(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086559
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/91 20110101AFI20240620BHJP
H01R 13/11 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R13/11 H
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145481
(22)【出願日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2022200205
(32)【優先日】2022-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182028
【弁理士】
【氏名又は名称】多原 伸宜
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 学
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【弁理士】
【氏名又は名称】来山 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑樹
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB26
5E223BA12
5E223BA23
5E223BA27
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
5E223DA08
5E223DB08
5E223DB11
5E223DB14
5E223DB38
(57)【要約】
【課題】相手側接続導体との接続時又は接続後において、相手側接続導体の位置ずれを生じた場合であっても、電気的に安定した接続を維持すること。
【解決手段】回路基板100に実装されて回路基板100の導電部101とプラグ102とを接続する金属板によって一体に形成されるコネクタ1は、上方開口部14と、下方開口部13と、上方開口部14の周囲に設けられる上端開口縁部12と、下方開口部13の周囲に設けられる下端開口縁部11と、を備える枠状の枠体部10と、下端開口縁部11より枠体部10の内側及び上端開口縁部12に向かって延設されてプラグ102と接続する一対の接続部20と、導電部101に固定及び接続される一対の固定部30と、枠体部10と一対の固定部30とを各々接続すると共に枠体部10を移動可能に支持する一対のフローティング部40と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に実装されて前記回路基板の導電部と相手側接続導体とを接続する金属板によって一体に形成されるコネクタであって、
上方開口部と、下方開口部と、前記上方開口部の周囲に設けられる上端開口縁部と、前記下方開口部の周囲に設けられる下端開口縁部と、を備える枠状の枠体部と、
前記下端開口縁部より前記枠体部の内側及び前記上端開口縁部に向けて延設されて前記相手側接続導体と接続する一対の接続部と、
前記導電部に固定及び接続される一対の固定部と、
前記枠体部と前記一対の固定部とを各々接続すると共に、前記枠体部を移動可能に支持する一対のフローティング部と、
を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記枠体部は、
前記一対の接続部の対向方向において互いに対向する一対の側壁部を備え、
前記一対のフローティング部の各々は、
前記一対の側壁部の各々より延設される、
ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記一対のフローティング部の各々は、
前記一対の側壁部の各々と同一平面上に位置する、
ことを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記一対の接続部は、
前記相手側接続導体との接続時又は接続後に弾性変形して前記一対の側壁部を内側より押圧可能であり、
前記一対のフローティング部は、
前記一対の側壁部が前記一対の接続部によって押圧された際に弾性変形して前記枠体部を押圧方向に移動可能にする、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のコネクタ。
【請求項5】
前記一対のフローティング部の各々は、
前記一対の側壁部における前記一対の接続部との当接部より各々延設される、
ことを特徴とする請求項4記載のコネクタ。
【請求項6】
前記一対のフローティング部の各々は、
前記上端開口縁部と前記一対の固定部とを各々接続する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
【請求項7】
前記一対のフローティング部の各々は、
前記下端開口縁部と前記一対の固定部とを各々接続する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
【請求項8】
前記枠体部に設けられると共に、前記回路基板に当接して前記枠体部の前記回路基板に対する前記コネクタの実装方向への移動を規制する規制部を有する、
ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項9】
前記一対の固定部の各々は、
前記実装方向において前記規制部よりも先端側に位置する、
ことを特徴とする請求項8記載のコネクタ。
【請求項10】
前記一対のフローティング部は、
前記枠体部の互いに対向する第1の側壁部と前記一対の固定部とを各々接続し、
前記規制部は、
前記枠体部の前記第1の側壁部と異なる第2の側壁部に設けられる、
ことを特徴とする請求項8又は請求項9記載のコネクタ。
【請求項11】
前記一対のフローティング部の各々の板幅方向の長さは、前記一対の接続部の各々の板幅方向の長さよりも短い、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
【請求項12】
前記上端開口縁部は、
前記一対の接続部の上端部よりも上方に位置する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
【請求項13】
前記一対の接続部は、
前記相手側接続導体と接続していない状態において前記枠体部との間に隙間を有する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
【請求項14】
前記一対の接続部の各々は、
前記下端開口縁部より下方に延設された後に上方に折り曲げられており、
前記一対のフローティング部の各々は、
前記下端開口縁部より下方に延設された後に上方に折り曲げられて前記一対の固定部に各々接続しており、
前記下端開口縁部と前記一対のフローティング部の各々の下端部との長さは、前記下端開口縁部と前記一対の接続部の各々の下端部との長さよりも長い、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
【請求項15】
前記一対の固定部の各々は、
前記一対のフローティング部の下端部に各々接続しており、
前記一対のフローティング部の各々は、
クランク状である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
【請求項16】
回路基板に実装されて前記回路基板の導電部と相手側接続導体とを接続する金属板によって一体に形成されるコネクタであって、
上方開口部と、下方開口部と、前記上方開口部の周囲に設けられる上端開口縁部と、前記下方開口部の周囲に設けられる下端開口縁部と、を備える枠状の枠体部と、
前記上端開口縁部より前記枠体部の内側及び前記下端開口縁部に向けて延設されて前記相手側接続導体と接続する一対の接続部と、
前記導電部に固定及び接続される一対の固定部と、
前記下端開口縁部より前記枠体部の内側及び前記上端開口縁部に向けて延設されると共に、前記一対の接続部の下端部を覆う一対の座屈抑制部と、
前記下端開口縁部と前記一対の固定部とを各々接続すると共に、前記枠体部を移動可能に支持する一対のフローティング部と、
を有することを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に実装されて回路基板の導電部と相手側接続導体とを接続する金属板によって一体に形成されるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に実装されるコネクタとしては、特許文献1において開示されている基板取付型コネクタが知られている。特許文献1の基板取付型コネクタは、略矩形の嵌合面の四隅から表面実装用の脚が垂下され、嵌合面には開口が形成される。また、特許文献1の基板取付型コネクタは、嵌合面の外側から接触片が内方且つ下方に向けて延びて対向する接触部を形成すると共に、開口の内縁には下向きに傾斜したガイド部が形成されている。そして、特許文献1の基板取付型コネクタは、挿入されるタブ端子が僅かに位置ずれしている場合はこのガイド部により案内され、タブ端子の位置ずれが大きい場合は嵌合面に当接することにより、接触片の変形を阻止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、タブ端子が接触部に接触している状態で接触片の弾性変形方向に大きく位置ずれした場合に、接触片を介して嵌合面の四隅から垂下されている脚に負荷が掛かるため、脚の先端の接続部と接続回路とを接続している半田の剥離を生じて接続部と接続回路とが電気的に接続できなくなるという課題を有する。また、特許文献1においては、タブ端子が接触部に接触している状態で接触片の弾性変形方向に大きく位置ずれした場合に、タブ端子と接触片との接続が不安定になるという課題を有する。
【0005】
本発明の目的は、相手側接続導体との接続時又は接続後において、相手側接続導体の位置ずれを生じた場合であっても、電気的に安定した接続を維持することができるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコネクタは、回路基板に実装されて前記回路基板の導電部と相手側接続導体とを接続する金属板によって一体に形成されるコネクタであって、上方開口部と、下方開口部と、前記上方開口部の周囲に設けられる上端開口縁部と、前記下方開口部の周囲に設けられる下端開口縁部と、を備える枠状の枠体部と、前記下端開口縁部より前記枠体部の内側及び前記上端開口縁部に向けて延設されて前記相手側接続導体と接続する一対の接続部と、前記導電部に固定及び接続される一対の固定部と、前記枠体部と前記一対の固定部とを各々接続すると共に、前記枠体部を移動可能に支持する一対のフローティング部と、を有する。
【0007】
また、本発明に係るコネクタは、回路基板に実装されて前記回路基板の導電部と相手側接続導体とを接続する金属板によって一体に形成されるコネクタであって、上方開口部と、下方開口部と、前記上方開口部の周囲に設けられる上端開口縁部と、前記下方開口部の周囲に設けられる下端開口縁部と、を備える枠状の枠体部と、前記上端開口縁部より前記枠体部の内側及び前記下端開口縁部に向けて延設されて前記相手側接続導体と接続する一対の接続部と、前記導電部に固定及び接続される一対の固定部と、前記下端開口縁部より前記枠体部の内側及び前記上端開口縁部に向けて延設されると共に、前記一対の接続部の下端部を覆う一対の座屈抑制部と、前記下端開口縁部と前記一対の固定部とを各々接続すると共に、前記枠体部を移動可能に支持する一対のフローティング部と、を有する。
【0008】
