光源から照射される光を用いて複数の表示要素が表示される表示部と、を含む表示装置と、制御部と、を備え、制御部は、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の高い表示要素を、表示部の表示画面のうちの高輝度領域に表示させ、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の低い表示要素を、表示部の表示画面のうちの低輝度領域に表示させる制御を行うように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による表示システムは、上記のように、制御部は、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の高い表示要素を、表示部の表示画面のうちの高輝度領域に表示させ、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の低い表示要素を、表示部の表示画面のうちの低輝度領域に表示させる。これにより、表示部が表示画面の輝度ムラを有する場合でも、ユーザにとって優先度の高い表示要素が表示画面の高輝度領域に表示される。その結果、表示部が輝度ムラを有する場合でも、ユーザにとって優先度の高い表示要素の視認性が低下するのを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による表示システムにおいて、好ましくは、光源は、複数設けられ、制御部は、表示画面の輝度を均一化させない状態で、複数の表示要素のうちのユーザにとって優先度の高い表示要素を、表示部の表示画面のうちの高輝度領域に表示させ、複数の表示要素のうちのユーザにとって優先度の低い表示要素を、表示部の表示画面のうちの低輝度領域に表示させる制御を行うように構成されている。これにより、複数の光源を有する場合でも、表示画面の高輝度領域にユーザにとって優先度の高い表示要素を、表示画面の低輝度領域にユーザにとって優先度の低い表示要素を配置できる。その結果、複数の光源により表示画面の輝度が均一化されていない状態であっても、ユーザにとって優先度の高い表示要素の視認性が低下するのを抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面による表示システムにおいて、好ましくは、表示装置に通信接続される端末をさらに備え、制御部は、端末に設けられる端末側制御部と、表示装置に設けられる表示装置側制御部と、を含み、端末側制御部は、輝度値の分布に基づいて、優先度の高い表示要素を表示画面の高輝度領域に表示させ、優先度の低い表示要素を表示画面の低輝度領域に表示させるように、表示部上における表示要素の表示位置を決定する制御を行うように構成されており、表示装置側制御部は、端末側制御部により決定された表示要素の表示位置に基づいて、表示部における表示要素を表示させる制御を行うように構成されている。これにより、端末側制御部が輝度分布に基づいて、表示要素の位置を決定し、表示装置側制御部が表示要素を表示部に表示させる制御を行うので、自動的に、優先度の高い表示要素が表示画面の高輝度領域に表示される。その結果、優先度の高い表示要素を表示画面の高輝度領域に表示させるためのユーザの手間を省くことができる。
【0011】
この場合、好ましくは、端末は、ユーザによる優先度の設定を受け付け、端末側制御部は、ユーザにより設定された優先度と、輝度値の分布とに基づいて、優先度の高い表示要素を表示画面の高輝度領域に表示させ、優先度の低い表示要素を表示画面の低輝度領域に表示させるように、表示部上における表示要素の表示位置を決定する制御を行うように構成されている。これにより、ユーザが設定した優先度に基づいて、表示部における表示要素の位置を決定され、表示要素を表示部に表示されるので、ユーザが意図した優先度どおりに表示要素を表示画面の高輝度領域および低輝度領域に表示することができる。
【0012】
上記ユーザにより設定された優先度に基づいて表示要素を表示画面の高輝度領域に表示される表示システムにおいて、好ましくは、端末側制御部は、ユーザにより設定された優先度と、輝度値の分布と、に加えて、表示要素のサイズにも基づいて、優先度の高い表示要素を表示画面の高輝度領域に表示させ、優先度の低い表示要素を表示画面の低輝度領域に表示させるように、表示部上における表示要素の表示位置を決定する制御を行うように構成されている。これにより、表示要素のサイズにも基づいて、優先度の高い表示要素が表示画面の高輝度領域に表示されるので、高輝度領域からはみ出すように優先度の高い表示要素が表示されるのを抑制することができる。その結果、優先度の高い表示要素の視認性が低下するのを抑制することができる。
