(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086601
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】金属製ボトル、非飲用液体組成物入り金属製ボトル、およびパウチ付き金属製ボトル
(51)【国際特許分類】
B65D 39/04 20060101AFI20240620BHJP
A47J 41/00 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B65D39/04
A47J41/00 303C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023196682
(22)【出願日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】P 2022200811
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】原 浩喜
(72)【発明者】
【氏名】坂本 敬之
(72)【発明者】
【氏名】荻島 敦子
【テーマコード(参考)】
3E084
4B002
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA22
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC05
3E084FA09
3E084FC01
3E084GA08
3E084GB12
3E084LD01
4B002AA02
4B002BA07
4B002BA60
4B002CA50
(57)【要約】
【課題】非飲用液体組成物を誤飲することを防止できる金属製ボトルを提供する。
【解決手段】
金属製ボトル10は、非飲用液体組成物が収納される、キャップ20付きの金属製ボトル10であって、口元先端部13に、樹脂製のパッキン30が固定されてなる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非飲用液体組成物が収納される、キャップ付きの金属製ボトルであって、
口元先端部に、樹脂製のパッキンが固定されてなる、金属製ボトル。
【請求項2】
前記口元先端部には、径方向の外方に突出する凸部が形成され、
前記パッキンには、前記凸部と嵌合可能な凹部が形成される、請求項1に記載の金属製ボトル。
【請求項3】
前記パッキンは、前記パッキンの前記凹部の径方向の内方側の延在部に、前記口元先端部の形状に沿う部位を有する、請求項2に記載の金属製ボトル。
【請求項4】
前記パッキンは、前記パッキンの前記凹部の径方向の外方側の延在部に、径方向の外方に突出する突起部を有する、請求項2に記載の金属製ボトル。
【請求項5】
前記パッキンは、スリット形状のスリット部を有する、請求項1または2に記載の金属製ボトル。
【請求項6】
前記キャップは、計量機構付きである、請求項1または2に記載の金属製ボトル。
【請求項7】
前記パッキンの材質が、シリコーンである、請求項1または2に記載の金属製ボトル。
【請求項8】
請求項1または2に記載の金属製ボトルに、非飲用液体組成物が収容された非飲用液体組成物入り金属製ボトル。
【請求項9】
請求項8に記載の非飲用液体組成物入り金属製ボトルと、
非飲用液体組成物が充填された詰め替え用パウチと、を有する、パウチ付き金属製ボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製ボトル、非飲用液体組成物入り金属製ボトル、およびパウチ付き金属製ボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲料用のステンレスボトルとして様々なものが開発されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
一方、液体口腔用組成物のような非飲用液体組成物は従来、樹脂ボトルに充填されていることが一般的であるが、プラスチックの削減、耐久性の向上や、デザイン性・外観性の向上を目的に、非飲用液体組成物も樹脂ボトルから金属製ボトルへの切り替えが進むことが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非飲用液体組成物が収納された金属製ボトルでは、使用者が、収納されている組成物を飲料用だと勘違いして誤飲してしまう可能性がある。