相手側接続導体と接続部とが接続する際又は接続した後において、コネクタに対して相手側接続導体が位置ずれした際に、一対の接続部が相手側接続導体との接続位置に移動し、一対の接続部の移動に追従して一対のフローティング部が弾性変形すると共に枠体部が接続部に対する相手側接続導体の接続位置へ移動することにより、コネクタに対して相手側接続導体が位置ずれしていない場合における一対の接続部と相手側接続導体との接続状態を維持する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、相手側接続導体との接続時又は接続後において、相手側接続導体の位置ずれを生じた場合であっても、電気的に安定した接続を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るコネクタの上方から見た斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るコネクタの下方から見た斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るコネクタの正面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るコネクタの側面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るコネクタの平面図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係るコネクタを回路基板に実装した状態の下方から見た斜視図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係るコネクタを回路基板に実装した状態の平面図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係るコネクタを回路基板に実装した状態の正面図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態に係るコネクタを回路基板に実装した状態の側面図である。
【
図12】本発明の第1の実施形態に係るコネクタを回路基板に実装した状態において相手側接続導体を正常な位置で接続した状態の
図9のC-C断面図である。
【
図13】本発明の第1の実施形態に係るコネクタを回路基板に実装した状態において相手側接続導体を位置をずらして接続した状態の
図9のC-C断面図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係るコネクタの上方から見た斜視図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係るコネクタの下方から見た斜視図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係るコネクタの側面図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態に係るコネクタの平面図である。
【
図19】本発明の第3の実施形態に係るコネクタの上方から見た斜視図である。
【
図20】本発明の第3の実施形態に係るコネクタの下方から見た斜視図である。
【
図21】本発明の第3の実施形態に係るコネクタの正面図である。
【
図22】本発明の第3の実施形態に係るコネクタの平面図である。
【
図24】本発明の第4の実施形態に係るコネクタの上方から見た斜視図である。
【
図25】本発明の第4の実施形態に係るコネクタの下方から見た斜視図である。
【
図26】本発明の第4の実施形態に係るコネクタの正面図である。
【
図27】本発明の第4の実施形態に係るコネクタの平面図である。
【
図30】本発明の第5の実施形態に係るコネクタの上方から見た斜視図である。
【
図31】本発明の第5の実施形態に係るコネクタの下方から見た斜視図である。
【
図32】本発明の第5の実施形態に係るコネクタの正面図である。
【
図33】本発明の第5の実施形態に係るコネクタの側面図である。
【
図34】本発明の第5の実施形態に係るコネクタの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態に係るコネクタにつき、詳細に説明する。図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系を成し、y軸の正方向を前方向、y軸の負方向を後ろ方向、x軸の正方向を左方向、x軸の負方向を右方向、z軸の正方向を上方向、及びz軸の負方向を下方向として説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
<コネクタの構成>
本発明の第1の実施形態に係るコネクタ1の構成につき、
図1から
図11を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0013】
本実施形態に係るコネクタ1は、金属板によって一体に形成されており、回路基板100の実装面100aに実装されて回路基板100の導電部101と相手側接続導体としてのプラグ102とを接続する。具体的には、コネクタ1は、枠体部10と、接続部20と、固定部30と、フローティング部40と、規制部50と、を有している。
【0014】
枠体部10は、枠状であると共に上方から見て矩形状である。枠体部10は、下方開口部13の周囲に設けられている下端開口縁部11と、上方開口部14の周囲に設けられている上端開口縁部12と、下方開口部13と、上方開口部14と、接続部20とフローティング部40との間において上方に切り欠かれている切欠き部15と、互いに対向する第1の側壁部である一対の側壁部16と、側壁部16に隣接すると共に互いに対向する第2の側壁部である一対の側壁部17と、を備えている。
【0015】
接続部20は、枠体部10の下端開口縁部11より枠体部10の内側及び上端開口縁部12に向けて延設されている。接続部20は、下端開口縁部11より下方に延設された後に上方に折り曲げられており前方から見てU字状である。接続部20の上端部21は、枠体部10の上端開口縁部12よりも下方に位置している。接続部20は、プラグ102と接続すると共に、プラグ102と接続していない状態において枠体部10との間に隙間を有している。
【0016】
接続部20は、互いに対向している一対の接続部20aと接続部20bとから構成されている。接続部20a及び接続部20bは、互いに対向する対向面であって板幅方向である前後方向の中央部において、上端部21より下方に沿って凹設された溝部22を備えている。接続部20a及び接続部20bは、枠体部10の内側において互いに近接するように内方に突出してプラグ102と当接する当接部23を備えている。接続部20aの当接部23と接続部20bの当接部23との間隔は、プラグ102の径よりも小さい。ここで、一対の接続部20aと接続部20bとの対向方向は、一対の側壁部16の対向方向と同一方向である左右方向である。
【0017】
固定部30は、規制部50よりも上方に位置している。固定部30は、回路基板100の実装面100aの導電部101にリフロー半田によって固定及び接続されている。なお、導電部101に対する固定部30の固定及び接続は、リフロー半田によって固定及び接続する場合に限らず、フロー半田等のリフロー半田以外によって固定及び接続してもよい。
【0018】
固定部30は、一対の固定部30aと固定部30bとから構成されている。固定部30aは、接続部20aの前後に一対設けられている。固定部30bは、接続部20bの前後に一対設けられている。
【0019】
フローティング部40は、枠体部10と固定部30とを接続しており、前方から見てU字状である。フローティング部40は、弾性変形することにより枠体部10を実装面100aに沿って移動可能に支持している。ここで、実装面100aに沿って移動可能とは、実装面100aと平行な前後左右方向へ移動可能である場合のみならず、実装面100aと交わる方向へ移動可能である場合も含む。
【0020】
フローティング部40は、一対のフローティング部40aとフローティング部40bとから構成されている。フローティング部40aは、接続部20aの前後に一対設けられており、枠体部10の下端開口縁部11と固定部30aとを各々接続している。フローティング部40bは、接続部20bの前後に一対設けられており、枠体部10の下端開口縁部11と固定部30bとを各々接続している。
【0021】
規制部50は、枠体部10に設けられていると共に、コネクタ1が回路基板100の実装面100aに実装されて接続部20に対してプラグ102が接続していない状態において、実装面100aとの間に間隔H1(
図10参照)を有している。規制部50は、コネクタ1が回路基板100の実装面100aに実装された状態において、枠体部10が上方に移動した際に回路基板100に当接することにより、枠体部10の回路基板100に対するコネクタ1の実装方向である上方への移動を規制する。規制部50は、矩形状の枠体部10の接続部20及びフローティング部40が設けられている互いに対向する一対の側壁部16と異なる互いに対向する一対の側壁部17に設けられている。
【0022】
規制部50は、一対の規制部50aと規制部50bとから構成されている。規制部50aは、枠体部10の下端開口縁部11より前方に略90度折り曲げて形成されている。規制部50bは、金属板を折り曲げてコネクタ1を形成した際の金属板の合わせ目1aを挟んで一対設けられており、枠体部10の下端開口縁部11より後方に略90度折り曲げて形成されている。
【0023】
上記の構成を有するコネクタ1において、下端開口縁部11とフローティング部40の下端部との長さL1は、下端開口縁部11と接続部20の下端部との長さL2よりも長い(L1>L2)。また、フローティング部40の板幅方向の長さL3は、接続部20の板幅方向の長さL4よりも短い(L3<L4)。また、接続部20の板幅方向の長さL4は、固定部30の板幅方向の長さL5よりも長い(L4>L5)。更に、固定部30はフローティング部40の前端より前方に突出し又は後端より後方に突出することにより、固定部30の板幅方向の長さL5は、フローティング部40の板幅方向の長さL3よりも長い(L3<L5)。
【0024】
また、コネクタ1は、金属板を打ち抜いた後に治具を用いて折り曲げ加工することにより形成され、これにより合わせ目1aを有している。
【0025】
<コネクタの回路基板への実装方法>
本発明の第1の実施形態に係るコネクタ1の回路基板100への実装方法につき、
図1から
図11を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0026】
回路基板100は、実装面100aの挿通孔100bの周囲に回路パターンの導電部101を有している。
【0027】
まず、回路基板100を実装面100aが上側になるように上下に反転させると共に、コネクタ1を枠体部10の上端開口縁部12が下側になるように上下に反転させる。
【0028】
次に、上下反転させた回路基板100の挿通孔100bに対して、上下反転させたコネクタ1を上方より挿入して、固定部30が回路基板100の導電部101に当接するまでコネクタ1を挿通孔100bに挿通させる。
【0029】
次に、コネクタ1は、固定部30が回路基板100の導電部101に対してリフロー半田によって半田付けされて接続及び固定されることにより、回路基板100の実装面100aに実装される。
【0030】
そして、コネクタ1を回路基板100の実装面100aに実装した後に、コネクタ1及び回路基板100の上下を反転させて元に戻す。この状態において、接続部20の当接部23より下方及びフローティング部40は、実装面100aよりも下方に位置している。また、枠体部10は、挿通孔100b内に位置していると共に、回路基板100の挿通孔100bを形成している前後左右の内壁100cに対して間隔を有することにより、挿通孔100b内において前後左右に移動可能になっている。
