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特開2024-86538移載キャリア、移載アセンブリ及びマイクロデバイスの移載方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086538
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】移載キャリア、移載アセンブリ及びマイクロデバイスの移載方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240620BHJP
   C09J 7/20 20180101ALI20240620BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20240620BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20240620BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20240620BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240620BHJP
   H01L 21/50 20060101ALI20240620BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
G09F9/00 338
C09J7/20
C09J201/00
H01L21/52 D
H01L33/48
G09F9/33
H01L21/50 C
H01L21/68 U
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090423
(22)【出願日】2023-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-30
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2022/139606
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523205681
【氏名又は名称】厦門市芯穎顕示科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Extremely PQ Display Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】A-102A, , No.178 Xinfeng Road, Huizhi Space, Torch High-tech Zone, Xiamen City, Fujian Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】謝 相偉
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
5C094
5F047
5F131
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
4J004CE03
4J004FA08
4J040JA09
4J040NA19
5C094AA43
5C094BA23
5F047CA08
5F047FA05
5F047FA14
5F131AA04
5F131CA12
5F131DA03
5F131EC31
5F131EC54
5F131EC55
5F131EC73
5F131GA05
5F131GA23
5F131GA53
5F131GA62
5F142BA32
5F142FA32
5G435AA17
5G435BB04
5G435KK05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マイクロデバイスの移載プロセスにおける接着剤残り問題を解決する新しい移載キャリアを提供する。
【解決手段】本願の実施例は、移載キャリア100、移載アセンブリ及びマイクロデバイスの移載方法を開示し、本願の一実施例にて提供される移載キャリアは、第1方向において互いに対向する第1表面及び第2表面を有する底板と、前記底板の前記第1表面に近い側に設置され、前記第1方向に沿う高さ寸法を有する応答部20と、前記第1表面に設置されるとともに、前記底板上に前記応答部を収容する収容キャビティ31を囲み形成し、前記収容キャビティは、貼付け層30の前記底板を背向く表面を貫通し、前記収容キャビティは前記第1方向に沿う収容深さを有し、前記収容深さは前記高さ寸法より大きい、貼付け層と、を含む。本願の実施例は、マイクロデバイスの移載工程における接着剤残り問題を低減できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向において互いに対向する第1表面及び第2表面を有する底板と、
前記底板の前記第1表面に近い側に設置され、前記第1方向に沿う高さ寸法を有する応答部と、
前記第1表面に設置されるとともに、前記底板上に前記応答部を収容する収容キャビティを囲み形成し、前記収容キャビティは、前記貼付け層の前記底板を背向く表面を貫通し、前記収容キャビティは前記第1方向に沿う収容深さを有し、前記収容深さは前記高さ寸法より大きい、貼付け層と、を含む、移載キャリア。
【請求項2】
