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特開2024-86512ホルダ付き飛び風船と、飛び風船のホルダ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086512
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】ホルダ付き飛び風船と、飛び風船のホルダ
(51)【国際特許分類】
   A63H 27/10 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
A63H27/10 D
A63H27/10 C
A63H27/10 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022212907
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】598136954
【氏名又は名称】株式会社大文字
(72)【発明者】
【氏名】明本 信男
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150DA17
2C150DE02
2C150EB11
2C150EG23
2C150FB14
(57)【要約】
【課題】エア注入器具を用いて膨らますことが出来るが、人が息を吹いて膨らますことが出来ないため、人の息に含まれる飛沫やウイルスを飛散することが全くないホルダ付き飛び風船と、飛び風船に接続するホルダにする。
【解決手段】ホルダ付き飛び風船1は、ゴム風船3の口部内側に口筒部材4を装着した飛び風船2とホルダ5とが接続されたものである。ホルダ5は、エア注入器具9の先端部91を突入させる開口51と、人の息でゴム風船3を膨らまそうとするときにこの息を外部に逃がす通気口55とを備える。ホルダ5の側方には複数本の横棒部54が設けられている。ホルダ付き飛び風船1は、大きく膨らむと内部のエアを後方に噴出し、この噴出力によってホルダ5を接続した状態で前方に遠く飛行する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム風船の口部内側に口筒部材を装着した飛び風船と該口筒部材に後方から接続したホルダとによる組付け品であり、
該ホルダは、面中央にエア注入器具の先端部が後方から突入して当接する開口がある円形壁面部と、前記円形壁面部の外周を等分する複数箇所から前後方向に突出した横棒部とを有し、前記円形壁面部の外周近傍面にエア注入経路の外側に向けた複数個の大きな通気口があり、
前記接続は、前記各横棒部の前部間に前記飛び風船の後部が位置し、該後部と前記ホルダとが係合した離脱しにくい接続であり、
前記ゴム風船内のエアが噴出する勢いで前記ホルダを接続したまま前方に遠く飛ぶように構成されている、ホルダ付き飛び風船。
【請求項2】
前記ホルダが有する前記円形壁面部の前面から前方に接続用円筒部が突出しており、該接続用円筒部の周側面と前記口筒部材の後部周側面とが密着状態で嵌合接続されている、請求項1に記載のホルダ付き飛び風船。
【請求項3】
前記横棒部は、前記ホルダが有する前記円形壁面部の外周を4等分する箇所から前後方向に長い4本の細幅板で構成されている、請求項1又は2に記載のホルダ付き飛び風船。
【請求項4】
前記通気口は、前記ホルダが有する前記円形壁面部の外周近傍面の外周を4等分する箇所に設けられた計4個で構成されている、請求項1乃至3のいずれかの項に記載のホルダ付き飛び風船。
【請求項5】
ゴム風船の口部内側に口筒部材を装着した飛び風船の後部に接続されるホルダであり、
面中央にエア注入器具の先端部が後方から突入する開口がある円形壁面部と、該円形壁面部の外周を等分する複数箇所から前後方向に突出した横棒部とを有し、
前記円形壁面部の外周近傍面にエア注入経路の外側に向けた複数個の大きな通気口が設けられている、飛び風船のホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、人が息を吹いて膨らますことが出来ないために、人の息に含まれる飛沫やウイルスを飛散することが全くなく、エア注入作業時に手持ちがし易いホルダ付き飛び風船と、飛び風船のホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
ジェット風船(登録商標)の名で知られる飛び風船は、プロ野球の球場等において観客によって飛ばされ、グラウンドや観客席の上方に高く飛んだ後、落下する。
