(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086493
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】液晶パネルおよび液晶表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/133 20060101AFI20240620BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240620BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
G02F1/133 550
G02F1/1368
G02F1/1345
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201651
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(72)【発明者】
【氏名】高橋 功
(72)【発明者】
【氏名】藤川 陽介
(72)【発明者】
【氏名】鉢田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 駿
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
2H193
【Fターム(参考)】
2H092GA35
2H092GA50
2H092JA24
2H092MA55
2H092MA57
2H092NA30
2H092PA06
2H092PA11
2H192AA24
2H192FA65
2H192FA72
2H192FB02
2H192FB27
2H192HB03
2H192HB04
2H192HB14
2H192HB25
2H193ZA04
2H193ZF20
2H193ZF43
2H193ZF45
2H193ZF52
2H193ZK02
2H193ZK09
2H193ZK13
2H193ZK14
2H193ZP15
(57)【要約】
【課題】製造工程中の複数の段階で検査を行うことが可能な液晶パネルおよび液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】液晶パネルは、ゲートドライバ回路23、デマルチプレクサ回路24およびゲートスイッチ回路22を含むアクティブマトリクス基板20を備える。アクティブマトリクス基板は非表示領域NRおよび非表示領域の外側に位置する検査用端子領域TRを含み、非表示領域に、第1および第2パネル内検査端子26A、26Bを有し、検査端子領域に、第1および第2パネル外検査端子27A、27Cを含む。第2パネル外検査端子は、ゲートドライバ回路に接続され、第1パネル外検査端子はデマルチプレクサ回路に接続され、第2パネル内検査端子は、ゲートスイッチ回路に接続され、第1パネル内検査端子はデマルチプレクサ回路に接続されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブマトリクス基板と、対向基板と、前記アクティブマトリクス基板および前記対向基板に挟まれた液晶層とを備えた液晶パネルであって、
前記アクティブマトリクス基板は、
表示領域と、表示領域の周囲に位置する非表示領域と、前記非表示領域の外側において前記非表示領域に隣接する検査用端子領域とを含む主面を有する基板と、
前記基板の表示領域にそれぞれ配置された、第1方向に伸びる複数のソースバスラインおよび前記第1方向と交差する第2方向に伸びる前記複数のゲートバスラインと、
前記基板の表示領域に配置された複数の画素であって、各画素が前記複数のソースバスラインの1つおよび前記複数のゲートバスラインの1つとそれぞれ接続されたTFTを含む、複数の画素と、
前記基板の検査用端子領域に配置された第1パネル外検査端子および第2パネル外検査端子と、
前記基板の非表示領域に配置された第1パネル内検査端子および第2パネル内検査端子と、
前記基板の非表示領域に配置され、前記複数のゲートバスラインおよび前記第2パネル外検査端子と接続されたゲートドライバ回路と、
前記基板の非表示領域に配置され、前記複数のゲートバスラインおよび前記第2パネル内検査端子と接続されたゲートスイッチ回路であって、前記第2パネル内検査端子から入力される信号に基づき、前記複数のゲートバスラインに制御信号を出力するゲートスイッチ回路と、
前記基板の非表示領域に配置され、前記複数のソースバスライン、前記第1パネル外検査端子および前記第1パネル内検査端子と接続されたデマルチプレクサ回路と、
を備えた液晶パネル。
【請求項2】
アクティブマトリクス基板と、対向基板と、前記アクティブマトリクス基板および前記対向基板に挟まれた液晶層とを備えた液晶パネルであって、
前記アクティブマトリクス基板は、
表示領域と、表示領域の周囲に位置する非表示領域と、前記非表示領域の外側において前記非表示領域に隣接する検査用端子領域とを含む主面を有する基板と、
前記基板の表示領域にそれぞれ配置された、第1方向に伸びる複数のソースバスラインおよび前記第1方向と交差する第2方向に伸びる前記複数のゲートバスラインと、
前記基板の表示領域に配置された複数の画素であって、各画素が前記複数のソースバスラインの1つおよび前記複数のゲートバスラインの1つとそれぞれ接続されたTFTを含む、複数の画素と、
前記基板の検査用端子領域に配置された第1パネル外検査端子および第2パネル外検査端子と、
前記基板の非表示領域に配置された第2パネル内検査端子および第3パネル内検査端子と、
前記基板の非表示領域に配置され、前記複数のゲートバスラインおよび前記第2パネル外検査端子と接続されたゲートドライバ回路と、
前記基板の非表示領域に配置され、前記複数のゲートバスラインおよび前記第2パネル内検査端子と接続されたゲートスイッチ回路であって、前記第2パネル内検査端子から入力される信号に基づき、前記複数のゲートバスラインに制御信号を出力するゲートスイッチ回路と、
前記基板の非表示領域に配置され、前記複数のソースバスラインおよび前記第1パネル外検査端子と接続されたデマルチプレクサ回路と、
前記基板の非表示領域に配置され、前記複数のソースバスラインおよび前記第3パネル内検査端子と接続されたソーススイッチ回路であって、前記第3パネル内検査端子から入力される信号に基づき、前記複数のソースバスラインに所定の電圧を印加するソーススイッチ回路と、
