(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086513
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】食品粉末体
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20240620BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20240620BHJP
A23L 7/10 20160101ALI20240620BHJP
【FI】
A23L33/105
A23L33/10
A23L7/10 Z
A23L7/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022212909
(22)【出願日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】599003970
【氏名又は名称】櫻井 光一
(71)【出願人】
【識別番号】500010222
【氏名又は名称】櫻井 洋子
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 光一
(72)【発明者】
【氏名】梅田 和助
【テーマコード(参考)】
4B018
4B023
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB02
4B018MD49
4B018MD58
4B018MD61
4B018MD64
4B018MD69
4B018MD71
4B018ME03
4B018ME10
4B018ME11
4B018ME14
4B018MF07
4B023LC09
4B023LE07
4B023LE26
4B023LG05
4B023LG10
4B023LK12
4B023LK15
(57)【要約】
【課題】 抗酸化機能や保湿機能を向上させ、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制することができるとともに、加工食品として広範囲での使用が可能となる食品粉末体を提供すること。
【解決手段】 粉末化した青汁粉と、粉末化した繭粉と、粉末化した朝鮮人参粉と、
からなる複合粉末体と、小麦粉、大麦粉、そば粉、米粉、牛乳粉とで構成される食品粉末体。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末化した青汁粉と、粉末化した繭粉と、粉末化した朝鮮人参粉と、で形成される複合粉末体と、小麦粉で構成されることを特徴とする食品粉末体。
【請求項2】
前記複合粉末体と大麦粉で構成される請求項1記載の食品粉末体。
【請求項3】
前記複合粉末体とそば粉で構成される請求項1記載の食品粉末体。
【請求項4】
前記複合粉末体と米粉で構成される請求項1記載の食品粉末体。
【請求項5】
前記複合粉末体と牛乳粉で構成される請求項1記載の食品粉末体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗酸化機能や保湿機能を高めるとともに、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制することができ、さらに広範囲に利用できる食品粉末体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に青汁粉は、緑葉野菜を粉末化することにより形成されるもので、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類などを多く含み、昨今、健康食品として注目を浴びている。
【0003】
また繭を粉末状とした繭粉は、抗酸化機能や保湿機能を高めるとともに、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制することが公知とされている。そのため化粧品、和紙、インテリア、高級繊維、日常品等に幅広く使用されている。
【0004】
さらに、朝鮮人参は高麗人参とも呼ばれ、朝鮮人参を粉末化した朝鮮人参粉は糖尿病、動脈硬化、生活習慣病、骨粗しょう症等の改善効果を発揮する。また血行促進、滋養強壮、疲労回復効果があり、美容や健康促進効果にも優れるとされている。
【0005】
上記の青汁粉末に朝鮮人参粉末とシルクパウダーとを添加した飲料用青汁用粉末が本出願により既出願されている(例えば特許文献1参照)。
上掲特許文献1には、青汁粉末70~90%、朝鮮人参粉末5~30%、シルクパウダー5~30%の配合比率を特徴とする飲料用青汁用粉末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-41746号公報(特許請求の範囲等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上掲特許文献1の飲料用青汁用粉末は、風味を高め、抗酸化機能や保湿機能を向上させるとともに、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制することができる。しかし、飲料に限定しているため、食料品としての広い範囲での使用は望めなかった。
【0008】
そこで本発明は上記の点に鑑み、抗酸化機能や保湿機能を向上させ、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制することができるとともに、加工食品として広範囲での使用が可能となる食品粉末体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の食品粉末体は、粉末化した青汁粉と、粉末化した繭粉と、粉末化した朝鮮人参粉と、で形成される複合粉末体と、小麦粉で構成されることを特徴とする。
【0010】
また前記食品粉末体は、複合粉末体と大麦粉で構成される。
【0011】
また前記食品粉末体は、前記複合粉末体とそば粉で構成される。
【0012】
さらに前記食品粉末体は、複合粉末体と米粉で構成される。
【0013】
またさらに前記食品粉末体は、複合粉末体と牛乳粉で構成される。
【発明の効果】
【0014】
粉末化した青汁粉と、粉末化した繭粉と、粉末化した朝鮮人参粉と、からなる複合粉末体と、該複合粉末体と小麦粉、大麦粉、そば粉、米粉、牛乳粉とで構成される食品粉末体は、中華麺、パスタ、そうめん、うどん、そば、パン、和菓子、洋菓子、アイスクリーム等に加工され、これらの加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示す複合粉末体10を構成する青汁粉11aは、大麦若葉、ケール、緑茶、明日葉、よもぎ等の植物からなる青汁材11を粉砕機等で粉砕乾燥して粉末化することにより形成される。
【0017】
