(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086638
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】基板処理装置およびその洗浄方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240620BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
H01L21/304 643Z
H01L21/304 647A
H01L21/30 564C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023209045
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】10-2022-0176879
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カク,ヨン チュル
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジュン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ヨ,ジェ ホ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン,キョ サン
(72)【発明者】
【氏名】ベク,ヘ ビン
【テーマコード(参考)】
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
5F146JA02
5F146JA04
5F146JA27
5F157AA91
5F157AB02
5F157AB14
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5F157AB47
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5F157AB90
5F157BB23
5F157BF32
5F157BF34
5F157CC03
5F157CC11
5F157DC90
(57)【要約】 (修正有)
【課題】汚染源がある場合にノズルチップやノズルチップの周辺を洗浄できる基板処理装置およびその洗浄方法を提供する。
【解決手段】基板処理装置150bは、基板Wを支持する基板支持ユニット310、端部に吐出口が形成されたノズルチップ部材を含み、ノズルチップ部材を用いて基板上に処理液を吐出する噴射ユニット340および処理液の吐出を完了したノズルチップ部材をその内部に収容する待機ポートを含み、ノズルチップ部材が第2薬液をサックバックする前にノズルチップ部材および待機ポートの内部を洗浄する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持する基板支持ユニット;
端部に吐出口が形成されたノズルチップ部材を含み、前記ノズルチップ部材を用いて前記基板上に処理液を吐出する噴射ユニット;および
前記処理液の吐出を完了した前記ノズルチップ部材をその内部に収容する待機ポートを含み、
前記ノズルチップ部材が第2薬液をサックバックする前に前記ノズルチップ部材および前記待機ポートの内部を洗浄する、基板処理装置。
【請求項2】
前記ノズルチップ部材および前記待機ポートの順に洗浄する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記ノズルチップ部材を洗浄する前に前記待機ポートを洗浄する、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記待機ポートを洗浄した後に前記ノズルチップ部材を再び洗浄する、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記ノズルチップ部材および前記待機ポートの内部を繰り返し洗浄する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ノズルチップ部材および前記待機ポートに対する洗浄繰り返し回数は、統計値に基づいて事前に決定されるか、または前記ノズルチップ部材および前記待機ポートの表面に対する検査結果に応じて決定される、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記ノズルチップ部材が洗浄されると前記ノズルチップ部材を前記待機ポートの内部空間から離脱する方向に移動させる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記待機ポートは前記ノズルチップ部材が位置移動した後にその内部が洗浄される、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第2薬液はシンナー(Thinner)である、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記待機ポートの内部空間に第1薬液を提供する第1薬液供給ユニット;
前記待機ポートの内部空間に前記第2薬液を提供する第2薬液供給ユニット;および
前記待機ポートの内部空間に第3薬液を提供する第3薬液供給ユニットをさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第1薬液は前記ノズルチップ部材の表面を洗浄するための薬液である、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記第3薬液は前記待機ポートの内部表面を洗浄するための薬液である、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記処理液は前記基板上に感光膜を形成するための処理液である、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項14】
基板上に処理液を吐出するノズルチップ部材が待機ポートの内部空間に移動する段階;
前記ノズルチップ部材を洗浄する段階;
前記待機ポートの内部を洗浄する段階;および
前記ノズルチップ部材が第2薬液をサックバックする段階を含む、基板処理装置の洗浄方法。
【請求項15】
前記ノズルチップ部材が洗浄されると、前記ノズルチップ部材を前記待機ポートの内部空間から離脱する方向に移動させる段階をさらに含む、請求項14に記載の基板処理装置の洗浄方法。
【請求項16】
前記待機ポートの内部を洗浄する段階は前記ノズルチップ部材が位置移動した後に行われる、請求項15に記載の基板処理装置の洗浄方法。
【請求項17】
前記ノズルチップ部材を洗浄する段階と前記待機ポートの内部を洗浄する段階は繰り返される、請求項14に記載の基板処理装置の洗浄方法。
【請求項18】
前記ノズルチップ部材を洗浄する前に前記待機ポートの内部を洗浄する段階をさらに含む、請求項14に記載の基板処理装置の洗浄方法。
【請求項19】
前記待機ポートの内部を洗浄した後に前記ノズルチップ部材を再び洗浄する段階をさらに含む、請求項14に記載の基板処理装置の洗浄方法。
【請求項20】
基板を支持する基板支持ユニット;
端部に吐出口が形成されたノズルチップ部材を含み、前記ノズルチップ部材を用いて前記基板上に処理液を吐出する噴射ユニット;および
前記処理液の吐出を完了した前記ノズルチップ部材をその内部に収容する待機ポートを含み、
前記ノズルチップ部材が薬液をサックバックする前に前記ノズルチップ部材および前記待機ポートの順に洗浄し、
前記ノズルチップ部材および前記待機ポートに対する洗浄は複数回繰り返され、
前記ノズルチップ部材が洗浄されると前記ノズルチップ部材を前記待機ポートの内部空間から離脱する方向に移動させ、前記待機ポートは前記ノズルチップ部材が位置移動した後にその内部が洗浄され、
