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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086496
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】車両管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240620BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240620BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20240620BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20240620BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20240620BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240620BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240620BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240620BHJP
   G16Y 20/30 20200101ALI20240620BHJP
【FI】
G08G1/00 D
B60L50/60
B60L15/20 J
B60L58/12
G08G1/00 X
G01C21/34
G06Q50/10
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y20/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201654
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英明
【テーマコード(参考)】
2F129
5H125
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD20
2F129DD46
2F129DD49
2F129DD58
2F129EE43
2F129EE55
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE81
2F129EE92
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF57
2F129FF60
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
2F129FF65
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125CA18
5H125CC04
5H125DD02
5H125EE27
5H125EE51
5H125EE55
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB08
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF25
5H181FF27
5H181MA41
5H181MB03
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】グループ走行している全車両(電気自動車)が効率良く目的地に到着することができる車両管理システムを提供する。
【解決手段】車両管理システム1の充電制御部240は、グループ走行する電気自動車100の現在位置から経由地に設定された充電施設300までの走行距離が所定の走行距離以内になった場合に、グループ走行を行っている電気自動車100の充電優先度を決定し、充電施設300において充電可能な台数のみ充電施設に誘導する。充電制御部240は、充電施設300において充電できなかった電気自動車100に対して、ルート算出部230が算出した新たな充電施設300を経由地に設定した走行ルートを送信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車と、前記電気自動車と通信により接続されたサーバ装置とにより構成された車両管理システムであって、
前記電気自動車は、
自車両の充電残量に基づいて航続可能距離を算出する航続可能距離算出部と、
充電施設および目的地までの走行ルートを案内するナビゲーション装置と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記走行ルートに関する情報を送受信する送受信部と、
グループ走行を行っている前記電気自動車のグループ情報を管理するグループ走行管理部と、
前記目的地と前記航続可能距離とに基づいて前記充電施設を経由地に設定した前記走行ルートを算出するルート算出部と、
グループ走行を行っている前記電気自動車の現在位置から経由地に設定された前記充電施設までの走行距離が所定の走行距離以内になった場合に、前記グループ走行を行っている前記電気自動車の充電優先度を決定し、前記充電施設において充電可能な台数のみ前記充電施設に誘導する充電制御部と、
