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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086548
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】丸鋼材積載装置、及び丸鋼材積載方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 57/18 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
B65G57/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117516
(22)【出願日】2023-07-19
(31)【優先権主張番号】P 2022200043
(32)【優先日】2022-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】所 竜太郎
(72)【発明者】
【氏名】畠中 淳
【テーマコード(参考)】
3F029
【Fターム(参考)】
3F029AA02
3F029BA06
3F029CB02
3F029DA04
(57)【要約】
【課題】丸鋼材を整列して積載可能で、且つ移載の際の衝撃を抑えることが可能な丸鋼材の積載技術を提供する。
【解決手段】断面円形の棒鋼からなる丸鋼材Sを、ラック1まで搬送し当該ラック1に積み上げるための丸鋼材積載装置である。ラック1に積載した丸鋼材Sの装入側外方への移動を防止する外壁部2と、外壁部2を昇降させる昇降機構と、ラック1に向けて延在する傾斜路6と、傾斜路6に案内されて転動してきた丸鋼材Sの移動の停止及び当該停止の解除を行う搬出機構9と、搬出機構9が停止の解除をした丸鋼材Sを受ける部品であって、ラック1側が下方となるように傾斜して、平面視でラック1と重なる位置まで延在するレール11と、傾斜路6及びレール11を、外壁部2の昇降に同期して昇降可能とする同期機構と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面円形の棒鋼からなる丸鋼材を、ラックまで搬送し当該ラックに積み上げるための丸鋼材積載装置であって、
上記ラックの装入側に配置されると共に上下に延在し、上記ラックに積載した丸鋼材の装入側外方への移動を防止する外壁部と、
上記外壁部を昇降させる昇降機構と、
上記ラックに向けて延在し、当該ラック側が下方となるように傾斜した傾斜路と、
上記傾斜路の先端部側に設けられ、上記傾斜路に案内されて転動してきた丸鋼材の移動の停止及び当該停止の解除を行う搬出機構と、
上記傾斜路の先端部側で上記搬出機構が上記停止の解除をした丸鋼材を受ける部品であって、ラック側が下方となるように傾斜して、平面視で上記ラックと重なる位置まで延在するレールと、
上記傾斜路及び上記レールを、上記外壁部の昇降に同期して昇降可能とする同期機構と、
を備えることを特徴とする丸鋼材積載装置。
【請求項2】
上記レールを、延在方向に沿って進退させるレール進退機構を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載した丸鋼材積載装置。
【請求項3】
上記傾斜路、上記搬出機構、及び上記レールの組が、搬送する丸鋼材の長手方向に間隔を開けて複数組配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載した丸鋼材積載装置。
【請求項4】
上記レールの先端部下面に対し当該下面から下方に張り出すようにして緩衝材が取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載した丸鋼材積載装置。
【請求項5】
上記搬出機構は、
上記傾斜路の案内面よりも下方位置で、上記傾斜路の案内方向に直交する横方向へ延在する回転軸と、
中心部が上記回転軸に取り付けられ、上部位置の部分が上記傾斜路の案内面よりも上方に突出する回転体と、
を備え、
上記回転体は、上記回転軸の径方向外方に向けて張り出す複数の仕切り部が、上記回転軸の円周方向に沿って配列し、隣り合う2つの仕切り部の間が、1つの丸鋼材を配置可能な間隔となって、少なくとも一つの仕切り部の先端部側が、上記傾斜路の案内面よりも上方に突出するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載した丸鋼材積載装置。
【請求項6】
上記回転体は、上記丸鋼材の半径より大きな半径の切欠きが、円周方向に沿って複数形成された円盤体からなる、
ことを特徴とする請求項5に記載した丸鋼材積載装置。
【請求項7】