【0013】
上記第1の局面による表示システムにおいて、好ましくは、表示装置に通信接続される端末をさらに備え、制御部は、端末に設けられる端末側制御部と、表示装置に設けられる表示装置側制御部と、を含み、端末側制御部は、ユーザによる表示部上における表示要素の表示位置のユーザによる設定を受け付ける制御を行うように構成されており、表示装置側制御部は、端末側制御部により受け付けられた表示要素の表示位置に基づいて、表示部における表示要素を表示させる制御を行うように構成されている。これにより、ユーザが端末を操作することにより、ユーザの嗜好に応じた表示部における表示要素の配置が可能となる。その結果、表示要素の視認性をユーザの端末操作による手動配置で向上させることができる。
【0014】
この場合、好ましくは、端末は、ユーザの操作による、複数の表示要素の各々の表示および非表示のユーザの選択、表示要素のサイズのユーザの設定、および、表示要素の表示位置のユーザの設定を受け付けるとともに、表示要素の表示位置のユーザによる設定に対応させて表示要素を輝度値の分布と重ね合わせて表示部に表示する制御を行う制御部をさらに備える。これにより、ユーザは、輝度分布を表示要素に重ね合わせた状態での表示要素の配置、表示または非表示の選択、サイズの設定を実行することができる。その結果、ユーザが想定する表示部に配置された表示要素の状態と、実際に表示部に配置された表示要素の状態とが乖離するのを抑制することができる。
【0015】
上記第1の局面による表示システムにおいて、好ましくは、表示装置は、予め表示要素の表示位置が調整されたプリセットデザインが記憶された記憶部を備え、制御部は、優先度の高い表示要素が表示画面の高輝度領域に表示され、優先度の低い表示要素が表示画面の低輝度領域に表示されるように、プリセットデザインに基づいて、表示部に表示要素を表示させる制御を行うように構成されている。これにより、制御部は、予め記憶部に記憶されたプリセットデザインに基づいて表示部に表示要素を表示させる制御を行うので、制御部が表示部において表示要素を走査しながら適切な表示位置を決定する場合と異なり、制御部の制御負担を軽減することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、表示装置は、プリセットデザインが複数種類記憶された記憶部を備え、制御部は、表示装置に通信接続される端末に設けられる端末側制御部と、表示装置に設けられる表示装置側制御部と、を含み、端末側制御部は、ユーザによるプリセットデザインの選択を受け付け、ユーザにより選択されたプリセットデザインに基づいて、表示部上における表示要素の表示位置を決定させる制御を行うように構成されており、表示装置側制御部は、端末側制御部により決定された表示要素の表示位置に基づいて、表示部における表示要素を表示させる制御を行うように構成されている。これにより、ユーザの嗜好に応じたプリセットデザインに基づいて、表示部における表示要素を表示させることができる。
【0017】
上記第1の局面による表示システムにおいて、好ましくは、表示装置に通信接続される端末をさらに備え、制御部は、端末に設けられる端末側制御部を含み、端末側制御部は、輝度値の分布に基づいて、優先度の高い表示要素を表示画面の高輝度領域に表示させ、優先度の低い表示要素を表示画面の低輝度領域に表示させる制御を行うように構成されていることと、端末により受け付けられた表示要素の表示位置に基づいて、表示部に表示要素を表示させる制御を行うように構成されていることと、優先度の高い表示要素が表示画面の高輝度領域に表示され、優先度の低い表示要素が表示画面の低輝度領域に表示されるように、予め表示要素の表示位置が調整された表示要素の表示位置のプリセットデザインに基づいて、表示部に表示要素を表示させる制御を行うように構成されていること、とのユーザによる選択を受け付ける制御を行うように構成されている。これにより、輝度分布に基づく配置、ユーザによる端末から輝度値の分布に基づく配置およびプリセットデザイン各々の選択が可能となる。その結果、ユーザに嗜好に応じて、優先度の高い表示要素を高輝度領域に表示させるための方法を容易に選択することができる。
【0018】