を備えることを特徴とする車両管理システム。
【請求項2】
前記充電制御部は、前記充電優先度と前記充電施設の利用状況とに基づいて、前記充電施設に誘導する前記電気自動車を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両管理システム。
【請求項3】
前記充電制御部は、前記充電施設に誘導できなかった前記電気自動車に対して、前記ルート算出部が算出した新たな充電施設を経由地に設定した走行ルートを送信することを特徴とする請求項2に記載の車両管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点から、外部電源より充電可能な蓄電池を備えた電気自動車やプラグインハイブリッド車が普及している。
【0003】
電気自動車等による長距離のドライブを楽しむためには、蓄電池への充電が必要となるが、例えば、電気自動車によりグループ走行を行う場合には、充電施設の場所や数に制限があるため、効率良く各電気自動車の充電を行う必要がある。
【0004】
例えば、グループ走行における充電施設の利用に関する技術として、同一の目的地に向かう電気自動車のグループ走行において、通信により蓄電池残量等の車両状況を各車で共有すると共にナビゲーションとサーバ情報により各車両を最適なタイミングで適応する充電施設に導き、全車が効率良く目的地に到着できる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2016-006057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えば、経由地に設定された充電施設の利用状況により、グループ走行を行っている全車両が同一の充電施設で充電器を利用することができない場合に、全車両の充電が完了するまでその充電施設において待機しなければならないという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、グループ走行している全車両(電気自動車)が効率良く目的地に到着することができる車両管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、電気自動車と、前記電気自動車と通信により接続されたサーバ装置とにより構成された車両管理システムであって、前記電気自動車は、自車両の充電残量に基づいて航続可能距離を算出する航続可能距離算出部と、充電施設および目的地までの走行ルートを案内するナビゲーション装置と、を備え、前記サーバ装置は、前記走行ルートに関する情報を送受信する送受信部と、グループ走行を行っている前記電気自動車のグループ情報を管理するグループ走行管理部と、前記目的地と前記航続可能距離とに基づいて前記充電施設を経由地に設定した前記走行ルートを算出するルート算出部と、グループ走行を行っている前記電気自動車の現在位置から経由地に設定された前記充電施設までの走行距離が所定の走行距離以内になった場合に、前記グループ走行を行っている前記電気自動車の充電優先度を決定し、前記充電施設において充電可能な台数のみ前記充電施設に誘導する充電制御部と、を備えることを特徴とする車両管理システムを提案している。
【0009】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記充電制御部は、前記充電優先度と前記充電施設の利用状況とに基づいて、前記充電施設に誘導する前記電気自動車を決定することを特徴とする車両管理システムを提案している。
【0010】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記充電制御部は、前記充電施設において充電を行わなかった前記電気自動車に対して、前記ルート算出部が算出した新たな充電施設を経由地に設定した走行ルートを送信することを特徴とする車両管理システムを提案している。
【発明の効果】
【0011】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、グループ走行している全車両(電気自動車)が効率良く目的地に到着できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る車両管理システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る電気自動車の構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るサーバ装置の構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る車両管理システムの処理のフローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
図1から図4を用いて、本実施形態に係る車両管理システム1について説明する。
【0014】
<車両管理システム1の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る車両管理システム1は、自車両としての電気自動車100_1~100_Mと、サーバ装置200と、充電施設300_1~300_Nと、ネットワーク400と、を含んで構成されている。
なお、以下では、電気自動車100_1~100_Mを「電気自動車100」と総称し、充電施設300_1~300_Nを「充電施設300」と総称する。