を備えた液晶パネル。
【請求項3】
前記デマルチプレクサ回路と前記第1パネル外検査端子および前記第1パネル内検査端子とを接続する第1配線と、
前記ゲートスイッチ回路と前記第2パネル内検査端子とを接続する第2配線と、
前記ゲートドライバ回路と前記第2パネル外検査端子とを接続する第3配線と、
をさらに備え、
前記第1パネル内検査端子の一部は、前記第2配線および前記第3配線の少なくとも一方の上方に配置され、
前記第2パネル内検査端子の一部は、前記第1配線および前記第3配線の少なくとも一方の上方に配置されている、請求項1に記載の液晶パネル。
【請求項4】
前記デマルチプレクサ回路と前記第1パネル外検査端子とを接続する第1配線と、
前記ソーススイッチ回路と前記第3パネル内検査端子とを接続する第5配線と、
前記ゲートスイッチ回路と前記第2パネル内検査端子とを接続する第2配線と、
前記ゲートドライバ回路と前記第2パネル外検査端子とを接続する第3配線と、
をさらに備え、
前記第2パネル内検査端子の一部は、前記第1配線、前記第3配線および前記第5配線の少なくとも1つの上方に配置され、
前記第3パネル内検査端子の一部は、前記第1配線、前記第2配線および前記第3配線の少なくとも1つの上方に配置されている、請求項2に記載の液晶パネル。
【請求項5】
前記基板の非表示領域は、ソースドライバICを実装するための実装領域を含む、請求項1に記載の液晶パネル。
【請求項6】
前記基板の非表示領域は、ソースドライバICを実装するための実装領域を含む、請求項2に記載の液晶パネル。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか1項に記載の液晶パネルを用意する工程と、
前記第1パネル外検査端子および前記第2パネル外検査端子を用いて、前記ゲートドライバ回路、前記デマルチプレクサ回路および前記複数の画素の動作検査を行う工程と、
前記動作検査に合格した液晶パネルに対して、前記基板の前記検査用端子領域を切除する工程と、
前記液晶パネルに一対の偏光フィルムを貼付する工程と、
前記第1パネル内検査端子または前記第3パネル内検査端子と、前記第2パネル内検査端子を用いて前記画素の点灯検査を行う工程と、
を備えた液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記基板の非表示領域は、ソースドライバICを実装するための実装領域を含み、
前記点灯検査に合格した液晶パネルについて、前記実装領域に前記ソースドライバICを実装する工程をさらに含む、請求項7に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記液晶パネルにおいて、前記ゲートドライバ回路および前記デマルチプレクサ回路は、前記基板にモノリシックに形成されている、請求項7に記載の液晶表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶パネルおよび液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、一般にアクティブマトリクス基板を含み、アクティブマトリクス基板にドライバICが実装されている。ドライバICの無駄をなくすという観点では、ドライバICを実装する前に、液晶表示装置の動作検査を行うことが好ましい。例えば、特許文献1は、ドライバICの実装前に点灯検査を行うことが可能な液晶表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、製造工程中の複数の段階で検査を行うことが可能な液晶パネルおよび液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態に係る液晶パネルは、
アクティブマトリクス基板と、対向基板と、前記アクティブマトリクス基板および前記対向基板に挟まれた液晶層とを備えた液晶パネルであって、
前記アクティブマトリクス基板は、
表示領域と、表示領域の周囲に位置する非表示領域と、前記非表示領域の外側において前記非表示領域に隣接する検査用端子領域とを含む主面を有する基板と、
前記基板の表示領域にそれぞれ配置された、第1方向に伸びる複数のソースバスラインおよび前記第1方向と交差する第2方向に伸びる前記複数のゲートバスラインと、
前記基板の表示領域に配置された複数の画素であって、各画素が前記複数のソースバスラインの1つおよび前記複数のゲートバスラインの1つとそれぞれ接続されたTFTを含む、複数の画素と、
前記基板の検査用端子領域に配置された第1パネル外検査端子および第2パネル外検査端子と、
前記基板の非表示領域に配置された第1パネル内検査端子および第2パネル内検査端子と、
前記基板の非表示領域に配置され、前記複数のゲートバスラインおよび前記第2パネル外検査端子と接続されたゲートドライバ回路と、
前記基板の非表示領域に配置され、前記複数のゲートバスラインおよび前記第2パネル内検査端子と接続されたゲートスイッチ回路であって、前記第2パネル内検査端子から入力される信号に基づき、前記複数のゲートバスラインに制御信号を出力するゲートスイッチ回路と、
前記基板の非表示領域に配置され、前記複数のソースバスライン、前記第1パネル外検査端子および前記第1パネル内検査端子と接続されたデマルチプレクサ回路と、
を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、製造工程中の複数の段階で検査を行うことが可能な液晶パネルおよび液晶表示装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態による液晶パネルの一構成例を示す模式的な断面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す液晶パネルにおけるアクティブマトリクス基板の構成を示す模式図である。
【
図3】
図3は、画素PXの構成を示す模式図である。ある。
【
図4A】
図4Aは、第1パネル内検査端子の模式的断面図である。
【
図4B】
図4Bは、第1パネル内検査端子の主要な構成要素の模式的平面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の液晶表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図6A】
図6Aは、第1実施形態の液晶表示装置の製造方法における工程断面図である。
