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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086568
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】射出成形機とその運転方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20240620BHJP
   B29C 45/64 20060101ALI20240620BHJP
   B29C 45/20 20060101ALI20240620BHJP
   B29C 45/84 20060101ALI20240620BHJP
   B22D 17/26 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B29C45/76
B29C45/64
B29C45/20
B29C45/84
B22D17/26 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174532
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2022201305
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】須佐 圭呉
(72)【発明者】
【氏名】古本 求
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AM09
4F202AM19
4F202AP02
4F202AR02
4F202AR08
4F202CA11
4F202CB01
4F202CR03
4F202CS07
4F206AM09
4F206AM19
4F206AP02
4F206AR02
4F206AR08
4F206JA07
4F206JL02
4F206JM02
4F206JM03
4F206JN09
4F206JN31
4F206JP11
4F206JQ51
4F206JQ81
4F206JQ83
4F206JT01
4F206JT05
4F206JT40
(57)【要約】
【課題】射出成形機において運転中に金型の保持力の変化を適切に測定する。
【解決手段】射出成形機1は、電磁力を発生し、電磁力に基づく吸着力で可動金型M1と固定金型M2のいずれかを固定する金型固定具9と、金型固定具9に設けられ、可動金型M1または固定金型M2と金型固定具9との間に作用する接触圧力を測定する圧力センサ16と、接触圧力に基づき可動金型M1または固定金型M2の離脱防止措置を行う制御装置4と、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁力を発生し、前記電磁力に基づく吸着力で可動金型と固定金型のいずれかを固定する金型固定具と、
前記金型固定具に設けられ、前記可動金型または前記固定金型と前記金型固定具との間に作用する接触圧力を測定する圧力センサと、
前記接触圧力に基づき前記可動金型または前記固定金型の離脱防止措置を行う制御装置と、を有する、射出成形機。
【請求項2】
前記離脱防止措置は、前記制御装置が前記圧力センサで測定された前記接触圧力から前記金型固定具の保持力を求め、前記可動金型または前記固定金型に作用する離型力を前記保持力より小さくなるように制御することを含む、請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
前記可動金型を駆動する型締機構を有し、
前記離型力は、前記可動金型または前記固定金型に型開時に発生する型開力であり、
前記制御装置は、前記型開力が前記保持力より小さくなるように前記型締機構を制御する、請求項2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記制御装置は、前記型開力が前記保持力より小さくなるように前記可動金型の型開速度を制御する、請求項3に記載の射出成形機。
【請求項5】
前記可動金型は、前記固定金型と摺動して前記型開力を発生させる摺動部を有し、
前記制御装置は、前記可動金型の型本体が前記固定金型から離れた後、前記摺動部が前記固定金型から離れるまでの間、前記型開力が前記保持力より小さくなるように前記可動金型の速度を制御する、請求項4に記載の射出成形機。
【請求項6】
前記可動金型から成形品を押し出すためのエジェクタピンを駆動するエジェクタピン駆動機構を有し、
前記離型力は、前記エジェクタピンの作動時に前記可動金型に発生するエジェクタピン反力であり、
前記制御装置は、前記エジェクタピン反力が前記保持力より小さくなるように前記エジェクタピン駆動機構を制御する、請求項2に記載の射出成形機。
【請求項7】
前記可動金型を駆動する型締機構と、