前記ノズルチップ部材を洗浄する前に前記待機ポートを先に1回洗浄し、
前記待機ポートを洗浄した後に前記ノズルチップ部材を再び1回洗浄し、
前記薬液はシンナーである、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置およびその洗浄方法に関する。より詳細には、フォトリソグラフィ工程に活用できる基板処理装置およびその洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程は半導体製造設備内で連続して行われることができ、前工程と後工程に区分することができる。ここで、前工程はウェハ上に回路パターンを形成して半導体チップを完成する工程をいい、後工程は前工程により完成された製品の性能を評価する工程をいう。
【0003】
半導体製造設備は半導体を製造するためにファブ(Fab)と定義される半導体製造工場内に設置されることができる。ウェハは蒸着工程、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程、アッシング工程、イオン注入工程、洗浄工程、パッケージ工程、検査工程など半導体を生産するためのそれぞれの工程を順に経るためにそれぞれの工程が行われる設備に移動されることができる。
【0004】
フォトリソグラフィ工程は半導体基板上にパターンを形成する工程であり、塗布工程、露光工程、現像工程などからなり、塗布工程ではノズルを介してフォトレジストのような感光物質を基板上に噴射して感光膜を形成させることができる。
前記ノズルは半導体基板に向かって突出し、薬液が吐出される吐出口を有するノズルチップを含むことができる。ノズルチップは金属からなり、プラスチック樹脂(例えば、PFA)からなる。
【0005】
しかし、ノズルチップが金属からなる場合には、薬液との化学的反応によりノズルチップが腐食し得、これにより薬液が汚染され得る。また、ノズルチップがプラスチック樹脂からなる場合は、ノズルチップに静電気が発生し得、これにより吐出口に吸着するほこりや微細流体がノズルチップの周辺や薬液を汚染させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明で解決しようとする技術的課題は、汚染源がある場合にノズルチップやノズルチップの周辺を洗浄できる基板処理装置およびその洗浄方法を提供することにある。
【0007】
本発明の技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を達成するための本発明の基板処理装置の一態様(Aspect)は、基板を支持する基板支持ユニット;端部に吐出口が形成されたノズルチップ部材を含み、前記ノズルチップ部材を用いて前記基板上に処理液を吐出する噴射ユニット;および前記処理液の吐出を完了した前記ノズルチップ部材をその内部に収容する待機ポートを含み、前記ノズルチップ部材が第2薬液をサックバックする前に前記ノズルチップ部材および前記待機ポートの内部を洗浄する。
【0009】
前記技術的課題を達成するための本発明の基板処理装置の洗浄方法の一態様は、基板上に処理液を吐出するノズルチップ部材が待機ポートの内部空間に移動する段階;前記ノズルチップ部材を洗浄する段階;前記待機ポートの内部を洗浄する段階;および前記ノズルチップ部材が第2薬液をサックバックする段階を含む。
【0010】
前記技術的課題を達成するための本発明の基板処理装置の他の態様は、基板を支持する基板支持ユニット;端部に吐出口が形成されたノズルチップ部材を含み、前記ノズルチップ部材を用いて前記基板上に処理液を吐出する噴射ユニット;および前記処理液の吐出を完了した前記ノズルチップ部材をその内部に収容する待機ポートを含み、前記ノズルチップ部材が薬液をサックバックする前に前記ノズルチップ部材および前記待機ポートの順に洗浄し、前記ノズルチップ部材および前記待機ポートに対する洗浄は複数回繰り返され、前記ノズルチップ部材が洗浄されると前記ノズルチップ部材を前記待機ポートの内部空間から離脱する方向に移動させ、前記待機ポートは前記ノズルチップ部材が位置移動した後にその内部が洗浄され、前記ノズルチップ部材を洗浄する前に前記待機ポートを先に1回洗浄し、前記待機ポートを洗浄した後に前記ノズルチップ部材を再び1回洗浄し、前記薬液はシンナーである。
【0011】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】フォトリソグラフィ工程に活用される基板処理装置を含む半導体製造設備の内部構造を概略的に示す第1例示図である。
【
図2】フォトリソグラフィ工程に活用される基板処理装置を含む半導体製造設備の内部構造を概略的に示す第2例示図である。
【
図3】半導体製造設備に追加できる内部構成を概略的に示す例示図である。
【
図4】半導体基板に対して塗布工程を行う基板処理装置の内部構造を概略的に示す断面図である。
【
図5】基板処理装置内に設けられるノズルチップ部材と待機ポートを説明するための第1例示図である。
【
図6】基板処理装置内に設けられるノズルチップ部材と待機ポートを説明するための第2例示図である。
【
図7】基板処理装置を構成するノズルチップ部材やその周辺に対する汚染を説明するための第1例示図である。
【
図8】基板処理装置を構成するノズルチップ部材やその周辺に対する汚染を説明するための第2例示図である。
【
図9】基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法をシーケンシャルフローにより示す第1例示図である。
【
図10】基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第1例示図である。
【
図11】基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第2例示図である。
【
図12】基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第3例示図である。
【
図13】基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第4例示図である。
【
図14】基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第5例示図である。
【
図15】基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第6例示図である。
【
図16】基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第7例示図である。
【
図17】基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第8例示図である。
【
図18】基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を順を追って示す第2例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図面上の同じ構成要素に対しては同じ参照符号を使用し、これらに係る重複する説明は省略する。
【0014】
本発明はフォトリソグラフィ工程(Photo Lithography Process)に活用できる基板処理装置およびその洗浄方法に関するものである。本発明の基板処理装置は汚染源がある場合、ノズルチップやノズルチップの周辺を洗浄することができる。以下では図面などを参照して本発明について詳しく説明する。
【0015】
図1はフォトリソグラフィ工程に活用される基板処理装置を含む半導体製造設備の内部構造を概略的に示す第1例示図である。
図1によれば、半導体製造設備100はロードポートユニット110、インデックスモジュール120、バッファモジュール130、トランスファモジュール140、プロセスチャンバ150およびインタフェースモジュール160を含んで構成されることができる。