前記応答部の数は、複数であり、前記貼付け層は、互いに間隔をおいて設置された複数の前記収容キャビティを囲み形成し、複数の前記収容キャビティには、複数の前記応答部が1対1に対応して収容され、各前記応答部の前記高さ寸法は、それぞれに対応する前記収容キャビティの前記収容深さより小さい、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項3】
各前記応答部の体積は、それに対応する前記収容キャビティの容積の2%以上である、請求項1又は2に記載の移載キャリア。
【請求項4】
前記収容キャビティは、前記貼付け層の前記底板に近い表面を貫通し、前記応答部の一端は前記第1表面に連結される、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項5】
前記応答部は、前記貼付け層と間隔をおいて設置される、請求項4に記載の移載キャリア。
【請求項6】
前記応答部には、互いに間隔をおいて設置された複数の応答部材が含まれる、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項7】
前記収容キャビティは、前記第1表面の断面に平行し、中心対称パターンである、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項8】
前記応答部は、ポリイミド、トリアゼンポリマー、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フルオロカーボンポリマー、アクリル系ポリマー、イミド系ポリマー及びアミド系ポリマーのうちのいずれか1つであるか、又は複数の組合せである、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項9】
前記応答部の材料は、ゴム系ポリマー、ポリエステル、ウレタン系ポリマー、ポリエーテル、シリコーン系ポリマー、エチレン-酢酸ビニル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、シアノアクリレート系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール樹脂、ポリオレフィン、スチレン系ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリベンゾイミダゾール、メラミン樹脂、ユリア樹脂、レゾルシノール系ポリマー、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸紫外線吸収剤、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリノ-フェニル)ブタン-1-オン、エタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-、1-(0-アセチルオキシム)、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-、2-(O-ベンゾイルオキシム)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン又は2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンのうちの1つ又は少なくとも2つの組合せを含む、請求項1に記載の移載キャリア。
【請求項10】
請求項1、4~9のいずれか1項に記載の移載キャリアと、
前記応答部の前記底板から離れた側に設置され、前記応答部と間隔をおいて設置され、前記貼付け層に付着されて、前記収容キャビティを覆うマイクロデバイスと、を含む、移載アセンブリ。
【請求項11】
前記応答部の数は、複数であり、前記貼付け層は、互いに間隔をおいて設置された複数の前記収容キャビティを囲み形成し、複数の前記収容キャビティには、複数の前記応答部が1対1に対応して収容され、各前記応答部の前記高さ寸法は、それぞれに対応する前記収容キャビティの前記収容深さより小さく、前記マイクロデバイスの数は、複数であり、複数の前記マイクロデバイスは、複数の前記収容キャビティのうち少なくとも一部の前記収容キャビティを1対1に対応して覆い、且つ、複数の前記マイクロデバイスは、各々が対応する前記応答部と互いに間隔をおいて設置される、請求項10に記載の移載アセンブリ。
【請求項12】
請求項1~9のいずれか1項に記載の移載キャリア、又は請求項10~11のいずれか1項に記載のマイクロデバイスの移載アセンブリを採用することを含む、マイクロデバイスの移載方法。
【請求項13】
前記応答部にレーザを照射することにより、前記応答部が分解してガスを生成することを含む、請求項12に記載のマイクロデバイスの移載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術の分野に関し、特に、移載キャリア、移載アセンブリ及びマイクロデバイスの移載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Micro LED(Micro Light Emitting Diode、マイクロ発光ダイオード)チップの超大量移載は、Micro LEDディスプレイの生産プロセスにおける重要なステップであり、ここで、レーザ補助移載技術は、非常に有望な超大量移載の解決方法の1つである。従来のレーザ補助移載では、移載キャリア上に応答材料を設置し、対応する位置にレーザを照射することにより、応答材料が分解して、ガス、気泡を生成したり表面状態が変化したりし、それにより応答材料上に貼り付けられたチップが剥離する。このプロセスにおいて、一部の応答材料が分解した後、除去しにくい接着剤が残ってチップの表面に粘着し、それにより、後続工程に、ひいては製品の品質に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、上記の移載プロセスにおける接着剤残り問題を解決する新しい移載キャリアを提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、既存技術の欠陥の少なくとも一部を克服するために、本願の実施例は、マイクロデバイスの移載工程における接着剤残り問題を低減できる、移載キャリア、移載アセンブリ及びマイクロデバイスの移載方法を提供する。