【
図6B】
図6Bは、第1実施形態の液晶表示装置の製造方法における工程断面図である。
【
図6C】
図6Cは、第1実施形態の液晶表示装置の製造方法における工程断面図である。
【
図7】
図7は、動作検査工程における検査画像例を模式的に示している。
【
図8】
図8は、検査端子用領域を切除した後の、アクティブマトリクス基板の構成を示す模式図である。
【
図9】
図9は、点灯検査工程における検査画像例を模式的に示している。
【
図10】
図10は、ソースドライバICを実装した後のアクティブマトリクス基板の構成を示す模式図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態の液晶パネルにおけるアクティブマトリクス基板の構成を示す模式図である。
【
図12】
図12は、第3パネル内検査端子の主要な構成要素の模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
中小型の液晶表示装置では、小型化、低消費電力化あるいは薄型化の観点から、ドライバICの一部または全部をモノリシックにアクティブマトリクス基板に形成する場合がある。例えば、ゲートドライバ回路は、主としてシフトレジスタで構成が可能であるため、ゲートドライバ回路全体を、画素を構成するTFTと同じ半導体材料を用いて、アクティブマトリクス基板にモノリシックに形成することができる。一方、ソースドライバ回路は、回路規模が大きいため、デマルチプレクサ回路だけをアクティブマトリクス基板にモノリシックに形成し、ソースドライバの残りの回路を、ベアチップ、パッケージチップなどの形態のICチップで構成し、ソースドライバICをアクティブマトリクス基板に実装することが考えられる。
【0009】
この場合、ソースドライバICをアクティブマトリクス基板に実装しないと、液晶表示装置の動作検査を行うことはできない。しかし、ソースドライバICを実装した後に、検査によって液晶表示装置が不合格となった場合、実装したソースドライバICは無駄になってしまう。
【0010】
また、液晶表示装置がヘッドマウントディスプレイに用いられる場合、使用者の目から液晶表示装置までの距離が短く、かつ、光学系を介して液晶表示装置を観察することになるため、微小な輝点であっても液晶表示装置の表示品位に影響を与える。このような微小輝点の有無を検査するためには、液晶パネルに偏光板を張り付けた状態で検査を行うことが好ましい。偏光板と液晶パネルとの間に空気層があると、屈折によって光が散乱し、輝点がぼやけるからである。
【0011】
しかし、偏光板を液晶パネルに貼り付けた後、液晶パネルの輝点欠陥が検査の基準を超え、液晶パネルが検査に不合格となる場合、貼り付けた偏光板は無駄になってしまう。
【0012】
このようなことから、液晶表示装置は、製造工程中の複数の段階で検査を行うことができることが好ましい。本願発明者はこのような課題に鑑み、新規な液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法を想到した。
【0013】
以下本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されていたり、一部の構成部材が省略されていたりする場合がある。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の液晶パネル101の一構成例を示す模式的な断面図である。液晶パネル101は、アクティブマトリクス基板20と、対向基板40と、液晶層50とを含む。
【0015】
液晶層50は、アクティブマトリクス基板20と対向基板40との間に位置しており、シール51によって、アクティブマトリクス基板20と対向基板40との間で封止されている。
【0016】
図2は、アクティブマトリクス基板20の一構成例を示す模式図である。アクティブマトリクス基板20は、基板21と、複数のソースバスラインSLと、複数のゲートバスラインGLと、複数の画素PXとを含む。
【0017】
基板21は、例えば透光性材料によって構成されており、主面21aにおいて、表示領域DRと、非表示領域NRと検査用端子領域TRとを含む。
【0018】
表示領域DRは主面21aの中央に配置されており、非表示領域NRは、表示領域DRの周囲に位置し、表示領域DRを囲んでいる。検査用端子領域TRは、非表示領域NRの外側において、非表示領域NRに隣接して位置している。
【0019】
本実施形態では、表示領域DRは矩形形状を有しており、x軸に平行な辺DRbおよびDRcと、y軸に平行な辺DRdおよびDReとを含む。非表示領域NRは辺DRb、DRc、DRd、DReに接して表示領域DRを囲んでいる。検査用端子領域TRは、非表示領域NRを挟んで辺DRcに隣接している。
【0020】
複数のゲートバスラインGL、複数のソースバスラインSLおよび複数の画素PXは、表示領域DRに配置されている。具体的には、複数のゲートバスラインGLは、第1方向であるx軸方向に伸びており、第1方向に直交する第2方向であるy軸方向に所定の間隔で配置されている。また、ソースバスラインSLは、y軸方向に伸びており、x軸方向に所定の間隔で配置されている。隣接する一対のゲートバスラインGLおよび隣接する一対のソースバスラインSLに囲まれる領域に画素PXが配置される。
【0021】
ゲートバスラインGLおよびソースバスラインSLの一端は、非表示領域NRに伸びており、後述する画素PXを駆動するための駆動回路およびスイッチ回路と接続されている。本実施形態では、複数のゲートバスラインGLは、非表示領域NRの辺DReに隣接する部分および辺DRdに隣接する部分へ交互に伸びている。またソースバスラインSLは非表示領域NRの辺DRcに隣接する部分へ伸びている。
【0022】
図3は、画素PXの構成を示す模式図である。画素PXは、画素電極PEとTFTとを含む。例えば各画素PXのTFTにおいて、ゲート電極GがゲートバスラインGLに接続され、ソース電極SがソースバスラインSLに接続され、画素電極PEがドレイン電極Dに接続されている。
【0023】
図2に示すように、アクティブマトリクス基板20は、ゲートスイッチ回路22と、ゲートドライバ回路23と、デマルチプレクサ回路24とを含む。また、アクティブマトリクス基板20は、第1パネル内検査端子26Aと、第2パネル内検査端子26Bと、第1パネル外検査端子27Aと、第2パネル外検査端子27Cと、外部端子28とを含む。
