(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086563
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】発光表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 59/122 20230101AFI20240620BHJP
H10K 59/88 20230101ALI20240620BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240620BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240620BHJP
H10K 50/81 20230101ALI20240620BHJP
H10K 71/60 20230101ALI20240620BHJP
H10K 50/82 20230101ALI20240620BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240620BHJP
H10K 102/10 20230101ALN20240620BHJP
【FI】
H10K59/122
H10K59/88
H10K50/844
H10K59/10
H10K50/81
H10K71/60
H10K50/82
G09F9/30 365
G09F9/30 339Z
G09F9/30 349Z
H10K102:10
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149888
(22)【出願日】2023-09-15
(31)【優先権主張番号】10-2022-0177594
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】兪在哲
(72)【発明者】
【氏名】金正五
(72)【発明者】
【氏名】兪明在
(72)【発明者】
【氏名】李今榮
(72)【発明者】
【氏名】姜▲聖▼浩
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC04
3K107CC05
3K107CC33
3K107DD22
3K107DD26
3K107DD89
3K107DD95
3K107EE02
3K107EE03
3K107EE46
3K107EE47
3K107FF06
3K107GG12
3K107GG28
5C094AA10
5C094AA25
5C094BA27
5C094EA04
5C094EA05
5C094EC04
5C094FA01
5C094JA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】発光領域の発光効率を向上させるとともに、隣接したサブ画素に漏洩電流が流れることを防止することができる発光表示装置を提供する。
【解決手段】発光領域及び非発光領域を含む複数のサブ画素と、前記複数のサブ画素のそれぞれに、前記発光領域及び前記非発光領域の一部と重畳するように備えられた第1透明電極及び第2透明電極を含むアノードと、前記第1透明電極及び前記第2透明電極の間に前記第2透明電極のエッジラインよりも内側に備えられた複数の突出パターンと、前記発光領域及び前記非発光領域の第1領域を露出させるバンクとを含むことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光領域及び非発光領域をそれぞれ含む複数のサブ画素と、
前記複数のサブ画素のそれぞれに設けられ、前記発光領域及び前記非発光領域の一部と重畳するように備えられた第1透明電極及び第2透明電極を含むアノードと、
前記第1透明電極及び前記第2透明電極の間に前記第2透明電極のエッジラインよりも内側に備えられた複数の突出パターンと、
前記発光領域及び前記非発光領域の第1領域を露出させるバンクと、を含む、発光表示装置。
【請求項2】
前記複数の突出パターンは、前記第1領域の境界線と接した前記第2透明電極のエッジラインに沿って備えられた複数の第1突出パターンを含む、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記第2透明電極は、前記第1領域に露出された前記複数の第1突出パターンの一部表面を除いた前記複数の突出パターンの表面に沿って及び前記複数の突出パターンが形成されていない領域に沿って備えられている、請求項2に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記複数の突出パターンが形成されていない領域で前記第1透明電極及び前記第2透明電極は互いに接している、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記複数の突出パターンは無機絶縁材料を含む、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項6】
前記複数の突出パターンは、前記第1透明電極及び前記第2透明電極のそれぞれの屈折率よりも低い屈折率を有する、請求項5に記載の発光表示装置。
【請求項7】
前記第2透明電極及び前記バンク上に中間層及びカソードと、
前記第1領域と重畳するダミーパターンをさらに含み、
前記ダミーパターンは前記中間層と同じ材料を含み、前記中間層及び前記カソードから分離されている、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項8】
前記バンクは前記第1領域の前記ダミーパターンを露出させる、請求項7に記載の発光表示装置。
【請求項9】
前記第1透明電極のエッジラインは前記ダミーパターンの下部縁と接している、請求項7に記載の発光表示装置。
【請求項10】
前記第2透明電極及び前記バンクの間にバリア層をさらに含む、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項11】
前記バリア層は、前記第1透明電極及び前記第2透明電極と異なる材料を含む、請求項10に記載の発光表示装置。
【請求項12】
前記バリア層は、MoTi(モリチタン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Cr(クロム)、Au(金)、及びPt(白金)のうちのいずれか1種を含む、請求項10に記載の発光表示装置。
【請求項13】
前記第1透明電極と接続される薄膜トランジスタをさらに含み、
前記薄膜トランジスタは前記第1領域を除いた前記非発光領域に配置される、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項14】
発光領域及び非発光領域をそれぞれ含む複数のサブ画素を形成することと、
