(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086518
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】搬送ユニットおよびそれを含む基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240620BHJP
B25J 15/06 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
H01L21/68 B
B25J15/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028345
(22)【出願日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0176184
(32)【優先日】2022-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ドク ヒュン
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707BS15
3C707FS01
3C707FT08
3C707FT11
3C707FU05
3C707NS13
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131AA33
5F131BA00
5F131CA17
5F131DA02
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB22
5F131DB32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板を安定的に真空吸着することができ、長期間使用できる搬送ユニットおよび基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置において、搬送ユニットは、ロボットアームと、ロボットアームに連結されるエンドエフェクタ51を含む。エンドエフェクタは、ボディ770と、ボディに形成された真空孔511と、ボディ上に真空孔を囲むように設けられ、順次積層された第1パッド層711及び第2パッド層712を含むパッド710と、を含み、第1パッド層は第2パッド層より弾性が大きく、第2パッド層は第1パッド層より硬度が大きい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームと、
前記ロボットアームに連結されるエンドエフェクタを含み、
前記エンドエフェクタは、
ボディと、
前記ボディに形成された真空孔と、
前記ボディ上に前記真空孔を囲むように設けられ、順次積層された第1パッド層と第2パッド層を含むパッドを含み、
前記第1パッド層は前記第2パッド層より弾性が大きく、
前記第2パッド層は前記第1パッド層より硬度が大きい、搬送ユニット。
【請求項2】
前記第1パッド層はテフロンまたはシリコンを含む、請求項1に記載の搬送ユニット。
【請求項3】
前記第2パッド層はピーク(PEEK)またはカーボンピークを含む、請求項2に記載の搬送ユニット。
【請求項4】
前記第1パッド層および前記第2パッド層は伝導性物質を含み、静電気を前記第1パッド層および前記第2パッド層を介して除電する、請求項1に記載の搬送ユニット。
【請求項5】
前記パッドは楕円形状に設けられた、請求項1に記載の搬送ユニット。
【請求項6】
前記第1パッド層の幅は前記第2パッド層の幅より大きい、請求項1に記載の搬送ユニット。
【請求項7】
前記第2パッド層は前記第1パッド層上に前記第1パッド層の外側エッジに沿って形成された、請求項1に記載の搬送ユニット。
【請求項8】
前記第2パッド層は、前記第1パッド層上に楕円形状に形成された第1部分を含む、請求項1に記載の搬送ユニット。
【請求項9】
前記第2パッド層は前記第1部分と前記真空孔の間に配置された第2部分を含む、請求項8に記載の搬送ユニット。
【請求項10】
前記第2部分は前記第1部分と連結され、前記第1部分から前記真空孔に向かって形成された、請求項9に記載の搬送ユニット。
【請求項11】
前記第2部分は前記第1部分と離隔して、アイランド形状に形成された、請求項9に記載の搬送ユニット。
【請求項12】
ロボットアームと、
前記ロボットアームに連結されるエンドエフェクタを含み、
前記エンドエフェクタは、
ボディと、
前記ボディに形成された真空孔と、
前記ボディ上に前記真空孔を囲むように設けられ、第1パッド層と第2パッド層を含むパッドを含み、
前記第1パッド層は前記ボディ上に形成され、
前記第2パッド層の下面は前記第1パッド層と直接接触し、前記第2パッド層の上面は基板と直接接触し、
前記第1パッド層は前記第2パッド層より弾性が大きく、
前記第2パッド層は前記第1パッド層より硬度が大きく、
前記第1パッド層の幅は前記第2パッド層の幅より大きく、
前記第2パッド層は前記第1パッド層の外側エッジに沿って形成され、
前記第1パッド層および前記第2パッド層は楕円形状である、搬送ユニット。
【請求項13】
前記第1パッド層はテフロンまたはシリコンを含み、
前記第2パッド層はピーク(PEEK)またはカーボンピークを含む、請求項12に記載の搬送ユニット。
【請求項14】
基板が収納された容器が置かれるロードポートと、前記基板を移送するためのインデックスロボットを含むインデックスモジュール、および
プロセスチャンバと、前記基板を前記プロセスチャンバに伝達するメイン搬送ロボットを含むプロセスモジュールを含み、
前記インデックスロボットまたはメイン搬送ロボットは、
ロボットアームと、前記ロボットアームに連結されるエンドエフェクタを含み、
前記エンドエフェクタは、
ボディと、
前記ボディに形成された真空孔と、