前記可動金型から成形品を押し出すためのエジェクタピンを駆動するエジェクタピン駆動機構と、を有し、
前記離型力は、前記可動金型に型開時に発生する型開力と、前記エジェクタピンの作動時に前記可動金型に発生するエジェクタピン反力との合力であり、
前記制御装置は、前記合力が前記保持力より小さくなるように、前記型締機構と前記エジェクタピン駆動機構を制御する、請求項2に記載の射出成形機。
【請求項8】
前記制御装置は前記エジェクタピンの速度を制御する、請求項6に記載の射出成形機。
【請求項9】
前記可動金型と前記固定金型とで形成されるキャビティに射出材料を供給する射出ノズルと、
前記射出ノズルを駆動するノズルタッチ装置と、を有し、
前記離型力は、前記射出ノズルによって前記固定金型に発生するノズルタッチ力であり、
前記制御装置は、前記ノズルタッチ力が前記保持力より小さくなるように、ノズルタッチ装置を制御する、請求項2に記載の射出成形機。
【請求項10】
前記可動金型を駆動する型締機構と、
前記可動金型と前記固定金型とで形成されるキャビティに射出材料を供給する射出ノズルと、
前記射出ノズルを駆動するノズルタッチ装置と、を有し、
前記離型力は、前記固定金型に型開時に発生する型開力と、前記射出ノズルによって前記固定金型に発生するノズルタッチ力との合力であり、
前記制御装置は、前記合力が前記保持力より小さくなるように前記型締機構とノズルタッチ装置を制御する、請求項2に記載の射出成形機。
【請求項11】
前記圧力センサは、成形工程における特定のタイミングで前記接触圧力を測定し、
前記制御装置は、前記圧力センサで測定された前記接触圧力から前記保持力を求め、
前記離脱防止措置は、前記制御装置が、前記保持力がアラーム基準値以下となったときにアラームを発信することを含む、請求項2から10のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項12】
前記離脱防止措置は、前記制御装置が、前記保持力が前記アラーム基準値より小さい停止基準値以下となったときに射出成形機を停止することを含む、請求項11に記載の射出成形機。
【請求項13】
前記圧力センサは、成形工程における特定のタイミングで前記接触圧力を測定し、
前記離脱防止措置は、前記制御装置が、前記圧力センサで測定された前記接触圧力から前記保持力の経時変化を求めることを含む、請求項2から10のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項14】
前記圧力センサは、成形工程における特定のタイミングで前記接触圧力を測定し、
前記制御装置は、前記圧力センサで測定された前記接触圧力から前記保持力を求め、
前記離脱防止措置は、前記制御装置が前記保持力の経時変化に基づき、前記保持力を前記離型力より小さくなるようにフィードバック制御することを含む、請求項13に記載の射出成形機。
【請求項15】
電磁力を発生する金型固定具と、制御装置とを備え、前記金型固定具が前記電磁力に基づく吸着力で金型を固定する射出成形機の運転方法であって、
前記金型と前記金型固定具との間に作用する接触圧力を圧力センサで測定することと、
前記制御装置によって、前記接触圧力に基づき前記金型の離脱防止措置を行うことと、
を有する射出成形機の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機とその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の多品種少量生産のニーズの増加に伴い、射出成形機の金型の交換時間の短縮が望まれている。特許文献1には電磁式の金型固定具が開示されている。金型固定具は、極性の固定された磁石と、コイルへの通電によって極性を反転可能な磁石と、を有している。コイルへの通電によって金型を吸着することができるため、金型の交換時間の短縮が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/202957号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金型固定具が金型を保持する保持力は、金型固定具自体の吸着力(電磁力)の他、金型が受ける様々な力によって決まる。金型の吸着力は金型固定具に設置された専用のサーチコイルを用いて測定される。サーチコイルに通電し続けると、磁石が加熱されて磁石の磁力が低下するため、吸着力を連続的に測定することができない。このため、射出成形機の運転中に保持力の変化を適切に測定することは困難である。
【0005】
本開示は、運転中に金型の保持力の変化を適切に測定することができる射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の射出成形機は、金型固定具に設けられ、金型と金型固定具との間に作用する接触圧力を測定する圧力センサと、接触圧力に基づき金型の離脱防止措置を行う制御装置と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、運転中に金型の保持力の変化を適切に測定することができる射出成形機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る射出成形機の概略正面図である。