前記複数のサブ画素のそれぞれに、前記発光領域及び前記非発光領域の一部と重畳するように備えられた第2透明電極を形成することと、
前記第2透明電極の下に、前記第2透明電極のエッジラインよりも内側に複数の突出パターンを形成することと、
前記複数の突出パターンの下に前記第2透明電極と重畳した第1透明電極を形成することと、
前記第2透明電極上に、前記発光領域及び前記非発光領域の第1領域を露出させるバンクを形成することと、
前記第2透明電極と前記バンクの間にバリア層を形成することと、を含む、発光表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記第2透明電極を形成すること、
マスクとしてバリア材料パターンを用いて、第2透明電極材料をエッチングすることを含む、請求項14に記載の発光表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記複数の突出パターンを形成することは、
マスクとして前記バリア材料パターンを用いて、前記第2透明電極のエッジラインよりも外郭側に突出した1次突出パターンをエッチングすることを含む、請求項15に記載の発光表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記バリア層を形成することは、
マスクとして前記バンクを用いて、前記バリア材料パターンをエッチングすることを含む、請求項15に記載の発光表示装置の製造方法。
【請求項18】
基板に発光領域及び非発光領域をそれぞれ含む複数のサブ画素と、
前記発光領域及び前記非発光領域と重畳する領域を有する第1透明電極及び第2透明電極を含むアノードと、
前記アノード上に設けられた発光層と、
前記発光領域及び前記非発光領域内の前記第1透明電極及び前記第2透明電極の間に備えられた複数の発光強化ドットと、を含み、
前記複数の発光強化ドットは前記第1透明電極及び前記第2透明電極の屈折率よりも低い屈折率を有し、前記発光層で発光された光を前記基板の前記発光領域側に屈折させる、発光表示装置。
【請求項19】
前記発光領域及び前記非発光領域の第1領域を露出させるバンクをさらに含む、請求項18に記載の発光表示装置。
【請求項20】
前記非発光領域の前記第1領域によって露出されたダミーパターンをさらに含む、請求項19に記載の発光表示装置。
【請求項21】
前記第2透明電極は、前記非発光領域の前記第1領域にアンダーカット領域を有する、請求項19に記載の発光表示装置。
【請求項22】
前記発光層は前記非発光領域の前記第1領域によって分離される、請求項19に記載の発光表示装置。
【請求項23】
前記非発光領域の前記第1領域は、前記アノードの縁部の側面に沿って選択的に備えられる、請求項19に記載の発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光表示装置に関するものであり、より詳しくは発光領域の発光効率を向上させるとともに、隣接したサブ画素に漏洩電流が流れることを防止することができる発光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多様な情報を画面に具現する映像表示装置は情報通信時代の核心技術であり、薄型化、軽量化、低消費電力化の優れた性能を有する多くの多様な表示装置が継続的に開発されている。
【0003】
このうち、発光表示装置(Light Emitting Display Device)は自発光素子である発光素子を含むので、非発光素子に使用される別途の光源が必要ではないので、軽量化及び薄型化が可能である。
【0004】
発光素子はアノードとカソードとの間に中間層を含んでおり、アノードとカソードとの間に電場をかけることで、中間層から発光した光が多くの構成要素を通過して発光表示装置の外部に出ることになる。
【0005】
ところが、発光素子から発光した光の一部は発光表示装置の外部に出ることができず、表示装置の内部に閉じこめられるので、発光表示装置の光抽出効率が低くなる問題点が発生することがある。
【0006】
また、発光素子を含む発光表示装置は、複数のサブ画素のうちの一部の画素が漏洩電流によって発光する問題点が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためのものであり、発光領域の発光効率を向上させるとともに、隣接したサブ画素に漏洩電流が流れることを防止することができる発光表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発光表示装置は、サブ画素のそれぞれに含まれた第1透明電極及び第2透明電極の間に複数の突出パターンを含み、発光部の発光効率を向上させるとともに、隣接したサブ画素に漏洩電流が流れることを防止することができる。
【0009】
本発明の一実施例による発光表示装置は、発光部及び非発光部を含む複数のサブ画素と、複数のサブ画素のそれぞれに、発光部及び非発光部の一部と重畳するように備えられた第1透明電極及び第2透明電極を含むアノードと、第1透明電極及び第2透明電極の間に第2透明電極のエッジラインよりも内側に備えられた複数の突出パターンと、発光部及び非発光部の第1領域を露出させるバンクとを含むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の発光表示装置は、中間層から外部に発光することができない光が複数の突出パターンによって屈折されて外部に発光することができるようにすることで、発光領域の発光効率を向上させる効果を有する。
【0011】
また、本発明の発光表示装置は、隣接したサブ画素の間の非発光領域で中間層が第2透明電極のアンダーカットによって第1領域として分離できるので、中間層を通して隣接したサブ画素の間に漏洩電流が流れることを防止する効果を有する。
【0012】
さらに、本発明の発光表示装置は、第1及び第2透明電極の間に複数の突出パターンを備えることで、発光効率向上及び漏洩電流防止を同時に達成することができるので、消費電力及び生産エネルギーを低減することができる。よって、本発明の発光表示装置は、環境に優しく、低電力及び工程最適化の利点により、ESG(Environment/Social/Governance)効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施例による本発明の発光表示装置の平面図である。
【
図3】
図2の発光素子の光経路を示す断面図である。
【
図5】第2実施例による本発明の発光表示装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は添付図面に基づいて詳細に後述する実施例を参照すると明らかになるであろう。しかし、本明細書は以下で開示する多様な例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現できる。ただ、本明細書の多様な例は本明細書の開示を完全にし、本明細書の技術的思想が属する技術分野で通常の知識を有する者に本明細書の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本明細書の例は特許請求の範囲の範疇によって定義されるだけである。