【0005】
一態様では、本願の一実施例は、移載キャリアを提供し、第1方向において互いに対向する第1表面及び第2表面を有する底板と、前記底板の前記第1表面に近い側に設置され、前記第1方向に沿う高さ寸法を有する応答部と、前記第1表面に設置されるとともに、前記底板上に前記応答部を収容する収容キャビティを囲み形成し、前記収容キャビティは、前記貼付け層の前記底板を背向く表面を貫通し、前記収容キャビティは前記第1方向に沿う収容深さを有し、前記収容深さは前記高さ寸法より大きい、貼付け層と、を含む。
【0006】
一実施例において、前記応答部の数は、複数であり、前記貼付け層は、互いに間隔をおいて設置された複数の前記収容キャビティを囲み形成し、複数の前記収容キャビティには、複数の前記応答部が1対1に対応して収容され、各前記応答部の前記高さ寸法は、それぞれに対応する前記収容キャビティの前記収容深さより小さい。
【0007】
一実施例において、各前記応答部の体積は、それに対応する前記収容キャビティの容積の2%以上である。
【0008】
一実施例において、前記収容キャビティは、前記貼付け層の底板に近い表面を貫通し、前記応答部の一端は前記第1表面に連結される。
【0009】
一実施例において、前記応答部は、前記貼付け層と間隔をおいて設置される。
【0010】
一実施例において、前記応答部には、互いに間隔をおいて設置された複数の応答部材が含まれる。
【0011】
一実施例において、前記収容キャビティは、前記第1表面の断面に平行し、中心対称パターンである。
【0012】
一実施例において、前記応答部は、ポリイミド、トリアゼンポリマー、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フルオロカーボンポリマー、アクリル系ポリマー、イミド系ポリマー及びアミド系ポリマーのうちのいずれか1つであるか、又は複数の組合せである。
【0013】
一実施例において、前記応答部の材料は、ゴム系ポリマー、ポリエステル、ウレタン系ポリマー、ポリエーテル、シリコーン系ポリマー、エチレン-酢酸ビニル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、シアノアクリレート系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール樹脂、ポリオレフィン、スチレン系ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリベンゾイミダゾール、メラミン樹脂、ユリア樹脂、レゾルシノール系ポリマー、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸紫外線吸収剤、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリノ-フェニル)ブタン-1-オン、エタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-、1-(0-アセチルオキシム)、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-、2-(O-ベンゾイルオキシム)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン又は2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンのうちの1つ又は少なくとも2つの組合せを含む。
【0014】
本願の一実施例は、移載アセンブリを提供し、前述のいずれか1項に記載の移載キャリアと、前記応答部の前記底板から離れた側に設置され、前記応答部と間隔をおいて設置されるマイクロデバイスと、を含み、前記マイクロデバイスは前記貼付け層に付着して、前記収容キャビティを覆う。
【0015】
一実施例において、前記応答部の数は、複数であり、前記貼付け層は、互いに間隔をおいて設置された複数の前記収容キャビティを囲み形成し、複数の前記収容キャビティには、複数の前記応答部が1対1に対応して収容され、各前記応答部の前記高さ寸法は、それぞれに対応する前記収容キャビティの前記収容深さより小さく、前記マイクロデバイスの数は、複数であり、複数の前記マイクロデバイスは、複数の前記収容キャビティのうちの少なくとも一部の収容キャビティを1対1に対応して覆い、複数の前記マイクロデバイスは、各々が対応する前記応答部と互いに間隔をおいて設置される。
【0016】
本願の一実施例は、前述のいずれか1項に記載の移載キャリア又は前述のいずれか1項に記載のマイクロデバイスの移載アセンブリを採用することを含むマイクロデバイスの移載方法をさらに提供する。
【0017】
一実施例において、前記マイクロデバイスの移載方法は、前記応答部にレーザを照射することにより、前記応答部が分解してガスを生成することを含む。
【発明の効果】
【0018】