上記同期機構は、上記外壁部と上記傾斜路及び上記レールとを連結することで構成する、
ことを特徴とする請求項1に記載した丸鋼材積載装置。
【請求項8】
上記レールの勾配は、上記傾斜路の勾配よりも小さく、
上記搬出機構の位置若しくはその位置よりも上記ラック側の位置で、上記レールの案内面と上記傾斜路の案内面の高さが等しくなるように設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載した丸鋼材積載装置。
【請求項9】
断面円形の棒鋼からなる丸鋼材を順次、ラックまで搬送し当該ラックに積み上げる丸鋼材積載方法であって、
請求項1に記載した丸鋼材積載装置を用い、
上記ラックへの丸鋼材の積載の段数の増加に応じて、上記外壁部、上記傾斜路、及び上記レールを上昇させる、
ことを特徴とする丸鋼材積載方法。
【請求項10】
断面円形の棒鋼からなる丸鋼材を順次、ラックまで搬送し当該ラックに積み上げる丸鋼材積載方法であって、
請求項2に記載した丸鋼材積載装置を用い、
ラックへの丸鋼材の積載の段数の増加に応じて、上記外壁部、上記傾斜路、及び上記レールを上昇させ、
平面視における、次に丸鋼材を移載する位置に応じて、上記レールを進退させる、
ことを特徴とする丸鋼材積載方法。
【請求項11】
上記レールの下面の高さを、次に丸鋼材を移載する位置の高さ、若しくはその高さ近傍とする、
ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載した丸鋼材積載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックに丸鋼材を搬送して積載するための丸鋼材積載装置、及びその装置を用いた丸鋼材積載方法に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
熱間圧延や冷間圧延によって所定の断面に形成された丸鋼材は、所定の長さに切断されて、冷却工程などの次工程へ搬送される。次工程への搬送は、例えば、ベルトコンベアや搬送レールによって次工程に搬送される。このとき、鋼材を一定量ストックして搬出する場合や、長時間の冷却を要する鋼種の鋼材の場合、工程ネックとならないよう、その鋼材をライン外へ積載して保管する必要がある。すなわち、空冷や仮置き等のために、搬送された鋼材をラックの上に積み上げて保管(ストック)する場合がある。また、通常、長期の空冷を行う場合は、クーリングベッド等に鋼材を平らに並べてストックする。このとき、スペース等の関係により、鋼材を段状に積み重ねて保管する。
【0003】
普通鋼など通常の鋼材は、磁性を有する。このため、保管場所への搬送の際に、鋼材をリフマグで吊り上げて搬送し積み上げることが可能である。しかし、高クロム系鋼材などの鋼材は、高温時に磁性がない。このような搬送時に磁性が無いか小さい鋼材は、リフマグにより搬送して積み上げが出来ない。また、リフマグを用いた積み上げ方法では、鋼材1本ずつの正確な積載位置への搬送が困難である。また、積載作業に時間が掛かる。
【0004】
そこで、積み上げる鋼材の磁性の有無に関係無く、鋼材を搬送して積載する方法として、ベルトコンベアやクレーン等の搬送装置を用いて鋼材を搬送する方法が考えられる。このとき、従来は、搬送してきた鋼材を、移載する積載面よりも高い位置から落下または転がすことによって積み上げる。このような積上装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。
【0005】
特許文献1に記載の整列積上装置は、複数の棒鋼を順次搬送する第1コンベアと、第1コンベアの終端部の外側に向けて突出する第2コンベアとを備える。そして、特許文献1では、第2コンベアについて、第1コンベアと比べ、搬送帯(上行きベルト)の設置高さ及び搬送速度を低く設定する。更に、第2コンベアの終端側のプーリの直径を、第1コンベアよりも小さく設定する。なお、特許文献1の方法では、第1コンベアから第2コンベアに移載される際に棒鋼が斜め姿勢となる場合がある。しかし、コンベアでの棒鋼を移載する際の搬送速度を抑えることで、これを解消することが記載されている。その理由として、棒鋼が斜め姿勢となっても、先に移載されていた棒鋼の側面に接触することで、棒鋼を互いに並列した整列姿勢とすることができると記載されている。また、特許文献1には、第2コンベアから積上部の積載面までの落差を比較的に短い距離にできると記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、傾斜した走行レールによって鋼管をラックまで搬送して、鋼管をラックに積み上げる鋼管積載装置が記載されている。特許文献2では、走行レールに設けた磁界発生装置によって、走行レールで搬送される鋼管に制動を与えることで、ラックに搬送される鋼管の移動を低速化している。さらに、特許文献2では、ラック前方に配置した鋼管落下防止ガイドの位置を固定すると共に、鋼管を積載するラックを昇降可能な構造となっている、そして、特許文献2では、鋼管の積載に応じてラックを下降させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-260646号公報