前記ボディ上に前記真空孔を囲むように設けられ、順次積層された第1パッド層と第2パッド層を含むパッドを含み、
前記第1パッド層は前記第2パッド層より弾性が大きく、
前記第2パッド層は前記第1パッド層より硬度が大きい、基板処理装置。
【請求項15】
前記第1パッド層はテフロンまたはシリコンを含む、請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記第2パッド層はピーク(PEEK)またはカーボンピークを含む、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記第1パッド層および前記第2パッド層は伝導性物質を含み、静電気を前記第1パッド層および前記第2パッド層を介して除電する、請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記パッドは楕円形状に設けられた、請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記第2パッド層は前記第1パッド層上に前記第1パッド層の外側エッジに沿って形成された、請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記第2パッド層は、
前記第1パッド層上に楕円形状に形成された第1部分と、
前記第2パッド層は前記第1部分と前記真空孔の間に配置された第2部分を含む、請求項14に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送ユニットおよびそれを含む基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置またはディスプレイ装置を製造する際、フォト、エッチング、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着、洗浄等多様な工程が実施される。このような様々な段階の工程を行うために、搬送ユニットにより基板が搬送される。例えば、搬送ユニットは真空吸着方式により基板をピックアップして搬送させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、基板を安定的に真空吸着することができ、長期間使用できる搬送ユニットを提供することにある。
【0004】
本発明が解決しようとする他の課題は、前記搬送ユニットを備える基板処理装置を提供することにある。
【0005】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するための本発明の搬送ユニットの一態様(aspect)は、ロボットアーム;前記ロボットアームに連結されるエンドエフェクタを含み、前記エンドエフェクタはボディと、前記ボディに形成された真空孔と、前記ボディ上に前記真空孔を囲むように設けられ、順次積層された第1パッド層と第2パッド層を含むパッドを含み、前記第1パッド層は前記第2パッド層より弾性が大きく、前記第2パッド層は前記第1パッド層より硬度が大きい。
【0007】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による搬送ユニットを説明するための斜視図である。
【
図2】
図1の搬送ユニットを説明するための概念図である。
【
図4】
図2および
図3に示すパッドの構成を説明するための平面図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態による搬送ユニットに用いられるパッドの他の例を説明するための平面図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による搬送ユニットに用いられるパッドの他の例を説明するための平面図である。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による搬送ユニットに用いられるパッドの他の例を説明するための平面図である。
【
図8】本発明の他の実施形態による搬送ユニットを説明するための斜視図である。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するための概念図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0010】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」等は図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0011】
第1、第2等が多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのはもちろんである。
【0012】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0013】
図1は本発明のいくつかの実施形態による搬送ユニットを説明するための斜視図である。
図2は
図1の搬送ユニットを説明するための概念図である。
図3は
図1の領域Aの断面図である。
図4は
図2および
図3に示すパッドの構成を説明するための平面図である。
【0014】
まず
図1を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による搬送ユニットは、ハウジング10上に取り付けられたロボットアーム20,30と、ロボットアーム20,30に設けられたエンドエフェクタ(end effector,51)を含む。
ハウジング10はロボットアーム20,30を支持するための部材である。ハウジング10は固定されることもでき、移動機構(例えば、レール)により移動することもできる。
【0015】