【0024】
本実施形態では、ゲートスイッチ回路22は2つの分割されており、2つのゲートスイッチ回路22は、非表示領域NRの、辺DRdおよび辺DReに隣接した部分に配置されている。2つのゲートスイッチ回路22は、それぞれ非表示領域NRまで伸びているゲートバスラインGLと接続されている。
【0025】
ゲートスイッチ回路22は、液晶パネル101の検査のために設けられた回路であり、液晶パネル101の輝点欠陥および黒点欠陥を発見するために、液晶パネル101の画素PXを同時に点灯/消灯させる。具体的には、各画素PXのTFTをONにするゲート信号を、複数のゲートバスラインGLに同時に出力する。ゲートドライバ回路のように、ゲートバスラインGLを順次走査する場合に比べて、ゲートスイッチ回路22を構成するのに必要なTFTの数は少なくてよく、回路規模は小さい。
【0026】
ゲートドライバ回路23も2つに分割されており、2つのゲートドライバ回路23は、非表示領域NRのうち、辺DRdおよび辺DReに隣接した部分に配置されている。2つのゲートドライバ回路23は、それぞれ非表示領域NRまで伸びているゲートバスラインGLと接続されている。
【0027】
ゲートドライバ回路23は、複数のゲートバスラインGLを駆動する。具体的には、ゲートドライバ回路23は、各ゲートバスラインGLに接続された画素PXのTFTをオンにするための制御信号を、順次ゲートバスラインGLに印加する。
【0028】
デマルチプレクサ回路24は、非表示領域NRに配置され、非表示領域NRまで伸びているソースバスラインSLに接続されている。本実施形態では、デマルチプレクサ回路24は、表示領域DRの辺DRcに隣接して配置されている。
【0029】
デマルチプレクサ回路24は、例えば、画素ごとのRGBの輝度情報をシリアルに含む表示データ信号をソースドライバICから受け取り、RGBの画素の輝度情報をパラレルに含む表示データ信号を出力する。
【0030】
ゲートスイッチ回路22、ゲートドライバ回路23およびデマルチプレクサ回路24は、アクティブマトリクス基板20にモノリシックに形成されていることが好ましい。例えば、ゲートスイッチ回路22、ゲートドライバ回路23およびデマルチプレクサ回路24は、それぞれTFTで構成されており、アクティブマトリクス基板20を製造する工程中に基板21上に形成されることが好ましい。画素PXのTFTと、ゲートスイッチ回路22、ゲートドライバ回路23およびデマルチプレクサ回路24を構成するTFTとは同じ材料の半導体層を含んでいてもよい。この場合、画素PXのTFTと、ゲートスイッチ回路22、ゲートドライバ回路23およびデマルチプレクサ回路24を構成するTFTとは同時に形成することができる。画素PXのTFTと、ゲートスイッチ回路22、ゲートドライバ回路23およびデマルチプレクサ回路24を構成するTFTとは、例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン、酸化物半導体からなる群から選ばれる一種を含んでいてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、ゲートスイッチ回路22およびゲートドライバ回路23はそれぞれ2つに分割されているが、ゲートスイッチ回路22およびゲートドライバ回路23はそれぞれ1つでもあってもよいし、3以上に分割されていてもよい。
【0032】
アクティブマトリクス基板20は、非表示領域NR内に、実装領域MRを有している。実装領域MRは、例えば、デマルチプレクサ回路24に隣接している。実装領域MRには、後述するソースドライバICが配置される。実装領域MR内には、ソースドライバICの端子が接続されるパッド30が配置されている。
【0033】
第1パネル内検査端子26A、第2パネル内検査端子26Bおよび外部端子28は、非表示領域NRに配置されている。一方、第1パネル外検査端子27Aおよび第2パネル外検査端子27Cは、検査用端子領域TRに配置されている。外部端子28には、液晶表示装置を駆動するためのタイミングコントローラから出力される信号を伝送するフレキシブル回路基板が接続される。
【0034】
これらの端子と、ゲートスイッチ回路22、ゲートドライバ回路23およびデマルチプレクサ回路24とを接続するために、アクティブマトリクス基板20は、第1配線25A、第2配線25B、第3配線25C、第4配線25Dをさらに備える。
【0035】
第1配線25Aは、デマルチプレクサ回路24と、第1パネル内検査端子26Aおよび第1パネル外検査端子27Aとを接続している。第2配線25Bは、ゲートスイッチ回路22と第2パネル内検査端子26Bとを接続している。第3配線25Cは、ゲートドライバ回路23と、第2パネル外検査端子27Cおよび外部端子28とを接続している。第4配線25Dは、デマルチプレクサ回路24と、実装領域MR内のパッド30および外部端子28とを接続している。
【0036】
図2において、配線および端子の数、位置および形状等は模式的に示されている。第1パネル外検査端子27Aおよび第2パネル外検査端子27Cは、ゲートドライバ回路23およびデマルチプレクサ回路24および画素PXの動作検査、つまり、液晶パネル101が正しく動作するか否かの検査を行うために用いられる。画素PXを個別に制御するために多数の第1パネル外検査端子27Aおよび第2パネル外検査端子27Cが必要である。
【0037】
一方、第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bは、液晶パネル101の全画素PXを同時に制御して輝点欠陥および黒点欠陥の有無を検査するために用いられる。画素PXを個別に制御する必要がないため、第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bの数は少なくてよい。つまり、第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bの合計数は、第1パネル外検査端子27Aおよび第2パネル外検査端子27Cの合計数よりも少ない。
【0038】
ただし、検査用端子領域TRは、液晶パネル101の検査後、切除され、完成した液晶表示装置には含まれない。このため、製造工程におけるアクティブマトリクス基板20の取り扱いが可能な範囲で、検査用端子領域TRを広くとり、第1パネル外検査端子27Aおよび第2パネル外検査端子27Cを検査に適した大きさおよび形状で形成し、検査用端子領域TRに配置することができる。