この発明の第2の局面による表示装置は、光源と、光源から照射される光を用いて複数の表示要素が表示される表示部と、制御部と、を備え、制御部は、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の高い表示要素を、表示部の表示画面のうちの高輝度領域に表示させ、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の低い表示要素を、表示部の表示画面のうちの低輝度領域に表示させる制御を行うように構成されている。
【0019】
この発明の第2の局面による表示装置は、上記のように、制御部は、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の高い表示要素を、表示部の表示画面のうちの高輝度領域に表示させ、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の低い表示要素を、表示部の表示画面のうちの低輝度領域に表示させる。これにより、表示部が輝度ムラを有する場合でも、ユーザにとって優先度の高い表示要素が表示画面の高輝度領域に表示される。その結果、表示部が輝度ムラを有する場合でも、ユーザにとって優先度の高い表示要素の視認性が低下するのを抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0020】
この発明の第3の局面による表示システムの制御方法において、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の高い表示要素を、表示部の表示画面のうちの高輝度領域に表示させるステップと、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の低い表示要素を、表示部の表示画面のうちの低輝度領域に表示させるステップと、を備える
【0021】
この発明の第3の局面による表示装置は、上記のように、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の高い表示要素を、表示部の表示画面のうちの高輝度領域に表示させるステップと、複数の表示要素のうちユーザにとって優先度の低い表示要素を、表示部の表示画面のうちの低輝度領域に表示させるステップと、を備える。これにより、表示部が輝度ムラを有する場合でも、ユーザにとって優先度の高い表示要素が表示画面の高輝度領域に表示される。その結果、表示部が輝度ムラを有する場合でも、ユーザにとって優先度の高い表示要素の視認性が低下するのを抑制することが可能な表示方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、上記のように、表示部が輝度ムラを有する場合でも、ユーザにとって優先度の高い表示要素の視認性が低下するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態による表示システムのブロック図である。
【
図2】第1実施形態による表示画面の輝度分布の模式図である。
【
図3】第1実施形態による表示画面と表示要素とを示す模式図である。
【
図4】第1実施形態による表示要素の表示/非表示、優先度、および、サイズを決定する処理を説明するための図である。
【
図5】第1実施形態による自動配置における端末側制御部の制御を説明するためのフロー図である。
【
図6】第1実施形態による自動配置における表示装置側制御部の制御を説明するためのフロー図である。
【
図7】第1実施形態による表示要素の自動配置における、走査、および、サイズの変更を説明するための模式図である。(a)高優先度のコンテンツから走査を行う動作を説明するための図である(b)輝度領域に合わせて表示要素を配置する動作を説明するための図である。(c)輝度領域に合わせて表示要素のサイズを変更する動作を説明するための図である。
【
図8】第2実施形態による手動配置の端末表示および優先度処理を説明するための模式図である。(a)表示/非表示、優先度、および、サイズを決定する処理を説明するための図である。(b)輝度分布および表示要素の表示位置の変更前の状態を表す図である。
【
図9】第3実施形態によるプリセット配置の表示例を説明する模式図である。(a)光源の2灯時のプリセット配置を示す図である。(b)光源の3灯時のプリセット配置を示す図である。(c)プリセット選択画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
[第1実施形態]
第1実施形態では、
図1に示すように、表示システム100は、表示装置30と、端末40と、を備えている。表示装置30は、たとえば、車両に配置される。
