(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086550
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】ビデオゲーム処理プログラム及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/73 20140101AFI20240620BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240620BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240620BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240620BHJP
【FI】
A63F13/73
A63F13/35
A63F13/69
A63F13/79 520
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125431
(22)【出願日】2023-08-01
(31)【優先権主張番号】P 2022199879
(32)【優先日】2022-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100155550
【弁理士】
【氏名又は名称】田嶋 諭
(72)【発明者】
【氏名】玉手 直之
(72)【発明者】
【氏名】豊田 洋輔
(57)【要約】
【課題】NFT(ノンファンジブルトークン)の取り引きとゲームのプレイとが、より関連付けられた構成となり、ゲームの趣向性を向上させるゲームシステム及びビデオゲーム処理プログラムを提供する。
【解決手段】ビデオゲーム内で用いられるキャラクタ等のNFTが二次流通で取り引きされる。NFTの二次流通で、付与条件(例えば、取引回数が10000件以上、売上が○円以上に達した、所定の価格以上で取引成立など)を満たし場合、ゲーム内でインセンティブ(ゲーム内特典)が付与される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム内で用いられる1以上のコンテンツが含まれるビデオゲームを実行するゲーム端末装置と、該ゲーム端末装置と通信ネットワークを介して接続されて該ビデオゲームの進行を制御するサーバ装置と、を備えたゲームシステムであって、
前記コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、ブロックチェーンネットワークにおいて前記コンテンツに対応するノンファンジブルトークン(以下、NFTと称する)を発行する発行手段、
前記ブロックチェーンネットワークにおいて、前記コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する取得手段、
前記取引情報に関する付与条件が成立した場合、前記ビデオゲームのユーザにゲーム内特典を付与する付与手段、
を含むゲームシステム。
【請求項2】
前記取引情報には、前記コンテンツに対応するNFTの譲渡人及び譲受者の識別情報が含まれ、
前記付与手段は、前記取引情報に関して付与条件が成立した前記コンテンツに対応するNFTについて、現在の所有者であるユーザ又/及びは過去に所有者であったユーザに前記ゲーム内特典を付与する、
を請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記付与条件には、前記コンテンツに対応するNFTの取引回数が所定回数に達したことが含まれ、
前記付与手段は、前記付与条件が成立した場合、所定期間中にゲームにログインしたユーザに、前記ゲーム内特典を付与する、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ビデオゲームに関連する所定のサービスを各ユーザに提供可能な他のシステムと通信ネットワークを介して通信可能に連携し、
前記ゲーム内特典は、前記他のシステムにおける前記ビデオゲームに関連する特典を含む、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記付与手段は、前記付与条件が成立した場合、前記ビデオゲームのユーザの前記他のシステムにおける識別情報を含めて、前記ビデオゲームに関連する特典の付与要求を該他のシステムに送信する、
請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記コンテンツは、複数あり、
前記発行手段は、前記複数のコンテンツのうち、前記ゲーム内特典の付与対象のコンテンツに対して付与対象情報を対応付けてNFTを発行し、
前記取得手段は、前記コンテンツに対応するNFTのうち、前記付与対象情報が対応付けられているNFTの前記取引情報を取得する、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記発行手段は、付与されるユーザを所有者として、前記ゲーム内特典に対応するNFTを発行する、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記付与手段は、前記ビデオゲームのユーザのうち対象者条件を満たすユーザにゲーム内特典を付与する、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項9】
ゲーム内で用いられる1以上のコンテンツが含まれるビデオゲームの進行を制御する機能をコンピュータに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、ブロックチェーンネットワークにおいて前記コンテンツに対応するノンファンジブルトークン(以下、NFTと称する)を発行する発行機能、
前記ブロックチェーンネットワークにおいて、前記コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する取得機能、
前記取引情報に関する付与条件が成立した場合、前記ビデオゲームのユーザにゲーム内特典を付与する付与機能、
を実現させるビデオゲーム処理プログラム。
【請求項10】
ゲーム内で用いられる1以上のコンテンツが含まれるビデオゲームを実行するゲーム端末装置と通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置に、該ビデオゲームの進行を制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバ装置に、
前記コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、ブロックチェーンネットワークにおいて前記コンテンツに対応するノンファンジブルトークン(以下、NFTと称する)を発行する発行機能、
前記ブロックチェーンネットワークにおいて、前記コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する取得機能、
前記取引情報に関する付与条件が成立した場合、前記ビデオゲームのユーザにゲーム内特典を付与する付与機能、
を実現させるビデオゲーム処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも1つは、ゲームシステム及びビデオゲーム処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロックチェーン技術を利用したNFTゲーム(ブロックチェーンゲーム)が提供され始めている(例えば、非特許文献1参照)。NFTゲームでは、例えば、ゲームに用いられるキャラクタやアイテム等のコンテンツがNFT(ノンファンジブルトークン)となっている。したがって、キャラクタ等のNFTは、マーケットプレイスなどで売買取引が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】”CRYPTO SPELLS”、[online]、CryptoGames株式会社、[令和4年11月29日検索]、インターネット<URL:https://cryptospells.jp/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のNFTゲームでは、「遊んで稼ぐ」(Play to Earn(P2E))が特徴であるが、キャラクタ等のNFTの取り引きとゲームのプレイとを、より関連付けてゲームの趣向性を向上させることが課題である。
【0005】
本発明の少なくとも一つの実施形態の目的は、関連する技術の不足を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るゲームシステムは、ゲーム内で用いられる1以上のコンテンツが含まれるビデオゲームを実行するゲーム端末装置と、ゲーム端末装置と通信ネットワークを介して接続されて該ビデオゲームの進行を制御するサーバ装置と、を備えたゲームシステムであって、コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、ブロックチェーンネットワークにおいてコンテンツに対応するノンファンジブルトークン(以下、NFTと称する)を発行する発行手段、ブロックチェーンネットワークにおいて、コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する取得手段、取引情報に関する付与条件が成立した場合、ビデオゲームのユーザにゲーム内特典を付与する付与手段、を含む。
【0007】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るゲーム処理プログラムは、ゲーム内で用いられる1以上のコンテンツが含まれるビデオゲームの進行を制御する機能をコンピュータに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、コンピュータに、コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、ブロックチェーンネットワークにおいてコンテンツに対応するノンファンジブルトークン(以下、NFTと称する)を発行する発行機能、ブロックチェーンネットワークにおいて、コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する取得機能、取引情報に関する付与条件が成立した場合、ビデオゲームのユーザにゲーム内特典を付与する付与機能、を実現させる。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るゲーム処理プログラムは、ゲーム内で用いられる1以上のコンテンツが含まれるビデオゲームを実行するゲーム端末装置と通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置に、ビデオゲームの進行を制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、サーバ装置に、コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、ブロックチェーンネットワークにおいてコンテンツに対応するノンファンジブルトークン(以下、NFTと称する)を発行する発行機能、ブロックチェーンネットワークにおいて、コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する取得機能、取引情報に関する付与条件が成立した場合、ビデオゲームのユーザにゲーム内特典を付与する付与機能、を実現させる。
【発明の効果】
【0009】
本願の各実施形態により1又は2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲームシステムの構成の例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する付与処理の例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するログイン処理の例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する付与処理の例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するログイン処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するNFTキャラクタの一例を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザデータの一例を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する付与処理の例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するログイン処理の例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図14】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する付与処理の例を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するログイン処理の例を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲームシステムの構成の例を示すブロック図である。
【
図17】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図18】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザデータの一例を示す図である。
【
図19】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する付与処理の例を示すフローチャートである。
【
図20】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するログイン処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一の実施形態におけるゲームシステム100の構成の例を示すブロッ
ク図である。
図1に示すように、ゲームシステム(システム)100は、サーバ装置10と、ビデオゲーム(ゲーム)をプレイする複数のユーザ(プレイヤ)がそれぞれ使用する端末装置20,201~20N(Nは任意の整数)とを含む。サーバ装置10と複数の端末装置20,201~20Nとは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク15に接続されている。なお、システム100の構成はこれに限定されず、例えば、複数のサーバ装置を備える構成としてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して仮想的なサーバ装置が構成されてもよい。
【0012】
また、システム100には、ブロックチェーンネットワーク30も含まれる。ブロックチェーンネットワーク30は、複数のノード(コンピュータ)により構成される分散型データベースネットワークである。ブロックチェーンネットワーク30では、ブロックと呼ばれるデータの単位が生成され、鎖のように連結していくことによりブロックチェーン(分散台帳)が保管される。ブロックチェーンネットワーク30では、ファンジブルトークン、ノンファンジブルトークン(NFT)等の取り引きが可能である。ブロックチェーンネットワーク30としては、例えば、イーサリアム(Ethereum)等の既存のプラットフォームがある。ブロックチェーンネットワーク30は、NFTの生成(発行)、売買取引が可能なNFTマーケットプレイスでもある。なお、NFTの発行及び売買取引等を含むブロックチェーン技術は、一般的な構成であるので詳細な説明は省略する。
【0013】