【0039】
これに対し、非表示領域NRは、完成した液晶表示装置において、額縁領域として含まれるため、非表示領域NRは小さい方が好ましい。この点で、第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bの合計数は少なくてよいので、非表示領域NRを大きくとることなく、第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bを配置し得る。
【0040】
第1配線25A、第2配線25Bおよび第3配線25Cは、デマルチプレクサ回路24および実装領域MRを避けて非表示領域NRに配置するため、これらの配線の幅は小さくかつ配線間の間隔も狭くなる。このため、非表示領域NRに配置する第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bの一部は、これらの配線上にも配置されている。
図4Aおよび
図4Bは、第1パネル内検査端子26Aの断面構造および主要な構成要素の平面構造を模式的に示している。
【0041】
基板21上に、第1配線25Aおよび配線36が配置されている、配線36は、第2配線25Bおよび第3配線25Cのいずれかである。第1配線25Aおよび配線36は、例えば、画素PXのTFTを構成するゲート電極と同じ金属材料によって、かつ、同時に形成されている。
【0042】
第1配線25Aおよび配線36を覆って基板21上に第1絶縁層33が配置されている。第1絶縁層33は、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素などの無機絶縁材料によって構成されている。好ましくは画素PXに含まれる無機絶縁層の1つと同時に形成されている。第1絶縁層33には第1配線25Aの一部を露出するコンタクトホール33cが形成されており、コンタクトホール33c内および第1絶縁層33上に第1金属層35が配置されている。第1金属層35は、例えば、画素PXのTFTのソース電極と同じ金属材料によって、かつ、同時に形成されている。
【0043】
第1金属層35を覆って第1絶縁層33上に第2絶縁層34が配置されている。第2絶縁層34は、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素などの無機絶縁材料によって構成されており、好ましくは、画素PXに含まれる無機絶縁層の1つと同時に形成されている。第2絶縁層34には第1金属層35の一部を露出するコンタクトホール34cが形成されており、コンタクトホール34c内および第2絶縁層34上に第1パネル内検査端子26Aが配置されている。第1パネル内検査端子26Aの一部は、配線36の上方にも位置している。言い換えると、第1パネル内検査端子26Aの一部は、第2配線25Bおよび第3配線25Cの少なくとも一方の上方に配置されている。
【0044】
第1パネル内検査端子26Aは、例えば、画素PXの画素電極PEと同じ金属材料によって、かつ、同時に形成されている。つまり、第1パネル内検査端子26Aは透光性導電材料によって構成されていてもよい。
【0045】
第2パネル内検査端子26Bも同様の構造を備えている。第2パネル内検査端子26Bの一部は、第1配線25Aおよび第3配線25Cの少なくとも一方の上方に配置されている。
【0046】
このような構成を第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bが備えていることによって、第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bは、検査装置のプローブピン等を確実に接続させることができる十分に大きな面積を有することができる。よって、第1配線25A、第2配線25Bおよび第3配線25Cが密に配置されていても、非表示領域NRに検査に使用することのできる第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bを配置することができる。
【0047】
次に本実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明する。
図5は、本実施形態の液晶表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
図6Aから
図6Cは、本実施形態の液晶表示装置の製造方法の工程断面図である。本実施形態の液晶表示装置の製造方法は、液晶パネルを用意する工程、液晶パネルの動作検査を行う工程、検査用端子領域を切除する工程、偏光板を貼付する工程、点灯検査を行う工程およびソースドライバICを実装する工程を含む。以下、各工程を詳細に説明する。
【0048】
(1)液晶パネルを用意する工程(S-1)
まず、
図1および
図2に示す液晶パネル101を作製する。液晶パネル101は、一般的な液晶パネルの製造に用いられる半導体製造技術を用いて作製することができる。
【0049】
(2)液晶パネルの動作検査を行う工程(S-2)
次に、第1パネル外検査端子27Aおよび第2パネル外検査端子27Cを用いて、液晶パネルの動作検査を行う。動作検査には、ゲートドライバ回路23、デマルチプレクサ回路24および複数の画素PXの動作検査が含まれる。まず
図6Aに示すように、液晶パネル101の上下に、偏光フィルム202が透明基板203で支持された一対の偏光板201を液晶パネル101の上下に配置する。液晶パネル101の背面にバックライト204を配置し、点灯させる。
【0050】
この工程は、偏光フィルム202を液晶パネル101に貼り付けて動作検査を行うことも可能である。しかし、この場合、液晶パネル101が、動作検査に合格しなければ、貼り付けた偏光フィルム202は廃棄され無駄になってしまう。
【0051】
また、偏光板201は、液晶パネル101との間に間隙Pを確保して配置することが好ましい。偏光板201を液晶パネル101に接触させると、液晶パネル101にゴミなどが付着したり、液晶パネル101の表面に傷がつく可能性がある。
【0052】