【0031】
コネクタ1を挿通孔100bに挿通した状態で実装面100aに実装することにより、コネクタ1及び回路基板100全体を低背化することができる。
【0032】
また、固定部30を規制部50よりも上方に設けることにより、上下を反転させない場合の実装方向である上方向において、固定部30は規制部50よりも先端側(上側)に位置するため、コネクタ1を実装面100aに実装した際に規制部50と実装面100aとの間に間隔を有する。これにより、固定部30が導電部101に当接する前に、規制部50が実装面100aに当接しないようにすることができ、導電部101に対して固定部30を確実に接続させることができる。
【0033】
なお、回路基板100に実装されるコネクタ1の数は、1つに限らず、必要に応じて複数の任意の数にすることができる。この場合において、複数のコネクタ1に対して複数のプラグ102が一括接続する場合には、各コネクタ1に対する各プラグ102の位置ずれが大きくなる可能性があるため、本実施形態の構成を有することにより、各接続部20と各プラグ102との接続を安定させることができる。
【0034】
<コネクタの動作>
本発明の第1の実施形態に係るコネクタ1の動作につき、
図1から
図13を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0035】
回路基板100の実装面100aに実装されているコネクタ1には、プラグ102が挿抜される。まず、コネクタ1にプラグ102を挿入して接続する場合には、回路基板100の実装面100aに実装されているコネクタ1の枠体部10の下方開口部13に対して下方よりプラグ102を挿入する。
【0036】
次に、接続部20の当接部23は、下方より下方開口部13に挿入されるプラグ102に当接して左右外方に弾性変形する。
【0037】
この際に、規制部50は、接続部20がプラグ102によって上方に引っ張られることにより枠体部10が接続部20に追従して上方に移動しようとした際に、回路基板100の実装面100aに当接してコネクタ1の上方への移動を規制する。これにより、フローティング部40の座屈及び塑性変形を防ぐことができる。
【0038】
また、矩形状の枠体部10の接続部20及びフローティング部40を設けた側壁部16と異なる側壁部17に規制部50を設けることにより、規制部50の左右方向の幅を大きくすることができ、実装面100aとの当接面積を大きくすることができるため、コネクタ1及び枠体部10の移動を確実に規制することができる。
【0039】
次に、接続部20は、自身の弾性復帰力によってプラグ102を左右より挟持することによりプラグ102に接続する。
【0040】
この際に、プラグ102が位置ずれした状態の場合には、接続部20が弾性変形すると共に、接続部20の弾性変形に伴って枠体部10が弾性変形することにより、更に接続部20によって側壁部16が内側より押圧されて枠体部10が弾性変形することにより、接続部20及び枠体部10を介してフローティング部40に負荷が加わる。フローティング部40は、負荷が加わることにより弾性変形して、枠体部10を負荷が加わる方向に移動させる。また、接続部20は、枠体部10が負荷が加わる方向に移動することにより、コネクタ1に対してプラグ102が位置ずれしていない場合におけるプラグ102との接続状態を維持することができ、プラグ102と安定して接続することができる。
【0041】
ここで、プラグ102が位置ずれした状態とは、プラグ102が接続部20と安定して接続する位置に対して前後左右方向と平行な方向にずれた状態と、プラグ102が上下方向に対して傾いた状態と、この両者が合わさった状態と、を含む。また、プラグ102が接続部20と安定して接続する位置とは、プラグ102が接続部20a及び接続部20bと所定値以上の接触圧で接続し、且つプラグ102が接続部20a及び接続部20bと略同一の接触圧で接続する位置である。
【0042】
例えば、
図13に示すように、プラグ102が上下方向に対して右方向に傾いた状態で接続部20に接続した場合には、接続部20bはプラグ102により右下斜め方向に押圧されて弾性変形して枠体部10を内側より右下斜め方向に押圧する。フローティング部40は、枠体部10が右下斜め方向に押圧されることにより負荷が加わって弾性変形すると共に、枠体部10を接続部20bによる押圧方向である右下斜め方向に移動させる。また、接続部20は、枠体部10が負荷が加わる方向に移動することにより、接続部20bに過度な負荷が加わることと、プラグ102と接続部20aとの接触圧が低減することと、を抑制することができ、コネクタ1に対してプラグ102が位置ずれしていない場合におけるプラグ102との接続状態を維持することができるため、プラグ102と安定して接続することができる。
【0043】
接続部20aと接続部20bとの対向方向において互いに対向する側壁部16よりフローティング部40を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部20の弾性変形に対するフローティング部40の弾性変形の追従性を向上させることができる。また、接続部20により押圧される側壁部16よりフローティング部40を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部20から側壁部16に加わる押圧力に対するフローティング部40の弾性変形の追従性を向上させることができる。
【0044】
上記の動作において、下端開口縁部11とフローティング部40の下端部との長さL1を、下端開口縁部11と接続部20の下端部との長さL2よりも長くすることにより、フローティング部40を接続部20に比べて容易に弾性変形させることができる。また、接続部20とフローティング部40との間に切欠き部15を設けることにより、フローティング部40を容易に弾性変形させることができる。
【0045】
また、下端開口縁部11と接続部20の下端部との長さL2を、下端開口縁部11とフローティング部40の下端部との長さL1よりも短くすることにより、接続部20の接続安定性を向上させることができる。また、フローティング部40の板幅方向の長さL3を、接続部20の板幅方向の長さL4よりも短くすることにより、フローティング部40を接続部20に比べて容易に弾性変形させることができる。更に、接続部20の板幅方向の長さL4を、フローティング部40の板幅方向の長さL3よりも長くすることにより、接続部20の接続安定性を向上させることができる。
【0046】
また、接続部20の当接部23よりも下側及びフローティング部40を回路基板100の実装面100aよりも下方に位置させることにより、接続部20及びフローティング部40は回路基板100と干渉することなく弾性変形することができる。
【0047】
また、接続部20の上端部21を上端開口縁部12よりも下方に位置させることにより、接続部20を枠体部10によって保護することができるため、接続部20の変形を防ぐことができる。
【0048】
フローティング部40は、
図13に示すように接続部20が枠体部10を押圧する場合に限らず、接続部20が枠体部10を押圧しない場合であっても、接続部20がプラグ102より受ける押圧力に応じて弾性変形する。これにより、枠体部10は上記と同様の動作を行うことが可能であり、接続部20はプラグ102と安定して接続することができる。
【0049】
また、コネクタ1は、接続部20とプラグ102との接続後に何らかの外力が加わることにより上記の負荷が加わった場合であっても、接続部20とプラグ102との接続時に負荷が加わった場合の上記の動作と同様の動作を行うことができる。
【0050】
コネクタ1とプラグ102との接続を解除する場合には、プラグ102を下方に引き抜く。これにより、フローティング部40は自身の弾性復帰力によってプラグ102との接続前の状態に戻り、これに伴って枠体部10はプラグ102との接続前の状態に戻る。
【0051】
このように、本実施形態によれば、回路基板100に実装されて回路基板100の導電部101とプラグ102とを接続する金属板によって一体に形成されるコネクタ1は、枠体部10の下端開口縁部11より枠体部10の内側及び上端開口縁部12に向けて延設されてプラグ102と接続する一対の接続部20と、導電部101に固定及び接続される一対の固定部30と、下端開口縁部11と一対の固定部30とを各々接続すると共に、枠体部10を移動可能に支持する一対のフローティング部40と、を有することにより、プラグ102との接続時又は接続後において、プラグ102の位置ずれを生じた場合であっても、電気的に安定した接続を維持することができる。
【0052】
なお、本実施形態において、矩形状の枠体部10の同一辺に接続部20及びフローティング部40を設けると共に異なる辺に規制部50を設けたが、これに限らず、枠体部10の同一辺にフローティング部40及び規制部50を設けると共に異なる辺に接続部20を設けてもよいし、枠体部10の同一辺に接続部20及び規制部50を設けると共に異なる辺にフローティング部40を設けてもよい。
【0053】
また、本実施形態において、規制部50を下端開口縁部11に設けたが、これに限らず、規制部50を枠体部10の一部を切り起す等によって下端開口縁部11以外に設けてもよい。
【0054】
また、本実施形態において、下端開口縁部11とフローティング部40の下端部との長さを、下端開口縁部11と接続部20の下端部との長さよりも長くしたが、これに限らず、下端開口縁部11とフローティング部40の下端部との長さと、下端開口縁部11と接続部20の下端部との長さと、を同一にしてもよいし、下端開口縁部11とフローティング部40の下端部との長さを、下端開口縁部11と接続部20の下端部との長さよりも短くしてもよい。
【0055】
また、本実施形態において、コネクタ1はプラグ102と接続したが、これに限らず、コネクタ1はプラグ102以外の相手側接続導体と接続することができる。
【0056】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るコネクタ2の構成につき、
図14から
図18を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0057】
本実施形態に係るコネクタ2は、金属板によって一体に形成されており、回路基板100の実装面100aに実装されて回路基板100の導電部101とプラグ102とを接続する。具体的には、コネクタ2は、枠体部110と、接続部120と、固定部130と、フローティング部140と、規制部150と、を有している。
【0058】
枠体部110は、枠状であると共に上方から見て矩形状である。枠体部110は、下方開口部113の周囲に設けられている下端開口縁部111と、上方開口部114の周囲に設けられている上端開口縁部112と、下方開口部113と、上方開口部114と、互いに対向する第1の側壁部である一対の側壁部116と、側壁部116に隣接すると共に互いに対向する第2の側壁部である一対の側壁部117と、を備えている。
【0059】
接続部120は、枠体部110の下端開口縁部111より枠体部110の内側及び上端開口縁部112に向けて延設されている。接続部120は、下端開口縁部111より下方に延設されると共に上方に折り曲げられており前方から見てU字状である。接続部120の上端開口縁部112は、枠体部110の上端開口縁部112よりも下方に位置している。接続部120は、プラグ102と接続すると共に、プラグ102と接続していない状態において枠体部110との間に隙間を有している。
【0060】