システム100は、ゲーム内で用いられる1以上のコンテンツが含まれるゲームを実行する各種機能を有する。本実施形態の例のゲームでは、上記コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、このコンテンツに対応するNFTが発行される。また、コンテンツに対応するNFTの二次流通の取引情報(取引状況)に応じて、ゲームのユーザにゲーム内特典が付与される。
【0014】
コンテンツは、デジタルコンテンツであり、ゲームに用いられるキャラクタ、アイテム等の創作物である。例えば、ユーザのゲームの進行を助けるキャラクタ、ユーザの敵オブジェクトであるキャラクタ、使用により特定の効果が発生するアイテム等が上記コンテンツに該当する。ユーザは、例えば、法定通貨、仮想通貨等を消費しての購入(一次流通)によってコンテンツを取得すればよい。
【0015】
二次流通の取引情報は、例えば、コンテンツに対応するNFTのブロックチェーンに記録される取引履歴が該当する。取引履歴は、NFTの取り引きが実行されるごとにブロックチェーンネットワーク30で更新されていく。ゲーム内特典は、ゲームを有利に進める等のためにユーザに付与される恩恵である。例えば、ゲーム内で使用可能なアイテム、特別なミッション(ゲームステージ)のプレイ権利等がある。
【0016】
なお、一次流通は、コンテンツに対応するNFTが他のユーザを経由せずに(新品の状態で)ユーザの手に渡ることを意味する。また、二次流通は、一度市場に出た(他者の手に渡った)NFTが再び別の他者に販売されることを意味する。
【0017】
サーバ装置10は、システム100の管理者によって管理され、ユーザ端末20,201~20Nに対してゲームの進行に関する情報を提供するための各種機能を有する。サーバ装置10は、例えば、コンテンツの取得及びゲーム内特典の付与に関するゲームの画像情報等を提供する。サーバ装置10は、ゲームの進行の制御に関する情報を提供するべくWWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する1以上の記憶媒体(記憶部)を備える。また、サーバ装置10は、CPU等から構成される制御部等も備える。なお、上述の構成は一般的な構成であるので、詳細な説明は省略する。
【0018】
なお、記憶部は、サーバ装置10に内蔵された構成であっても、サーバ装置10とは別体のデータベース装置等の記憶装置の構成であってもよい。あるいは、ブロックチェーンとして、ブロックチェーンネットワークを記憶部とした構成であってもよい。
【0019】
図2は、サーバ装置10の構成の例であるサーバ装置10Aの構成を示す機能ブロック図である。サーバ装置10Aは、記憶部に記憶されているゲームの進行を制御するためのソフトウェア(ビデオゲーム処理プログラム)を制御部が実行することで、発行部11、取得部12及び付与部13を少なくとも備える。なお、ビデオゲーム処理プログラムにはゲームデータも含まれる。
【0020】
発行部(発行機能、発行手段)11は、コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、このコンテンツに対応するNFTを発行する。NFTの発行は、コンテンツの所有権の所在をブロックチェーンに記録することである。すなわち、コンテンツに対してトークンID(NFT_ID)が発行され、このトークンIDに、ゲームのコンテンツであることを特定する情報及び所有者を特定する情報等のメタデータ、取引履歴等が対応付けられたブロックチェーンが生成されることである。
【0021】
発行部11は、例えば、発行要求を行って、コンテンツに対応するNFTをブロックチェーンネットワーク30に発行させる。例えば、発行部11は、コンテンツの購入要求をユーザ(端末装置20,201~20N)から受け付ける。これにより、発行部11は、ユーザが所持する法定通貨、仮想通貨等での支払処理(課金処理)を行う。課金処理の完了後、発行部11は、購入されたコンテンツに対応するNFTの発行要求をブロックチェーンネットワーク30に送信する。なお、課金処理は、一般的な構成であるので詳細な説明は省略する。
【0022】
発行部11は、例えば、NFTの発行要求とともに、ゲームのコンテンツであることを特定する情報、所有者を特定する情報等を、ブロックチェーンネットワーク30に送信(アップロード)する。これにより、ブロックチェーンネットワーク30において、コンテンツに対応するNFTが発行される。そして、発行部11は、コンテンツに対応するNFTを購入者(ユーザ)のウォレット(端末装置)に送る。
【0023】
ゲームのコンテンツであることを特定する情報には、例えば、本実施形態の例のゲームを特定する識別情報及びコンテンツを特定する識別情報が含まれる。所有者を特定する情報は、コンテンツを購入(取得)したユーザの識別情報(ユーザID)である。ユーザIDは、例えば、ユーザ(端末装置)のウォレットアドレスとすればよい。ユーザIDは、例えば、ユーザのゲーム用の識別情報(ゲームユーザID)に対応付けてサーバ装置10の記憶部に記憶しておけばよい。
【0024】
コンテンツに対応するNFTのブロックチェーンには、メタデータ及び取引履歴も記録される(例えば
図8参照)。メタデータには、例えば、上述したゲームのコンテンツであることを特定する情報及び所有者を特定する情報が含まれる。取引履歴は、コンテンツの所有権の二次流通の履歴であり、コンテンツの譲渡人と譲受人との識別情報(ユーザID)等が含まれる。
【0025】
なお、販売するコンテンツに関する情報は、サーバ装置10の記憶部に記憶しておけばよい。また、複数のコンテンツが販売される場合、販売コンテンツの一覧を端末装置20に送信し、購入するコンテンツをユーザに選択させればよい。
【0026】
取得部(取得機能、取得手段)12は、ブロックチェーンネットワーク30において、コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する。取引情報は、例えば、上述した取引履歴である。取得部12は、例えば、ゲームを特定する識別情報を有するブロックチェーンの取引履歴の送信要求を、ブロックチェーンネットワーク30に行えばよい。
【0027】
付与部(付与機能、付与手段)13は、二次流通の取引情報に関する付与条件が成立した場合、ゲームのユーザにゲーム内特典を付与する。付与条件には、例えば、取引回数(成約数)が所定回数(例えば10000回)以上に達したことが含まれる。すなわち、全てのコンテンツに対応するNFTを対象として、譲渡した回数(取引回数)の合計が所定回数以上に達した場合、付与条件が成立となる。付与部13は、全てのコンテンツに対応するNFTの取引履歴から付与条件の成立を判断すればよい。例えば、全10体の特定のキャラクタに対応するNFTでの取引回数の合計が15000回であれば、付与条件が成立と判断される。なお、二次流通の取り引き(譲渡)は、所有者が変更される構成であればよく、有償譲渡及び無償譲渡のいずれであってもよい。
【0028】
ゲーム内特典が付与される対象は、例えば、ゲームのユーザ全員である。具体的には、サーバ装置10(記憶部)に、ゲームユーザIDが登録されているユーザ全員である。この場合、付与部13は、例えば、各ユーザがログインしたタイミングで付与すればよい。ユーザがログインした場合、このユーザのユーザデータに含まれる所有アイテムに、特典情報を追加すればよい。ログインは、ユーザに、サーバ装置10へのアクセスを許可することである。ユーザデータは、ユーザのゲームに関するデータである。
【0029】
次に、端末装置20,201~20Nについて説明する。複数の端末装置20,201~20Nのそれぞれは、ゲームをプレイするユーザによって管理され、例えば、据置型ゲーム装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム装置などの通信可能な端末装置によって構成される。
【0030】
各端末装置20,201~20Nは、操作装置(操作部)、記憶媒体(記憶部)、CPU等から構成される制御部、表示部、音声出力部(スピーカ等)、通信制御部等を備える。なお、上述の構成は一般的な構成であるので、詳細な説明は省略する。また、端末装置20,201~20Nの記憶部には、サーバ装置10との通信を行うことによりゲームを実行するためのソフトウェア(アプリケーションプログラム)等が記憶されている。
【0031】
端末装置20,201~20Nは、例えば、サーバ装置10から受信した画像情報に基づいてゲーム画像を生成する。
【0032】
また、端末装置20,201~20Nは、例えば、ウォレットとして機能してもよい。ウォレットは、トークンを管理するための手段である。ウォレットを実行するためのアプリケーションプログラムを各端末装置20,201~20Nの記憶部に記憶しておけばよい。コンテンツに対応するNFTは、取得したユーザのウォレットに格納(保管)される。この場合、ウォレットの情報(例えば、ウォレットアドレス等)は、例えば、ゲームユーザIDに対応付けられてサーバ装置10(記憶部)において、ユーザデータとして記憶しておけばよい。
【0033】
また、端末装置20,201~20Nは、ウォレットに保管されているNFTをブロックチェーンネットワーク30において売買取引することも可能である。
【0034】
次に、システム100の動作について説明する。
【0035】
図3は、システム100が実行する付与処理の例を示すフローチャートである。本実施形態の例における付与処理は、ゲーム内特典を付与するための処理が行われる。なお、
図3においては、主として、取引情報を取得するための処理及びゲーム内特典をユーザに付与するための処理について説明し、その他の処理は一部省略している場合がある。
【0036】
本実施形態の例の付与処理は、例えば、所定期間の経過(例えば24時間経過)ごとに繰り返し実行される。
【0037】
サーバ装置10Aは、取引履歴の取得処理を実行する(ステップS10)。取得処理では、例えば、サーバ装置10Aが、ゲームを特定する識別情報とともに取引履歴の送信要求をブロックチェーンネットワーク30に送信する。これにより、ブロックチェーンネットワーク30から全てのコンテンツに対応するNFTの取引履歴がサーバ装置10Aに送信される。
【0038】
次に、サーバ装置10Aは、付与条件が成立したか否かを判断する(ステップS11)。サーバ装置10Aは、取得した全ての取引履歴を参照して、付与条件が成立したか否かを判断すればよい。付与条件が成立していない場合(ステップS11:NO)、サーバ装置10Aは、付与処理を終了する。
【0039】
一方、付与条件が成立した場合(ステップS11:YES)、サーバ装置10Aは、付与実行処理Aを実行する(ステップS12)。付与実行処理Aでは、ゲーム内特典がユーザに付与されるための処理が実行される。付与実行処理Aでは、サーバ装置10Aは、例えば、各ユーザのログイン時にゲーム内特典が付与されるように設定を行う。具体的には、ログイン時の特典付与対象者として全ユーザとする情報を設定しておけばよい。その後、サーバ装置10Aは、付与処理を終了する。
【0040】
図4は、システム100が実行するログイン処理の例を示すフローチャートである。本実施形態の例におけるログイン処理は、ユーザを認証するための処理が行われる。なお、
図4においては、主として、ゲーム内特典をログインしたユーザに付与するための処理について説明し、その他の処理は一部省略している場合がある。以下、サーバ装置10Aと、ユーザPの端末装置20とがログイン処理を実行する場合を例にして説明する。
【0041】
本実施形態の例のログイン処理は、例えば、端末装置20がログイン要求をした場合に実行が開始される。なお、端末装置20は、例えば、ユーザPのゲームユーザID及び認証パスワード等の認証情報とともに、ログイン要求をサーバ装置10Aに送信する。
【0042】
サーバ装置10Aは、ログインを許可するか否かを判断する(ステップS20)。サーバ装置10Aは、例えば、受信した認証情報と、記憶部に記憶されているユーザデータに含まれるゲームユーザID等と対比して認証を行えばよい。ログインを許可しない場合(ステップS20:NO)、サーバ装置10Aは、例えば、ログイン不許可の結果を報知する画像情報を端末装置20に送信すればよい(ステップS23)。その後、サーバ装置10Aは、ログイン処理を終了する。
【0043】
一方、ログインを許可する場合(ステップS20:YES)、サーバ装置10Aは、例えば、ログイン許可の結果を報知する画像情報を端末装置20に送信すればよい(ステップS21)。次に、サーバ装置10Aは、付与実行処理Bを実行する(ステップS22)。付与実行処理Bでは、サーバ装置10Aは、ユーザP(ゲームユーザID)に対応付けられているユーザデータ(記憶部)の所有アイテムに、特典情報(例えばアイテムの識別情報)を追加する。また、付与実行処理Bでは、ゲーム内特典が付与された場合、例えば、ゲーム内特典が付与された旨を報知するための画像情報がサーバ装置10Aから端末装置20に送信される。その後、サーバ装置10Aは、ログイン処理を終了する。
【0044】
一方、端末装置20は、ゲームの実行終了まで(ステップS41:YES)、サーバ装置10Aから受信した画像情報等に基づくゲーム画像を表示部に表示する(ステップS40)。そして、端末装置20は、ゲーム内特典が付与された場合、ゲーム内特典が付与された旨を報知するゲーム画像を表示する。
【0045】
なお、
図4に示すログイン処理では、端末装置20に関して説明したが、他のユーザ(端末装置)に対しても同様の処理が行われる。
【0046】
以上のように、第1の実施形態の一側面として、サーバ装置10Aが、発行部11、取得部12及び付与部13を備える構成としているので、ゲーム内のコンテンツに対応するNFTの取引状況に応じて、ゲーム内特典が付与される。したがって、NFTの取り引きとゲームのプレイとが、より関連付けられた構成となり、ゲームの趣向性を向上させることができる。
【0047】
なお、上述の実施形態の例のビデオゲームは、キャラクタ等のコンテンツが用いられるゲームであれば、種々のジャンルのゲームを採用可能である。
【0048】
上述の実施形態の例のコンテンツは、同一のコンテンツが複数あってもよく、また、異なる種類のコンテンツがあってもよい。
【0049】
上述の実施形態の例の発行部は、上述のように、NFT発行要求を行ってブロックチェーンネットワークにNFTを発行してもらう構成であっても、自らNFTを発行する構成であってもどちらでもよい。また、所有者がゲームの運営者である発行済のコンテンツに対応するNFTを、ユーザに譲渡する構成も発行部によるNFTの発行に含まれる。
【0050】
上述の実施形態の例では、ゲーム内のコンテンツがユーザに購入されることによって、NFTが発行される構成について説明したが、NFTの発行対象は特にこれに限定されるものではない。ユーザによって獲得されるコンテンツであればよく、例えば、ゲームのプレイ結果によってユーザに取得(付与)されるコンテンツであってもよい。
【0051】
上述の実施形態の例では、取引情報として取引履歴の取引回数について説明したが、二次流通の取引に関連する情報であれば、特にこれに限定されるものではない。例えば、取引価格であってもよい。取引価格は、ブロックチェーンの取引履歴に含まれている。この場合、例えば、取引価格の総額が所定金額以上に達成したことを付与条件とすればよい。また、例えば、所定の取引価格以上で成立した取り引きがあったことを付与条件としてもよい。
【0052】
上述の実施形態の例では、付与条件は、1の条件のみであったが、複数の条件が含まれるようにしてもよい。例えば、条件A,B,Cが付与条件としてもよい。この場合、条件A,B,Cのうち、いずれか1つの条件が成立した場合、付与条件が成立したとしてゲーム内特典を付与してもよい。あるいは、条件A,B,Cの全ての条件が成立した場合、付与条件が成立したとしてゲーム内特典を付与してもよい。また、付与条件は、定期的に変更してもよい。
【0053】
上述の実施形態の例では、ゲーム内特典は、ゲーム内でのみ使用可能なトークンであるが、NFTであってもよい。この場合、サーバ装置(発行部)は、付与されるユーザを所有者として、ゲーム内特典に対応するNFTを発行すればよい。
【0054】
上述の実施形態の例では、ゲーム内特典の付与対象は、ゲームのユーザ全員であるが、特にこれに限定されるものではない。例えば、ゲームの一部のユーザだけであってもよい。例えば、付与条件が成立して所定期間内にゲームにログインしたユーザのみにゲーム内特典が付与されるようにしてもよい。