本願の上記実施例は、少なくとも、次のような1つ又は複数の有益な効果を有する。貼付け層及び応答層をそれぞれ設置し、貼付け層は、マイクロデバイスの貼付けに使用でき、応答層にレーザを照射することにより、応答層が分解してガスを生成して収容キャビティが充満され、生成されたガス圧力がマイクロデバイスに作用して、マイクロデバイスを押して目標基板に下落させ、且つ、応答層の高さ寸法が収容キャビティの収容深さより小さいことにより、移載プロセスにおけるマイクロデバイスの表面が応答部と接触することなく、それにより接着剤残り問題を軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本願の具体的な実施形態について詳細に説明する。
図1】本願の一実施例にて提供される移載キャリアの概略構造図である。
図2図1のA-A断面の概略図である。
図3】別の実施例における、A-A断面の概略図である。
図4】別の実施例にて提供される移載キャリアの概略構造図である。
図5】別の実施例における、A-A断面の概略図である。
図6】別の実施例における、A-A断面の概略図である。
図7】本願の別の実施例にて提供される移載キャリアの概略構造図である。
図8図7のB-B断面の概略図である。
図9】本願の一実施例にて提供される移載アセンブリの概略構造図である。
図10】一実施例における、図9のC-C断面の概略図である。
図11】別の実施例における、図9のC-C断面の概略図である。
図12】本願の一実施例にて提供されるマイクロデバイスの移載方法の原理の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の上記の目的、特徴及び利点をより明らかで分かりやすくするために、以下、図面を参照しながら、本願の具体的な実施形態について詳細に説明する。
【0021】
当業者が本願の技術的解決手段をよりよく理解するようにするために、以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭且つ完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提で得た全ての他の実施例は、本願の保護範囲に属すべきである。
【0022】
なお、本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面における「第1」、「第2」等の用語は、類似する対象を区別するために用いられるもので、必ずしも特定の順序又は前後順序を記述するものとして使用する必要がない。このように使用される用語は、本明細書に記載される本願の実施例を本明細書に図示又は記載される順序以外の順序で実施できるように、適宜な場合に交換し得ることを理解すべきである。さらに、「含む」及び「有する」という用語並びにそれらの任意の変形は、非排他的包含もカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明確に列挙されたものに限定されるわけではなく、明確に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、製品又は装置に固有の他のステップ又はユニットを含み得る。
【0023】
なお、本願における複数の実施例の区分は説明の便宜上のものであって、特に限定するものではなく、様々な実施例における特徴は、矛盾しない場合、互いに組み合わせること、互に引用することができる。
【0024】
関連技術において、レーザ補助移載技術の原理は、Micro LEDチップ等のマイクロデバイスを貼り付けるために移載キャリアに一層又は複数層の応答材料を付着し、チップを目標基板にリリースする必要がある時、移載する必要のあるチップが所在する位置の応答材料にレーザを照射し、応答材料は、レーザ照射を受けた後、例えば直接分解して気泡を形成するか、又は膨張してクラックが発生する等、表面状態が変化することにより、その上に付着されているデバイスを剥離する。しかし、レーザにより分解されてガスを生成しやすい既存の材料は、成膜硬化した後の表面に粘着性がほとんどないため、マイクロデバイスを貼付けすることができない。マイクロデバイスの貼付けに適合させるために、まず、材料を改質する必要があり、例えばマイクロデバイスの貼付けに適応するように、このタイプの材料を熱可塑性材料に変えるとともに、複雑な工程を用いて、マイクロデバイスをこのタイプの材料がコーティングされているキャリアに貼り付ける必要もあり、工程の難しさが大きい。そして、一部の応答材料が分解した後、除去しにくい接着剤が残ってマイクロデバイスの表面に粘着し、それにより、後続工程に、ひいては製品の品質に影響を与える。そのため、本願の第1実施例は、上記の問題の少なくとも一部を解決するために、移載キャリアを提供する。
【0025】
(第1実施例)
本願の第1実施例は、移載キャリア100を提供し、図1及び図2に示すように、移載キャリア100は、底板10、応答部20及び貼付け層30を含む。ここで、底板10は、第1方向において互いに対向する第1表面11及び第2表面12を有する。応答部20は、底板10の第1表面11に近い側に設置される。応答部20は、第1方向に沿う高さ寸法H1を有する。貼付け層30は、第1表面11に設置されるとともに、底板10上に、応答部20を収容する収容キャビティ31を囲み形成し、収容キャビティ31は、貼付け層30の底板10を背向く表面を貫通する。収容キャビティ31は、第1方向に沿う収容深さH2を有する。収容深さH2は、高さ寸法H1より大きい。
【0026】