【特許文献2】特開昭55-111323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
コンベアによる鋼材の搬送は、連続して鋼材を搬送することができる。
しかし、特許文献1では、棒鋼が、異なる2つのコンベアに乗り継ぐことで、棒鋼が積載面に落下する際の落差を小さくしようとしている。しかし、コンベアで搬送しているため、2つのコンベアを乗り継ぐだけでは、棒鋼を積載面に移載する際に、所定以上の落差(レベル差)が生じやすい。そして、その落差が大きいほど、次に移載する棒鋼が、先に積んである棒鋼やラックの床面などの積載面への接触時に大きな衝撃が発生する。このように、移載の際の落差が大きいほど、棒鋼の表層へ疵が生じるおそれがあるという課題がある。しかし、特許文献1では、この落差を小さくしようとするほど、乗り継ぐコンベアの数を増やす必要があり、その分、装置構成が複雑化する。
【0009】
また、積み上げる棒鋼が丸鋼材の場合には、コンベアを乗り継ぐ際に棒鋼の姿勢が変わりやすい。すなわち、棒鋼が丸鋼材の場合、特許文献1のようにベルトコンベアを乗り継いで棒鋼を搬送する方法では、コンベアを乗り継ぐ際の落下によって丸鋼材の姿勢が大きく変化するおそれもある。移載する丸鋼材の姿勢が大きく変化した場合、丸鋼材を整列した姿勢で積載面に積載できなくなるおそれもある。
このように、丸鋼材をベルトコンベアによって搬送し、積載面に移載する方法では、一本ずつの正確なハンドリングが困難であることに加え、搬送して積載する際の衝撃により、鋼材に疵が生じるリスクがあるという課題がある。
【0010】
また、特許文献2に記載のようなラック昇降式の積載装置には、以下の課題がある。
すなわち、ラックに昇降機構を設ける場合、ラック形状の依存度が高くなり、ラックの積載容量や積載時の荷姿が限定的になってしまうおそれがある。
また、ラックに昇降機能を設けた場合、ラック内に鋼材のハンドリング機構を設け難くなるおそれがある。すなわち、ラック周りに、昇降機構に加えて、コンベアや固縛機構を設ける場合、固縛機構等を、昇降機構と干渉しないように配慮する必要があり、設計が限定的になってしまう。
【0011】
また、ラックへの積載量に応じて、ラックの重量が増大する。そのため、ラックへの最大荷重で昇降機構を設計する必要があり、昇降機構がオーバースペックになる懸念がある。これにより製作費用や予備品確保に余計な費用が掛かってしまう。
【0012】
また、ラックを昇降させる際に、積載後の鋼管が上下に変位する。このため、ラックを駆動するたびに、鋼管に振動が発生してしまい、鋼管表面に傷が付くおそれがある。
また、ラックを昇降させる場合、メンテナンス性にも課題がある。例えば、ラックが昇降不能となった場合、ラック内の鋼管をすべて取り出さないと昇降機構の補修ができないという課題がある。
【0013】
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、丸鋼材を整列して積載可能で、且つ移載の際の衝撃を抑えることが可能な丸鋼材の積載技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
課題解決のために、本発明の一態様は、断面円形の棒鋼からなる丸鋼材を、ラックまで搬送し当該ラックに積み上げるための丸鋼材積載装置であって、上記ラックの装入側に配置されると共に上下に延在し、上記ラックに積載した丸鋼材の装入側外方への移動を防止する外壁部と、上記外壁部を昇降させる昇降機構と、上記ラックに向けて延在し、当該ラック側が下方となるように傾斜した傾斜路と、上記傾斜路の先端部側に設けられ、上記傾斜路に案内されて転動してきた丸鋼材の移動の停止及び当該停止の解除を行う搬出機構と、上記傾斜路の先端部側で上記搬出機構が上記停止の解除をした丸鋼材を受ける部品であって、ラック側が下方となるように傾斜して、平面視で上記ラックと重なる位置まで延在するレールと、上記傾斜路及び上記レールを、上記外壁部の昇降に同期して昇降可能とする同期機構と、を備える丸鋼材積載装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の態様によれば、丸鋼材の磁性の有無にかかわらず、丸鋼材を整列してラックに積載可能で、且つ移載の際の衝撃を抑えて丸鋼材表層の疵発生を抑制することが可能となる。
