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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086622
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】断路器またはアーススイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 31/02 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
H01H31/02 E
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205354
(22)【出願日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】22214242
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハウケ・ペーテルス
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ゴート
(57)【要約】      (修正有)
【課題】断路器またはアーススイッチを作動させるための操作機構を提供する。
【解決手段】異なる相の3つの導体をそれぞれの切換管に接続するための断路器またはアーススイッチであって、断路器またはアーススイッチを動作させるように構成された回転可能駆動シャフトと、3つの導体を接続するように構成された接続位置と、3つの導体を接続しないように構成された切断位置との間で軸方向にともに可動に配置構成されている3つのそれぞれの切換管と、ウォームの回転を接続位置と切断位置との間での3つの切換管の軸方向の動きに変換するように構成された部分歯付きウォームホイールであって、部分歯付きウォームホイールは接続位置および切断位置においてウォームと係合解除され、接続位置および切断位置において部分歯付きウォームホイールをウォームと再び係合させるように構成された再係合装置とを備える
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる相の3つの導体(2)をそれぞれの切換管(3)に接続するための断路器またはアーススイッチ(1)であって、
ウォーム(7)を備え、前記断路器またはアーススイッチ(1)を動作させるように構成された回転可能駆動シャフト(4)と、
前記3つの導体(2)を接続するように構成された接続位置と、前記3つの導体(2)を接続しないように構成された切断位置との間で軸方向にともに可動に配置構成されている3つの前記それぞれの切換管(3)と、
前記ウォーム(7)の回転を前記接続位置と前記切断位置との間での3つの前記切換管(3)の軸方向の動きに変換するように構成された部分歯付きウォームホイール(5)であって、前記部分歯付きウォームホイール(5)は前記接続位置および前記切断位置において前記ウォーム(7)と係合解除される、部分歯付きウォームホイール(5)と、
前記接続位置および前記切断位置において前記部分歯付きウォームホイール(5)を前記ウォーム(7)と再び係合させるように構成された再係合装置(6)とを備える、断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項2】
前記部分歯付きウォームホイール(5)の歯(14)が、約180°以下、160°以下、140°以下、120°以下または100°以下に延在する、請求項1に記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項3】
前記部分歯付きウォームホイール(5)は、前記再係合装置(6)と係合するための対向する端面(20)を有するピッチ円形ディスクとして提供される、先行する請求項のいずれかに記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項4】
前記再係合装置(6)は、前記部分歯付きウォームホイール(5)を再び前記ウォーム(7)と係合させるために、前記部分歯付きウォームホイール(5)が前記接続位置または前記切断位置に達することによって充電可能に構成される、先行する請求項のいずれかに記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項5】
前記再係合装置(6)は、前記部分歯付きウォームホイール(5)にばね力を加えるように構成されたねじりばねとして、および/もしくは圧縮ばねとして、ならびに/または前記部分歯付きウォームホイール(5)に反発磁力を加えるように構成された反発磁石対として提供される、先行する請求項のいずれかに記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項6】
3つの前記切換管(3)を互いに離して保持するコンタクト支持体(10)、および/または前記それぞれの切換管(3)の前記軸方向の動きを案内するように構成された案内部(11)を備える、先行する請求項のいずれかに記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項7】