ここで、本実施例にて提供される移載キャリア100は、マイクロデバイスの移載に使用でき、マイクロデバイスは、例えばMicro LEDチップ、又は他の類似の移載要件を有するデバイスである。基板10は、例えばガラス、サファイア、石英等のレーザが透過できる透明板材であってもよい。応答部20の材料は、特定のレーザ波長の照射で、分解してガスを生成しやすい材料であってもよい。例えば、紫外線又は深紫外線の波長のレーザを照射した後、分解しやすくて、ガス状の揮発性分解生成物を生成しやすいポリマー材料、例えばトリアゼンポリマー(TP)、ポリイミド(PI)、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フルオロカーボンポリマー、アクリル系ポリマー、イミド系ポリマー及びアミド系ポリマー等であり、応答部20は、上記の材料のいずれか1つ又は複数の材料の組合せであってもよい。貼付け層30は、有機シリコーン材料であっても、特定波長のレーザの照射で少なく吸収するか又は分解し難い他の粘着性材料であっても、1つ又は複数の材料の組合せであってもよく、マイクロデバイスの貼付けに使用できる。
【0027】
ここで、応答部20には、レーザに照射されると分解してガス状の揮発性生成物を生成できる材料が含まれる以外に、他の粘着性材料が含まれてもよい。いくつかの実施例において、応答部20には、例えば、ゴム系ポリマー(例えば、天然ゴム、クロロプレンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ニトリルゴム等)、ポリエステル、ウレタン系ポリマー(即ちポリウレタン)、ポリエーテル、シリコーン系ポリマー、エチレン-酢酸ビニル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、シアノアクリレート系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール樹脂、ポリオレフィン、スチレン系ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリベンゾイミダゾール、メラミン樹脂、ユリア樹脂及びレゾルシノール系ポリマー等のうちの1つ又は少なくとも2つの組合せが含まれる。
【0028】
いくつかの実施例において、応答部20内には、応答部20がよりよくレーザを吸収してガス状の揮発性生成物に分解するように、レーザ吸収材料がさらに含まれてもよい。
【0029】
レーザ吸収材料は、例えば紫外線レーザをよりよく吸収するために、紫外線吸収剤を含んでもよく、紫外線吸収剤は、具体的には、例えばヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸紫外線吸収剤等であってもよいし、そのうちの1つ又は少なくとも2つの組合せであってもよい。
【0030】
レーザ吸収材料は、例えば光重合開始剤を含み、光重合開始剤は、例えば2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリノ-フェニル)ブタン-1-オン、エタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-、1-(0-アセチルオキシム)、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-、2-(O-ベンゾイルオキシム)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等であってもよいし、そのうちの1つ又は少なくとも2つの組合せであってもよい。
【0031】
本実施例において、応答部20の数を限定せず、貼付け層30は、各々の応答部20に対応して収容キャビティ31を1つ形成することができ、収容キャビティ31は、貼付け層30の底板10を背向く表面を貫通し、例えば図2を参照すると、即ち、収容キャビティ31は、貼付け層30の上面を貫通し、即ち、収容キャビティ31は、貼付け層30の底板10を背向く側の外部環境と連通する。いくつかの実施例において、収容キャビティ31は、貼付け層30の底板10に近い表面を貫通することもでき、このとき、応答部20の一端は第1表面11に連結され、このとき、収容キャビティ31の収容深さH2は貼付け層30の厚さに等しい。例を挙げると、貼付け層30は、約2マイクロメートルの薄膜層であり、応答部20の高さは、約1.6マイクロメートルであってもよい。
【0032】
本実施例にて提供される移載キャリア100を使用してマイクロデバイスを移載するとき、貼付け層30でマイクロデバイスを貼り付け、マイクロデバイスが対応する収容キャビティ31を覆うようにすることにより、マイクロデバイスは貼付け層30(及び底板10)と密閉したキャビティを囲み形成することができる。移載キャリアが目標キャリアの上方まで移動すると、対応する応答部20にレーザを照射し、応答部20がレーザにより分解されてガスを生成して、当該密閉したキャビティが充満され、生成されたガス圧力は、マイクロデバイスを押して目標基板に下落させることができる。この移載プロセスにおいて、応答部20の高さ寸法H1が収容キャビティ31の収容深さH2より小さいため、マイクロデバイスは、貼付け層30の表面に貼り付けられたときに応答部20と接触することがなく、分解後もマイクロデバイスの表面に接着剤残りがない。分解してガスを生成した後に少量のダストが生成されたとしても、掃除しやすいものである。そのため、本実施例にて提供される移載キャリア100は、応答材料に対して複雑な改質を行う必要がなく、チップを貼り付けるための複雑な工程も必要とせず、工程の難しさを低減するとともに、接着剤残り問題を低減する。
【0033】