図2A】可動金型と固定金型の一例を示す、型閉時の断面図である。
図2B】可動金型と固定金型の一例を示す、型開時の断面図である。
図3】金型固定具の一例を示す平面図である。
図4A】金型固定具の作動原理を示す概念図である。
図4B】金型固定具の作動原理を示す概念図である。
図5A】成形工程中に可動金型に作用する力を示す概念図である。
図5B】成形工程中に固定金型に作用する力を示す概念図である。
図6】吸着力の経時変化を示す概念図である。
図7】保持力のフィードバック制御方法を示す概略フローである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<全体構成>
図1は本実施形態に係る射出成形機1の概略正面図を示している。図1を参照すると、射出成形機1は、金型を型締めする型締装置2と、射出される材料を加熱溶融して射出する射出装置3と、制御装置4と、から概略構成されている。制御装置4は射出成形機1の作動全般を制御するために設けられているが、ここでは本実施形態に関連する機能を中心に説明する。以下の説明で、スクリュ33の移動方向あるいは可動金型M1の移動方向を方向Xという。方向Xは水平方向と平行である。可動金型M1と固定金型M2を合わせて金型Mという場合がある。
【0010】
<型締装置2>
型締装置2は、ベッド21上に固定され固定金型M2が取り付けられる固定盤22と、ベッド21上をスライド可能な型締ハウジング23と、ベッド21上をスライド可能で可動金型M1が取り付けられる可動盤24と、を備えている。固定盤22と型締ハウジング23は複数本のタイバー25によって連結されている。可動盤24と型締ハウジング23の間には、金型Mを開閉するための型締機構26が設けられている。型締機構26は、トグル機構27とトグル機構27を駆動する型締モータ28と、を有している。図示は省略するが、型締機構26は直圧式の型締機構、つまり油圧式の型締シリンダから構成してもよい。
【0011】
<射出装置3>
射出装置3は基台31上に設けられている。射出装置3は、シリンダ32と、シリンダ32に収容されたスクリュ33と、スクリュ33を駆動する駆動機構34と、を備えている。スクリュ33は駆動機構34によって回転駆動されるとともに方向Xに駆動される。駆動機構34はカバー35で覆われている。シリンダ32の後端部近傍に、射出される材料を供給するホッパ36が設けられている。ホッパは射出される材料が供給される材料供給開口36Aを備えている。シリンダ32の先端には、固定金型M2に突き当たって、固定金型M2と可動金型M1とで形成されるキャビティC(図2A参照)に射出材料を供給する射出ノズル37が設けられている。
【0012】
射出装置3はノズルタッチ装置38を備えている。ノズルタッチ装置38は射出装置3を前進させ、それによって射出ノズル37が金型MのスプルーブッシュM3にタッチする。ノズルタッチ装置38は駆動機構34と固定盤22とを連結している。ノズルタッチ装置38は、ボールねじを用いたトグル機構によって構成されるが、油圧シリンダを用いた機構を用いてもよい。
【0013】
<金型Mの構成>
図2A,2Bは可動金型M1と固定金型M2の一例をより詳細に示す断面図である。図2Aは可動金型M1と固定金型M2が型締めされた状態を、図2Bは可動金型M1と固定金型M2が型開きした状態を示している。可動金型M1はキャビティCに面する内面M4と、内面M4の反対面である外面M5とを有している。固定金型M2はキャビティCに面する内面M6と、内面M6の反対面である外面M7とを有している。可動金型M1と固定金型M2の内面M4,M6同士が対向して、これらの間に射出材料(例えば樹脂)が充填されるキャビティCが形成されている。固定金型M2にはキャビティCに射出材料を供給する射出ノズル37が押し当てられている。後述するように、射出ノズル37はノズルタッチ力を発生させる。
【0014】
可動金型M1は、固定金型M2との接触面(パーティングライン)を構成する本体M8と、本体M8に支持され、本体M8から固定金型M2に向けて突き出すガイドピンM9と、を有している。ガイドピンM9は、可動金型M1と固定金型M2の位置決めのために設けられている。固定金型M2にはガイドピンM9を受け入れる受け孔M10が設けられている。可動金型M1の移動中、ガイドピンM9は受け孔M10と摺動する。従って、ガイドピンM9は固定金型M2と摺動する摺動部の一例である。ガイドピンM9は可動金型M1の内面M4の、キャビティCを避けた部分に設けられている。後述するように、ガイドピンM9は型開力を発生させる。
【0015】