前記部分歯付きウォームホイール(5)の回転を3つの前記切換管(3)の前記軸方向の動きに変換するように構成されたフォークボルト接続部(16)を備える、先行する請求項のいずれかに記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項8】
各切換管(3)は、それぞれの前記導体(2)のコンタクトチューリップ(13)を接続するように構成されたコンタクトピン(12)を備える、先行する請求項のいずれかに記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項9】
3つの前記切換管(3)が接地に接続される、先行する請求項のいずれかに記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項10】
前記断路器またはアーススイッチ(1)は、高速作動アーススイッチ、プルーフアーススイッチまたは断路器アーススイッチとして提供される、先行する請求項のいずれかに記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項11】
異なる相の3つの導体(2)をそれぞれの切換管(3)に接続するための部分歯付きウォームホイール(5)の使用であって、
ウォーム(7)を備え、前記断路器またはアーススイッチ(1)を動作させるように構成された回転可能駆動シャフト(4)と、
前記3つの導体(2)を接続するように構成された接続位置と、前記3つの導体(2)を接続しないように構成された切断位置との間で軸方向にともに可動に配置構成されている3つの前記それぞれの切換管(3)と、
前記ウォーム(7)の回転を前記接続位置と前記切断位置との間での3つの前記切換管(3)の軸方向の動きに変換するように構成された前記部分歯付きウォームホイール(5)であって、前記部分歯付きウォームホイール(5)は前記接続位置および前記切断位置において前記ウォーム(7)と係合解除される、前記部分歯付きウォームホイール(5)と、
前記接続位置および前記切断位置において前記部分歯付きウォームホイール(5)を前記ウォーム(7)と再び係合させるように構成された再係合装置(6)とを備える、部分歯付きウォームホイール(5)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
明細書
技術分野
本発明は、異なる相の3つの導体をそれぞれの切換管に接続するための断路器またはアーススイッチであって、ウォームを備え、アーススイッチおよび3つのそれぞれの切換管を動作させるように構成された回転可能駆動シャフトを備え、3つのそれぞれの切換管は、3つの導体を接続するように構成された接続位置と、3つの導体を接続しないように構成された切断位置との間で軸方向にともに可動に配置構成されている、断路器またはアーススイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
接地スイッチとしても知られている断路器またはアーススイッチは、回路遮断器およびアイソレータのようなスイッチギア構成要素に含まれる保護装置である。回路遮断器が取り外されてラックアウトされると、アーススイッチは、回路遮断器に隣接するバスバーの一部を自動的に接地する。アイソレータの場合、アーススイッチは、アイソレータが回路を分離するときにバスバーと接触し、そこに集まった可能性のある任意の電荷を放電する。たとえば、スイッチギア内のアーススイッチは、電力線がその電源から取り外された後に電力線の残りの変化を接地するために使用される。残留電荷は、回路遮断器およびアイソレータによって分断または開放された後に回路内に残ることが多い。充電を放電するために、通常、アーススイッチが設けられる。
【0003】
断路器またはアーススイッチは、異常電流があるときに技術者およびスタッフを保護するためのスナップアクション閉鎖機構を有することが多い。一般に、断路器またはアーススイッチは、短絡に耐えるように設計されている。変電所内の断路器またはアーススイッチは、他の電気機器を損傷から防護するために短絡を形成する能力を有する。断路器またはアーススイッチは、いくつかの高電圧スイッチギアと共に使用されることが多く、高電圧電気機器のオーバーホールにおける保護装置としての役割も果たす。
【0004】
そのような断路器またはアーススイッチは、電動式とするか、または、手動で操作することができる。断路器またはアーススイッチの駆動部がモータによって操作される場合、モータによって作動される操作機構の横断を制限するためにエンドスイッチが存在しなければならない。手動操作中、規定の終端位置を規定する必要がある。しかしながら、従来技術の解決策は、残念ながら、そのような断路器またはアーススイッチを作動させるための十分に安全で容易な操作機構を提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の概要
