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特開2024-86537移載キャリア、マイクロデバイス移載アセンブリ及び移載方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086537
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】移載キャリア、マイクロデバイス移載アセンブリ及び移載方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20240620BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20240620BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240620BHJP
【FI】
H01L21/02 C
H01L21/52 C
H01L33/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090420
(22)【出願日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2022/139594
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523205681
【氏名又は名称】厦門市芯穎顕示科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Extremely PQ Display Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】A-102A, , No.178 Xinfeng Road, Huizhi Space, Torch High-tech Zone, Xiamen City, Fujian Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】謝 相偉
【テーマコード(参考)】
5F047
5F142
【Fターム(参考)】
5F047FA08
5F142AA54
5F142AA82
5F142BA02
5F142CA11
5F142CB03
5F142FA32
5F142FA38
5F142GA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マイクロデバイスの移載をより容易にするとともに、移載精度を向上させる新規な移載キャリアを提供する。
【解決手段】複数のマイクロデバイスを移載するための移載キャリア100は、基板10と、前記基板の一方の側に設置され、且つ互いに間隔をあけて設置された複数の応答部22を含み、前記複数の応答部は、前記複数のマイクロデバイスと1対1で対応するために用いられる応答層20と、を含み、そのうち、前記複数の応答部の各々は、互いに間隔をあけて設置された少なくとも2つの第1の応答部材221を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロデバイスを移載するために用いられ、
基板と、
前記基板の一方の側に設置され、且つ互いに間隔をあけて設置された複数の応答部を含み、前記複数の応答部は、前記複数のマイクロデバイスと1対1で対応するために用いられる応答層と、を含み、そのうち、前記複数の応答部の各々は、互いに間隔をあけて設置された少なくとも2つの第1の応答部材を含む、移載キャリア。
【請求項2】
前記応答層は、前記複数の応答部の間の隙間内に設置され、且つ前記複数の応答部と互いに間隔をあけて設置された複数の第2の応答部材をさらに含む、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項3】
前記応答部の各々は、第1の総面積を有し、前記応答部の各々において、前記少なくとも2つの第1の応答部材の各々は、接着面積を有し、前記少なくとも2つの第1の応答部材の前記接着面積合計は、前記第1の総面積の10%以上である、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項4】
前記応答部の各々の前記少なくとも2つの第1の応答部材は、前記応答部の中心に対して対称に分布する、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項5】
前記応答部の各々の前記少なくとも2つの第1の応答部材は、中間の第1の応答部材と、前記中間の第1の応答部材を取り囲む複数の周辺の第1の応答部材とを含み、前記中間の第1の応答部材は、第1の接着面積を有し、前記周辺の第1の応答部材は、第2の接着面積を有し、前記第1の接着面積は、前記第2の接着面積よりも大きい、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項6】
前記応答部の各々の前記少なくとも2つの第1の応答部材は複数の行に配列され、各行における第1の応答部材の数は複数であり、且つ任意の隣接する2つの行における複数の前記第1の応答部材はずらして設置される、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項7】
前記応答層の材料は、トリアザポリマー、ポリイミド、又は有機シリカゲルから選択される1つ又は少なくとも2つの組み合わせである、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項8】
