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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086553
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/18 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
H05K3/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134906
(22)【出願日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0177095
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 榮 均
【テーマコード(参考)】
5E343
【Fターム(参考)】
5E343AA02
5E343AA15
5E343AA17
5E343AA18
5E343BB23
5E343BB24
5E343BB25
5E343CC62
5E343DD43
5E343DD76
5E343ER25
5E343ER26
5E343GG11
(57)【要約】
【課題】製造工程が簡単であり、工程問題の発生を最小化できる回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による回路基板は、絶縁層と、絶縁層上に位置する導電パッドと、絶縁層上に配置され、導電パッドに接続されるメッキ引込線と、絶縁層上に配置され、導電パッドと重畳する第1開口部と、第1開口部と離隔する第2開口部と、を含むソルダレジスト層と、を有し、メッキ引込線は、導電パッドから第2開口部の一側壁まで延長され、第2開口部と重畳する絶縁層の第2部分の厚さは、第1開口部と重畳する絶縁層の第1部分の厚さよりも薄い。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層上に位置する導電パッドと、
前記絶縁層上に配置され、前記導電パッドに接続されるメッキ引込線と、
前記絶縁層上に配置され、前記導電パッドと重畳する第1開口部と、前記第1開口部と離隔する第2開口部と、を含むソルダレジスト層と、を有し、
前記メッキ引込線は、前記導電パッドから前記第2開口部の一側壁まで延長され、
前記第2開口部と重畳する前記絶縁層の第2部分の厚さは、前記第1開口部と重畳する前記絶縁層の第1部分の厚さよりも薄いことを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記メッキ引込線は、前記第2開口部と平面上重畳しないことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記絶縁層は、互いに対向する第1面及び第2面を含み、
前記絶縁層の前記第2面を基準とする、前記絶縁層の前記第2部分の第1面の高さは、前記絶縁層の前記第1部分の第1面の高さよりも低いことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記絶縁層の前記第2部分の表面粗さは、前記絶縁層の前記第1部分の表面粗さよりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記メッキ引込線の一端部は、前記第2開口部の一側壁と平面上同一線上に位置することを特徴とする請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記導電パッドを覆う補助パッドをさらに有し、
前記補助パッドは、前記第1開口部と重畳することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項7】
前記補助パッドは、メッキ層を含むことを特徴とする請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
絶縁層上に、メッキ接続配線と、前記メッキ接続配線に接続される導電パッドとを形成する段階と、
前記絶縁層上に前記導電パッドと重畳する第1開口部を有するソルダレジスト層を形成する段階と、
レーザ加工工程を用いて、前記メッキ接続配線と重畳する前記ソルダレジスト層の一部を除去して第2開口部を形成する段階と、
前記レーザ加工工程を用いて、前記第2開口部と重畳する前記メッキ接続配線の一部を除去してメッキ引込線を形成する段階と、を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項9】
前記第2開口部と重畳する前記絶縁層の第2部分の厚さは、前記第1開口部と重畳する前記絶縁層の第1部分の厚さよりも薄く形成されることを特徴とする請求項8に記載の回路基板の製造方法。
【請求項10】