当然のことながら、上記の実施例の貼付け層30に、応答部20が設置されていない空洞構造、又は応答部20が元々設置された収容キャビティ31内の応答部20が分解された後に形成される空洞構造を有してもよく、これらの空洞構造を収容キャビティ31の数としてカウントしなくてもよく、本実施例において、収容キャビティ31とは、応答部20が収容されている部分を言う。
【0034】
本願の一実施例において、応答部20の数は複数であり、貼付け層30は、互いに間隔をおいて設置された複数の収容キャビティ31を囲み形成する。複数の収容キャビティ31は、複数の応答部20を1対1に対応して収容する。各応答部20の高さ寸法H1は、それぞれに対応する収容キャビティ31の収容深さH2より小さい。本実施例において、複数の応答部20の高さ寸法H1は、同じであっても、異なってもよく、複数の収容キャビティ31の収容深さH2も同じであっても、異なってもよく、いずれか1つの応答部20の高さ寸法H1が、それが所在する収容キャビティ31の収容深さH2より小さければよい。複数の応答部20の形状と大きさは、いずれも同じであっても、異なってもよく、複数の収容キャビティ31の形状と大きさも同じであっても、異なってもよい。本願の一実施例において、各応答部20の体積は、それに対応する収容キャビティ31の容積の2%以上であり、即ち、いずれか1つの応答部20の体積が、それが所在する収容キャビティ31の容積の2%以上であることにより、分解してガスを生成した後に収容キャビティ31全体が充満され、て、十分な推力を生成してマイクロデバイスを押して下落させる。
【0035】
ここで、複数の応答部20の材料は、同じであっても、異なってもよく、例えば、一部の応答部20にはレーザ吸収材料が含まれ、一部の応答部20にはレーザ吸収材料が含まれない。例えば、一部の応答部20におけるレーザ吸収材料は、紫外線吸収剤材料であり、一部の応答部20におけるレーザ吸収材料は光重合開始剤材料である。例を挙げると、例えば、いくつかの応答部20には、アクリル系ポリマー及びシュウ酸紫外線吸収剤が含まれる。又は、別のいくつかの応答部20には、ポリイミド及びエタノンが含まれる。又は、またのいくつかの応答部20には、エポキシ樹脂及びサリチル酸紫外線吸収剤、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノンが含まれる。上記には、例を挙げて応答部20の材料のいくつかの組合せ方法を説明したが、またより多くの組合せ方法があり、本実施例において、一々例を挙げて説明しない。
【0036】
いくつかの実施例において、図3に示すように、収容キャビティ31は、底板10の貼付け層30に近い表面を貫通することもでき、即ち底板10に凹溝を設置し、収容キャビティ31の部分が底板10まで凹み、収容キャビティ31の収容深さH2は貼付け層30の厚さより大きい。貼付け層30は、一定の粘着性を提供する必要があり、薄くて貼付け可能な面積が大きいように設置でき、収容キャビティ31の収容深さ(容積)を底板10まで拡大して、応答部20の十分なガス量の生成を満たすようにより大きい空間を提供できる。
【0037】
いくつかの実施例において、貼付け層30は、図1に示すような層全体がパターン化された接着剤層であってもよく、収容キャビティ31に対応する位置は、貼付け層30の開け穴であり、又は、貼付け層30は、互いに間隔をおいて設置された複数の貼付け部材32を含み得、図4に示すように、各貼付け部材32は、例えば環状構造を呈し、各環状構造の中間部に、収容キャビティ31が形成され、複数の環状構造は、互いに間隔をおいて設置される。
【0038】
いくつかの実施例において、光遮断材料40の底板10への正投影は、複数の収容キャビティ31の間の隙間に位置するように、底板10の一方の側に光遮断材料40を設置してもよい。例えば、図5に示す光遮断材料40は、底板10と貼付け層30との間に設置されてもよいし、図6に示すように底板10の貼付け層30を背向く側に設置されてもよい。又は、貼付け層30が複数の貼付け部材32を含む場合、光遮断材料40の底板10への正投影は、複数の貼付け部材32の間の隙間に位置する。光遮断材料40は、特定波長のレーザの透過を遮断でき、例えば光反射材料であってもよく、具体的には、例えばCr(クロム)、Ti(チタン)又はMo(モリブデン)等の照射が良好で、レーザを反射できる金属薄膜であってもよいし、DBR(Distributed Bragg Reflection、ブラッグ反射鏡)光反射層であってもよい。光遮断材料40の設置により、周辺の収容キャビティ31内への応答部20の影響を低減することができる。
【0039】
一実施例において、応答部20は、貼付け層30と間隔をおいて設置され、即ち、応答部20の周囲と、貼付け層30の材料との間に一定の自由空間が残され、それにより、応答部20の分解によるガスにより空洞が素早く充満され、生成されたガス圧力合力がマイクロデバイスの表面に均一に作用し、マイクロデバイスが垂直に下落するように押しやすく、それにより、移載の精度を向上させる。
【0040】
一実施例において、図7及び図8を参照すると、応答部20には、互いに間隔をおいて設置された複数の応答部材21が含まれる。複数の応答部材21は、例えば独立のブロック状又は柱状等の構造であってもよく、本実施例において、複数の応答部材21の具体的な形状、数又は配列方法を限定しない。1つの応答部20は、複数の独立の小さいブロックに分けられ、レーザ照射を受けると、より素早く分解できる。複数の応答部材21の材料は、同じであっても、異なってもよい。
【0041】