【0006】
本発明の発明者等は、上記課題の解決を図るにあたり、鋭意努力を重ねた結果、本発明の金属製ボトルを案出するに至った。
【0007】
本発明は、非飲用液体組成物が収納された金属製ボトルにおいて、非飲用液体組成物を誤飲することを防止できる金属製ボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)
非飲用液体組成物が収納される、キャップ付きの金属製ボトルであって、
口元先端部に、樹脂製のパッキンが固定されてなる、金属製ボトル。
【0010】
(2)
前記口元先端部には、径方向の外方に突出する凸部が形成され、
前記パッキンには、前記凸部と嵌合可能な凹部が形成される、(1)に記載の金属製ボトル。
【0011】
(3)
前記パッキンは、前記パッキンの前記凹部の径方向の内方側の延在部に、前記口元先端部の形状に沿う部位を有する、(2)に記載の金属製ボトル。
【0012】
(4)
前記パッキンは、前記パッキンの前記凹部の径方向の外方側の延在部に、径方向の外方に突出する突起部を有する、(2)に記載の金属製ボトル。
【0013】
(5)
前記パッキンは、スリット形状のスリット部を有する、(1)~(4)のいずれか1つに記載の金属製ボトル。
【0014】
(6)
前記キャップは、計量機構付きである、(1)~(5)のいずれか1つに記載の金属製ボトル。
【0015】
(7)
前記パッキンの材質が、シリコーンである、(1)~(6)のいずれか1つに記載の金属製ボトル。
【0016】
(8)
(1)~(7)のいずれか1つに記載の金属製ボトルに、非飲用液体組成物が収容された非飲用液体組成物入り金属製ボトル。
【0017】
(9)
(8)に記載の非飲用液体組成物入り金属製ボトルと、
非飲用液体組成物が充填された詰め替え用パウチと、を有する、パウチ付き金属製ボトル。
【発明の効果】
【0018】
上述の金属製ボトルによれば、口元先端部に樹脂製のパッキンが固定されているため、使用者が誤って飲もうとして口を口元先端部に接触させた際に、不快感や違和感が生じて、誤飲を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る、非飲用液体組成物が収納される組立体を示す正面図である。
【
図7】実施例に係る金属製ボトルを示す写真である。
【
図8】比較例に係る金属製ボトルを示す写真である。
【
図9】比較例に係る上蓋型キャップを示す写真である。
【
図10】変形例1に係るパッキンを示す斜視図である。
【
図11】変形例1に係るパッキンを示す平面図である。
【
図12】変形例1に係るパッキンを示す正面図である。
【
図14】変形例2に係るパッキンを示す斜視図である。
【
図15】変形例2に係るパッキンを示す平面図である。
【
図16】変形例2に係るパッキンを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を、
図1~
図6を参照しつつ説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る、非飲用液体組成物が収容される組立体1を示す正面図である。
図2は、
図1のA部における正面断面図である。
図3は、キャップ20を示す正面図である。
図4は、キャップ20を示す正面断面図である。
図5は、パッキン30を示す平面図および正面図である。
図6は、
図5の6-6線に沿う断面図である。
【0022】
組立体1には、非飲用液体組成物が収納される。非飲用液体組成物としては、特に限定されないが、例えば液体口腔用組成物、洗剤等を挙げることができる。
【0023】
組立体1は、
図1~
図6に示すように、金属製ボトル10と、キャップ20と、パッキン30と、を有する。以下、各構成について説明する。
【0024】
<金属製ボトル10>
金属製ボトル10は、非飲用液体組成物が収容される本体部11と、本体部11の上方に設けられる第1ねじ部12と、第1ねじ部12の上方に設けられる口元先端部13と、を有する。
【0025】
本体部11は、中空状で肉厚が略一定となるように構成されている。本体部11は、非飲用液体組成物が収容される限りにおいて、構成は限定されない。
【0026】
第1ねじ部12は、後述するキャップ20の第2ねじ部24に螺合される。このように金属製ボトル10の第1ねじ部12およびキャップ20の第2ねじ部24が螺合されることによって、キャップ20が金属製ボトル10に固定される。