【0055】
上述の実施形態の例のゲーム内特典は、上述した特典に限定されるものではない。例えば、他のシステムにおける上記ゲームに関連する特典をゲーム内特典としてもよい。他のシステムは、上記ゲームに関連する所定のサービスを各ユーザに提供可能なシステムである。例えば、Discordにおける上記ゲームのサーバでのロールが、上記ゲーム内特典に該当する。この場合、Discordが他のシステムに該当する。Discordのサーバは、ボイスチャンネル等で成り立つネットワーク上のコミュニティを意味する。例えば、Discordの上記ゲームのサーバは、上記ゲームの運営者が作成した上記ゲーム用のコミュニティである。ロールは、上記サーバ内での役職(役割)を意味し、ロールの種類ごとに上記サーバ内での権限が設定される。例えば、Discordの上記ゲームのサーバにおいて、公開スレッドの作成を行える権限等が設定されたロールが、ゲーム内特典としてユーザに付与される。
【0056】
上記例の場合、ゲームシステム(サーバ装置)は、例えば、他のシステムと通信ネットワークを介して通信可能に連携し、ユーザのログイン時に上記ロール(ゲーム内特典)の設定要求(付与要求)を上記他のシステムに送信すればよい。
【0057】
上述のように、ゲーム内特典として、他のシステムにおける上記ゲームに関連する特典が付与されることは、ゲームをプレイするユーザのモチベーション向上に寄与したりする。
【0058】
上述の実施形態の例では、過去から現在までの全期間に関して、コンテンツに対応するNFTの取引情報(取引履歴)が用いられているが、特にこれに限定されるものではない。特定の期間(例えば現在から1年前までの期間)の取引情報を用いて付与条件が判断されてもよい。
【0059】
上述の実施形態の例では、ゲーム内で用いられるコンテンツに対応するNFTの全ての取引情報が取得されるが、特にこれに限定されるものではない。例えば、一部のNFTの取引情報であってもよい。この場合、取引情報の対象を特定するための情報(付与対象情報)を、対象となるNFTのブロックチェーンのメタデータに登録しておけばよい。そして、ブロックチェーンネットワークに対して、付与対象情報が含まれるブロックチェーンの取引情報の送信を要求すればよい。
【0060】
上述の実施形態の例では、サーバ装置の運営主体と、ブロックチェーンネットワークの運営主体とが異なっていても、同一であってもどちらでもよい。
【0061】
[第2の実施形態]
図5は、サーバ装置10の例であるサーバ装置10Bの構成を示すブロック図である。本実施形態の例において、サーバ装置10Bは、発行部11、取得部12及び付与部13Bを少なくとも備える。
【0062】
本実施形態の例では、付与条件の成立が、コンテンツに対応するNFTごとに判断される。また、付与条件の判断には、判断するコンテンツに対応するNFTの取引情報が参照される。例えば、キャラクタC1のNFTの取引情報だけを参照して付与条件の成立が判断され、またキャラクタC2のNFTの取引情報だけを参照して付与条件の成立が判断される。また、例えば、同一キャラクタのNFTが複数存在する場合であっても、キャラクタに対応するNFTごとに付与条件の成立が判断される。
【0063】
そして、付与条件が成立したコンテンツに対応するNFTの現在の所有者であるユーザ又は/及び過去に所有者であったユーザに、ゲーム内特典が付与される。以下、付与条件が成立したコンテンツに対応するNFTの現在の所有者であるユーザ、及び、過去に所有者であったユーザに、ゲーム内特典が付与される構成を例として説明する。
【0064】
発行部11は、コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、このコンテンツに対応するNFTを発行する。発行部11は、例えば、発行要求を行って、コンテンツに対応するNFTをブロックチェーンネットワーク30に発行させる。例えば、発行部11は、コンテンツの購入要求をユーザ(端末装置20,201~20N)から受け付ける。これにより、発行部11は、ユーザが所持する法定通貨、仮想通貨等での支払処理(課金処理)を行う。課金処理の完了後、発行部11は、購入されたコンテンツに対応するNFTの発行をブロックチェーンネットワーク30に送信する。
【0065】
発行部11は、例えば、NFTの発行要求とともに、ゲームのコンテンツであることを特定する情報、所有者を特定する情報等を、ブロックチェーンネットワーク30に送信(アップロード)する。これにより、ブロックチェーンネットワーク30において、コンテンツに対応するNFTが発行される。そして、発行部11は、コンテンツに対応するNFTを購入者(ユーザ)のウォレット(端末装置)に送る。
【0066】
なお、販売するコンテンツに関する情報は、サーバ装置10の記憶部に記憶しておけばよい。また、複数のコンテンツが販売される場合、販売コンテンツの一覧を端末装置20に送信し、購入するコンテンツをユーザに選択させればよい。
【0067】
取得部12は、ブロックチェーンネットワーク30において、コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する。取引情報は、例えば、上述した取引履歴である。取得部12は、例えば、ゲームを特定する識別情報を有するブロックチェーンの取引履歴の送信要求を、ブロックチェーンネットワーク30に行えばよい。
【0068】
付与部13Bは、二次流通の取引情報に関する付与条件が成立した場合、ゲームのユーザにゲーム内特典を付与する。本実施形態の例の付与部13Bは、取引情報に関して付与条件が成立したコンテンツに対応するNFTについて、現在の所有者であるユーザ及び過去に所有者であったユーザにゲーム内特典を付与する。付与条件には、例えば、取引回数(成約数)が所定回数(例えば10回)以上に達したことが含まれる。上述したように、1のコンテンツに対応するNFTを対象として、譲渡した回数の合計が所定回数以上に達した場合、付与条件が成立となる。付与部13Bは、判断するコンテンツに対応するNFTの取引履歴から付与条件の成立を判断すればよい。付与部13Bは、全てのコンテンツに対応するNFTのそれぞれについて、付与条件の成立を判断する。
【0069】
ゲーム内特典が付与される対象者は、上述したように、付与条件が成立したコンテンツに対応するNFTの現在の所有者であるユーザ及び過去に所有者であったユーザである。すなわち、現在の所有者及び過去に所有者のうち、サーバ装置10(記憶部)に、ゲームユーザIDが登録されているユーザである。現在の所有者及び過去の所有者の識別情報(ユーザID)は、付与条件が成立したコンテンツに対応するNFTの取引履歴を参照すればよい。取引履歴には、最初の所有者から現在の所有者までの譲渡者及び譲受者を特定するユーザIDが含まれる。この場合、付与部13Bは、例えば、該当する各ユーザがログインしたタイミングで付与すればよい。該当するユーザがログインした場合、このユーザのユーザデータに含まれる所有アイテムに、特典情報を追加すればよい。
【0070】
図6は、システム100が実行する付与処理の例を示すフローチャートである。本実施形態の例における付与処理は、ゲーム内特典を付与するための処理が行われる。なお、
図6においては、主として、取引情報を取得するための処理及びゲーム内特典をユーザに付与するための処理について説明し、その他の処理は一部省略している場合がある。
【0071】
本実施形態の例の付与処理は、例えば、所定期間の経過(例えば24時間経過)ごとに繰り返し実行される。
【0072】
サーバ装置10Bは、取引履歴の取得処理を実行する(ステップS10)。取得処理では、例えば、サーバ装置10Bが、ゲームを特定する識別情報とともに取引履歴の送信要求をブロックチェーンネットワーク30に送信する。これにより、ブロックチェーンネットワーク30から全てのコンテンツに対応するNFTの取引履歴がサーバ装置10Bに送信される。
【0073】
次に、サーバ装置10Bは、付与条件を判断していない1のNFTの取引履歴を選択する(ステップS10-2B)。そして、サーバ装置10Bは、選択した1のNFTの取引履歴を参照して、付与条件が成立したか否かを判断する(ステップS11-B)。付与条件が成立していない場合(ステップS11-B:NO)、サーバ装置10Bは、ステップS13-Bの処理に移行する。
【0074】
一方、付与条件が成立した場合(ステップS11-B:YES)、サーバ装置10Bは、付与実行処理Aを実行する(ステップS12-B)。付与実行処理Aでは、ゲーム内特典がユーザに付与される。サーバ装置10Bは、例えば、ステップ10-2Bの処理で選択した取引履歴を参照し、この取引履歴のコンテンツに対応するNFTの現在の所有者のユーザ(ユーザID)と、過去に所有者であったユーザ(ユーザID)とを特定する。付与実行処理Aでは、サーバ装置10Bは、例えば、上記特定されたユーザそれぞれのログイン時にゲーム内特典が付与されるように設定を行う。具体的には、上記特定されたユーザ(ゲームユーザID)を、ゲーム内特典の付与予定のユーザとして記憶部に設定しておけばよい。
【0075】
次に、サーバ装置10Bは、全ての特定のコンテンツに対応するNFTについて付与条件の判断が終了したか否かを判断する(ステップS13-B)。終了していないと判断した場合(ステップS13-B:NO)、サーバ装置10Bは、ステップS10-2Bの処理に戻って、新たに、付与条件を判断していない1のNFTの譲渡履歴を選択する。一方、終了したと判断した場合(ステップS13-B:YES)、サーバ装置10Bは、付与処理を終了する。
【0076】
図7は、システム100が実行するログイン処理の例を示すフローチャートである。本実施形態の例におけるログイン処理は、ユーザを認証するための処理が行われる。なお、
図4においては、主として、ゲーム内特典をログインしたユーザに付与するための処理について説明し、その他の処理は一部省略している場合がある。以下、サーバ装置10Bと、ユーザPの端末装置20とがログイン処理を実行する場合を例にして説明する。
【0077】
本実施形態の例のログイン処理は、例えば、端末装置20がログイン要求をした場合に実行が開始される。なお、端末装置20は、例えば、ユーザPのゲームユーザID及び認証パスワード等の認証情報とともに、ログイン要求をサーバ装置10Bに送信する。
【0078】
サーバ装置10Bは、ログインを許可するか否かを判断する(ステップS20)。サーバ装置10Bは、例えば、受信した認証情報と、記憶部に記憶されているユーザデータに含まれるゲームユーザID等と対比して認証を行えばよい。ログインを許可しない場合(ステップS20:NO)、サーバ装置10Bは、例えば、ログイン不許可の結果を報知する画像情報を端末装置20に送信すればよい(ステップS23)。その後、サーバ装置10Bは、ログイン処理を終了する。
【0079】
一方、ログインを許可する場合(ステップS20:YES)、サーバ装置10Bは、例えば、ログイン許可の結果を報知する画像情報を端末装置20に送信すればよい(ステップS21)。次に、サーバ装置10Bは、付与実行処理Bを実行する(ステップS22-B)。付与実行処理Bでは、サーバ装置10Bは、ユーザPがゲーム内特典の付与予定のユーザである場合、ユーザPのユーザデータ(記憶部)の所有アイテムに、特典情報(例えばアイテムの識別情報)を追加する。例えば、ユーザPのゲームユーザIDと、上記付与予定のユーザのゲームユーザIDとを比較することで、付与対象者であるか否かが判断される。
【0080】
また、付与処理Bでは、ゲーム内特典が付与された場合、例えば、ゲーム内特典が付与された旨を報知するための画像情報がサーバ装置10Bから端末装置20に送信される。その後、サーバ装置10Bは、ログイン処理を終了する。
【0081】
一方、端末装置20は、ゲームの実行終了まで(ステップS41:YES)、サーバ装置10Bから受信した画像情報等に基づくゲーム画像を表示部に表示(出力)する(ステップS40)。そして、端末装置20は、ゲーム内特典が付与された場合、ゲーム内特典が付与された旨を報知するゲーム画像を表示する。
【0082】
なお、
図7に示すログイン処理では、端末装置20に関して説明したが、他のユーザ(端末装置)に対しても同様の処理が行われる。
【0083】
以上のように、第2の実施形態の一側面として、サーバ装置10Bが、発行部11、取得部12及び付与部13Bを備える構成としているので、ゲーム内のコンテンツに対応するNFTの取引状況に応じて、ゲーム内特典が付与される。したがって、NFTの取引とゲームのプレイとが、より関連付けられた構成となり、ゲームの趣向性を向上させることができる。
【0084】
また、ゲーム内で用いられるコンテンツに対応するNFTの取り引きに関わったユーザに対してゲーム内特典が付与されるので、NFTの取り引き及びゲームのプレイの両方に対するユーザの実行意欲を向上させることができる。
【0085】
なお、上述の実施形態の例では、現在の所有者であるユーザ及び過去に所有者であったユーザにゲーム内特典が付与される構成が例として説明されたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、現在の所有者であるユーザのみであってもよく、過去の所有者のみであってもよい。さらに、他の条件を追加してもよい。例えば、過去の所有者のうち、コンテンツに対応するNFTの最初の所有者のみにゲーム内特典を付与してもよい。また、例えば、過去の所有者のうち、付与条件が成立して所定期間内にゲームにログインしたユーザのみにゲーム内特典を付与してもよい。
【0086】
上述の実施形態の例のビデオゲームは、キャラクタ等のコンテンツが用いられるゲームであれば、種々のジャンルのゲームを採用可能である。
【0087】
上述の実施形態の例のコンテンツは、同一のコンテンツが複数あってもよく、また、異なる種類のコンテンツがあってもよい。
【0088】
上述の実施形態の例の発行部は、上述のように、NFT発行要求を行ってブロックチェーンネットワークにNFTを発行してもらう構成であっても、自らNFTを発行する構成であってもどちらでもよい。また、所有者がゲームの運営者である発行済のコンテンツに対応するNFTを、ユーザに譲渡する構成も発行部によるNFTの発行に含まれる。
【0089】
上述の実施形態の例では、ゲーム内のコンテンツがユーザに購入されることによって、NFTが発行される構成について説明したが、NFTの発行対象は特にこれに限定されるものではない。ユーザによって獲得されるコンテンツであればよく、例えば、ゲームのプレイ結果によってユーザに取得(付与)されるコンテンツであってもよい。
【0090】
上述の実施形態の例では、取引情報として取引履歴の取引回数について説明したが、二次流通の取引に関連する情報であれば、特にこれに限定されるものではない。例えば、取引価格であってもよい。取引価格は、ブロックチェーンの取引履歴に含まれている。この場合、例えば、取引価格の総額が所定金額以上に達成したことを付与条件とすればよい。また、例えば、所定の取引価格以上で成立した取り引きがあったことを付与条件としてもよい。
【0091】
上述の実施形態の例では、付与条件は、1の条件のみであったが、複数の条件が含まれるようにしてもよい。例えば、条件A,B,Cが付与条件としてもよい。この場合、条件A,B,Cのうち、いずれか1つの条件が成立した場合、付与条件が成立したとしてゲーム内特典を付与してもよい。あるいは、条件A,B,Cの全ての条件が成立した場合、付与条件が成立したとしてゲーム内特典を付与してもよい。また、付与条件は、定期的に変更してもよい。
【0092】
上述の実施形態の例では、ゲーム内特典は、ゲーム内でのみ使用可能なトークンであるが、NFTであってもよい。この場合、サーバ装置(発行部)は、付与されるユーザを所有者として、ゲーム内特典に対応するNFTを発行すればよい。
【0093】