電気自動車100は、外部電源より充電可能な蓄電池を備えており、充電施設300が備える充電器310を用いて蓄電池への充電を行う。
なお、電気自動車100は、4輪車に限定されるものではなく、充電池の電力により走行する2輪車等も含まれる。
サーバ装置200は、ネットワーク400を介して、電気自動車100と、充電施設300と互いに通信可能に接続されている。
充電施設300は、複数の充電器310を備え、現在の充電器310の利用状況、予約状況等の情報をサーバ装置200に送信する。
ここで、ネットワーク400は、複数の装置間で通信を行うためのネットワークであり、例えばインターネット網を例示することができる。
なお、電気自動車100およびサーバ装置200の構成については、後述する。
【0015】
<電気自動車100の構成>
図2に示すように、電気自動車100は、通信部110と、航続可能距離算出部120と、ナビゲーション装置130と、を含んで構成されている。
【0016】
通信部110は、例えば、公知の無線通信モジュールであって、電気自動車100がネットワーク400を介してサーバ装置200と通信するためのインタフェースとして機能する。
【0017】
航続可能距離算出部120は、自車両の充電残量に基づいて航続可能距離を算出する。
航続可能距離算出部120は、例えば、電気自動車100の蓄電池の充電残量と、交流電力量消費率(外部充電1kwh当たりの走行距離)の実績値とに基づいて航続可能距離を算出し、通信部110を介して、算出結果をサーバ装置200に送信する。
なお、航続可能距離算出部120は、電気自動車100の航続可能距離が算出できればよいため、上述した算出方法に限定されるものではない。
【0018】
ナビゲーション装置130は、充電施設および目的地までの走行ルートを案内する。
本実施形態においては、ナビゲーション装置130は、サーバ装置200から受信した充電施設300を経由地に設定した走行ルートに基づいて、充電施設300および目的地までの走行ルートの案内を行う。
また、ナビゲーション装置130は、図示しないGPS受信装置から電気自動車100の現在位置を取得し、取得した現在位置情報をサーバ装置200に送信する。
また、ナビゲーション装置130は、電気自動車100の乗員から入力された目的地の情報(施設名、位置情報等)をサーバ装置200に送信する。
【0019】
<サーバ装置200の構成>
図3に示すように、サーバ装置200は、送受信部210と、グループ走行管理部220と、ルート算出部230と、充電制御部240と、を含んで構成されている。
【0020】
送受信部210は、走行ルートに関する情報を送受信する。
具体的には、送受信部210は、後述するグループ走行管理部220に管理されている電気自動車100と接続し、グループ走行するときの走行ルートに関する情報を送受信する。
ここで、グループ走行とは、複数の電気自動車100が同一の目的地に向かって共に走行することをいう。
走行ルートに関する情報としては、目的地情報、グループ走行を行っている各電気自動車100の航続可能距離情報および現在位置情報、後述するルート算出部230が算出した走行ルート情報等を例示することができる。
【0021】
グループ走行管理部220は、グループ走行を行っている電気自動車100のグループ情報を管理する。
以下に、グループ走行管理部220が管理するグループ情報および管理方法の一例について説明する。
グループ走行を主催するリーダーは、グループ走行を開始するとき、例えば、ナビゲーション装置130を用いて、走行グループのグループID等の情報を入力し、グループ登録を実行する。
このとき、ナビゲーション装置130は、入力されたグループID、登録者情報、グループの目的地情報等の情報をグループ走行管理部220に送信し、グループ走行管理部220は、図示しないメモリに受信した情報を格納する。
一方で、グループ走行参加者は、例えば、ナビゲーション装置130を用いて、リーダーが登録したグループID、参加者情報等を入力し、走行グループへの参加登録を実行する。
このとき、ナビゲーション装置130は、入力されたグループID、参加者情報等の情報をグループ走行管理部220に送信し、グループ走行管理部220は、受信したグループIDとメモリに格納されたグループIDとを照合し、合致したグループIDが存在する場合に、グループへの参加を承認し、参加者情報をグループIDに紐づけてメモリに格納する。
つまり、グループ走行管理部220は、参加者情報、目的地情報、走行ルート情報、経由地情報等のグループ情報を登録されたグループID毎に格納する。
なお、グループ走行管理部220は、同一の目的地に向かって走行する電気自動車100のグループ情報を管理できればよいため、上述したグループ情報、管理方法に限定されるものではない。
【0022】
ルート算出部230は、目的地と、航続可能距離とに基づいて充電施設300を経由地に設定した走行ルートを算出する。
具体的には、ルート算出部230は、グループ走行する各電気自動車100から受信した航続可能距離と、現在位置から目的地までの走行距離とを比較し、充電を行わないと目的地まで到達できない電気自動車100を検出した場合に、充電施設300を経由地に設定した走行ルートを算出する。