【0016】
半導体製造設備100は塗布工程、露光工程、現像工程、熱処理工程など多様な工程を経て半導体基板を処理するシステムである。半導体製造設備100はこのために塗布工程(Photo Resist Coating Process)を行うチャンバ、露光工程(Exposure Process)を行うチャンバ、現像工程(Development Process)を行うチャンバ、熱処理工程(Heat Treatment Process)を行うチャンバなど同種または異種の複数のプロセスチャンバ(Process Chamber;150)を含んでマルチチャンバ型基板処理システムとして設けられることができる。
【0017】
ロードポートユニット(Load Port Unit;110)は、複数の半導体基板が搭載されたコンテナ170が載置できるように提供されるものである。前記で、コンテナ170は例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)であり得る。
【0018】
ロードポートユニット110ではコンテナ170がロード(Loading)またはアンロード(Unloading)され得る。また、ロードポートユニット110ではコンテナ170に収納されている半導体基板がロードまたはアンロードされ得る。
【0019】
図1には図示していないが、前者の場合、コンテナ搬送装置によってロードポートユニット110にコンテナ170がロードまたはアンロードされることができる。具体的に説明すると、コンテナ搬送装置がロードポートユニット110上に運んできたコンテナ170を載置させることによってコンテナ170がロードポートユニット110にロードされ得、コンテナ搬送装置がロードポートユニット110上に置かれているコンテナ170を把持して行くことによりコンテナ170がロードポートユニット110にアンロードされ得る。前記で、コンテナ搬送装置は例えば、OHT(Overhead Hoist Transporter)であり得る。
【0020】
後者の場合、基板搬送ロボット120bによりロードポートユニット110に載置したコンテナ170で半導体基板がロードまたはアンロードされることができる。コンテナ170がロードポートユニット110上に載置されると、基板搬送ロボット120bがロードポートユニット110に接近し、その後コンテナ170内で半導体基板を搬出し得る。半導体基板のアンロードはこのような過程により行われる。
【0021】
また、プロセスチャンバ150内で半導体基板に対する処理が完了すると、基板搬送ロボット120bがバッファモジュール130内で半導体基板を搬出してコンテナ170に搬入させ得る。半導体基板のロードはこのような過程により行われる。
【0022】
ロードポートユニット110はインデックスモジュール120の前方に複数配置されることができる。例えば、第1ロードポート110a、第2ロードポート110b、第3ロードポート110c、第4ロードポート110dなど4個のロードポート110a,110b,110c,110dがインデックスモジュール120の前方に配置されることができる。
【0023】
ロードポートユニット110がインデックスモジュール120の前方に複数配置される場合、それぞれのロードポートユニット110上に載置されるコンテナ170は種類が異なる物を搭載できる。例えば、ロードポートユニット110がインデックスモジュール120の前方に4個配置される場合、左側の第1ロードポート110a上に載置される第1ポッド170aはウェハ型センサを搭載し得、中央部分の第2ロードポート110bおよび第3ロードポート110c上に載置される第2ポッド170bおよび第3ポッド170cは基板(ウェハ)を搭載し得、右側の第4ロードポート110d上に載置される第4ポッド170dはフォーカスリング、エッジリングなど消耗性部品を搭載し得る。
【0024】
しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。それぞれのロードポート110a,110b,110c,110d上に載置されるポッド170a,170b,170c,170dは種類が同じ物を搭載することも可能である。または、いくつかのロードポート上に載置されるポッドは種類が同じ物を搭載し、他のいくつかのロードポート上に載置されるポッドは種類が異なる物を搭載することも可能である。
【0025】
インデックスモジュール(Index Module;120)は、ロードポートユニット110とバッファモジュール130の間に配置され、ロードポートユニット110上のコンテナ170とバッファモジュール130の間に半導体基板を移送するようにインターフェースする役割を果たす。インデックスモジュール120はこのためにモジュールハウジング120a内に基板移送を担う基板搬送ロボット120bを含むことができる。基板搬送ロボット120bはモジュールハウジング120a内に少なくとも一つ設けられることができる。
【0026】
図1には図示していないが、インデックスモジュール120内には少なくとも一つのバッファチャンバが設けられることもできる。バッファチャンバには未処理の基板がバッファモジュール130に移送される前に一時的に格納され、処理済みの基板がロードポートユニット110上のコンテナ170に搬入される前に一時的に格納されることもできる。バッファチャンバはロードポートユニット110やバッファモジュール130に隣接しない側壁に設けられるが、これに限定されず、バッファモジュール130に隣接する側壁に設けられることも可能である。
【0027】
本実施形態ではバッファモジュール130を基準としてその一側にフロントエンドモジュール(FEM;Front End Module)を設けることができる。フロントエンドモジュール(FEM)は、ロードポートユニット110、インデックスモジュール120などを含み得、EFEM(Equipment Front End Module)、SFEMなどとして設けられることができる。
【0028】
なお、複数のロードポート110a,110b,110c,110dは、
図1の例示では水平方向(第1方向10)に配列される構造を有しているが、本実施形態ではこれに限定されず、複数のロードポート110a,110b,110c,110dが垂直方向に積層される構造を有するように構成されることも可能である。この場合、フロントエンドモジュールは例えば、垂直積層型EFEMとして設けられることができる。
【0029】
バッファモジュール130は半導体製造設備100上の入力ポートと出力ポートの間でバッファチャンバとして機能をする。バッファモジュール130はその内部に半導体基板を一時的に保管するバッファステージ130bを含むことができる。バッファステージ130bはインデックスモジュール120とトランスファモジュール140の間に単数で配置できるが、これに限定されず、複数で配置されることも可能である。
【0030】
バッファモジュール130はモジュールハウジング130a内にバッファステージ130bだけでなく基板搬送ロボット130cを備えることもできる。基板搬送ロボット130cはバッファステージ130bが複数で設けられる場合、複数のバッファステージ間に基板Wを移送する役割を果たす。
【0031】
バッファモジュール130はトランスファモジュール140の基板搬送ロボット140bにより半導体基板がロードまたはアンロードされることができる。バッファモジュール130はインデックスモジュール120の基板搬送ロボット120bにより半導体基板がロードまたはアンロードされることもできる。
【0032】
バッファモジュール130はインデックスモジュール120の後段に配置されることができる。すなわち、バッファモジュール130はインデックスモジュール120と同一線上に配置されなくてもよい。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。バッファモジュール130は、