前記メッキ引込線を形成する段階は、前記導電パッドと直接接続されない前記メッキ接続配線の一部を除去する段階を含むことを特徴とする請求項8に記載の回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記メッキ接続配線及び前記導電パッドは、フォトエッチング工程で形成されることを特徴とする請求項8に記載の回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記絶縁層の前記第2部分の表面粗さは、前記絶縁層の前記第1部分の表面粗さよりも大きく形成されることを特徴とする請求項8に記載の回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記メッキ引込線の一端部は、前記第2開口部の一側壁と平面上同一線上に位置することを特徴とする請求項8に記載の回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記第2開口部を形成する段階は、前記レーザ加工工程を用いて、前記第2開口部を形成した後に、前記メッキ接続配線の一部を除去する段階を含むことを特徴とする請求項8に記載の回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記第2開口部を形成する段階は、前記レーザ加工工程を用いて、前記第2開口部を形成すると同時に、前記メッキ接続配線の一部を除去する段階を含むことを特徴とする請求項8に記載の回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記導電パッドを覆う補助パッドを形成する段階をさらに有し、
前記補助パッドは、前記メッキ接続配線及び前記導電パッドに電気的信号を印加するメッキ工程を用いて形成することを特徴とする請求項8に記載の回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板及びその製造方法に関し、特に製造工程が簡単であり、工程問題の発生を最小化できる回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板を製造する場合、任意のメッキ接続配線を導電パッドに接続して導電パッドの表面にメッキを実行し、電気検査前にメッキ接続配線を分離するエッチバック(Etch back)という工程を実行している。
【0003】
エッチバック(Etch back)工程において、感光フィルムマスキング(Dry film masking)工程又は感光インクマスキング(LPR ink masking)工程を用いているが、感光フィルムマスキング工程又は感光インクマスキング工程は、製造工程が複雑であり、回路基板のパターン設計に制約がある。
また、感光フィルムマスキング工程又は感光インクマスキング工程では、感光フィルム又は感光インクの残留物(residue)によって工程問題が発生する可能性が高いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-140085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の回路基板及びその製造方法における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、製造工程が簡単であり、工程問題の発生を最小化できる回路基板及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層上に位置する導電パッドと、前記絶縁層上に配置され、前記導電パッドに接続されるメッキ引込線と、前記絶縁層上に配置され、前記導電パッドと重畳する第1開口部と、前記第1開口部と離隔する第2開口部と、を含むソルダレジスト層と、を有し、前記メッキ引込線は、前記導電パッドから前記第2開口部の一側壁まで延長され、前記第2開口部と重畳する前記絶縁層の第2部分の厚さは、前記第1開口部と重畳する前記絶縁層の第1部分の厚さよりも薄いことを特徴とする。
【0007】
前記メッキ引込線は、前記第2開口部と平面上重畳しないことが好ましい。
前記絶縁層は、互いに対向する第1面及び第2面を含み、前記絶縁層の前記第2面を基準とする、前記絶縁層の前記第2部分の第1面の高さは、前記絶縁層の前記第1部分の第1面の高さよりも低いことが好ましい。
前記絶縁層の前記第2部分の表面粗さは、前記絶縁層の前記第1部分の表面粗さよりも大きいことが好ましい。
前記メッキ引込線の一端部は、前記第2開口部の一側壁と平面上同一線上に位置することが好ましい。
前記導電パッドを覆う補助パッドをさらに有し、前記補助パッドは、前記第1開口部と重畳することが好ましい。
前記補助パッドは、メッキ層を含むことが好ましい。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による回路基板の製造方法は、絶縁層上に、メッキ接続配線と、前記メッキ接続配線に接続される導電パッドとを形成する段階と、前記絶縁層上に前記導電パッドと重畳する第1開口部を有するソルダレジスト層を形成する段階と、レーザ加工工程を用いて、前記メッキ接続配線と重畳する前記ソルダレジスト層の一部を除去して第2開口部を形成する段階と、前記レーザ加工工程を用いて、前記第2開口部と重畳する前記メッキ接続配線の一部を除去してメッキ引込線を形成する段階と、を有することを特徴とする。