上述の実施形態の例のゲーム内特典は、上述した特典に限定されるものではない。例えば、他のシステムにおける上記ゲームに関連する特典をゲーム内特典としてもよい。他のシステムは、上記ゲームに関連する所定のサービスを各ユーザに提供可能なシステムである。例えば、Discordにおける上記ゲームのサーバでのロールが、上記ゲーム内特典に該当する。この場合、Discordが他のシステムに該当する。Discordのサーバは、ボイスチャンネル等で成り立つネットワーク上のコミュニティを意味する。例えば、Discordの上記ゲームのサーバは、上記ゲームの運営者が作成した上記ゲーム用のコミュニティである。ロールは、上記サーバ内での役職(役割)を意味し、ロールの種類ごとに上記サーバ内での権限が設定される。例えば、Discordの上記ゲームのサーバにおいて、公開スレッドの作成を行える権限等が設定されたロールが、ゲーム内特典としてユーザに付与される。
【0094】
上記例の場合、ゲームシステム(サーバ装置)は、例えば、他のシステムと通信ネットワークを介して通信可能に連携し、ユーザのログイン時に上記ロール(ゲーム内特典)の設定要求(付与要求)を上記他のシステムに送信すればよい。
【0095】
上述のように、ゲーム内特典として、他のシステムにおける上記ゲームに関連する特典が付与されることは、ゲームをプレイするユーザのモチベーション向上に寄与したりする。
【0096】
上述の実施形態の例では、過去から現在までの全期間に関して、コンテンツに対応するNFTの取引情報が用いられているが、特にこれに限定されるものではない。特定の期間(例えば現在から1年前までの期間)の取引情報を用いて付与条件が判断されてもよい。
【0097】
上述の実施形態の例では、ゲーム内で用いられるコンテンツに対応するNFTの全ての取引情報が取得されるが、特にこれに限定されるものではない。例えば、一部のNFTの取引情報であってもよい。この場合、取引情報の対象を特定するための情報(付与対象情報)を、対象となるNFTのブロックチェーンのメタデータに登録しておけばよい。そして、ブロックチェーンネットワークに対して、付与対象情報が含まれるブロックチェーンの取引情報の送信を要求すればよい。
【0098】
上述の実施形態の例では、サーバ装置の運営主体と、ブロックチェーンネットワークの運営主体とが異なっていても、同一であってもどちらでもよい。
【0099】
[第3の実施形態]
図8は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するNFTキャラクタの一例を示す模式図である。本実施形態の例では、ゲーム空間(仮想空間)において、特定のキャラクタ又はランドマークとなるオブジェクトを探索するミッションが複数用意されたゲームが提供される。また、ゲームでは、NFTキャラクタを使用することが可能である。NFTキャラクタには、ミッションをクリアするためのヒントが対応付けられている。したがって、ユーザは、ミッションのクリアを容易にすることを1つの目的として、NFTキャラクタを取得・使用する。
【0100】
NFTキャラクタは、NFTが発行されたキャラクタである。キャラクタは、ゲーム内で用いられるコンテンツに該当する。NFTキャラクタは、トークンIDが紐づけられ、このトークンIDに、メタデータ、取引履歴等が対応付けられる。メタデータには、ゲームのコンテンツであることを特定する情報、所有者を特定する情報及び付与対象情報等が含まれる。
【0101】
本実施形態の例では、
図8(A)に示すように、付与対象情報がメタデータに含まれないキャラクタと、
図8(B)に示すように、付与対象情報がメタデータに含まれる特定のキャラクタとがある。特定のキャラクタに対応するNFTは、ゲーム内特典の付与に関して参照されるキャラクタである。特定のキャラクタには、例えば、
図8(B)に示すような星形のマークが付されている。詳細は後述する。
【0102】
本実施形態の例のゲームでは、NFTが発行される複数のキャラクタが販売され、ユーザが購入する際に、購入したユーザを所有者として、キャラクタに対応するNFTが発行される。購入には、例えば、ゲーム内通貨が用いられる。ゲーム内通貨は、例えば、法定通貨を消費して購入すればよい。ユーザは、自身の端末装置でゲームを実行中、購入操作により上記購入が可能である。キャラクタに対応するNFTは、NFTマーケットプレイス(ブロックチェーンネットワーク30)において売買取引(二次流通)が可能である。
【0103】
本実施形態の例では、キャラクタに対応するNFTの二次流通の取引情報(取引状況)に応じて、ゲームのユーザにゲーム内特典が付与される。具体的には、取引情報に関する付与条件が成立した場合、ゲームのユーザにゲーム内特典が付与される。二次流通の取引情報としては、キャラクタに対応するNFTのブロックチェーンに記録される取引履歴が該当する。取引履歴には、キャラクタの譲渡人と譲受人との識別情報(ユーザID)に加え、譲渡日時、譲渡額等が含まれる。
【0104】
付与条件は、取引回数(成約数)が所定回数(例えば10000回)以上に達したことである。本実施形態の例では、全てのキャラクタに対応するNFTのうち、特定のキャラクタに対応するNFTを対象として、付与条件が判断される。特定のキャラクタに対応するNFTは、付与対象情報を有するキャラクタに対応するNFTである。すなわち、全ての特定のキャラクタに対応するNFTを対象として、譲渡した回数(取引回数)の合計が所定回数以上に達した場合、付与条件が成立となる。例えば、全10体の特定のキャラクタに対応するNFTでの取引回数の合計が15000回であれば、付与条件が成立と判断される。
【0105】
ゲーム内特典は、例えば、回復アイテムである。回復アイテムは、ユーザがミッションをプレイする場合に消費されたポイントを回復させる効果が発生する。ゲーム内特典は、ゲームの全ユーザのうち、対象者条件を満たしたユーザのみに付与される。対象者条件は、例えば、付与条件が成立してから所定期間(例えば1か月間)内にログインした(ゲームをプレイした)ユーザである。
【0106】
図9は、サーバ装置10の例であるサーバ装置10Cの構成を示すブロック図である。本実施形態の例において、サーバ装置10Cは、発行部11C、取得部12C及び付与部13Cを少なくとも備える。
【0107】
発行部11Cは、コンテンツ(キャラクタ)の取得者(購入者)であるユーザを所有者として、このキャラクタに対応するNFTを発行する。発行部11Cは、販売機能も有する。発行部11Cは、例えば、販売可能なキャラクタの一覧のゲーム画像を、ユーザの端末装置20,201~20Nに表示させる。ユーザは、自身の端末装置を操作して購入希望のキャラクタを選択すればよい。なお、販売するコンテンツに関する情報は、サーバ装置10Cの記憶部に記憶しておけばよい。
【0108】
発行部11Cは、選択されたキャラクタの購入要求をユーザ(端末装置)から受け付けた場合、このユーザが所持するゲーム内通貨での支払処理(課金処理)を行う。課金処理の完了後、発行部11Cは、購入されたコンテンツに対応するNFTの発行要求をブロックチェーンネットワーク30に送信する。発行部11Cは、NFTの発行要求とともに、ゲームのキャラクタであることを特定する情報、所有者を特定する情報、付与対象情報等を、ブロックチェーンネットワーク30に送信(アップロード)する。これにより、ブロックチェーンネットワーク30において、キャラクタに対応するNFTが発行される。そして、発行部11Cは、キャラクタに対応するNFTを購入者(ユーザ)のウォレット(端末装置)に送る。
【0109】
ゲームのキャラクタであることを特定する情報には、例えば、本実施形態の例のゲームを特定する識別情報(ゲームID)及びキャラクタを特定する識別情報(キャラクタID)が含まれる。各識別情報は、サーバ装置10Cの記憶部に記憶されている。
【0110】
所有者を特定する情報は、コンテンツを購入(取得)したユーザの識別情報(ユーザID)である。ユーザIDは、例えば、ユーザ(端末装置)のウォレットアドレスである。ユーザIDは、ユーザのユーザデータに含めてサーバ装置10Dでも記憶される。
【0111】
ユーザデータは、ユーザのゲームに関するデータであり、ユーザごとにサーバ装置10Cの記憶部に記憶されている。
図10は、1のユーザのユーザデータの一例を示す図である。ユーザデータは、ゲームユーザID、所有NFTキャラクタ、所有アイテム、ユーザID等のフィールドから構成される。
【0112】
ゲームユーザIDのフィールドには、ゲーム用のユーザの識別情報が設定される。所有NFTキャラクタのフィールドには、ユーザのウォレットで保管されているNFTキャラクタの識別情報(キャラクタID)が設定される。ユーザは、所有NFTキャラクタのフィールドに設定されているNFTキャラクタに関してゲーム内で使用が可能となる。所有アイテムのフィールドには、ユーザが所有するアイテムの識別情報(アイテムID)が設定される。ユーザは、所有アイテムのフィールドに設定されているアイテムに関してゲーム内で使用が可能となる。
【0113】
ユーザIDのフィールドには、上述したユーザの識別情報(ユーザID)が設定される。すなわち、ユーザIDのフィールドには、上述したNFTの所有者を特定する情報が設定される。ユーザIDのフィールドには、ユーザ(端末装置)のウォレットアドレスが設定される。
【0114】
次に、付与対象情報は、上述したように、ゲーム内特典の付与対象のコンテンツ(特定のキャラクタ)を示す識別情報である。付与対象情報は、キャラクタIDに対応付けてサーバ装置10Cの記憶部に記憶されている。発行部11Cは、購入されたキャラクタ(キャラクタID)に付与対象情報が対応付けられていた場合、付与対象情報も含めて発行要求をブロックチェーンネットワーク30に送信(アップロード)する。一方、購入されたキャラクタ(キャラクタID)に付与対象情報が対応付けられていない場合、付与対象情報を除いて、発行要求がブロックチェーンネットワーク30に送信される。
【0115】
なお、特定のキャラクタであるか否かは、キャラクタの属性等に基づいて判断されてもよい。属性は、例えば、レアリティ、ジョブ(JOB)などのキャラクタに設定された性質や特徴である。例えば、購入されたキャラクタのジョブが剣士の場合、付与対象情報も含めて発行要求がブロックチェーンネットワーク30に送信(アップロード)されるようにすればよい。
【0116】
取得部12Cは、ブロックチェーンネットワーク30において、キャラクタに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する。取引情報は、上述した取引履歴である。取得部12Cは、ゲームを特定する識別情報及び付与対象情報を有するブロックチェーンの取引履歴の送信要求を、ブロックチェーンネットワーク30に行う。すなわち、取得部12Cは、特定のキャラクタに対応するNFTの取引履歴の送信要求をブロックチェーンネットワーク30に行う。
【0117】
付与部13Cは、二次流通の取引情報に関する付与条件が成立した場合、ゲームのユーザにゲーム内特典を付与する。上述したように、付与条件は、取引回数(成約数)が所定回数(例えば10000回)以上に達したことである。付与部13Cは、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴から付与条件を判断する。すなわち、全ての特定のキャラクタに対応するNFTを対象として、譲渡した回数(取引回数)の合計が所定回数以上に達した場合、付与条件が成立と判断される。
【0118】
ゲーム内特典が付与される対象者は、上述したように、対象者条件を満たしたユーザである。対象者条件には、付与条件が成立してから所定期間(例えば1か月間)内にログインした(ゲームをプレイした)ユーザである。付与部13Cは、ユーザがログインした場合、ログインした現在が所定期間内であるか否か(対象者条件)を判断する。付与部13Cは、ログインした現在が所定期間内であれば、ユーザにゲーム内特典を付与する。具体的には、付与部13Cは、このユーザのユーザデータの所有アイテムのフィールドに、ゲーム内特典のアイテムIDを追加設定する。
【0119】
図11は、システム100が実行する付与処理の例を示すフローチャートである。本実施形態の例における付与処理は、ゲーム内特典を付与するための処理が行われる。なお、
図11においては、主として、取引情報を取得するための処理及びゲーム内特典をユーザに付与するための処理について説明し、その他の処理は一部省略している場合がある。
【0120】
本実施形態の例の付与処理は、例えば、所定期間の経過(例えば24時間経過)ごとに繰り返し実行される。
【0121】
サーバ装置10Cは、取引履歴の取得処理を実行する(ステップS10-C)。取得処理では、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴の送信要求がブロックチェーンネットワーク30に行われる。具体的には、サーバ装置10Cが、ゲームを特定する識別情報(ゲームID)及び付与対象情報とともに、取引履歴の送信要求をブロックチェーンネットワーク30に送信する。これにより、ブロックチェーンネットワーク30から、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴だけがサーバ装置10Cに送信される。
【0122】
次に、サーバ装置10Cは、付与条件が成立したか否かを判断する(ステップS11-C)。サーバ装置10Cは、取得した全ての取引履歴を参照して、付与条件が成立したか否かを判断すればよい。付与条件が成立していない場合(ステップS11-C:NO)、サーバ装置10Cは、付与処理を終了する。
【0123】
一方、付与条件が成立した場合(ステップS11-C:YES)、サーバ装置10Cは、付与実行処理Aを実行する(ステップS12-C)。付与実行処理Aでは、ゲーム内特典がユーザに付与されるための処理が実行される。具体的には、サーバ装置10Cは、所定期間が経過するまでにログインを行ったユーザに対してゲーム内特典が付与されるように設定を行う。特典付与のタイミングは、ユーザのログイン時となる。また、付与実行処理Aでは、サーバ装置10Cは、所定期間の開始時期から終了時期を記憶部に設定する。その後、サーバ装置10Cは、付与処理を終了する。
【0124】
図12システム100が実行するログイン処理の例を示すフローチャートである。本実施形態の例におけるログイン処理は、ユーザを認証するための処理が行われる。なお、
図12においては、主として、ゲーム内特典をログインしたユーザに付与するための処理について説明し、その他の処理は一部省略している場合がある。以下、サーバ装置10Cと、ユーザPの端末装置20とがログイン処理を実行する場合を例にして説明する。
【0125】
本実施形態の例のログイン処理は、例えば、端末装置20がログイン要求をした場合に実行が開始される。なお、端末装置20は、例えば、ユーザPのゲームユーザID及び認証パスワード等の認証情報とともに、ログイン要求をサーバ装置10Cに送信する。
【0126】
サーバ装置10Cは、ログインを許可するか否かを判断する(ステップS20)。サーバ装置10Cは、例えば、受信した認証情報と、記憶部に記憶されているユーザデータに含まれるゲームユーザID等と対比して認証を行えばよい。ログインを許可しない場合(ステップS20:NO)、サーバ装置10Cは、例えば、ログイン不許可の結果を報知する画像情報を端末装置20に送信すればよい(ステップS23)。その後、サーバ装置10Cは、ログイン処理を終了する。
【0127】
一方、ログインを許可する場合(ステップS20:YES)、サーバ装置10Cは、例えば、ログイン許可の結果を報知する画像情報を端末装置20に送信すればよい(ステップS21)。次に、サーバ装置10Cは、付与実行処理Bを実行する(ステップS22-C)。付与実行処理Bでは、現在が所定期間内である場合、ユーザPにゲーム内特典が付与される。具体的には、サーバ装置10Cは、ユーザPのユーザデータ(記憶部)の所有アイテムのフィールドに、ゲーム内特典のアイテムIDを追加設定する。また、付与実行処理Bでは、ゲーム内特典が付与された場合、例えば、ゲーム内特典が付与された旨を報知するための画像情報がサーバ装置10Cから端末装置20に送信される。その後、サーバ装置10Cは、ログイン処理を終了する。なお、サーバ装置10Cは、現在が所定期間内でない場合には、ゲーム内特典を付与することなく付与実行処理Bを終了する。
【0128】