【0015】
本明細書の多様な例を説明するための図面に開示した形状、サイズ、縮尺、角度、個数などは例示的なものであるので、本明細書の図面に示した事項に限定されるものではない。明細書全般にわたって同じ構成要素は同じ参照符号で指称する。また、本明細書の例の説明において、関連した公知の技術についての具体的な説明が本明細書の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0016】
本明細書で言及する「含む」、「有する」、「なる」などを使う場合、「~のみ」を使用しない限り、他の部分をさらに含むことができる。構成要素を単数で表現する場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0017】
構成要素の解釈において、別途の明示的記載がなくても誤差範囲を含むものとして解釈する。
【0018】
位置関係についての説明の場合、例えば、「~の上に」、「~の上部に」、「~の下部に」、「~のそばに」などで二つの部分の位置関係を説明する場合、「すぐ」又は「直接」を使用しない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0019】
時間関係についての説明の場合、例えば、「~の後に」、「~に引き続き」、「~の次に」、「~の前に」などで時間的先後関係を説明する場合、「すぐ」又は「直接」を使用しない限り、連続的ではない場合も含むことができる。
【0020】
第1、第2などを多様な構成要素を敍述するために使うが、これらの構成要素はこれらの用語に限定されない。これらの用語はただ一構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。よって、以下で言及する第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもできる。
【0021】
「第1水平軸方向」、「第2水平軸方向」及び「垂直軸方向」は相互間の関係が垂直になった幾何学的関係のみと解釈されてはいけなく、本明細書の構成が機能的に作用することができる範囲内でより広い方向性を有することを意味することができる。
【0022】
「少なくとも一つ」という用語は一つ以上の関連項目から提示可能なすべての組合せを含むものと理解しなければならない。例えば、「第1項目、第2項目及び第3項目のうちの少なくとも一つ」という意味は、第1項目、第2項目または第3項目のそれぞれだけでなく、第1項目、第2項目及び第3項目のうちの二つ以上から提示可能なすべての項目の組合せを意味することができる。
【0023】
本発明のいくつかの例のそれぞれの特徴は部分的に又は全体的に互いに結合又は組合せ可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各例を互いに独立的に実施することもでき、連関関係で一緒に実施することもできる。
【0024】
以下では、本明細書の実施例による発光表示装置の好適な例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
各図の構成要素に参照符号を付けるにあたり、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されていても、できるだけ同じ符号を有することができる。そして、添付図面に示す構成要素のスケールは説明の便宜のために実際と異なるスケールを有するので、図面に示すスケールに限定されない。
【0026】
図1は第1実施例による本発明の発光表示装置1000の平面図であり、
図2は
図1のI-I線についての断面図である。
【0027】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施例による発光表示装置1000は、発光領域EA及び非発光領域NEAを含む複数のサブ画素PXLと、複数のサブ画素PXLのそれぞれに、発光領域EA及び非発光領域NEAの一部と重畳するように備えられた第1透明電極111及び第2透明電極113を含むアノード110と、第1透明電極111及び第2透明電極113の間に第2透明電極のエッジライン113aより内側に備えられた複数の突出パターン150と、発光領域EA及び非発光領域NEAの第1領域A1を露出させるバンク160と、第2透明電極113及びバンク160の間に備えられたバリア層170とを含むことができる。
【0028】
基板10は、画面が表示されるアクティブ領域と、画面が表示されない外郭領域とに区分され、アクティブ領域は複数のサブ画素PXLからなることができる。複数のサブ画素PXLは、実際に光が発光する領域である発光領域EAと、発光領域EAの周囲に光が発光しない領域である非発光領域NEAとからなることができる。複数のサブ画素PXLは、互いに異なる大きさの発光領域EAを備えることができる。それぞれの発光領域EAは、赤色、緑色及び青色からなる一つの単位画素を成すことができる。一例として、それぞれの発光領域EAが赤色、緑色及び青色からなる単位画素の場合、青色の発光領域が赤色及び緑色の発光領域より発光効率が低いので、赤色及び緑色の発光領域より広い領域を有することができる。一方、隣接したサブ画素PXLの間は第1領域A1を含む非発光領域NEAからなることができる。すなわち、第1領域A1は隣接したサブ画素PXLのそれぞれの非発光領域NEAの一部と重畳するように備えられることができる。
【0029】
ここで、基板10は、プラスチック基板の場合、ポリイミド(Polyimide)またはポリアミド(Polyamide)を含むことができる。また、基板10上には、データ信号及びゲート信号のような各種の信号配線、スイッチング薄膜トランジスタ及び駆動薄膜トランジスタのようなトランジスタ及びキャパシタなどを含む回路素子がサブ画素PXL別に形成される。スイッチング薄膜トランジスタ及び駆動薄膜トランジスタのようなトランジスタは発光領域EAと重畳せず、非発光領域NEAの第1領域A1を除いた領域である薄膜トランジスタ領域TFTに備えられることができる。本発明は、説明の便宜のために、一つの発光領域EAを駆動する任意の一つの薄膜トランジスタT1を示している。
【0030】
薄膜トランジスタT1は、アクティブ層27と、前記アクティブ層27のチャネル領域25とゲート絶縁膜31を介在して重畳したゲート電極35と、アクティブ層27の両側と接続したソース電極41及びドレイン電極43とを含む。
【0031】