可動金型M1には、可動金型M1から成形品を押し出すためのエジェクタピンM11が内蔵されている。エジェクタピンM11は可動金型M1の本体M8を貫通している。可動金型M1の本体M8には、外面M5に開口する空洞M14が設けられ、エジェクタプレートM12が空洞M14に収容されている。射出成形機1はエジェクタピンM11を駆動するエジェクタピン駆動機構29を有している。すなわち、エジェクタピン駆動機構29は射出成形機1のエジェクタロッド30に接続され、エジェクタロッド30は可動金型固定具5と可動盤24とを貫通してエジェクタプレートM12を押しつける。エジェクタプレートM12がエジェクタピンM11を押すことによって、エジェクタピンM11が駆動される。後述するように、エジェクタピンM11はエジェクタピン反力を発生させる。
【0016】
<金型固定具の構成>
可動金型M1は可動金型固定具5に固定され、可動金型固定具5はボルトなどの固定具(図示せず)で可動盤24に直接取り付けられている。固定金型M2は固定金型固定具6に固定され、固定金型固定具6はボルトなどの固定具(図示せず)で固定盤22に直接取り付けられている。以下の説明で可動金型固定具5と固定金型固定具6を区別する必要のない場合、これらを金型固定具9という。金型固定具9と可動盤24または固定盤22との間に中間プレートが介在していてもよい。
【0017】
金型固定具9は電磁力を発生し、電磁力に基づく吸着力で可動金型M1または固定金型M2を固定する。可動金型M1と可動金型固定具5にはエジェクタピンM11が挿通される貫通孔7が設けられ、固定金型M2と固定金型固定具6には射出ノズル37が侵入するための貫通孔8が設けられている。
【0018】
図3は金型固定具9の平面図を示している。可動金型固定具5と固定金型固定具6の構造はほぼ同じである。金型固定具9は、電磁力による吸着力を発生する複数のマグネットブロック10を備えている。マグネットブロック10は金型Mと接することで吸着力を発生する。このため、吸着力を発生するマグネットブロック10の数は、金型Mの大きさや金型Mの搭載位置によって異なる。破線MXは最大搭載寸法の金型Mを示し、破線MNは最小搭載寸法の金型Mを示している。
【0019】
<金型固定具9の作動原理>
図4A,4Bは金型固定具9の作動原理を示している。図4Aは、マグネットブロック10の吸着力が発生していない状態(以下、非着磁状態ということがある)を示している。図4Bは、マグネットブロック10の吸着力が発生している状態(以下、着磁状態ということがある)を示している。作動原理は可動金型固定具5と固定金型固定具6で共通である。
【0020】
マグネットブロック10は、磁化方向(磁極)が固定された磁化固定磁石11と、コイル13の通電方向によって磁化方向(磁極)を変える磁化可変磁石12と、支持プレート14と、ヨーク15と、を有している。図4A,4Bでは、一つの磁化固定磁石11の2つの断面と、一つのコイル13の2つの断面と、が示されている。磁化固定磁石11はリング形状を有し、内周がS極、外周がN極に磁化されている。磁化固定磁石11は支持プレート14の溝17に嵌められている。磁化可変磁石12は円板の形状を有し、互いに対向する2つの主面を有している。磁化可変磁石12の周りにリング状のコイル13が配置されている。コイル13の通電方向に応じて、磁化可変磁石12は2つの主面の一方がN極、他方がS極(またはその反対)となるように磁化される。
【0021】
図4Aを参照すると、非着磁状態では磁化固定磁石11と磁化可変磁石12の互いに隣接する磁極が異なる極性となっている。磁化可変磁石12、支持プレート14、磁化固定磁石11、支持プレート14、ヨーク15の順に通る磁束J1が金型固定具9の内部に生じる。磁束J1は金型固定具9の外部にはほとんど漏れないため、金型Mに対する吸着力は発生しない。金型Mの取付け、取外しはこの状態で行われる。
【0022】
図4Bを参照すると、着磁状態ではコイル13に通電され、磁化固定磁石11と磁化可変磁石12の互いに隣接する磁極が同じ極性となる。図4Bの場合は、磁化可変磁石12の磁化固定磁石11と対向する磁極がN極からS極になる。磁化可変磁石12の作る磁束J2が磁化固定磁石11の作る磁束J3の外側を通り、磁束J2,J3が金型固定具9の外部に漏れる。このようにして、電磁力に基づく吸着力が発生し、金型Mは金型固定具9に固定される。成形品の作成はこの状態で行われる。
【0023】
コイル13の通電は、コイル13で発生する磁場強度が磁化固定磁石11の保磁力より小さく、且つ磁化可変磁石12の保磁力より大きくなるように行われる。このため、磁化固定磁石11の磁化方向はコイル13の通電によらず固定されている。一方、磁化可変磁石12は一旦磁化が反転すると保磁力でその磁化状態を保つ。従って、通電は磁化を反転させるために短時間行えばよい。磁化の反転後、通電は停止される。磁化固定磁石11と磁化可変磁石12の構成はこの例に限定されない。コイル13の通電により磁化可変磁石12の磁極が反転し、磁束が金型固定具9の外部に漏れる状態と外部に漏れない状態とを切り替えることができれば、どのような構成を用いてもよい。
