(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086615
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】ベニバナボロギク抽出物の解毒に用いる用途
(51)【国際特許分類】
A61K 36/286 20060101AFI20240620BHJP
A61P 39/02 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
A61K36/286
A61P39/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023203236
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】63/432,897
(32)【優先日】2022-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520274714
【氏名又は名称】緑茵生技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Greenyn Biotechnology Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】5F., No.43, Keya Rd., Daya Dist., Taichung City
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】徐榜奎
(72)【発明者】
【氏名】林育正
(72)【発明者】
【氏名】呉嘉峰
【テーマコード(参考)】
4C088
【Fターム(参考)】
4C088AB26
4C088BA08
4C088BA09
4C088BA10
4C088BA12
4C088BA32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】体内の重金属を排除する活性を有するベニバナボロギク抽出物を含む組成物を提供する。
【解決手段】ベニバナボロギク(Crassocephalum rabens)抽出物を含む、重金属中毒及びそれに関連する臓器機能障害の病症を治療又は/及び予防する組成物を提供する。前記重金属中毒は、鉛又は鉛イオンを含有する物質に接触することで引き起こされるものであり、前記重金属中毒に関連する臓器機能障害の病症は肝機能障害である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベニバナボロギク(Crassocephalum rabens)抽出物の、重金属中毒及びそれに関連する臓器機能障害の病症を治療又は/及び予防する組成物の調製に用いる用途。
【請求項2】
前記重金属中毒は、鉛又は鉛イオンを含有する物質に接触することで引き起こされるものである、請求項1に記載の用途。
【請求項3】
前記重金属中毒に関連する臓器機能障害の病症は肝機能障害である、請求項1に記載の用途。
【請求項4】
前記組成物は、血液中のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(Aspartate amino Transferase,AST)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(Alanine amino Transferase,ALT)の含有量を下げるのに用いられる、請求項3に記載の用途。
【請求項5】
前記ベニバナボロギク抽出物は、dLGG(1,2-di-O-linolenoyl-3-O-β-galactopyranosyl-sn-glycerol)を豊富に含んだ混合物である、請求項1に記載の用途。
【請求項6】
前記ベニバナボロギク抽出物はベニバナボロギクから抽出工程により得るものであり、前記抽出工程中で用いる抽出溶媒は水又は低級アルコールである、請求項5に記載の用途。
【請求項7】
前記低級アルコールは濃度が95%以上のエタノールである、請求項6に記載の用途。
【請求項8】
ベニバナボロギク(Crassocephalum rabens)抽出物の、血中鉛濃度を下げる組成物の調製に用いる用途。
【請求項9】
前記ベニバナボロギク抽出物は、dLGG(1,2-di-O-linolenoyl-3-O-β-galactopyranosyl-sn-glycerol)を豊富に含んだ混合物である、請求項8に記載の用途。
【請求項10】
前記ベニバナボロギク抽出物はベニバナボロギクから抽出工程により得るものであり、前記抽出工程中で用いる抽出溶媒は水又は低級アルコールである、請求項8に記載の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物抽出物の第2用途に関し、特にベニバナボロギク抽出物の解毒に用いる用途に関する。
【背景技術】
【0002】
ベニバナボロギクは、昭和草(Crassocephalum rabens)の別名であり、キク科の食用植物である。中華人民共和国薬典によれば、ベニバナボロギクには健脾消腫、清熱解毒、行気利尿の効果があるほか、高血圧、感冒、消化不良、頭痛、乳腺炎などの症状の治療にも用いることができる。また、ベニバナボロギクの茎葉をつぶしたものは虫刺されや皮膚の創傷被覆材にすることもできる。