薄膜トランジスタT1のアクティブ層27は、チャネル領域25を間に挟んで両側にソース領域21及びドレイン領域23を備える。ソース領域21及びドレイン領域23のそれぞれはn型またはp型不純物が注入された半導体材料から形成される。ゲート電極35と重畳したチャネル領域25はn型またはp型不純物が注入されていない半導体材料から形成できる。
【0032】
薄膜トランジスタT1のゲート電極35は、ゲート絶縁膜31を間に挟んで、アクティブ層27のチャネル領域25と同じ幅で重畳するように構成される。ゲート絶縁膜31はゲート電極35と同じパターンでアクティブ層27のチャネル領域25と重畳する。例えば、ゲート電極35は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか1種またはこれらの合金からなる単層または多重層からなることができる。一方、ゲート絶縁膜31は無機絶縁材料からなることができ、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、シリコン酸窒化膜(SiOxNy)、またはこれらの多重膜からなることができる。
【0033】
基板10上の遮光層11は薄膜トランジスタT1の少なくともアクティブ層27のチャネル領域25と重畳し、アクティブ層27の下側に配置される。遮光層11は、外部光が基板10を透過して薄膜トランジスタT1に伝達されることを防止する。例えば、遮光層11は、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、アルミニウム-ネオジム(AlNd)、アルミニウム(Al)またはクロム(Cr)またはこれらの合金のような金属材料が単層になることができるか、またはこれらを用いた多層構造になることができる。
【0034】
遮光層11上のバッファー膜20は遮光層11を覆うように構成される。例えば、バッファー膜20は、酸化シリコン(SiOx)または窒化シリコン(SiNx)から単層または複数層の構造になることができる。
【0035】
バッファー膜20上の層間絶縁膜30はアクティブ層27のソース領域21及びドレイン領域23のそれぞれを露出させるソースコンタクトホール及びドレインコンタクトホールを含み、ゲート絶縁膜31及びゲート電極35を覆うように構成されることができる。例えば、層間絶縁膜30は無機絶縁材料からなることができる。例えば、層間絶縁膜30は、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはシリコン酸窒化膜(SiOxNy)の単層または複数層からなることができる。
【0036】
層間絶縁膜30上にソース電極41及びドレイン電極43が同一層として備えられることができる。ソース電極41及びドレイン電極43のそれぞれはソースコンタクトホール及びドレインコンタクトホールを介してアクティブ層27のソース領域21及びドレイン領域23と接続される。例えば、ソース電極41及びドレイン電極43は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)または銅(Cu)またはこれらの合金のような金属材料が単層になることができるか、またはこれらを用いた多層構造になることができる。
【0037】
層間絶縁膜30上のパッシベーション層40は薄膜トランジスタ領域TFTを覆うように構成されることができる。これにより、薄膜トランジスタ領域TFTはパッシベーション層40によって保護できる。例えば、パッシベーション層40は一種の無機絶縁膜であり、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはシリコン酸窒化膜(SiOxNx)の単層または複数層から構成できる。
【0038】
パッシベーション層40上には平坦化層50が備えられることができる。平坦化層50は薄膜トランジスタ領域TFTの上部の表面段差を充分に平坦化することができる程度の厚さに形成され、有機絶縁膜から形成できる。場合によって、平坦化層50が薄膜トランジスタT1を保護する機能を兼ねる場合、パッシベーション層40は省略することもできる。例えば、平坦化層50は一種の有機絶縁膜であり、フォトアクリル(photo acryl)、ポリイミド(polyimide)、ベンゾシクロブテン系樹脂(benzocyclobutene resin)及びアクリレート系(acrylate)のうちのいずれか1種からなることができ、場合によっては複数層に形成することもできる。
【0039】
平坦化層50上に、アノード110、中間層130及びカソード140の積層構造を有する発光素子ELが備えられることができる。発光素子ELのアノード110は、アノードコンタクトホール55を介して下部の薄膜トランジスタT1のドレイン電極43と接続される。このような発光素子ELは、電源電圧ラインから供給された電流がカソード140に流れ、薄膜トランジスタT1から高電圧の電流をアノード110に供給すると、アノード110とカソード140との間に電場が形成されることで、中間層130は発光するようになる。
【0040】
具体的には、アノード110は複数のサブ画素PXLのそれぞれに備えられ、非発光領域NEAの第1領域A1の境界線と接し、発光領域EA及び非発光領域NEAの一部と重畳するように構成されることができる。非発光領域NEAでアノード110はアノードコンタクトホール55を介して薄膜トランジスタ領域TFTの少なくとも一つ以上の薄膜トランジスタT1と接続できる。例えば、アノード110はインジウム-スズ-オキサイド(ITO:Indium Tin Oxide)またはインジウム-ジンク-オキサイド(IZO:Indium Zinc Oxide)のような透明導電材料からなることができ、光が透過することができる程度に薄い厚さを有する銀(Ag)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)またはこれらの合金からなることもできる。
【0041】
アノード110は、第1透明電極111及び第1透明電極111上の第2透明電極113が互いに重畳することによってなることができる。第1透明電極111及び第2透明電極113のそれぞれの縁部の一部は第1領域A1の境界線に接して形成できる。具体的には、第1領域A1に隣接した第1透明電極111及び第2透明電極113のそれぞれの側面である第1透明電極のエッジライン111a及び第2透明電極のエッジライン113aは第1領域A1の境界線と接して形成できる。ここで、第1領域A1の境界線は
図1のように非発光領域NEAでバンク160によって露出された領域の縁端を意味し、第1及び第2透明電極のエッジライン111a、113aと接する第1領域A1の縁端を含むことができる。
【0042】
また、第1透明電極111及び第2透明電極113のそれぞれの縁端は