前記複数の応答部のうちのいずれか1つの応答部の材料は、ゴム系ポリマー、ポリエステル、カルバメート系ポリマー、ポリエーテル、シリコーン系ポリマー、エチレン-酢酸ビニル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、シアノアクリレート系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール樹脂、ポリオレフィン、スチレン系ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリベンズイミダゾール、メラミン樹脂、尿素樹脂、レゾルシノール系ポリマー、ポリビニルエーテル系接着剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸系紫外線吸収剤、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリノ-フェニル)ブタン-1-オン、エタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-、1-(0-アセチルオキシム)、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-、2-(O-ベンゾイルオキシム)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン又は2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンのうちの1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含む、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項9】
基板と、前記基板の一方の側に設置された応答層とを含み、前記応答層は、互いに間隔をあけて設置された複数の応答部材を含む移載キャリアと、
前記応答層の前記基板から離れた側に互いに間隔をあけて付着され、そのうち各々は、前記複数の応答部材の少なくとも2つに接続された複数のマイクロデバイスと、を含み、
そのうち、前記複数の応答部材のうちのいずれか1つは、最大で1つの前記マイクロデバイスに接続される、マイクロデバイス移載アセンブリ。
【請求項10】
前記複数の応答部材は、前記複数のマイクロデバイスと前記基板との間に接続された複数の第1の応答部材と、前記複数のマイクロデバイスの間の隙間内に位置する複数の第2の応答部材とを含む、請求項9に記載のマイクロデバイス移載アセンブリ。
【請求項11】
前記マイクロデバイスの各々が接続された前記少なくとも2つの応答部材は、前記マイクロデバイスと接触する総面積が前記マイクロデバイスの面積の10%以上である、請求項9に記載のマイクロデバイス移載アセンブリ。
【請求項12】
前記マイクロデバイスの各々は、第1の方向に沿ったチップの長さ及び第2の方向に沿ったチップの幅を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに直交し、前記マイクロデバイスの各々が接続された前記少なくとも2つの応答部材の各々は、前記チップの長さの半分未満で前記チップの幅未満である応答幅を有する、請求項9に記載のマイクロデバイス移載アセンブリ。
【請求項13】
前記マイクロデバイスの各々が接続された前記少なくとも2つの応答部材は、前記マイクロデバイスの中心に対して対称に分布する、請求項9に記載のマイクロデバイス移載アセンブリ。
【請求項14】
請求項1~8のいずれか1項に記載の移載キャリア又は請求項9~13のいずれか1項に記載のマイクロデバイス移載アセンブリを採用する、マイクロデバイス移載方法。
【請求項15】
前記複数のマイクロデバイスは、標的解放マイクロデバイスを含み、前記マイクロデバイス移載方法は、応答層のうち前記標的解放マイクロデバイスに対応する領域にレーザで照射し、照射した領域の前記応答層の材料を分解又は変形させて前記標的解放マイクロデバイスを解放することを含む、請求項14に記載のマイクロデバイス移載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ディスプレイ技術の分野に関し、特に移載キャリア、マイクロデバイス移載アセンブリ及びマイクロデバイス移載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Micro LED(Micro Light Emitting Diode、マイクロ発光ダイオード)チップの大量移載は、Micro LEDディスプレイスクリーンの製造プロセスにおける重要なステップであり、そのうちレーザ補助移載技術は、非常に有望な大量移載の解決方法の1つである。しかし、近年、Micro LEDチップ等のマイクロデバイスのサイズがますます小さくなり、チップ間の距離もますます小さくなり、従来のレーザ補助移載技術では、このような小さいサイズ又は小さい距離のチップを移載する際に、チップが移載キャリアから外れにくくなったり、隣接するチップの影響で移載精度が悪くなったり、ひいては選択的に移載する際に誤移載が生じたりする等という問題が生じ始める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、マイクロデバイスの移載をより容易にするとともに、マイクロデバイスの移載精度を向上させる新規な移載キャリアを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、従来技術の少なくとも一部の欠点を解消するために、本願の実施例は、移載精度がより高く、移載難易度がより低いという特徴を有する移載キャリア、マイクロデバイス移載アセンブリ及びマイクロデバイス移載方法を提供する。
【0005】
一態様において、本願の1つの実施例にて提供される複数のマイクロデバイスを移載するための移載キャリアは、基板と、前記基板の一方の側に設置され、且つ互いに間隔をあけて設置された複数の応答部を含み、前記複数の応答部は、前記複数のマイクロデバイスと1対1で対応するために用いられる応答層と、を含み、そのうち、前記複数の応答部の各々は、互いに間隔をあけて設置された少なくとも2つの第1の応答部材を含む。
【0006】
1つの実施例において、前記応答層は、前記複数の応答部の間の隙間内に設置され、且つ前記複数の応答部と互いに間隔をあけて設置された複数の第2の応答部材をさらに含む。
【0007】
1つの実施例において、前記応答部の各々は、第1の総面積を有し、前記応答部の各々において、前記少なくとも2つの第1の応答部材の各々は、接着面積を有し、前記少なくとも2つの第1の応答部材の前記接着面積合計は、前記第1の総面積の10%以上である。
【0008】