【0026】
表示装置30は、複数の光源1と、表示部35と、通信部31と、記憶部32と、表示装置側制御部33と、表示駆動部(ドライバ)34と、を備えている。光源1は、たとえば、LED(light-emitting diode)である。通信部31は、端末40の通信部42と、たとえば、Bluetooth(登録商標)方式により通信する。記憶部32には、表示部35の輝度値の分布(
図2参照)が予め記憶されている。表示装置側制御部33は、表示駆動部34を制御する。表示駆動部34は、表示装置側制御部33からの指令に基づいて表示部35を制御する。
【0027】
第1実施形態では、
図2および
図3に示すように、表示部35には、2つの光源1が対向するように配置されている。2つの光源1は、たとえば、水平方向に間隔を隔てて隣り合うように配置されている。表示部35の表示画面2には、高輝度領域11および低輝度領域13が生じる。表示部35の表示画面2には、輝度ムラに起因して、高輝度領域11と低輝度領域13との間の輝度を有する中輝度領域12が生じる。表示画面2のうち、光源1からの距離が比較的小さい領域は、高輝度領域11となる。表示画面2のうち、光源1からの距離が比較的大きい領域は、高輝度領域11となる。なお、光源1と表示部35との間に、導光板などが配置されていてもよい。
【0028】
図3に示すように、表示部35の表示画面2には、表示要素20が表示される。表示要素20は、たとえば、車速を示す速度メータ表示21、ナビゲーション表示22、テルテール表示23、および、着信通知表示24などである。なお、テルテール表示23は、エンジンオイルランプ、水温計警告灯、充電警告灯などを含む。着信通知表示24は、メールやSMSの通知を含む。
【0029】
図1に示すように、端末40は、端末側制御部41と、通信部42とを含む。
【0030】
ここで、第1実施形態では、
図3に示すように、表示装置側制御部33は、複数の表示要素20のうちユーザが設定した表示要素20の優先度に従い、優先度の高い表示要素20を、表示部35の表示画面2のうちの高輝度領域11に表示させ、複数の表示要素20のうちユーザにとって優先度の低い表示要素20を、表示部35の表示画面2のうちの低輝度領域13に表示させる制御を行うように構成されている。たとえば、表示装置側制御部33は、優先度の高い速度メータ表示21およびナビゲーション表示22を高輝度領域11に表示させ、優先度の低い着信通知表示24を低輝度領域13に表示させる。また、表示装置側制御部33は、優先度が中程度であるテルテール表示23を中輝度領域12に表示させる。
【0031】
具体的には、端末側制御部41は、輝度値の分布に基づいて、優先度の高い表示要素20を表示画面2の高輝度領域11に表示させ、優先度の低い表示要素20を表示画面2の低輝度領域13に表示させるように、表示部35上における表示要素20の表示位置を決定する制御を行うように構成されている。表示装置側制御部33は、端末側制御部41により決定された表示要素20の表示位置に基づいて、表示部35における表示要素20を表示させる制御を行うように構成されている。詳細には、
図4に示すように、端末40は、ユーザによる優先度の設定を受け付ける。端末40は、たとえば、スマートフォンである。端末40には、優先度の設定画面140が表示される。ユーザは、優先度の設定画面140上で表示されている表示要素20の項目141を、上から優先度順に並び変え操作を行い、Sendボタン144を押すことにより優先度が設定される。
【0032】
第1実施形態では、
図4に示すように、端末側制御部41は、ユーザにより設定された優先度と、輝度値の分布と、に加えて、表示要素20のサイズにも基づいて、優先度の高い表示要素20を表示画面2の高輝度領域11に表示させ、優先度の低い表示要素20を表示画面2の低輝度領域13に表示させるように、表示部35上における表示要素20の表示位置を決定する制御を行うように構成されている。ここでサイズとは、表示画面2の面積において、表示要素20の面積がどれくらいの割合を占めるかを表す。表示要素20のサイズは、たとえば、ユーザが端末40上で表示されている表示要素20の項目141のスライダ143を左右に動かす操作を行った後、Sendボタン144を押すことにより決定される。さらに、端末側制御部41は、ユーザによる表示要素20を表示するか非表示にするかの情報の設定の入力操作を、端末40上で表示されているチェックボックス142により受け付ける。
【0033】
以下、