【0024】
<圧力センサ>
図3、4A、4Bに示すように、射出成形機1(図1参照)は、金型固定具9に設けられた圧力センサ16を有している。圧力センサ16は、図2A図2Bに示されている可動金型M1または固定金型M2と金型固定具9との間に作用する接触圧力を測定する。圧力センサ16は制御装置4と接続され、圧力センサ16で測定された接触圧力が制御装置4に入力される。制御装置4は、圧力センサ16で測定された接触圧力に、可動金型M1または固定金型M2と金型固定具9との接触面積を乗じて、金型固定具9の保持力を求めてもよい。
【0025】
上記の接触面積は、金型固定具9の各マグネットブロック10に組込んだサーチコイル19(図4A,4B参照)を利用して求めることができる。サーチコイル19は各マグネットブロック10の吸着力を測定するために用いられ、本実施形態においても金型の取付時や取外し時に利用することができる。サーチコイル19に生じる誘導電流または誘導起電力から、各サーチコイル19と組み合わされたマグネットブロック10が金型Mに接しているか接していないかを識別できる。金型Mに接しているマグネットブロック10の接触面積を合算することで、可動金型M1または固定金型M2と金型固定具9との接触面積を求めることができる。あるいは、金型Mの形状や大きさに応じて、制御装置4に接触面積を既定値(定数)として入力してもよい。
【0026】
本実施形態では一つの圧力センサ16が設けられている。測定精度を上げるために複数の圧力センサ16を設けてもよい。複数の圧力センサ16を設ける場合、接触圧力の平均値を後述する各種制御に用いてもよいし、接触圧力の最小値を後述する各種制御に用いてもよい。但し、圧力センサ16の個数に拘わらず、少なくとも一つの圧力センサ16が最小搭載寸法の金型の搭載範囲MN、すなわち全てのマグネットブロック10よりも金型固定具9の中心側に設けることが好ましい。これによって、どのような金型を搭載する場合でも、少なくとも一つの圧力センサ16で接触圧力の測定が可能となる。
【0027】
保持力を求める方法としては、金型固定具9で発生する磁束をサーチコイル19で検知する方法も考えられる。しかし、この方法はサーチコイル19に電流を流す必要があるため、電流によって磁化固定磁石11及び磁化可変磁石12(図4A及び図4B参照)が発熱し、磁化固定磁石11及び磁化可変磁石12の磁場強度が低下する可能性がある。このため、この方法は金型Mの取付や取外しを行うタイミングでしか使用することができず、成形中に連続して保持力を求めることは困難である。後述するように、金型Mが金型固定具9から離脱する可能性は型開時やエジェクタピンの作動時に高くなるため、金型の離脱防止のためにサーチコイル19を有効利用することには限界がある。圧力センサ16はこのような問題がないため、成形工程中に接触圧力ないし保持力を連続的に測定することができる。
【0028】
<金型Mが受ける力>
次に、主に図2A,2B,5A,5Bを参照して、成形工程中に金型Mが受ける力について説明する。離型力は金型Mを金型固定具9から離す方向に掛かる力であり、保持力を打ち消す方向を向いている。保持力は電磁力により金型Mを吸着する吸着力と相手の金型から受ける押し付け力の合計から離型力を差し引いた、金型Mを実質的に保持する力であり、接触圧力と比例している。可動金型離型力は可動金型M1を可動金型固定具5から離す方向に掛かる離型力である。固定金型離型力は固定金型M2を固定金型固定具6から離す方向に掛かる離型力である。
【0029】
図5Aは、1回の成形工程中に可動金型M1に作用する保持力を概念的に示している。1回の成形工程は、型締状態(金型Mが完全に閉まった状態)の解除を開始してから次の型締が完了するまでの期間である。型締状態では可動金型M1は固定金型M2を押しつけており、可動金型M1は固定金型M2から同じ大きさの反力を受ける。この反力は可動金型M1を可動金型固定具5に押し付ける方向に作用する。可動金型M1は可動金型固定具5から可動金型吸着力を受けているので、保持力はこの反力と可動金型吸着力の合計となる。
【0030】
まず、型締状態で型締モータ28を起動する。トグル機構27のロックが解除され、型締状態が若干緩む。これによって固定金型M2から受ける反力が減少し、保持力が減少する。保持力の減少量は反力の減少量と同じである。この段階では可動金型M1は十分な保持力で可動金型固定具5に保持されているので、可動金型M1が可動金型固定具5から離脱する可能性は低い。
【0031】
可動金型M1の本体M8が固定金型M2から離れると、本体M8が可動金型M1から受ける反力(押し付け力)は消失する。しかし、ガイドピンM9と受け孔M10との間の摺動による摩擦のため、可動金型M1は固定金型M2から引張力を受ける。摺動部(ガイドピンM9)によって可動金型M1に発生する離型力、ないしこの引張力を型開力F1(図2B参照)という。型開力F1は可動金型M1を可動金型固定具5から引き離す向きに作用する。これらの理由により可動金型M1の保持力は大きく低下する。