1つの実施例において、前記応答部の各々の前記少なくとも2つの第1の応答部材は、前記応答部の中心に対して対称に分布する。
【0009】
1つの実施例において、前記応答部の各々の前記少なくとも2つの第1の応答部材は、中間の第1の応答部材と、前記中間の第1の応答部材を取り囲む複数の周辺の第1の応答部材とを含み、前記中間の第1の応答部材は、第1の接着面積を有し、前記周辺の第1の応答部材は、第2の接着面積を有し、前記第1の接着面積は、前記第2の接着面積よりも大きい。
【0010】
1つの実施例において、前記応答部の各々の前記少なくとも2つの第1の応答部材は複数の行に配列され、各行における第1の応答部材の数は複数であり、且つ任意の隣接する2つの行における複数の前記第1の応答部材はずらして設置される。
【0011】
1つの実施例において、前記応答層の材料は、トリアザポリマー、ポリイミド、又は有機シリカゲルから選択される1つ又は少なくとも2つの組み合わせである。
【0012】
1つの実施例において、前記複数の応答部のうちのいずれか1つの応答部の材料は、ゴム系ポリマー、ポリエステル、カルバメート系ポリマー、ポリエーテル、シリコーン系ポリマー、エチレン-酢酸ビニル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、シアノアクリレート系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール樹脂、ポリオレフィン、スチレン系ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリベンズイミダゾール、メラミン樹脂、尿素樹脂、レゾルシノール系ポリマー、ポリビニルエーテル系接着剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸系紫外線吸収剤、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリノ-フェニル)ブタン-1-オン、エタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-、1-(0-アセチルオキシム)、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-、2-(O-ベンゾイルオキシム)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン又は2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンのうちの1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含む。
【0013】
本願の1つの実施例にて提供されるマイクロデバイス移載アセンブリは、基板と、前記基板の一方の側に設置された応答層とを含み、前記応答層は、互いに間隔をあけて設置された複数の応答部材を含む移載キャリアと、
前記応答層の前記基板から離れた側に互いに間隔をあけて付着され、各々は、前記複数の応答部材のうちの少なくとも2つに接続された複数のマイクロデバイスと、を含み、そのうち、前記複数の応答部材のうちのいずれか1つは、最大で1つの前記マイクロデバイスに接続される。
【0014】
1つの実施例において、前記複数の応答部材は、前記複数のマイクロデバイスと前記基板との間に接続された複数の第1の応答部材と、前記複数のマイクロデバイスの間の隙間内に位置する複数の第2の応答部材とを含む。
【0015】
1つの実施例において、前記マイクロデバイスの各々が接続された前記少なくとも2つの応答部材は、前記マイクロデバイスと接触する総面積が前記マイクロデバイスの面積の10%以上である。
【0016】
1つの実施例において、前記マイクロデバイスの各々は、第1の方向に沿ったチップの長さ及び第2の方向に沿ったチップの幅を有し、前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに直交し、前記マイクロデバイスの各々が接続された前記少なくとも2つの応答部材の各々は、前記チップの長さの半分未満で前記チップの幅未満である応答幅を有する。
【0017】
1つの実施例において、前記マイクロデバイスの各々が接続された前記少なくとも2つの応答部材は、前記マイクロデバイスの中心に対して対称に分布する。
【0018】
本願の1つの実施例にて提供されるマイクロデバイス移載方法は、前述したいずれか1項に記載の移載キャリア又は前述したいずれか1項に記載のマイクロデバイス移載アセンブリを採用する。
【0019】
1つの実施例において、前記複数のマイクロデバイスは、標的解放マイクロデバイスを含み、前記マイクロデバイス移載方法は、応答層のうち前記標的解放マイクロデバイスに対応する領域にレーザで照射し、照射した領域の前記応答層の材料を分解又は変形させて前記標的解放マイクロデバイスを解放することを含む。
【発明の効果】
【0020】
本願の上記実施例は、互いに間隔をあけて設置された応答部材(又は応答部)を設置することで複数のマイクロデバイスを接着し、且つ応答部材(又は応答部)の各々に最大で1つのマイクロデバイスのみが対応して接続されることを保証し、応答層におけるマイクロデバイスの各々に対応する接続位置に少なくとも2つの応答部材(又は2つの第1の応答部材)を有することにより、移載プロセスに複数のマイクロデバイスが対応して接続された応答層の材料を互いに独立させ、選択的に移載する必要がある場合、移載されるマイクロデバイスは、サイズが小さく、距離が小さい場合であっても、それに隣接する他のマイクロデバイスへの影響を回避し、移載精度を向上させることができるという少なくとも1つ以上の有益な効果を有する。また、マイクロデバイスの各々の接続位置も少なくとも2つの独立した構造であるので、マイクロデバイスを接着した後にマイクロデバイスとの接触面積が小さくなり、移載際により容易に解放する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここで、図面を用いて段落を説明する。以下、図面と組み合わせて、本願の具体的な実施形態について詳細に説明する。
図1】関連技術におけるレーザ補助移載技術を採用して選択的に移載する際の移載誤差原理概略図である。