図5を参照して、端末側制御部41により行われる表示要素20の表示位置の決定の動作について説明する。
【0034】
ステップS1において、ユーザは、端末40を用いて表示要素20を表示するか非表示にするかの情報、優先度、および、サイズを設定した後、Sendボタン144を押下することで表示要素20の情報が決定されたか否かを判定する。
【0035】
ステップS1において、yesの場合、ステップS2に進んで、端末側制御部41は、表示要素20を表示するか非表示にするのかの情報、優先度、およびサイズを決定する。
【0036】
ステップS1において、noの場合、ユーザによる操作を受け付けるまでステップS1の動作が繰り返される。
【0037】
ステップS3において、端末側制御部41は、表示装置30の記憶部32から輝度値の分布を取得する。
【0038】
ステップS4において、端末側制御部41は、ユーザにより設定された、表示要素20を表示するか非表示にするかの情報、優先度、および、サイズを取得する。また、端末側制御部41は、複数の表示要素20の各々に対して、表示するか非表示にするかの情報、優先度、および、サイズを対応付けた配列を作成する。
【0039】
ステップS5において、端末側制御部41は、表示要素20のうちの表示するように設定された表示要素20の配列を優先度順に並び替える。
【0040】
ステップS6において、端末側制御部41は、表示画面2内おいて表示要素20を走査させる。具体的には、
図7(a)に示すように、優先度が1番目に高い表示要素20を表示画面2内おいて走査する。そして、
図7(b)に示すように、優先度が1番目に高い表示要素20が、高輝度領域11に配置される。
【0041】
ステップS7において、端末側制御部41は、優先度が1番目に高い表示要素20の輝度値が一定水準を超えたかを判断する。具体的には、優先度が1番目に高い表示要素20の全体の面積(サイズ)が高輝度領域11に配置されたか否かが判定される。なお、優先度が1番目に高い表示要素20の全体のうちの予め定められた所定の割合以上の面積(サイズ)が高輝度領域11に配置されたか否かが判定されてもよい。
【0042】
ステップS7において、yesの場合、ステップS8に進んで、
図7(b)に示すように、端末側制御部41は、優先度が1番目に高い表示要素20の配置を決定する。
【0043】
ステップS7において、noの場合、ステップS9に進んで、
図7(c)に示すように、端末側制御部41は、優先度が1番目に高い表示要素20のサイズを縮小する。
【0044】
そして、ステップS10において、端末側制御部41は、全ての表示要素20の配置が決定されたか否かを判定する。ステップS10においてnoの場合、ステップS6に戻り、サイズが縮小された表示要素20も含んで再配置が行われる。ステップS10においてyesの場合、ステップS11において、決定された表示要素20の配置を、表示装置側制御部33に送信し、端末側制御部41の制御は終了する。
【0045】
以下、
図6を参照して、表示装置側制御部33により行われる表示要素20の表示について説明する。
【0046】
ステップS21において、表示要素20の配置を受信したか否かを判定する。
【0047】
ステップS21において、yesの場合、ステップS22に進んで、表示装置側制御部33は、表示要素20の配置に基づいて、表示駆動部34を制御する。
【0048】
ステップS21において、noの場合、表示要素20の配置を受信するまでステップS21の動作が繰り返される。
【0049】
ステップS23において、表示要素20を表示画面2が表示され、表示装置側制御部33の制御は終了する。
【0050】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0051】
第1実施形態では、上記のように、表示装置側制御部33は、複数の表示要素20のうちユーザにとって優先度の高い表示要素20を、表示部35の表示画面2のうちの高輝度領域11に表示させ、複数の表示要素20のうちユーザにとって優先度の低い表示要素20を、表示部35の表示画面2のうちの低輝度領域13に表示させる。これにより、表示部35が表示画面2の輝度ムラを有する場合でも、ユーザにとって優先度の高い表示要素20が表示画面2の高輝度領域11に表示される。その結果、表示部35が輝度ムラを有する場合でも、ユーザにとって優先度の高い表示要素20の視認性が低下するのを抑制することができる。
【0052】