【0009】
前記第2開口部と重畳する前記絶縁層の第2部分の厚さは、前記第1開口部と重畳する前記絶縁層の第1部分の厚さよりも薄く形成されることが好ましい。
前記メッキ引込線を形成する段階は、前記導電パッドと直接接続されない前記メッキ接続配線の一部を除去する段階を含むことが好ましい。
前記メッキ接続配線及び前記導電パッドは、フォトエッチング工程で形成することが好ましい。
前記絶縁層の前記第2部分の表面粗さは、前記絶縁層の前記第1部分の表面粗さよりも大きく形成されることが好ましい。
前記メッキ引込線の一端部は、前記第2開口部の一側壁と平面上同一線上に位置することが好ましい。
前記第2開口部を形成する段階は、前記レーザ加工工程を用いて、前記第2開口部を形成した後に、前記メッキ接続配線の一部を除去する段階を含むことが好ましい。
前記第2開口部を形成する段階は、前記レーザ加工工程を用いて、前記第2開口部を形成すると同時に、前記メッキ接続配線の一部を除去する段階を含むことが好ましい。
前記導電パッドを覆う補助パッドを形成する段階をさらに有し、前記補助パッドは、前記メッキ接続配線及び前記導電パッドに電気的信号を印加するメッキ工程を用いて形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の回路基板及びその製造方法によれば、レーザ加工工程を用いてメッキ接続配線を切断して電気的に分離可能なため、エッチバック工程においてメッキ接続配線を分離するために別途の感光フィルム又は感光インクを使用しなくてもよいので、製造工程を単純化することができる。
したがって、回路基板の製造費用を節減することができる。
また、別途の感光フィルム又は感光インクを使用しないので、残留物の発生を防止してメッキ接続配線が分離されないなどの工程問題の発生を最小化できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による回路基板の概略構成を示す平面図である。
図2図1のII-II’線に沿って切断した断面図である。
図3図1のIII-III’線に沿って切断した断面図である。
図4】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法の一段階を示す平面図である。
図5図4のV-V’線に沿って切断した断面図である。
図6図4の次の段階を示す平面図である。
図7図6のVII-VII’線に沿って切断した断面図である。
図8図6の次の段階を示す平面図である。
図9図8のIX-IX’線に沿って切断した断面図である。
図10図8の次の段階を示す平面図である。
図11図10のXI-XI’線に沿って切断した断面図である。
図12】本発明の他の実施形態による回路基板の製造方法の一段階を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る回路基板及びその製造方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0013】
本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一又は類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
また、添付した図面は本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。
さらに、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図に示したものに限定されない。
【0014】
図面において様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層及び領域の厚さを誇張して示した。
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。さらに、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上又は下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に「上に」位置することを意味するわけではない。
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
さらに、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
また、明細書全体において、「接続される」とする時、これは2以上の構成要素が直接的に接続されることだけを意味するのではなく、2以上の構成要素が他の構成要素を介して間接的に接続されること、物理的に接続されることだけでなく、電気的に接続されること、又は位置や機能により異なる名称で称され得るが、一切を意味することができる。
以下、図面を参照して、多様な実施形態と変形例を詳細に説明する。
【0015】