図2】本願の1つの実施例にて提供される移載キャリアの構造概略図である。
図3図2に示す移載キャリアの底面構造概略図である。
図4】本願の別の実施例にて提供される移載キャリアの構造概略図である。
図5】本願の別の実施例にて提供される移載キャリアの底面構造概略図である。
図6】本願の別の実施例にて提供される移載キャリアの構造概略図である。
図7】本願の別の実施例にて提供される移載キャリアの構造概略図である。
図8】本願の別の実施例にて提供される移載キャリアの底面構造概略図である。
図9】本願の別の実施例にて提供される移載キャリアの底面構造概略図である。
図10】本願の1つの実施例にて提供されるマイクロデバイス移載アセンブリの構造概略図である。
図11図10に示すマイクロデバイス移載アセンブリの底面構造概略図である。
図12】本願の別の実施例にて提供されるマイクロデバイス移載アセンブリの構造概略図である。
図13図12に示すマイクロデバイス移載アセンブリの底面構造概略図である。
図14】本願の1つの実施例にて提供されるマイクロデバイス移載方法のフローチャート概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本願の上記目的、特徴及び利点をより明瞭且つ分かりやすくするために、以下、図面と組み合わせて本願の具体的な実施形態を詳細に説明する。
【0023】
当業者が本願の技術的解決手段をよりよく理解するために、以下、本願の実施例における図面と組み合わせて、本願の実施例における技術的解決手段を明確且つ完全に記述するが、明らかに、記述された実施例は本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を行わずに得た他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するべきである。
【0024】
なお、本願の明細書、特許請求の範囲、及び上記図面において、「第1」、「第2」等の用語は、類似の対象を区別するために用いられるものであり、必ずしも特定の順序又は前後順番を記述するために用いられるものではない。このように使用される用語は、本明細書に記述される本願の実施例が、本明細書に図示又は記述されたもの以外の順序で実施され得るように、適切な場合、互いに交換され得ることが理解されるべきである。さらに、「含む」及び「有する」という用語ならびにそれらの任意の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図しており、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器が、必ずしも明確に列挙されたそれらのステップ又はユニットに限定されるわけではなく、明確に列挙されていないか、又はそのようなプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含み得る。
【0025】
また、本願における複数の実施例の区分は、記述の便宜のためのものに過ぎて、特に限定されるように構成すべきではなく、様々な実施例における特徴は、矛盾しない場合、互いに組み合わせられ、互いに引用される。
【0026】
関連技術では、レーザ補助移載技術は、移載キャリアにMicro LEDチップ等のマイクロデバイスを接着するための1層又は複数層の応答性材料を付着させ、チップを標的基板に解放する必要がある場合、移載が必要なチップが位置する場所の応答性材料にレーザで照射し、応答性材料にレーザで照射した後、例えば、直接分解したり、気泡が形成されるか、又は膨張してクラックが発生する等表面状態が変化したりすることにより、その上に付着したデバイスを離脱させる原理を有する。従来のマイクロデバイスは、サイズが大きく、且つ隣接するマイクロデバイスの間隔が大きく、層全体の応答層材料を採用することにより、マイクロデバイスの移載を効果的に制御することができるが、近年、Micro LED等のマイクロデバイスのサイズがますます小さくなり、隣接するデバイスの隙間もますます小さくなり、このような層全体の応答性材料を採用して移載する際、マイクロデバイスが移載キャリアから外れにくくなったり、又は図1に示すように、隣接する応答性材料とマイクロデバイスとが互いに影響することにより、移載の精度が悪くなったり、ひいては選択的に移載する際に隣接するマイクロデバイスは誤移載が生じたりする等という問題が生じ始める。したがって、本願の実施例は、上記の問題の少なくとも一部を解決するための新規な移載キャリアを提供する。
【0027】
(第1の実施例)
図2に示すように、本願の1つの実施例は、移載キャリア100を提供し、複数のマイクロデバイスを移載するために用いられ、移載キャリア100は、基板10と、応答層20と、を含む。図3に示すように、応答層20は、基板10の一方の側に設置され、且つ互いに間隔をあけて設置された複数の応答部22を含み、複数の応答部22は、複数のマイクロデバイス200と1対1で対応し、そのうち、複数の応答部22の各々は、互いに間隔をあけて設置された少なくとも2つの第1の応答部材211を含む。
【0028】
そのうち、複数のマイクロデバイスは、例えば、Micro LEDチップ又は類似の移載要件を有する他のデバイスであるが、本実施例では、これに限定されない。基板10は、例えば、ガラス、サファイア、石英等のレーザを透過可能な透明な板材であってもよく、応答層20は、フォトリソグラフィやナノインプリント等の技術的手段により形成されることができる。応答層20の材料は、紫外線又は深紫外線の波長のレーザで照射した後に分解しやすく且つガス状の揮発性分解物を生じるポリマー材料、例えば、光分解性トリアザポリマー(TP)、ポリイミド(PI)、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フッ素樹脂、アクリル系ポリマー、イミド系ポリマー、アミド系ポリマー等であってもよい。有機シリカゲル等のレーザの照射により変形する材料であってもよく、応答層20の材料は、上記複数の材料のいずれか1つであってもよいし、2つ以上の材料の組み合わせであってもよい。
【0029】