【0032】
次に、成形品(図示せず)を取り出すためエジェクタピンM11が作動する。成形品が可動金型M1の内面M4から剥離する際に可動金型M1は成形品から引張力を受ける。この引張力も可動金型M1を可動金型固定具5から引き離す向きに作用する。エジェクタピンM11の作動時にエジェクタピンM11によって可動金型M1に発生する離型力、ないしこの引張力をエジェクタピン反力F2(図2B参照)という。なお、図5Aではエジェクタピン反力F2を一定値で示しているが、実際は時間とともに変動することが多い。
【0033】
図5Aに示すように、型開力F1とエジェクタピン反力F2が同時に掛かる場合、保持力はさらに低下する。エジェクタピン反力F2の掛かるタイミングは図示のものに限定されず、例えば、型開力F1が掛かっていないときにエジェクタピン反力F2が掛かる可能性もある。
【0034】
図5Bは、1回の成形工程中に固定金型M2に作用する保持力を概念的に示している。固定金型M2の保持力も可動金型M1と概ね同じである。型締状態では固定金型M2は可動金型M1に押しつけられており、トグル機構27のロックが解除されると保持力は若干減少する。その後可動金型M1の本体M8が固定金型M2から離れると、押し付け力は消失する。
【0035】
また、ガイドピンM9と受け孔M10との間の摺動による摩擦のため、固定金型M2は可動金型M1から引張力(型開力F1)を受ける。さらに、固定金型M2は射出ノズル37によって発生する離型力を受ける。この様な離型力をノズルタッチ力F3(図2B参照)という。ノズルタッチ力F3は射出ノズル37が固定金型M2に押し付けられることによる直接的な力だけでなく、射出ノズル37から漏れ出る樹脂が固定金型M2に及ぼす力も含む。
【0036】
ノズルタッチ力F3の発生原理はノズルタッチ装置38の駆動方式によって異なる。モータ駆動のノズルタッチ装置38では、ノズルタッチ力F3は射出ノズル37を押しつけるバネ(図示せず)の弾性力によって生じる。あるいは、ノズルタッチ装置38の駆動モータ(図示せず)を駆動しながら(モータトルクを掛けながら)ノズルタッチ装置38にブレーキを掛けることによっても、ノズルタッチ力F3は生じる。油圧駆動のノズルタッチ装置38では、シリンダ圧によってノズルタッチ力F3が生じる。
【0037】
<制御装置4による金型の保持力の制御について>
次に、図1図2A,2Bを参照して、制御装置4の作動原理について説明する。可動金型M1の保持力が失われると、可動金型M1が可動金型固定具5から離脱する可能性が高くなる。また、固定金型M2の保持力が失われると、固定金型M2が固定金型固定具6から離脱する可能性が高くなる。従って、制御装置4は圧力センサ16(図3参照)で測定された接触圧力から保持力を求め、保持力に基づき可動金型M1または固定金型M2の離脱防止措置を行う。接触面積は一定値であるため、制御装置4は吸着力の代わりに接触圧力を用いてもよい。
【0038】
離脱防止措置は、制御装置4が、可動金型M1または固定金型M2に作用する離型力を保持力より小さくなるように射出成形機1を制御することを含む。上述の通り、可動金型M1が受ける主な離型力は型開力F1とエジェクタピン反力F2であり、固定金型M2が受ける主な離型力は型開力F1とノズルタッチ力F3である。従って、制御装置4は、これらの力F1~F3を制御する。
【0039】
制御装置4は離型力が保持力より小さくなるよう、型締機構26、エジェクタピン駆動機構29、ノズルタッチ装置38の少なくともいずれかを制御する。さらに、制御装置4はこのようにして金型Mの離脱の可能性を低下させつつ、成形工程を行うように射出成形機1を制御する。この際、制御装置4は、離型力の制御を行う旨の情報を発信してもよい。情報の発信方法は制御装置4の画面での表示、音声、信号などが考えられるが、特に限定されない。
【0040】
制御装置4は、型開力F1が保持力より小さくなるように可動金型M1の型締機構26を制御する。好ましくは、制御装置4は、型開力F1とエジェクタピン反力F2の合計が保持力より小さくなるように可動金型M1の型締機構26とエジェクタピン駆動機構29を制御する。また好ましくは、制御装置4は、型開力F1とノズルタッチ力F3の合計が保持力より小さくなるように型締機構26とノズルタッチ装置38を制御する。
【0041】
より具体的には、制御装置4は可動金型M1の型開速度を制御する。これは、型開力F1を決定するガイドピンM9と受け孔M10との摩擦力がガイドピンM9と受け孔M10との相対速度と相関すると考えられるためである。また、制御装置4はエジェクタピンM11の速度を制御する。これは、エジェクタピン反力F2を決定する成形品と可動金型M1の内壁との間に生じる剥離力が、エジェクタピンM11と可動金型M1との相対速度と相関すると考えられるためである。