このとき、ラックへの丸鋼材の積層状態に応じて外壁部を昇降させる際に、同期を取って傾斜路及びレールも昇降する。このため、外壁部の昇降調整によって、傾斜路及びレールの高さを、ラック上における次の積載面の高さ近傍に自動的に設定することが可能となる。また、丸鋼材を積載する際にラックを昇降させる必要が無いので、積載済みの丸鋼材に不必要な振動を与えることもない。
【0016】
また、本発明の態様によれば、積層する鋼材が丸鋼材であっても、搬出機構によって、傾斜路に沿って転動してきた丸鋼材を、一時的に停止してからラック側に移動させることが可能となる。この結果、積載する丸鋼材の姿勢を正しい位置にしてから、丸鋼材を1本ずつラック側に搬出することが可能となる。これによって、より確実に丸鋼材をラックに積層することが可能となる。
またこのとき、レールの勾配を小さく設定することで、丸鋼材をラックに移載する際の転動速度を抑える、つまり移載時の移動速度を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に基づく実施形態に係る丸鋼材積載装置の構成を説明する側面図である。
図2】傾斜路、レールの配置関係の例を説明する平面図である。
図3】搬出機構を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の丸鋼材積載装置は、図1に示すように、断面円形の棒鋼からなる丸鋼材Sを、順次、ラック1まで搬送し当該ラック1に積み上げるための積載装置である。
なお、丸鋼材Sを単に鋼材とも呼ぶ。また、丸鋼材Sを移載するラック1上の位置を積載面と呼んでいる。積載面は、ラック1の床面、若しくは先にラック1に積載した丸鋼材Sの最上列の上面部分で構成される。
【0019】
(構成)
本実施形態のラック1は、図1に示すように、丸鋼材Sを積層する床部1Aと、背面枠1Bとを備える。
床部1Aは、長手方向の寸法が、図2に示すように、積層する丸鋼材Sの長さよりも長い長方形形状の外周輪郭を有する。もっとも、丸鋼材Sをラック1に安定して収容できる範囲であれば、床部1Aの長手方向の寸法の方が、丸鋼材Sの長さよりも短くても構わない。
【0020】
なお、床部1Aが、一枚の平板状の部材で構成されている必要はない。床部1Aが、例えば、長手方向に沿って所定間隔毎に設けられた複数の部材で構成されていてもよい。例えば、その複数の部材の上面で規定される面が、一つの水平面となるように設定する。
背面枠1Bは、床部1Aに対し背面側に位置し、積層した丸鋼材Sの床部1Aの背面側への移動を防止する壁を構成する部材である。背面枠1Bについても、1枚の平板状の部材で構成されている必要がない。積層した丸鋼材Sの移動を防止できるようになっていれば問題がない。
【0021】
本実施形態では、ラック1における、背面枠1Bと対向する装入側は開放されている。鋼材をラック1に装入する装入側は、図1では、ラック1の右側となる。その右側位置に本実施形態の丸鋼材S積載装置が配置されている。
【0022】
<丸鋼材積載装置>
本実施形態の丸鋼材積載装置は、外壁部2と、昇降機構と、傾斜路6と、同期機構と、搬出機構9と、レール11とを備える。
【0023】
<外壁部2>
外壁部2は、ラック1の装入側に配置されて、ラック1の外枠を兼ねる。外壁部2は、背面枠1Bと対向配置しており、昇降機構によって上下に昇降する構成となっている。
外壁部2は、初期位置(最下方位置)では、図1の二点鎖線で示すように、上端部が、床部1Aの上面(丸鋼材Sの積載面)と面一となるように設定されている。外壁部2は、この初期位置から、上方に移動可能に、ラック1に支持されている。なお、外壁部2を上下に案内する支持部は、ラック1と別体で構成されていても良い。
この外壁部2によって、ラック1の床部1Aに積層した丸鋼材Sが装入側に移動することを防止可能となっている。また、外壁部2の上端部を、丸鋼材Sを移載する高さ若しくはその近傍の高さに配置可能となる。すなわち、外壁部2は、ラック1への丸鋼材Sの積層に応じて、上端部が、積載面と同じ若しくは近傍の高さとなるように、上側に変位される。
【0024】
<昇降機構>
昇降機構は、外壁部2を昇降させる機構である。本実施形態の昇降機構は、横架材3と、昇降装置4とを備える。
横架材3は、外壁部2に一端部が固定され、外壁部2から離れる方向に水平に延在した部材である。
昇降装置4は、横架材3を昇降させる昇降機構の本体部である。昇降装置4は、例えば、軸を上下に向け、上端部を横架材3に連結したロッド4Aを備え、そのロッド4Aを上下に進退させる機構を備える。昇降装置4は、例えば、シリンダ装置や昇降ジャッキ装置など公知の昇降装置4からなる。
【0025】