図2の例示のように、インデックスモジュール120と同一線上に配置されることも可能である。この場合には、インデックスモジュール120の基板搬送ロボット120b、バッファモジュール130の基板搬送ロボット130c、バッファステージ130bなどが単一のモジュールハウジング内に配置されることができる。
図2はフォトリソグラフィ工程に活用される基板処理装置を含む半導体製造設備の内部構造を概略的に示す第2例示図である。
【0033】
【0034】
トランスファモジュール(Transfer Module;140)は、バッファモジュール130とプロセスチャンバ150の間で半導体基板が移送されるようにインターフェースする役割を果たす。トランスファモジュール140はこのためにモジュールハウジング140a内に基板移送を担う基板搬送ロボット140bを備えることができる。基板搬送ロボット140bはモジュールハウジング140a内に少なくとも一つ設けられることができる。
【0035】
基板搬送ロボット140bは未処理の基板をバッファモジュール130からプロセスチャンバ150に移送するか、処理済みの基板をプロセスチャンバ150からバッファモジュール130に移送する。トランスファモジュール140の各辺はこのためにバッファモジュール130および複数のプロセスチャンバ150と連結されることができる。なお、基板搬送ロボット140bはその回動が自在に設けられることができる。
【0036】
プロセスチャンバ(Process Chamber;150)は、基板を処理する役割を果たす。プロセスチャンバ150はトランスファモジュール140の周囲に複数配置されることができる。この場合、それぞれのプロセスチャンバ150はトランスファモジュール140から半導体基板の供給を受けて半導体基板を工程処理し、工程処理された半導体基板をトランスファモジュール140に提供できる。
【0037】
プロセスチャンバ150は円筒形状や多角形形状に設けられることができる。このようなプロセスチャンバ150は表面が陽極酸化膜が形成されたアルマイト(Alumite)からなり、その内部は気密に構成されることができる。なお、プロセスチャンバ150は本実施形態で円筒形状や多角形形状以外の異なる形状に形成されることも可能である。
インタフェースモジュール160は基板Wを移送する役割を果たす。インタフェースモジュール160は、モジュールハウジング160a、バッファステージ160bおよび基板搬送ロボット160cを含むことができる。バッファステージ160bと基板搬送ロボット160cはモジュールハウジング160a内に位置する。バッファステージ160bは単数で提供できるが、これに限定されず、複数で提供されることも可能である。バッファステージ160bが複数で提供される場合は、複数のバッファステージは互いに一定の距離離隔され得、互いに積層するように配置されることができる。
【0038】
基板搬送ロボット160cはバッファステージ160bと露光装置EXPの間に基板Wを搬送する役割を果たす。バッファステージ160bは工程が行われた基板Wが露光装置EXPに移動する前にこれらを一時的に保管する。または、バッファステージ160bは露光装置EXPで工程が完了した基板Wが移動する前にこれらを一時的に保管する。インタフェースモジュール160には基板に対して所定の工程を行うチャンバを提供せずに前述したようにバッファおよびロボットのみ提供されることができる。
【0039】
なお、パージモジュールPMはインタフェースモジュール160のモジュールハウジング160a内に提供されることができる。しかし、これに限定されず、パージモジュールPMは、インタフェースモジュール160後段の露光装置EXPが連結される位置、インタフェースモジュール160の側部など多様な位置に提供されることも可能である。
【0040】
前述したが、バッファモジュール130内にバッファステージ130bが設けられることができ、インタフェースモジュール160内にもバッファステージ160bが設けられることができる。本実施形態ではバッファモジュール130内に設けられるバッファステージ130bを第1バッファステージと定義し、インタフェースモジュール160内に設けられるバッファステージ160bを第2バッファステージと定義し、前記2個のバッファステージ130b,160bを区別する。
【0041】
また、前述したが、インデックスモジュール120内に基板搬送ロボット120bが設けられることができ、バッファモジュール130内に基板搬送ロボット130cが設けられることができ、トランスファモジュール140内に基板搬送ロボット140bが設けられることができ、インタフェースモジュール160内にも基板搬送ロボット160cが設けられることができる。本実施形態ではインデックスモジュール120内に設けられる基板搬送ロボット120bを第1搬送ロボットと定義し、バッファモジュール130内に設けられる基板搬送ロボット130cを第2搬送ロボットと定義し、トランスファモジュール140内に設けられる基板搬送ロボット140bを第3搬送ロボットと定義し、インタフェースモジュール160内に設けられる基板搬送ロボット160cを第4搬送ロボットと定義し、前記4個の基板搬送ロボット120b,130c,140b,160cを区別する。
【0042】
半導体製造設備100は、
図1に示すように、インラインプラットフォーム(In-Line Platform)を有する構造で形成されることも可能である。この場合、複数のプロセスチャンバ150はトランスファモジュール140を基準としてインライン方式で配置され、トランスファモジュール140の両側に種類が異なるプロセスチャンバ150が対応関係を形成して直列に配置されることができる。しかし、これに限定されず、半導体製造設備100はクラスタプラットフォーム(Cluster Platform)を有する構造で形成されるか、またはクワッドプラットフォーム(Quad Platform)を有する構造で形成されることも可能である。
【0043】
次に、半導体製造設備100内に設けられるプロセスチャンバ150すなわち、基板処理装置について説明する。前述したが、半導体製造設備100は複数のプロセスチャンバ150を含み得、前記複数のプロセスチャンバ150はトランスファモジュール140を基準としてインライン方式で配置されることができる。この場合、種類が異なるプロセスチャンバ150が対応関係を形成してトランスファモジュール140の両側に一列に配置できるが、いずれか一つの種類のプロセスチャンバ150は基板に対して熱処理工程を行う基板処理装置150aであり、他の一つの種類のプロセスチャンバ150は基板に対して塗布工程または現像工程を行う基板処理装置150bであり得る。
【0044】
図3は半導体製造設備に追加できる内部構成を概略的に示す例示図である。そして、
図4は半導体基板に対して塗布工程を行う基板処理装置の内部構造を概略的に示す断面図である。以下の説明は
図3および
図4を参照する。
【0045】
基板処理装置150bは薬液(Chemical)を用いて基板を処理する装置である。基板処理装置150bは薬液を用いて基板上にフォトレジストを形成させることができる。または、基板処理装置150bは薬液を用いて基板上でフォトレジストを除去することができる。基板処理装置150bは薬液を用いて基板を処理する洗浄プロセスチャンバ(Cleaning Process Chamber)として設けられることができる。
【0046】
薬液は液体状態の物質(例えば、有機溶剤)であるか、気体状態の物質であり得る。薬液は揮発性が強く、ヒューム(Fume)が多く発生するか粘度が高いため残留性が高い物質を含むことができる。薬液は例えば、IPA(Iso-Propyl Alcohol)成分を含む物質、硫酸成分を含む物質(例えば、硫酸成分と過酸化水素成分を含むSPM)、アンモニア水成分を含む物質(例えば、SC-1(H2O2+NH4OH)、フッ酸成分を含む物質(例えば、DHF(Diluted Hydrogen Fluoride))、リン酸成分を含む物質などから選択することができる。以下では基板の処理に用いられるこのような薬液を基板処理液と定義する。