【0042】
ノズルタッチ力F3を制御するには、射出ノズル37の方向Xにおける固定金型M2に対する相対位置を制御する。ノズルタッチ力F3を減少させる場合は、型開動作開始時か開始前に射出ノズル37を固定金型M2に対して数秒間程度後退させる。ノズルタッチ力F3を増加させる場合は、射出ノズル37を固定金型M2に対して前進させる。ノズルタッチ力F3をゼロにする場合は、射出ノズル37を固定金型M2から切り離す。再びノズルタッチ力F3を発生させる場合は、型閉後に射出ノズル37を固定金型M2に対して再前進させ、射出ノズル37を固定金型M2にタッチさせる。
【0043】
ここで、図6を参照して吸着力の経時変化を概念的に示す。横軸は射出成形機のショット数(成形工程の繰り返し数)を示している。ショット数が増えるに従い磁化固定磁石11と磁化可変磁石12(図4A及び図4B参照)の温度が上昇する。温度が上昇すると磁化固定磁石11と磁化可変磁石12の磁場強度が減少し、金型固定具9の吸着力(保持力)が減少する。従って、金型固定具9の吸着力は、運転初期段階では離型力より十分に大きくても、ショット数が増えるとあるタイミングで離型力を下回る可能性がある。図5A,5Bにはショット数が増えたときの保持力の経時変化を破線で示している。破線と実線の差ΔPは金型固定具9の温度上昇に伴う保持力の減少であり、図5A,5Bに示すΔPと対応している。
【0044】
圧力センサ16(図3参照)は、成形工程における特定のタイミングで接触圧力を測定することが好ましい。成形工程における特定のタイミングで毎回接触圧力を測定することで、加熱による保持力の変化を抽出することができる。これによって、制御装置4は、圧力センサ16で測定された接触圧力から保持力の経時変化を求めることができる。保持力の経時変化を制御装置4の画面等に表示することで、オペレータは金型が金型固定具9から離脱する可能性を予測して適切な措置を取ることができる。
【0045】
特定のタイミングは特に限定されないが、型締時は相手方の金型の押し付け力の影響で加熱による接触圧力の変化が現れにくいため、型締時以外のタイミングが好ましい。例えば、図5A,5Bにおける型緩時を特定のタイミングとすれば、型開力F1、エジェクタピン反力F2、ノズルタッチ力F3のばらつきの影響を排除することができる。例えば、図5A,5Bにおける型開時を特定のタイミングとすれば、保持力の下がった状態での測定が可能となる。
【0046】
離脱防止措置は、制御装置4が、保持力の経時変化に基づき、保持力を離型力より小さくなるようにフィードバック制御することを含む。フィードバック制御を行うことで、保持力が時間とともに低下しても射出成形機1の運転を継続することができる。
【0047】
図7には型開を例にフィードバック制御の例を示している。まず、制御装置4は保持力が設定値を下回っているかを判定する(ステップS1)。設定値は特に限定されないが、後述のアラーム基準値と同じでもよいし、アラーム基準値より大きい値でもよい。この際、型締モータ28のモータトルクが他の設定値を上回っているかを代替基準または追加基準として用いてもよい。型締モータ28のモータトルクが上昇している場合、型開力が増加し、設定値に対する保持力の裕度が減少している可能性がある。
【0048】
ステップS1でNOの場合は、制御装置4は型開工程を続行して終了する。ステップS1でYESの場合は、制御装置4は型開速度を落として型開力F1を減少させる(ステップS2)。次に、制御装置4は保持力が設定値を下回っているかを判定する(ステップS3)。型締モータ28のモータトルクを参照している場合はモータトルクが他の設定値を上回っているかを判定する。NOの場合は型開速度や型締モータ28のモータトルクを変更して同様の手順を繰り返す。YESの場合は、制御装置4は型開工程を続行して終了する。
【0049】
他の離脱防止措置として、保持力がアラーム基準値(図5A,5B参照)を超えたときにアラームを発信することも可能である。アラーム基準値は例えば、射出成形機1の運転開始時(磁化固定磁石11及び磁化可変磁石12が加熱されていない状態)の保持力に1未満の一定の係数を掛けた値として求めることができる。また、他の離脱防止措置として、保持力がアラーム基準値より小さい停止基準値(図5A,5B参照)を超えたときに射出成形機を停止することも可能である。これらの離脱防止措置は離型力のフィードバック制御を行うか否かに拘わらず実行することができる。
【0050】
(付記)本明細書は以下の開示を含む。
[構成1]
電磁力を発生し、前記電磁力に基づく吸着力で可動金型と固定金型のいずれかを固定する金型固定具と、
前記金型固定具に設けられ、前記可動金型または前記固定金型と前記金型固定具との間に作用する接触圧力を測定する圧力センサと、
前記接触圧力に基づき前記可動金型または前記固定金型の離脱防止措置を行う制御装置と、を有する、射出成形機。
[構成2]