図2の第1透明電極のエッジライン111a及び第2透明電極のエッジライン113aのようにテーパーをなすように形成できる。よって、テーパーを有する第1及び第2透明電極のエッジライン111a、113aはそれぞれバンク160の下部にアンダーカットを形成することができるので、バンク160の上部に蒸着するレイヤーの断線を手伝う。ただし、本発明の第1透明電極111及び第2透明電極113のそれぞれのエッジラインはこれに限定されず、
図2で第1透明電極のエッジライン111a及び第2透明電極のエッジライン113aのそれぞれの反対側エッジラインのようにほぼ垂直になることもできる。
【0043】
本発明の発光表示装置1000は、第1透明電極111及び第2透明電極113にテーパーのようなアンダーカットが形成されなくても、次のように第1透明電極111及び第2透明電極113の間に複数の突出パターン150を備えて第2透明電極113の下部にアンダーカットを形成することで、第2透明電極113上に蒸着するレイヤーを断線させることができる。
【0044】
ここで、第2透明電極113は少なくとも複数の突出パターン150よりも薄い厚さを有することができる。薄い厚さの第2透明電極113は複数の突出パターン150が突出した形状を維持し、複数の突出パターン150のそれぞれの表面を覆うことができる。よって、第2透明電極113は複数の突出パターン150の表面及び複数の突出パターン150の間の突出パターン150が形成されていない領域に沿って備えられることができる。
【0045】
第1透明電極111と第2透明電極113とは突出パターン150が形成されていない領域で互いに接して形成できる。第1透明電極111はアノードコンタクトホール55を介して下部の薄膜トランジスタT1と接続できる。したがって、本発明の発光表示装置1000は、第1透明電極111が第2透明電極113と接続することで、アノードコンタクトホール55を介して薄膜トランジスタT1の電流を同時に受けることができる。このような第1透明電極111及び第2透明電極113は互いに同じ材料からなることができる。しかし、本発明はこれに限定されず、場合によって第1透明電極111及び第2透明電極113は互いに異なる透明導電材料からなることができる。
【0046】
第1透明電極111及び第2透明電極113の間の複数の突出パターン150は第2透明電極113の縁端よりも内側に備えられることができる。特に、複数の突出パターン150のうち第1領域A1に隣接した第1突出パターン150aは第2透明電極のエッジライン113aよりも内側に備えられることができる。このような第1突出パターン150aは、
図1のように、第1領域A1に平行な方向に複数が備えられることができる。また、工程過程によって、第1突出パターン150aは第1突出パターン150aを間に挟んで第1領域A1から離隔した第2突出パターン150bと異なる大きさを有することができる。よって、第2透明電極のエッジライン113aの内側に備えられた第1突出パターン150aは、
図2のC領域のように、第2透明電極113の下部にアンダーカットを発生させることができる。したがって、本発明の発光表示装置1000は、第2透明電極113上の中間層130が第2透明電極113のアンダーカットによって断線されることで、隣接したサブ画素PXLの間に漏洩電流が流れることを防止する効果を有することができる。また、複数の突出パターン150は、後述するように、発光表示装置の発光された光を外部に放出させるように手伝う発光強化ドット(dot)として機能することができる。
【0047】
複数の突出パターン150の形状は、断面積において下面が上面より広い断面台形の六面体からなることができる。しかし、本発明の複数の突出パターン150はこれに限定されず、一例として、複数の突出パターン150は、断面台形を有し、下部に行くほど広い面積を有する角錐台形を有することができる。
【0048】
複数の突出パターン150はSiO
2のような無機絶縁材料からなることができる。無機絶縁材料からなる複数の突出パターン150は第1透明電極111及び第2透明電極113のそれぞれより低い屈折率を有することができる。ここで、中間層130で発生した光のうち基板10側に放出できない光は上方のカソード140によって反射されて基板10に放出されるか、または側面方向のバンク160及び突出パターン150に向かうようになる。
図3を参照すると、突出パターン150を経ずにバンク160に入射した光E1は消失されることができるが、突出パターン150の側面に入射した光E2、E3は突出パターン150と第1及び第2透明電極111、113との間の屈折率差によって下側及び上側に屈折される。よって、突出パターン150の側面に入射した光のうち第1透明電極111に向かって下側に屈折された光E3は基板10の外部に発光することができる。また、突出パターン150の側面に入射した光のうち第2透明電極113に向かって上側に屈折された光E2は反射電極のカソード140によって反射され、再び下部の基板10の外部に発光することができる。すなわち、本発明の発光表示装置1000は、中間層130で発生した光がバンク160に向かうときに消失されず、突出パターン150によって屈折されて基板10側に放出できるので、発光効率が向上する効果を有することができる。
【0049】
第2透明電極113上には、間にバリア層170を介在してバンク160を備えることができる。バリア層170は非発光領域NEAに備えられた第2透明電極113の上部を覆い、第2透明電極113とバンク160との間に備えられることができる。バリア層170は、工程過程で、マスク機能、及び第1突出パターン150aの形成の際に使用されるエッチングガスからアノード110及び複数の突出パターン150を保護する機能を兼ねることができる。このようなバリア層170は第1透明電極111及び第2透明電極113のそれぞれと異なる材料からなることができる。一例として、バリア層170は、MoTi(モリチタン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Cr(クロム)、Au(金)、及びPt(白金)のうちのいずれか1種を含んでなることができる。
【0050】
バンク160は、発光領域EA及び非発光領域NEAの第1領域A1を露出させるように、平坦化層50及びバリア層170上に備えられることができる。すなわち、バンク160はアノード110の発光領域EAを区分するためにアノード110の縁部の上部を覆い、非発光領域NEAに備えられた薄膜トランジスタ領域TFTを覆うことができる。ここで、バンク160は第1領域A1を露出させることで、少なくとも第1領域A1の境界線と接した第2透明電極のエッジライン113aを露出させることができる。したがって、本発明の発光表示装置1000は、バンク160上に蒸着する層を、
図2のC領域のように、第2透明電極113のアンダーカット領域で断線させることができる。
【0051】