<傾斜路6>
横架材3の上方に傾斜路6が配置されている。
傾斜路6は、ラック1に向けて延在している。具体的には、傾斜路6の上面(案内面6a)は、ラック1側が下方となるように傾斜した勾配を有する。本実施形態の傾斜路6は、ラック1側の先端部が、外壁部2の手前に位置している。
本実施形態では、傾斜路6の後端側に、傾斜路6に連続可能な第2傾斜路7を有す。その第2傾斜路7を介して傾斜路6に丸鋼材Sが送られるようになっている。この第2傾斜路7には、不図示の搬送機構によって順次、丸鋼材Sが送られてくる。
第2傾斜路7の先端側には、ストッパー8を備える。ストッパー8は、上下に昇降可能に構成される。ストッパー8は、上昇した状態では、第2傾斜路7の案内面よりも上方に突出し、下降した状態では、第2傾斜路7の案内面以下の高さとなるように設計されている。
【0026】
そして、傾斜路6の後端と第2傾斜路7の先端の高さが等しい際に、ストッパー8が下降して、第2傾斜路7から傾斜路6に向けて丸鋼材Sを搬送する構成となっている。
【0027】
ここで、傾斜路6は、ラック1に積載する一列分以上の丸鋼材Sを載置可能な長さとなっている。そして、ラック1に一列分の丸鋼材Sを移載すると、傾斜路6の後端が、第2傾斜路7の先端の高さと等しくなるように昇降するように設定されている。
【0028】
<同期機構>
傾斜路6は、架台5に支持される。架台5は、横架材3から立設する柱材16を介して当該横架材3に支持されている。
この柱材16が同期機構を構成する。そして、昇降機構の駆動による横架材3の昇降によって、外壁部2と傾斜路6とが同期をとって昇降する構成となる。
これによって、傾斜路6は、外壁部2に同期して昇降可能となっている。
外壁部2を昇降させる昇降機構とは別に傾斜路6を昇降させる他の昇降機構を有して、2つの昇降機構を同期して昇降させるように設定してもよい。この場合には、第2傾斜路7から傾斜路6に丸鋼材Sを搬送する際だけ、外壁部2とは別に、傾斜路6を昇降するよう設定することが好ましい。
【0029】
ここで、図2に示すように、傾斜路6等は、搬送する丸鋼材Sの長手方向に沿って複数組配置されている。図1では、傾斜路6等を4組設けた場合を例示している。
【0030】
また本実施形態では、複数の傾斜路6が、同一の横架材3に支持されており、複数組の傾斜路6が、同期をとって昇降するように構成されている。図1では、架台5も複数組共通の部材としているが、架台5を傾斜路6等の組毎に別個に設けても良い。
【0031】
<搬出機構9>
搬出機構9は、傾斜路6の先端部側に設けられ、傾斜路6に案内されて転動してきた丸鋼材Sを一時停止して、丸鋼材Sを1本ずつ送り出す機構部である。具体的には、搬出機構9は、転動してきた丸鋼材Sの移動の停止及び当該停止の解除を繰り返して行う。
【0032】
本実施形態の搬出機構9は、例えば、図3に示すように、回転軸9Aと回転体9Bを備える。
回転軸9Aは、傾斜路6の案内面6aよりも下方位置で、傾斜路6の案内方向に直交する横方向に延在する軸部材である。横方向は、丸鋼材Sの長手方向に沿った方向である。
回転体9Bは、回転軸9Aに軸直となる姿勢で中心部が回転軸9Aに取り付けられ、上部位置の部分が傾斜路6の案内面6aよりも上方に突出する部材である。その回転体9Bは、回転軸9Aの径方向外方に向けて張り出す複数の仕切り部9Baが、回転軸9Aの円周方向に沿って配列して形成されている。そして、隣り合う二つの仕切り部9Baの間が、1つの丸鋼材Sが配置可能な間隔となって、少なくとも1つの仕切り部9Baの先端部が、傾斜路6の案内面6aよりも上方に突出するように配置されている。
【0033】
本実施形態の回転体9Bは、中心を回転体9Bに固定され、丸鋼材Sの半径より大きな半径の切欠き9Bbが、円周方向に沿って複数形成された円盤体からなる。
【0034】
ただし、回転体9Bは、上記のような切欠き9Bbを有する円盤体では無くても良い。例えば、回転体9Bは、回転軸9Aから外径方向に放射状に突出する仕切り部9Baだけから構成されていてもよい。
本実施形態の回転軸9Aは、チェーン駆動によって回転可能となっている。符号15が動力を回転軸9Aに伝達するチェーンを示し、符号10が、チェーン15を駆動するチェーン駆動装置を示す。
【0035】
ここで、搬出機構9は、上記のような回転体9Bを用いた構成でなくても良い。転動してきた丸鋼材Sの移動を停止及び当該停止の解除を繰り返して、1本ずつ丸鋼材Sを送り出し可能な他の機構を採用しても良い。例えば、傾斜路6の延在方向に沿って並ぶ2本の昇降可能なストッパーで構成してもよい。2本のストッパー間を丸鋼材Sの直径相当に設定して、交互の昇降させるようにすれば良い。
【0036】