【0047】
基板処理装置150bは、前述したように洗浄工程に適用される場合、スピンヘッド(Spin Head)を用いて基板を回転させ、ノズル(Nozzle)を用いて基板上に薬液を提供できる。基板処理装置150bはこのように液処理チャンバとして設けられる場合、
図4に示すように、基板支持ユニット310、処理液回収ユニット320、昇降ユニット330および噴射ユニット340を含んで構成されることができる。
【0048】
基板支持ユニット310は基板Wを支持するモジュールである。基板支持ユニット310は基板Wを処理する際に、第3方向30に対して垂直方向(第1方向10および第2方向20)に基板Wを回転させ得る。基板支持ユニット310は基板W処理時に用いられる基板処理液を回収するために、処理液回収ユニット320の内部に配置されることができる。
【0049】
基板支持ユニット310は、スピンヘッド(Spin Head;311)、回転軸312、回転駆動モジュール313、サポートピン(Support Pin;314)およびガイドピン(Guide Pin;315)を含んで構成されることができる。
【0050】
スピンヘッド311は回転軸312の回転方向(第3方向30の垂直方向)に沿って回転するものである。このようなスピンヘッド311は基板Wの形状と同じ形状を有するように提供されることができる。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。スピンヘッド311は基板Wの形状と互いに異なる形状を有するように提供されることも可能である。
【0051】
回転軸312は回転駆動モジュール313から提供されるエネルギを用いて回転力を発生させるものである。このような回転軸312は回転駆動モジュール313とスピンヘッド311にそれぞれ結合されて回転駆動モジュール313による回転力をスピンヘッド311に伝達できる。スピンヘッド311は回転軸312に沿って回転し、この場合、スピンヘッド311上に載置されている基板Wもスピンヘッド311とともに回転できる。
サポートピン314およびガイドピン315はスピンヘッド311上で基板Wを位置固定させるものである。サポートピン314はこのためにスピンヘッド311上で基板Wの底面を支持し、ガイドピン315は基板Wの側面を支持する。サポートピン314およびガイドピン315はスピンヘッド311上にそれぞれ複数設置されることができる。
【0052】
サポートピン314は全体的に環状のリング形状を有するように配置されることができる。サポートピン314はこれにより基板Wがスピンヘッド311の上部から一定の距離離隔できるように基板Wの底面を支持することができる。
【0053】
ガイドピン315はチャッキングピン(Chucking Pin)であって、スピンヘッド311が回転する時に基板Wが元の位置から離脱しないように基板Wを支持することができる。
【0054】
処理液回収ユニット320は基板Wの処理に用いられる基板処理液を回収するものである。処理液回収ユニット320は基板支持ユニット310を囲むように設置され、それにより、基板Wに対する処理工程が行われる空間を提供することができる。
【0055】
基板Wが基板支持ユニット310上に載置および固定された後、基板支持ユニット310により回転し始めると、噴射ユニット340が制御モジュール220の制御に応じて基板W上に基板処理液を噴射し得る。すると、基板支持ユニット310の回転力によって発生する遠心力により基板W上に吐出される基板処理液は処理液回収ユニット320が位置する方向に分散し得る。この場合、処理液回収ユニット320は流入口(すなわち、後述する第1回収槽321の第1開口部324、第2回収槽322の第2開口部325、第3回収槽323の第3開口部326など)を介して基板処理液がその内部に流入すると基板処理液を回収することができる。
【0056】
処理液回収ユニット320は複数の回収槽を含んで構成されることができる。処理液回収ユニット320は例えば、3個の回収槽を含んで構成されることができる。処理液回収ユニット320がこのように複数の回収槽を含んで構成される場合、複数の回収槽を用いて基板処理工程に使用される基板処理液を分離して回収することができ、これにより、基板処理液のリサイクルが可能になる。
【0057】
処理液回収ユニット320は3個の回収槽を含んで構成される場合、第1回収槽321、第2回収槽322および第3回収槽323を含むことができる。第1回収槽321、第2回収槽322および第3回収槽323は、例えば、ボウル(Bowl)として実現されることができる。
【0058】
第1回収槽321、第2回収槽322および第3回収槽323は互いに異なる基板処理液を回収することができる。例えば、第1回収槽321はリンス液(例えば、DI Water(Deionized Water))を回収し、第2回収槽322は第1薬液を回収し、第3回収槽323は第2薬液を回収することができる。
【0059】
第1回収槽321、第2回収槽322および第3回収槽323は、その底面から下方(第3方向30)に延びる回収ライン327,328,329と連結され得る。第1回収槽321、第2回収槽322および第3回収槽323を介して回収される第1処理液、第2処理液および第3処理液は処理液再生システム(図示せず)によりリサイクル可能に処理されることができる。
【0060】
第1回収槽321、第2回収槽322および第3回収槽323は、基板支持ユニット310を囲む環状のリング形状に設けられることができる。第1回収槽321、第2回収槽322および第3回収槽323は、第1回収槽321から第3回収槽323に行くほど(すなわち、第2方向20に)その大きさが増加し得る。第1回収槽321と第2回収槽322の間の間隔を第1間隔と定義し、第2回収槽322と第3回収槽323の間の間隔を第2間隔と定義すると、第1間隔は第2間隔と同じであり得る。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。第1間隔は第2間隔と異なってもよい。すなわち、第1間隔は第2間隔より大きくてもよく、第2間隔より小さくてもよい。
【0061】
昇降ユニット330は処理液回収ユニット320を上下方向(第3方向30)に直線移動させるものである。昇降ユニット330はこれにより基板支持ユニット310(または基板W)に対する処理液回収ユニット320の相対高さを調節する役割を果たすことができる。
【0062】
昇降ユニット330はブラケット331、第1支持軸332および第1駆動モジュール333を含んで構成されることができる。
【0063】
ブラケット331は処理液回収ユニット320の外壁に固定されるものである。ブラケット331は第1駆動モジュール333により上下方向に移動する第1支持軸332と結合し得る。
【0064】
基板支持ユニット310上に基板Wを載置させる場合、基板支持ユニット310は処理液回収ユニット320より上位に位置し得る。同様に、基板支持ユニット310上で基板Wを脱着させる場合にも、基板支持ユニット310は処理液回収ユニット320より上位に位置し得る。前記のような場合、昇降ユニット330は処理液回収ユニット320を下降させる役割を果たすことができる。
【0065】
基板Wに対する処理工程が行われる場合、基板W上に吐出される基板処理液の種類によって該当処理液が第1回収槽321、第2回収槽322および第3回収槽323のいずれか一つの回収槽に回収されることができる。このような場合にも、昇降ユニット330は処理液回収ユニット320を該当位置まで昇降させる役割を果たすことができる。例えば、基板処理液として第1処理液を使用する場合、昇降ユニット330は基板Wが第1回収槽321の第1開口部324に対応する高さに位置するように処理液回収ユニット320を昇降させることができる。
