(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086500
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】開口部装置
(51)【国際特許分類】
E06B 3/58 20060101AFI20240620BHJP
E06B 3/36 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
E06B3/58 Z
E06B3/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201659
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】石原 典継
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014CA07
2E014CC01
2E014DB05
2E016AA02
2E016BA07
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC01
2E016DA01
2E016DA06
2E016DB03
2E016DC01
2E016DD04
(57)【要約】
【課題】建物の開口部に配置される開口部装置に対して、耐久性を向上させる。
【解決手段】 框材と、パネル体と、間隔保持部品を備え、框材は、パネル間口の底壁にねじ孔が形成されており、間隔保持材は、台座と、ねじを有しており、ねじは、框材の外周側から台座を挟んで框材のねじ孔に螺合され、先端が直接もしくは間接的にパネル体の外周面に押圧されており、台座は、高さの異なる複数のねじ頭受け部を隣接して有しており、複数のねじ頭受け部にねじの軸部が貫通する貫通部が形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
框材と、パネル体と、間隔保持部品を備え、
框材は、パネル間口の底壁にねじ孔が形成されており、
間隔保持部品は、台座と、ねじを有しており、
ねじは、框材の外周側から台座を挟んで框材のねじ孔に螺合され、先端が直接もしくは間接的にパネル体の外周面に押圧されており、
台座は、高さの異なる複数のねじ頭受け部を隣接して有しており、複数のねじ頭受け部にねじの軸部が貫通する貫通部が形成されている開口部装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部に配置される開口部装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の開口部に配置される開口部装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物の開口部に配置される開口部装置に対して、耐久性を向上させることが求められている。
【0005】
本発明は、建物の開口部に配置される開口部装置に対して、耐久性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、框材と、パネル体と、間隔保持部品を備え、框材は、パネル間口の底壁にねじ孔が形成されており、間隔保持部品は、台座と、ねじを有しており、ねじは、框材の外周側から台座を挟んで框材のねじ孔に螺合され、先端が直接もしくは間接的にパネル体の外周面に押圧されており、台座は、高さの異なる複数のねじ頭受け部を隣接して有しており、複数のねじ頭受け部にねじの軸部が貫通する貫通部が形成されている開口部装置である。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態によれば、建物の開口部に配置される開口部装置に対して、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の開口部装置の障子の内観図である。
【
図2】実施形態の開口部装置の上方部分の縦断面図である。
【
図3】実施形態の開口部装置の障子の戸先側部分を上方からみた図である。(間隔保持部品のねじは省略している。)
【
図4】実施形態の開口部装置の間隔保持部品の図であり、(a)はねじの図であり、(b)は台座の正面図であり、(c)は台座の側面図であり、(d)は台座の平面図であり、(e)は台座の斜視図である。
【
図5】実施形態の開口部装置の間隔保持部品の図であり、(a)はプレート部品の側面図であり、(b)はプレート部品の平面図であり、(c)はプレート部品の斜視図であり、(d)は間隔保持部品の斜視図である。