ロボットアーム20,30はハウジング10上に連結されたベースアーム20と、ベースアーム20の先端部に締結された先端アーム30を含む。図面ではロボットアーム20,30の関節が2個ある場合を示しているが、これに限られない。例えば、関節が1個だけであってもよく、3個以上であってもよい。
【0016】
エンドエフェクタ51は先端アーム30の先端に回転可能に締結される。エンドエフェクタ51はハンドとも呼ばれる。エンドエフェクタ51は基板Wの下で、基板Wを真空方式で吸着して固定させることができる。
【0017】
このような搬送ユニットは第1位置(例えば、インデックスモジュール)から第2位置(例えば、ロードロックモジュール)に基板を移動させる。
【0018】
図2を参照すると、エンドエフェクタ51はボディ770、真空孔511,512,513、パッド710,720,730を含む。
【0019】
ボディ770は実質的に平らな上面を有することができる。また、ボディ770は図示のように、2個のフィンガ770a,770bが互いに離隔した形態で示されているが、これに限られない。ボディ770は1個のフィンガで構成されることもでき、3個以上の離隔したフィンガで構成されることもできる。
【0020】
ボディ770には複数の真空孔511,512,513が形成されている。例えば、真空孔511,512,513は一側のフィンガ770aに設けられた第1真空孔511、他側のフィンガ770bに設けられた第2真空孔512、一側のフィンガ770aと他側のフィンガ770bを連結する連結部770cに設けられた第3真空孔513を含むことができる。真空孔511,512,513が設けられる位置は示されたものに限られない。
【0021】
コントローラ550はメインライン750および複数の分岐ライン751,752,753を介して複数の真空孔511,512,513に連結される。
【0022】
例えば、コントローラ550はメインライン750と連結され、メインライン750は特定の分岐点で第1分岐ライン751、第2分岐ライン752および第3分岐ライン753に分かれる。第1分岐ライン751は第1真空孔511に、第2分岐ライン752は第2真空孔512に、第3分岐ライン753は第3真空孔513に連結される。
【0023】
メインライン750に弁530が設けられることができ、弁530のオン/オフに応じて複数の真空孔511,512,513に提供される真空吸着が調整されることができる。図示とは異なり、複数の分岐ライン751,752,753それぞれに弁が設けられ、複数の真空孔511,512,513それぞれに提供される真空吸着が調整されることができる。
【0024】
コントローラ550が弁530のオン/オフで真空孔の圧力を調整できる場合を説明したが、これに限られない。弁を用いずとも他の構成要素で真空吸着を調整することもできる。
【0025】
図3および
図4を参照すると、パッド710はボディ770の真空孔511を囲むように設けられ、順次積層された第1パッド層711および第2パッド層712を含む。
【0026】
第2パッド層712の上面は基板と直接接触し、長時間使用すると表面摩耗が発生し得る。したがって、第2パッド層712は硬度が高い物質を使用して表面摩耗を最小化することができる。
【0027】
前述したように、第2パッド層712は硬度が大きい物質を使用するが、硬度が大きい物質は弾性不足により真空吸着時に吸着力が劣り得る。したがって、第2パッド層712の下の第1パッド層711は相対的に弾性が大きい物質を使用して第2パッド層712の不足した弾性を補完する役割をする。
【0028】
結果的に、第1パッド層711は第2パッド層712より弾性が大きく、第2パッド層712は第1パッド層711より硬度が大きい。
【0029】
このような特徴を有する第1パッド層711と第2パッド層712の物質を例に挙げると、第1パッド層711はテフロン(teflon)またはシリコンを含むことができる。第2パッド層712はピーク(PEEK(PolyEther Ether Ketone))またはカーボンピーク(carbon PEEK)を含むことができる。
【0030】
さらに、第1パッド層711と第2パッド層712は伝導性を有することができる。例えば、第1パッド層711と第2パッド層712は伝導性ペレット(conductive pellets)を含むことができる。第1パッド層711と第2パッド層712が伝導性ペレットを含むことによって、静電気が発生したとき第1パッド層711と第2パッド層712を介して静電気を除電することができる。
【0031】
また、
図4に示すように、パッド710(特に、第2パッド層712)は楕円形状であり得る。楕円形状のパッド710が、円形状のパッドに比べて、真空破壊時に有利であるからである。
【0032】
また、
図3に示すように、第1パッド層711の幅w1は、第2パッド層712の幅w2に比べて大きい。第1パッド層711の幅w1を相対的に広げることによって、真空により吸着できる基板Wの面積を最大化することができる。第2パッド層712の幅w2を相対的に小さくすることによって、基板Wと第2パッド層712の物理的接触面積を最小化することができる。
【0033】
パッド710がこのような構成を有することによって、安定した基板Wの吸着および固定が可能であり、基板Wと第2パッド層712がくっついてしまう現象を防止することができ、真空破壊時に基板Wが第2パッド層712から簡単に分離される。
【0034】
図示のように、第2パッド層712は第1パッド層711上に、第1パッド層711の外側エッジに沿って形成されるが、これに限られない。パッド710がこのような構成を有することによって、限定された領域で真空により吸着できる基板Wの面積を大きくを維持しながら、基板Wと第2パッド層712の物理的接触面積を調整することができる。
【0035】
一方、
図3および