【0003】
伝統的な漢方薬中の有効成分を分離し、様々な製品に使用できるようにするために、有効成分の溶解度が溶媒によって異なるという性質を利用して有効成分を漢方薬から分離させる、溶媒抽出法がよく用いられている。しかし、既知の溶媒抽出法は有効成分が漢方薬から分離されるものの、分離された物質の純度に問題があったり、有機抽出溶媒が残留したりするといった欠点があり、結果として生物活性を発揮できなかったり生物毒素を有したりするといった欠点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ベニバナボロギク抽出物の解毒に用いる用途を提供することを目的としている。即ち、本発明が開示するベニバナボロギク抽出物は、体内の重金属を排除する活性を有しており、それにより重金属中毒やそれに関連する病症を治療又は/及び予防する効果を確実に達成し得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明はベニバナボロギク(Crassocephalum rabens)抽出物の第2用途を提供するが、それは、重金属中毒及びそれに関連する臓器機能障害の病症を治療又は/及び予防したり、血中鉛濃度を下げたりする組成物の調製に用いる用途であり、即ち、ベニバナボロギク抽出物又はベニバナボロギク抽出物を含有する組成物を個体に有効量投与することにより、その個体の体内の重金属濃度を低減し、個体の肝機能を向上させ、これにより重金属中毒やそれに関連する病気を治療又は/及び予防する効果を達成することができる。
【0006】
本発明の実施例中、ベニバナボロギク抽出物は、dLGG(1,2-di-O-linolenoyl-3-O-β-galactopyranosyl-sn-glycerol)を豊富に含んだ混合物である。具体的には、ベニバナボロギク抽出物はベニバナボロギクから抽出工程によって調製したものであり、抽出工程中で使用される抽出溶媒は水又は低級アルコールである。
【0007】
そのうち、低級アルコールはメタノール又はエタノールである。
【0008】
本発明の実施例中、重金属中毒は、個体が重金属や重金属を含有する物質に間接的又は直接的に接触することで引き起こされるものであり、重金属は鉛、亜鉛、カドミウムなどである。
【0009】
本発明の実施例中、重金属中毒に関連する臓器機能障害の病症は肝機能障害であり、肝機能障害は肝損傷や肝関連疾患を引き起こすことがあり、さらに血液中のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(Aspartate amino Transferase,AST)やアラニンアミノトランスフェラーゼ(Alanine amino Transferase,ALT)の含有量を増加させることもある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明が開示するベニバナボロギクアルコール浸漬抽出物のHPLCクロマトグラムである。
【
図1B】本発明が開示するベニバナボロギク水浸漬抽出物のHPLCクロマトグラムである。
【
図2】dLGG(1,2-di-O-linolenoyl-3-O-β-galactopyranosyl-sn-glycerol)標準品のHPLCクロマトグラムである。
【
図3】異なる処理を経たラットの血中鉛濃度の検査結果である。
【
図4】異なる処理を経たラットの血液中のAST、ALT含有量の検査結果である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、ベニバナボロギク(Crassocephalum rabens)抽出物の解毒に用いる用途を開示する。本発明が開示するベニバナボロギク抽出物は生物体又はその細胞内の重金属などの毒素物質を排除する活性を有するため、ベニバナボロギク抽出物又はベニバナボロギク抽出物を含有する組成物を個体に有効量投与することにより、その個体の体内の重金属含有量を効果的に低減し且つ肝機能を回復させることができる。
【実施例0012】
本発明の実施例中、ベニバナボロギク抽出物とは、ベニバナボロギク原料から抽出工程によって得たdLGG(1,2-di-O-linolenoyl-3-O-β-galactopyranosyl-sn-glycerol)を豊富に含む混合物である。本発明が開示するベニバナボロギク抽出物は、様々な抽出溶媒による抽出工程で調製することができ、ここで、抽出溶媒は、水、低級アルコール、二酸化炭素などを含み、抽出処理は、超臨界抽出法、アルコール浸漬による抽出方法、水浸漬による抽出方法、又は上述の任意の2つの方法の組み合わせを含む。
【0013】
ここで、ベニバナボロギク原料は、新鮮なベニバナボロギクをブランチング(blanching)処理して得られるものである。
【0014】
図1A及び
図1Bはそれぞれ、ベニバナボロギクアルコール浸漬抽出物及びベニバナボロギク水浸漬抽出物のHPLCクロマトグラムである。そのうち、ベニバナボロギクアルコール浸漬抽出物はアルコール浸漬による抽出方法で得たものであり、アルコール浸漬による抽出方法で使用した抽出溶媒は濃度が95%以上のアルコールである。ベニバナボロギク水浸漬抽出物は水浸漬による抽出方法で得たものであり、水浸漬による抽出方法に使用した抽出溶媒は水である。HPLCの分析条件は以下を含む。溶媒は98%メタノール、流速は1.0mL/分、溶出方式はグラジエント溶離、注入体積は10μL、停止時間は60分間、カラム温度は30℃とし、210nmの波長で検出する。