なお、ゲーム内特典の付与は1度だけである。サーバ装置10Cは、例えば、ゲーム内特典を付与したユーザ(ゲームユーザID)を記憶部に記憶しておけばよい。そして、サーバ装置10Cは、ログインしたユーザのゲームユーザIDが、既にゲーム内特典を付与したゲームユーザIDに含まれていれば、ゲーム内特典を付与することなく付与実行処理Bを終了すればよい。
【0129】
一方、端末装置20は、ゲームの実行終了まで(ステップS41:YES)、サーバ装置10Cから受信した画像情報等に基づくゲーム画像を表示部に表示する(ステップS40)。そして、端末装置20は、ゲーム内特典が付与された場合、ゲーム内特典が付与された旨を報知するゲーム画像を表示する。
【0130】
なお、
図12に示すログイン処理では、端末装置20に関して説明したが、他のユーザ(端末装置)に対しても同様の処理が行われる。
【0131】
以上のように、第3の実施形態の一側面として、サーバ装置10Cが、発行部11C、取得部12C及び付与部13Cを備える構成としているので、ゲーム内のコンテンツに対応するNFTの取引状況に応じて、ゲーム内特典が付与される。したがって、NFTの取り引きとゲームのプレイとが、より関連付けられた構成となり、ゲームの趣向性を向上させることができる。
【0132】
また、取得する取引情報(取引状況)が、特定のコンテンツに対応するNFTに限定されているので、ブロックチェーンネットワーク30から取得するデータ量が低減される。したがって、ブロックチェーンネットワーク30の処理負担の増大を抑制できる。
【0133】
なお、上述の実施形態の例では、付与対象情報が他の情報とは区別してブロックチェーンに記録されているが、他の情報を付与対象情報として利用してもよい。例えば、キャラクタIDを付与対象情報として利用してもよい。具体的には、付与対象情報は、キャラクタIDに対応付けてサーバ装置の記憶部に記憶されている。付与部は、ゲームID、及び、付与対象情報が対応付けられているキャラクタIDとともに、取引履歴の送信要求をブロックチェーンネットワークに送信すればよい。これにより、ブロックチェーンネットワークから、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴だけがサーバ装置に送信される。
【0134】
上述の実施形態の例のビデオゲームは、キャラクタ等のコンテンツが用いられるゲームであれば、種々のジャンルのゲームを採用可能である。
【0135】
上述の実施形態の例のコンテンツ(キャラクタ)は、同一のコンテンツが複数あってもよく、また、異なる種類のコンテンツがあってもよい。
【0136】
上述の実施形態の例の発行部は、NFT発行要求を行ってブロックチェーンネットワークにNFTを発行してもらう構成であっても、自らNFTを発行する構成であってもどちらでもよい。また、所有者がゲームの運営者である発行済のコンテンツに対応するNFTを、ユーザに譲渡する構成も発行部によるNFTの発行に含まれる。
【0137】
上述の実施形態の例では、ゲーム内のコンテンツがユーザに購入されることによって、NFTが発行される構成について説明したが、NFTの発行対象は特にこれに限定されるものではない。ユーザによって獲得されるコンテンツであればよく、例えば、ゲームのプレイ結果によってユーザに取得(付与)されるコンテンツであってもよい。
【0138】
上述の実施形態の例では、取引情報として取引履歴の取引回数について説明したが、二次流通の取引に関連する情報であれば、特にこれに限定されるものではない。例えば、取引価格であってもよい。取引価格は、ブロックチェーンの取引履歴に含まれている。この場合、例えば、取引価格の総額が所定金額以上に達成したことを付与条件とすればよい。また、例えば、所定の取引価格以上で成立した取り引きがあったことを付与条件としてもよい。
【0139】
上述の実施形態の例では、付与条件は、1の条件のみであったが、複数の条件が含まれるようにしてもよい。例えば、条件A,B,Cが付与条件としてもよい。この場合、条件A,B,Cのうち、いずれか1つの条件が成立した場合、付与条件が成立したとしてゲーム内特典を付与してもよい。あるいは、条件A,B,Cの全ての条件が成立した場合、付与条件が成立したとしてゲーム内特典を付与してもよい。また、付与条件は、定期的に変更してもよい。
【0140】
上述の実施形態の例では、ゲーム内特典は、ゲーム内でのみ使用可能なトークンであるが、NFTであってもよい。この場合、サーバ装置(発行部)は、付与されるユーザを所有者として、ゲーム内特典に対応するNFTを発行すればよい。
【0141】
上述の実施形態の例では、対象者条件が設けられているが、対象者条件を設けずに、ゲームのユーザ全員をゲーム内特典の付与対象としてもよい。また、対象者条件は、付与条件と同様、複数の条件が含まれるようにしてもよい。例えば、特定のコンテンツに対応するNFTを所有している条件を対象者条件に含めてもよい。特定のコンテンツは、例えば、本実施形態の例の付与対象情報を含むコンテンツ(キャラクタ)に対応するNFTとしてもよい。
【0142】
上述の実施形態の例における所定期間の開始時期及び終了時期は、付与条件が成立した以降であれば、いつでもよい。
【0143】
上述の実施形態の例のゲーム内特典は、上述した特典に限定されるものではない。例えば、他のシステムにおける上記ゲームに関連する特典をゲーム内特典としてもよい。他のシステムは、上記ゲームに関連する所定のサービスを各ユーザに提供可能なシステムである。例えば、Discordにおける上記ゲームのサーバでのロールが、上記ゲーム内特典に該当する。この場合、Discordが他のシステムに該当する。Discordのサーバは、ボイスチャンネル等で成り立つネットワーク上のコミュニティを意味する。例えば、Discordの上記ゲームのサーバは、上記ゲームの運営者が作成した上記ゲーム用のコミュニティである。ロールは、上記サーバ内での役職(役割)を意味し、ロールの種類ごとに上記サーバ内での権限が設定される。例えば、Discordの上記ゲームのサーバにおいて、公開スレッドの作成を行える権限等が設定されたロールが、ゲーム内特典としてユーザに付与される。
【0144】
上記例の場合、ゲームシステム(サーバ装置)は、例えば、他のシステムと通信ネットワークを介して通信可能に連携し、ユーザのログイン時に上記ロール(ゲーム内特典)の設定要求(付与要求)を上記他のシステムに送信すればよい。
【0145】
上述のように、ゲーム内特典として、他のシステムにおける上記ゲームに関連する特典が付与されることは、ゲームをプレイするユーザのモチベーション向上に寄与したりする。
【0146】
上述の実施形態の例では、過去から現在までの全期間に関して、コンテンツに対応するNFTの取引情報が用いられているが、特にこれに限定されるものではない。特定の期間(例えば現在から1年前までの期間)の取引情報を用いて付与条件が判断されてもよい。
【0147】
上述の実施形態の例では、特定のコンテンツに対応するNFTの取引情報を取得しているが、特にこれに限定されるものではない。サーバ装置は、全てのコンテンツに対応するNFTの取引情報を取得し、必要な取引情報だけを参照して付与条件を判断してもよい。
【0148】
上述の実施形態の例では、サーバ装置の運営主体と、ブロックチェーンネットワークの運営主体とが異なっていても、同一であってもどちらでもよい。
【0149】
[第4の実施形態]
本実施形態の例のゲームは、第3の実施形態の例と同様であり、ゲーム空間(仮想空間)において、特定のキャラクタ又はランドマークとなるオブジェクトを探索するミッションが複数用意されたゲームが提供される。また、ゲームでは、NFTキャラクタを使用することが可能である。NFTキャラクタには、ミッションをクリアするためのヒントが対応付けられている。したがって、ユーザは、ミッションのクリアを容易にすることを1つの目的として、NFTキャラクタを取得・使用する。NFTキャラクタについても、第3の実施形態の例と同様である。
【0150】
NFTとなる複数のキャラクタの販売についても第3の実施形態の例と同様であり、ユーザが購入する際に、購入したユーザを所有者として、キャラクタに対応するNFTが発行される。キャラクタに対応するNFTは、NFTマーケットプレイス(ブロックチェーンネットワーク30)において売買取引(二次流通)が可能である。
【0151】
本実施形態の例では、キャラクタに対応するNFTの二次流通の取引情報(取引状況)に応じて、ゲームのユーザにゲーム内特典が付与される。具体的には、取引情報に関する付与条件が成立した場合、ゲームのユーザにゲーム内特典が付与される。二次流通の取引情報としては、キャラクタに対応するNFTのブロックチェーンに記録される取引履歴が該当する。取引履歴には、キャラクタの譲渡人と譲受人との識別情報(ユーザID)に加え、譲渡日時、譲渡額等が含まれる。
【0152】
本実施形態の例では、ゲーム内特典の付与の構成が第3の実施形態の例と異なる。まず、付与条件は、取引回数(成約数)が所定回数(例えば10回)以上に達したことである。また、本実施形態の例では、付与条件の成立が、キャラクタに対応するNFTごとに判断される。付与条件の判断には、判断するキャラクタに対応するNFTの取引履歴が参照される。
【0153】
また、本実施形態の例では、全てのキャラクタに対応するNFTのうち、特定のキャラクタに対応するNFTを対象として、付与条件が判断される。特定のキャラクタに対応するNFTは、付与対象情報を有するキャラクタに対応するNFTである。すなわち、1の特定のキャラクタに対応するNFTを対象として、譲渡した回数(取引回数)の合計が所定回数以上に達した場合、付与条件が成立となる。例えば、特定のキャラクタC1のNFTの取引履歴だけを参照して付与条件の成立が判断され、また特定のキャラクタC2のNFTの取引履歴だけを参照して付与条件の成立が判断される。また、例えば、同一の特定のキャラクタのNFTが複数存在する場合であっても、同一の特定のキャラクタに対応するNFTごとに付与条件の成立が判断される。
【0154】
そして、付与条件が成立したコンテンツに対応するNFTの現在の所有者であるユーザ及び過去に所有者であったユーザのうち、対象者条件を満たしたユーザに、ゲーム内特典が付与される。すなわち、現在の所有者及び過去に所有者のうち、サーバ装置10D(記憶部)に、ゲームユーザIDが登録されているユーザである。そして、これらユーザのうち、対象者条件を満たしたユーザにゲーム内特典が付与される。
【0155】
ゲーム内特典は、第3の実施形態の例と同様に、回復アイテムである。対象者条件は、例えば、付与条件が成立してから所定期間(例えば1か月間)内にログインした(ゲームをプレイした)ユーザである。すなわち、該当するNFTの現在の所有者であるユーザ及び過去に所有者であったゲームのユーザが、上記所定期間内にログインした場合にゲーム内特典が付与される。
【0156】
図13は、サーバ装置10の例であるサーバ装置10Dの構成を示すブロック図である。本実施形態の例において、サーバ装置10Dは、発行部11D、取得部12D及び付与部13Dを少なくとも備える。
【0157】
発行部11Dは、第3の実施形態の例の発行部11Cと同様であり、コンテンツ(キャラクタ)の取得者(購入者)であるユーザを所有者として、このキャラクタに対応するNFTを発行する。発行部11Dは、販売機能も有する。発行部11Dは、例えば、販売可能なキャラクタの一覧のゲーム画像を、ユーザの端末装置20,201~20Nに表示させる。ユーザは、自身の端末装置を操作して購入希望のキャラクタを選択すればよい。なお、販売するコンテンツに関する情報は、サーバ装置10Dの記憶部に記憶しておけばよい。
【0158】
発行部11Dは、選択されたキャラクタの購入要求をユーザ(端末装置)から受け付けた場合、このユーザが所持するゲーム内通貨での支払処理(課金処理)を行う。課金処理の完了後、発行部11Dは、購入されたコンテンツに対応するNFTの発行要求をブロックチェーンネットワーク30に送信する。発行部11Dは、NFTの発行要求とともに、ゲームのキャラクタであることを特定する情報、所有者を特定する情報、付与対象情報等を、ブロックチェーンネットワーク30に送信(アップロード)する。これにより、ブロックチェーンネットワーク30において、キャラクタに対応するNFTが発行される。そして、発行部11Dは、キャラクタに対応するNFTを購入者(ユーザ)のウォレット(端末装置)に送る。
【0159】
ゲームのキャラクタであることを特定する情報には、例えば、本実施形態の例のゲームを特定する識別情報(ゲームID)及びキャラクタを特定する識別情報(キャラクタID)が含まれる。各識別情報は、サーバ装置10Dの記憶部に記憶されている。
【0160】
所有者を特定する情報は、コンテンツを購入(取得)したユーザの識別情報(ユーザID)である。ユーザIDは、例えば、ユーザ(端末装置)のウォレットアドレスである。ユーザIDは、ユーザのユーザデータに含めてサーバ装置10Dでも記憶される。
【0161】
ユーザデータは、ユーザのゲームに関するデータであり、ユーザごとにサーバ装置10Dの記憶部に記憶されている。ユーザデータは、第3の実施形態の例と同様であり、ゲームユーザID、所有NFTキャラクタ、所有アイテム、ユーザID等のフィールドから構成される(例えば
図10参照)。
【0162】
次に、付与対象情報は、第3の実施形態の例と同様であり、ゲーム内特典の付与対象のコンテンツ(特定のキャラクタ)を示す識別情報である。付与対象情報は、キャラクタIDに対応付けてサーバ装置10Dの記憶部に記憶されている。発行部11Dは、購入されたキャラクタ(キャラクタID)に付与対象情報が対応付けられていた場合、付与対象情報も含めて発行要求をブロックチェーンネットワーク30に送信(アップロード)する。一方、購入されたキャラクタ(キャラクタID)に付与対象情報が対応付けられていない場合、付与対象情報を除いて、発行要求がブロックチェーンネットワーク30に送信される。
【0163】
取得部12Dは、第3の実施形態の例の取得部12Cと同様であり、ブロックチェーンネットワーク30において、キャラクタに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する。取引情報は、上述した取引履歴である。取得部12Dは、ゲームを特定する識別情報及び付与対象情報を有するブロックチェーンの取引履歴の送信要求を、ブロックチェーンネットワーク30に行う。
【0164】
付与部13Dは、二次流通の取引情報に関する付与条件が成立した場合、ゲームのユーザにゲーム内特典を付与する。上述したように、付与条件は、取引回数(成約数)が所定回数(例えば10回)以上に達したことである。付与部13Dは、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴ごとに、付与条件を判断する。すなわち、1の特定のコンテンツに対応するNFTを対象として、譲渡した回数の合計が所定回数以上に達した場合、付与条件が成立と判断される。付与部13Dは、全ての特定のコンテンツに対応するNFTのそれぞれについて、付与条件の成立を判断する。
【0165】
ゲーム内特典が付与される対象者は、対象者条件を満たし、且つ、付与条件が成立した特定のキャラクタに対応するNFTの現在の所有者であるユーザ及び過去に所有者であったユーザである。対象者条件には、付与条件が成立してから所定期間(例えば1か月間)内にログインした(ゲームをプレイした)ユーザである。付与部13Dは、該当するユーザがログインした場合、ログインした現在が所定期間内であるか否か(対象者条件)を判断する。付与部13Dは、ログインした現在が所定期間内であれば、該当するユーザにゲーム内特典を付与する。具体的には、付与部13Dは、該当するユーザのユーザデータの所有アイテムのフィールドに、ゲーム内特典のアイテムIDを追加設定する。
【0166】
図14は、システム100が実行する付与処理の例を示すフローチャートである。本実施形態の例における付与処理は、ゲーム内特典を付与するための処理が行われる。なお、
図14においては、主として、取引情報を取得するための処理及びゲーム内特典をユーザに付与するための処理について説明し、その他の処理は一部省略している場合がある。
【0167】
本実施形態の例の付与処理は、例えば、所定期間の経過(例えば24時間経過)ごとに繰り返し実行される。