接続部120は、互いに対向している一対の接続部120aと接続部120bとから構成されている。接続部120a及び接続部120bは、互いに対向する対向面であって板幅方向である前後方向の中央部において、上端開口縁部112より下方に沿って凹設された溝部122を備えている。接続部120a及び接続部120bは、枠体部110の内側において互いに近接するように内方に突出してプラグ102と当接する当接部123を備えている。接続部120aの当接部123と接続部120bの当接部123との間隔は、プラグ102の径よりも小さい。ここで、一対の接続部120aと接続部120bとの対向方向は、一対の側壁部116の対向方向と同一方向である左右方向である。
【0061】
固定部130は、規制部150よりも下方に位置している。固定部130は、回路基板100の実装面100aの導電部101にリフロー半田によって固定及び接続されている。なお、導電部101に対する固定部130の固定及び接続は、リフロー半田によって固定及び接続する場合に限らず、フロー半田等のリフロー半田以外によって固定及び接続してもよい。
【0062】
固定部130は、一対の固定部130aと固定部130bとから構成されている。固定部130aは、接続部120aの前後に一対設けられている。固定部130bは、接続部120bの前後に一対設けられている。
【0063】
フローティング部140は、枠体部110と固定部130とを接続していると共に、下端開口縁部111より下方に延設されている。フローティング部140は、弾性変形することにより枠体部110を実装面100aに沿って移動可能に支持している。
【0064】
フローティング部140は、一対のフローティング部140aとフローティング部140bとから構成されている。フローティング部140aは、接続部120aの前後に一対設けられており、枠体部110の下端開口縁部111と固定部130aとを各々接続している。フローティング部140bは、接続部120bの前後に一対設けられており、枠体部110の下端開口縁部111と固定部130bとを各々接続している。
【0065】
規制部150は、枠体部110に設けられていると共に、コネクタ2が回路基板100の実装面100aに実装されて接続部120に対してプラグ102が接続していない状態において、実装面100aとの間に間隔H2(
図16参照)を有している。規制部150は、枠体部110が下方に移動した際に回路基板100に当接することにより、枠体部110の回路基板100に対するコネクタ2の実装方向である下方への移動を規制する。規制部150は、矩形状の枠体部110の接続部120及びフローティング部140が設けられている互いに対向する一対の側壁部116と異なる互いに対向する一対の側壁部117に設けられている。
【0066】
規制部150は、一対の規制部150aと規制部150bとから構成されている。規制部150aは、枠体部110の下端開口縁部111より下方に延設されていると共に延設方向の先端部を前方に略90度折り曲げて形成されている。規制部150bは、金属板を折り曲げてコネクタ2を形成した際の金属板の合わせ目2aを挟んで一対設けられており、枠体部110の下端開口縁部111より下方に延設されていると共に延設方向の先端部を後方に略90度折り曲げて形成されている。
【0067】
上記の構成を有するコネクタ2において、フローティング部140の板幅方向の長さL13は、接続部120の板幅方向の長さL14よりも短い(L13<L14)。また、接続部120の板幅方向の長さL14は、固定部130の板幅方向の長さL15よりも長い(L14>L15)。更に、固定部130はフローティング部140の前端より前方に突出し又は後端より後方に突出することにより、固定部130の板幅方向の長さL15は、フローティング部140の板幅方向の長さL13よりも長い(L13<L15)。
【0068】
また、コネクタ2は、金属板を打ち抜いた後に治具を用いて折り曲げ加工することにより形成され、これにより合わせ目2aを有している。
【0069】
<コネクタの回路基板への実装方法>
本発明の第2の実施形態に係るコネクタ2の回路基板100への実装方法につき、
図14から
図18を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0070】
まず、回路基板100の実装面100aに対して、コネクタ2を固定部130が回路基板100の導電部101に当接するようにして上方より実装する。
【0071】
次に、コネクタ2は、固定部130が回路基板100の導電部101に対してリフロー半田によって半田付けされて接続及び固定されることにより、回路基板100の実装面100aに実装される。なお、回路基板100には、一対の接続部120の下方に図示しない挿通孔100bが形成されている。
【0072】
固定部130を規制部150よりも下方に設けることにより、実装方向である下方向において固定部130は規制部150よりも先端側(下側)に位置するため、コネクタ2を実装面100aに実装した際に規制部150と実装面100aとの間に間隔を有する。これにより、固定部130が導電部101に当接する前に、規制部150が実装面100aに当接しないようにすることができ、導電部101に対して固定部130を確実に接続させることができる。
【0073】
なお、回路基板100に実装されるコネクタ2の数は、1つに限らず、必要に応じて複数の任意の数にすることができる。この場合において、複数のコネクタ2に対して複数のプラグ102が一括接続する場合には、各コネクタ2に対する各プラグ102の位置ずれが大きくなる可能性があるため、本実施形態の構成を有することにより、各接続部120と各プラグ102との接続を安定させることができる。
【0074】
<コネクタの動作>
本発明の第2の実施形態に係るコネクタ2の動作につき、
図14から
図18を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0075】
回路基板100の実装面100aに実装されているコネクタ2には、プラグ102が挿抜される。まず、コネクタ2にプラグ102を挿入して接続する場合には、回路基板100に実装されているコネクタ2の枠体部110の下方開口部113に対して、下方より挿通孔100bを介してプラグ102を挿入する。
【0076】
次に、接続部120の当接部123は、下方より枠体部110の下方開口部113に挿入されるプラグ102に当接して左右外方に弾性変形する。
【0077】
次に、接続部120は、自身の弾性復帰力によってプラグ102を左右より挟持することによりプラグ102に接続する。
【0078】
この際に、プラグ102が位置ずれした状態の場合には、接続部120が弾性変形すると共に、接続部120の弾性変形に伴って枠体部110が弾性変形することにより、更に接続部120によって側壁部116が内側より押圧されて枠体部110が弾性変形することにより、接続部120及び枠体部110を介してフローティング部140に負荷が加わる。フローティング部140は、負荷が加わることにより弾性変形して、枠体部110を負荷が加わる方向に移動させる。また、接続部120は、枠体部110が負荷が加わる方向に移動することにより、コネクタ2に対してプラグ102が位置ずれしていない場合におけるプラグ102との接続状態を維持することができ、プラグ102と安定して接続することができる。
【0079】
例えば、プラグ102が上下方向に対して右方向に傾いた状態で接続部120に接続した場合には、接続部120bはプラグ102により右下斜め方向に押圧されて弾性変形して枠体部110を内側より右下斜め方向に押圧する。フローティング部140は、枠体部110が右下斜め方向に押圧されることにより負荷が加わって弾性変形すると共に、枠体部110を接続部120bによる押圧方向である右下斜め方向に移動させる。また、接続部120は、枠体部110が負荷が加わる方向に移動することにより、接続部120bに過度な負荷が加わることと、プラグ102と接続部120aとの接触圧が低減することと、を抑制することができ、コネクタ2に対してプラグ102が位置ずれしていない場合におけるプラグ102との接続状態を維持することができるため、プラグ102と安定して接続することができる。
【0080】
接続部120aと接続部120bとの対向方向において互いに対向する側壁部116よりフローティング部140を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部120の弾性変形に対するフローティング部140の弾性変形の追従性を向上させることができる。また、接続部120により押圧される側壁部116よりフローティング部140を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部120から側壁部116に加わる押圧力に対するフローティング部140の弾性変形の追従性を向上させることができる。
【0081】
上記の動作において、フローティング部140の板幅方向の長さL13を、接続部120の板幅方向の長さL14よりも短くすることにより、フローティング部140を接続部120に比べて容易に弾性変形させることができる。また、接続部120の板幅方向の長さL14を、フローティング部140の板幅方向の長さL13よりも長くすることにより、接続部120の接続安定性を向上させることができる。
【0082】
また、接続部120の上端部121を上端開口縁部112よりも下方に位置させることにより、接続部120を枠体部110によって保護することができるため、接続部120の変形を防ぐことができる。
【0083】
フローティング部140は、接続部120が枠体部110を押圧する場合に限らず、接続部120が枠体部110を押圧しない場合であっても、接続部120がプラグ102より受ける押圧力に応じて弾性変形する。これにより、枠体部110は上記と同様の動作を行うことが可能であり、接続部120はプラグ102と安定して接続することができる。
【0084】
また、コネクタ2は、接続部120とプラグ102との接続後に何らかの外力が加わることにより上記の負荷が加わった場合であっても、接続部120とプラグ102との接続時に負荷が加わった場合の上記の動作と同様の動作を行うことができる。
【0085】
コネクタ2とプラグ102との接続を解除する場合には、プラグ102を下方に引き抜く。これにより、フローティング部140は自身の弾性復帰力によってプラグ102との接続前の状態に戻り、これに伴って枠体部110はプラグ102との接続前の状態に戻る。
【0086】
この際に、規制部150は、接続部120がプラグ102によって下方に引っ張られることにより枠体部110も接続部120に追従して下方に移動しようとした際に、回路基板100の実装面100aに当接してコネクタ2の下方への移動を規制する。これにより、フローティング部140の座屈及び塑性変形を防ぐことができる。
【0087】
また、規制部150を矩形状の枠体部110の接続部120及びフローティング部140を設けた側壁部116と異なる側壁部117に設けることにより、規制部150の左右方向の幅を大きくすることができ、実装面100aとの当接面積を大きくすることができるため、コネクタ2及び枠体部110の移動を確実に規制することができる。
【0088】
このように、本実施形態によれば、枠体部110の下端開口縁部111より枠体部110の内側及び上端開口縁部112に向けて延設されてプラグ102と接続する一対の接続部120と、導電部101に固定及び接続される一対の固定部130と、下端開口縁部111と一対の固定部130とを各々接続すると共に、枠体部110を移動可能に支持する一対のフローティング部140と、を有することにより、プラグ102との接続時又は接続後において、プラグ102の位置ずれを生じた場合であっても、電気的に安定した接続を維持することができる。
【0089】