【0027】
口元先端部13は、金属製ボトル10の最上部に設けられる。口元先端部13には、
図2に示すように、径方向の外方(
図2の水平方向)に突出する凸部14が形成される。口元先端部13に形成される凸部14は、後述するパッキン30に形成された凹部31(
図6参照)に挿入されて嵌合される。
【0028】
凸部14における高さH1(
図2参照)は、特に限定されないが、構成する材料を折り返す形状のため、好ましくは0.3~0.8mmであり、より好ましくは0.4~0.7mmであり、例えば0.5mmである。
【0029】
図1の金属製ボトル10は、
図2に示すように略一定の肉厚を有する。金属製ボトル10の肉厚D1(
図2参照)は特に限定されないが、好ましくは0.3~0.8mmであり、より好ましくは0.4~0.7mmであり、例えば0.5mmである。
【0030】
金属製ボトル10を構成する材料は、特に限定されないが、ステンレスを用いることが好ましい。金属製とすることによって、樹脂製ボトルに比べて、耐久性が向上し、非飲用液体組成物である内容液を入れ替えて長時間使用可能となり、環境負荷を低減できる。さらに金属製とすることによって、樹脂製ボトルに比べて、デザイン性を向上させることができ、外観性を向上できる。
【0031】
<キャップ20>
キャップ20は、
図1に示すように、金属製ボトル10の上方において、金属製ボトル10に対して固定可能に構成される。キャップ20は、組立体1が倒れた際に内容液がこぼれることを防止する。また、キャップ20は、金属製ボトル10に固定されることによって、内容液が空気を接触することを抑制することができ、内容液が変性することを抑制することができる。
【0032】
キャップ20は、
図2~
図4に示すように、断面がU字形状の本体部21と、本体部21の角部に形成される溝部22と、溝部22に隣接するように形成される突起部23と、溝部22の下方に設けられる第2ねじ部24と、第2ねじ部24の下方に設けられる計量ライン25と、を有する。
【0033】
溝部22は、本体部21の内周側に設けられる。溝部22は、鉛直方向の上方に凹むように形成されている。溝部22は、後述するパッキン30の傾斜部33Aの逃げとして形成されている。
【0034】
突起部23は、本体部21の内周側に設けられる。突起部23は、鉛直方向の下方に突出するように形成されている。突起部23は、後述するパッキン30の平坦部34Aに当接して、内容液の液漏れを防止する。
【0035】
第2ねじ部24は、上述したように、金属製ボトル10の第1ねじ部12に螺合される。キャップ20の第2ねじ部24が金属製ボトル10の第1ねじ部12に螺合されることによって、突起部23は、後述するパッキン30の平坦部34Aに当接して、内容液の液漏れを防止する。
【0036】
金属製ボトル10、キャップ20、およびパッキン30がすべて接続された状態で、第1ねじ部12および第2ねじ部24は、
図2に示すように、金属製ボトル10の外周側に配置される。このため、第2ねじ部24および第1ねじ部12に内容液が接触することを防止でき、錆や腐食の発生を防止できる。
【0037】
計量ライン25は、金属製ボトル10内の内容液をキャップ20に移し替える際に、計量ライン25まで内容液を移し替えることによって、内容液を所望の量とすることができる。このため、キャップ20に移し替えられた内容液を適宜用いることによって、所望の量の内容液を使用することができる。計量ライン25としては、段差形状、凸形状、凹形状などの形状を採用することができるが、
図2では一例として段差形状を示している。
【0038】
キャップ20を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンを用いることができる。ここで例えばキャップを構成する材料として金属を用いた場合、金属製ボトル10およびキャップを固定する際に、金属同士の擦れによる傷が生じる可能性がある。しかしながら、キャップ20がポリプロピレンから構成される場合、金属同士の擦れによる傷の発生を防止することができる。なお、キャップが金属から構成される場合も、本発明に含まれるものとする。
【0039】
<パッキン30>