【0168】
サーバ装置10Dは、取引履歴の取得処理を実行する(ステップS10-D)。取得処理では、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴の送信要求がブロックチェーンネットワーク30に行われる。具体的には、サーバ装置10Dが、ゲームを特定する識別情報(ゲームID)及び付与対象情報とともに、取引履歴の送信要求をブロックチェーンネットワーク30に送信する。これにより、ブロックチェーンネットワーク30から、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴だけがサーバ装置10Dに送信される。
【0169】
次に、サーバ装置10Dは、付与条件を判断していない1のNFTの取引履歴を選択する(ステップS10-2D)。そして、サーバ装置10Dは、選択した1のNFTの取引履歴を参照して、付与条件が成立したか否かを判断する(ステップS11-2D)。付与条件が成立していない場合(ステップS11-D:NO)、サーバ装置10Dは、ステップS13-Dの処理に移行する。
【0170】
一方、付与条件が成立した場合(ステップS11-D:YES)、サーバ装置10Dは、付与実行処理Aを実行する(ステップS12-D)。付与実行処理Aでは、ゲーム内特典がユーザに付与されるための処理が実行される。サーバ装置10Dは、ステップ10-2Dの処理で選択した取引履歴を参照し、この取引履歴のキャラクタに対応するNFTの現在の所有者のユーザ(ユーザID)と、過去に所有者であったユーザ(ユーザID)とを特定する。そして、サーバ装置10Dは、上記特定されたユーザ(ユーザID)のうち、所定期間が経過するまでにログインを行ったユーザに対してゲーム内特典が付与されるように設定を行う。具体的には、サーバ装置10Dは、所定期間の開始時期から終了時期と、ゲーム内特典の付与予定のユーザである上記特定されたユーザ(ユーザID)のゲームユーザIDとを記憶部に設定する。
【0171】
次に、サーバ装置10Dは、全ての特定のコンテンツに対応するNFTについて付与条件の判断が終了したか否かを判断する(ステップS13-D)。終了していないと判断した場合(ステップS13-D:NO)、サーバ装置10Dは、ステップS10-2Dの処理に戻って、新たに、付与条件を判断していない1のNFTの取引履歴を選択する。一方、終了したと判断した場合(ステップS13-D:YES)、サーバ装置10Dは、付与処理を終了する。
【0172】
図15は、システム100が実行するログイン処理の例を示すフローチャートである。本実施形態の例におけるログイン処理は、ユーザを認証するための処理が行われる。なお、
図15においては、主として、ゲーム内特典をログインしたユーザに付与するための処理について説明し、その他の処理は一部省略している場合がある。以下、サーバ装置10Dと、ユーザPの端末装置20とがログイン処理を実行する場合を例にして説明する。
【0173】
本実施形態の例のログイン処理は、例えば、端末装置20がログイン要求をした場合に実行が開始される。なお、端末装置20は、例えば、ユーザPのゲームユーザID及び認証パスワード等の認証情報とともに、ログイン要求をサーバ装置10Dに送信する。
【0174】
サーバ装置10Dは、ログインを許可するか否かを判断する(ステップS20)。サーバ装置10Dは、例えば、受信した認証情報と、記憶部に記憶されているユーザデータに含まれるユーザID等と対比して認証を行えばよい。ログインを許可しない場合(ステップS20:NO)、サーバ装置10Dは、例えば、ログイン不可の結果を報知する画像情報を端末装置20に送信すればよい(ステップS23)。その後、サーバ装置10Dは、ログイン処理を終了する。
【0175】
一方、ログインを許可する場合(ステップS20:YES)、サーバ装置10Dは、例えば、ログイン許可の結果を報知する画像情報を端末装置20に送信すればよい(ステップS21)。次に、サーバ装置10Dは、付与実行処理Bを実行する(ステップS22-D)。付与実行処理Bでは、現在が所定期間内である場合、ゲーム内特典の付与予定のユーザに、ゲーム内特典が付与される。例えば、現在が所定期間内であり、且つ、ユーザP(ゲームユーザID)がゲーム内特典の付与予定のユーザ(ゲームユーザID)に該当する場合、ユーザPにゲーム内特典が付与される。具体的には、サーバ装置10Dは、ユーザPのユーザデータ(記憶部)の所有アイテムのフィールドに、ゲーム内特典のアイテムIDを追加設定する。また、付与実行処理Bでは、ゲーム内特典が付与された場合、例えば、ゲーム内特典が付与された旨を報知するための画像情報がサーバ装置10Dから端末装置20に送信される。その後、サーバ装置10Eは、ログイン処理を終了する。なお、サーバ装置10Dは、現在が所定期間内でない場合、又は、ログインしたユーザが付与候補ではない場合には、ゲーム内特典を付与することなく付与実行処理Bを終了する。
【0176】
なお、ゲーム内特典の付与は1度だけである。サーバ装置10Dは、例えば、ゲーム内特典を付与したユーザ(ゲームユーザID)を記憶部に記憶しておけばよい。そして、サーバ装置10Dは、ログインしたユーザのゲームユーザIDが、既にゲーム内特典を付与したゲームユーザIDに含まれていれば、ゲーム内特典を付与することなく付与実行処理Bを終了すればよい。
【0177】
一方、端末装置20は、ゲームの実行終了まで(ステップS41:YES)、サーバ装置10Dから受信した画像情報等に基づくゲーム画像を表示部に表示する(ステップS40)。そして、端末装置20は、ゲーム内特典が付与された場合、ゲーム内特典が付与された旨を報知するゲーム画像を表示する。
【0178】
なお、
図15に示すログイン処理では、端末装置20に関して説明したが、他のユーザ(端末装置)に対しても同様の処理が行われる。
【0179】
以上のように、第4の実施形態の一側面として、サーバ装置10Dが、発行部11D、取得部12D及び付与部13Dを備える構成としているので、ゲーム内のコンテンツに対応するNFTの取引状況に応じて、ゲーム内特典が付与される。したがって、NFTの取り引きとゲームのプレイとが、より関連付けられた構成となり、ゲームの趣向性を向上させることができる。
【0180】
また、取得する取引情報(取引状況)が、特定のコンテンツに対応するNFTに限定されているので、ブロックチェーンネットワーク30から取得するデータ量が低減される。したがって、ブロックチェーンネットワーク30の処理負担の増大を抑制できる。
【0181】
さらに、ゲーム内で用いられるコンテンツに対応するNFTの取り引きに関わったユーザに対してゲーム内特典が付与されるので、NFTの取り引き及びゲームのプレイの両方に対してユーザの実行意欲を向上させることができる。
【0182】
なお、上述の実施形態の例では、現在の所有者であるユーザ及び過去に所有者であったユーザにゲーム内特典が付与される構成が説明されたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、現在の所有者であるユーザのみであってもよく、過去の所有者のみであってもよい。さらに、他の条件を追加してもよい。例えば、過去の所有者のうち、コンテンツに対応するNFTの最初の所有者のみにゲーム内特典を付与してもよい。また、例えば、過去の所有者のうち、付与条件が成立して所定期間内にゲームにログインしたユーザのみにゲーム内特典を付与してもよい。
【0183】
上述の実施形態の例のビデオゲームは、キャラクタ等のコンテンツが用いられるゲームであれば、種々のジャンルのゲームを採用可能である。
【0184】
上述の実施形態の例のコンテンツ(キャラクタ)は、同一のコンテンツが複数あってもよく、また、異なる種類のコンテンツがあってもよい。
【0185】
上述の実施形態の例の発行部は、NFT発行要求を行ってブロックチェーンネットワークにNFTを発行してもらう構成であっても、自らNFTを発行する構成であってもどちらでもよい。また、所有者がゲームの運営者である発行済のコンテンツに対応するNFTを、ユーザに譲渡する構成も発行部によるNFTの発行に含まれる。
【0186】
上述の実施形態の例では、ゲーム内のコンテンツがユーザに購入されることによって、NFTが発行される構成について説明したが、NFTの発行対象は特にこれに限定されるものではない。ユーザによって獲得されるコンテンツであればよく、例えば、ゲームのプレイ結果によってユーザに取得(付与)されるコンテンツであってもよい。
【0187】
上述の実施形態の例では、取引情報として取引履歴の取引回数について説明したが、二次流通の取引に関連する情報であれば、特にこれに限定されるものではない。例えば、取引価格であってもよい。取引価格は、ブロックチェーンの取引履歴に含まれている。この場合、例えば、取引価格の総額が所定金額以上に達成したことを付与条件とすればよい。また、例えば、所定の取引価格以上で成立した取り引きがあったことを付与条件としてもよい。
【0188】
上述の実施形態の例では、付与条件は、1の条件のみであったが、複数の条件が含まれるようにしてもよい。例えば、条件A,B,Cが付与条件としてもよい。この場合、条件A,B,Cのうち、いずれか1つの条件が成立した場合、付与条件が成立したとしてゲーム内特典を付与してもよい。あるいは、条件A,B,Cの全ての条件が成立した場合、付与条件が成立したとしてゲーム内特典を付与してもよい。また、付与条件は、定期的に変更してもよい。
【0189】
上述の実施形態の例では、ゲーム内特典は、ゲーム内でのみ使用可能なトークンであるが、NFTであってもよい。この場合、サーバ装置(発行部)は、付与されるユーザを所有者として、ゲーム内特典に対応するNFTを発行すればよい。
【0190】
上述の実施形態の例では、過去から現在までの全期間に関して、コンテンツに対応するNFTの取引情報が用いられているが、特にこれに限定されるものではない。特定の期間(例えば現在から1年前までの期間)の取引情報を用いて付与条件が判断されてもよい。
【0191】
上述の実施形態の例では、対象者条件が設けられているが、対象者条件を設けずに、ゲームのユーザ全員をゲーム内特典の付与対象としてもよい。また、対象者条件は、付与条件と同様、複数の条件が含まれるようにしてもよい。例えば、特定のコンテンツに対応するNFTを所有している条件を対象者条件に含めてもよい。特定のコンテンツは、例えば、本実施形態の例の付与対象情報を含むコンテンツ(キャラクタ)に対応するNFTとしてもよい。
【0192】
上述の実施形態の例における所定期間の開始時期及び終了時期は、付与条件が成立した以降であれば、いつでもよい。
【0193】
上述の実施形態の例のゲーム内特典は、上述した特典に限定されるものではない。例えば、他のシステムにおける上記ゲームに関連する特典をゲーム内特典としてもよい。他のシステムは、上記ゲームに関連する所定のサービスを各ユーザに提供可能なシステムである。例えば、Discordにおける上記ゲームのサーバでのロールが、上記ゲーム内特典に該当する。この場合、Discordが他のシステムに該当する。Discordのサーバは、ボイスチャンネル等で成り立つネットワーク上のコミュニティを意味する。例えば、Discordの上記ゲームのサーバは、上記ゲームの運営者が作成した上記ゲーム用のコミュニティである。ロールは、上記サーバ内での役職(役割)を意味し、ロールの種類ごとに上記サーバ内での権限が設定される。例えば、Discordの上記ゲームのサーバにおいて、公開スレッドの作成を行える権限等が設定されたロールが、ゲーム内特典としてユーザに付与される。
【0194】
上記例の場合、ゲームシステム(サーバ装置)は、例えば、他のシステムと通信ネットワークを介して通信可能に連携し、ユーザのログイン時に上記ロール(ゲーム内特典)の設定要求(付与要求)を上記他のシステムに送信すればよい。
【0195】
上述のように、ゲーム内特典として、他のシステムにおける上記ゲームに関連する特典が付与されることは、ゲームをプレイするユーザのモチベーション向上に寄与したりする。
【0196】
上述の実施形態の例では、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴を取得しているが、特にこれに限定されるものではない。サーバ装置は、全てのコンテンツに対応するNFTの取引履歴を取得し、必要な取引履歴だけを参照して付与条件を判断してもよい。
【0197】
上述の実施形態の例では、サーバ装置の運営主体と、ブロックチェーンネットワークの運営主体とが異なっていても、同一であってもどちらでもよい。
【0198】
[第5の実施形態]
本実施形態の例のゲームは、第4の実施形態の例と同様であり、ゲーム空間(仮想空間)において、特定のキャラクタ又はランドマークとなるオブジェクトを探索するミッションが複数用意されたゲームが提供される。また、ゲームでは、NFTキャラクタを使用することが可能である。NFTキャラクタには、ミッションをクリアするためのヒントが対応付けられている。したがって、ユーザは、ミッションのクリアを容易にすることを1つの目的として、NFTキャラクタを取得・使用する。NFTキャラクタについても、第4の実施形態の例と同様である。
【0199】
NFTとなる複数のキャラクタの販売についても、第4の実施形態の例と同様であり、ユーザが購入する際に、購入したユーザを所有者として、キャラクタに対応するNFTが発行される。キャラクタに対応するNFTは、NFTマーケットプレイス(ブロックチェーンネットワーク30)において売買取引(二次流通)が可能である。
【0200】
ゲーム内特典の付与の判断についても、第4の実施形態の例と同様であり、キャラクタに対応するNFTの二次流通の取引情報(取引状況)に応じて、ゲームのユーザにゲーム内特典が付与される。具体的には、取引情報に関する付与条件が成立した場合、ゲームのユーザにゲーム内特典が付与される。付与条件も、取引回数(成約数)が所定回数(例えば10回)以上に達したことである。また、本実施形態の例でも、付与条件の成立が、キャラクタに対応するNFTごとに判断される。付与条件の判断には、判断するキャラクタに対応するNFTの取引履歴が参照される。
【0201】
さらに、本実施形態の例でも、第4の実施形態の例と同様に、全てのキャラクタに対応するNFTのうち、特定のキャラクタに対応するNFTを対象として、付与条件が判断される。特定のキャラクタに対応するNFTは、付与対象情報を有するキャラクタに対応するNFTである。すなわち、1の特定のキャラクタに対応するNFTを対象として、譲渡した回数(取引回数)の合計が所定回数以上に達した場合、付与条件が成立となる。例えば、特定のキャラクタC1のNFTの取引履歴だけを参照して付与条件の成立が判断され、また特定のキャラクタC2のNFTの取引履歴だけを参照して付与条件の成立が判断される。また、例えば、同一の特定のキャラクタのNFTが複数存在する場合であっても、同一の特定のキャラクタに対応するNFTごとに付与条件の成立が判断される。
【0202】
そして、付与条件が成立したコンテンツに対応するNFTの現在の所有者であるユーザ及び過去に所有者であったユーザのうち、対象者条件を満たしたユーザに、ゲーム内特典が付与される。すなわち、現在の所有者及び過去に所有者のうち、サーバ装置10E(記憶部)に、ゲームユーザIDが登録されているユーザである。そして、これらユーザのうち、対象者条件を満たしたユーザにゲーム内特典が付与される。
【0203】
本実施形態の例では、ゲーム内特典及びゲーム内特典付与の構成が第4の実施形態の例と異なる。本実施形態の例では、他のシステムにおける上記ゲームに関連する特典がゲーム内特典として付与される。他のシステムは、上記ゲームに関連する所定のサービスを各ユーザに提供可能なシステムである。本実施形態の例では、Discordにおける上記ゲームのサーバでの所定のロールが、ゲーム内特典として付与される。Discordのサーバは、ボイスチャンネル等で成り立つネットワーク上のコミュニティを意味する。Discordは、他のシステム40(
図16参照)に該当する。
【0204】
本実施形態の例のDiscordの上記ゲームのサーバは、例えば、上記ゲームの運営者が作成した(管理する)上記ゲームに関するコミュニティである。ロールは、上記サーバ内での役職(役割)を意味し、ロールの種類ごとに上記サーバ内での権限が設定可能である。