また、バンク160は少なくとも発光領域EAに備えられた第2突出パターン150bの側面よりも高角のテーパーを有するように形成できる。高角になったバンク160の側面はステップカバレージ特性が良くない中間層130が薄く蒸着するようにする。このようなバンク160の側面は、基板10の全面に共通マスクとして形成される中間層130がバンク160の側面に薄く形成されるようにすることで、中間層130がバンク160の側面から第1領域A1に延びるとき、中間層130が容易に分離できる。
【0052】
第2透明電極113及びバンク160上に中間層130が備えられることができる。中間層130は正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL、発光層EML、電子輸送層ETL及び電子注入層EILを含む多重層からなる単一スタックの有機層を意味することもできる。ここで、発光層EMLは、赤色、緑色及び青色のうちのいずれか一つの光を発光する発光層であり得、複数のサブピクセルPXLのそれぞれに一部が備えられることができる。発光層EMLを除いた中間層130の多数の層は基板10上に共通マスクとして全面に備えられることができる。また、中間層130は、複数のスタック(first stack、second stack)とスタックとの間に電荷生成層CGL(charge generation layer)を含むタンデム(tandem)構造の発光ユニットを意味することもできる。ここで、電荷生成層CGLはn型及びp型の二重層からなることができる。そして、タンデム構造は図示の2スタック構造に限られず、3スタック以上の多重スタックであってもよい。このような電荷生成層CGLのn型電荷生成層及びp型電荷生成層はそれぞれn型ドーパント及びp型ドーパントを含むことができる。例えば、n型ドーパントにリチウム(Li)またはイッテルビウム(Yb)などの金属ドーパントを含むことができ、このような金属ドーパントが電荷移動度を高くする原因になり、n型電荷生成層が複数のサブ画素に共通して形成されるとき、隣接したサブ画素の間の漏洩電流を引き起こす原因になることがある。n型電荷生成層の他にも、電荷移動度が高い材料を含む中間層130の層は漏洩電流の原因になることがある。
【0053】
ところで、本発明の発光表示装置1000による中間層130は、
図2のC領域のように、第2透明電極113の下部のアンダーカット領域によって断線できる。したがって、本発明は、中間層130の共通層のうち電荷移動度が高い層を隣接したサブ画素PXLの間の非発光領域NEAである第1領域A1から分離することができるので、漏洩電流が中間層130を通して隣接したサブ画素PXLの間に流れることを防止することができる。したがって、本発明は、バンク160上の中間層130から分離されて中間層130と同じ層に配置された中間層ダミーパターン130aを備えるダミーパターン200が第1領域A1の平坦化層50上に形成できる。
【0054】
中間層130上にカソード140が備えられることができる。カソード140は透明導電膜及び反射効率の高い不透明導電膜を含む多層構造に形成できる。カソード140の透明導電膜としては、インジウム-スズ-オキサイド(Indium Tin Oxide;ITO)またはインジウム-ジンク-オキサイド(Indium Zinc Oxide;IZO)のような仕事関数値が比較的大きい材質からなり、不透明導電膜としては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、またはタングステン(W)からなる群から選択されるいずれか1種またはこれらの合金の単層または多層からなることができる。例えば、カソード140は、透明導電膜、不透明導電膜及び透明導電膜が順次積層された構造に形成されるか、または透明導電膜及び不透明導電膜が順次積層された構造に形成できる。
【0055】
カソード140は基板10上に共通マスクを介して全面に形成できる。金属からなるカソード140は、平坦面に比べて、高角のテーパーを有するバンク160の側面では薄く形成できるが、ステップカバレージ特性が良いので、バンク160の側面を過ぎっても一部の側面まで連続的に備えられることができる。すなわち、カソード140は
図2でバンク160の側面を過ぎって断線された形態を示しているが、バンク160の側面を過ぎって第2透明電極113の側面までも形成できる。ただ、カソード140は少なくとも、
図2のC領域のように、第2透明電極113のアンダーカット領域で断線できる。よって、カソード140はバンク160上で第1領域A1として分離され、ダミーパターン200はカソード140と同じ層のカソードダミーパターン140aを備えることができる。
【0056】
【0057】
図4aを参照すると、基板10上に、薄膜トランジスタT1及び発光素子ELを覆う平坦化層50を形成する。具体的には、遮光層11が形成された基板10上にバッファー膜20を形成し、そのバッファー膜20上にアクティブ層27をマスク工程によって形成する。次いで、アクティブ層27が形成されたバッファー膜20上にゲート絶縁膜31及びゲート電極35をマスク工程によって同時に形成する。次いで、ゲート電極35上に、ソース及びドレインコンタクトホールを備えた層間絶縁膜30をマスク工程によって形成する。次いで、層間絶縁膜30が形成された基板10上にソース/ドレイン電極41、43をマスク工程によって形成する。次いで、ソース/ドレイン電極41、43が形成された層間絶縁膜30上に、アノードコンタクトホール55を備えたパッシベーション層40及び平坦化層50をマスク工程によって順次形成する。
【0058】
平坦化層50上に第1透明電極材料1111を全面に形成し、第1透明電極材料1111上にマスク工程によって複数の突出パターン1150を形成し、第1透明電極材料1111及び複数の突出パターン1150上に第2透明電極材料1113を第1透明電極材料1111と重畳するように形成する。第2透明電極材料1113は少なくとも突出パターン1150の厚さよりも薄く形成し、突出パターン1150の表面形状に沿って形成することができる。また、複数の突出パターン150は第1透明電極材料1111及び第2透明電極材料1113のそれぞれの縁部よりも内側に形成することができる。
【0059】
次いで、
図4bを参照すると、第2透明電極材料1113上にバリア材料層1170を第2透明電極材料1113と重畳して形成することができる。
【0060】
次いで、
図4cを参照すると、バリア材料層1170上に感光膜PRをマスク工程によって設定領域SET内に形成することができる。感光膜PRの設定領域SETは複数のサブ画素PXLのそれぞれに含まれたアノード110を備える領域であり得る。
【0061】
次いで、
図4dを参照すると、感光膜PRをマスクとしてバリア材料層1170をパターニングすることによってバリア材料パターン1170aを形成する。ここで、バリア材料パターン1170aのマスク工程では、湿式エッチング(Wet Etch)によって形成することができる。場合によって、バリア材料パターン1170aは、C1領域のように、エッチングガスによって感光膜PRの下部にアンダーカット形態のテーパーを有するように形成することができる。しかし、本発明はこれに限定されず、バリア材料パターン1170aの側面は工程方式によって垂直に形成することもできる。