図4では真空孔511とパッド710について説明したが、他の真空孔512,513とパッド720,730についても実質的に同一に適用することができる。
【0036】
また、パッド710が2個のパッド層711,712からなる場合を示しているが、これに限られない。例えば、パッド710が3個以上のパッド層で構成されることもできる。例えば、第1パッド層711と第2パッド層712の間に、第1パッド層711の弾性値と第2パッド層712の弾性値の間の弾性値を有する第3パッド層が配置されることもできる。
【0037】
図5ないし
図7は本発明のいくつかの実施形態による搬送ユニットに用いられるパッドを説明するための平面図である。説明の便宜上
図1ないし
図4を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0038】
図5ないし
図7を参照すると、パッド710の第2パッド層712は、楕円形状に形成された第1部分712a、および第1部分712aと真空孔511の間に配置された第2部分712b,712c,712dを含む。第1部分712aと第2部分712b,712c,712dは基板Wと物理的に接触する。シミュレーション等により基板Wとの物理的接触面積が不足して真空効果が劣ると判断される場合、第2部分712b,712c,712dを用いることによって基板Wとの物理的接触面積を増加させることができる。第2部分712b,712c,712dの形状は
図5ないし
図7に示すように多様であるが、これに限られない。
【0039】
図5に示すように、第2部分712bは楕円形状であり得る。第2部分712bは第2部分712bの内側領域だけでなく、第1部分712aと第2部分712bの間にも真空を形成できるように、第2部分712bには隙間(aperture,713)が形成されている。
【0040】
図6に示すように、パッド710の第2パッド層712は、楕円形状に形成された第1部分712aと、第1部分712aから真空孔511に向かって形成された第2部分712cを含む。
【0041】
図7に示すように、パッド710の第2パッド層712は、楕円形状に形成された第1部分712aと、第1部分712aと離隔してアイランド形状に形成された第2部分712dを含む。
【0042】
図8は本発明の他の実施形態による搬送ユニットを説明するための斜視図である。説明の便宜上
図1ないし
図4を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0043】
図8を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による搬送ユニットは、ハウジング10上に取り付けられたロボットアーム20,30と、ロボットアーム20,30に設けられた複数のエンドエフェクタ51,53を含む。下に配置されたエンドエフェクタ51は基板W1を支持して、上に配置されたエンドエフェクタ53は基板W2を支持する。
【0044】
前述したように、エンドエフェクタ51には真空孔(
図2の511,512,513を参照)およびパッド(
図2の710,720,730を参照)が形成されることができる。エンドエフェクタ53には真空孔511a,512a,513aおよびパッド(図示せず)が形成されることができる。ロボットアーム20,30により、複数のエンドエフェクタ51,53それぞれが基板W1,W2をピックアップするか、基板W1,W2を安着させることができる。
【0045】
図9は本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するための概念図である。
【0046】
図9を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置1は、インデックスモジュール100、ロードロックモジュール300、およびプロセスモジュール200を含む。インデックスモジュール100、ロードロックモジュール300、およびプロセスモジュール200が配列された方向が第1方向Xであり、上部から見るとき第1方向Xと垂直な方向が第2方向Yであり、第1方向Xと第2方向Yを含む平面に垂直な方向が第3方向Zである。
【0047】
インデックスモジュール100はロードポート120、移送フレーム140を含む。
ロードポート120には複数の基板Wが収納された容器109が安着する。ロードポート120は複数が提供され、これらは第2方向Yに沿って一列に配置される。
図9では3個のロードポート120が提供された場合を示しているが、これに限られない。ロードポート120の個数はプロセスモジュール200の工程効率およびフットプリント等の条件によって増加または減少し得る。容器109は前面開放一体型ポッド(Front Opening Unified Pod;FOUP)であり得るが、これに限られない。
【0048】
移送フレーム140はロードポート120に安着した容器109、ロードロックモジュール300の間に基板Wを搬送する。移送フレーム140はインデックスレール142とインデックスロボット144を含む。インデックスレール142はその長手方向が第2方向Yと平行に提供されることができる。インデックスロボット144はインデックスレール142上に設けられ、インデックスレール142に沿って第2方向Yに直線移動することができる。インデックスロボット144はハウジング144a、ロボットアーム144b,144c、そしてエンドエフェクタ144d等を含む。ハウジング144aはインデックスレール142に沿って移動可能なように設けられる。ロボットアーム144b,144cはハウジング144aで回転可能であり、ハウジング144aに対して前進/後進移動が可能なように提供される。エンドエフェクタ144dは基板Wを真空方式で吸着して移動させることができる。
【0049】