したがって、本発明の目的は、断路器またはアーススイッチを作動させるための改善された操作機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、独立請求項の特徴によって達成される。好ましい実施態様が、従属請求項に詳述されている。
【0007】
したがって、この目的は、異なる相の3つの導体をそれぞれの切換管に接続するための特に高電圧の断路器またはアーススイッチであって、
ウォームを備え、断路器またはアーススイッチを動作させるように構成された回転可能駆動シャフトと、
3つの導体を接続するように構成された接続位置と、3つの導体を接続しないように構成された切断位置との間で軸方向にともに可動に配置構成されている3つのそれぞれの切換管と、
ウォームの回転を接続位置と切断位置との間での3つの切換管の軸方向の動きに変換するように構成された部分歯付きウォームホイールであって、部分歯付きウォームホイールは接続位置および切断位置においてウォームと係合解除される、部分歯付きウォームホイールと、
特に接続位置および切断位置において部分歯付きウォームホイールをウォームと再び係合させるように構成された再係合装置とを備える、断路器またはアーススイッチによって解決される。
【0008】
したがって、提案されている解決策は、部分歯付きウォームホイールの回転方向に作用する一種の位置制御式フリーホイールを成す。電圧断路器またはアーススイッチは、高トルクを伝達し、同時に非常に小さい設置スペース内で上記フリーホイール機能を提供することを可能にする。以て、提案されているフリーホイールの機能は、2つの歯車パートナー、すなわち部分歯付きウォームホイールおよび回転可能駆動シャフトの幾何学的に制御された結合解除の原理に基づいている。したがって、トルクおよび回転運動は、回転可能駆動シャフトと部分歯付きウォームホイールとの間の規定の範囲の運動に対してのみ伝達される。
【0009】
機能が物体間の摩擦に基づく従来技術から知られているフリーホイールと比較して、提案されているフリーホイールは純粋に運動学的に動作する。したがって、フリーホイールの機能に対する環境要因および潤滑剤の経年劣化は、動作に影響を及ぼさない。回転可能駆動シャフトおよび部分歯付きウォームホイールから成る提案されているフリーホイールは、電気停止装置、たとえばリミットスイッチに加えて端部位置にあるモータ駆動機構を防護するための安全装置として、およびモータの惰性挙動の影響なしに入力側と出力側とを機械的に精密に結合解除するための安全装置として使用することができる。
【0010】
加えて、異なる相の3つの導体をそれぞれの切換管に接続するための機構がオペレータによって手動で操作される場合、提案されているフリーホイールを使用して過剰な操作を防止することができる。したがって、オペレータは、決して、回転可能駆動シャフトをフリーホイールが許容するよりも遠くに動かすことができない。オペレータは、歯面が交互に出会うときに発せられる音からフリーホイールに到達したという可聴フィードバックを受け取る。
【0011】
高電圧という用語は、好ましくは36~1,100kVに及ぶ電圧を意味する。高電圧は、好ましくは、72kV超~550kVの範囲内、たとえば145kV、245kVもしくは420kV、またはさらにはそれを超える公称電圧に関する。断路器またはアーススイッチの公称電流は、1kA~5kAの範囲内、さらに高くてもよく、たとえば瞬間的に80kAである。導体は、上記高電圧を分配するためのグリッドの一部とすることができる。
【0012】
回転可能駆動シャフトは、好ましくは2つのベアリングによって保持され、その間でウォームが駆動シャフト上に設けられる。ベアリングは、断路器またはアーススイッチのハウジングに取り付けることができる。回転可能駆動シャフトの一端は、好ましくは、断路器またはアーススイッチを操作するように駆動シャフトを回転させるためのモータまたは手動ハンドルに接続するように構成される。3つの切換管は、ロッドとして提供することができ、および/または回転可能駆動シャフトに平行に延在することができる。部分歯付きウォームホイールは、好ましくは、出力シャフト上に配置構成され、その軸は、駆動シャフトに直交して延在する。上記出力シャフトは、別のベアリングを介してハウジングに取り付けることができる。部分歯付きとは、好ましくは、ウォームホイールの周の少なくとも一部分に歯が設けられておらず、残りの部分に、ウォームに対応する歯が設けられていることを意味する。上記歯のない部分は、ウォームと係合していない。ウォームは雄ねじとして提供することができる。
【0013】
したがって、3つのそれぞれの切換管がそれぞれ接続位置または切断位置に近づくと、部分歯付きウォームホイールの歯はウォームと係合しなくなる。接続位置または切断位置では、部分歯付きウォームホイールがウォームと係合していないため、駆動シャフトのいかなる継続的な回転も、3つのそれぞれの切換管のいかなる動きにおいても部分歯付きウォームホイールの回転をそれぞれもたらさない。しかしながら、たとえば、駆動シャフトの回転が停止し、駆動シャフトが反対方向に回転されると、再係合装置は、部分歯付きウォームホイールがウォームと再び係合することを確実にする。