また本実施形態では、図2に示すように、搬出機構9を、傾斜路6の先端部の側方に配置した場合を例示しているが、これに限定されない。例えば、傾斜路6を、互いに間隔を開けて配置した2条のレール部材で構成し、その2条のレール部材間に搬出機構9を設けても良い。
なお、横方向に並ぶ複数の搬出機構9が、連動して作動させる同期機構を有することが好ましい。
【0037】
<レール11>
レール11は、傾斜路6の先端部側で、搬出機構9が転動を一時停止し、その停止を解除した丸鋼材Sを受けるレール部材である。レール11は、ラック1側に延在し、レール11の先端部側は、平面視で、ラック1内まで延びている。
そのレール11の先端部の厚みは、例えば、搬送する丸鋼材Sの半径以下である。レール11の先端部の厚みは、剛性が確保可能であれば、薄い方が好ましい。例えば、レール11の先端部の厚みは、移載時の落下により、丸棒鋼Sの表層に対し疵が発生しない程度の厚みとし、搬送する丸鋼材Sの規格やレール11の剛性に応じて適宜設定すれば良い。
レール11先端部の下面には、下方に張り出した、樹脂製のプレート等からなる緩衝材は取り付けられている。レール11の先端部の厚みは、レール11の先端部の剛性にもよるが、例えば、緩衝材を含めて搬送する丸鋼材Sの半径以下とする。
【0038】
ここで、レール11の下面は水平面となっている。
レール11は、架台5に支持されている。これによって、レール11は、傾斜路6と外壁と同期して昇降可能となっている。また、レール11は、外壁部2上端部に進退可能に支持されている。
【0039】
ここで、レール11の案内面11aは、先端に向かうほど下方となる傾斜が付与されている。ただし、レール11の勾配は、傾斜路6の勾配よりも小さい。これによって、傾斜路6から搬出機構9を介して移載された丸鋼材Sの転動速度を遅くすることが出来る。
なお、レール11の案内面11aの勾配を、先端に向かうほど小さくなるように設定してもよい。
【0040】
また、レール11は、傾斜路6の先端部側では、案内面11aが傾斜路6の案内面11aと等しいかほぼ等しい高さに設定されている。
好ましくは、搬出機構9の位置若しくはその位置よりもラック1側で、レール11の高さと傾斜路6の高さが等しくなるように設定することが好ましい。この場合、側面視で、傾斜路6の案内面6aとレール11の案内面11aとが、搬出機構9の位置若しくは近傍で交差することとなる。そして、交差点を過ぎた位置で、傾斜路6からレール11に向けて滑らかに丸鋼材Sの移載が実行可能となる。
【0041】
なお、後述の通り、レール11を進退可能に構成しても、上記の交差点より後ろでは、レール11の高さが、傾斜路6よりも低くなるので、後退したレール11が傾斜路6による鋼板の案内に干渉することを防止できる。
また、本実施形態では、図2に示すように、傾斜路6に対してレール11をオフセットして配置されているが、平面視で、傾斜路6の延在方向とレール11の延在方向とが重なるように配置してもよい。
【0042】
<レール進退機構13>
レール11は、延在方向に進退可能となっていることが好ましい。
本実施形態では、レール11を進退させるレール進退機構13を備える。
レール11を進退可能とする場合、上記のように、レール11を外壁部2の上端面2Aに進退可能な状態で支承させることが好ましい。このとき、外壁部2の上端面2Aにおけるレール11を案内する部分に切欠き9Bbを形成し、その切欠き9Bbで、レール11が確実に延在方向へ進退するように構成することが好ましい。
本実施形態では、レール11を、架台5に設けた直動案内装置によって進退させるように構成した。レール11の進退は、公知の駆動方法で進退させればよい。
【0043】
(動作その他)
本実施形態の丸鋼材積載装置は、例えば、次のように作動させる。
ラック1が空の状態から説明する。また第2傾斜路7に丸鋼材Sが順次移載されるとする。
【0044】
まず、傾斜路6を第2傾斜路7と連続可能な高さまで移動させる。その後、ストッパー8を下降させることで、第2傾斜路7に載っている複数の丸鋼材Sが傾斜路6側に転動する。これによって、傾斜路6に複数の丸鋼材Sが載る。このとき、最先端の丸鋼材Sは、搬出機構9の仕切り部9Baに接触して移動が防止されることで、傾斜路6に複数の丸鋼材Sが並んだ状態で載る。傾斜路6に載せる丸鋼材Sの数は、ラック1に移載する一列分以上とする。
【0045】
ここで、搬出機構9について、仕切り部9Baの一つが回転軸9Aの上方に位置する位置を初期位置とする。この状態では、上方に真っ直ぐ延びる仕切り部9Baがストッパーとして働く。つまり、その上方に真っ直ぐ延びる仕切り部9Baに対し、第2傾斜路7から移載されて転動してきた丸鋼材Sのうちの一番先頭の丸鋼材Sが接触し、その丸鋼材Sの移動を確実に規制する。