ルート算出部230は、例えば、図示しないメモリに格納された各充電施設300が保有する充電器310の台数情報を参照し、充電が必要な電気自動車100の台数以上の充電器310を保有する充電施設300を経由地に設定する。
なお、ルート算出部230は、例えば、目的地に向かう走行ルート周辺に、充電が必要となる電気自動車100の台数以上の充電器310を保有する充電施設300がない場合には、航続可能距離の範囲内にある複数の充電施設300を経由地に設定した走行ルートを算出するようにしてもよい。
ルート算出部230は、算出した走行ルート情報(走行ルート、経由地等の情報)をグループ走行管理部220、後述する充電制御部240およびグループ走行する電気自動車100に送信する。
【0023】
充電制御部240は、図示しないROM等に格納された制御プログラムに従って、サーバ装置200の全体の動作を制御する。
本実施形態においては、充電制御部240は、グループ走行する電気自動車100の現在位置から経由地に設定された充電施設300までの走行距離が所定の走行距離以内になった場合に、グループ走行を行っている電気自動車100の充電優先度を決定し、充電施設300において充電可能な台数のみ充電施設300に案内する。
充電制御部240は、各電気自動車100から受信した現在位置情報に基づいて、各電気自動車100から充電施設300までの走行距離を算出し、充電施設300に所定の走行距離以内に近づいた電気自動車100があるか否かを判定する。
ここで、充電制御部240は、グループ走行する電気自動車100が充電施設300に十分に近づいたか否かを判定できればよいため、「所定の走行距離」としては、例えば、1kmを例示することができる。
また、充電制御部240は、充電施設300に所定の走行距離以内に近づいた電気自動車100があると判定したとき、各電気自動車100から受信した現在の航続可能距離に基づいて、経由地に設定した充電施設300における充電優先度を決定する。
充電制御部240は、例えば、各電気自動車100から受信した現在の航続可能距離が短い順に、充電優先度が高いと判定する。
充電制御部240は、充電施設300に十分近づいた時に、決定した充電優先度と、経由地に設定された充電施設300の利用状況とに基づいて、充電施設300に誘導する電気自動車100を決定する。
具体的には、充電制御部240は、例えば、経由地に設定された充電施設300の充電器310の現在の利用可能台数(未稼働台数)が3台であった場合には、充電優先度の高い順に3台を、その充電施設300において充電させる電気自動車100に決定する。
充電制御部240は、充電の優先順位に基づいて、経由地に設定された充電施設300において充電させると決定した電気自動車100に対しては、例えば、「充電施設300で充電してください」等の音声案内を実行する旨の指示を電気自動車100のナビゲーション装置130に送信し、電気自動車100を充電施設300へ誘導する。
また、充電制御部240は、ルート算出部230が走行ルートを算出した時に、充電しないと目的地まで到達できないと判定された電気自動車100が、経由地に設定された充電施設300に誘導できたか否かを判定する。
つまり、充電制御部240は、充電の優先順位および経由地に設定された充電施設300の利用状況から、その充電施設300に誘導できなかった電気自動車100があった場合には、ルート算出部230から新たな充電施設300を経由地に設定した走行ルートを取得し、その走行ルートを電気自動車100に送信する。
なお、充電制御部240は、経由地に設定された充電施設300に誘導できなかった電気自動車100の航続可能距離の範囲内に充電施設300がないと判定した場合には、当初の走行ルートにおいて経由地に設定された充電施設300に誘導する。
ここで、充電制御部240は、新たな走行ルートを送信するときに、例えば、「新たな充電施設を経由地に設定した走行ルートを案内します」等の音声案内を実行する旨の指示を電気自動車100のナビゲーション装置130に送信する。
また、グループ走行する電気自動車100の乗員間で情報共有できるように、充電制御部240は、充電施設300において充電を行う電気自動車100に対して、新たな走行ルートの情報(充電できなかった車両情報、新たな充電施設情報、新たな走行ルート情報、各車両の現在位置および航続可能距離等)を送信する。
【0024】
<車両管理システム1の処理>
図4を用いて、車両管理システム1の処理について説明する。
【0025】
ナビゲーション装置130は、グループ走行のリーダーが目的地を設定したか否かを判定する(ステップS110)。
ナビゲーション装置130は、グループ走行のリーダーが目的地を設定していないと判定する場合(ステップS110の「NO」)には、処理を戻し、待機状態に移行する。
【0026】
一方で、ナビゲーション装置130において、グループ走行のリーダーが目的地を設定したと判定された場合(ステップS110の「YES」)には、ルート算出部230は、充電施設300を経由地に設定した走行ルートを算出し、算出した走行ルートをグループ走行する電気自動車100に送信する(ステップS120)。
【0027】
充電制御部240は、グループ走行する各電気自動車100の現在位置から充電施設300までの走行距離が所定の走行距離以内に近づいたか否かを判定する(ステップS130)。
充電制御部240は、グループ走行する各電気自動車100の現在位置から充電施設300までの走行距離が所定の走行距離以内に近づいていないと判定する場合(ステップS130の「NO」)には、処理をステップS130に戻し、待機状態に移行する。