【0062】
次いで、
図4eを参照すると、感光膜PRをマスクとして第2透明電極材料1113をパターニングすることによって第2透明電極113を形成する。ここで、第2透明電極113のマスク工程では、HCl(塩酸)とH
3PO
4(リン酸)とを組み合わせたガスを用いた湿式エッチングによって形成することができる。場合によって、第2透明電極113は、C2領域のように、バリア材料パターン1170aの下部にアンダーカット形態のテーパーを有するように形成することもできる。しかし、本発明はこれに限定されず、第2透明電極113の側面は工程方式によって垂直に形成することもできる。
【0063】
また、第1透明電極材料1111が第2透明電極材料1113と同じ材料からなる場合、第2透明電極113のマスク工程の際、第2透明電極材料1113と接した第1透明電極材料1111の一部を除去することができる。ここで、エッチング程度は第2透明電極材料1113の厚さをエッチングすることができる程度に設定することで、第1透明電極材料1111は第2透明電極材料1113と一緒に全部エッチングされず、平坦化層50上に残ることができる。
【0064】
また、二つの感光膜PRの間の領域に隣接した第2透明電極113の縁部は感光膜PRの間の隣接した領域から突出パターン1150の上面まで形成することができる。よって、感光膜PRの間に位置する突出パターン1150は第2透明電極113から一部が露出できる。一方、第2透明電極113は、二つの感光膜PRの間の領域に隣接した前記縁部を除いた縁部は突出パターン1150の表面を過ぎって突出パターン1150が形成されていない領域で第1透明電極材料1111と連続的に接するようになることができる。
【0065】
次いで、
図4fを参照すると、感光膜PRをマスクとして第1透明電極材料1111をパターニングすることによって第1透明電極111を形成する。ここで、第1透明電極111が第2透明電極113と同じ材料から形成される場合、第1透明電極111のマスク工程では、第2透明電極113のマスク工程で使用した同じエッチングガスを使用して形成することができる。場合によって、第1透明電極111は、C3領域のように、突出パターン1150の下部にアンダーカット形態のテーパーを有するように形成することができる。しかし、本発明はこれに限定されず、第1透明電極111の側面は工程方式によって垂直に形成することもできる。
【0066】
また、
図4fの工程では、複数の突出パターン1150のうち、第1透明電極111及び第2透明電極113の縁部よりも外郭側に突出した1次突出パターン1150aが現れることができる。すなわち、第1透明電極材料1111及び第2透明電極材料1113は二つの感光膜PRの間に位置する1次突出パターン1150aの上面までパターニングすることで、1次突出パターン1150aが第1透明電極111及び第2透明電極113よりも外郭側に突出することができる。一方、1次突出パターン1150aを除いた複数の突出パターン1150bは下面及び表面が共に第1透明電極111及び第2透明電極113と接することができる。
【0067】
次いで、
図4gを参照すると、感光膜PRを除去(Strip)し、バンク160がマスク工程によって形成することができる。バンク160は複数のサブ画素PXLのそれぞれの発光領域EA及び非発光領域NEAの第1領域A1を露出させるように形成できる。また、バンク160は第1領域A1を露出させることで、第1領域A1の境界線と重畳したバリア材料パターン1170aの縁部を露出させるように形成することができる。
【0068】
次いで、
図4hを参照すると、バリア材料パターン1170aをマスクとして第2透明電極113の縁部よりも外郭側に突出した1次突出パターン1150aをエッチングして第1突出パターン150aを形成することができる。第1突出パターン150aは、C4領域のように、第2透明電極113のエッジラインよりも内側に形成されることによって第2透明電極113のアンダーカットを形成することができる。よって、第1突出パターン150aを第2透明電極113で覆われた第2突出パターン150bと異なる大きさに形成することができる。このような第1突出パターン150a及び第2突出パターン150bを含む複数の突出パターン150は本発明の光抽出効率を向上させ、第2透明電極113の下部にアンダーカットを形成することができる。
【0069】
一方、
図4hの工程で、バリア材料パターン1170aは第1突出パターン1150aをエッチングするためのマスクとして機能するとともに、第1突出パターン1150aのエッチングの際、第1透明電極111及び第2透明電極113の損傷を防止する機能を有することができる。
【0070】
次いで、
図4iを参照すると、バンク160をマスクとしてバリア材料パターン1170aをパターニングすることができる。よって、バンク160から露出されたバリア材料パターン1170aの領域が除去されることで、第2透明電極113及びバンク160の重畳領域にバリア層170が形成できる。
【0071】
次いで、
図4jを参照すると、
図4i工程を完了し、基板10の全面にわたって中間層130及びカソード140を順次形成することができる。中間層130及びカソード140は、第2透明電極113の下部の第1突出パターン150aにアンダーカットが形成されることにより、バンク160の側面から第1領域A1として分離できる。よって、第1領域A1には、中間層130及びカソード140のそれぞれと同一層を成す中間層ダミーパターン130a及びカソードダミーパターン140aの積層構造を有するダミーパターン200が形成できる。
【0072】
したがって、本発明の発光表示装置は、サブ画素PXLのそれぞれに含まれた発光素子ELのアノード110及び中間層130の間に複数の突出パターン150を形成することにより、中間層130から外部に発光することができない光が複数の突出パターン150によって屈折されて外部に発光することができるようにすることで、発光領域EAの発光効率を向上させる効果を有することができる。
【0073】
さらに、本発明の発光表示装置は、サブ画素PXLのそれぞれに含まれたアノード110の第1透明電極111及び第2透明電極113の間に複数の突出パターン150を形成し、複数の突出パターン150のうち第2透明電極のエッジライン113aの下部に位置する複数の第1突出パターン150aによって第2透明電極113のアンダーカットを形成することで、サブ画素PXLの間の非発光領域NEAで中間層130を第2透明電極113のアンダーカットによって第1領域A1として分離することができるので、漏洩電流が中間層130を通して隣接したサブ画素PXLの間に流れることを防止する効果を有することができる。