【0014】
このように、部分歯付きウォームホイールが接続位置および切断位置においてウォームと係合していないという表現と、再係合装置が接続位置および切断位置において部分歯付きウォームホイールをウォームと再び係合させるという表現とに矛盾はない。再係合装置は、好ましくは、接続位置および切断位置によって、および/または接続位置および切断位置に達して部分歯付きウォームホイールをウォームと再び係合させるときにトリガされる。
【0015】
好ましい実施態様によれば、部分歯付きウォームホイールの歯は、約180°以下、160°以下、140°以下、120°以下または100°以下だけ延在する。したがって、好ましくは、部分歯付きウォームホイールの180°超、200°超、>220°超、240°超または260°超に歯が提供されない。部分歯付きウォームホイールは、好ましくは、ディスク状の形態を備え、これにより、歯は、半径方向の周に配置構成される。歯およびウォームは、それぞれが互いに合致することを可能にする任意の適切な形態を含むことができる。
【0016】
別の好ましい実施態様では、部分歯付きウォームホイールは、再係合装置と係合するための対向する端面を有するピッチ円形ディスクとして提供される。ピッチ円形ディスクは、周に沿って、すなわちピースに歯が配置されたパイのピースの形態を含んでもよい。残りの部分、すなわちパイのピースが存在しない部分は中空であり得る。端面は、好ましくは、部分歯付きウォームホイールの軸として出力シャフトに対して軸方向および半径方向に延在する。ウォームホイールは、好ましくは出力シャフトに堅固に接続される。端面は、好ましくは、部分歯付きウォームホイールをウォームと再び係合させるために再係合装置をそれぞれトリガするために、接続位置および切断位置において再係合装置と係合する。
【0017】
別の好ましい実施態様によれば、再係合装置は、部分歯付きウォームホイールを再びウォームと係合させるために、部分歯付きウォームホイールが接続位置または切断位置に達することによって充電可能に構成される。再係合装置を充電することは、たとえば、その後、部分歯付きウォームホイールをウォームと再び係合させることを可能にする力が再係合装置に生成されることを意味する。
【0018】
別の好ましい実施態様では、再係合装置は、部分歯付きウォームホイールにばね力を加えるように構成されたねじりばねとして、および/もしくは圧縮ばねとして、ならびに/または部分歯付きウォームホイールに反発磁力を加えるように構成された反発磁石対として提供される。ねじりばねは、ねじりばねハウジング内に収容することができ、2つのねじりばね脚を有することができ、各脚は、接続位置および切断位置においてウォームホイールをウォームと係合させるためのものである。
【0019】
別の好ましい実施態様によれば、断路器またはアーススイッチは、3つの切換管を互いに離して保持するコンタクト支持体、および/またはそれぞれの切換管の軸方向の動きを案内するように構成された案内部を備える。コンタクト支持体は、好ましくは、出力シャフトに平行に、ならびに/または切換管および/もしくは回転可能駆動シャフトに直交して延在する。コンタクト支持体は、各1つの辺に1つの切換管が配置された3つの辺を有する三角形状の形態を含むことができる。案内部は、それぞれの切換管への電気的接続を案内および/または提供するためのスライドコンタクトとして提供することができる。
【0020】
別の好ましい実施態様では、断路器またはアーススイッチは、部分歯付きウォームホイールの回転を3つの切換管の軸方向の動きに変換するように構成されたフォークボルト接続部を備える。好ましくは、フォークは出力シャフトに堅固に接続され、一方、フォークは別の切換管および/または3つの切換管に並列かつ静止して接続されたロッドに堅固に接続することができる。好ましくは、切換管は、2つの対向して配置構成されたボルトおよび2つの対向して配置構成されたフォークによって部分歯付きウォームホイールに接続される。
【0021】
別の好ましい実施態様によれば、各切換管は、それぞれの導体のコンタクトチューリップに接続するように構成されたコンタクトピンを備える。コンタクトピンは、好ましくは、互いに一定の距離を置いて配置構成される。
【0022】
別の好ましい実施態様では、3つの切換管は接地に接続される。このようにして、3つの切換管はともに接続され、および/または共通のコネクタを備えてもよい。あるいは、3つの切換管は、それぞれ別の導体に接続することができる。
【0023】
別の好ましい実施態様によれば、断路器またはアーススイッチは、高速作動アーススイッチ、プルーフアーススイッチまたは断路器アーススイッチとして提供される。それにより、提案されている解決策は、それぞれの高速動作アーススイッチ、プルーフアーススイッチまたは断路器アーススイッチを非常に小さい設置スペースに設置することを可能にする。
【0024】
この目的は、異なる相の3つの導体をそれぞれの切換管に接続するための部分歯付きウォームホイールの使用であって、部分歯付きウォームホイールは、
ウォームを備え、アーススイッチを動作させるように構成された回転可能駆動シャフトと、