なお、本実施形態において、矩形状の枠体部110の同一辺に接続部120及びフローティング部140を設けると共に異なる辺に規制部150を設けたが、これに限らず、枠体部110の同一辺にフローティング部140及び規制部150を設けると共に異なる辺に接続部120を設けてもよいし、枠体部110の同一辺に接続部120及び規制部150を設けると共に異なる辺にフローティング部140を設けてもよい。
【0090】
また、本実施形態において、コネクタ2はプラグ102と接続したが、これに限らず、コネクタ2はプラグ102以外の相手側接続導体と接続することができる。
【0091】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るコネクタ3の構成につき、
図19から
図23を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0092】
本実施形態に係るコネクタ3は、金属板によって一体に形成されており、回路基板100の実装面100aに実装されて回路基板100の導電部101とプラグ102とを接続する。具体的には、コネクタ3は、枠体部210と、接続部220と、固定部230と、フローティング部240と、規制部250と、を有している。
【0093】
枠体部210は、枠状であると共に上方から見て矩形状である。枠体部210は、下方開口部213の周囲に設けられている下端開口縁部211と、上方開口部214の周囲に設けられている上端開口縁部212と、下方開口部213と、上方開口部214と、互いに対向する第1の側壁部である一対の側壁部216と、側壁部216に隣接すると共に互いに対向する第2の側壁部である一対の側壁部217と、を備えている。
【0094】
接続部220は、枠体部210の下端開口縁部211より枠体部210の内側及び上端開口縁部212に向けて延設されている。接続部220は、下端開口縁部211より下方に延設されると共に上方に折り曲げられており前方から見てU字状である。接続部220の上端部221は、枠体部210の上端開口縁部212よりも下方に位置している。接続部220は、プラグ102と接続すると共に、プラグ102と接続していない状態において枠体部210との間に隙間を有している。
【0095】
接続部220は、互いに対向している一対の接続部220aと接続部220bとから構成されている。接続部220a及び接続部220bは、互いに対向する対向面であって板幅方向である前後方向の中央部において、上端部221より下方に沿って凹設された溝部222を備えている。接続部220a及び接続部220bは、枠体部210の内側において互いに近接するように内方に突出してプラグ102と当接する当接部223を備えている。接続部220aの当接部223と接続部220bの当接部223との間隔は、プラグ102の径よりも小さい。ここで、一対の接続部220aと接続部220bとの対向方向は、一対の側壁部216の対向方向と同一方向である左右方向である。
【0096】
固定部230は、規制部250よりも上方に位置している。固定部230は、回路基板100の実装面100aの導電部101にリフロー半田によって固定及び接続されている。なお、導電部101に対する固定部230の固定及び接続は、リフロー半田によって固定及び接続する場合に限らず、フロー半田等のリフロー半田以外によって固定及び接続してもよい。
【0097】
固定部230は、一対の固定部230aと固定部230bとから構成されている。固定部230aは、接続部220aの前後に一対設けられている。固定部230bは、接続部220bの前後に一対設けられている。
【0098】
フローティング部240は、枠体部210と固定部230とを接続している。フローティング部240は、下端開口縁部211より下方に延設される内方垂下部241と、内方垂下部241の下端部より外方に折れ曲げられた折曲部242と、折曲部242の外方端部より下方に延設されると共に固定部230に接続する外方垂下部243と、を備えており、クランク状になっている。フローティング部240は、弾性変形することにより枠体部210を実装面100aに沿って移動可能に支持している。
【0099】
フローティング部240は、一対のフローティング部240aとフローティング部240bとから構成されている。フローティング部240aは、接続部220aの前後に一対設けられており、枠体部210の下端開口縁部211と固定部230aとを各々接続している。フローティング部240bは、接続部220bの前後に一対設けられており、枠体部210の下端開口縁部211と固定部230bとを各々接続している。
【0100】
規制部250は、枠体部210に設けられていると共に、コネクタ3が回路基板100の実装面100aに実装されて接続部220に対してプラグ102が接続していない状態において、実装面100aとの間に間隔H3(
図21参照)を有している。規制部250は、枠体部210が下方に移動した際に回路基板100に当接することにより、枠体部210の回路基板100に対するコネクタ3の実装方向である下方への移動を規制する。規制部250は、矩形状の枠体部210の接続部220及びフローティング部240が設けられている互いに対向する一対の側壁部216と異なる互いに対向する一対の側壁部217に設けられている。
【0101】
規制部250は、一対の規制部250aと規制部250bとから構成されている。規制部250aは、枠体部210の下端開口縁部211より下方に延設されていると共に延設方向の先端部を前方に略90度折り曲げて形成されている。規制部250bは、金属板を折り曲げてコネクタ3を形成した際の金属板の合わせ目3aを挟んで一対設けられており、枠体部210の下端開口縁部211より下方に延設されていると共に延設方向の先端部を後方に略90度折り曲げて形成されている。
【0102】
上記の構成を有するコネクタ3において、フローティング部240の板幅方向の長さL23は、接続部220の板幅方向の長さL24よりも短い(L23<L24)。また、接続部220の板幅方向の長さL24は、固定部230の板幅方向の長さL25よりも長い(L24>L25)。更に、固定部230はフローティング部240の前端より前方に突出し又は後端より後方に突出することにより、固定部230の板幅方向の長さL25は、フローティング部240の板幅方向の長さL23よりも長い(L23<L25)。
【0103】
また、コネクタ3は、金属板を打ち抜いた後に治具を用いて折り曲げ加工することにより形成され、これにより合わせ目3aを有している。
【0104】
<コネクタの回路基板への実装方法>
本発明の第3の実施形態に係るコネクタ3の回路基板100への実装方法につき、
図19から
図23を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0105】
まず、回路基板100の実装面100aに対して、コネクタ3を固定部230が回路基板100の導電部101に当接するようにして上方より実装する。
【0106】
次に、コネクタ3は、固定部230が回路基板100の導電部101に対してリフロー半田によって半田付けされて接続及び固定されることにより、回路基板100の実装面100aに実装される。なお、回路基板100には、一対の接続部220の下方に図示しない挿通孔100bが形成されている。
【0107】
固定部230を規制部250よりも下方に設けることにより、固定部230は実装方向である下方向において規制部250よりも先端側(下側)に位置するため、コネクタ3を実装面100aに実装した際に規制部250と実装面100aとの間に間隔を有する。これにより、固定部230が導電部101に当接する前に、規制部250が実装面100aに当接しないようにすることができ、導電部101に対して固定部230を確実に接続させることができる。
【0108】
なお、回路基板100に実装されるコネクタ3の数は、1つに限らず、必要に応じて複数の任意の数にすることができる。この場合において、複数のコネクタ3に対して複数のプラグ102が一括接続する場合には、各コネクタ3に対する各プラグ102の位置ずれが大きくなる可能性があるため、本実施形態の構成を有することにより、各接続部220と各プラグ102との接続を安定させることができる。
【0109】
<コネクタの動作>
本発明の第3の実施形態に係るコネクタ3の動作につき、
図19から
図23を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0110】
回路基板100の実装面100aに実装されているコネクタ3には、プラグ102が挿抜される。まず、コネクタ3にプラグ102を挿入して接続する場合には、回路基板100に実装されているコネクタ3の枠体部210の下方開口部213に対して、下方よりプラグ102を挿入する。
【0111】
次に、接続部220の当接部223は、下方より枠体部210の下方開口部213に挿入されるプラグ102に当接して左右外方に弾性変形する。
【0112】
次に、接続部220は、自身の弾性復帰力によってプラグ102を左右より挟持することによりプラグ102に接続する。
【0113】
この際に、プラグ102が位置ずれした状態の場合には、接続部220が弾性変形すると共に、接続部220の弾性変形に伴って枠体部210が弾性変形することにより、更に接続部220によって側壁部216が内側より押圧されて枠体部210が弾性変形することにより、接続部220及び枠体部210を介してフローティング部240に負荷が加わる。フローティング部240は、負荷が加わることにより弾性変形して、枠体部210を負荷が加わる方向に移動させる。また、接続部220は、枠体部210が負荷が加わる方向に移動することにより、コネクタ3に対してプラグ102が位置ずれしていない場合におけるプラグ102との接続状態を維持することができ、プラグ102と安定して接続することができる。
【0114】
例えば、プラグ102が上下方向に対して右方向に傾いた状態で接続部220に接続した場合には、接続部220bはプラグ102により右下斜め方向に押圧されて弾性変形して枠体部210を内側より右下斜め方向に押圧する。フローティング部240は、枠体部210が右下斜め方向に押圧されることにより負荷が加わって弾性変形すると共に、枠体部210を接続部220bによる押圧方向である右下斜め方向に移動させる。また、接続部220は、枠体部210が負荷が加わる方向に移動することにより、接続部220bに過度な負荷が加わることと、プラグ102と接続部220aとの接触圧が低減することと、を抑制することができ、コネクタ3に対してプラグ102が位置ずれしていない場合におけるプラグ102との接続状態を維持することができるため、プラグ102と安定して接続することができる。
【0115】
接続部220aと接続部220bとの対向方向において互いに対向する側壁部216よりフローティング部240を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部220の弾性変形に対するフローティング部240の弾性変形の追従性を向上させることができる。また、接続部220により押圧される側壁部216よりフローティング部240を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部220から側壁部216に加わる押圧力に対するフローティング部240の弾性変形の追従性を向上させることができる。
【0116】
上記の動作において、フローティング部240の板幅方向の長さL23を、接続部220の板幅方向の長さL24よりも短くすることにより、フローティング部240を接続部220に比べて容易に弾性変形させることができる。また、接続部220の板幅方向の長さL24を、フローティング部240の板幅方向の長さL23よりも長くすることにより、接続部220の接続安定性を向上させることができる。
【0117】
また、フローティング部240をクランク状にすることにより、フローティング部240を容易に弾性変形させることができる。