前記青汁粉11aは、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類などを多く含み、抗高血圧効果、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性化などの効果を有し、健康食品として注目を浴びている。
【0018】
前記複合粉末体10を構成する繭粉12aは、繭12から糸を引き出し、その糸をミクロン単位の径の粉状に粉砕することにより形成される。
【0019】
前記繭粉12aの繭12は、家蚕や野蚕等からなる繭が使用される。特に野蚕としてはクリキュラ繭、ヨナクニサン繭、タサールサン繭、エリサン繭、ムガサン繭等が使用される。なお、前記繭粉は、家繭や野繭を単品で、または適宜量で混合して使用することができる。
【0020】
前記繭粉12aはアルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、トリプトファン、シスチンの18種類の蛋白質アミノ酸で構成されている。
【0021】
前記蛋白成分アミノ酸18種類は、過ギ酸参加処理後、塩酸加水分解し測定した結果、アルギニン(598mg/100g)、リジン(368mg/100g)、ヒスチジン(160mg/100g)、フェニルアラニン(588mg/100g)、チロシン(1430mg/100g)、ロイシン(675mg/100g)、イソロイシン(607mg/100g)、メチオニン(110mg/100g)、バリン(2470mg/100g)、アラニン(26800mg/100g)、グリシン(34500mg/100g)、プロリン(450mg/100g)、グルタミン酸(1920mg/100g)、セリン(13200mg/100g)、スレオニン(1220mg/100g)、アスパラギン酸(2530mg/100g)、トリプトファン(検出せず)、シスチン(94mg/100g)であった。
株式会社日本食品機能分析研究所:アミノ酸自動分析法
【0022】
また前記繭粉12aは、活性酸素の作用を抑える抗酸化機能、紫外線から皮膚を守る皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、また胃腸障害などを抑制することが公知とされている。そのため化粧品をはじめ、和紙、インテリア、高級繊維、日常品等に幅広く使用されている。
【0023】
また、前記複合粉末体10を構成する朝鮮人参粉13aは、朝鮮人参13を粉砕機等で粉砕乾燥して粉末化することにより形成される。前記朝鮮人参はウコギ科の多年草で、中国から朝鮮半島を経て日本に伝えられ、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮等に優れた特性を有する。
【0024】
前記青汁粉11a、繭粉1a2、朝鮮人参粉13aを適宜の割合で配合することで、複合粉末体10を構成することができる。その配合割合は、特に限定されるものではなく、使用目的や用途に応じて適宜変更することが好ましい。
【0025】
また特に、前記複合粉末体10を小麦粉2に配合させることにより、
図2に示す食品粉末体1が形成される。小麦はイネ科の一年草であり、かかる小麦を粉砕機等で粉砕して形成された小麦粉2と、前記複合粉末体10とを配合して形成された食品粉末体1に水を加え加工することにより、中華麺、パスタ、そうめん、うどん等の加工食品に幅広く活用することができる。また、それらの加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【0026】
また他の好適例として、前記複合粉末体10を大麦粉3に配合させてもよい。前記複合粉末体10を大麦粉3に配合させることにより、
図2に示す食品粉末体1が形成される。大麦は健康食品として周知されており、かかる大麦を粉砕機等で粉砕した大麦粉3と、前記複合粉末体10とで構成された食品粉末体1に水を加え加工することにより、パン、和菓子、洋菓子等の加工食品に幅広く活用することができる。また、それらの加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【0027】
また他の好適例として、前記複合粉末体10をそば粉4に配合させてもよい。前記複合粉末体10をそば粉4に配合させることにより、
図2に示す食品粉末体1が形成される。そば粉4は穀物のそばの実を細かく粉砕したもので、該そば粉4と前記複合粉末体10とで構成された食品粉末体1に水を加え加工することにより、日本伝統のそばに活用することができる。そのそば粉にて作られたそばを食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【0028】
また他の好適例として、前記複合粉末体10を米粉5に配合させてもよい。前記複合粉末体10を米粉5に配合させることにより、
図2に示す食品粉末体1が形成される。米粉5は日本人の主食であり、粉末化された米粉5と前記複合粉末体10とで構成された食品粉末体1に水を加え加工することにより、パン、ケーキ、麺類等に幅広く活用することができる。その米粉にて作られた加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【0029】
また他の好適例として、前記複合粉末体10を牛乳粉6に配合させてもよい。前記複合粉末体10を牛乳粉6に配合させることにより、
図2に示す食品粉末体1が形成される。牛乳粉は牛乳から水分を除去して粉末状にしたものであり、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、乳清等が好適に使用される。該牛乳粉6と前記複合粉末体10とで構成された食品粉末体1に水を加え加工することにより、アイスクリーム等の乳製品を作ることができる。その牛乳粉にて作られた加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【0030】
なお、本発明の食品粉末体1における複合粉末体10と、小麦粉2、大麦粉3、そば粉4、米粉5、牛乳粉6との配合比率は特に限定されるものではなく、使用目的や加工品の種類等に応じて、適宜調整することが好ましい。
【0031】
上述の如く、本発明の食品粉末体1は、粉末化した青汁粉11aと、粉末化した繭粉12aと、粉末化した朝鮮人参粉13aと、からなる複合粉末体10を、小麦粉2、大麦粉3、そば粉4、米粉5、牛乳粉6に配合させる構造であり、食品粉末体1に水を加え加工することにより、中華麺、パスタ、そうめん、うどん、そば、パン、和菓子、洋菓子、アイスクリーム等の加工食品を形成することができる。またその加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 食品粉末体
2 小麦粉
3 大麦粉
4 そば粉
5 米粉
6 牛乳粉
10 複合粉末体
11 青汁材
11a 青汁粉
12 繭
12a 繭粉
13 朝鮮人参
13a 朝鮮人参粉