【0015】
図1A及び
図1Bの結果からは、保持時間13.5~14.5分間において顕著なピークが現れていることがはっきりと分かり、それぞれをdLGG標準品のHPLCクロマトグラム(
図2の通り)と比較すると、
図1A及び
図1B内の顕著なピークがdLGGであることが分かる。このことから、ベニバナボロギク抽出物をどの抽出処理によって得たとしても、そのうちの主要な指標成分はdLGG(1,2-di-O-linolenoyl-3-O-β-galactopyranosyl-sn-glycerol)であることが分かる。
【0016】
本発明の1つの実施例中、ベニバナボロギク抽出物は、新鮮なベニバナボロギクへの前処理工程及び抽出工程、乾燥濃縮工程を順に経て得られるものであり、且つ後の加工工程によりベニバナボロギク抽出物をベニバナボロギク組成物として調製又は調合することができる。
【0017】
そのうち、前処理工程は、ベニバナボロギク内の活性成分を保持し且つ後続の抽出率を向上させるためのものであり、ブランチング処理、破砕処理が含まれる。そのうち、ブランチング処理とは、熱湯や高温の蒸気で新鮮なベニバナボロギクを処理してベニバナボロギク原料を得ることをいい、破砕処理は、カッター、粉砕機などの装置でベニバナボロギク原料を破砕し、ミクロンオーダーの粉末にして、ベニバナボロギク粉末を形成するものである。
【0018】
抽出工程とは、低温環境下で水又はアルコールを抽出溶媒としてベニバナボロギク粉末からベニバナボロギク一次抽出物を分離することをいう。
【0019】
乾燥濃縮工程は、ベニバナボロギク一次抽出物中の水分を除去するか又は含有量を下げて、ベニバナボロギク抽出物を得るためのものである。
【0020】
本発明の実施例中、一例として60kgの成人を投与個体とした場合、ベニバナボロギク組成物の有効量は100~250mg/日であり、好適には、少なくとも200mg/日である。なお、当該有効量は個体の種、体重、年齢などのパラメータによって変化するため、当該有効量の変化が、当業者が既存技術に基づき推算可能な範囲を超えないか、或いは、例えば誤差値が真の値の±10%であるなど、当技術分野において許容される誤差の範囲内である限り、いずれも本発明の請求項がカバーし得る範囲に属するものであり、数値が完全に同じではない故に本願の請求項の保護範囲に属さないということではない。
【0021】
本発明の実施例中、個体とは、重金属にある程度の時間接触し続けたか、又は体内組織若しくは臓器内に医療上の許容範囲を超えた重金属含有量が蓄積されている哺乳類動物をいう。
【0022】
ここで、本発明において重金属には、鉛、ヒ素又は他の人体に有害な金属元素若しくはその塩類が含まれる。
【0023】
別段に定義されない限り、本発明中で使用する技術又は/及び科学用語は、いずれも当業者によって一般的に理解される意味であるか、又は同じ意味である。
【0024】
「抽出工程」という用語は、混合物中の各物質の溶解度が異なるという特性を利用して、目標物質又は当該目標物質を含有する区分された断片を当該混合物の中から分離させることができる工程をいい、例えば水浸漬による抽出方法、アルコール浸漬による抽出方法、超臨界抽出法などである。
【0025】
「ブランチング処理」という用語は、温度の急激な変化によってベニバナボロギク内の解毒成分、酵素などの活性を含む活性成分がそのうちに保持され、環境因子によって破壊されないようにさせることをいう。
【0026】
「組成物」という用語は、そのうちに本発明が開示するベニバナボロギク抽出物を含有し、且つ本発明が開示するベニバナボロギク抽出物を主要活性成分とするものであり、使用する対象、使用方式などの要素に基づき様々な剤形に調製することができ、且つ賦形剤、ビヒクルや他の医薬又は食品産業において許容可能な成分を添加することができる。例を挙げると、組成物は、医薬品、栄養補助食品、食品、治療用製剤である。
【0027】
「有効量」という用語は、治療する疾患の1つ以上の症状の軽減、1つ以上の症状の不快感の軽減、又は疾患の経過の緩和を達成し得る、ベニバナボロギク抽出物の投与量をいう。なお、当該有効量は投与期間、投与剤形、投与対象などのパラメータによって変化するため、当該有効量の変化が、当業者が既存技術に基づき推算可能な範囲を超えないか、或いは、例えば誤差値が真の値の±10%であるなど、当技術分野において許容される誤差の範囲内である限り、いずれも本発明の請求項がカバーし得る範囲に属するものであり、数値が完全に同じではない故に本願の請求項の保護範囲に属さないということではない。例を挙げると、投与対象が成人である場合、本発明が開示するベニバナボロギク抽出物の1日当たりの有効量は、100~250mg/日であり、投与期間は少なくとも14日である。
【0028】
「治療(treating)」という用語は、この用語が使用される病症や病状の進展、当該病症や病状の1つ以上の病状を改善、緩和、抑制すること、又はこの用語が使用される病症やその合併症の発生を予防することを意味する。本明細書において使用する「治療(treatment)」という用語は、本明細書で定義する「治療(treating)」の治療動作をいう。
【0029】