ロードロックモジュール300は移送フレーム140と搬送ユニット240の間に配置される。ロードロックモジュール300はプロセスモジュール200に搬入される基板Wに対してインデックスモジュール100の常圧雰囲気をプロセスモジュール200の真空雰囲気に置換するか、インデックスモジュール100に搬出される基板Wに対してプロセスモジュール200の真空雰囲気をインデックスモジュール100の常圧雰囲気に置換する。ロードロックモジュール300は搬送ユニット240と移送フレーム140の間に基板Wが搬送される前に基板Wが滞留する空間を提供する。このようなロードロックモジュール300はロードロックチャンバ320およびアンロードロックチャンバ340を含む。
【0050】
ロードロックチャンバ320はインデックスモジュール100からプロセスモジュール200に搬送される基板Wが一時的に滞留する。ロードロックチャンバ320は待機状態で常圧雰囲気を維持し、プロセスモジュール200に対して遮断されるが、インデックスモジュール100に対して開放された状態を維持する。ロードロックチャンバ320に基板Wが搬入されると、内部空間をインデックスモジュール100とプロセスモジュール200それぞれに対して密閉する。その後、ロードロックチャンバ320の内部空間を常圧雰囲気から真空雰囲気に置換し、インデックスモジュール100に対して遮断された状態でプロセスモジュール200に対して開放される。
【0051】
アンロードロックチャンバ340はプロセスモジュール200からインデックスモジュール100に搬送される基板Wが一時的に滞留する。アンロードロックチャンバ340は待機状態で真空雰囲気を維持し、インデックスモジュール100に対して遮断されるが、プロセスモジュール200に対して開放された状態を維持する。アンロードロックチャンバ340に基板Wが搬入されると、内部空間をインデックスモジュール100とプロセスモジュール200それぞれに対して密閉する。その後、アンロードロックチャンバ340の内部空間を真空雰囲気から常圧雰囲気に置換し、プロセスモジュール200に対して遮断された状態でインデックスモジュール100に対して開放される。
【0052】
プロセスモジュール200は搬送ユニット240および複数のプロセスチャンバ260を含む。
【0053】
搬送ユニット240はロードロックチャンバ320、アンロードロックチャンバ340、そして複数のプロセスチャンバ260の間に基板Wを搬送する。搬送ユニット240は搬送チャンバ242およびメイン搬送ロボット250を含む。搬送チャンバ242は六角形の形状で提供されるが、これに限られない。選択的に搬送チャンバ242は正方形、長方形または五角形形状であり得る。搬送チャンバ242の周囲にはロードロックチャンバ320、アンロードロックチャンバ340、そして複数のプロセスチャンバ260が位置する。搬送チャンバ242の内部には基板Wを搬送するための搬送空間244に提供される。
【0054】
メイン搬送ロボット250は搬送空間244で基板Wを搬送する。メイン搬送ロボット250は搬送チャンバ242の中央部に位置できるが、これに限られない。メイン搬送ロボット250は少なくとも一つのロボットアーム253およびハンド(すなわち、エンドエフェクタ,252)を含む。少なくとも一つのハンド252は水平方向、垂直方向に移動することができ、水平面上で前進、後進または回転が可能である。各ハンド252は独立駆動が可能であり、基板Wはハンド252に水平状態で安着することができる。
【0055】
プロセスチャンバ260では、例えば、プラズマ基板処理が行われることができる。例えば、エッチング工程、アッシング工程、乾燥工程等が行われることができる。これとは異なり、プロセスチャンバ260で行われる工程は、プラズマ基板処理工程でない、ガスを用いて基板を処理する工程であり得る。
【0056】
メイン搬送ロボット250またはインデックスロボット144として、
図1ないし
図8を用いて説明した搬送ユニットが用いられる。
【0057】
図10は本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【0058】
図10を参照すると、先に搬送ユニットが提供される(S810)。
【0059】
具体的には、搬送ユニットは
図1ないし
図8を用いたものであり得る。例えば、搬送ユニットはボディと、ボディに形成された真空孔と、ボディ上に真空孔を囲むように設けられ、順次積層された第1パッド層と第2パッド層を含むパッドを含む。ここで、第1パッド層は第2パッド層より弾性が大きく、第2パッド層は第1パッド層より硬度が大きい。例えば、第1パッド層はテフロンまたはシリコンを含むことができ、第2パッド層はピーク(PEEK)またはカーボンピークを含むことができる。第1パッド層の幅は第2パッド層の幅より大きくてもよく、第2パッド層は前記第1パッド層上に、前記第1パッド層の外側エッジに沿って形成されることができる。
【0060】
第1パッド層および前記第2パッド層は楕円形状であり得る。
【0061】
次に、搬送ユニットは第1位置で基板をピックアップする(S820)。搬送ユニットは第2位置で基板を安着させる(S830)。
【0062】
具体的には、搬送ユニットは第1位置(例えば、ロードポート(
図9の120))で基板をピックアップして第2位置(例えば、
図9のロードロックチャンバ320)で基板を安着させる。
【0063】
または、搬送ユニットは第1位置(例えば、
図9のロードロックチャンバ320)で基板をピックアップして第2位置(例えば、
図9のプロセスチャンバ260)で基板を安着させる。
【0064】
または、搬送ユニットは第1位置(例えば、
図9のプロセスチャンバ260)で基板をピックアップして第2位置(例えば、
図9のアンロードロックチャンバ340)で基板を安着させる。
【0065】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。