従来から使用されてきた飛び風船は、人が息を吹いて膨らませるタイプのものが大半である。
ところが、人が息を吹いて飛び風船を膨らませると、飛び風船内に不衛生な飛沫が入るため、飛び風船の飛行中に不衛生な飛沫がエアとともに噴射され、これらが観客席上やグランド上で飛散するため不衛生であり、落下後の飛び風船も不衛生な状態にある。飛沫にウイルスが含まれていると他の人に感染させるおそれがある。
【0003】
これらの不具合に対処した飛び風船も提案されている。
特許文献1に開示の吹込み口部材は、内部に感染防止用のフィルタを備えている。
特許文献2に開示の風船おもちゃは、空気ポンプを使用するタイプのものであり、ゴム風船の口部に、空気ポンプの先端部で突くと開き、人が息を吹く力では開かず、指先で突いて開けることが出来ない大きさの蓋片が設けられている。空気ポンプを使用すると、上述した不具合は生じない。
【0004】
しかしながら、吹込み口部材の内部に感染防止用のフィルタを備えても、使用の度にフィルタを新品交換しなければ不衛生である。しかしながら特許文献1の吹込み口部材は、フィルタ交換に手間が掛かる構造になっている。また、勢いよく息を吹くとウイルスがフィルタを透過するおそれがある。
特許文献2の風船おもちゃは、細い棒で突いて蓋片を開け、息を吹いて膨らます可能性を残す。この可能性が少しでもあると、前々段落の欄で挙げた不具合が生じる可能性を残す。
【先行特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-144025号公報
【特許文献2】実用新案登録第315381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明が解決しようとする課題は、人が息を吹いて膨らますことが出来ないために、人の息に含まれる飛沫やウイルスを飛散することが全くなく、エア注入作業の際に手持ちがし易いホルダ付き飛び風船と、飛び風船のホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に対応した第1の態様のホルダ付き飛び風船は、次の構成を備える。
(1)ゴム風船の口部内側に口筒部材を装着した飛び風船と前記口筒部材に後方から接続したホルダとによる組付け品である。
(2)該ホルダは、面中央にエア注入器具の先端部が後方から突入して当接する開口がある円形壁面部と、前記円形壁面部の外周を等分する複数箇所から前後方向に突出した横棒部とを有し、前記円形壁面部の外周近傍面にエア注入経路の外側に向けた複数個の大きな通気口がある。
(3)前記接続は、前記各横棒部の前部間に前記飛び風船の後部が位置し、該後部と前記ホルダとが係合した離脱しにくい接続である。
(4)前記ゴム風船内のエアが噴出する勢いで前記ホルダを接続したまま前方に遠く飛ぶように構成されている。
【0008】
上記第1の態様において最も特徴的なところは、ホルダが設けられている点と、該ホルダに横棒部と通気口が設けられている点にある。口筒部材は従来の飛び風船にも設けられている。ホルダはゴム風船にエア注入するときの手持ちする部分になる。通気口があると、人の息でゴム風船を膨らますという誤った使用がされても息がエア注入経路の外側に排出され、ゴム風船が膨らまない。
【0009】
請求項2に対応した第2の態様のホルダ付き飛び風船は、更に次の構成を備える。
(1)前記ホルダが有する前記円形壁面部の前面から前方に接続用円筒部が突出している。
(2)該接続用円筒部の周側面と前記口筒部材の後部周側面とが密着状態で嵌合接続されている。
【0010】
前記嵌合によって口筒部材とホルダの軸心の正確な位置合わせがされ、安定した姿勢で前記接続がされる。
【0011】
請求項3に対応した第3の態様のホルダ付き飛び風船は、次の構成を備える。
(1)前記第1の態様又は前記第2の態様のホルダ付き飛び風船が有する構成を備える。
(2)更に、前記横棒部は、前記ホルダが有する前記円形壁面部の外周を4等分する箇所から前後方向に長い4本の細幅板で構成されている。
【0012】
前記第1の態様の記載においては、横棒部の具体的な本数を特定していない。本態様においてはホルダを4本に特定して、ゴム風船内にエア注入するときの手持ちが楽に、しかも安定姿勢でしっかりと行える最低本数にした。4本を越える本数は、材料コスト高と製造コスト高を招く。
横棒部が細幅板形状であると、対向する2本の横棒部を挟み持ちしたときに曲げ変形しない。
【0013】
請求項4に対応した第4の態様のホルダ付き飛び風船ホルダは、次の構成を備える。
(1)前記第1乃至前記第3の態様のいずれかに記載のホルダ付き飛び風船と同じ構成を備える。