傾斜路6に所定以上の丸鋼材Sが載ったら、ストッパー8を上昇させて、第2傾斜路7から傾斜路6への丸鋼材Sの移動を防止した状態とする。
【0046】
その後、図1の二点鎖線の位置で示す初期位置まで、外壁部2や傾斜路6を降下させる。このとき、レール11も一緒に降下する。また、図1の二点鎖線のように、レール11の先端部が移載する丸鋼材Sを1本分相当だけ背面枠1Bよりも後退した位置とする。この延在方向での位置をレール11の初期位置とする。このとき、レール11の下面は床部1Aの上面に接触する高さとなるが、レール11先端部の緩衝材が床部1A材に接触することで、レール11が床部1Aと直接接触することを防止する。
【0047】
次に、搬出機構9の回転体9Bを、45度回転させると、図1のように、斜めになった2つの仕切り部9Ba間に一つの丸鋼材Sが位置する。続けて45度回転すると、その1つの丸鋼材Sが送り出され、その丸鋼材Sがレール11に案内されて、ラック1に移載される。このとき、レール11の先端部の厚さが丸鋼材Sの半径以下であるので、ラック1移載時の落差を小さく設定でき、小さな衝撃で丸鋼材Sをラック1に移載することができる。
【0048】
このように、搬出機構9の回転体9Bを90度(=(45度+45度))回転する度に、1本の丸鋼材Sがレール11に案内されてラック1に移載される。このため、回転体9Bを90度回転させるのに要する時間を、例えば、1本の丸鋼材Sがレール11に案内されてラック1に移載されるのに要する最大時間に設定する。
【0049】
そして、レール11を、丸鋼材Sを1本案内して移載する度に、丸鋼材Sの直径分だけ後退させる。
【0050】
そして、一列分の丸鋼材Sの移載が完了したら、一度、図1の実線で示す位置まで、外壁部2及び傾斜路6を上昇させて、第2傾斜路7から上述のように複数の丸鋼材Sを傾斜路6に転動によって移載する。その後、外壁部2の上端が、ラック1に現在、積層している丸鋼材Sの上面で構成される積載面Rの高さ、若しくはその近傍となる位置まで下降させる。そして、上述のように、一列分の丸鋼材Sのラック1への移載を実行する。
なお、レール11の剛性を多少上下に撓むように構成して、外壁部2の上端が、積載面Rより若干高くなっても、レール11先端が積載面R近傍となるようにしても良い。
【0051】
以上の操作を繰り返すことで、ラック1に対し、目的の段数だけ丸鋼材Sを積層するまで実行する。
【0052】
以上説明してきたように、本実施形態の装置によれば、丸鋼材Sの磁性の有無にかかわらず鋼材の搬送及び移載処理が可能である。かつ、ラック1上の任意の位置へ各丸鋼材Sを積載可能で、また、各丸鋼材Sを積載する際の衝撃を抑え、移載する丸鋼材Sの表層に疵が入ることを抑制できる。
【0053】
また、丸鋼材を複数保持できる傾斜路6が、外壁部2と同期して昇降する。この結果、丸鋼材Sを吊り上げて地上から浮かせることなく、ラック1に積み上げた高さに応じて任意に搬送可能となった。また、緩い傾斜をつけたレール11が任意の位置で停止でき、かつ一本ずつ鋼材を搬出できる搬出機構9を単独で駆動できるよう組み合わせた。この結果、各丸鋼材Sを精度よくラック1上に移載することが可能となった。
【0054】
このとき、レール11先端部下面に緩衝材を設けることで、先に積層した丸鋼材Sとレール11とが直接触れないよう工夫した。これによって、進退するレール11で先に積層した丸鋼材Sの上面に表面疵が付くことを防止することができる。
【0055】
ここで、レール11の勾配に対し、傾斜路6の勾配を大きくすることで、第2傾斜路7から傾斜路6への複数の丸鋼材Sを移載する時間を短縮できる。また、レール11の勾配を小さくすることで、レール11を転動する丸鋼材Sの転動速度を抑え、レール11からラック1への移載の際の丸鋼材Sの速度が抑えられて、移載時の衝撃を緩和できる。
【0056】
また、レール11の勾配を傾斜路6の勾配よりも小さくし、回転体9Bの位置若しくはその近傍で、レール11の案内面11aの高さと傾斜路6の高さとを同じ高さに設定する。この場合、傾斜路6からレール11への移載時の落差を無くすことが出来ると共に、レール11を延在方向に進退可能としても、レール11と傾斜路6との不要な干渉を防止することが出来る。
【0057】
また、本実施形態では、ラック1自体に昇降機構等の不必要な機構を設ける必要が無い。このため、ラック形状やラック1に積載した丸鋼材Sのハンドリング機構について、特に制約を設けることがない。したがって、ラック1への積載保管予定の数量や丸鋼材Sの径に合わせて、ラック形状を自由に変更できる。すなわち、用途に応じてラック1を簡易に変更することができる。このため、操業状況が変わり保管量が増減または形状が変更になった場合でも、ラック1の容量や形状を変えるだけで簡易に対応することが可能である。そして、ラック1としては、従来から公知のラック1を使用すれば良い。