プローブピンを備えた検査装置を用意し、この状態で、液晶パネル101の第1パネル外検査端子27Aおよび第2パネル外検査端子27Cに、プローブピンを接触させる。検査装置は、少なくとも、動作検査のための制御信号を発生させ、第1パネル外検査端子27Aおよび第2パネル外検査端子27Cに印加する。検査装置は、ゲートバスラインGLを走査するゲート信号を発生させるよう第2パネル外検査端子27Cを介して、ゲートドライバ回路23に制御信号を出力する。また、検査装置は、画素ごとのRGBの輝度情報をシリアルに含む表示データ信号を、第1パネル外検査端子27Aを介してデマルチプレクサ回路24へ出力する。これにより、ゲートドライバ回路23およびデマルチプレクサ回路24が動作し、画素PXが動作する。
【0053】
検査装置は、液晶パネル101から第1パネル外検査端子27Aおよび/または第2パネル外検査端子27Cを介してゲートドライバ回路23およびデマルチプレクサ回路24が正しく動作しているか否かを判定するための信号を受け取ってもよい。
【0054】
続いて、検査装置によって駆動された画素PXによる画像を検査する。液晶パネル101に白表示(点灯)および黒表示(消灯)を行わせ、それぞれ黒点欠陥および輝点欠陥を検出する。検査は、目視によって行ってもよいし、撮像装置によって画像を撮影し、パターン認識によって検査を行ってもよい。
図7は、検査画像例を模式的に示している。白表示によって黒点欠陥が検出され、黒表示によって輝点欠陥が検出されるが、
図7では、便宜的に両方の欠陥を一緒に示している。
【0055】
例えば、
図7に示すように、線状の輝点欠陥211や、複数の画素にまたがった点状の黒点欠陥212および輝点欠陥213などが生じ得る。一方、1または数画素の輝点/黒点欠陥214は、微小であり、かつ偏光板201と液晶パネル101との間に間隙Pが設けられていることによって、欠陥の領域とその周囲の領域との境界とで光が相互に拡散することによって輝点/黒点欠陥214が目立たなくなる。このため、輝点/黒点欠陥214は、検査で見つけることが困難な場合がある。
【0056】
上述した検査によって検出した欠陥の数や分布を、基準値と比較し、値や分布が基準を超える場合には、液晶パネル101を不合格と判定する。
【0057】
(3)検査用端子領域を切除する工程(S-3)
動作検査に合格した液晶パネル101の検査用端子領域TRを切除する。検査用端子領域TRに配置された第1パネル外検査端子27Aおよび第2パネル外検査端子27Cは上述した動作検査にのみ必要であるため、動作検査終了後、ソーブレードなどを備えた基板切断装置を用い、液晶パネル101のアクティブマトリクス基板20を検査用端子領域TRと非表示領域NRとの境界CLの位置(
図2)で切断する。これにより
図8に示すアクティブマトリクス基板20’を含む液晶パネル101’が得られる。
【0058】
(4)偏光板を貼付する工程(S-4)
図6Bに示すように、一対の偏光フィルム202を液晶パネル101’に貼り付ける。接着剤や接着層を用いて偏光フィルム202を液晶パネル101’に貼り付けることができる。
【0059】
(5)点灯検査を行う工程(S-5)
次に、第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bを用いて、偏光フィルム202が貼り付けられた液晶パネル101’の画素の点灯検査を行う。液晶パネル101’はすでに動作検査に合格しているので、ここでは、白表示および黒表示によって、動作検査の際に検出できなかった微小な輝点欠陥および黒点欠陥を検出する。
【0060】
まず、液晶パネル101’の背面に間隙Pを介してバックライト204を配置し、点灯させる。次に、プローブピンを備えた検査装置を用意し、この状態で、液晶パネル101’の第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bに、プローブピンを接触させる。検査装置は、液晶パネル101’の画素PX全体を同時に白表示(点灯)および黒表示(消灯)させる制御信号を第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bを介してゲートスイッチ回路22およびデマルチプレクサ回路24に印加する。白表示ではなく、灰色などの中間階調の表示を行ってもよい。
【0061】
図9は、点灯検査による検査画像例を模式的に示している。
図7と同様、
図9では、便宜的に輝点欠陥と黒点欠陥を一緒に示している。例えば、
図9に示すように、画面内に1または数画素の黒点欠陥215および輝点欠陥216が存在している。前述したように、偏光フィルム202を液晶パネル101’に貼り付けていることによって、偏光フィルム202を透過する際、液晶パネル101’を透過した光の拡散が抑制され、より、黒点欠陥215および輝点欠陥216が検出しやすくなる。
【0062】
目視または撮影した画像のパターン認識によって、検出した欠陥の数や分布を、基準値と比較し、数や分布が基準を超える場合には、液晶パネル101’を不合格と判定する。
【0063】
(6)ソースドライバICを実装する工程(S-7)
点灯検査に合格した液晶パネル101’にソースドライバICを実装する。
図6Cおよび
図10に示すように、ベアチップあるいは樹脂で封止されたパッケージ状のソースドライバIC205をアクティブマトリクス基板20’の実装領域MRに配置し、ソースドライバIC205の端子をパッド30と半田などによって接続する。これにより、ソースドライバIC205がデマルチプレクサ回路24および外部端子28と第4配線25Dによって接続される。その後バックライト204を液晶パネル101’に取り付ける。これにより、本実施形態の液晶表示装置151が完成する。
【0064】
本実施形態の液晶パネルおよび液晶表示装置の製造方法によれば、ゲートドライバ回路23に接続された第1パネル外検査端子27A、デマルチプレクサ回路24に接続された第2パネル外検査端子27Cと、ゲートスイッチ回路22に接続された、第1パネル内検査端子26A、デマルチプレクサ回路に接続された第2パネル内検査端子26Bとを備えるため、製造工程中の異なる段階で液晶パネルの検査を行うことが可能である。具体的には、第1パネル外検査端子27Aおよび第2パネル外検査端子27Cを用いて、ゲートドライバ回路23、デマルチプレクサ回路24および画素PXの動作を検査することができる。検査用端子領域TRはその後、切除されるので、検査用端子領域TRを広くとって、十分な大きさの第1パネル外検査端子27Aおよび第2パネル外検査端子27Cを配置することができる。また、動作検査後、検査用端子領域TRを切除することによって、液晶表示装置151の額縁が大きくなることが抑制される。
【0065】