3つの導体を接続するように構成された接続位置と、3つの導体を接続しないように構成された切断位置との間で軸方向にともに可動に配置構成されている3つのそれぞれの切換管と、
ウォームの回転を接続位置と切断位置との間での3つの切換管の軸方向の動きに変換するように構成された部分歯付きウォームホイールであって、部分歯付きウォームホイールは接続位置および切断位置においてウォームと係合解除される、部分歯付きウォームホイールと、
特に接続位置および切断位置において部分歯付きウォームホイールをウォームと再び係合させるように構成された再係合装置とを備える、部分歯付きウォームホイールの使用によってさらに解決される。
【0025】
本使用のさらなる実施態様および利点は、前述の断路器またはアーススイッチから当業者によって直接的かつ明確に導出される。
【0026】
図面の簡単な説明
本発明のこれらの態様および他の態様は、以下に記載される実施態様を参照して諒解され、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】好ましい実施態様による、異なる相の3つの導体をそれぞれの切換管に接続するための断路器またはアーススイッチの斜視図である。
図2】好ましい実施態様による、図1による断路器またはアーススイッチの回転可能駆動シャフトおよび部分歯付きウォームホイールの斜視図である。
図3】好ましい実施態様による、完全に係合されている図1による断路器またはアーススイッチの回転可能駆動シャフトおよび部分歯付きウォームホイールの側面図である。
図4】好ましい実施態様による、部分的に係合されている図1による断路器またはアーススイッチの回転可能駆動シャフトおよび部分歯付きウォームホイールの側面図である。
図5】好ましい実施態様による、係合解除されている図1による断路器またはアーススイッチの回転可能駆動シャフトおよび部分歯付きウォームホイールの側面図である。
図6】好ましい実施態様による、再係合している図1による断路器またはアーススイッチの回転可能駆動シャフトおよび部分歯付きウォームホイールの側面図である。
図7】別の好ましい実施態様による、図1による断路器またはアーススイッチの回転可能駆動シャフトおよび部分歯付きウォームホイールの側面図である。
図8】さらに別の好ましい実施態様による、図1による断路器またはアーススイッチの回転可能駆動シャフトおよび部分歯付きウォームホイールの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施態様の説明
図1は、好ましい実施態様による、異なる相の3つの導体2をそれぞれの切換管3に接続するための断路器またはアーススイッチ1を斜視図において示す。3つの導体2はグリッドの一部であり、したがって、各々が36~800kVの範囲内の高電圧を搬送する。断路器またはアーススイッチ1は、回転可能駆動シャフト4と、3つのそれぞれの切換管3と、部分歯付きウォームホイール5と、再係合装置6とを備える。
【0029】
回転可能駆動シャフト4には、回転可能駆動シャフト4に堅固に接続されたウォーム7が装備されている。回転可能駆動シャフト4は、断路器またはアーススイッチ1のハウジング(図示せず)において2つのベアリング8によって保持されている。ウォーム7は、2つのベアリング8の間に配置構成される。回転可能駆動シャフト4の一端9は、断路器またはアーススイッチ1を操作するためのモータまたはハンドル(図示せず)によって操作されるように構成される。
【0030】
3つの切換管3は、回転可能駆動シャフト4と平行に延在し、1つの辺に1つの切換管3が各々配置された三角形の形状を有するコンタクト支持体10によって保持されている。このようにして、3つの切換管3は、コンタクト支持体10によって結合され、ハウジングにスライドコンタクトとして設けられた案内部11によって保持されている。3つの案内部11はすべて、アーススイッチ1の図に示すように接地に接続されている。断路器の場合、上記3つの案内部11を他の導体に接続することができる。
【0031】
3つの案内部11は、3つの切換管3が、図1に示されていない、各1つの切換管3が各1つの導体2に電気的に接続する接続位置と、図1に示されている、各1つの切換管3が各1つの導体2から電気的に切断される切断位置との間でともに軸方向に動かされ得ることを可能にする。したがって、3つの切換管3の各先端は、コンタクトピン12を備え、3つの導体2の各先端は、対応するコンタクトチューリップ13を備える。
【0032】
3つの切換管3を軸方向に動かするために、ウォーム7は、図2により詳細に示すように、部分歯付きウォームホイール5の歯14と係合する。部分歯付きウォームホイール5は、出力シャフト15を備え、出力シャフトは、別のベアリング8を介してハウジングによって保持される。このようにして、出力シャフト15は、回転可能駆動シャフト4に対して直交して延在する。
【0033】