パッキン30は、樹脂製から構成される。パッキン30は、金属製ボトル10の口元先端部13に固定される。このため、使用者が口を口元先端部に接触させた際に、不快感や違和感が生じて、誤飲を防止することができる。
【0040】
パッキン30は、
図2、
図5、
図6に示すように、断面がU字形状を備える。すなわち、パッキン30には、中央の下方に凹部31が形成されている。上述したように、パッキン30の凹部31には、金属製ボトル10の凸部14が挿入されて嵌合される。これによって、パッキン30は、金属製ボトル10の口元先端部13に固定される。
【0041】
パッキン30は、断面視で内方側に形成される第1延在部(内方側の延在部に相当)32と、断面視で外方側に形成される第2延在部(外方側の延在部に相当)33と、第1延在部32および第2延在部33を連結する連結部34と、を有する。
【0042】
第1延在部32は、鉛直方向に延在する。第1延在部32は、その下方において、金属製ボトル10の口元先端部13の形状に沿う部位32Aを有する。この構成によれば、パッキン30が、金属製ボトル10から意図せず外れることを抑制することができる。第1延在部32の長さは第2延在部33の長さより1.0~4.0mm長いことが好ましく、より好ましくは2.0~3.0mmであり、例えば2.0mmである。
【0043】
第2延在部33は、鉛直方向に延在する。第2延在部33は、その上方において、径方向の内方(
図6の左側)に向かってキャップ20側(鉛直方向の上方側)から離間するように構成された傾斜部33Aを有する。すなわち、傾斜部33Aは、径方向の内方に向かって高さが低くなるように構成されている。この構成によれば、パッキン30が金属製ボトル10に固定された状態で、金属製ボトル10を傾斜させることによって、内容液を好適に注ぐことや、液だれを防止することができる。傾斜部33Aの高さは0.2~1.0mmが好ましく、より好ましくは0.4~0.8mmであり、例えば0.5mmである。
【0044】
第2延在部33は、その下方において、径方向の外方(
図6の右側)に突出する突起部33Bを有する。突起部33Bは丸みを帯びた形状を備えている。この構成によれば、パッキン30を金属製ボトル10から取り外す際に、突起部33Bに指を引っ掛けて取り外すことができるため、容易に取り外すことができる。突起部33Bの突起量は0.5~1.5mmが好ましく、より好ましくは0.6~1.0mmであり、例えば0.8mmである。
【0045】
連結部34の下方には、凹部31が形成される。連結部34の上方には、キャップ20の突起部23が当接して液漏れを防止する平坦部34Aを有する。
【0046】
パッキン30を構成する材料としては、樹脂製である限りにおいて限定されないが、例えば、シリコーンを用いることができる。この構成によれば、パッキン30の耐久性を向上させることができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係る金属製ボトル10は、非飲用液体組成物が収納される、キャップ20付きの金属製ボトル10であって、口元先端部13に、樹脂製のパッキン30が固定されてなる。このように構成された金属製ボトル10によれば、口元先端部13に樹脂製のパッキン30が固定されているため、使用者が誤って飲もうとして口を口元先端部13に接触させた際に、不快感や違和感が生じて、誤飲を防止することができる。
【0048】
また、口元先端部13には、径方向の外方に突出する凸部14が形成され、パッキン30には、凸部14と嵌合可能な凹部31が形成される。このように構成された金属製ボトル10によれば、パッキン30を金属製ボトル10に好適に固定することができる。
【0049】
また、パッキン30は、パッキン30の凹部31の径方向の内方側の第1延在部32に、口元先端部13の形状に沿う部位32Aを有する。このように構成された金属製ボトル10によれば、パッキン30が、金属製ボトル10から意図せず外れることを抑制することができる。
【0050】
また、パッキン30は、パッキン30の凹部31の径方向の外方側の第2延在部33に、径方向の外方に突出する突起部33Bを有する。このように構成された金属製ボトル10によれば、パッキン30を金属製ボトル10から取り外す際に、突起部33Bに指を引っ掛けて取り外すことができるため、容易に取り外すことができる。
【0051】
また、キャップ20は、計量機構付きである。このように構成された金属製ボトル10によれば、所望の量の内容液を使用することができる。