第1実施形態では、上記のように、光源1は、複数設けられ、表示装置側制御部33は、表示画面2の輝度を均一化させない状態で、複数の表示要素20のうちのユーザにとって優先度の高い表示要素20を、表示部35の表示画面2のうちの高輝度領域11に表示させ、複数の表示要素20のうちのユーザにとって優先度の低い表示要素20を、表示部35の表示画面2のうちの低輝度領域13に表示させる制御を行うように構成されている。これにより、複数の光源1を有する場合でも、表示画面2の高輝度領域11にユーザにとって優先度の高い表示要素20を、表示画面2の低輝度領域13にユーザにとって優先度の低い表示要素20を配置できる。その結果、複数の光源1により表示画面2の輝度が均一化されていない状態であっても、ユーザにとって優先度の高い表示要素20の視認性が低下するのを抑制することができる。
【0053】
第1実施形態では、上記のように、表示装置30に通信接続される端末40をさらに備え、制御部は、端末40に設けられる端末側制御部41と、表示装置30に設けられる表示装置側制御部33と、を含み、端末側制御部41は、輝度値の分布に基づいて、優先度の高い表示要素20を表示画面2の高輝度領域11に表示させ、優先度の低い表示要素20を表示画面2の低輝度領域13に表示させるように、表示部35上における表示要素20の表示位置を決定する制御を行うように構成されており、表示装置側制御部33は、端末側制御部41により決定された表示要素20の表示位置に基づいて、表示部35における表示要素20を表示させる制御を行うように構成されている。これにより、端末側制御部41が輝度分布に基づいて、表示要素20の位置を決定し、表示装置側制御部33が表示要素20を表示部35に表示させる制御を行うので、自動的に、優先度の高い表示要素20が表示画面2の高輝度領域11に表示される。その結果、優先度の高い表示要素20を表示画面2の高輝度領域11に表示させるためのユーザの手間を省くことができる。
【0054】
第1実施形態では、上記のように、端末40は、ユーザによる優先度の設定を受け付け、端末側制御部41は、ユーザにより設定された優先度と、輝度値の分布とに基づいて、優先度の高い表示要素20を表示画面2の高輝度領域11に表示させ、優先度の低い表示要素20を表示画面2の低輝度領域13に表示させるように、表示部35上における表示要素20の表示位置を決定する制御を行うように構成されている。これにより、ユーザが設定した優先度に基づいて、表示部35における表示要素20の位置を決定され、表示要素20を表示部35に表示されるので、ユーザが意図した優先度どおりに表示要素20を表示画面2の高輝度領域11および表示画面2の低輝度領域13に表示することができる。
【0055】
第1実施形態では、上記のように、上記ユーザにより設定された優先度に基づいて表示要素20を表示画面2の高輝度領域11に表示される表示システム100において、端末側制御部41は、ユーザにより設定された優先度と、輝度値の分布と、に加えて、表示要素20のサイズにも基づいて、優先度の高い表示要素20を表示画面2の高輝度領域11に表示させ、優先度の低い表示要素20を表示画面2の低輝度領域13に表示させるように、表示部35上における表示要素20の表示位置を決定する制御を行うように構成されている。これにより、表示要素20のサイズにも基づいて、優先度の高い表示要素20が表示画面2の高輝度領域11に表示できるので、高輝度領域11からはみ出すように優先度の高い表示要素20が表示されるのを抑制することができる。その結果、優先度の高い表示要素20の視認性が低下するのを抑制することができる。
【0056】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、ユーザによって表示要素20の表示位置が設定される。
【0057】
第2実施形態では、端末側制御部41は、
図8(a)に示すように、端末側制御部41は、ユーザによる表示部35上における表示要素20の表示位置のユーザによる設定を受け付ける制御を行うように構成されている。表示装置側制御部33は、端末側制御部41により受け付けられた表示要素20の表示位置に基づいて、表示部35における表示要素20を表示させる制御を行うように構成されている。具体的には、表示要素20の表示位置は、
図8(a)のプレビュー画面43において、ユーザが表示要素20をドラッグさせることにより決定される。
【0058】
また、第2実施形態では、
図8(a)に示すように、端末側制御部41は、ユーザの端末操作による複数の表示要素20の各々の表示および非表示の選択、表示要素20のサイズの設定、および、表示要素20の表示位置を受け付ける。表示要素20の表示および非表示の選択は、編集メニューのチェックボックス142を用いて行われる。また、端末側制御部41は、