(2)更に前記通気口は、前記ホルダが有する前記円形壁面部の外周近傍面における外周を4等分する箇所に設けられた計4個で構成されている。
【0014】
前記第1の態様においては通気口の数を特定していないが、通気口の大きさと数は息を外部に排出する量に大きく影響する。通気口を等間隔を置いた4個にすると、形状安定性と通気性に最も優れたホルダを備えたホルダ付き飛び風船になる。
【0015】
請求項5に対応した第5の態様の飛び風船のホルダは、次の構成を備える。
(1)ゴム風船の口部内側に口筒部材を装着した飛び風船の後部に接続されるホルダである。
(2)面中央にエア注入器具の先端部が後方から突入する開口がある円形壁面部と、該円形壁面部の外周を等分する複数箇所から前後方向に突出した横棒部とを有する。
(3)前記円形壁面部の外周近傍面にエア注入経路の外側に向けた複数個の大きな通気口が設けられている。
【0016】
請求項5はホルダの発明であり、この項でホルダを挙げたのは、他人が無断で市販の飛び風船にこのホルダを取付けて上述した効果を得ることを防ぐためにある。
【発明の効果】
【0017】
本願発明に係るホルダ付き飛び風船は次の効果を奏する。
人がホルダに口を付けて飛び風船を膨らませようとする誤った使用がされても、息が通気口から外部に排出されるため、ゴム風船は膨らまない。このため、飛び風船内から不衛生な飛沫やウイルスが混じったエアが噴出することは全くない。
また、ホルダに複数本の横棒部が等間隔を置いて設けられているため、エア注入作業をする際に、指先を横棒部に添えたホルダの挟み持ちが、楽に、しかも確(しっか)り行える。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願発明の最適とされる実施形態を図面に沿って詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願発明実施形態に係るホルダ付き飛び風船の斜視図。
図2】このホルダ付き飛び風船を飛び風船とホルダに分離させて示した斜視図。
図3】(a)は飛び風船に装着されている口筒部材の斜視図、(b)は同じく側面図、(c)は同じく前面図、(d)は同じく後面図、(e)はA-A断面図、(f)は深溝内を拡大して示した断面図。
図4】(a)はホルダの側面図、(b)は同じく前面図、(c)は同じく後面図、(d)はB-B断面図、(e)はC-C断面図。
図5】(a)はホルダ付き飛び風船上部の側面断面図、(b)は同じく後面図、(c)は図5(a)の一部拡大図。
図6】ホルダ付き飛び風船内にエアを注入する方法を示した側面断面図。
図7】飛行し始めた状態のホルダ付き飛び風船を示した側面断面図。
図8】人が息を吹いてホルダ付き飛び風船を膨らますことが出来ないことを示す側面断面図。
図9】係止構造の他例1を有するホルダ付き飛び風船上部の側面断面図。
図10】(a)は係止構造の他例2を有するホルダ付き飛び風船上部の側面断面図、(b)はその一部拡大図。
図11】(a)は係止構造の他例1を有するホルダ付き飛び風船上部の側面断面図、(b)は同じく後面図、
図12】(a)は他の形態のホルダを示す側面断面図、(b)市販の飛び風船にこのホルダを接続して示した側面断面図。
【実施例0020】
-概要-
図1に示す実施形態のホルダ付き飛び風船1は、飛び風船2の後部にホルダ5が装着された組付け品である。図2は飛び風船2とホルダ5とが接続されていない、工場における最終組立て前の状態で示している。
飛び風船2は、ゴム風船3の口部内側に口筒部材4が装着されたものである。
口筒部材4はプラスチック製の一体成型品であり、ゴム風船3に口筒部材4が取付けられるとゴム風船2は飛び風船2になる。形状及び構造に違いがあるが従来の飛び風船も口筒部材を備えている。
【0021】
ホルダ付き飛び風船1は、図1に示す組付け品の状態で工場から出荷され、組付け品の状態で販売され、使用される。ホルダ付き飛び風船1は、ホルダ5も含め、複数回の利用を想定していない使い捨て品である。
【0022】
-口筒部材4-
図3(a)~(e)にホルダ付き飛び風船1に用いられている口筒部材4を示す。
口筒部材4は、面中央に開口41がある円形壁面部42を前端に有し、円形壁面部42の後面における周縁部に沿う箇所から後方に向けて短尺の円筒部43が突出した形状を有する。
開口41は口筒部材4のエア注入口と排出口になる。
円筒部43の外周面は、図2に示すようにゴム風船3の口部近傍部に被着される面になる。ゴム風船3の口部が口筒部材4から抜け外れないようにするため、円筒部43の外周面に凸条部44が円周方向に一体形成されている。