図1図3を参照して、本発明の一実施形態による回路基板の概略構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による回路基板の概略構成を示す平面図であり、図2は、図1のII-II’線に沿って切断した断面図であり、図3は、図1のIII-III’線に沿って切断した断面図である。
図1図3に示すように、本発明の一実施形態による回路基板は、絶縁層100と、回路配線200と、導電パッド300と、メッキ引込線400と、ソルダレジスト層500と、補助パッド600とを含む。
【0016】
絶縁層100は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などのような熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような熱可塑性樹脂、又はこれらにガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸されたプリプレグ(Prepreg)などのような複合樹脂などを含み得る。
本実施形態において、絶縁層100は、熱硬化性樹脂の一種としてビスマレイミド(Bismaleimide)の種類とトリアジン(Triazine)樹脂とを含むBT樹脂を含むが、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な材質が可能である。
絶縁層100は、互いに対向する第1面100d及び第2面100uを含む。
本実施形態において、Z軸方向を基準として、第1面は、下部面100dであり、第2面は、上部面100uである。
【0017】
回路配線200は、絶縁層100上に配置され、電気的信号を伝達する。
本実施形態では、回路配線200の例としてビアホール(via hole)を示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な構造の回路配線が可能である。
導電パッド300は、絶縁層100上に配置され、外部配線(図示せず)に接続可能である。
導電パッド300を用いて回路基板の電気的信号を外部電子部品(図示せず)とやり取りする。
【0018】
導電パッド300は、第1開口部OH1と重畳する。
導電パッド300は、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)などの導電性物質を含み得る。
導電パッド300の幅は、外部配線との容易な接触のために、メッキ引込線400の幅より広い。
メッキ引込線400は、絶縁層100上に配置され、導電パッド300に電気的信号を伝達して導電パッド300をメッキする。
このようなメッキ引込線400は、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)などの導電性物質を含み得る。
【0019】
ソルダレジスト層500は、絶縁層100の下部面100d及び上部面100uに配置され、回路配線200及びメッキ引込線400を覆う。
ソルダレジスト層500は、ソルダレジスト(Solder resist)などの絶縁物質を含み得る。
ソルダレジスト層500は、互いに離隔する第1開口部OH1及び第2開口部OH2を有する。
第1開口部OH1は、フォトエッチング工程で形成し、第2開口部OH2は、レーザ加工工程で形成する。
このような第1開口部OH1及び第2開口部OH2によって、絶縁層100の上部面100uが露出される。
第1開口部OH1は、平面上、導電パッド300と重畳する。
この時、第1開口部OH1の内の導電パッド300と重畳しない部分には、絶縁層100の上部面100uが露出される。
【0020】
メッキ引込線400の一端部400aは、第2開口部OH2の一側壁と平面上同一線上に配置される。
メッキ引込線400の他端部400bは、導電パッド300と直接接続され、導電パッド300と一体に形成される。
メッキ引込線400は、第2開口部OH2で切断されるので、第2開口部OH2は、平面上、第1配線410及び第2配線420と重畳しない。
したがって、メッキ引込線400は、導電パッド300から第2開口部OH2の一側壁まで延長される。
レーザ加工工程を用いてソルダレジスト層500をパターニングして第2開口部OH2を形成し、第2開口部OH2の下のメッキ接続配線40(図11参照)を除去する。
つまり、電気検査前にメッキ接続配線40を分離するエッチバック工程において、レーザ加工工程を用いてメッキ接続配線40の一部を除去して電気的に分離する。
【0021】
本実施形態では、第2開口部OH2を遮断する別途の感光フィルム又は感光インクを使用せず、レーザ加工工程を用いてメッキ接続配線40の一部を除去することができる。
この時、レーザL(図11参照)は、非等方エッチングが可能なため、ソルダレジスト層500とメッキ接続配線40を同一の幅にエッチングする。
つまり、等方エッチングされるエッチング液でソルダレジスト層500とメッキ接続配線40をエッチングする場合には、ソルダレジスト層500の下に位置したメッキ接続配線40が過剰エッチングされ得る。