一実施例において、収容キャビティ31は、第1表面11の断面に平行し、中心対称パターンである。貼付け層30は、一般的に、約2マイクロメートルの薄膜層であるため、収容キャビティ31の第1表面11に平行する断面又は収容キャビティ31の第1表面11への正投影は、いずれも収容キャビティ31の形状であると見なすことができ、当該形状は、マイクロデバイスに一致する形状であってもよいし、円形、楕円形、正方形、菱形、正六角形等の中心対称パターンであってもよく、応答部20が分解した後に生成されるガスにより収容キャビティ31が充満されると、マイクロデバイスを垂直に下落させる均一な推力を生成することができる。
【0042】
本実施例にて提供される移載キャリア100の製造方法は、次のとおりである。(1)スピンコート又はブレードコートの工程を用いて、底板10に連続的にパターンのない貼付け材料膜層を形成する。(2)金型プレス方法を用いて、収容キャビティ31のパターンを押圧する。(3)貼付け材料膜層を硬化して、底板10に収容キャビティ31を有する貼付け層30を形成する。(4)インクジェット印刷工程を用いて、収容キャビティ31内に応答材料を印刷する。(5)応答材料溶媒を除去し、応答材料を硬化して、応答部20を形成する。最終的に移載キャリア100を得る。ここで、ステップ(4)において、印刷ノズルの寸法(即ち、インク滴の大きさ)及び応答材料の固形分含有率を制御することにより、硬化して形成される応答部20の高さ寸法H1が収容キャビティ31の収容深さH2より低くなるように制御することができる。上記の製造工程に、容易に得られる材料及び機器、及び比較的簡単な工程で製造する移載キャリア100を使用することができ、当然のことながら、他の方法で製造する移載キャリア100も、本実施例が主張する保護範囲内にある。
【0043】
(第2実施例)
図9図11を参照すると、本願の第2実施例は、前述の第1実施例にて提供される移載キャリア100及びマイクロデバイス200を含む移載アセンブリ300を提供する。ここで、マイクロデバイス200は、応答部20の底板10から離れた側に設置され、応答部20と間隔をおいて設置される。マイクロデバイス200は、貼付け層30に付着されるとともに、収容キャビティ31を覆う。
【0044】
本実施例において、マイクロデバイス200は、Micro LEDチップであっても、類似の超大量移載要件を有する他のデバイスであってもよい。本実施例において、マイクロデバイス200の数を限定しない。1つのマイクロデバイス200は、1つの収容キャビティ31又は複数の収容キャビティ31を覆うことができる。一実施例において、応答部20の数は複数であり、貼付け層30が、互いに間隔をおいて設置された複数の収容キャビティ31を囲み形成すると、複数の収容キャビティ31は、複数の応答部20を1対1に対応して収容する。且つ、各応答部20の高さ寸法は、それぞれに対応する収容キャビティ31の収容深さより小さい。マイクロデバイス200の数は複数であり、複数のマイクロデバイス200は、複数の収容キャビティ31のうちの少なくとも一部の収容キャビティ31を1対1に対応して覆い、且つ、複数のマイクロデバイス200は、各々が対応する応答部20と互いに間隔をおいて設置される。即ち、各マイクロデバイス200が1つの収容キャビティ31を覆うことにより、底板10、貼付け層30及び当該マイクロデバイス200は、1つの密閉した空間を囲み形成し、当該密閉空間内の応答部20がレーザに照射されて分解してガスを生成した後、収容キャビティが充満され、マイクロデバイス200を押して下落させる。本実施例において、各収容キャビティ31がいずれもマイクロデバイス200に覆われると限定せず、マイクロデバイス200に覆われた収容キャビティ31を、目標収容キャビティと呼び得る。即ち、複数のマイクロデバイス200は、複数の目標収容キャビティを1対1に対応して覆う。
【0045】
いくつかの実施例において、マイクロデバイス200が貼付け層30により安定して貼り付けられることを保証するために、収容キャビティ31の幅は対応するマイクロデバイス200の幅より小さく、例えば各収容キャビティ31のエッジから、その上に覆われたマイクロデバイス200のエッジまでの幅は0.5マイクロメートルより大きく、具体的には、1マイクロメートルであり得る。
【0046】
(第3実施例)
本願の第3実施例は、前述の第1実施例におけるいずれか1つの移載キャリア100又は前述の第2実施例にて提供されるいずれか1つの移載アセンブリ300を採用するマイクロデバイスの移載方法を提供する。具体的には、レーザを応答部20に照射することにより、応答部20が分解してガスを生成する。図12に示すように、移載キャリア100上の左側の2個目が目標移載マイクロデバイスであり、複数の応答部20のうち目標移載マイクロデバイスに対応する目標応答部20にレーザを照射することにより、当該目標応答部20が分解してガスを生成し、生成されたガスにより当該目標応答部20に対応する収容キャビティ31が充満され、生成されたガス圧力が当該目標マイクロデバイスを押して目標基板に下落させ、当該目標マイクロデバイスの移載を完了する。本実施例にて提供されるマイクロデバイスの移載方法は、上記の第1実施例又は第2実施例の有益な効果を有し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0047】
以上、本願の好適な実施例に過ぎず、本願に対するいかなる形態の限定ではなく、本願は好適な実施例で以上のように開示されているが、本願を限定するものではなく、当業者であれば、本願の技術的解決手段から逸脱しない範囲内で、上記の開示された技術的内容を利用して行った若干の変更又は修飾が同等の変化の同じ効果の実施例であるが、本願の技術的解決手段の内容から逸脱しない限り、本願の技術的本質に基づいて以上の実施例に対して行われたいかなる簡単な修正、同等の変化及び修飾は、いずれも本願の技術的解決手段の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0048】