当然ながら、応答層20は、複数の応答部22を含み、複数の応答部22のいずれか1つは、Micro LEDチップを接着するための接着力を提供する材料(接着性材料と呼ばれる)を含み、いくつかの実施例では、接着性材料は、例えば、具体的には、ゴム系ポリマー(例えば、天然ゴム、ネオプレンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ニトリルゴム等)、ポリエステル、カルバメート系ポリマー(即ち、ポリウレタン)、ポリエーテル、シリコーン系ポリマー、エチレン-酢酸ビニル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、シアノアクリレート系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール樹脂、ポリオレフィン、スチレン系ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリベンズイミダゾール、メラミン樹脂、尿素樹脂、レゾルシノール系ポリマー、ポリビニル接着剤等の材料から選択されてもよく、これらのうちの1つ又は少なくとも2つの組み合わせであってもよい。複数の応答部22の材料は、同一であっても異なっていてもよく、例えば、いくつかの応答部22の接着性材料は、接着力を提供しつつレーザの照射により分解される材料、例えばポリイミドを選択してもよい。いくつかの応答部22の接着性材料は、強い接着性を有する材料とレーザによる分解可能な材料との組み合わせを選択してもよく、例えば、天然ゴムとトリアザポリマーとの組み合わせであってもよい。
【0030】
いくつかの実施例において、応答部22は、レーザの照射によりマイクロデバイスを解放するために応答部22がレーザをよりよく吸収するように、接着性材料に加えて、例えばレーザ吸収材料を内部に含んでもよい。複数の応答部22のうち、一部の応答部22がレーザ吸収材料を含み、一部の応答部22がレーザ吸収材料を含まないようにしてもよい。全ての応答部22は、いずれもレーザ吸収材料を含んでもよい。複数の応答部22が含むレーザ吸収材料は、同一であっても異なっていてもよい。
【0031】
レーザ吸収材料は、例えば、紫外線レーザをよりよく吸収するための紫外線吸収剤を含んでもよく、紫外線吸収剤は、具体的には、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸系紫外線吸収剤等であってもよく、これらのうちのいずれか1つ又は少なくとも2つの組み合わせであってもよい。
【0032】
レーザ吸収材料は、例えば、光重合開始剤を含み、光重合開始剤は、例えば、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリノ-フェニル)ブタン-1-オン、エタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-、1-(0-アセチルオキシム)、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-、2-(O-ベンゾイルオキシム)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等であってもよく、これらのうちの1つ又は少なくとも2つの組み合わせであってもよい。
【0033】
列挙として、例えば、いくつかの応答部22には、接着性材料としてアクリル系ポリマー、レーザ吸収材料としてシュウ酸系紫外線吸収剤を含む。又は、別のいくつかの応答部22には、接着性材料としてシリコーン系ポリマー、レーザ吸収材料としてエタノンを含む。又は、さらにいくつかの応答層22には、接着性材料としてエポキシ樹脂、レーザ吸収材料としてサリチル酸系紫外線吸収剤、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノンを含む。以上記載したのは、応答部22の材料のいくつかの組み合わせ方式を列挙して説明したが、本実施例では、さらにより多くの組み合わせ方式について一々に列挙して説明しない。
【0034】
本実施例にて提供される移載キャリア100の1つの応答部22は、2つ以上の第1の応答部材211の組み合わせからなる。第1の応答部材211は、柱状、ブロック状又は他の形状であってもよいが、本実施例では、これに限定されず、例えば、図3に示すように、複数の第1の応答部材211は、基板10と反対側の面が円形とする柱状である。本実施例にて提供される移載キャリア100を移載工程に適用する場合、応答部22の各々は、1つのマイクロデバイスに接続されてもよい。図3に示す移載キャリア100では、2行6列合計12個の応答部22が示され、応答部22の各々は、複数の第1の応答部材211を含む。当然ながら、以上の具体的数値は単に列挙して説明するものに過ぎず、本実施例に対する制限とするものではない。
【0035】
図3に示す実施例において、応答部22の各々の少なくとも2つの第1の応答部材211は複数の行に配列され、各行における第1の応答部材211の数は複数であり、且つ任意の隣接する2つの行における複数の第1の応答部材211は、接触がより均一になるようにずらして設置される。
【0036】
本実施例において、複数の応答部22は互いに独立しており、図3に示す移載キャリアを用いてマイクロデバイスを接着する必要がある場合、応答部22の各々に1つのマイクロデバイスを接着することができる。移載工程において、多数のマイクロデバイスを応答層20に付着させる場合、隣接するマイクロデバイスの下部の応答部22が互いにつながっておらず、選択的に移載する場合、対応する応答部22の材料を分解気化又は変形させてマイクロデバイスを標的基板上に解放するように、対応するマイクロデバイスの対応する応答部22にレーザで照射し、応答部22の各々は互いに独立しているので、隣接する応答部22に影響を与えることがなく、移載誤差を低減させ、移載精度を向上させる。マイクロデバイスの各々に接続された少なくとも2つの第1の応答部材211も互いに間隔をあけて設置され、第1の応答部材211と第1の応答部材211との間に隙間があるので、マイクロデバイスに実際に接着された面積がマイクロデバイス自体の面積よりも小さく、マイクロデバイスの解放もより容易になる。
【0037】