出力シャフト15に堅固に接続されているのはフォークボルト接続部16であり、これは出力シャフト15に、コンタクト支持体10への3つの切換管3に平行に固定して接続されたロッド17に接続する。対向して配置構成された2つのボルトがロッド17から延在し、これらは出力シャフト15に接続されている、対向して配置構成された2つのそれぞれのフォークに包含される。このようにして、回転可能駆動シャフト4の回転は、3つの切換管を接続位置と切断位置との間で動かすための3つの切換管3の軸方向の動きに変換される。
【0034】
ここで、好ましい実施態様による図1による断路器またはアーススイッチ1の回転可能駆動シャフト4および部分歯付きウォームホイール5を示す図2図6を参照すると、図2図6が示されている。図2および図3は、完全に係合された回転可能駆動シャフト4および部分歯付きウォームホイール5を示しており、すなわちウォーム7の歯が部分歯付きウォームホイール5の歯14と係合している。
【0035】
上記歯14は、部分歯付きウォームホイール5の周の120°にわたって延在する。これにより、部分歯付きウォームホイール5は、ピッチ円形ディスク、すなわち、約120°にわたって延在するケーキのピースとして提供される。上記ピッチ円形ディスクは、その端部に、出力シャフト15に対して軸方向および半径方向に延在する、対向して配置構成された2つの端面20を備える。図2および図3では、上記端面20は再係合装置6と係合していない。
【0036】
図4は、反時計回り方向に切断位置に接近した、好ましい実施態様による、部分的に係合されている図1による断路器またはアーススイッチ1の回転可能駆動シャフト4および部分歯付きウォームホイール5の側面図である。
【0037】
再係合装置6は、特に図2に見られるように、断路器またはアーススイッチ1のハウジングに取り付けられた再係合装置6のねじりばねハウジング18から延在する2つのばね脚19を有するねじりばねとして設けられている。切断位置に近づくと、一方のばね脚が一方の端面20と係合し、それによってねじりばねがそれぞれ再係合装置6にばね力を荷重することが分かる。
【0038】
図5は、切断位置で完全に係合解除されている回転可能駆動シャフト4および部分歯付きウォームホイール5またはウォーム7および歯14を示しており、一方、ねじりばねまたは再係合装置6は、ばね力で完全に荷重される。上記ばね力は、部分歯付きウォームホイール5の前の回転方向とは反対の時計回り方向に向けられる。さらに、回転可能駆動シャフト4のいかなるさらなる回転も、もはや3つの切換管3の軸方向の動きをもたらさない。
【0039】
次いで、一方の端面20に作用するばね力は、図6から分かるように、部分歯付きウォームホイール5の最外歯面をウォーム7の最後の歯の歯面に押し付ける。したがって、部分歯付きウォームホイール5が意図された時計回りに動く場合、再係合装置6は、切断位置において、部分歯付きウォームホイール5をウォーム7に再び係合させることを可能にする。提案されている解決策は、部分歯付きウォームホイール5とウォーム7との間の係合を、切断位置および図示されていない接続位置において復元することを可能にする。
【0040】
図7および図8は、2つのさらなる好ましい実施態様による、図1による断路器またはアーススイッチ1の回転可能駆動シャフト4および部分歯付きウォームホイール5を側面図において示す。図7において、再係合装置6は、部分歯付きウォームホイール5にばね力を加えるように構成された圧縮ばねとして提供され、図8において、再係合装置6は、部分歯付きウォームホイール5に反発磁力を加えるように構成された反発磁石対として提供される。
【0041】
本発明は、図面および前述の説明において詳細に図示および説明されてきたが、そのような図示および説明は、図示的または例示的であって限定的ではないと考えられるべきであり、本発明は開示された実施態様に限定されない。開示された実施態様に対する他の変更は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求される発明の実践において当業者によって理解され、実施され得る。特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という単語は他の要素またはステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は複数を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているというだけの事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。特許請求の範囲内のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0042】
参照符号のリスト
1 断路器またはアーススイッチ
2 導体
3 切換管
4 回転可能駆動シャフト
5 部分歯付きウォームホイール
6 再係合装置
7 ウォーム
8 ベアリング
9 端部
10 コンタクト支持体
11 案内部
12 コンタクトピン
13 コンタクトチューリップ
14 歯
15 出力シャフト
16 フォークボルト接続部
17 ロッド
18 ねじりばねハウジング
19 ばね脚