また、検査用端子領域TRを除去した後も、第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bを用いてゲートスイッチ回路22およびデマルチプレクサ回路24を制御し、画素を点灯させ検査を行うことができるため、動作検査に合格した液晶パネルに偏光フィルムを貼付して、微小な輝点/黒点欠陥を見つけることができる。また、この検査は、動作検査に合格した液晶パネルに対して行うため、簡易な検査であってもよい。このため、第1パネル内検査端子26Aおよび第2パネル内検査端子26Bの数を制限して、液晶表示装置151の額縁が大きくなることを抑制できる。
【0066】
さらに、検査を複数回に分けて行うことによって、液晶パネル101の作製後、偏光フィルムの貼付、ソースドライバICの実装など、各工程の前に液晶パネルの検査を行うことができ、液晶パネルが検査に不合格になることによって一緒に無駄になってしまう部品や部材をできるだけ抑制することができる。
【0067】
(第2実施形態)
図11は、本実施形態の液晶パネルのアクティブマトリクス基板120の一構成例を示す模式図である。本実施形態の液晶パネルは、アクティブマトリクス基板120が、第1パネル内検査端子26Aを備えておらず、ソーススイッチ回路31および第3パネル内検査端子26Cをさらに備えている点で第1実施形態の液晶表パネルと異なる。
【0068】
具体的には、アクティブマトリクス基板120は、第1パネル内検査端子26Aを備えておらず、第1配線25Aがデマルチプレクサ回路24と第1パネル外検査端子27Aとを接続している。
【0069】
一方、アクティブマトリクス基板120は、基板21上の非表示領域NRに配置されたソーススイッチ回路31と、第3パネル内検査端子26Cと第5配線25Eとを更に含む。
【0070】
ソーススイッチ回路31と、第3パネル内検査端子26Cと第5配線25Eは、いずれもアクティブマトリクス基板120の非表示領域NRに配置されている。
【0071】
ソーススイッチ回路31は、表示領域DRの辺DRdに隣接して配置されており、ソースバスラインSLの一端と接続されている。
【0072】
第5配線25Eは、ソーススイッチ回路31と、第3パネル内検査端子26Cとを接続している。
【0073】
ソーススイッチ回路31は、本実施形態の液晶パネルの検査のために設けられた回路であり、本実施形態の液晶パネルの輝点欠陥および黒点欠陥を発見するために、本実施形態の液晶パネルの画素PXを同時に点灯/消灯させる。具体的には、各画素PXの画素電極PEに電圧を印加するための表示データ信号を、複数のソースバスラインSLに同時に出力する。
【0074】
ソーススイッチ回路31は画素PXを個別に制御しないため、デマルチプレクサ回路24を用いて本実施形態の液晶パネルの画素PXを同時に点灯/消灯させる場合に比べて、駆動させるのに必要な端子は、少なくてよい。つまり第3パネル内検査端子26Cの数は、第1パネル内検査端子26Aの数よりも少なくてよい。このため、第3パネル内検査端子26Cの面積を大きくとることができる。
【0075】
例えば
図12に示すように、第3パネル内検査端子26Cの一部は、複数の配線36の上方に配置することができる。ここで複数の配線36は、第1配線25A、第2配線25Bまたは第3配線25Cである。つまり、第3パネル内検査端子26Cの一部は、第1配線25A、第2配線25Bおよび第3配線25Cの少なくとも1つの上方に配置されていてもよい。第2パネル内検査端子26Bについても同様の構造を採用することができる。具体的には、第2パネル内検査端子26Bの一部は、第1配線25A、第3配線25Cおよび第5配線25Eの少なくとも1つの上方に配置されていてもよい。
【0076】
本実施形態によれば、例えば、第3パネル内検査端子26Cは、第1実施形態の第1パネル内検査端子26Aよりも多くの配線36を覆う形状に形成することによって、第3パネル内検査端子26Cの面積をより大きくとることができる。よって、検査用端子領域TRを除去した後の画素点灯の検査において、検査装置のプローブピン等を第3パネル内検査端子26Cにより確実に接続させることができる。
【0077】
本実施形態の液晶表示装置を作製する場合には、第1の実施形態と同様にして作製することができる。
【0078】
本実施形態の液晶パネルおよび液晶表示装置の製造方法によれば、ゲートドライバ回路23に接続された第1パネル外検査端子27A、デマルチプレクサ回路24に接続された第2パネル外検査端子27Cと、ゲートスイッチ回路22に接続された第1パネル内検査端子26A、ソーススイッチ回路に接続された第3パネル内検査端子26Cとを備えるため、製造工程中の異なる段階で液晶パネルの検査を行うことが可能である。また、本実施形態の液晶パネルによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
(他の形態)
本開示の液晶パネルおよび液晶表示装置の製造方法は上記実施形態に限られず、種々の改変が可能である、例えば、上述したようにゲートドライバ回路、ゲートスイッチ回路、デマルチプレクサ回路の数は配置する位置などは上記実施形態に限られない。また、パネル外検査端子およびパネル内検査端子の数、形状、位置なども上記実施形態に限られない。
【0080】
本開示の液晶パネルおよび液晶表示装置の製造方法は以下のようにも説明できる。
【0081】
第1の構成に係る液晶パネルは、アクティブマトリクス基板と、対向基板と、アクティブマトリクス基板および対向基板に挟まれた液晶層とを備えた液晶パネルであって、
アクティブマトリクス基板は、
表示領域と、表示領域の周囲に位置する非表示領域と、非表示領域の外側において非表示領域に隣接する検査用端子領域とを含む主面を有する基板と、
基板の表示領域にそれぞれ配置された、第1方向に伸びる複数のソースバスラインおよび第1方向と交差する第2方向に伸びる複数のゲートバスラインと、
基板の表示領域に配置された複数の画素であって、各画素が複数のソースバスラインの1つおよび複数のゲートバスラインの1つとそれぞれ接続されたTFTを含む、複数の画素と、
基板の検査用端子領域に配置された第1パネル外検査端子および第2パネル外検査端子と、
基板の非表示領域に配置された第1パネル内検査端子および第2パネル内検査端子と、
基板の非表示領域に配置され、複数のゲートバスラインおよび第2パネル外検査端子と接続されたゲートドライバ回路と、