「投与」という用語は、本発明が開示するベニバナボロギク抽出物又はベニバナボロギク抽出物を含有する組成物を個体に提供する方式のことをいい、例えば外用、内服などである。
【0030】
「許容可能な誤差」という用語は、数値に本発明が提供するデータ又は数字との差異があるものの、その差異が科学的に許容可能であり、本発明が開示するデータ又は数字との間に統計的な差異がないこと、又は対応する結果の実質的な同一性に影響しないことをいう。
【0031】
また、本発明の明細書中で開示されるすべての図面はいずれも本発明の技術的特徴及び/又はその効果を説明又は解釈するものとして用いられ、本発明の請求項の保護範囲はそれらによって限定されない。本発明が開示する図面中に具体的な数値又は数字が含まれる場合、その解釈される範囲はデータの真の値及び当業者にとって許容可能な誤差が含まれるものとする。
【0032】
以下、本発明の技術的特徴とその効果について説明するため、幾つかの実施例を図面とともに挙げて説明する。
【0033】
実例1:ベニバナボロギク抽出物の調製
【0034】
新鮮なベニバナボロギク粉末を取り、ブランチング、破砕、抽出、濾過、遠心、水和及び凍結乾燥の順に工程を実施した。そのうち、抽出工程では、水と95%アルコールをそれぞれ抽出溶媒とし、ベニバナボロギク水浸漬抽出物とベニバナボロギクアルコール浸漬抽出物を得た。
【0035】
ベニバナボロギク水浸漬抽出物とベニバナボロギクアルコール浸漬抽出物のそれぞれにHPLC分析を行った。結果は
図1Aと
図1Bに示す通りである。ここで、HPLCの条件は以下を含む。溶媒は98%メタノール、流速は1.0mL/分、溶出方式はグラジエント溶離、注入体積は10μL、停止時間は60分間、カラム温度は30℃とし、210nmの波長で検出した。
図1Aと
図1Bの結果から、ベニバナボロギク水浸漬抽出物とベニバナボロギクアルコール浸漬抽出物は保持時間13.5~14.5分間において顕著なピークが現れていることが分かる。dLGG標準品のHPLCクロマトグラムとの比較から、ベニバナボロギク水浸漬抽出物とベニバナボロギクアルコール浸漬抽出物のHPLCクロマトグラム中に現れている顕著なピークはdLGG(1,2-di-O-linolenoyl-3-O-β-galactopyranosyl-sn-glycerol)であることが分かる。これはつまり、本発明が開示するベニバナボロギク水浸漬抽出物とベニバナボロギクアルコール浸漬抽出物にはdLGGが豊富に含まれているという意味である。
【0036】
実例2:鉛毒排出試験
【0037】
6週齢SDラットを取り、濃度2000ppmの酢酸鉛水溶液1ミリリットルを毎日与え、ブランク群以外の2群のラットには酢酸鉛水溶液を与える期間中、成人摂取量に等しい200mgのベニバナボロギク水浸漬抽出物試料又はベニバナボロギクアルコール浸漬抽出物試料を毎日与えた。14日が経過してから、採血して血中鉛含有量と肝指数の分析を行った。結果は
図3と
図4に示す通りである。
【0038】
図3と
図4の結果から、ブランク群のラットは、高濃度鉛曝露の飲料水条件による処理の下で14日が経過すると、血液内の鉛濃度、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(Aspartate amino Transferase,AST)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(Alanine amino Transferase,ALT)の含有量がいずれも顕著に増加していることが分かり、個体に鉛イオンを連続投与した場合、個体が鉛を代謝できず体内に蓄積し、肝機能障害を引き起こすことが示されている。一方、ラットが高濃度の鉛環境への曝露を受けると同時に、本発明が開示するベニバナボロギク水浸漬抽出物試料又はベニバナボロギクアルコール浸漬抽出物試料が投与された場合には、ラットの血中鉛濃度を効果的に下げることができ、且つ肝機能指数を上昇させ得ることが分かる。
【0039】
この実例の結果は、本発明が開示するベニバナボロギク抽出物が確かに体内の鉛などの重金属を排除する活性を有することを証明している。これはつまり、本発明が開示するベニバナボロギク抽出物又はベニバナボロギク抽出物を含有する組成物を個体に有効量投与することにより、鉛中毒や、重金属への過剰な接触によって引き起こされる肝損傷又は肝疾患を効果的に治療又は予防することができるという意味である。
前記組成物は、血液中のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(Aspartate amino Transferase,AST)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(Alanine amino Transferase,ALT)の含有量を下げるのに用いられる、請求項3に記載の組成物。
前記ベニバナボロギク抽出物は、dLGG(1,2-di-O-linolenoyl-3-O-β-galactopyranosyl-sn-glycerol)を豊富に含んだ混合物である、請求項1に記載の組成物。
前記ベニバナボロギク抽出物は、dLGG(1,2-di-O-linolenoyl-3-O-β-galactopyranosyl-sn-glycerol)を豊富に含んだ混合物である、請求項8に記載の組成物。