20 端面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる相の3つの導体(2)をそれぞれの切換管(3)に接続するための断路器またはアーススイッチ(1)であって、
ウォーム(7)を備え、前記断路器またはアーススイッチ(1)を動作させるように構成された回転可能駆動シャフト(4)と、
前記3つの導体(2)を接続するように構成された接続位置と、前記3つの導体(2)を接続しないように構成された切断位置との間で軸方向にともに可動に配置構成されている3つの前記それぞれの切換管(3)と、
前記ウォーム(7)の回転を前記接続位置と前記切断位置との間での3つの前記それぞれの切換管(3)の軸方向の動きに変換するように構成された部分歯付きウォームホイール(5)であって、前記部分歯付きウォームホイール(5)は前記接続位置および前記切断位置において前記ウォーム(7)と係合解除される、部分歯付きウォームホイール(5)と、
前記接続位置および前記切断位置において前記部分歯付きウォームホイール(5)を前記ウォーム(7)と再び係合させるように構成された再係合装置(6)とを備える、断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項2】
前記部分歯付きウォームホイール(5)の歯(14)が、180°以下に延在する、請求項1に記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項3】
前記部分歯付きウォームホイール(5)は、前記再係合装置(6)と係合するための対向する端面(20)を有するピッチ円形ディスクとして提供される、請求項1または2に記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項4】
前記再係合装置(6)は、前記部分歯付きウォームホイール(5)を再び前記ウォーム(7)と係合させるために、前記部分歯付きウォームホイール(5)が前記接続位置または前記切断位置に達することによって充電可能に構成される、請求項1または2に記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項5】
前記再係合装置(6)は、前記部分歯付きウォームホイール(5)にばね力を加えるように構成されたねじりばねとして、および/もしくは圧縮ばねとして、ならびに/または前記部分歯付きウォームホイール(5)に反発磁力を加えるように構成された反発磁石対として提供される、請求項1または2に記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項6】
3つの前記それぞれの切換管(3)を互いに離して保持するコンタクト支持体(10)、および/または前記それぞれの切換管(3)の前記軸方向の動きを案内するように構成された案内部(11)を備える、請求項1または2に記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項7】
前記部分歯付きウォームホイール(5)の回転を3つの前記それぞれの切換管(3)の前記軸方向の動きに変換するように構成されたフォークボルト接続部(16)を備える、請求項1または2に記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項8】
各切換管(3)は、それぞれの前記3つの導体(2)のコンタクトチューリップ(13)を接続するように構成されたコンタクトピン(12)を備える、請求項1に記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項9】
3つの前記それぞれの切換管(3)が接地に接続される、請求項1または2に記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項10】
前記断路器またはアーススイッチ(1)は、高速作動アーススイッチ、プルーフアーススイッチまたは断路器アーススイッチとして提供される、請求項1または2に記載の断路器またはアーススイッチ(1)。
【請求項11】
異なる相の3つの導体(2)をそれぞれの切換管(3)に接続するための部分歯付きウォームホイール(5)の使用であって、
ウォーム(7)を備え、断路器またはアーススイッチ(1)を動作させるように構成された回転可能駆動シャフト(4)と、
前記3つの導体(2)を接続するように構成された接続位置と、前記3つの導体(2)を接続しないように構成された切断位置との間で軸方向にともに可動に配置構成されている3つの前記それぞれの切換管(3)と、
前記ウォーム(7)の回転を前記接続位置と前記切断位置との間での3つの前記それぞれの切換管(3)の軸方向の動きに変換するように構成された前記部分歯付きウォームホイール(5)であって、前記部分歯付きウォームホイール(5)は前記接続位置および前記切断位置において前記ウォーム(7)と係合解除される、前記部分歯付きウォームホイール(5)と、
前記接続位置および前記切断位置において前記部分歯付きウォームホイール(5)を前記ウォーム(7)と再び係合させるように構成された再係合装置(6)とを備える、部分歯付きウォームホイール(5)の使用。
【外国語明細書】