100:移載キャリア、
10:底板、
11:第1表面、
12:第2表面、
20:応答部、
21:応答部材、
30:貼付け層、
31:収容キャビティ、
32:貼付け部材、
40:光遮断材料、
200:マイクロデバイス、
300:移載アセンブリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-12-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移載キャリア及びマイクロデバイスを備える移載アセンブリであって、
前記移載キャリアは、
第1方向において互いに対向する第1表面及び第2表面を有する底板と、
前記底板の前記第1表面に近い側に設置され、前記第1方向に沿う高さ寸法を有する応答部と、
前記第1表面に設置されるとともに、前記底板上に前記応答部を収容する収容キャビティを囲み形成し、且つ前記応答部と所定の距離をおいて設置される貼付け層と、を含み、
前記マイクロデバイスは、前記応答部の前記底板から離れた側に設置され、所定空間を介して前記応答部と所定の距離をおいて設置され、前記貼付け層に付着され、且つ前記収容キャビティを覆い、
前記収容キャビティは前記貼付け層の前記底板を背向く表面を貫通し、前記収容キャビティは前記第1方向に沿う収容深さを有し、前記収容深さは前記応答部の高さ寸法より大きい、移載アセンブリ
【請求項2】
前記応答部の数は、複数であり、前記貼付け層は、互いに間隔をおいて設置された複数の前記収容キャビティを囲み形成し、複数の前記収容キャビティには、複数の前記応答部が1対1に対応して収容され、各前記応答部の前記高さ寸法は、それぞれに対応する前記収容キャビティの前記収容深さより小さい、請求項1に記載の移載アセンブリ
【請求項3】
各前記応答部の体積は、それに対応する前記収容キャビティの容積の2%以上である、請求項1又は2に記載の移載アセンブリ
【請求項4】
前記収容キャビティは、前記貼付け層の前記底板に近い表面を貫通し、前記応答部の一端は前記第1表面に連結される、請求項1に記載の移載アセンブリ
【請求項5】
前記応答部は、前記貼付け層と間隔をおいて設置される、請求項4に記載の移載アセンブリ
【請求項6】
前記応答部には、互いに間隔をおいて設置された複数の応答部材が含まれる、請求項1に記載の移載アセンブリ
【請求項7】
前記収容キャビティは、前記第1表面の断面に平行し、中心対称パターンである、請求項1に記載の移載アセンブリ
【請求項8】
前記応答部は、ポリイミド、トリアゼンポリマー、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フルオロカーボンポリマー、アクリル系ポリマー、イミド系ポリマー及びアミド系ポリマーのうちのいずれか1つであるか、又は複数の組合せである、請求項1に記載の移載アセンブリ
【請求項9】
前記応答部の材料は、ゴム系ポリマー、ポリエステル、ウレタン系ポリマー、ポリエーテル、シリコーン系ポリマー、エチレン-酢酸ビニル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、シアノアクリレート系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール樹脂、ポリオレフィン、スチレン系ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリベンゾイミダゾール、メラミン樹脂、ユリア樹脂、レゾルシノール系ポリマー、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸紫外線吸収剤、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリノ-フェニル)ブタン-1-オン、エタノン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-、1-(0-アセチルオキシム)、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-、2-(O-ベンゾイルオキシム)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン又は2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンのうちの1つ又は少なくとも2つの組合せを含む、請求項1に記載の移載アセンブリ
【請求項10】
前記応答部の数は、複数であり、前記貼付け層は、互いに間隔をおいて設置された複数の前記収容キャビティを囲み形成し、複数の前記収容キャビティには、複数の前記応答部が1対1に対応して収容され、各前記応答部の前記高さ寸法は、それぞれに対応する前記収容キャビティの前記収容深さより小さく、前記マイクロデバイスの数は、複数であり、複数の前記マイクロデバイスは、複数の前記収容キャビティのうち少なくとも一部の前記収容キャビティを1対1に対応して覆い、且つ、複数の前記マイクロデバイスは、各々が対応する前記応答部と互いに間隔をおいて設置される、請求項1、4~9の何れか1項に記載の移載アセンブリ。
【請求項11】
請求項1、2、4~9のいずれか1項に記載の移載アセンブリを採用する、マイクロデバイスの移載方法。
【請求項12】
前記応答部にレーザを照射することにより、前記応答部が分解してガスを生成することを含む、請求項11に記載のマイクロデバイスの移載方法。