【0066】
なお、本実施形態では昇降ユニット330が基板支持ユニット310を上下方向に直線移動させて基板支持ユニット310(または基板W)に対する処理液回収ユニット320の相対高さを調節することも可能である。
【0067】
しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。昇降ユニット330は基板支持ユニット310および処理液回収ユニット320を同時に上下方向に直線移動させて基板支持ユニット310(または基板W)に対する処理液回収ユニット320の相対高さを調節することも可能である。
【0068】
噴射ユニット340は基板Wの処理時に基板W上に基板処理液を供給するモジュールである。このような噴射ユニット340は基板処理装置150b内に少なくとも一つ設置される。噴射ユニット340が基板処理装置150b内に複数設置される場合、それぞれの噴射ユニット340は互いに異なる基板処理液を基板W上に噴射することができる。
噴射ユニット340はノズル構造体341、ノズル支持モジュール342、第2支持軸343および第2駆動モジュール344を含んで構成されることができる。
【0069】
ノズル構造体341はノズル支持モジュール342の端部に設置されるものである。このようなノズル構造体341は第2駆動モジュール344により工程位置または待機位置に移動されることができる。
【0070】
前記で、工程位置は基板Wの上位領域をいい、待機位置は工程位置を除いた残り領域をいう。ノズル構造体341は基板W上に基板処理液を吐出する場合、工程位置に移動され、基板W上に基板処理液を吐出した後、工程位置を外れて待機位置に移動されることができる。
【0071】
ノズル支持モジュール342はノズル構造体341を支持するものである。このようなノズル支持モジュール342はスピンヘッド311の長手方向に対応する方向に延長形成されることができる。すなわち、ノズル支持モジュール342はその長手方向が第2方向20に沿って提供されることができる。
ノズル支持モジュール342はその長手方向に対して垂直方向に延長形成される第2支持軸343と結合され得る。第2支持軸343はスピンヘッド311の高さ方向に対応する方向に延長形成されることができる。すなわち、第2支持軸343はその長手方向が第3方向30に沿って提供されることができる。
【0072】
第2駆動モジュール344は第2支持軸343および前記第2支持軸343と連動するノズル支持モジュール342を回転および昇降させるモジュールである。第2駆動モジュール344のこのような機能により、ノズル構造体341は工程位置または待機位置に移動されることができる。
【0073】
【0074】
半導体製造設備100は前述のように基板Wに対して塗布工程を行う基板処理装置150bを含み得、これと共に基板処理液提供モジュール210と制御モジュール220をさらに含むことができる。
【0075】
基板処理液提供モジュール210は基板処理装置150b内に基板処理液を提供する役割を果たす。基板処理液提供モジュール210はこのために噴射ユニット340と連結され得、制御モジュール220の制御に応じて作動できる。
【0076】
制御モジュール220は半導体製造設備100を構成するそれぞれのモジュールの全体作動を制御する役割を果たす。制御モジュール220は例えば、インデックスモジュール120の基板搬送ロボット120b、バッファモジュール130の基板搬送ロボット130c、トランスファモジュール140の基板搬送ロボット140bなどの基板の搬入および搬出を制御でき、プロセスチャンバ150の基板処理工程を制御できる。また、制御モジュール220は基板処理液提供モジュール210の作動も制御できる。
【0077】
制御モジュール220は半導体製造設備100の制御を実行するマイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるプロセスコントローラと、オペレータが半導体製造設備100を管理するためにコマンドの入力操作などを行うキーボードや、半導体製造設備100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイなどからなるユーザインタフェースと、半導体製造設備100で実行される処理をプロセスコントローラの制御により実行するための制御プログラムや、各種データおよび処理条件に応じて各構成部に処理を実行させるためのプログラム、すなわち、処理レシピが保存された記憶部を備えることができる。また、ユーザインタフェースおよび記憶部はプロセスコントローラに接続されている。処理レシピは記憶部のうち記憶媒体に記憶されており、記憶媒体はハードディスクであり得、CD-ROM、DVDなどの可搬性ディスクや、フラッシュメモリなどの半導体メモリであり得る。
【0078】
一方、基板処理液提供モジュール210と制御モジュール220は基板処理装置150b内に含まれることも可能である。この場合、制御モジュール220は基板処理装置150b内に含まれる構成要素と基板処理液提供モジュール210を制御できる。
【0079】
前述したが、ノズル構造体341は基板Wに向かって突出し、基板処理液が吐出される吐出口を有するノズルチップ部材410を含むことができる。しかし、フォトリソグラフィ工程のうち塗布工程ではノズルチップ部材410がフォトレジストのような感光液を基板W上に噴射する。したがって、塗布工程が終了した後には感光液が吸着しているノズルチップ部材410を洗浄処理しなければならない。この場合、ノズルチップ部材410は待機ポート420が位置する所に移動し、待機ポート420内で洗浄液を用いてその表面に吸着している感光液を除去できる。
図5は基板処理装置内に設けられるノズルチップ部材と待機ポートを説明するための第1例示図である。
【0080】
第1薬液供給ユニット430は第1薬液供給ライン440aを介して待機ポート420の内部空間に第1薬液を提供できる。第1薬液はノズルチップ部材410の表面を洗浄するための薬液であり得る。
【0081】
第1薬液供給ライン440a上には第1薬液の流れを制御するための第1開閉弁440bが設置され得る。第1薬液供給ライン440aは待機ポート420の側面を貫通して待機ポート420の内部空間に連結され得る。
【0082】
待機ポート420はその内部に流入した第1薬液を外部に排出できるように本体部420aの下端に吐出口420bを含むことができる。薬液排出ライン450aは待機ポート420の吐出口420bと連結されて第1薬液を外部に排出させることができ、薬液排出ライン450a上には第1薬液の流れを制御するための第2開閉弁450bが設置されることができる。
【0083】
一方、待機ポート420には第1薬液供給ユニット430だけでなく第2薬液供給ユニット460も連結されることができる。
図6は基板処理装置内に設けられるノズルチップ部材と待機ポートを説明するための第2例示図である。
【0084】
第2薬液供給ユニット460は第2薬液供給ライン470aを介して待機ポート420の内部空間に第2薬液を提供できる。第2薬液は基板Wの表面を洗浄するための薬液であり得る。第2薬液は例えば、基板W上でフォトレジストの除去に使用され得る。第2薬液は例えば、シンナー(Thinner)であり得る。
【0085】
第2薬液供給ライン470a上には第2薬液の流れを制御するための第3開閉弁470bが設置されることができる。第2薬液供給ライン470aは第1薬液供給ライン440aと同様に待機ポート420の側面を貫通して待機ポート420の内部空間に連結され得る。
【0086】