図8(b)に示すように、表示部35に表示される輝度値の分布と重ねて表示要素20を表示する。
【0059】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0060】
本実施形態では、上記のように、表示装置30に通信接続される端末40をさらに備え、制御部は、端末40に設けられる端末側制御部41と、表示装置30に設けられる表示装置側制御部33と、を含み、端末側制御部41は、ユーザによる表示部35上における表示要素20の表示位置のユーザによる設定を受け付ける制御を行うように構成されており、表示装置側制御部33は、端末側制御部41により受け付けられた表示要素20の表示位置に基づいて、表示部35における表示要素20を表示させる制御を行うように構成されている。これにより、ユーザが端末40を操作することにより、ユーザの嗜好に応じた表示部35における表示要素20の配置が可能となる。その結果、表示要素20の視認性をユーザの端末操作による手動配置で向上させることができる。
【0061】
本実施形態では、上記のように、端末40は、ユーザの操作による、複数の表示要素20の各々の表示および非表示のユーザの選択、表示要素20のサイズのユーザの設定、および、表示要素20の表示位置のユーザの設定を受け付けるとともに、表示要素20の表示位置のユーザによる設定に対応させて表示要素20を輝度値の分布と重ね合わせて表示部35に表示する制御を行う制御部をさらに備える。これにより、ユーザは、輝度分布を表示要素20に重ね合わせた状態での表示要素20の配置、表示または非表示の選択、サイズの設定を実行することができる。その結果、ユーザが想定する表示部35に配置された表示要素20の状態と、実際に表示部35に配置された表示要素20の状態とが乖離するのを抑制することができる。
【0062】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、予め表示要素20の位置が調整されたプリセットデザイン70に基づいて、表示要素20が表示部35に表示される。
【0063】
第3実施形態では、
図9に示すように、記憶部32には、予め表示要素20の位置が調整されたプリセットデザイン70(
図9(a)、
図9(b))が記憶されている。プリセットデザイン70は、優先度の高い表示要素20が表示画面2の高輝度領域11に表示され、優先度の低い表示要素20が表示画面2の低輝度領域13に表示されるように構成されている。端末側制御部41および表示装置側制御部33は、プリセットデザイン70に基づいて、表示部35に表示要素20を表示させる制御を行うように構成されている。プリセットデザイン70は、光源1が、1つまたは2つの場合のデザインであってもよいし、3つ以上の場合のデザインであってもよい。
【0064】
第3実施形態では、
図9(c)に示すように、端末40は、ユーザによるプリセットデザイン70の選択を受け付ける。端末側制御部41は、ユーザにより選択されたプリセットデザイン70に基づいて、表示部35における表示要素20の表示位置を決定する。表示装置側制御部33は、端末側制御部41により決定された表示要素20の表示位置に基づいて、表示部35における表示要素20を表示させる制御を行うように構成されている。プリセットデザイン70は、端末40に表示されるプリセット画面一覧71(
図9(c))から選択される。
【0065】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0066】
本実施形態では、上記のように、表示装置30は、予め表示要素20の表示位置が調整されたプリセットデザイン70が記憶された記憶部32を備え、制御部は、優先度の高い表示要素20が表示画面2の高輝度領域11に表示され、優先度の低い表示要素20が表示画面2の低輝度領域13に表示されるように、プリセットデザイン70に基づいて、表示部35に表示要素20を表示させる制御を行うように構成されている。これにより、制御部は、予め記憶部32に記憶されたプリセットデザイン70に基づいて表示部35に表示要素20を表示させる制御を行うので、制御部が表示部35において表示要素20を走査しながら適切な表示位置を決定する場合と異なり、制御部の制御負担を軽減することができる。
【0067】