ゴム風船3の口部は、口筒部材4の凸条部44を越えた位置まで被着されている。凸条部44の前面は、ゴム風船3の口部を被せる作業がし易いように外周端に向かうに従って後退した曲面形状になっている。凸条部44の後面は、ゴム風船3の口部を抜け外れを防ぐため垂直面になっている。
【0023】
図3(a)~(e)に示すように円筒部43の後端面から円筒部43内に向けて深溝45が形成されている。
深溝45は図2に示すホルダ5の接続用筒部54を突入密着させる部分になる。図3(f)に示すように深溝45の対向する周壁面のうちの片側面は、若干の先絞りのテーパー角がある。
【0024】
-ホルダ5-
図4(a)~(e)に示すようにホルダ5は、プラスチック製の一体成型品で形成されている。
ホルダ5は、面中央に開口51がある円形壁面部52を有する。円形壁面部52は、補強と形状安定性を図るため、外周近傍面が外周端に向かうに従って曲面を持って後方に傾斜した深皿形状を有する。
【0025】
開口51は、携帯型のエアポンプ又はエアボンベ等からなるエア注入器具の先端部を後方から突入係合させる部分になる。開口51の径は、先絞りになった前記先端部の途中面が接する大きさがある。この大きさは飲料用ストローよりも格段に大きく、エア注入器具の代わりに飲料用ストローを用いて息を吹いてゴム風船を膨らまそうとしても、開口51とストローの間の隙間から息が外に漏れるため、ゴム風船は膨らまない。
【0026】
円形壁面部52の前面における略径中央箇所から前方に向けて、接続用円筒部53が突出している。接続用円筒部53の外周面は若干の先絞りのテーパー角がある。このテーパー角は段落「0023」に記載のテーパー角と同じ角度である。
【0027】
円形壁面部52の外周を4等分する箇所から前後方向に細幅長板形状の横棒部54が突出している。4本の横棒部54は、補強強度を向上させるため開口51に向かう方向の縦幅が横幅よりも長い楕円形状の断面形状を有する。各横棒部54は、ホルダ5を手持ちするときの指先を添える部分になり(図6参照)、円形壁面部52の前方側になる前部54aと、後方側になる後部54bとに区分けできる。横棒部54が4本あると、指先を添えたホルダ5の安定した挟み持ちが楽に行える。
【0028】
図4(a)(b)(c)(e)に示すように円形壁面部52の外周近傍面における円周方向を4等分する箇所に、エア注入経路の外側に向けた計4個の大きな通気口55が形成されている。通気口55は、人がホルダ5に口を付けて息を吹いてゴム風船を膨らまそうとしたとき、吹いた息をエア注入経路の外側に排出させるためにある。
【0029】
-接続維持のための係止構造-
図4(d)に示すように接続用円筒部53は、図3に示す口筒部材4の深溝44内に突入して密着した嵌合接続がされる部分になり、開口51と軸心を揃え、開口51よりも大きな内径がある。この内径は図2に示す口筒部材4の円筒部43に形成されている深溝45内に突入して密着する大きさがある。この密着は接続用円筒部53と図3(d)(e)に示す深溝45とによるテーパー嵌合により行われる。強い押付け力でこの嵌合が行われると、離脱しにくい接続、即ち、抜け外れが生じにくい接続がされる。
図5(a)は、飛び風船2とホルダ5とによる接続がされたホルダ付き飛び風船1を側面断面図で示し、図5(b)は後面図で示し、図5(c)はテーパー角を揃えた嵌合の要部を拡大して示している。
【0030】
-エア注入-
図6はゴム風船3内に向けたエア注入中の状態を示している。
エア注入は、各横棒部54と円形壁面部52の外周縁部52aに指先を添えてホルダ5を挟み持ちして、エア注入器具9の先端部91をホルダ5の開口51内に向けて突入させて行う。この突入によって先端部91の外側面を開口51の周縁部に当接させる。この当接によりエア注入時のエア漏れが防止される。
以上の状態を維持させてエア注入し、ゴム風船3を大きく膨らませる。
【0031】
-飛び風船2の発射-
ゴム風船3が十分な大きさに膨らむと、ゴム風船3のゴム弾性による緊縮力によってゴム風船3内のエアが口筒部材4から後方に噴出する。このとき、ホルダ5を持つ手の力を少し弱めると、図7に示すように、飛び風船2がホルダ5を接続した状態で、遠く前方に飛行する。
飛行中のホルダ付き飛び風船1から噴射されたエアは、エア注入器具で注入したエアであるため、飛沫やウイルスを全く含んでいない。飛行を終えて落下したホルダ付き飛び風船2も人の息で汚染されていない。ホルダ5は極軽量であるため、ホルダ付き飛び風船1が観客の上に落下しても全く問題ない。
【0032】
-誤使用対策-