待機ポート420では第1薬液が提供された後に第2薬液が提供されることができる。したがって、待機ポート420に連結される薬液供給ユニットは一つであり得る。すなわち、第1薬液供給ユニット430のみが待機ポート420に連結され、第1薬液供給ユニット430が第1薬液と第2薬液を順次提供できる。第1薬液供給ユニット430がこのように第1薬液と第2薬液を順次提供する場合には、第1薬液と第2薬液は同じ薬液であり得る。第1薬液と第2薬液は例えば、シンナー(Thinner)であり得る。
【0087】
一方、待機ポート420には第3薬液供給ユニット480も連結されることができる。第3薬液供給ユニット480は第3薬液供給ライン490aを介して待機ポート420の内部空間に第3薬液を提供できる。第3薬液は待機ポート420の内部表面を洗浄するための薬液であり得る。
【0088】
第3薬液供給ライン490a上には第3薬液の流れを制御するための第4開閉弁490bが設置されることができる。第3薬液供給ライン490aは第1薬液供給ライン440aおよび第2薬液供給ライン470aと同様に待機ポート420の側面を貫通して待機ポート420の内部空間に連結され得る。
【0089】
一方、第3薬液供給ライン490aは待機ポート420の内部表面を洗浄するために第1薬液供給ライン440aより上位レベルに配置されることができる。しかし、これに限定されず、第3薬液供給ライン490aは第1薬液供給ライン440aと同位レベル(同じレベル)に配置されることも可能である。または、第3薬液供給ライン490aは第1薬液供給ライン440aより下位レベルに配置されることも可能である。
【0090】
一方、第1薬液供給ユニット430がノズルチップ部材410の表面を洗浄するための薬液(第1薬液)と待機ポート420の内部表面を洗浄するための薬液(第3薬液)の両方を提供することも可能である。第1薬液供給ユニット430は時間差を置いて第1薬液と第3薬液を提供でき、第1薬液と第3薬液は同じ薬液であり得る。この場合、第3薬液供給ユニット480、第3薬液供給ライン490aおよび第4開閉弁490bは基板処理装置150b内に含まれなくてもよい。
【0091】
前述したが、腐食(Corrosion)や静電気などによりノズルチップ部材410やノズルチップ部材410の周辺が汚染され得、これにより薬液が汚染され得る。例えば、
図7の例示のように、パーティクル(Particle)のような異物510がノズルチップ部材410の表面に吸着してノズルチップ部材410が汚染され得る。または、
図8の例示のように、異物510が待機ポート420の内部表面に吸着してノズルチップ部材410の周辺が汚染される場合もある。
図7は基板処理装置を構成するノズルチップ部材やその周辺に対する汚染を説明するための第1例示図である。そして、
図8は基板処理装置を構成するノズルチップ部材やその周辺に対する汚染を説明するための第2例示図である。
【0092】
本実施形態では汚染源がある場合、ノズルチップ部材410やその周辺を洗浄することができる。
図9は基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を順を追って示す第1例示図である。以下の説明は
図9を参照する。
【0093】
先に汚染源が発生したと判断されると(S610)、水槽クリーニング(Bath Cleaning)を行う(S620)。この場合、第3薬液供給ユニット480は待機ポート420の内部空間に第3薬液520を提供でき、待機ポート420の内部表面は第3薬液520により洗浄され得る。水槽クリーニング(S620)は1回実施され得る。
図10は基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第1例示図である。
【0094】
汚染源が発生したか否かは作業者が肉眼で確認し、その汚染有無を判断できる。しかし、これに限定されず、本実施形態ではカメラセンサなどの装備を用いて汚染源が発生したか否かを判断することも可能である。
【0095】
待機ポート420の内部空間に流入した第3薬液520は一定時間が経過した後に薬液排出ライン450aを介して外部に排出されることができる。しかし、これに限定されず、第3薬液520は待機ポート420の内部空間に流入するとすぐに薬液排出ライン450aを介して外部に排出されることも可能である。
図11は基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第2例示図である。
【0096】
しかし、水槽クリーンだけではノズルチップ部材410やその周辺が完全に洗浄されないこともあり、この場合は汚染源がある状態でノズルチップクリーニング(Nozzle tip Cleaning)を行った後すぐにシンナー(Thinner)のサックバック(Suck Back)を行うと、シンナーのサックバック時に汚染源が共にサックバックするか待機ポート420の内部表面に汚染物が残存し得る。したがって、本実施形態では次のような過程を次に行う。
【0097】
事前ノズルチップクリーニング(Pre Nozzle Tip Cleaning)を行う(S630)。この場合、第1薬液供給ユニット430は待機ポート420の内部空間に位置したノズルチップ部材410に向かって第1薬液530を提供でき、ノズルチップ部材410の表面は第1薬液530により洗浄され得る。
図12は基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第3例示図である。
【0098】
待機ポート420の内部空間に流入した第1薬液530は一定時間が経過した後に薬液排出ライン450aを介して外部に排出されることができる。しかし、これに限定されず、第1薬液530は待機ポート420の内部空間に流入するとすぐに薬液排出ライン450aを介して外部に排出されることも可能である。
【0099】
その後、事前水槽クリーニング(Pre Bath Cleaning)を行う(S640)。この場合、
図13の例示のように、待機ポート420の吐出口420bからノズルチップ部材410を後退させ、その後、
図14の例示のように第3薬液供給ユニット480が待機ポート420の内部空間に第3薬液520を提供できる。前述したが、待機ポート420の内部表面は第3薬液520により洗浄され得る。
図13は基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第4例示図である。そして、
図14は基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第5例示図である。
【0100】
一方、待機ポート420の内部空間に流入した第3薬液520は一定時間が経過した後に薬液排出ライン450aを介して外部に排出されることができる。しかし、これに限定されず、第3薬液520は待機ポート420の内部空間に流入するとすぐに薬液排出ライン450aを介して外部に排出されることも可能である。
【0101】
事前ノズルチップクリーニング(S630)と事前水槽クリーニング(S640)はN回繰り返され得る(S650)。ここで、Nは2以上の自然数すなわち、複数を意味する。事前ノズルチップクリーニング(S630)と事前水槽クリーニング(S640)の繰り返し回数は実験により累積した統計データに基づいて事前に決定されることができる。しかし、これに限定されず、事前ノズルチップクリーニング(S630)と事前水槽クリーニング(S640)は一回のみ行われることも可能である。または、事前ノズルチップクリーニング(S630)と事前水槽クリーニング(S640)は省略することもできる。
【0102】
例えば、2個のノズルチップ部材410が処理液噴射に交互に使用される場合には、前記2個のノズルチップ部材410のいずれか一つのノズルチップ部材410に汚染源が発生しても前記いずれか一つのノズルチップ部材410に対しては事前ノズルチップクリーニング(S630)と事前水槽クリーニング(S640)を省略することができる。また、10個のノズルチップ部材410が一定時間の間隔を置いて処理液噴射に周期的に使用される場合は、それぞれのノズルチップ部材410に対して事前ノズルチップクリーニング(S630)と事前水槽クリーニング(S640)が1回または2回繰り返し行われることができる。