【0052】
また、パッキン30の材質は、シリコーンである。このように構成された金属製ボトル10によれば、パッキン30の耐久性を向上させることができる。
【0053】
<実施例>
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0054】
<誤飲防止>
実施例として、
図7に示すように、本実施形態に係る、パッキン30が口元先端部13に固定された金属製ボトル10を準備した。比較例として、
図8に示すように、パッキン30が口元先端部13に固定されていない金属製ボトル10を準備した。
【0055】
評価方法としては、被験者9名が、NONIOマウスウォッシュ(クリアハーブミント、ライオン(株)製)を充填した金属製ボトル(実施例および比較例)に対して直接口を付けた際に、唇に感じる違和感を7段階評価にて評価し、平均点を算出した。
【0056】
評価基準としては、7点:非常に違和感あり、6点:かなり違和感あり、5点:やや違和感あり、4点:どちらともいえない、3点:やや違和感なし、2点:かなり違和感なし、1点:まったく違和感なしとした。
【0057】
評価結果としては、実施例に係る金属製ボトル10では、平均点が5.7点で、比較例に係る金属製ボトルでは、平均点が2.8点であった。この結果から、金属製ボトル10の口元先端部13にパッキン30が固定されることによって、違和感を生じることが分かった。
【0058】
<キャップ20の開けやすさ>
実施例として、
図7に示すように、本実施形態に係る、パッキン30が口元先端部13に固定された金属製ボトル10およびキャップ20を準備した。比較例として、
図9に示すように、キャップ側にパッキン930が固定された上蓋型キャップ920および金属製ボトルを準備した。
【0059】
評価方法としては、実施例および比較例に係る金属製ボトルに対して、NONIOマウスウォッシュ(クリアハーブミント、ライオン(株)製)を充填して、40℃環境下において24時間放置した後、キャップの開栓トルクを5回測定した。さらに、被験者9名が、キャップを開栓したときの開けやすさを7段階評価にて評価し、平均点を算出した。
【0060】
評価基準としては、7点:非常に良い、6点:かなり良い、5点:やや良い、4点:どちらともいえない、3点:やや良くない、2点:かなり良くない、1点:非常に良くないとした。
【0061】
評価結果としては、実施例のキャップの場合、開栓トルクは253Nで、比較例のキャップの場合、開栓トルクは485Nであった。また、実施例のキャップの場合、平均点が5.6点で、比較例のキャップの場合、平均点が2.1点であった。この結果から、本実施形態に係る金属製ボトル、パッキン、およびキャップによれば、キャップの開けやすさを維持することができる。
【0062】
<液漏れ>
実施例として、
図7に示すように、本実施形態に係る、パッキン30が口元先端部13に固定された金属製ボトル10に、キャップ20が固定されたものを準備した。比較例として、
図8に示すように、パッキン30が口元先端部13に固定されていない金属製ボトル10に、キャップ20が固定されたものを準備した。
【0063】
評価方法としては、実施例および比較例の金属製ボトルに、NONIOマウスウォッシュ(クリアハーブミント、ライオン(株)製)を充填し、倒立させて24時間経過後の液漏れの有無を確認した。
【0064】
評価結果としては、実施形態に係る金属製ボトルでは液漏れなしで合格、比較例に係る金属製ボトルでは液漏れありで不合格であった。
【0065】
<傷つきやすさ>
実施例として、金属製ボトルの材質がステンレス、キャップの材質がポリプロピレンのものを準備して、比較例として金属製ボトルの材質がステンレス、キャップの材質がステンレスのものを準備した。
【0066】
評価方法としては、キャップの開閉を50回繰り返し、金属製ボトルのねじ部の傷を目視で確認した。
【0067】
評価結果としては、実施例の金属製ボトルおよびキャップの場合、傷発生なしで合格、比較例の金属製ボトルおよびキャップの場合、傷発生ありで不合格であった。
【0068】
<変形例1に係るパッキン130>
次に、
図10~
図13を参照して、変形例1に係るパッキン130の構成について説明する。
図10は、変形例1に係るパッキン130を示す斜視図である。
図11は、変形例1に係るパッキン130を示す平面図である。
図12は、変形例1に係るパッキン130を示す正面図である。