【0118】
また、接続部220の上端部221を上端開口縁部212よりも下方に位置させることにより、接続部220を枠体部210によって保護することができるため、接続部220の変形を防ぐことができる。
【0119】
フローティング部240は、接続部220が枠体部210を押圧する場合に限らず、接続部220が枠体部210を押圧しない場合であっても、接続部220がプラグ102より受ける押圧力に応じて弾性変形する。これにより、枠体部210は上記と同様の動作を行うことが可能であり、接続部220はプラグ102と安定して接続することができる。
【0120】
また、コネクタ3は、接続部220とプラグ102との接続後に何らかの外力が加わることにより上記の負荷が加わった場合であっても、接続部220とプラグ102との接続時に負荷が加わった場合の上記の動作と同様の動作を行うことができる。
【0121】
コネクタ3とプラグ102との接続を解除する場合には、プラグ102を下方に引き抜く。これにより、フローティング部240は自身の弾性復帰力によってプラグ102との接続前の状態に戻り、これに伴って枠体部210はプラグ102との接続前の状態に戻る。
【0122】
この際に、規制部250は、接続部220がプラグ102によって下方に引っ張られることにより枠体部210も接続部220に追従して下方に移動しようとした際に、回路基板100の実装面100aに当接してコネクタ3の下方への移動を規制する。これにより、フローティング部240の座屈及び塑性変形を防ぐことができる。
【0123】
また、規制部250を矩形状の枠体部210の接続部220及びフローティング部240を設けた側壁部216と異なる側壁部217に設けることにより、規制部250の左右方向の幅を大きくすることができ、実装面100aとの当接面積を大きくすることができるため、コネクタ3及び枠体部210の移動を確実に規制することができる。
【0124】
このように、本実施形態によれば、枠体部210の下端開口縁部211より枠体部210の内側及び上端開口縁部212に向けて延設されてプラグ102と接続する一対の接続部220と、導電部101に固定及び接続される一対の固定部230と、下端開口縁部211と一対の固定部230とを各々接続すると共に、枠体部210及び一対の接続部220を移動可能に支持する一対のフローティング部240と、を有することにより、プラグ102との接続時又は接続後において、プラグ102の位置ずれを生じた場合であっても、電気的に安定した接続を維持することができる。
【0125】
なお、本実施形態において、矩形状の枠体部210の同一辺に接続部220及びフローティング部240を設けると共に異なる辺に規制部250を設けたが、これに限らず、枠体部210の同一辺にフローティング部240及び規制部250を設けると共に異なる辺に接続部220を設けてもよいし、枠体部210の同一辺に接続部220及び規制部250を設けると共に異なる辺にフローティング部240を設けてもよい。
【0126】
また、本実施形態において、コネクタ3はプラグ102と接続したが、これに限らず、コネクタ3はプラグ102以外の相手側接続導体と接続することができる。
【0127】
(第4の実施形態)
<コネクタの構成>
本発明の第4の実施形態に係るコネクタ4の構成につき、
図24から
図28を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0128】
本実施形態に係るコネクタ4は、金属板によって一体に形成されており、回路基板100の実装面100aに実装されて回路基板100の導電部101と相手側接続導体としてのプラグ102とを接続する。具体的には、コネクタ4は、枠体部310と、接続部320と、固定部330と、フローティング部340と、規制部350と、座屈抑制部360と、を有している。
【0129】
枠体部310は、枠状であると共に上方から見て矩形状である。枠体部310は、下方開口部313の周囲に設けられている下端開口縁部311と、上方開口部314の周囲に設けられている上端開口縁部312と、下方開口部313と、上方開口部314と、互いに対向する第1の側壁部である一対の側壁部316と、側壁部316に隣接すると共に互いに対向する第2の側壁部である一対の側壁部317と、を備えている。
【0130】
接続部320は、枠体部310の上端開口縁部312より枠体部310の内側及び下端開口縁部311に向けて延設されている。接続部320は、上端開口縁部312より上方に延設されると共に下方に折り曲げられており前方から見てU字の上下を逆にした逆U字状である。接続部320の上端部321は、枠体部310の上端開口縁部312よりも下方に位置している。接続部320は、プラグ102と接続する。
【0131】
接続部320は、互いに対向している一対の接続部320aと接続部320bとから構成されている。接続部320a及び接続部320bは、枠体部310の内側において互いに近接するように内方に突出してプラグ102と当接する当接部323を備えている。接続部320aの当接部323と接続部320bの当接部323との間隔は、プラグ102の径よりも小さい。ここで、一対の接続部320aと接続部320bとの対向方向は、一対の側壁部316の対向方向と同一方向である左右方向である。
【0132】
固定部330は、規制部350よりも下方に位置している。固定部330は、回路基板100の実装面100aの導電部101にリフロー半田によって固定及び接続されている。なお、導電部101に対する固定部330の固定及び接続は、リフロー半田によって固定及び接続する場合に限らず、フロー半田等のリフロー半田以外によって固定及び接続してもよい。
【0133】
固定部330は、一対の固定部330aと固定部330bとから構成されている。固定部330aは、接続部320aの前後に一対設けられている。固定部330bは、接続部320bの前後に一対設けられている。
【0134】
フローティング部340は、枠体部310と固定部330とを接続していると共に、下端開口縁部311より下方に延設されている。フローティング部340は、弾性変形することにより枠体部310を実装面100aに沿って移動可能に支持している。
【0135】
フローティング部340は、一対のフローティング部340aとフローティング部340bとから構成されている。フローティング部340aは、接続部320aの前後に一対設けられており、枠体部310の下端開口縁部311と固定部330aとを各々接続している。フローティング部340bは、接続部320bの前後に一対設けられており、枠体部310の下端開口縁部311と固定部330bとを各々接続している。
【0136】
規制部350は、枠体部310に設けられていると共に、コネクタ4が回路基板100の実装面100aに実装されて接続部320に対してプラグ102が接続していない状態において、実装面100aとの間に間隔H4(
図16参照)を有している。規制部350は、枠体部310が下方に移動した際に回路基板100に当接することにより、枠体部310の回路基板100に対するコネクタ4の実装方向である下方への移動を規制する。規制部350は、矩形状の枠体部310の接続部320及びフローティング部340が設けられている互いに対向する一対の側壁部316と異なる互いに対向する一対の側壁部317に設けられている。
【0137】
規制部350は、一対の規制部350aと規制部350bとから構成されている。規制部350aは、枠体部310の下端開口縁部311より下方に延設されていると共に延設方向の先端部を前方に略90度折り曲げて形成されている。規制部350bは、金属板を折り曲げてコネクタ4を形成した際の金属板の合わせ目4aを挟んで一対設けられており、枠体部310の下端開口縁部311より下方に延設されていると共に延設方向の先端部を後方に略90度折り曲げて形成されている。
【0138】
座屈抑制部360は、正面から見てU字状であり、枠体部310の下端開口縁部311より枠体部310の内側及び上端開口縁部312に向けて延設されている。座屈抑制部360は、一対の座屈抑制部360aと座屈抑制部360bとから構成されている。座屈抑制部360は、壁部361と、折返し部362と、ガード部363と、窓孔部364と、折り曲げ部365と、を備えている。
【0139】
壁部361は、枠体部310の下端開口縁部311より下方に延設されている。
【0140】
折返し部362は、壁部361の下端を上方に折り返して形成されている。折返し部362の板幅方向である前後方向の長さは、壁部361の前後方向の長さよりも短い。
【0141】
ガード部363は、折返し部362の上端部より上方に設けられている。ガード部363は、接続部320に対向していると共に接続部320に当接して接続部320aと接続部320bとの対向方向への付勢力を抑制している。
【0142】
座屈抑制部360aのガード部363は、接続部320aの下端部の右側を覆っている。座屈抑制部360bのガード部363は、接続部320bの下端部の左側を覆っている。
【0143】
窓孔部364は、ガード部363に設けられていると共に板厚方向に貫通する貫通孔である。窓孔部364は、接続部320の当接部323を当接部323の突出方向に突出及び露出させている。
【0144】
折り曲げ部365は、ガード部363の前端部及び後端部を左右外方に略90度折り曲げて形成されていると共に、ガード部363と共に接続部320を囲んでいる。
【0145】
座屈抑制部360aの折り曲げ部365は、接続部320aの下端部の前後を覆っている。座屈抑制部360bの折り曲げ部365は、接続部320bの下端部の前後を覆っている。
【0146】
上記の構成を有するコネクタ4は、金属板を打ち抜いた後に治具を用いて折り曲げ加工することにより形成され、これにより合わせ目4aを有している。
【0147】
<コネクタの回路基板への実装方法>
本発明の第4の実施形態に係るコネクタ4の回路基板100への実装方法につき、
図24から
図29を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0148】
まず、回路基板100の実装面100aに対して、コネクタ4を固定部330が回路基板100の導電部101に当接するようにして上方より実装する。
【0149】
次に、コネクタ4は、固定部330が回路基板100の導電部101に対してリフロー半田によって半田付けされて接続及び固定されることにより、回路基板100の実装面100aに実装される。なお、回路基板100には、一対の接続部320の下方に図示しない挿通孔100bが形成されている。
【0150】
固定部330を規制部350よりも下方に設けることにより、固定部330は実装方向である下方向において規制部350よりも先端側(下側)に位置するため、コネクタ4を実装面100aに実装した際に規制部350と実装面100aとの間に間隔を有する。これにより、固定部330が導電部101に当接する前に、規制部350が実装面100aに当接しないようにすることができ、導電部101に対して固定部330を確実に接続させることができる。
【0151】
なお、回路基板100に実装されるコネクタ4の数は、1つに限らず、必要に応じて複数の任意の数にすることができる。この場合において、複数のコネクタ4に対して複数のプラグ102が一括接続する場合には、各コネクタ4に対する各プラグ102の位置ずれが大きくなる可能性があるため、本実施形態の構成を有することにより、各接続部320と各プラグ102との接続を安定させることができる。
【0152】
<コネクタの動作>
本発明の第4の実施形態に係るコネクタ4の動作につき、
図24から
図29を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0153】