【
図6】実施形態の開口部装置の間隔保持部品の機能を説明するための図であり、(a)は上方部分の縦断面図であり、(b)は間隔保持部品の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の開口部装置は、建物の開口部に固定された枠体の内周に、
図1に示すように、上框21、下框22、吊元框23および戸先框24を四周組みしてなる框体の内周に複層ガラス等のパネル体25を嵌め込んで形成された障子2が縦滑り出し自在に配置されている縦滑り出し窓である。
以下、本実施形態の開口部装置について説明するが、開口部装置の枠材及び框材の構成についての説明は、主に上枠11及び上框21を用いて行い、他の枠材及び框材については、その説明を省略する。
【0010】
本実施形態の開口部装置の枠体の上枠(枠材)11は、
図2に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属上枠(金属枠)111と、金属上枠111の屋内側内周面に配置される樹脂上枠(樹脂枠)112を有している。
【0011】
本実施形態の開口部装置の障子2の框体は、
図1ないし
図3に示すように、左右の縦框の金属框材(
図3では、戸先框24の金属縦框241)の内周面に上下の横框の金属框材(
図2,3では、上框21の金属上框211)の端面が当接され、左右の縦框の外周側からビス(固定手段)b1によって固定されて、框組されている。
【0012】
障子2の上框21は、アルミ等の金属材料からなる金属上框211と、樹脂製の押縁212を有しており、金属上框211の屋内側に押縁212が取り付けられてパネル間口21aが形成され、パネル間口21aにグレージングチャンネル9を介して複層ガラス等のパネル体25が嵌め込まれている。
【0013】
金属上框211は、パネル間口21aの底壁21bを形成する見込壁211aと、見込壁211aの屋外側に連続する屋外側見付壁211bを有しており、見込壁211aの屋内側及び屋外側にビスb1が螺合されるタッピングホール211c,211dが設けられている。
【0014】
そして、本実施形態の開口部装置の障子2は、上框21の戸先側端部近傍(
図1における領域A)に間隔保持部品5が設けられており、上框21のパネル間口21aの底壁21bとパネル体25の外周面との間を所定の間隔に維持することで、框体とパネル体との位置関係を保持し、障子の変形を抑止している。
以下、間隔保持部品5について、詳細に説明する。
【0015】
-間隔保持部品-
本実施形態の間隔保持部品5は、
図5(d)に示すように、台座51と、ねじ52と、プレート部品53を有している。
【0016】
台座51は、
図4(b)ないし(e)に示すように、樹脂材料からなる平面視で長方矩形のブロック状の部品であり、平面視で中央領域にねじ52のねじ頭52aを受ける台座本体部511を有しており、台座本体部511の四周を囲むように外壁部512を有している。
【0017】
台座51の台座本体部511は、上面に高さの異なる複数(実施例では、4つ)の平坦面が高さの順に並んで形成されており、高さ(厚み)の異なる複数のねじ頭受け部511a,511b,511c,511dを有している。
【0018】
台座51は、台座本体部511を貫く貫通部511eが設けられている。貫通部511eは、台座本体部511の複数のねじ頭受け部511a,511b,511c,511dに亘って連続する長孔に形成されており、ねじ52のねじ軸52bが貫通するのに十分な幅寸法を有している。
【0019】
ねじ52は、金属材料からなり、
図4(a)に示すように、ねじ頭52aとねじ軸52bを有してねじ先が平たい一般的なねじを用いることができる。
【0020】
プレート部品53は、
図5(a)ないし(c)に示すように、樹脂材料からなる平面視で長方形板状の部品であり、平面視で一側に沿って一方面に盛り上がる肉厚のねじ受け部53aと、他側に沿って一方面から立ち上がる取付腕部53bと、取付腕部53bの他側から他方に湾曲して延びる湾曲支持部53cを有している。
【0021】
-間隔保持部品による框材とパネル体との間隔保持-
本実施形態の開口部装置の上框21は、
図2,
図3,
図6(a)に示すように、金属上框211の戸先側端部近傍の領域Aにおいて、パネル間口21aの底壁21bを形成する見込壁211aにねじ孔211eが設けられており、ねじ孔211eが設けられた位置において、パネル間口21aの内周側に間隔保持部品5のプレート部品53がねじ孔211eと重複するように取り付けられている。