【0022】
したがって、メッキ接続配線40がエッチングされる幅が、ソルダレジスト層500がエッチングされる幅よりも大きい。
しかし、本実施形態では、レーザLを用いてソルダレジスト層500とメッキ接続配線40をエッチングするので、ソルダレジスト層500がエッチングされる幅と、メッキ接続配線40がエッチングされる幅とが同一である。
したがって、メッキ引込線400の一端部400aは、第2開口部OH2の一側壁と平面上同一線上に位置する。
ここで、第2開口部OH2の一側壁は、メッキ引込線400に隣接した部分である。
【0023】
このように、本実施形態では、レーザLを用いてソルダレジスト層500とメッキ接続配線40をエッチングするので、エッチング液によるメッキ接続配線40の過剰エッチングを防止することができる。
この時、第2開口部OH2と重畳する絶縁層100の第2部分120は、レーザ加工によってソルダレジスト層500及びメッキ接続配線40の一部を除去して露出するので、絶縁層100の第2部分120の上部面100uは、レーザ加工によって一部除去される。
【0024】
したがって、第2開口部OH2と重畳する絶縁層100の第2部分120の厚さt2は、第1開口部OH1と重畳する絶縁層100の第1部分110の厚さt1よりも薄い。
また、絶縁層100の下部面100dを基準として、絶縁層100の第2部分120の上部面100uの高さh2は、絶縁層100の第1部分110の上部面100uの高さh1よりも低い。
また、絶縁層100の第2部分120の上部面100uは、レーザ加工によって損傷し得る。
したがって、絶縁層100の第2部分120の表面粗さは、フォトエッチング工程によってソルダレジスト層500を除去して露出する絶縁層100の第1部分110の表面粗さよりも大きい。
【0025】
補助パッド600は、導電パッド300を覆う。
このような補助パッド600は、メッキ層を含み得る。
メッキ層は、メッキ工程によって形成され、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)などを含み得る。
【0026】
以下、図1図3とともに図4図11を参照して、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法について詳しく説明する。
図4は、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法の一段階を示す平面図であり、図5は、図4のV-V’線に沿って切断した断面図であり、図6は、図4の次の段階を示す平面図であり、図7は、図6のVII-VII’線に沿って切断した断面図であり、図8は、図6の次の段階を示す平面図であり、図9は、図8のIX-IX’線に沿って切断した断面図であり、図10は、図8の次の段階を示す平面図であり、図11は、図10のXI-XI’線に沿って切断した断面図である。
【0027】
図4及び図5に示すように、絶縁層100上に、回路配線200、メッキ接続配線40、そして導電パッド300を形成する。
回路配線200、メッキ接続配線40、そして導電パッド300は、導電層を形成した後、これをフォトエッチング工程でパターニングして形成する。
この時、メッキ接続配線40と導電パッド300は、一体に形成可能である。
次に、絶縁層100上に、回路配線200、メッキ接続配線40、そして導電パッド300を覆うレジスト層500mを形成する。
次に、マスクMを用いてレジスト層500mの一部分SR1を露光して硬化する。
次に、レジスト層500mのうち硬化しない残りの部分SR2を現像して除去する。
【0028】
図6及び図7に示すように、レジスト層500mの内の硬化しない残りの部分は、除去されて第1開口部OH1になり、このような第1開口部OH1を有するソルダレジスト層500が完成する。
ソルダレジスト層500の第1開口部OH1は、平面上、導電パッド300と重畳する。
ここで、本願のレジスト層500mは、ポジティブ感光膜であるので、露光した部分が硬化するが、露光していない部分が硬化するネガティブ感光膜を用いたレジスト層で第1開口部OH1を形成することも可能である。
本実施形態では、マスクMを用いてレジスト層500mの一部分を露光及び現像して第1開口部OH1を形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な方法でレジスト層に第1開口部OH1を形成することができる。
【0029】
図8及び図9に示すように、導電パッド300を覆う補助パッド600を形成する。
このような補助パッド600は、メッキ接続配線40及び導電パッド300に電気的信号を印加するメッキ工程を用いて形成する。
この時、補助パッド600は、第1開口部OH1と重畳して形成される。
メッキ接続配線40は、ソルダレジスト層500が覆っているので、メッキ接続配線40上には補助パッド600が形成されない。
【0030】
図10及び図11に示すように、レーザ加工工程を用いてメッキ接続配線40と重畳するソルダレジスト層500の一部を除去して第2開口部OH2を形成する。