【0205】
上述の所定のロールは、Discordの上記ゲームのサーバにおいて、公開スレッドの作成を行える権限等が設定されたロールである。
【0206】
対象者条件は、第4の実施形態の例と同様に、付与条件が成立してから所定期間(例えば1か月間)内にログインした(ゲームをプレイした)ユーザである。すなわち、該当するNFTの現在の所有者であるユーザ及び過去に所有者であったゲームのユーザが、上記所定期間内にログインした場合にゲーム内特典が付与される。具体的には、ゲームシステム100E(サーバ装置10E)は、ユーザのログイン時に所定のロール(ゲーム内特典)の設定要求(付与要求)を他のシステム40に送信すればよい。より具体的には、ゲームシステム100E(サーバ装置10E)は、所定のAPI(Application Programming Interface)経由でユーザに所定のロールを設定する指示を他のシステム40に行えばよい。
【0207】
図16は、本発明の一の実施形態におけるゲームシステム100の例であるゲームシステム100Eの構成の例を示すブロック図である。
図16に示すように、システム100Eは、サーバ装置10Eと、ビデオゲーム(ゲーム)をプレイする複数のユーザ(プレイヤ)がそれぞれ使用する端末装置20,201~20N(Nは任意の整数)とを含む。サーバ装置10Eと複数の端末装置20,201~20Nとは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク15に接続されている。
【0208】
また、システム100Eには、ブロックチェーンネットワーク30も含まれる。さらに、システム100E(サーバ装置10E)は、他のシステム40と通信ネットワーク15を介して通信可能に連携する。他のシステム40は、上述したように、上記ゲームに関連する所定のサービスを各ユーザに提供可能なシステムである。本実施形態の例では、Discordが他のシステム40に該当する。他のシステム40は、APIを備える。そして、他のシステム40は、API経由で上記ゲームのサーバにおける所定のロールをユーザに付与する指示を、サーバ装置10Eから受け付ける。
【0209】
図17は、サーバ装置10の例であるサーバ装置10Eの構成を示すブロック図である。本実施形態の例において、サーバ装置10Eは、発行部11E、取得部12E及び付与部13Eを少なくとも備える。
【0210】
発行部11Eは、第4の実施形態の例の発行部11Dと同様であり、コンテンツ(キャラクタ)の取得者(購入者)であるユーザを所有者として、このキャラクタに対応するNFTを発行する。発行部11Eは、販売機能も有する。発行部11Eは、例えば、販売可能なキャラクタの一覧のゲーム画像を、ユーザの端末装置20,201~20Nに表示させる。ユーザは、自身の端末装置を操作して購入希望のキャラクタを選択すればよい。なお、販売するコンテンツに関する情報は、サーバ装置10Eの記憶部に記憶しておけばよい。
【0211】
発行部11Eは、選択されたキャラクタの購入要求をユーザ(端末装置)から受け付けた場合、このユーザが所持するゲーム内通貨での支払処理(課金処理)を行う。課金処理の完了後、発行部11Eは、購入されたコンテンツに対応するNFTの発行要求をブロックチェーンネットワーク30に送信する。発行部11Eは、NFTの発行要求とともに、ゲームのキャラクタであることを特定する情報、所有者を特定する情報、付与対象情報等を、ブロックチェーンネットワーク30に送信(アップロード)する。これにより、ブロックチェーンネットワーク30において、キャラクタに対応するNFTが発行される。そして、発行部11Eは、キャラクタに対応するNFTを購入者(ユーザ)のウォレット(端末装置)に送る。
【0212】
ゲームのキャラクタであることを特定する情報には、例えば、本実施形態の例のゲームを特定する識別情報(ゲームID)及びキャラクタを特定する識別情報(キャラクタID)が含まれる。各識別情報は、サーバ装置10Dの記憶部に記憶されている。
【0213】
所有者を特定する情報は、コンテンツを購入(取得)したユーザの識別情報(ユーザID)である。ユーザIDは、例えば、ユーザ(端末装置)のウォレットアドレスである。ユーザIDは、ユーザのユーザデータに含めてサーバ装置10Dでも記憶される。
【0214】
ユーザデータは、ユーザのゲームに関するデータであり、ユーザごとにサーバ装置10Dの記憶部に記憶されている。ユーザデータは、第4の実施形態の例とほぼ同様であるが、
図18に示すようにユーザID2が含まれる点で異なる。すなわち、本実施形態の例のユーザデータは、ゲームユーザID、所有NFTキャラクタ、所有アイテム、ユーザID、ユーザID2等のフィールドから構成される。ユーザID2のフィールドには、ユーザの他のシステム40におけるユーザIDが設定される。
【0215】
次に、付与対象情報は、第4の実施形態の例と同様であり、ゲーム内特典の付与対象のコンテンツ(特定のキャラクタ)を示す識別情報である。付与対象情報は、キャラクタIDに対応付けてサーバ装置10Eの記憶部に記憶されている。発行部11Eは、購入されたキャラクタ(キャラクタID)に付与対象情報が対応付けられていた場合、付与対象情報も含めて発行要求をブロックチェーンネットワーク30に送信(アップロード)する。一方、購入されたキャラクタ(キャラクタID)に付与対象情報が対応付けられていない場合、付与対象情報を除いて、発行要求がブロックチェーンネットワーク30に送信される。
【0216】
取得部12Eは、第4の実施形態の例の取得部12Dと同様であり、ブロックチェーンネットワーク30において、キャラクタに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する。取引情報は、上述した取引履歴である。取得部12Eは、ゲームを特定する識別情報及び付与対象情報を有するブロックチェーンの取引履歴の送信要求を、ブロックチェーンネットワーク30に行う。
【0217】
付与部13Eは、二次流通の取引情報に関する付与条件が成立した場合、ゲームのユーザにゲーム内特典を付与する。上述したように、付与条件は、取引回数(成約数)が所定回数(例えば10回)以上に達したことである。付与部13Eは、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴ごとに、付与条件を判断する。すなわち、1の特定のコンテンツに対応するNFTを対象として、譲渡した回数の合計が所定回数以上に達した場合、付与条件が成立と判断される。付与部13Eは、全ての特定のコンテンツに対応するNFTのそれぞれについて、付与条件の成立を判断する。
【0218】
ゲーム内特典が付与される対象は、対象者条件を満たし、且つ、付与条件が成立した特定のキャラクタに対応するNFTの現在の所有者であるユーザ及び過去に所有者であったユーザである。対象者条件には、付与条件が成立してから所定期間(例えば1か月間)内にログインした(ゲームをプレイした)ユーザである。付与部13Eは、該当するユーザがログインした場合、ログインした現在が所定期間内であるか否か(対象者条件)を判断する。付与部13Eは、ログインした現在が所定期間内であれば、該当するユーザにゲーム内特典を付与する。具体的には、付与部13Eは、該当するユーザのユーザデータ(ユーザID2)の他のシステム40のユーザIDを取得する。また、付与部13Eは、他のシステム40のユーザID、所定のロールの識別情報とともに、このロール(ゲーム内特典)の付与要求を他のシステム40に送信する。より具体的には、付与部13Eは、他のシステム40のユーザID及び所定のロールの識別情報等を入力情報とし、API経由でユーザに所定のロールを設定する指示を他のシステム40に行う。
【0219】
図19は、システム100が実行する付与処理の例を示すフローチャートである。本実施形態の例における付与処理は、ゲーム内特典を付与するための処理が行われる。なお、
図19においては、主として、取引情報を取得するための処理及びゲーム内特典をユーザに付与するための処理について説明し、その他の処理は一部省略している場合がある。
【0220】
本実施形態の例の付与処理は、例えば、所定期間の経過(例えば24時間経過)ごとに繰り返し実行される。
【0221】
サーバ装置10Eは、取引履歴の取得処理を実行する(ステップS10-E)。取得処理では、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴の送信要求がブロックチェーンネットワーク30に行われる。具体的には、サーバ装置10Eが、ゲームを特定する識別情報(ゲームID)及び付与対象情報とともに、取引履歴の送信要求をブロックチェーンネットワーク30に送信する。これにより、ブロックチェーンネットワーク30から、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴だけがサーバ装置10Eに送信される。
【0222】
次に、サーバ装置10Eは、付与条件を判断していない1のNFTの取引履歴を選択する(ステップS10-2E)。そして、サーバ装置10Eは、選択した1のNFTの取引履歴を参照して、付与条件が成立したか否かを判断する(ステップS11-2E)。付与条件が成立していない場合(ステップS11-E:NO)、サーバ装置1Eは、ステップS13-Eの処理に移行する。
【0223】
一方、付与条件が成立した場合(ステップS11-E:YES)、サーバ装置10Eは、付与実行処理Aを実行する(ステップS12-E)。付与実行処理Aでは、ゲーム内特典がユーザに付与されるための処理が実行される。サーバ装置10Eは、ステップ10-2Eの処理で選択した取引履歴を参照し、この取引履歴のキャラクタに対応するNFTの現在の所有者のユーザ(ユーザID)と、過去に所有者であったユーザ(ユーザID)とを特定する。そして、サーバ装置10Eは、上記特定されたユーザ(ユーザID)のうち、所定期間が経過するまでにログインを行ったユーザに対してゲーム内特典が付与されるように設定を行う。具体的には、サーバ装置10Eは、所定期間の開始時期から終了時期と、ゲーム内特典の付与予定のユーザである上記特定されたユーザ(ユーザID)のゲームユーザIDとを記憶部に設定する。
【0224】
次に、サーバ装置10Eは、全ての特定のコンテンツに対応するNFTについて付与条件の判断が終了したか否かを判断する(ステップS13-E)。終了していないと判断した場合(ステップS13-E:NO)、サーバ装置10Eは、ステップS10-2Eの処理に戻って、新たに、付与条件を判断していない1のNFTの取引履歴を選択する。一方、終了したと判断した場合(ステップS13-E:YES)、サーバ装置10Eは、付与処理を終了する。
【0225】
図20は、システム100が実行するログイン処理の例を示すフローチャートである。本実施形態の例におけるログイン処理は、ユーザを認証するための処理が行われる。なお、
図20においては、主として、ゲーム内特典をログインしたユーザに付与するための処理について説明し、その他の処理は一部省略している場合がある。以下、サーバ装置10Eと、ユーザPの端末装置20とがログイン処理を実行する場合を例にして説明する。
【0226】
本実施形態の例のログイン処理は、例えば、端末装置20がログイン要求をした場合に実行が開始される。なお、端末装置20は、例えば、ユーザPのゲームユーザID及び認証パスワード等の認証情報とともに、ログイン要求をサーバ装置10Eに送信する。
【0227】
サーバ装置10Eは、ログインを許可するか否かを判断する(ステップS20)。サーバ装置10Eは、例えば、受信した認証情報と、記憶部に記憶されているユーザデータに含まれるユーザID等と対比して認証を行えばよい。ログインを許可しない場合(ステップS20:NO)、サーバ装置10Eは、例えば、ログイン不可の結果を報知する画像情報を端末装置20に送信すればよい(ステップS23)。その後、サーバ装置10Eは、ログイン処理を終了する。
【0228】
一方、ログインを許可する場合(ステップS20:YES)、サーバ装置10Eは、例えば、ログイン許可の結果を報知する画像情報を端末装置20に送信すればよい(ステップS21)。次に、サーバ装置10Eは、付与実行処理Bを実行する(ステップS22-E)。付与実行処理Bでは、現在が所定期間内である場合、ゲーム内特典の付与予定のユーザに、ゲーム内特典が付与される。例えば、現在が所定期間内であり、且つ、ユーザP(ゲームユーザID)がゲーム内特典の付与予定のユーザ(ゲームユーザID)に該当する場合、ユーザPにゲーム内特典が付与される。具体的には、サーバ装置10Eは、ユーザデータ(ユーザID2)を参照し、ユーザPの他のシステム40のユーザIDを取得する。また、サーバ装置10Eは、他のシステム40のユーザID、所定のロールの識別情報とともに、所定のロール(ゲーム内特典)の設定要求を他のシステム40に送信する。より具体的には、サーバ装置10Eは、他のシステム40のユーザID及び所定のロールの識別情報等を入力情報とし、ユーザにロールを設定する指示をAPI(他のシステム40)に行う。APIは例えばURLにより特定可能である。その後、サーバ装置10Eは、他のシステム40から設定完了(ゲーム内特典付与)の情報を受信する。また、付与実行処理Bでは、ゲーム内特典が付与された場合、例えば、ゲーム内特典が付与された旨を報知するための画像情報がサーバ装置10Eから端末装置20に送信される。その後、サーバ装置10Eは、ログイン処理を終了する。なお、サーバ装置10Eは、現在が所定期間内でない場合、又は、ログインしたユーザが付与候補ではない場合には、ゲーム内特典を付与することなく付与実行処理Bを終了する。
【0229】
なお、ゲーム内特典の付与は1度だけである。サーバ装置10Eは、例えば、ゲーム内特典を付与したユーザ(ゲームユーザID)を記憶部に記憶しておけばよい。そして、サーバ装置10Eは、ログインしたユーザのゲームユーザIDが、既にゲーム内特典を付与したゲームユーザIDに含まれていれば、ゲーム内特典を付与することなく付与実行処理Bを終了すればよい。
【0230】
一方、端末装置20は、ゲームの実行終了まで(ステップS41:YES)、サーバ装置10Eから受信した画像情報等に基づくゲーム画像を表示部に表示する(ステップS40)。そして、端末装置20は、ゲーム内特典が付与された場合、ゲーム内特典が付与された旨を報知するゲーム画像を表示する。
【0231】
なお、
図20に示すログイン処理では、端末装置20に関して説明したが、他のユーザ(端末装置)に対しても同様の処理が行われる。
【0232】
以上のように、第5の実施形態の一側面として、サーバ装置10Eが、発行部11E、取得部12E及び付与部13Eを備える構成としているので、ゲーム内のコンテンツに対応するNFTの取引状況に応じて、ゲーム内特典が付与される。したがって、NFTの取り引きとゲームのプレイとが、より関連付けられた構成となり、ゲームの趣向性を向上させることができる。
【0233】
また、取得する取引情報(取引状況)が、特定のコンテンツに対応するNFTに限定されているので、ブロックチェーンネットワーク30から取得するデータ量が低減される。したがって、ブロックチェーンネットワーク30の処理負担の増大を抑制できる。
【0234】
さらに、ゲーム内で用いられるコンテンツに対応するNFTの取り引きに関わったユーザに対してゲーム内特典が付与されるので、NFTの取り引き及びゲームのプレイの両方に対してユーザの実行意欲を向上させることができる。
【0235】
また、ゲーム内特典として、他のシステム40における上記ゲームに関連する特典(所定のロール)が付与されるので、ゲームをプレイするユーザのモチベーション向上に寄与したりする。
【0236】
なお、上述の実施形態の例では、現在の所有者であるユーザ及び過去に所有者であったユーザにゲーム内特典が付与される構成が説明されたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、現在の所有者であるユーザのみであってもよく、過去の所有者のみであってもよい。さらに、他の条件を追加してもよい。例えば、過去の所有者のうち、コンテンツに対応するNFTの最初の所有者のみにゲーム内特典を付与してもよい。また、例えば、過去の所有者のうち、付与条件が成立して所定期間内にゲームにログインしたユーザのみにゲーム内特典を付与してもよい。