回路基板100の実装面100aに実装されているコネクタ4には、プラグ102が挿抜される。まず、コネクタ4にプラグ102を挿入して接続する場合には、回路基板100に実装されているコネクタ4の枠体部310の下方開口部313に対して、下方よりプラグ102を挿入する。
【0154】
次に、接続部320の当接部323は、下方より枠体部310の下方開口部313に挿入されるプラグ102に当接して左右外方に弾性変形する。この際に、接続部320の下端部は、座屈抑制部360のガード部363によって覆われているため、プラグ102によって座屈しないようにすることができる。
【0155】
次に、接続部320は、自身の弾性復帰力によってプラグ102を左右より挟持することによりプラグ102に接続する。
【0156】
この際に、プラグ102が位置ずれした状態の場合には、接続部320が弾性変形すると共に、接続部320の弾性変形に伴って枠体部310が弾性変形することにより、更に接続部320によって側壁部316が内側より押圧されて枠体部310が弾性変形することにより、接続部320、座屈抑制部360及び枠体部310を介してフローティング部340に負荷が加わる。フローティング部340は、負荷が加わることにより弾性変形して、枠体部310を負荷が加わる方向に移動させる。また、接続部320は、枠体部310が負荷が加わる方向に移動することにより、コネクタ4に対してプラグ102が位置ずれしていない場合におけるプラグ102との接続状態を維持することができ、プラグ102と安定して接続することができる。
【0157】
例えば、プラグ102が上下方向に対して右方向に傾いた状態で接続部320に接続した場合には、接続部320bはプラグ102により右下斜め方向に押圧されて弾性変形すると共に、座屈抑制部360のガード部363がプラグ102により右下斜め方向に押圧されて座屈抑制部360が弾性変形することにより、折り曲げ部365が枠体部310を内側より右下斜め方向に押圧する。フローティング部340は、枠体部310が右下斜め方向に押圧されることにより負荷が加わって弾性変形すると共に、枠体部310を折り曲げ部365による押圧方向である右下斜め方向に移動させる。また、接続部320は、枠体部310が負荷が加わる方向に移動することにより、接続部320bに過度な負荷が加わることと、プラグ102と接続部320aとの接触圧が低減することと、を抑制することができ、コネクタ4に対してプラグ102が位置ずれしていない場合におけるプラグ102との接続状態を維持することができるため、プラグ102と安定して接続することができる。
【0158】
接続部320aと接続部320bとの対向方向において互いに対向する側壁部316よりフローティング部340を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部320の弾性変形に対するフローティング部340の弾性変形の追従性を向上させることができる。また、接続部320により押圧される側壁部316よりフローティング部340を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部320から側壁部316に加わる押圧力に対するフローティング部340の弾性変形の追従性を向上させることができる。
【0159】
上記の動作において、接続部320の下端部をガード部363によって覆っているため、接続部320とプラグ102との接続時における接続部320の座屈及び変形を防ぐことができる。
【0160】
フローティング部340は、接続部320が枠体部310を押圧する場合に限らず、接続部320が枠体部310を押圧しない場合であっても、接続部320がプラグ102より受ける押圧力に応じて弾性変形する。これにより、枠体部310は上記と同様の動作を行うことが可能であり、接続部320はプラグ102と安定して接続することができる。
【0161】
また、コネクタ4は、接続部320とプラグ102との接続後に何らかの外力が加わることにより上記の負荷が加わった場合であっても、接続部320とプラグ102との接続時に負荷が加わった場合の上記の動作と同様の動作を行うことができる。
【0162】
コネクタ4とプラグ102との接続を解除する場合には、プラグ102を下方に引き抜く。これにより、フローティング部340は自身の弾性復帰力によってプラグ102との接続前の状態に戻り、これに伴って枠体部310はプラグ102との接続前の状態に戻る。
【0163】
この際に、規制部350は、接続部320がプラグ102によって下方に引っ張られることにより枠体部310も接続部320に追従して下方に移動しようとした際に、回路基板100の実装面100aに当接してコネクタ4の下方への移動を規制する。これにより、フローティング部340の座屈及び塑性変形を防ぐことができる。
【0164】
また、規制部350を矩形状の枠体部310の接続部320及びフローティング部340を設けた側壁部316と異なる側壁部317に設けることにより、規制部350の左右方向の幅を大きくすることができ、実装面100aとの当接面積を大きくすることができるため、コネクタ4及び枠体部310の移動を確実に規制することができる。
【0165】
このように、本実施形態によれば、枠体部310の上端開口縁部312より枠体部310の内側及び下端開口縁部311に向けて延設されてプラグ102と接続する一対の接続部320と、導電部101に固定及び接続される一対の固定部330と、枠体部310の下端開口縁部311より枠体部310の内部に延設されると共に、一対の接続部320の延設方向の先端部を覆う一対の座屈抑制部360と、下端開口縁部311と一対の固定部330とを各々接続すると共に、枠体部310を移動可能に支持する一対のフローティング部340と、を有することにより、プラグ102との接続時又は接続後において、プラグ102の位置ずれを生じた場合であっても、電気的に安定した接続を維持することができる。
【0166】
なお、本実施形態において、矩形状の枠体部310の同一辺に接続部320及びフローティング部340を設けると共に異なる辺に規制部350を設けたが、これに限らず、枠体部310の同一辺にフローティング部340及び規制部350を設けると共に異なる辺に接続部320を設けてもよいし、枠体部310の同一辺に接続部320及び規制部350を設けると共に異なる辺にフローティング部340を設けてもよい。
【0167】
また、本実施形態において、コネクタ4はプラグ102と接続したが、これに限らず、コネクタ4はプラグ102以外の相手側接続導体と接続することができる。
【0168】
(第5の実施形態)
<コネクタの構成>
本発明の第5の実施形態に係るコネクタ5の構成につき、
図30から
図36を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0169】
本実施形態に係るコネクタ5は、金属板によって一体に形成されており、回路基板100の実装面100aに実装されて回路基板100の導電部101とプラグ102とを接続する。具体的には、コネクタ5は、枠体部410と、接続部420と、固定部430と、フローティング部440と、規制部450と、を有している。
【0170】
枠体部410は、枠状であると共に下方から見て矩形状である。枠体部410は、下方開口部413の周囲に設けられている下端開口縁部411と、上方開口部414の周囲に設けられている上端開口縁部412と、下方開口部413と、上方開口部414と、互いに対向する第1の側壁部である一対の側壁部416と、側壁部416に隣接すると共に互いに対向する第2の側壁部である一対の側壁部417と、を備えている。側壁部416は、弾性変形する接続部420が内側より直接押圧可能な受け部4161を備えている。受け部4161には、ビード加工によって上下方向に沿って内方に向けて凹溝部4162が凹設されている。
【0171】
接続部420は、枠体部410の下端開口縁部411より枠体部410の内側及び上端開口縁部412に向けて延設されている。接続部420の上端部421は、枠体部410の上端開口縁部412よりも下方に位置している。接続部420は、プラグ102と接続すると共に、プラグ102と接続していない状態において枠体部410との間に隙間を有している。
【0172】
接続部420は、互いに対向している一対の接続部420aと接続部420bとから構成されている。接続部420a及び接続部420bは、互いに対向する対向面であって板幅方向である前後方向の中央部において、上端部421より下方に沿って凹設された溝部422を備えている。接続部420a及び接続部420bは、枠体部410の内側において互いに近接するように内方に突出してプラグ102と当接する当接部423を備えている。接続部420aの当接部423と接続部420bの当接部423との間隔は、プラグ102の径よりも小さい。ここで、一対の接続部420aと接続部420bとの対向方向は、一対の側壁部416の対向方向と同一方向である左右方向である。
【0173】
固定部430は、規制部450よりも上方に位置している。固定部430は、切欠部431を備えている。固定部430は、回路基板100の実装面100aの導電部101にリフロー半田によって固定及び接続されている。なお、導電部101に対する固定部430の固定及び接続は、リフロー半田によって固定及び接続する場合に限らず、フロー半田等のリフロー半田以外によって固定及び接続してもよい。
【0174】
固定部430は、一対の固定部430aと固定部430bとから構成されている。固定部430aは、接続部420aの前後に一対設けられている。固定部430bは、接続部420bの前後に一対設けられている。
【0175】
フローティング部440は、枠体部410と固定部430とを接続している。フローティング部440は、上端開口縁部412より前方又は後方に延設されていると共に、枠体部410の側壁部416と同一平面上においてつづら折り状及びS字状に湾曲して設けられている。フローティング部440は、弾性変形することにより枠体部410を実装面100aに沿って移動可能に支持している。
【0176】
フローティング部440は、一対のフローティング部440aとフローティング部440bとから構成されている。フローティング部440aは、接続部420aの前後に一対設けられており、枠体部410の上端開口縁部412と固定部430aとを各々接続している。フローティング部440bは、接続部420bの前後に一対設けられており、枠体部410の上端開口縁部412と固定部430bとを各々接続している。
【0177】
規制部450は、枠体部410に設けられていると共に、コネクタ5が回路基板100の実装面100aに実装されて接続部420に対してプラグ102が接続していない状態において、実装面100aとの間に間隔H5を有している。規制部450は、コネクタ5が回路基板100の実装面100aに実装された状態において、枠体部410が上方に移動した際に回路基板100に当接することにより、枠体部410の回路基板100に対するコネクタ5の実装方向である上方への移動を規制する。規制部450は、矩形状の枠体部410の接続部420及びフローティング部440が設けられている互いに対向する一対の側壁部416と異なる互いに対向する一対の側壁部417に設けられている。
【0178】
規制部450は、一対の規制部450aと規制部450bとから構成されている。規制部450aは、枠体部410の下端開口縁部411より前方に略90度折り曲げて形成されている。規制部450bは、金属板を折り曲げてコネクタ5を形成した際の金属板の合わせ目5aを挟んで一対設けられており、枠体部410の下端開口縁部411より後方に略90度折り曲げて形成されている。
【0179】
上記の構成を有するコネクタ5において、フローティング部440の板幅方向の長さL43は、接続部420の板幅方向の長さL44よりも短い(L43<L44)。また、固定部430はフローティング部440の前端より前方に突出し又は後端より後方に突出することにより、固定部430の板幅方向の長さL45は、フローティング部440の板幅方向の長さL43よりも長い(L43<L45)。