【0103】
事前ノズルチップクリーニング(S630)と事前水槽クリーニング(S640)を順次行った後には、ノズルチップ部材410と待機ポート420の内部に対して検査し得る。制御モジュール220はノズルチップ部材410と待機ポート420の内部に対する検査結果に基づいてノズルチップ部材410と待機ポート420の内部表面に異物510が残存するか否かを判別できる。ノズルチップ部材410と待機ポート420の内部表面に異物510が残存すると判別される場合、制御モジュール220は事前ノズルチップクリーニング(S630)と事前水槽クリーニング(S640)が再び行われるようにすることができる。
【0104】
ノズルチップ部材410と待機ポート420の内部に対する検査は
図15の例示のように検査モジュール230により行われ得る。検査モジュール230は例えば、カメラモジュールとして設けられ、この場合、制御モジュール220はカメラモジュールによって取得された映像情報に基づいてノズルチップ部材410と待機ポート420の内部表面に異物510が残存するか否かを判別できる。
図15は基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第6例示図である。
事前ノズルチップクリーニング(S630)と事前水槽クリーニング(S640)の繰り返し実行が終了すると、ノズルチップクリーニング(Nozzle Tip Cleaning)を行う(S660)。この場合、第1薬液供給ユニット430は待機ポート420の内部空間に位置したノズルチップ部材410に向かって第1薬液を提供でき、ノズルチップ部材410の表面は第1薬液により洗浄され得る。ノズルチップクリーニング(S660)は1回実施されることができる。
【0105】
待機ポート420の内部空間に流入した第1薬液は一定時間が経過した後に薬液排出ライン450aを介して外部に排出されることができる。しかし、これに限定されず、第1薬液は待機ポート420の内部空間に流入するとすぐに薬液排出ライン450aを介して外部に排出されることも可能である。
【0106】
その後、シンナーの提供およびサックバックが行われる(S670)。この場合、第2薬液供給ユニット460は
図16の例示のように待機ポート420の内部空間に第2薬液540を提供でき、ノズルチップ部材410は
図17の例示のように待機ポート420の内部空間に流入した第2薬液540をサックバックし得る。
図16は基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第7例示図である。そして、
図17は基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を説明するための第8例示図である。
【0107】
一方、検査モジュール230はノズルチップ部材410の表面や待機ポート420の内部表面に汚染源が発生したか否かを判別するためにも用いられる。すなわち、制御モジュール220は検査モジュール230の検査結果に基づいてノズルチップ部材410の表面に異物510が吸着しているか否かを判別でき、これによりノズルチップ部材410の表面に汚染源が発生したか否かを判別できる。または、制御モジュール220は検査モジュール230の検査結果に基づいて待機ポート420の内部表面に異物510が吸着しているか否かを判別でき、これにより待機ポート420の内部表面に汚染源が発生したか否かを判別できる。
一方、汚染源がある場合、ノズルチップ部材410の外部表面や待機ポート420の内部表面を洗浄する方法において、汚染源が発生したと判断されると(S710)、水槽クリーニング(Bath Cleaning)を行わず、事前ノズルチップクリーニング(Pre Nozzle Tip Cleaning)(S720)と事前水槽クリーニング(Pre Bath Cleaning)を順次行うことも可能である(S730)。
この場合には、事前ノズルチップクリーニング(S720)と事前水槽クリーニング(S730)の繰り返し実行が終了すると(S740)、次にシンナーの提供およびサックバック(S750)が行われることができる。
【0108】
または、事前ノズルチップクリーニング(S720)と事前水槽クリーニング(S730)の繰り返し実行が終了すると(S740)、シンナーの提供およびサックバック(S750)が行われる前に水槽クリーニング、ノズルチップクリーニング(Nozzle Tip Cleaning)などが順番どおり行われることができる。
【0109】
または、事前ノズルチップクリーニング(S720)と事前水槽クリーニング(S730)の繰り返し実行が終了すると(S740)、シンナーの提供およびサックバック(S750)が行われる前にノズルチップクリーニングのみが行われることができる。
【0110】
または、事前ノズルチップクリーニング(S720)と事前水槽クリーニング(S730)の繰り返し実行が終了すると(S740)、シンナーの提供およびサックバック(S750)が行われる前に水槽クリーニングのみが行われることができる。
【0111】
または、事前ノズルチップクリーニング(S720)と事前水槽クリーニング(S730)の繰り返し実行が終了すると(S740)、シンナーの提供およびサックバック(S750)が行われる前にノズルチップクリーニング、水槽クリーニングなどの順に行われることができる。
図18は基板処理装置を構成するノズルチップ部材およびその周辺に対するクリーニング方法を順を追って示す第2例示図である。
【0112】
以上、薬液を用いて基板Wを処理する基板処理装置150bについて説明し、前記基板処理装置150bでノズルチップ部材410と待機ポート420を洗浄する方法についても説明した。
【0113】
本発明はPRノズルチップ強化クリーン方法に関するものである。すなわち、本発明はPRノズル汚染源を除去するための選択的強化クリーン方法に関するものである。本発明はシンナーのサックバックを行う前に事前クリーニング(Pre Cleaning)すなわち、ノズルチップ部材410とその周辺、待機ポート420の内部表面などに対して洗浄を行ってノズルチップ部材410および待機ポート420にある汚染物を洗浄し、きれいなシンナーがサックバックされるようにすることができる。また、本発明では事前クリーニング回数を指定選択できるようにして、それによる時間損失を最小化することができる。
【0114】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造することができ、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0115】
100 半導体製造設備
110 ロードポートユニット
120 インデックスモジュール
130 バッファモジュール
140 トランスファモジュール
150 プロセスチャンバ
150a、150b 基板処理装置
160 インタフェースモジュール
170 コンテナ
210 基板処理液提供モジュール
220 制御モジュール
230 検査モジュール
310 基板支持ユニット
320 処理液回収ユニット
330 昇降ユニット
340 噴射ユニット
341 ノズル構造体
410 ノズルチップ部材
420 待機ポート
420a 本体部
420b 吐出口
430 第1薬液供給ユニット
440a 第1薬液供給ライン
440b 第1開閉弁
450a 薬液排出ライン
450b 第2開閉弁
460 第2薬液供給ユニット
470a 第2薬液供給ライン
470b 第3開閉弁
480 第3薬液供給ユニット
490a 第3薬液供給ライン
490b 第4開閉弁
510 異物
520 第3薬液
530 第1薬液
540 第2薬液