【0022】
プレート部品53は、取付腕部53bが上框21の端部から屋外側のタッピングホール211d内に挿入され、上框21のねじ孔211eと重複する位置までスライドされてパネル間口21aの内周面に取り付けられている。
【0023】
パネル間口21aの内周面に取り付けられたプレート部品53は、取付腕部53bの他側に延びる湾曲支持部53cが上框21の屋外側見付壁211bの屋内側面に弾性的に当接しており、肉厚のねじ受け部53aが取付腕部53bを中心にして下方に回動することを規制している。
【0024】
プレート部品53が取り付けられた上框21は、プレート部品53の吊元側においてタッピングホール211dがカシメ(211f)られてプレート部品53の吊元側への移動を規制しており、タッピングホール211dに螺合された上框21と戸先框24を固定するビスb1によってプレート部品53の戸先側への移動を規制している。
【0025】
台座51は、
図2,3に示すように、上框21の見込壁211aに設けられたねじ孔211eと台座本体部511に設けられた貫通部511eを重複させた状態で、上框21の見込壁211aの外周側に台座51の底面を当接させて配置されている。
【0026】
ねじ52は、
図2,
図5(d),
図6に示すように、ねじ軸52bが上框21の見込壁211aの外周側から台座51の貫通部511eに貫通され、台座本体部511を挟んで上框21の見込壁211aに設けられたねじ孔211eに螺合されている。
見込壁211aのねじ孔211eに螺合されたねじ52は、ねじ込まれる(螺合される)ことによって、ねじ軸52bがパネル間口21aの内側に突出して、プレート部品53を介してパネル体25の外周面に押圧されており、パネル間口21aの底壁21bとパネル体25の外周面との間を所定の間隔以下にならないように維持している。
【0027】
ねじ52を上框21のねじ孔211eにねじ込んで、パネル体25の外周面に押圧するに先立って、
図6(b)に示すように、台座51を貫通部511eの長手方向に沿って矢印X方向に移動させることで、ねじ52のねじ頭52aを複数のねじ頭受け部511a,511b,511c,511dのいずれかの上方に位置させ、その状態で螺合することによってねじ軸52bのパネル間口21a側への突出量を調整することができる。
【0028】
-本実施形態の開口部装置の効果-
本実施形態の開口部装置は、障子を構成する框材に、框材とパネル体の間隔を保持する間隔保持部品が配置されることで、四周に組んでなる框材の変形を抑えて、障子の形状を正しく維持することができる。
【0029】
本実施形態の開口部装置は、間隔保持部品による框材の内周面とパネル体の外周面との間の間隔保持の調節を、台座の移動とねじのねじ込みという、框材の外周側からの簡単な操作によって行うことできるので、施工性およびメンテナンス性に優れている。
【0030】
本実施形態の開口部装置は、間隔保持部品のねじとパネル体の外周面との間に、ねじのねじ先を受ける樹脂製のプレート部品が設けられているので、ねじによるパネル体の破損やきしみ音の発生を防止することができる。
また、間隔保持部品のプレート部品は、框材の内周面にがたつくことなく保持されており、パネル体の嵌め込み時に施工の妨げになることもない。
【0031】
なお、框材に設けられる間隔保持部品は、いずれの框材のどこの箇所に設けられていてもよく、またその個数も限定されるものではない。
また、間隔保持部品の台座は、複数のねじ頭受け部が框材の長手方向と直交する方向に複数設けられていてもよいし、また、貫通部は複数のねじ頭受け部に連続するように設けられていなくてもよく、各ねじ頭受け部にそれぞれ独立した貫通部が形成されていてもよい。
また、台座51は、台座本体部511の複数の平坦面の下方部分は、
図6(b)に示すように、適宜肉抜き51a等されていてもよい。
【0032】
間隔保持部品は、かならずしもプレート部品を備えていなくてもよく、ねじが直接もしくは他のクッション材等を介してパネル体の外周面に当接することで框材とパネル体の間隔を保持するように構成してもよい。
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0033】
2 :障子
21 :上框
21a :パネル間口
21b :底壁
25 :パネル体
5 :間隔保持部品
51 :台座
52 :ねじ
53 :プレート部品
211e :ねじ孔
511 :台座本体部
511a :ねじ頭受け部
511b :ねじ頭受け部
511c :ねじ頭受け部
511d :ねじ頭受け部
511e :貫通部