ここで、レーザ加工工程に用いられるレーザLは、ヤグ(YAG)レーザ、二酸化炭素(CO)レーザなどを含み得る。
しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様なレーザが適用可能である。
レーザ加工工程は、レーザドリリング(laser drilling)を含み得る。
レーザドリリングは、レーザを一点に照射して熱で対象物体を溶解及び蒸発させて開口部を形成する加工方法である。
そして、ソルダレジストを含むソルダレジスト層500を除去する場合、例えば、レーザのパワーは、1W未満であり得る。
【0031】
図1図3に示すように、レーザ加工工程を進行させ続けて第2開口部OH2と重畳するメッキ接続配線40の一部を除去してメッキ引込線400を形成する。
つまり、メッキ接続配線40の内の外部配線(図示せず)と直接接続される部分を除去してメッキ接続配線400を外部配線(図示せず)と分離されるメッキ引込線400に形成する。
ここで、メッキ接続配線40の一部を除去する場合のレーザのパワーは、ソルダレジスト層500の一部を除去する場合のレーザのパワーに比べてより大きい。
例えば、銅を含むメッキ接続配線40の一部を除去する場合、レーザのパワーは、3W以上であり得る。
【0032】
第2開口部OH2と重畳する絶縁層100の第2部分120は、レーザ加工工程によってソルダレジスト層500及びメッキ接続配線40の一部を除去して露出するので、絶縁層100の第2部分120の上部面100uは、一部除去される。
したがって、第2開口部OH2と重畳する絶縁層100の第2部分120の厚さt2は、第1開口部OH1と重畳する絶縁層100の第1部分110の厚さt1よりも薄い。
また、絶縁層100の下部面100dを基準として、絶縁層100の第2部分120の上部面100uの高さh2は、絶縁層100の第1部分110の上部面100uの高さh1よりも低い。
また、絶縁層100の第2部分120の上部面100uは、レーザ加工によって損傷し得る。
【0033】
したがって、絶縁層100の第2部分120の表面粗さは、フォトエッチング工程によってソルダレジスト層500を除去して露出する絶縁層100の第1部分110の表面粗さより大きい。
さらに、上記で説明したように、レーザLは非等方エッチングが可能なため、ソルダレジスト層500とメッキ接続配線40を同一の幅でエッチングする。
したがって、メッキ引込線400の一端部400aは、第2開口部OH2の一側壁と平面上同一線上に位置する。
【0034】
このように、本実施形態では、レーザ加工工程を用いてメッキ接続配線40を切断して外部配線と電気的に分離可能なため、エッチバック工程においてメッキ接続配線40を分離するために別途の感光フィルム又は感光インクを使用しなくてもよい。
したがって、製造工程を単純化して回路基板の製造費用を節減することができる。
また、メッキ接続配線40を分離するエッチバック工程において、別途の感光フィルム又は感光インクを使用しなくてもよいので、残留物の発生を防止してメッキ接続配線40が分離されないなどの工程問題の発生を最小化できる。
一方、上記実施形態では、レーザを用いてソルダレジスト層の一部を除去した後、メッキ接続配線の一部を除去したが、ソルダレジスト層の一部とメッキ接続配線の一部を同時に除去する他の実施形態も可能である。
【0035】
以下、図12を参照して、本発明の他の実施形態による回路基板の製造方法について詳しく説明する。
図12は、本発明の他の実施形態による回路基板の製造方法の一段階を示す断面図である。
図12に示した他の実施形態は、図4図11に示した一実施形態と比較して、ソルダレジスト層とメッキ接続配線を同時に除去することだけを除いて実質的に同一であることから、繰り返しの説明は、省略する。
【0036】
図12に示しているように、本発明の他の実施形態による回路基板の製造方法は、レーザ加工工程を用いてメッキ接続配線40と重畳するソルダレジスト層500の一部を除去して第2開口部OH2を形成すると同時に、第2開口部OH2によって露出したメッキ接続配線40を除去する。
この時、レーザLを用いてソルダレジスト層500とメッキ接続配線40を同時に除去しなければならないので、レーザのパワーは、3W以上であり得る。
この時、第2開口部OH2によって露出したメッキ接続配線40を除去することによって、メッキ接続配線40を切断してメッキ引込線400に形成する。
このように、レーザLを用いてソルダレジスト層500とメッキ接続配線40を同時に除去することによって、回路基板の製造時間を短縮することができる。
【0037】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
40 メッキ接続配線
100 絶縁層
200 回路配線
300 導電パッド
400 メッキ引込線
410 第1配線
420 第2配線
500 ソルダレジスト層
500m レジスト層
600 補助パッド
OH1 第1開口部
OH2 第2開口部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12