いくつかの実施例において、第1の応答部材211は、図2に示すような単層材料構造であってもよく、レーザで照射した後に直接分解してガスを発生し、マイクロデバイスを付勢するか、レーザで照射した後に変形又は分裂分解し、接着性が低下する等の現象が生じて接着性がなくすることができる。又は、図4に示すように、第1の応答部材211は、さらに、多層材料構造であってもよく、基板10に近い側をレーザにより分解してガスを発生しやすい材料とし、内層材料と呼ばれ、内層材料の基板10から遠い側に接着性を有する材料で覆われ、外層材料と呼ばれる。列挙として、例えば、第1の応答部材211は、内層材料をトリアザポリマーとしてもよく、外層材料を天然ゴムとしてもよい。マイクロデバイスは、外層材料により移載キャリア100に接着されることができ、内層材料により分解されてガスを発生して基板10から分離されることができる。複数の応答部22は、間隔をあけて設置され、移載プロセスにおいて、周辺の他の応答部22に影響を与えない。
【0038】
いくつかの実施例において、応答部22の各々の少なくとも2つの第1の応答部材211の材料は、同一であっても異なっていてもよく、複数の応答部22の材料は、同一であっても異なっていてもよい。例えば、一部の第1の応答部材211を多層材料とし、一部の第1の応答部材211を単層材料とするようにしてもよく、全ての第1の応答部材211をいずれも多層材料としてもよい。
【0039】
さらに、いくつかの実施例において、図5を参照すると、応答層20は、複数の応答部22の間の隙間内に設置され、且つ複数の応答部22と互いに間隔をあけて設置された複数の第2の応答部材212をさらに含む。図5に示すように、破線枠の各々の内の複数の第1の応答部材211は、1つの応答部22に組み合わせられ、破線枠と破線枠との間の隙間内に複数の第2の応答部材212が設置される。なお、本実施例にて提供される移載キャリアにおいて、第1の応答部材211と第2の応答部材212とが明確な境界を有しなくてもよく、本実施例にて提供される移載キャリア100を用いて移載する前に第1の応答部材211と第2の応答部材212を区別しなくてもよく、移載工程において、複数のマイクロデバイスを本実施例にて提供される移載キャリア100に付着させる場合、マイクロデバイスと接触して接続されたものを第1の応答部材211と呼び、マイクロデバイスと接続されていないものを第2の応答部材212と呼ぶ。図5を参照すると、本願の実施例において、応答部22の各々の内の少なくとも2つの第1の応答部材211は、複数の行に配列される場合にずらなくて設置されてもよい。
【0040】
いくつかの実施例において、基板10の一方の側に光遮断材料23が設置されてもよく、基板10上への光遮断材料23の正投影を複数の応答部22の間に位置させる。例えば、図6に示すように、光遮断材料23が基板10の複数の応答部22に近接する一方の側に設置されてもよく、図7に示すように、基板10の複数の応答部22と反対の一方の側に設置されてもよい。光遮断材料23は、特定の波長のレーザの透過を遮断できるもので、例えば、光反射性材料、具体的には、例えば、Cr(クロム)、Ti(チタン)又はMo(モリブデン)等の放射線照射がよく、且つレーザを反射可能な金属薄膜であってもよく、DBR(Distributed Bragg Reflection、ブラッグ反射鏡)光反射層であってもよい。複数の応答部22が互いに間隔をあけて設置されるとともに、隣接する応答部22に対するレーザの照射によるスポットサイズの影響は、光遮断材料23によりさらに防止される。
【0041】
いくつかの実施例において、図8を参照すると、応答部22の各々の少なくとも2つの第1の応答部材211は、中間の第1の応答部材211と、中間の第1の応答部材2111の周辺の第1の応答部材2112とを含む。中間の第1の応答部材2111の数は1つ又は複数であってもよく、周辺の第1の応答部材2112の数も1つ又は複数であってもよい。例えば、周辺の第1の応答部材2112は、図8に示すように、中間の第1の応答部材2111の周りにキャビティが形成される環状構造であってもよい。中間の第1の応答部材2111の材料及び周辺の第1の応答部材2112の材料は同一であっても異なっていてもよく、例えば中間の第1の応答部材2111の材料はレーザにより分解されてガスを発生しやすい材料であってもよく、列挙として、例えば、中間の第1の応答部材2111の材料はポリウレタン、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤及びエタノンの組み合わせであってもよく、周辺の第1の応答部材2112はシリカゲル等の接着性材料であってもよい。マイクロデバイスを移載する場合、マイクロデバイスは、周辺の第1の応答部材2112に接着されて周辺の第1の応答部材2112及び基板10により封止したチャンバが囲まれ、中間の第1の応答部材2111をレーザで照射することにより、中間の第1の応答部材2111が分解してガスを発生させて周辺の第1の応答部材2112から分離して移載されるようにマイクロデバイスを付勢することができる。本実施例において、中間の第1の応答部材2111の材料はレーザにより分解されてガスを発生しやすい材料であり、周辺の第1の応答部材2112はシリカゲル等の接着性材料である場合、中間の第1の応答部材2111の基板10からの盛り上がりの高さは周辺の第1の応答部材2112の基板10からの盛り上がりの高さより小さくてもよい。
【0042】
いくつかの実施例において、図9を参照すると、応答部22の各々の少なくとも2つの第1の応答部材211は、中間の第1の応答部材2111と、中間の第1の応答部材2111を取り囲む複数の周辺の第1の応答部材2112とを含む。中間の第1の応答部材2111は第1の接着面積を有し、周辺の第1の応答部材2112は第2の接着面積を有し、第1の接着面積は第2の接着面積よりも大きい。本実施例において、第1の接着面積とは、中間の第1の応答部材2111の基板10とは反対側の面の面積、即ち、中間の第1の応答部材2111がマイクロデバイスと接触可能な面積である。第2の接着面積とは、周辺の第1の応答部材2112の基板10とは反対側の面の面積、即ち、周辺の第1の応答部材2112がマイクロデバイスと接触可能な面積である。周辺の第1の応答部材2112のサイズを小さくすることにより、移載際に隣接するマイクロデバイスに与える影響をさらに減少することができる。中間の第1の応答部材2111を多層材料構造として設置し、周辺の第1の応答部材2112を単層材料構造として設置してもよい。