【0074】
すなわち、本発明の発光表示装置は、第1透明電極111及び第2透明電極113の間に複数の突出パターン150を備えることで、発光効率向上及び漏洩電流防止の効果を同時に有することができる。
【0075】
図5は第2実施例による本発明の発光表示装置の平面図である。第2実施例による本発明は、第1領域A1をアノード210の縁端の側面に沿って選択的に備えることができる。ただし、アノード210と薄膜トランジスタ領域TFTとの間には第1領域A1を備えなくてもよい。アノード210は、互いに重畳した第1透明電極及び第2透明電極を含むことができ、第1透明電極及び第2透明電極の間には複数の突出パターン250を備えることができる。
【0076】
複数の突出パターン250のうち、第2透明電極の下部にアンダーカットを発生させる第1突出パターン250aはアノード210の縁部に沿って備えられることができる。すなわち、第1突出パターン250aは第1領域A1の境界線と接するアノード210の縁部に沿って備えられることができる。よって、アノード210と薄膜トランジスタ領域TFTとの間には第2突出パターン250bが備えられることができる。
【0077】
バンク260はアノード210の発光領域EA及び非発光領域NEAの第1領域A1を露出させ、非発光領域NEAに備えられることができる。バンク260が非発光領域NEAの第1領域A1を露出させることで、アノード210の縁部の上部は覆われ、アノード210の側面は露出されることができる。また、アノード210の第2透明電極の下部の第1突出パターン250aは第1領域A1に露出できる。
【0078】
一例として、赤色及び緑色の発光領域が並んで配置され、赤色及び緑色の発光領域の下部に赤色及び緑色の発光領域よりも大きい青色の発光領域が配置された単位サブ画素の場合、第1領域A1はそれぞれの発光領域の間に備えられることができる。すなわち、第2実施例による発光表示装置は、漏洩電流が発生し得る発光領域の間に備えられることができる。よって、第2実施例による本発明の発光表示装置は、第1領域A1及び第1領域A1に隣接した第1突出パターン150aを選択的に備えることで、発光領域EAの間に漏洩電流が流れることを効果的に防止することができる。
【0079】
本明細書の一実施例による発光表示装置は下記のように説明することができる。
【0080】
本発明の一実施例による発光表示装置は、発光領域及び非発光領域を含む複数のサブ画素と、複数のサブ画素のそれぞれに、発光領域及び非発光領域の一部と重畳するように備えられた第1透明電極及び第2透明電極を含むアノードと、第1透明電極及び第2透明電極の間に第2透明電極のエッジラインよりも内側に備えられた複数の突出パターンと、発光領域及び非発光領域の第1領域を露出させるバンクとを含むことができる。
【0081】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、複数の突出パターンは、第1領域の境界線と接した第2透明電極のエッジラインに沿って備えられた複数の第1突出パターンを含むことができる。
【0082】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、第2透明電極は、第1領域に露出された複数の第1突出パターンの一部表面を除いた複数の突出パターンの表面及び複数の突出パターンが形成されていない領域に沿って備えられることができる。
【0083】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、複数の突出パターンが形成されていない領域で第1透明電極及び第2透明電極は互いに接することができる。
【0084】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、複数の突出パターンは無機絶縁材料からなることができる。
【0085】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、複数の突出パターンは、第1透明電極及び第2透明電極のそれぞれよりも低い屈折率を有することができる。
【0086】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、第2透明電極及びバンク上に中間層及びカソードをさらに含み、第1領域と重畳するダミーパターンをさらに含み、ダミーパターンは少なくとも中間層と同じ材料を含み、中間層及びカソードから分離できる。
【0087】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、バンクは第1領域のダミーパターンを露出させることができる。
【0088】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、第1透明電極のエッジラインはダミーパターンの下部縁と接することができる。
【0089】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、第2透明電極及びバンクの間にバリア層をさらに含むことができる。
【0090】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、バリア層は、第1透明電極及び第2透明電極のそれぞれと異なる材料からなることができる。
【0091】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、バリア層は、MoTi(モリチタン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Cr(クロム)、Au(金)、及びPt(白金)のうちのいずれか1種を含むことができる。
【0092】
本明細書の一実施例による発光表示装置によれば、第1透明電極と接続される薄膜トランジスタをさらに含み、薄膜トランジスタは第1領域を除いた非発光領域に位置することができる。
【0093】
以上で説明した本明細書は前述した実施例及び添付図面に限定されるものではなく、本明細書の技術的事項から逸脱しない範囲内でさまざまな置換、変形及び変更が可能であるということは、本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。したがって、本明細書の範囲は後述する特許請求範囲によって決定され、特許請求の範囲の意味及び範囲かつその等価概念から導出されるすべての変更または変形の形態が本明細書の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0094】
A1 第1領域
110 アノード
111 第1透明電極
113 第2透明電極
130 中間層
140 カソード
150 複数の突出パターン
160 バンク
170 バリア層
200 ダミーパターン