【0028】
一方で、充電制御部240は、グループ走行する各電気自動車100の現在位置から充電施設300までの走行距離が所定の走行距離以内に近づいたと判定する場合(ステップS130の「YES」)には、充電優先度および充電施設300の利用状況に基づいて、充電施設300において充電させる電気自動車100を決定し、その電気自動車100のみを充電施設300に誘導する。(ステップS140)。
【0029】
充電制御部240は、充電優先度および充電施設300の利用状況から、経由地に設定された充電施設300に誘導できなかった電気自動車100があるか否かを判定する(ステップS150)。
充電制御部240は、充電優先度および充電施設300の利用状況から、経由地に設定された充電施設300に誘導できなかった電気自動車100がないと判定する場合(ステップS150の「NO」)には、処理を終了させる。
つまり、充電制御部240は、電気自動車100に現在設定されている走行ルートを変更せずに、処理を終了させる。
【0030】
一方で、充電制御部240は、充電優先度および充電施設300の利用状況から、経由地に設定された充電施設300に誘導できなかった電気自動車100があると判定する場合(ステップS150の「YES」)には、新たな充電施設300が経由地に設定された走行ルートを電気自動車100に送信し(ステップS160)、処理を終了させる。
【0031】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る車両管理システム1は、グループ走行する電気自動車100の現在位置から経由地に設定された充電施設300までの走行距離が所定の走行距離以内になった場合に、グループ走行を行っている電気自動車100の充電優先度を決定し、充電施設300において充電可能な台数のみ充電施設300に誘導する。
つまり、車両管理システム1は、各電気自動車100の航続可能距離に基づいて決定した充電優先度と、充電施設300の現在の利用状況(利用可能な充電器310の台数)とに基づいて、充電施設300に誘導する電気自動車100を決定する。
これにより、航続可能距離が短い電気自動車100が優先して充電されるため、電気自動車100が充電切れにより走行不能状態になることを防止することができる。
また、車両管理システム1は、充電優先度および経由地に設定された充電施設300の利用状況により、その充電施設300において充電できなかった電気自動車100があった場合には、ルート算出部230が算出した新たな充電施設300を経由地に設定した走行ルートを送信する。
つまり、車両管理システム1は、現在利用可能な充電器310の台数より多い電気自動車100を充電施設300に誘導したとしても、充電のための待ち時間が発生するため、充電施設300に誘導できなかった電気自動車100に対しては、新たな充電施設300を経由地に設定した走行ルートを再設定し、新たな充電施設300に誘導する。
これにより、充電のための無駄な待ち時間がなくなることから、グループ走行している全車両(電気自動車)が効率良く目的地に到着することができる。
【0032】
また、車両管理システム1は、経由地に設定された充電施設300において充電できない電気自動車100がある場合には、新たな充電施設300が経由地に設定された走行ルートに関する情報(充電できなかった車両情報、新たな充電施設情報、新たな走行ルート情報、各車両の現在位置、航続可能距離等)を各電気自動車100に送信する。
これにより、グループ走行に参加している他の電気自動車100の状況を互いに把握することができることから、電気自動車100の運転者は、安心して目的地までの運転に集中することができる。
【0033】
<変形例1>
本実施形態に係る車両管理システム1の電気自動車100が備えるナビゲーション装置130は、例えば、電気自動車100の乗員が携帯するスマートフォンであってもよい。
つまり、ネットワーク400を介して、乗員が携帯するスマートフォンをサーバ装置200に接続し、スマートフォンを用いて、グループ走行管理部220への登録、現在位置情報の取得、走行ルートの案内等を実行するようにしてもよい。
【0034】
なお、グループ走行管理部220、ルート算出部230、充電制御部240の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをグループ走行管理部220、ルート算出部230、充電制御部240に読み込ませ、実行することによって本発明のサーバ装置200を実現することができる。
ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0035】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0036】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0037】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1;車両管理システム
100;電気自動車
110;通信部
120;航続可能距離算出部
130;ナビゲーション装置
200;サーバ装置
210;送受信部
220;グループ走行管理部
230;ルート算出部
240;充電制御部
図1
図2
図3
図4