【0043】
いくつかの実施例において、応答部22の各々は、第1の総面積を有する。応答部22の各々において、少なくとも2つの第1の応答部材211の各々は、接着面積を有し、少なくとも2つの第1の応答部材211の接着面積合計は、第1の総面積の10%以上である。第1の応答部材211の各々の接着面積は、即ち、当該第1の応答部材211の基板10とは反対側の面(即ち、マイクロデバイスを接着するための面)の面積である。図3を参照すると、1つの第1の応答部材211の接着面積は、図3の1つの小さな円の面積である。応答部22の各々の少なくとも2つの第1の応答部材211の基板10と反対側の面は、組み合わせてパターンが形成され、当該パターンの外接矩形の面積は、当該応答部22のうち少なくとも2つの第1の応答部材211の接着面積と隙間面積との面積合計であると理解される当該応答部22の第1の総面積である。図3図9を参照すると、応答部22の各々に対応する外接矩形は、例えば、第1の方向に沿った長さW1及び第2の方向に沿った幅W2を有し、第1の方向が第2の方向に直交する。第1の総面積は、長さW1と幅W2との積として理解される。図3を参照すると、応答部22の各々の内には、32個の第1の応答部材211を有し、当該32個の小さな円の面積合計はW1*W2の10%以上である。
【0044】
いくつかの実施例において、複数の第1の応答部材211は、複数の行に配列され、且つ任意の隣接する2つの行における複数の第1の応答部材211は、接触がより均一になるようにずらして設置される。
【0045】
いくつかの実施例において、図3図9を参照すると、応答部22の各々の少なくとも2つの第1の応答部材211は、応答部22の中心に対して対称に設置される。移載工程においてマイクロデバイスの解放際にマイクロデバイスのアライメントを確保し、移載精度を向上させることができる。
【0046】
(第2の実施例)
図10及び図11を参照すると、本願の1つの実施例にて提供されるマイクロデバイス移載アセンブリ300は、移載キャリア100と、移載キャリア100に付着された複数のマイクロデバイス200とを含む。標的解放マイクロデバイスの移載は、複数のマイクロデバイス200における標的解放マイクロデバイスを移載キャリア100から標的基板に解放することにより達成されてもよい。そのうち、移載キャリア100は、基板10と、基板10の一方の側に設置された応答層20とを含み、応答層20は、互いに間隔をあけて設置された複数の応答部材21を含む。複数のマイクロデバイス200は、応答層20の基板10から離れた側に互いに間隔をあけて付着される。複数のマイクロデバイス200の各々は、複数の応答部材21の少なくとも2つに接続される。そのうち、複数の応答部材21のうちのいずれか1つは、最大で1つのマイクロデバイス200に接続される。
【0047】
本実施例において、基板10は、例えば、ガラス等のレーザを透過可能な透明な板材であってもよく、応答層20は、フォトリソグラフィやナノインプリント等の技術的手段により形成されることができる。応答層20の材料は、紫外線又は深紫外線の波長のレーザで照射した後に分解しやすく且つガス状の揮発性分解物を生じるポリマー材料、例えば、光分解性トリアザポリマー(TP)、ポリイミド(PI)等であってもよい。有機シリカゲル等のレーザの照射により変形する材料であってもよく、応答層20の材料は、上記3つの材料のいずれか1つであってもよく、2つ以上の材料の組み合わせであってもよい。
【0048】
応答層20は、複数の応答部材21を含み、複数の応答部材21の材料は、同一であっても異なっていてもよい。複数の応答部材21のうちの一部は、応答部材21の各部の材料の機能分類に応じて、Micro LEDチップを接着するための接着力を提供する接着性材料を含んでもよく、応答層20にレーザをよりよく吸収させるためのレーザ吸収材料を含んでもよい。いくつかの実施例において、接着性材料は、例えば、具体的には、ゴム系ポリマー(例えば、天然ゴム、ネオプレンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ニトリルゴム等)、ポリエステル、カルバメート系ポリマー、ポリエーテル、シリコーン系ポリマー、エチレン-酢酸ビニル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、シアノアクリレート系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール樹脂、ポリオレフィン、スチレン系ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリベンズイミダゾール、メラミン樹脂、尿素樹脂、レゾルシノール系ポリマー、ポリビニル接着剤等の材料から選択されてもよく、これらのうちの1つ又は少なくとも2つの組み合わせであってもよい。例えば、いくつかの応答部材21の接着性材料は、接着力を提供しつつレーザの照射により分解される材料を選択してもよい。別のいくつかの応答部材22の接着性材料は、強い接着性を有する材料とレーザによる分解可能な材料との組み合わせを選択してもよい。
【0049】
レーザ吸収材料は、紫外線吸収剤及び/又は光重合開始剤を含んでもよく、紫外線吸収剤は、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸系紫外線吸収剤等であってもよく、これらのうちのいずれか1つ又は少なくとも2つの組み合わせであってもよい。光重合開始剤は、例えば、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリノ-フェニル)ブタン-1-オン、エタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-、1-(0-アセチルオキシム)、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-、2-(O-ベンゾイルオキシム)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等であってもよく、これらのうちの1つ又は少なくとも2つの組み合わせであってもよい。