【0058】
また、本実施形態では、傾斜路6に最大で乗る丸鋼材Sの量は明白であるため、昇降に必要な最低限の能力を把握しやすく、適切な強度設計と予備品管理ができる。ゆえに設計費や補修費の削減も達成できる。
また、ラック1自体を昇降させて積載する場合、搬送時及び積載時の丸鋼材Sへの振動と衝撃に加え、ラック1内でのラック昇降時の振動による悪影響の懸念がある。これに対し、本実施形態では、丸鋼材Sに加わる振動は、傾斜路6やレール11を転がる際の振動のみで、ラック1に積載した後の保管中は特に丸鋼材Sへ衝撃が掛かる心配がない。そのため、丸鋼材S表面の傷へのリスクを、その分、低減することができる。
【0059】
ラック1を昇降させて積載する装置の場合、その昇降機能が不能となった場合、最悪ラック1への最大積載量分の丸鋼材Sをラック1から撤去させる必要がある。これに対し、本実施形態では、昇降装置が不全となった場合、多くても1列分の丸鋼材Sを取り除くだけでメンテナンスができるため、短時間かつ低負荷で補修が可能である。
【0060】
(その他)
本開示は、次の構成も取り得る。
(1)断面円形の棒鋼からなる丸鋼材を、ラックまで搬送し当該ラックに積み上げるための丸鋼材積載装置であって、
上記ラックの装入側に配置されると共に上下に延在し、上記ラックに積載した丸鋼材の装入側外方への移動を防止する外壁部と、
上記外壁部を昇降させる昇降機構と、
上記ラックに向けて延在し、当該ラック側が下方となるように傾斜した傾斜路と、
上記傾斜路の先端部側に設けられ、上記傾斜路に案内されて転動してきた丸鋼材の移動の停止及び当該停止の解除を行う搬出機構と、
上記傾斜路の先端部側で上記搬出機構が上記停止の解除をした丸鋼材を受ける部品であって、ラック側が下方となるように傾斜して、平面視で上記ラックと重なる位置まで延在するレールと、
上記傾斜路及び上記レールを、上記外壁部の昇降に同期して昇降可能とする同期機構と、
を備えることを特徴とする丸鋼材積載装置。
上記レールの先端部の厚みは、レールの剛性が確保できる範囲で、例えば上記丸鋼材の半径以下とする。
(2)上記レールを、延在方向に沿って進退させるレール進退機構を備える。
(3)上記傾斜路、上記搬出機構、及び上記レールの組が、搬送する丸鋼材の長手方向に間隔を開けて複数組配置されている。
(4)上記レールの先端部下面に対し当該下面から下方に張り出すようにして緩衝材が取り付けられる。
上記レールの厚みは、例えば、上記緩衝材を含めて、上記丸鋼材の半径以下である。
(5)上記搬出機構は、
上記傾斜路の案内面よりも下方位置で、上記傾斜路の案内方向に直交する横方向へ延在する回転軸と、
中心部が上記回転軸に取り付けられ、上部位置の部分が上記傾斜路の案内面よりも上方に突出する回転体と、
を備え、
上記回転体は、上記回転軸の径方向外方に向けて張り出す複数の仕切り部が、上記回転軸の円周方向に沿って配列し、隣り合う2つの仕切り部の間が、1つの丸鋼材を配置可能な間隔となって、少なくとも一つの仕切り部の先端部側が、上記傾斜路の案内面よりも上方に突出するように配置されている。
(6)上記回転体は、上記丸鋼材の半径より大きな半径の切欠きが、円周方向に沿って複数形成された円盤体からなる。
(7)上記同期機構は、上記外壁部と上記傾斜路及び上記レールとを連結することで構成する。
(8)上記レールの勾配は、上記傾斜路の勾配よりも小さく、
上記搬出機構の位置若しくはその位置よりも上記ラック側の位置で、上記レールの案内面と上記傾斜路の案内面の高さが等しくなるように設定されている。
(9)断面円形の棒鋼からなる丸鋼材を順次、ラックまで搬送し当該ラックに積み上げる丸鋼材積載方法であって、
請求項1に記載した丸鋼材積載装置を用い、
上記ラックへの丸鋼材の積載の段数の増加に応じて、上記外壁部、上記傾斜路、及び上記レールを上昇させる。
(10)断面円形の棒鋼からなる丸鋼材を順次、ラックまで搬送し当該ラックに積み上げる丸鋼材積載方法であって、
請求項2に記載した丸鋼材積載装置を用い、
ラックへの丸鋼材の積載の段数の増加に応じて、上記外壁部、上記傾斜路、及び上記レールを上昇させ、
平面視における、次に丸鋼材を移載する位置に応じて、上記レールを進退させる。
(11)上記レールの下面の高さを、次に丸鋼材を移載する位置の高さ、若しくはその高さ近傍とする。
【符号の説明】
【0061】
1 ラック
1A 床部
1B 背面枠
2 外壁部
3 横架材
4 昇降装置
4A ロッド
5 架台
6 傾斜路
6a 案内面
8 ストッパー
9 搬出機構
9A 回転軸
9B 回転体
9Ba 仕切り部
9Bb 切欠き
11 レール
11a 案内面
13 レール進退機構
16 柱材
S 丸鋼材
図1
図2
図3