【0237】
上述の実施形態の例のビデオゲームは、キャラクタ等のコンテンツが用いられるゲームであれば、種々のジャンルのゲームを採用可能である。
【0238】
上述の実施形態の例のコンテンツ(キャラクタ)は、同一のコンテンツが複数あってもよく、また、異なる種類のコンテンツがあってもよい。
【0239】
上述の実施形態の例の発行部は、NFT発行要求を行ってブロックチェーンネットワークにNFTを発行してもらう構成であっても、自らNFTを発行する構成であってもどちらでもよい。また、所有者がゲームの運営者である発行済のコンテンツに対応するNFTを、ユーザに譲渡する構成も発行部によるNFTの発行に含まれる。
【0240】
上述の実施形態の例では、ゲーム内のコンテンツがユーザに購入されることによって、NFTが発行される構成について説明したが、NFTの発行対象は特にこれに限定されるものではない。ユーザによって獲得されるコンテンツであればよく、例えば、ゲームのプレイ結果によってユーザに取得(付与)されるコンテンツであってもよい。
【0241】
上述の実施形態の例では、取引情報として取引履歴の取引回数について説明したが、二次流通の取引に関連する情報であれば、特にこれに限定されるものではない。例えば、取引価格であってもよい。取引価格は、ブロックチェーンの取引履歴に含まれている。この場合、例えば、取引価格の総額が所定金額以上に達成したことを付与条件とすればよい。また、例えば、所定の取引価格以上で成立した取り引きがあったことを付与条件としてもよい。
【0242】
上述の実施形態の例では、付与条件は、1の条件のみであったが、複数の条件が含まれるようにしてもよい。例えば、条件A,B,Cが付与条件としてもよい。この場合、条件A,B,Cのうち、いずれか1つの条件が成立した場合、付与条件が成立したとしてゲーム内特典を付与してもよい。あるいは、条件A,B,Cの全ての条件が成立した場合、付与条件が成立したとしてゲーム内特典を付与してもよい。また、付与条件は、定期的に変更してもよい。
【0243】
上述の実施形態の例では、他のシステムにおける上記ゲームに関連する特典(ゲーム内特典)として所定のロールが付与されるが、特にこれに限定されるものではない。例えば、他のシステムにおけるゲームに関連するコミュニティへの参加資格の付与などであってもよい。
【0244】
上述の実施形態の例では、他のシステムとしてDiscordが適用されていたが、特にこれに限定されるものではない。他のシステムは、上記ゲームに関連する所定のサービスを各ユーザに提供可能なシステムであれば任意のシステムを適用可能である。例えば、「Element」等のコミュニケーションプラットフォームがある。
【0245】
上述の実施形態の例では、過去から現在までの全期間に関して、コンテンツに対応するNFTの取引情報が用いられているが、特にこれに限定されるものではない。特定の期間(例えば現在から1年前までの期間)の取引情報を用いて付与条件が判断されてもよい。
【0246】
上述の実施形態の例では、対象者条件が設けられているが、対象者条件を設けずに、ゲームのユーザ全員をゲーム内特典の付与対象としてもよい。また、対象者条件は、付与条件と同様、複数の条件が含まれるようにしてもよい。例えば、特定のコンテンツに対応するNFTを所有している条件を対象者条件に含めてもよい。特定のコンテンツは、例えば、本実施形態の例の付与対象情報を含むコンテンツ(キャラクタ)に対応するNFTとしてもよい。
【0247】
上述の実施形態の例における所定期間の開始時期及び終了時期は、付与条件が成立した以降であれば、いつでもよい。
【0248】
上述の実施形態の例では、特定のコンテンツに対応するNFTの取引履歴を取得しているが、特にこれに限定されるものではない。サーバ装置は、全てのコンテンツに対応するNFTの取引履歴を取得し、必要な取引履歴だけを参照して付与条件を判断してもよい。
【0249】
上述の実施形態の例では、サーバ装置の運営主体と、ブロックチェーンネットワークの運営主体とが異なっていても、同一であってもどちらでもよい。
【0250】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
【0251】
[1]
ゲーム内で用いられる1以上のコンテンツが含まれるビデオゲームの進行を制御する機能をコンピュータに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、ブロックチェーンネットワークにおいて前記コンテンツに対応するノンファンジブルトークン(以下、NFTと称する)を発行する発行機能、
前記ブロックチェーンネットワークにおいて、前記コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する取得機能、
前記取引情報に関する付与条件が成立した場合、前記ビデオゲームのユーザにゲーム内特典を付与する付与機能、
を実現させるビデオゲーム処理プログラム。
【0252】
[2]
前記取引情報には、前記コンテンツに対応するNFTの譲渡人及び譲受者の識別情報が含まれ、
前記付与機能では、前記取引情報に関して付与条件が成立した前記コンテンツに対応するNFTについて、現在の所有者であるユーザ又は/及び過去に所有者であったユーザに前記ゲーム内特典を付与する機能、
を実現させる[1]にビデオゲーム処理プログラム。
【0253】
[3]
前記付与条件には、前記コンテンツに対応するNFTの取引回数が所定回数に達したことが含まれ、
前記付与機能では、前記付与条件が成立した場合、所定期間中にゲームにログインしたユーザに、前記ゲーム内特典を付与する機能、
を実現させる[1]にビデオゲーム処理プログラム。
【0254】
[4]
前記コンピュータに、前記ビデオゲームに関連する所定のサービスを各ユーザに提供可能な他のシステムと通信ネットワークを介して通信可能に連携させ、
前記ゲーム内特典は、前記他のシステムにおける前記ビデオゲームに関連する特典を含む、
[1]に記載のビデオゲーム処理プログラム。
【0255】
[5]
前記付与機能では、前記付与条件が成立した場合、前記ビデオゲームのユーザの前記他のシステムにおける識別情報を含めて、前記ビデオゲームに関連する特典の付与要求を該他のシステムに送信する機能、
を実現させる[4]に記載のビデオゲーム処理プログラム。
【0256】
[6]
前記コンテンツは、複数あり、
前記発行機能では、前記複数のコンテンツのうち、前記ゲーム内特典の付与対象のコンテンツに対して付与対象情報を対応付けてNFTを発行する機能、
前記取得機能では、前記コンテンツに対応するNFTのうち、前記付与対象情報が対応付けられているNFTの前記取引情報を取得する機能、
を実現させる[1]~[3]のいずれかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【0257】
[7]
前記発行機能では、付与されるユーザを所有者として、前記ゲーム内特典に対応するNFTを発行する機能、
を実現させる[1]~[3]のいずれかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【0258】
[8]
前記付与機能では、前記ビデオゲームのユーザのうち対象者条件を満たすユーザにゲーム内特典を付与する機能、
を実現させる[1]~[7]のいずれかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【0259】
[9]
前記取引情報には、前記コンテンツに対応するNFTの取引日時が含まれ、
前記付与機能では、所定期間内での取引情報に基づいて、前記付与条件を判定する機能、
を実現させる[1]~[8]にビデオゲーム処理プログラム。
【0260】
[10]
[1]~[9]のうちのいずれかに記載のビデオゲーム処理プログラムがインストールされたサーバ装置。
【0261】
[11]
ゲーム内で用いられる1以上のコンテンツが含まれるビデオゲームを実行するゲーム端末装置と通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置に、該ビデオゲームの進行を制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバ装置に、
前記コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、ブロックチェーンネットワークにおいて前記コンテンツに対応するノンファンジブルトークン(以下、NFTと称する)を発行する発行機能、
前記ブロックチェーンネットワークにおいて、前記コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する取得機能、
前記取引情報に関する付与条件が成立した場合、前記ビデオゲームのユーザにゲーム内特典を付与する付与機能、
を実現させるビデオゲーム処理プログラム。
【0262】
[12]
前記取引情報には、前記コンテンツに対応するNFTの譲渡人及び譲受者の識別情報が含まれ、
前記付与機能では、前記取引情報に関して付与条件が成立した前記コンテンツに対応するNFTについて、現在の所有者であるユーザ又は/及び過去に所有者であったユーザに前記ゲーム内特典を付与する機能、
を実現させる[11]にビデオゲーム処理プログラム。
【0263】
[13]
前記付与条件には、前記コンテンツに対応するNFTの取引回数が所定回数に達したことが含まれ、
前記付与機能では、前記付与条件が成立した場合、所定期間中にゲームにログインしたユーザに、前記ゲーム内特典を付与する機能、
を実現させる[11]にビデオゲーム処理プログラム。
【0264】
[14]
前記サーバ装置に、前記ビデオゲームに関連する所定のサービスを各ユーザに提供可能な他のシステムと通信ネットワークを介して通信可能に連携させ、
前記ゲーム内特典は、前記他のシステムにおける前記ビデオゲームに関連する特典を含む、
[11]に記載のビデオゲーム処理プログラム。
【0265】
[15]
前記付与機能では、前記付与条件が成立した場合、前記ビデオゲームのユーザの前記他のシステムにおける識別情報を含めて、前記ビデオゲームに関連する特典の付与要求を該他のシステムに送信する機能、
を実現させる[14]に記載のビデオゲーム処理プログラム。
【0266】
[16]
前記コンテンツは、複数あり、
前記発行機能では、前記複数のコンテンツのうち、前記ゲーム内特典の付与対象のコンテンツに対して付与対象情報を対応付けてNFTを発行する機能、
前記取得機能では、前記コンテンツに対応するNFTのうち、前記付与対象情報が対応付けられているNFTの前記取引情報を取得する機能、
を実現させる[11]~[13]のいずれかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【0267】
[17]
前記発行機能では、付与されるユーザを所有者として、前記ゲーム内特典に対応するNFTを発行する機能、
を実現させる[11]~[13]のいずれかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【0268】
[18]
前記付与機能では、前記ビデオゲームのユーザのうち対象者条件を満たすユーザにゲーム内特典を付与する機能、
を実現させる[11]~[17]のいずれかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【0269】
[19]
前記取引情報には、前記コンテンツに対応するNFTの取引日時が含まれ、
前記付与機能では、所定期間内での取引情報に基づいて、前記付与条件を判定する機能、
を実現させる[11]~[18]のいずれかにビデオゲーム処理プログラム。
【0270】
[20]
ゲーム内で用いられる1以上のコンテンツが含まれるビデオゲームを実行するゲーム端末装置と、該ゲーム端末装置と通信ネットワークを介して接続されて該ビデオゲームの進行を制御するサーバ装置と、を備えたゲームシステムであって、
前記コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、ブロックチェーンネットワークにおいて前記コンテンツに対応するノンファンジブルトークン(以下、NFTと称する)を発行する発行手段、
前記ブロックチェーンネットワークにおいて、前記コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する取得手段、
前記取引情報に関する付与条件が成立した場合、前記ビデオゲームのユーザにゲーム内特典を付与する付与手段、
を含むゲームシステム。
【0271】
[21]
前記取引情報には、前記コンテンツに対応するNFTの譲渡人及び譲受者の識別情報が含まれ、
前記付与手段は、前記取引情報に関して付与条件が成立した前記コンテンツに対応するNFTについて、現在の所有者であるユーザ又/及びは過去に所有者であったユーザに前記ゲーム内特典を付与する、
を[20]に記載のゲームシステム。
【0272】
[22]
前記付与条件には、前記コンテンツに対応するNFTの取引回数が所定回数に達したことが含まれ、
前記付与手段は、前記付与条件が成立した場合、所定期間中にゲームにログインしたユーザに、前記ゲーム内特典を付与する、
[20]にゲームシステム。
【0273】
[23]
前記ビデオゲームに関連する所定のサービスを各ユーザに提供可能な他のシステムと通信ネットワークを介して通信可能に連携し、
前記ゲーム内特典は、前記他のシステムにおける前記ビデオゲームに関連する特典を含む、
[20]に記載のゲームシステム。
【0274】
[24]
前記付与手段は、前記付与条件が成立した場合、前記ビデオゲームのユーザの前記他のシステムにおける識別情報を含めて、前記ビデオゲームに関連する特典の付与要求を該他のシステムに送信する、
[23]に記載のゲームシステム。
【0275】
[25]
前記コンテンツは、複数あり、
前記発行手段は、前記複数のコンテンツのうち、前記ゲーム内特典の付与対象のコンテンツに対して付与対象情報を対応付けてNFTを発行し、
前記取得手段は、前記コンテンツに対応するNFTのうち、前記付与対象情報が対応付けられているNFTの前記取引情報を取得する、
[20]~[22]のいずれかに記載のゲームシステム。
【0276】
[26]
前記発行手段は、付与されるユーザを所有者として、前記ゲーム内特典に対応するNFTを発行する、
[20]~[22]のいずれかに記載のゲームシステム。
【0277】
[27]
前記付与手段は、前記ビデオゲームのユーザのうち対象者条件を満たすユーザにゲーム内特典を付与する、
[20]~[26]のいずれかに記載のゲームシステム。
【0278】
[28]
前記取引情報には、前記コンテンツに対応するNFTの取引日時が含まれ、
前記付与手段は、所定期間内での取引情報に基づいて、前記付与条件を判定する、
[20]~[27]のいずれかに記載のゲームシステム。
【0279】
[29]
コンピュータに、ゲーム内で用いられる1以上のコンテンツが含まれるビデオゲームの進行を制御させるゲーム進行制御方法であって、
前記コンテンツの取得者であるユーザを所有者として、ブロックチェーンネットワークにおいて前記コンテンツに対応するノンファンジブルトークン(以下、NFTと称する)を発行する発行処理、
前記ブロックチェーンネットワークにおいて、前記コンテンツに対応するNFTそれぞれの二次流通の取引情報を取得する取得処理、
前記取引情報に関する付与条件が成立した場合、前記ビデオゲームのユーザにゲーム内特典を付与する付与処理、
を含むビデオゲーム処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0280】
本発明の実施形態の一つによれば、ビデオゲームにおいて、NFTの取り引きとゲームのプレイとが、より関連付けられ、ゲームの趣向性を向上させるのに有用である。
【符号の説明】
【0281】
10 サーバ装置
11 発行部
12 取得部
13 付与部
20 端末装置
30 ブロックチェーンネットワーク
100 ゲームシステム