【0050】
複数の応答部材21の各々は、柱状、ブロック状、又はその他の形状であってもよいが、本実施例では、これに限定されない。複数のマイクロデバイス200は、例えば、Micro LEDチップ、又は類似の移載要件を有する他のデバイスであるが、本実施例では、これに限定されない。
【0051】
本実施例において、応答部材21は、最大で1つのマイクロデバイス200に接続され、即ち、1つの応答部材21は、1つのマイクロデバイス200にのみ接続されるか、又はマイクロデバイス200が接続されていない。例えば、いくつかの実施例において、図12及び図13を参照すると、複数の応答部材21は、複数のマイクロデバイス200と基板10との間に接続された複数の第1の応答部材211と、複数のマイクロデバイス200の間の隙間内に位置する複数の第2の応答部材212とを含む。第2の応答部材212は、マイクロデバイス200が接続されていない応答部材21である。
【0052】
いくつかの実施例において、複数のマイクロデバイス200は、例えば、電極を有し、複数のマイクロデバイス200は、電極から離れた側で応答層20に接続されてもよく(図11に示す)、電極が位置する側で応答層20に接続されてもよく(図13に示す)、本実施例では、これに限定されない。
【0053】
本実施例において、移載キャリア100における1つの標的解放マイクロデバイスを解放する必要がある場合、標的解放マイクロデバイスに接続された応答部材21にレーザで照射し、複数の応答部材21が互いに間隔をあけて設置され、即ち、互いに独立しているので、標的解放マイクロデバイスに接続された応答部材21が分解しても他のマイクロデバイス200に接続された応答部材21に影響を与えることがなく、移載誤差を低減させ、移載精度を向上させることができる。マイクロデバイス200の各々が接続された少なくとも2つの応答部材21も互いに間隔をあけて設置され、即ち隙間を有するので、マイクロデバイス200の各々の応答層20と接触する面積は、マイクロデバイス200の面積よりも小さく、解放がより容易となる。
【0054】
いくつかの実施例において、マイクロデバイス200の各々は、第1の方向に沿ったチップの長さW4及び第2の方向に沿ったチップの幅W5を有し、第1の方向と第2の方向とが互いに直交する。マイクロデバイス200の各々が接続された少なくとも2つの応答部材21の各々は、チップの長さW4の半分未満でチップの幅W5未満である応答幅W3を有する。例えば、応答幅W3は、応答部材21の基板10と反対側の面(即ち、マイクロデバイス200と接続するための面)のパターンが円形である場合、当該円形の直径である。応答幅W3は、例えば、応答部材21の基板10と反対側の面(即ち、マイクロデバイス200と接続するための面)のパターンが他の形状である場合、当該パターンの外接円の直径である。マイクロデバイス200に接続された応答部材21がマイクロデバイス200の縁からはみ出さない。
【0055】
いくつかの実施例において、マイクロデバイス200の各々が接続された少なくとも2つの応答部材21は、マイクロデバイス200と接触する総面積がマイクロデバイス200の面積の10%以上である。十分な接着力を確保しつつマイクロデバイス200の解放がより容易となる。
【0056】
マイクロデバイス200の各々が接続された少なくとも2つの応答部材21は、マイクロデバイス200の中心に対して対称に分布し、移載工程においてマイクロデバイスの解放際にマイクロデバイスのアライメントを確保し、移載精度を向上させることができる。
【0057】
(第3の実施例)
図14に示すように、本願の第3の実施例にて提供されるマイクロデバイス200の移載方法は、前述した第1の実施例におけるいずれか1つの移載キャリア100又は前述した第2の実施例におけるいずれか1つのマイクロデバイス移載アセンブリ300を採用する。図14を参照すると、まず、複数のマイクロデバイス200をソース基板から移載キャリア100に接着させ、マイクロデバイス移載アセンブリ300を形成することができ、複数のマイクロデバイス200は、移載キャリア100における標的解放マイクロデバイス200を標的移載基板に解放することにより移載を完了させる標的解放マイクロデバイス200を含む。具体的には、応答層20のうち標的解放マイクロデバイス200に対応する領域にレーザで照射し、照射した領域の応答層20の材料を分解又は変形させて標的解放マイクロデバイス200を解放するレーザ補助移載工程を採用することができる。
【0058】
本実施例にて提供されるマイクロデバイス移載方法は、前述した第1の実施例にて提供される移載キャリア100又は前述した第2の実施例にて提供されるマイクロデバイス移載アセンブリ300を適用するので、前述した第1の実施例及び第2の実施例と同様の有益な効果を有する。
【0059】
以上、本願の好適な実施例に過ぎず、本願に対していかなる形態上の制限を行うものではなく、本願は好適な実施例で以上のように開示されているが、本願を限定するものではなく、当業者であれば、本願の技術的解決手段から逸脱しない範囲内で、上記開示された技術的内容を利用して若干の変更又は同等の変化と修飾した同等の実施例を行うことができるが、本願の技術的解決手段から逸脱しない内容である限り、本願の技術的実質に基づいて以上の実施例に対して行われたいかなる簡単な修正、同等の変化及び修飾は、いずれも依然として本願の技術的解決手段の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0060】
100:移載キャリア、
10:基板、
20:応答層、
21:応答部材、
211:第1の応答部材、
2111:中間の第1の応答部材、
2112:周辺の第1の応答部材、
212:第2の応答部材、
22:応答部、
23:光遮断材料、
200:マイクロデバイス、
300:マイクロデバイス移載アセンブリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14