図8に示すように、人がホルダ5に口を付けて風船3を膨らませようとする誤使用が行われても、吹いた息がホルダ5に設けられている通気口55からエア注入経路の外に排出されるため、ゴム風船3は膨らまない。このため、ゴム風船3内に息に含まれる飛沫が入ることがなく、飛沫に含まれるウイルスの侵入もない。
【0033】
-係止構造の他例1-
図9に示すホルダ付き飛び風船1Aは前述したホルダと異なるホルダ5Aが用いられている。
このホルダ5Aは、4本の横棒部54Aの前部54aにおける内側縁部に山状の凸段部54eが設けられている。
凸段部54eは、飛び風船2の後部をホルダ5に接続し終える直前に、ゴム風船3の口部近傍部で覆われた口筒部材4の凸条部44が乗り越え、乗り越えを終えると、逆方向の移動が阻止される。
乗り越えと逆方向の移動の阻止は、凸段部54eの前後に位置する斜面の傾斜角の違いにより可能になる。飛び風船2の後部を後方に押し付ける
と、横棒部54の前部54aが弾性変形して浮き上がり、このため乗り越えが可能になる。
このような係止構造になっていると、飛び風船2の後部とホルダ5とによる抜け外れが生じにくい接続が維持される。
【0034】
-係止構造の他例2-
図10(a)(b)に示すホルダ付き飛び風船1Bは、前述した口筒部材と異なる口筒部材4Aが用いられている。
この口筒部材4Aは、外周面の後部を残す大部分が高段面46になっている点が前述した口筒部材と異なる。
高段面46は、ゴム風船3の口部近傍部3aで覆われた高段面46が横棒部54の前部54aに当接して、飛び風船2の抜け外れ方向の移動を阻止する程度の抵抗が加わる高さがある。
ホルダ付き飛び風船1Bの後部の後方に向けた押し込みが、図10(b)に示すように横棒部54の後部54bを矢方向に押して前部54aを少し浮かせた状態で行われている。矢方向の押し込みは4本の後部54b全てに行う必要があり、これらの作業は工場で行われる。
【0035】
-係止構造の他例3-
図11(a)(b)に示すホルダ付き飛び風船1Cは、前述したホルダ付き飛び風船に用いられている口筒部材とホルダとは異なる口筒部材4Bとホルダ5Bが用いられている。
口筒部材4Bは、後端部における円周方向に等間隔を設けた箇所から後方に4個の爪47が突出している点に違いがある。
ホルダ5Bは、これらの爪47が突入係合する爪係合孔56が設けられている点に違いがある。
このホルダ付き飛び風船1Cは、爪47を爪係合孔56内に突入係合させて、飛び風船2Bの後部とホルダ5Bとによる接続が維持されるように構成されている。
【0036】
-ホルダの他例-
図12(a)に示すホルダ5Cは、図12(b)に示すように市販の飛び風船2Cに接続できるように構成されている。
市販の飛び風船2Cに用いられている口筒部材4Cは、円筒部43の後端に開口51がある円形壁面部49が設けられている。
図12(a)(b)に示すように、ホルダ5Cは、各横棒部54Cの前部54aにおける内側縁部に山状の凸段部54cが設けられ、前部54aの内側縁部における後端部が内側に向けた傾斜部54dで形成されている。
図12(b)に示すように、傾斜部54dは、口筒部材4Cの後端縁部47が当接する部分になり、この当接により飛び風船2Cの後部とホルダ5Cの軸心の位置合わせがされる。凸段部54cは飛び風船2Cの後部に設けられている凸条部44にゴム風船3の口部近傍部3aを挟んだ状態で係合し、図9及び段落「0033」に示す凸段部54eと同様の抜止め防止がされる。
【産業上の利用分野】
【0037】
本願発明に係るホルダ付き飛び風船は、例えばプロ野球の球場において多くの観客によって飛ばされる、風船おもちゃの分野で利用される。
【符号の説明】
【0038】
1 ホルダ付き飛び風船
1A(他形態の)ホルダ付き飛び風船
1B(他形態の)ホルダ付き飛び風船
1C(他形態の)ホルダ付き飛び風船
2 飛び風船
2A(他形態の)飛び風船
2B(他形態の)飛び風船
2C 市販の飛び風船
3 ゴム風船
3a 口部近傍部
4 口筒部材
4A(他形態の)口筒部材
4B(他形態の)口筒部材
4C(市販の飛び風船の)口筒部材
41 開口
42 円形壁面部
43 円筒部
44 凸条部
45 深溝
46 高段面
47 爪
5 ホルダ
5A(他形態の)ホルダ
5B(他形態の)ホルダ
5C(他形態の)ホルダ
51 開口
52 円形壁面部
52a(円形壁面部の)外周縁部
53 接続用円筒部
54 横棒部
54a(横棒部の)前部
54b(横棒部の)後部
54c 凸段部
54d 傾斜部
55 通気口
56 爪係合孔
9 エア注入器具
91 先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12