本実施形態では、上記のように、端末側制御部41は、ユーザによるプリセットデザイン70の選択を受け付け、ユーザにより選択されたプリセットデザイン70に基づいて、表示部35上における表示要素20の表示位置を決定させる制御を行うように構成されており、表示装置側制御部33は、端末側制御部41により決定された表示要素20の表示位置に基づいて、表示部35における表示要素20を表示させる制御を行うように構成されている。これにより、ユーザの嗜好に応じたプリセットデザイン70に基づいて、表示部35における表示要素20を表示させることができる。
【0068】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0069】
上記第1~第3実施形態では、光源1としてLED(点光源)が用いられている例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、光源1としてLED以外の線状の光源が用いられてもよい。
【0070】
上記第1~第3実施形態では、光源1としてLED(点光源)が用いられ、光源1が表示部35の下方に配置されている例を示したが、本発明はこれに限らない。光源1を表示部35の側方に配置し、導光板を通過させて表示画面2を照射してもよい。
【0071】
上記第1実施形態では、端末40側で、表示要素20の位置、優先度、サイズ、表示および表示の選択が設定される例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、表示装置30側で、表示要素20の位置、優先度、サイズ、表示および表示の選択が設定されてもよい。
【0072】
上記第1~第3実施形態では、表示部35の輝度値の分布が表示装置30の記憶部32に記憶されている例を示したが、本発明はこれに限らない。表示部35の輝度値の分布が、外付けの記憶装置に記憶されていてもよい。
【0073】
上記第1~第3実施形態では、それぞれ、表示要素20の自動配置、ユーザによる表示要素20の表示位置の設定、および、プリセットデザイン70に基づく表示位置の配置を別個の実施形態として説明したが本発明はこれに限らない。本発明では、これらの実施形態を選択可能に構成してもよい。すなわち、端末側制御部41が、記憶部32に記憶された輝度値の分布に基づいて、優先度の高い表示要素20を表示部35の高輝度領域11に表示させ、優先度の低い表示要素20を表示部35の低輝度領域13に表示させる制御を行うように構成されていることと、端末40により受け付けられた表示要素20の表示位置に基づいて、表示部35に表示要素20を表示させる制御を行うように構成されていることと、優先度の高い表示要素20が表示部35の高輝度領域11に表示され、優先度の低い表示要素20が表示部35の低輝度領域13に表示されるように、予め表示要素20の表示位置が調整された表示要素20の表示位置のプリセットデザイン70に基づいて、表示部35に表示要素20を表示させる制御を行うように構成されていること、との選択を受け付けてもよい。各々の選択のユーザによる入力については、たとえば、端末40によって受け付けられる。これにより、輝度分布に基づく配置、ユーザによる端末40から輝度値の分布に基づく配置およびプリセットデザイン70各々の選択が可能となる。その結果、ユーザの嗜好に応じて、優先度の高い表示要素20を高輝度領域11に表示させるための方法を容易に選択することができる。
【0074】
上記第2実施形態では、ユーザによる表示要素20の表示位置の設定に基づいて表示要素20が表示される例を示したが本発明はこれに限らない。たとえば、記憶部32にユーザの嗜好を学習する学習機能が設けられていてもよい。そして、学習機能に学習されたユーザの嗜好に基づく表示位置に対応するように表示要素20が表示されてもよい。
【0075】
上記第1実施形態では、表示要素20の配置が決定するまで表示要素20のサイズが縮小される例を示したが、本発明はこれに限らない。表示要素20の配置の決定時において、表示要素20の大きさが最大限拡大された状態で高輝度領域11に表示されるように、表示要素20のサイズが拡大されてもよい。
【0076】
上記第1実施形態では、表示要素20の配置が決定するまで表示要素20のサイズを縮小される例を示したが、本発明はこれに限らない。表示要素20のサイズの縮小の下限となる閾値を設けてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 光源
2 表示画面
11 高輝度領域
13 低輝度領域
20 表示要素
30 表示装置
32 記憶部
33 表示装置側制御部
35 表示部
40 端末
41 端末側制御部
70 プリセットデザイン
100 表示システム