図13は、
図11の13-13線に沿う断面図である。以下、変形例1に係るパッキン130の特徴のある箇所について説明する。
【0069】
変形例1に係るパッキン130は、
図10~
図13に示すように、上述した実施形態に係るパッキン30と同様に、凹部31、第1延在部32、第2延在部33、および連結部34を有する。
【0070】
変形例1に係るパッキン130は、
図10~
図13に示すように、第1延在部32に連続して設けられ鉛直方向に沿ってテーパ状に形成されるテーパ部131と、テーパ部131に設けられるスリット部132と、テーパ部131の下端に連続して設けられ平面状に構成される平面部133と、を有する。
【0071】
テーパ部131は、
図10、
図12に示すように、鉛直方向の下向きに沿って先細り形状を備えている。
【0072】
スリット部132は、テーパ部131の4か所に、周方向が略90度間隔となるように設けられる。なお、スリット部132が設けられる個数は4箇所に限定されない。スリット部132は、テーパ部131と同様に傾斜して設けられる。
【0073】
このように構成されたパッキン130によれば、パッキン130が金属製ボトル10に固定された状態で、金属製ボトル10を傾斜させた際に、スリット部132のみから内容液が注がれることになり、内容液の排出が抑制される。したがって、使用者が誤って内容液を飲もうとした際に、内容液が排出されにくいことによる違和感が生じて、誤飲を防止することができる。
【0074】
<変形例2に係るパッキン230>
次に、
図14~
図17を参照して、変形例2に係るパッキン230の構成について説明する。
図14は、変形例2に係るパッキン230を示す斜視図である。
図15は、変形例2に係るパッキン230を示す平面図である。
図16は、変形例2に係るパッキン230を示す正面図である。
図17は、
図15の17-17線に沿う断面図である。以下、変形例2に係るパッキン230の特徴のある箇所について説明する。
【0075】
変形例2に係るパッキン230は、
図14~
図17に示すように、上述した実施形態に係るパッキン30と同様に、凹部31、第1延在部32、第2延在部33、および連結部34を有する。
【0076】
変形例2に係るパッキン230は、
図14~
図17に示すように、第1延在部32の下端に連続して設けられ平面状に構成される平面部233と、平面部233に設けられるスリット部232と、を有する。
【0077】
スリット部232は、平面部233の4か所に、周方向が略90度間隔となるように設けられる。なお、スリット部232が設けられる個数は4箇所に限定されない。スリット部232は、鉛直方向から視て、周方向の外方に延在するように構成されている。
【0078】
このように構成されたパッキン230によれば、パッキン230が金属製ボトル10に固定された状態で、金属製ボトル10を傾斜させた際に、スリット部232のみから内容液が注がれることになり、内容液の排出が抑制される。したがって、使用者が誤って内容液を飲もうとした際に、内容液が排出されにくいことによる違和感が生じて、誤飲を防止することができる。さらに変形例2に係るパッキン230は、変形例1に係るパッキン130よりも、スリット部232の開口面積を小さくすることで、より好適に内容液の排出を抑制することができ、誤飲の防止につながる。
【0079】
なお、本発明は上述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0080】
例えば、上述した実施形態では、金属製ボトル10に凸部14が形成され、パッキン30に凹部31が形成されて、凸部14および凹部31が互いに嵌合された。しかしながら、金属製ボトルに凹部が形成され、パッキンに凸部が形成されて、凹部および凸部が互いに嵌合する構成であってもよい。
【0081】
また、パッキン30は、上述した構成に限定されず、液漏れ防止の機能を備えるとともに、金属製ボトル10に固定される限りにおいて、構成は限定されない。
【符号の説明】
【0082】
1 組立体、
10 金属製ボトル、
13 口元先端部、
14 凸部、
20 キャップ、
25 計量ライン、
30、130、230 パッキン、
31 凹部、
32 第1延在部、
32A 口元先端部の形状に沿う部位、
33 第2延在部、
33A 傾斜部、
33B 突起部、
132、232 スリット部。