【0180】
また、コネクタ5は、金属板を打ち抜いた後に治具を用いて折り曲げ加工することにより形成され、これにより合わせ目5aを有している。
【0181】
<コネクタの回路基板への実装方法>
本発明の第5の実施形態に係るコネクタ5の回路基板100への実装方法につき、
図30から
図36を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0182】
回路基板100は、実装面100aの挿通孔100bの周囲に回路パターンの導電部101を有している。
【0183】
まず、回路基板100を実装面100aが上側になるように上下に反転させると共に、コネクタ5を枠体部10の上端開口縁部412が下側になるように上下に反転させる。
【0184】
次に、上下反転させた回路基板100の実装面100aに対して、上下反転させたコネクタ5を固定部430が回路基板100の導電部101に当接するようにして上方より実装する。
【0185】
次に、コネクタ5は、固定部430が回路基板100の導電部101に対してリフロー半田によって半田付けされて接続及び固定されることにより、回路基板100の実装面100aに実装される。この際に、固定部430に切欠部431を設けることにより、切欠部431を介してリフロー半田を目視することができるため、半田付け不良を少なくすることができる。なお、回路基板100には、一対の接続部420の下方に図示しない挿通孔100bが形成されている。
【0186】
そして、コネクタ5を回路基板100の実装面100aに実装した後に、コネクタ5及び回路基板100の上下を反転させて元に戻す。
【0187】
固定部430を規制部450よりも上方に設けることにより、上下を反転させない場合の実装方向である上方向において、固定部430は規制部450よりも先端側(上側)に位置するため、コネクタ5を実装面100aに実装した際に規制部450と実装面100aとの間に間隔H5を有する。これにより、固定部430が導電部101に当接する前に、規制部450が実装面100aに当接しないようにすることができ、導電部101に対して固定部430を確実に接続させることができる。
【0188】
また、枠体部410の側壁部416と同一平面上にフローティング部440を設けることにより、回路基板100に対するコネクタ5の実装面積を小さくすることができる。
【0189】
更に、フローティング部440を枠体部410の側壁部416と同一平面上においてつづら折り状及びS字状に湾曲させることにより、フローティング部440の所望の弾性変形量を維持しつつコネクタ5を低背化することができる。
【0190】
なお、回路基板100に実装されるコネクタ5の数は、1つに限らず、必要に応じて複数の任意の数にすることができる。この場合において、複数のコネクタ5に対して複数のプラグ102が一括接続する場合には、各コネクタ5に対する各プラグ102の位置ずれが大きくなる可能性があるため、本実施形態の構成を有することにより、各接続部420と各プラグ102との接続を安定させることができる。
【0191】
<コネクタの動作>
本発明の第5の実施形態に係るコネクタ5の動作につき、
図30から
図36を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0192】
回路基板100の実装面100aに実装されているコネクタ5には、プラグ102が挿抜される。まず、コネクタ5にプラグ102を挿入して接続する場合には、回路基板100の実装面100aに実装されているコネクタ5の枠体部410の下方開口部413に対して下方よりプラグ102を挿入する。
【0193】
次に、接続部420の当接部423は、下方より下方開口部413に挿入されるプラグ102に当接して左右外方に弾性変形する。
【0194】
この際に、規制部450は、接続部420がプラグ102によって上方に引っ張られることにより枠体部410が接続部420に追従して上方に移動しようとした際に、回路基板100の実装面100aに当接してコネクタ5の上方への移動を規制する。これにより、フローティング部440の座屈及び塑性変形を防ぐことができる。
【0195】
また、矩形状の枠体部410の接続部420及びフローティング部440を設けた側壁部416と異なる側壁部417に規制部450を設けることにより、規制部450の左右方向の幅を大きくすることができ、実装面100aとの当接面積を大きくすることができるため、コネクタ5及び枠体部410の移動を確実に規制することができる。
【0196】
次に、接続部420は、自身の弾性復帰力によってプラグ102を左右より挟持することによりプラグ102に接続する。
【0197】
この際に、プラグ102が位置ずれした状態の場合には、接続部420が弾性変形すると共に、接続部420の弾性変形に伴って枠体部410が弾性変形することにより、更に接続部420によって側壁部416が内側より押圧されて枠体部410が弾性変形することにより、接続部420及び枠体部410を介してフローティング部440に負荷が加わる。フローティング部440は、負荷が加わることにより弾性変形して、枠体部410を負荷が加わる方向に移動させる。また、接続部420は、枠体部410が負荷が加わる方向に移動することにより、コネクタ5に対してプラグ102が位置ずれしていない場合におけるプラグ102との接続状態を維持することができ、プラグ102と安定して接続することができる。
【0198】
ここで、プラグ102が位置ずれした状態とは、プラグ102が接続部420と安定して接続する位置に対して前後左右方向と平行な方向にずれた状態と、プラグ102が上下方向に対して傾いた状態と、この両者が合わさった状態と、を含む。また、プラグ102が接続部420と安定して接続する位置とは、プラグ102が接続部420a及び接続部420bと所定値以上の接触圧で接続し、且つプラグ102が接続部420a及び接続部420bと略同一の接触圧で接続する位置である。
【0199】
接続部420aと接続部420bとの対向方向において互いに対向する側壁部416よりフローティング部440を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部420の弾性変形に対するフローティング部440の弾性変形の追従性を向上させることができる。また、接続部420により押圧される側壁部416よりフローティング部440を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部420から側壁部416に加わる押圧力に対するフローティング部440の弾性変形の追従性を向上させることができる。更に、接続部420により押圧される側壁部416の受け部4161よりフローティング部440を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部420の弾性変形に対するフローティング部440の弾性変形の追従性を更に向上させることができる。特に、接続部420が当接する当接部Qよりフローティング部40を延設することにより、プラグ102の位置ずれに伴う接続部420の弾性変形に対するフローティング部440の弾性変形の追従性を更に向上させることができる。
【0200】
また、受け部4161に凹溝部4162を設けることにより、凹溝部4162を設けない場合に比べて、受け部4161の強度を向上させることができるため、接続部420からの押圧力を受け部4161を介してフローティング部440に確実に伝えることができる。
【0201】
上記の動作において、フローティング部440の板幅方向の長さL43を、接続部420の板幅方向の長さL44よりも短くすることにより、フローティング部440を接続部420に比べて容易に弾性変形させることができる。更に、接続部420の板幅方向の長さL44を、フローティング部440の板幅方向の長さL43よりも長くすることにより、接続部420の接続安定性を向上させることができる。
【0202】
また、接続部420の上端部421を上端開口縁部412よりも下方に位置させることにより、接続部420を枠体部410によって保護することができるため、接続部420の変形を防ぐことができる。
【0203】
フローティング部440は、接続部420が枠体部410を押圧する場合に限らず、接続部420が枠体部410を押圧しない場合であっても、接続部420がプラグ102より受ける押圧力に応じて弾性変形する。これにより、枠体部410は上記と同様の動作を行うことが可能であり、接続部420はプラグ102と安定して接続することができる。
【0204】
また、コネクタ5は、接続部420とプラグ102との接続後に何らかの外力が加わることにより上記の負荷が加わった場合であっても、接続部420とプラグ102との接続時に負荷が加わった場合の上記の動作と同様の動作を行うことができる。
【0205】
コネクタ5とプラグ102との接続を解除する場合には、プラグ102を下方に引き抜く。これにより、フローティング部440は自身の弾性復帰力によってプラグ102との接続前の状態に戻り、これに伴って枠体部410はプラグ102との接続前の状態に戻る。
【0206】
このように、本実施形態によれば、上方開口部414と、下方開口部413と、上方開口部414の周囲に設けられる上端開口縁部412と、下方開口部413の周囲に設けられる下端開口縁部411と、を備える枠状の枠体部410と、下端開口縁部411より枠体部410の内側及び上端開口縁部412に向けて延設されてプラグ102と接続する一対の接続部420と、導電部101に固定及び接続される一対の固定部430と、枠体部410と一対の固定部430とを各々接続すると共に、枠体部410を移動可能に支持する一対のフローティング部440と、を有することにより、プラグ102との接続時又は接続後において、プラグ102の位置ずれを生じた場合であっても、電気的に安定した接続を維持することができる。
【0207】
なお、本実施形態において、接続部420が当接する当接部Qよりフローティング部440を延設したが、これに限らず、受け部4161のうちの当接部Q以外の部分よりフローティング部440を延設してもよい。
【0208】
本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本発明は、回路基板の実装面に実装されて回路基板の導電部と相手側接続導体とを接続する金属板によって一体に形成されるコネクタに好適である。
【符号の説明】
【0210】
1 コネクタ
2 コネクタ
3 コネクタ
4 コネクタ
5 コネクタ
10 枠体部
11 下端開口縁部
12 上端開口縁部
13 下方開口部
14 上方開口部
15 切欠き部
20 接続部
20a 接続部
20b 接続部
21 上端部
22 溝部
23 当接部
30 固定部
30a 固定部
30b 固定部
40 フローティング部
40a フローティング部
40b フローティング部
50 規制部
50a 規制部
50b 規制部
100 回路基板
100a 実装面
100b 挿通孔
100c 内壁
101 導電部
102 プラグ
110 枠体部
120 接続部
130 固定部
140 フローティング部
150 規制部
210 枠体部
220 接続部
230 固定部
240 フローティング部
250 規制部
310 枠体部
320 接続部
330 固定部
340 フローティング部
350 規制部
360 座屈抑制部
360a 座屈抑制部
360b 座屈抑制部
361 壁部
362 折返し部
363 ガード部
364 窓孔部
365 折り曲げ部
410 枠体部
420 接続部
430 固定部
440 フローティング部
450 規制部