前記離脱防止措置は、前記制御装置が前記圧力センサで測定された前記接触圧力から前記金型固定具の保持力を求め、前記可動金型または前記固定金型に作用する離型力を前記保持力より小さくなるように制御することを含む、構成1に記載の射出成形機。
[構成3]
前記可動金型を駆動する型締機構を有し、
前記離型力は、前記可動金型または前記固定金型に型開時に発生する型開力であり、
前記制御装置は、前記型開力が前記保持力より小さくなるように前記型締機構を制御する、構成2に記載の射出成形機。
[構成4]
前記制御装置は、前記型開力が前記保持力より小さくなるように前記可動金型の型開速度を制御する、構成3に記載の射出成形機。
[構成5]
前記可動金型は、前記固定金型と摺動して前記型開力を発生させる摺動部を有し、
前記制御装置は、前記可動金型の型本体が前記固定金型から離れた後、前記摺動部が前記固定金型から離れるまでの間、前記型開力が前記保持力より小さくなるように前記可動金型の速度を制御する、構成4に記載の射出成形機。
[構成6]
前記可動金型から成形品を押し出すためのエジェクタピンを駆動するエジェクタピン駆動機構を有し、
前記離型力は、前記エジェクタピンの作動時に前記可動金型に発生するエジェクタピン反力であり、
前記制御装置は、前記エジェクタピン反力が前記保持力より小さくなるように前記エジェクタピン駆動機構を制御する、構成2に記載の射出成形機。
[構成7]
前記可動金型を駆動する型締機構と、
前記可動金型から成形品を押し出すためのエジェクタピンを駆動するエジェクタピン駆動機構と、を有し、
前記離型力は、前記可動金型に型開時に発生する型開力と、前記エジェクタピンの作動時に前記可動金型に発生するエジェクタピン反力との合力であり、
前記制御装置は、前記合力が前記保持力より小さくなるように、前記型締機構と前記エジェクタピン駆動機構を制御する、構成2に記載の射出成形機。
[構成8]
前記制御装置は前記エジェクタピンの速度を制御する、構成6または7に記載の射出成形機。
[構成9]
前記可動金型と前記固定金型とで形成されるキャビティに射出材料を供給する射出ノズルと、
前記射出ノズルを駆動するノズルタッチ装置と、を有し、
前記離型力は、前記射出ノズルによって前記固定金型に発生するノズルタッチ力であり、
前記制御装置は、前記ノズルタッチ力が前記保持力より小さくなるように、ノズルタッチ装置を制御する、構成2に記載の射出成形機。
[構成10]
前記可動金型を駆動する型締機構と、
前記可動金型と前記固定金型とで形成されるキャビティに射出材料を供給する射出ノズルと、
前記射出ノズルを駆動するノズルタッチ装置と、を有し、
前記離型力は、前記固定金型に型開時に発生する型開力と、前記射出ノズルによって前記固定金型に発生するノズルタッチ力との合力であり、
前記制御装置は、前記合力が前記保持力より小さくなるように前記型締機構とノズルタッチ装置を制御する、構成2に記載の射出成形機。
[構成11]
前記圧力センサは、成形工程における特定のタイミングで前記接触圧力を測定し、
前記制御装置は、前記圧力センサで測定された前記接触圧力から前記保持力を求め、
前記離脱防止措置は、前記制御装置が、前記保持力がアラーム基準値以下となったときにアラームを発信することを含む、構成2から10のいずれか1項に記載の射出成形機。
[構成12]
前記離脱防止措置は、前記制御装置が、前記保持力が前記アラーム基準値より小さい停止基準値以下となったときに射出成形機を停止することを含む、構成11に記載の射出成形機。
[構成13]
前記圧力センサは、成形工程における特定のタイミングで前記接触圧力を測定し、
前記離脱防止措置は、前記制御装置が、前記圧力センサで測定された前記接触圧力から前記保持力の経時変化を求めることを含む、構成2から12のいずれか1項に記載の射出成形機。
[構成14]
前記圧力センサは、成形工程における特定のタイミングで前記接触圧力を測定し、
前記制御装置は、前記圧力センサで測定された前記接触圧力から前記保持力を求め、
前記離脱防止措置は、前記制御装置が前記保持力の経時変化に基づき、前記保持力を前記離型力より小さくなるようにフィードバック制御することを含む、構成13に記載の射出成形機。
[方法1]
電磁力を発生する金型固定具と、制御装置とを備え、前記金型固定具が前記電磁力に基づく吸着力で金型を固定する射出成形機の運転方法であって、
前記金型と前記金型固定具との間に作用する接触圧力を圧力センサで測定することと、
前記制御装置によって、前記接触圧力に基づき前記金型の離脱防止措置を行うことと、
を有する射出成形機の運転方法。
【符号の説明】
【0051】
1 射出成形機
3 射出装置
4 制御装置
9 金型固定具
16 圧力センサ
26 型締機構
29 エジェクタピン駆動機構
37 射出ノズル
C キャビティ
M1 可動金型
M2 固定金型
M9 ガイドピン(摺動部)
M11 エジェクタピン
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7