基板の非表示領域に配置され、複数のゲートバスラインおよび第2パネル内検査端子と接続されたゲートスイッチ回路であって、第2パネル内検査端子から入力される信号に基づき、複数のゲートバスラインに制御信号を出力するゲートスイッチ回路と、
基板の非表示領域に配置され、複数のソースバスライン、第1パネル外検査端子および第1パネル内検査端子と接続されたデマルチプレクサ回路とを備える。
【0082】
第1の構成によれば、ゲートドライバ回路に接続された第1パネル外検査端子、デマルチプレクサ回路に接続された第2パネル外検査端子と、ゲートスイッチ回路に接続された、第2パネル内検査端子と、デマルチプレクサ回路に接続された第2パネル内検査端子とを備えるため、製造工程中の異なる段階で液晶パネルの検査を行うことが可能である。
【0083】
第2の構成に係る液晶パネルは、アクティブマトリクス基板と、対向基板と、アクティブマトリクス基板および対向基板に挟まれた液晶層とを備えた液晶パネルであって、
アクティブマトリクス基板は、
表示領域と、表示領域の周囲に位置する非表示領域と、非表示領域の外側において非表示領域に隣接する検査用端子領域とを含む主面を有する基板と、
基板の表示領域にそれぞれ配置された、第1方向に伸びる複数のソースバスラインおよび第1方向と交差する第2方向に伸びる複数のゲートバスラインと、
基板の表示領域に配置された複数の画素であって、各画素が複数のソースバスラインの1つおよび複数のゲートバスラインの1つとそれぞれ接続されたTFTを含む、複数の画素と、
基板の検査用端子領域に配置された第1パネル外検査端子および第2パネル外検査端子と、
基板の非表示領域に配置された第2パネル内検査端子および第3パネル内検査端子と、
基板の非表示領域に配置され、複数のゲートバスラインおよび第2パネル外検査端子と接続されたゲートドライバ回路と、
基板の非表示領域に配置され、複数のゲートバスラインおよび第2パネル内検査端子と接続されたゲートスイッチ回路であって、第2パネル内検査端子から入力される信号に基づき、複数のゲートバスラインに制御信号を出力するゲートスイッチ回路と、
基板の非表示領域に配置され、複数のソースバスラインおよび第1パネル外検査端子と接続されたデマルチプレクサ回路と、
基板の非表示領域に配置され、複数のソースバスラインおよび第3パネル内検査端子と接続されたソーススイッチ回路であって、第3パネル内検査端子から入力される信号に基づき、複数のソースバスラインに所定の電圧を印加するソーススイッチ回路と、を備える。
【0084】
第2の構成によれば、ゲートドライバ回路に接続された第1パネル外検査端子、デマルチプレクサ回路に接続された第2パネル外検査端子と、ゲートスイッチ回路に接続された第1パネル内検査端子、ソーススイッチ回路に接続された第3パネル内検査端子26とを備えるため、製造工程中の異なる段階で液晶パネルの検査を行うことが可能である。
【0085】
第3の構成に係る液晶パネルは第1の構成において、
デマルチプレクサ回路と第1パネル外検査端子および第1パネル内検査端子とを接続する第1配線と、
ゲートスイッチ回路と第2パネル内検査端子とを接続する第2配線と、
ゲートドライバ回路と第2パネル外検査端子とを接続する第3配線と、
をさらに備え、
第1パネル内検査端子の一部は、第2配線および第3配線の少なくとも一方の上方に配置され、
第2パネル内検査端子の一部は、第1配線および第3配線の少なくとも一方の上方に配置されていてもよい。
【0086】
第4の構成に係る液晶パネルは第2の構成において、
デマルチプレクサ回路と第1パネル外検査端子とを接続する第1配線と、
ソーススイッチ回路と第3パネル内検査端子とを接続する第5配線と、
ゲートスイッチ回路と第2パネル内検査端子とを接続する第2配線と、
ゲートドライバ回路と第2パネル外検査端子とを接続する第3配線と、
をさらに備え、
第2パネル内検査端子の一部は、第1配線、第3配線および第5配線の少なくとも1つの上方に配置され、
第3パネル内検査端子の一部は、第1配線、第2配線および第3配線の少なくとも1つの上方に配置されていてもよい。
【0087】
第5の構成に係る液晶パネルは第1~第4の構成のいずれか1つにおいて、基板の非表示領域は、ソースドライバICを実装するための実装領域を含んでいてもよい。
【0088】
第6の構成に係る液晶表示装置の製造方法は、第1~第4の構成のいずれか1の液晶パネルを用意する工程と、
第1パネル外検査端子および第2パネル外検査端子を用いて、ゲートドライバ回路、デマルチプレクサ回路および複数の画素の動作検査を行う工程と、
動作検査に合格した液晶パネルに対して、基板の検査用端子領域を切除する工程と、
液晶パネルに一対の偏光フィルムを貼付する工程と、
第1パネル内検査端子または第3パネル内検査端子と、第2パネル内検査端子を用いて画素の点灯検査を行う工程と、
を備える。
【0089】
第6の構成によれば、製造工程中の異なる段階で液晶パネルの検査を行うことが可能である。
【0090】
第7の構成に係る液晶表示装置の製造方法は、第6の構成において、基板の非表示領域は、ソースドライバICを実装するための実装領域を含み、
点灯検査に合格した液晶パネルについて、実装領域にソースドライバICを実装する工程をさらに含んでいてもよい。
【0091】
第8の構成に係る液晶表示装置の製造方法は、第6または第7の構成において、ゲートドライバ回路およびデマルチプレクサ回路は、基板にモノリシックに形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0092】
20,20’,120…アクティブマトリクス基板、21…基板、21a…主面、22…ゲートスイッチ回路、23…ゲートドライバ回路、24…デマルチプレクサ回路、25A…第1配線、25B…第2配線、25C…第3配線、25D…第4配線、25E…第5配線、26A…第1パネル内検査端子、26B…第2パネル内検査端子、26C…第3パネル内検査端子、27A…第1パネル外検査端子、27C…第2パネル外検査端子、28…外部端子、30…パッド、31…ソーススイッチ回路、33…第1絶縁層、33c,34c…コンタクトホール、34…第2絶縁層、35…第1金属層、36…配線、40…対向基板、50…液晶層、51…シール、101,101’…液晶パネル、151…液晶表示装置、201…偏光板、202…偏光フィルム、203…透明基板、204…バックライト、205…ソースドライバIC、211,213,216…輝点欠陥、212,215…黒点欠陥